説明

情報通信システム及び情報通信装置

【課題】情報入力の操作性に劣る情報通信装置の操作性・利便性を向上させることが可能な情報通信システム及び情報通信装置を提供する。
【解決手段】情報通信システム1は、第1情報通信装置10と第2情報通信装置20とを備える。第1情報通信装置10は、入力情報を表示する表示する第1表示部12と、コピー情報を生成し、前記コピー情報の送信先を第1情報通信装置10のいずれかに決定する第1制御部15と、第2情報通信装置20にコピー情報を送信する第1通信部14とを備える。第2情報通信装置20は、第1情報通信装置10からコピー情報を受信する第2通信部24と、受信されたコピー情報を記憶する記憶部23と、入力情報表示領域221及びコピー情報表示領域222を有する第2表示部22と、コピー情報をコピー情報表示領域222に表示させ、コピー情報から選択された情報を入力情報表示領域221に表示させる第2制御部25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信システム、及び該情報通信システムにおける情報通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、あるツールで作成した文字、絵、写真等の情報を、コピー操作により一時的にバッファに蓄え、その後ペースト操作を行うことにより、同一情報を再度作成する手間を省くことが可能な、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等の様々な情報通信装置が開発されている。また、情報通信装置は、他の情報通信装置により作成された文字列や画像等のデータを、ウェブや電子メールを利用して転送する等により取得することができ、取得した文字列や画像をコピー&ペーストすることも可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、従来の情報通信装置間で情報を受け渡してコピー&ペースト操作を行う場合の動作を説明するフローチャートである。第1情報通信装置100は、情報送信ツール(例えば、電子メール)を使い、文字列や写真等の情報を作成する(ステップS201)。この情報は、第2情報通信装置200でコピー可能となる情報であるため、以下、「コピー情報」という。第1情報通信装置100は、作成したコピー情報を第2情報通信装置200に送信する(ステップS202)。
【0004】
第2情報通信装置200は、第1情報通信装置100から受信したコピー情報を開くために適したアプリケーションを起動する(ステップS203)。そして、コピー情報を表示させた後にコピー範囲を指定してコピー操作を行うことで、第2情報通信装置200は第1情報通信装置100から取得したコピー情報をバッファに一時的にコピーする(ステップS204)。コピーした入力情報をペーストする際には、第2情報通信装置200においてペーストする対象となるアプリケーションを起動する(ステップS205)。そして、第2情報通信装置200においてペースト操作を行うことで、第1情報通信装置100で作成したコピー情報のペーストが完了する(ステップS206)。
【0005】
また、別の従来方法では、第1情報通信装置100、及び第2情報通信装置200からアクセスできるウェブ等のネットワーク上に設けられたサーバ(図示せず)を利用する。この方法では、第1情報通信装置100がサーバにコピー情報をアップロードする。その後、第2情報通信装置200がサーバにアクセスし、アップロードされたコピー情報をダウンロードし、ダウンロードしたコピー情報を開くためにアプリケーション起動する。そして、コピー情報を表示させた後に範囲を指定してコピー操作を行うことで、第2情報通信装置200は第1情報通信装置100で作成した入力情報を別の対象にペーストできる状態となる。その後の動作は、上述したステップS203〜ステップS206と同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−15986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、情報通信装置の小型化が進んで持ち運びが可能なる等、利便性が向上している。しかしながら、この小型化の結果、十分な入力インターフェースを備えていなかったり、特定の機能を利用するために複雑な操作を必要としたりする等、ユーザの操作性が低下するという問題が生じていた。
【0008】
例えば、第1情報通信装置を情報入力の操作性に優れた情報通信装置、第2情報通信装置を情報入力の操作性に劣る情報通信装置としたとき、上述した従来の方法により、第1情報通信装置によりコピー情報の作成処理を代理することが可能となる。しかし、一般的に、情報入力の操作性に劣る第2情報通信装置は、画面サイズ、ボタンサイズ、処理性能等は、情報入力の操作性に優れた第1情報通信装置に大幅に劣る。そのため、第2情報通信装置上で行うアプリケーションの起動(数ステップのボタン操作)、共有領域へのアクセス(ユーザID/パスワードの入力等)、コピー動作(コピーする文字の表示、コピー範囲の選択等)はいずれもユーザに操作の負担を強いるものとなる。
【0009】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、情報入力の操作性に劣る情報通信装置の操作性・利便性を向上させることが可能な情報通信システム及び情報通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報通信システムは、
第1情報通信装置と、1以上の第2情報通信装置とを備える情報通信システムであって、
前記第1情報通信装置は、
入力された入力情報を表示する表示する第1表示部と、
前記第1表示部に表示された入力情報をコピーしてコピー情報を生成し、前記コピー情報の送信先を前記1以上の第2情報通信装置のいずれかに決定する第1制御部と、
前記第1制御部により決定された第2情報通信装置に前記コピー情報を送信する第1通信部と、を備え、
前記第2情報通信装置は、
前記第1情報通信装置から前記コピー情報を受信する第2通信部と、
前記第2通信部により受信されたコピー情報を記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する第2表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる第2制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る第2情報通信装置は、
第1情報通信装置と、1以上の第2情報通信装置とを備える情報通信システムにおける第2情報通信装置であって、
前記第1情報通信装置からコピー情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信されたコピー情報を記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る第1情報通信装置は、
第1情報通信装置と、1以上の第2情報通信装置とを備える情報通信システムにおける第1情報通信装置であって、
入力された入力情報を表示する表示する表示部と、
前記第1表示部に表示された入力情報をコピーしてコピー情報を生成し、前記コピー情報の送信先を前記1以上の第2情報通信装置のいずれかに決定する制御部と、
前記第1制御部により決定された第2情報通信装置に前記コピー情報を送信する通信部と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る第1情報通信装置において、
前記制御部は、前記生成したコピー情報を記憶させることが可能な第2情報通信装置の一覧を、前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る第1情報通信装置において、
前記制御部は、入力情報の確定受付状態時に所定の操作がなされると、入力情報を確定すると同時に該入力情報をコピー情報とみなし、該入力情報をあらかじめ指定された第2情報通信装置に送信するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザは情報入力の操作性に優れた情報通信装置を利用してコピー情報を作成し、情報を共有することで、情報入力の操作性に劣る情報通信装置において、情報を入力する手間を削減することができ、かつ、ペースト操作を容易に行うことができる。かくして、情報入力の操作性に劣る情報通信装置における操作性・利便性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第1情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第1情報通信装置の表示部の表示例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第1情報通信装置の操作部の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第2情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第2情報通信装置の表示部の第1の表示例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第2情報通信装置の表示部の第2の表示例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第2情報通信装置のペースト操作の一例を示す図である。
【図10】従来の情報通信装置間で情報を受け渡してコピー&ペースト操作を行う場合の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
十分な入力インターフェースを備えていない第2情報通信装置では、複雑な操作を省き最低限の操作により、十分な入力インターフェースを備えている第1情報通信装置で作成したコピー情報を第2情報通信装置で使用(ペースト)できる事が望ましい。本発明では、第2情報通信装置が第1情報通信装置から入力情報を受け取る際に、第2情報通信装置が従来行っていた、コピー情報を参照するためのアプリケーションの起動、コピー情報を参照するための共有領域のアクセス、及びコピー情報を選択指定するコピー動作を削減する方法を提案する。
【0018】
[情報通信システム]
まず、本発明の一実施形態に係る情報通信システムについて説明する。図1は、情報通信システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報通信システム1は、第1情報通信装置10と、1以上の第2情報通信装置20と、サーバ30とを備える。図1では、3つの第2情報通信装置20−1,20−2,20−3を示している。
【0019】
第1情報通信装置10は、デスクトップPC、ノートPC等、第2情報通信装置20と比較して入力操作を行うのに十分な大きさの入力インターフェースを備え、情報入力の操作性に優れた情報通信装置である。第1情報通信装置10は、入力された入力情報(文字、画像、又は写真等)をコピーして、コピー情報を生成する。コピー情報は、第1情報通信装置10に一時的に記憶される。そして、第1情報通信装置10は、コピー情報をサーバ30に送信する。
【0020】
サーバ30は、第1情報通信装置10、及び第2情報通信装置20と接続され、第1情報通信装置10、及び第2情報通信装置20からアクセス可能な共有サーバである。サーバ30は、第1情報通信装置10から受信したコピー情報を第2情報通信装置20に送信する。なお、本実施形態では、第1情報通信装置10がサーバ30を介してコピー情報を第2情報通信装置20に送信する例について説明するが、サーバ30を設けずに、赤外線やブルートゥースによる無線通信等により、第1情報通信装置10がコピー情報を第2情報通信装置20に直接送信するようにしてもよい。
【0021】
第2情報通信装置20は、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等、第1情報通信装置10と比較して入力インターフェースが小さく、情報入力の操作性に劣る小型の情報通信装置である。本発明は文字、画像、写真等を入力・表示可能なアプリケーションを起動(以下、該アプリケーションを起動させるモードを「入力モード」ともいう。)した際におけるペースト処理に特徴があるため、以下では、入力モードを中心に説明するが、第2情報通信装置20は、電話、ゲーム、音楽視聴、インターネット接続等、用途に応じた様々なアプリケーションを有することができる。詳細は後述するが、第2情報通信装置20は、入力モードが選択されると、サーバ30から受信したコピー情報を表示する。ユーザは、コピー情報から特定の情報を選択することによりペーストすることができる。なお、第1情報通信装置10と第2情報通信装置20のユーザは、必ずしも同一である必要はない。
【0022】
次に、このように構成される情報通信システム1の動作について、図2を参照して説明する。図2は、情報通信システムの動作を示すフローチャートである。まず、サーバ30は、ユーザによる操作に基づき、コピー情報を共有可能な1以上の第2情報通信装置20を登録する(ステップS101)。第1情報通信装置10は、ユーザによる操作に基づき、ステップS101により登録されている1以上の第2情報通信装置20から、コピー情報を共有させる第2情報通信装置20を指定する(ステップS102)。なお、ステップS102は、以下に述べるステップS103及びステップS104の間に行ってもよい。
【0023】
第1情報通信装置10は、ユーザによる操作に基づき、コピー情報を生成する(ステップS103)。例えば、文書作成用のアプリケーションを起動して文字を入力又は作成済み文章をオープンし、範囲を選択してコピー操作を行ったり、ウェブブラウザを起動してウェブページから範囲を選択してコピー操作を行ったり、画像閲覧用のアプリケーションを起動して画像をオープン又は指定してコピー操作を行ったりすることにより、コピー情報を生成する。そして、第1情報通信装置10は、生成したコピー情報をサーバ30に送信する(ステップS104)。
【0024】
サーバ30は、ステップS104により第1情報通信装置10から送信されるコピー情報を受信し、受信したコピー情報を、ステップS102により指定された第2情報通信装置20に送信する(ステップS105)。例えば、ステップS101において第2情報通信装置20−1,20−2,20−3を登録しており、ステップS102において第2情報通信装置20−1,20−2が指定された場合には、図1に示すように、サーバ30は第2情報通信装置20−1,20−2にのみコピー情報を送信する。
【0025】
第2情報通信装置20は、ステップS105によりコピー情報を受信すると、コピー情報を記憶する(ステップS106)。第2情報通信装置20は、ユーザの操作により入力モードが選択されると(ステップS107)、ステップS106により記憶したコピー情報を表示させる(ステップS108)。ステップS108によるコピー情報の表示は、ユーザの操作によりペースト機能が呼び出された後に表示させてもよいし、入力モードが選択されると同時に自動的に表示させてもよい。ステップS108により表示されたコピー情報から所定の情報がユーザにより選択されると、選択された情報を入力情報の表示領域にペーストする。つまり、第2情報通信装置20のユーザは、コピー操作をするために別途アプリケーションを起動することなく、表示されているコピー情報からペーストしたい情報を選択するだけで、ペーストを行うことができる。
【0026】
[第1情報通信装置]
次に、本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第1情報通信装置ついて説明する。図3は、第1情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、第1情報通信装置10は、操作部(第1操作部)11と、表示部(第1表示部)12と、記憶部(第1記憶部)13と、通信部(第1通信部)14と、制御部15(第1制御部)とを備える。
【0027】
操作部11は、キーボードやマウス等の入力インターフェースであり、ユーザにより操作キーが押下されることにより、所定の操作を行う。例えば、メールや文書作成用のアプリケーションを起動し、入力情報を入力する。
【0028】
記憶部13は、入力された各種情報や第1情報通信装置10を動作させるためのプログラム等を記憶するとともに、ワークメモリとしても機能する。また、記憶部13は、第1情報通信装置10により作成されたコピー情報を一時的に記憶し、電源がオフになった場合には一時的に記憶したコピー情報を消去する。
【0029】
表示部12は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成される。表示部12は、入力された入力情報を表示する入力情報表示領域121と、右クリック等の所定の操作がなされた時に、ポップアップメニューを表示させるポップアップメニュー表示領域122とを有する。
【0030】
制御部15は、操作部11、表示部12、記憶部13、及び通信部14の動作を制御する。また、制御部15は、入力情報制御部151と、コピー情報記憶先制御部152とを有する。入力情報制御部151は、入力モードが選択されると、アプリケーションを起動し、入力された文字を表示部12の入力情報表示領域121に表示する。また、入力情報制御部151は、操作部11により所定の操作がなされると、入力情報をコピーしてコピー情報を生成し、一時的に記憶部13に記憶する。
【0031】
コピー情報記憶先制御部152は、コピー情報の保存先をローカル(第1情報通信装置10自身)とするか、いずれの第2情報通信装置20とするかをユーザの指示に基づいて決定する。コピー情報記憶先制御部152は、生成したコピー情報を記憶させることが可能な第2情報通信装置20の一覧を、表示部12のポップアップメニュー表示領域122に表示させ、ユーザにポップアップメニューから保存先を決定させるようにしてもよい。
【0032】
通信部14は、他の情報通信装置とネットワークを介してデータを送受信する。また、通信部14は、コピー情報記憶先制御部152により決定された第2情報通信装置20に、入力情報制御部151により生成されたコピー情報を送信する。なお、図1に示す情報通信システム1の例では、サーバ30を介してコピー情報を第2情報通信装置20に送信するが、第2情報通信装置20に直接送信することも可能である。
【0033】
図4は、第1情報通信装置の表示部の表示例を示す図である。図4(a)は、入力情報表示領域121に「川崎市宮前区小台×−×−×○○マンション101号室」という文字列が入力されている状態を示している。図4(b)は、入力された文字列のうち「川崎市宮前区小台×−×−×」という文字列が選択された状態を示している。
【0034】
図4(c)は、選択された文字列が右クリックされ、ポップアップメニュー表示領域122を表示した状態を示している。従来の情報通信装置ではポップアップメニューとして「コピー」は一種類のみ表示されるところ、本実施形態の第1情報通信装置10では、コピー情報記憶先制御部152により、選択可能なコピーの記憶先として「コピー(ローカル)」、「コピー(M1)」、「コピー(M2)」、「コピー(M3)」を表示する。ここで、「コピー(ローカル)」が選択された場合は、コピー情報記憶先制御部152は、従来のコピー動作と同様に、コピーした情報を第1情報通信装置10の記憶部13に一時的に記憶する。コピー情報記憶先制御部152は、「コピー(M1)」が選択された場合はコピーした情報を第2情報通信装置20−1に、「コピー(M2)」が選択された場合はコピーした情報を第2情報通信装置20−2に、「コピー(M3)」が選択された場合はコピーした情報を第2情報通信装置20−3に、直接、又はサーバ30を介して送信するように制御する。
【0035】
ここで、情報入力の操作性に優れた第1情報通信装置10であっても、コピーする対象が増えコピー操作の回数が増えてくると、そのつど入力情報からコピーする範囲を選択し、コピー情報の記憶先を決定するという操作が煩わしくなる。そこで、第1情報通信装置10におけるコピー操作及びコピー情報の記憶先の選択操作を簡易化するために、入力情報の確定受付状態時に所定の操作がなされると、コピー情報記憶先制御部152は、入力情報を確定すると同時に該入力情報をコピー情報とみなし、あらかじめ指定された第2情報通信装置20に送信するように制御してもよい。例えば、操作部11にコピー情報共有ボタン111を新たに設け、コピー情報共有ボタン111が押下されると、コピー情報記憶先制御部152は、入力情報をコピー情報としてあらかじめ指定された第2情報通信装置20に送信するように制御する。
【0036】
図5は、第1情報通信装置10の操作部11がコピー情報共有ボタン111を有する場合における、操作部11の一部を示す図である。この図では、コピー情報共有ボタン111を「Enter&Share」キーとして図示している。入力情報の確定受付状態時に「Enter」キーが押下されると、従来通り入力情報の確定を行う。一方、入力情報の確定受付状態時にコピー情報共有ボタン111である「Enter&Share」キーが押下されると、入力情報制御部151は、入力情報をコピー情報とみなし、コピー情報記憶先制御部152は、入力情報(コピー情報)をあらかじめ指定された第2情報通信装置20に送信するように制御する。
【0037】
ここでは、操作部11がコピー情報共有ボタン111を物理的に有する例を説明したが、コピー情報共有ボタン111を新たに設けずに、既存のボタンが押下、あるいは既存の複数のボタンが連続して押下されたときに、同じ処理を行うように制御してもよい。
【0038】
[第2情報通信装置]
次に、本発明の一実施形態に係る情報通信システムにおける第2情報通信装置について説明する。図6は、第2情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、第2情報通信装置20は、操作部(第2操作部)21と、表示部22(第2表示部)と、記憶部(第2記憶部)23と、通信部(第2通信部)24と、制御部(第2制御部)25とを備える。
【0039】
通信部24は、他の情報通信装置とネットワークを介してデータを送受信する。図1に示す情報通信システム1の例では、通信部24は、サーバ30とデータを送受信するが、第1情報通信装置10と直接データを送受信することも可能である。
【0040】
操作部21は、キーボードやタッチパネル等の入力インターフェースであり、入力モード時には、ユーザにより操作キーが押下されることにより、あるいは、ユーザによりタッチパネルが接触されることにより、情報を入力する。
【0041】
記憶部23は、入力された各種情報や第2情報通信装置20を動作させるためのプログラム等を記憶するとともに、ワークメモリとしても機能する。また、記憶部23は、第1情報通信装置10により作成されたコピー情報を逐次記憶し、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する。具体的には、第1情報通信装置10から一度に送信されるコピー情報をコピー単位情報とする。例えば、第1情報通信装置10から2回にわたって、「今日は定時で帰ります。」、及び「How are you?」という情報が送信された場合、記憶部32には、「今日は定時で帰ります。」というコピー単位情報、及び「How are you?」というコピー単位情報が記憶されることになる。ただし、コピー単位情報は後に分割したり、他のコピー単位情報と接続したりすることが可能である。
【0042】
表示部22は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成される。表示部22は、入力された入力情報を表示する入力情報表示領域221と、記憶部23に記憶されているコピー情報を表示するコピー情報表示領域222とを有する。なお、入力情報表示領域221及びコピー情報表示領域222は制御部25の制御により、表示部22上の任意の領域に設定される。
【0043】
制御部25は、操作部21、表示部22、記憶部23、及び通信部24の動作を制御する。また、制御部25は、入力情報制御部251と、コピー情報制御部252とを有する。入力情報制御部251は、入力モード(文字等を入力可能なアプリケーション)が選択されると、アプリケーションを起動し、入力された文字を表示部22の入力情報表示領域221に表示する。
【0044】
コピー情報制御部252は、入力モードが選択されると、その直後に、あるいはコピー情報を表示させる旨の操作が行われた後に、記憶部23に記憶されたコピー情報を表示部22のコピー情報表示領域222に表示させる。そして、コピー情報制御部252は、コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報のうち、ユーザにより選択された情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。これにより、選択された情報のペーストが完了する。コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報からペーストする範囲を選択する際には、コピー単位情報で選択することができる。また、コピー単位情報の一部の情報のみを選択してペーストすることも可能である。また、コピー情報制御部252は、ユーザの指示に基づき、コピー情報表示領域222にさせるコピー情報の一部を削除したり、表示させる順番を並び替えたりすることも可能である。
【0045】
次に、第2情報通信装置の表示部の表示例について説明する。図7は、第2情報通信装置20の表示部22の第1の表示例を示す図である。図7(a)は、メールのアプリケーションを起動し、表示部22に入力情報表示領域221を表示し、本文に「今の住所を連絡します。」と入力されている状態を示している。図7(b)は、所定の操作によりペースト機能が呼び出され、入力情報表示領域221内にコピー情報表示領域222を表示した状態を示している。コピー情報制御部252は、コピー情報表示領域222に、「川崎市宮前小台×−×−×」、「今日は定時で帰ります。」、「明日はボーリング」といったコピー情報を、コピー単位情報ごとに表示する。コピー情報表示領域222から「川崎市宮前小台×−×−×」というコピー単位情報が選択されると、図7(c)に示すように、コピー情報制御部252は、選択されたコピー単位情報を入力情報表示領域221に表示させる。
【0046】
図8は、第2情報通信装置20の表示部22の第2の表示例を示す図である。図8に示す例では、入力情報表示領域221の下に、コピー情報表示領域222を並べて表示している。なお、コピー情報表示領域222の表示はオン/オフの切り替えが可能である。蓄積されたコピー情報の量が多い場合には、コピー情報のうちの一部がコピー情報表示領域222に表示されることとなる。図8に示す例では、コピー情報として、記憶部23に「今日は定時で帰ります。」、「How are you?」、及び「○○○株式会社△△△△事業本部□□□□□統括事業部××××課」、及び「7時にたまプラーザに集合です。」というコピー単位情報が記憶(登録)されており、これらのコピー情報がコピー情報表示領域222に表示されている。なお、コピー単位情報ごとにスペースを空けて表示してもよい。
【0047】
図8に示す例では、コピー情報がコピー情報表示領域222に一度に表示できる量を超えているため、コピー情報のうち、「今日は定時で帰ります。How are you?○○○株式会社△△△△事業本部□□□□□統括事業部×」という情報がコピー情報表示領域222に表示されている。また、コピー情報表示領域222にまだ表示できない情報が存在しており、その文字列をある程度予想できるようにするために、コピー情報表示領域222の最終行に、文字列の上半分のみを表示させている。コピー情報表示領域222内に表示されていない情報は、画面をスクロールする等の操作により、コピー情報表示領域222に表示させることができる。
【0048】
コピー情報表示領域222に表示されているコピー情報のうち、所定の操作によりペーストする範囲が選択されると、コピー情報制御部252は、選択されたコピー情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。ペーストする範囲の選択は、操作部21がタッチパネルで構成されている場合には、なぞることにより選択でき、表示部22がキーボードで構成されている場合には、キー操作で範囲を指定することにより選択できる。
【0049】
図9は、コピー情報表示領域222に図8に示すコピー情報が表示されているときの、ペースト操作の一例を示す図である。この例では、コピー情報のうちペーストしたい情報のみを操作体(指やペン等)でなぞることにより、ペーストする範囲を選択する。図9(a)は、入力情報表示領域221に「おはようございます。」と入力され、その後「○○○△△△△事業本部」という文字列が、指でなぞることによりペーストする範囲として選択された状態を示している。コピー情報からペーストする範囲が選択されると、図9(b)に示すように、コピー情報制御部252は、「○○○△△△△事業本部」という選択されたコピー情報を、入力情報表示領域221に表示させる。
【0050】
上述した方法に限られず、様々な方法により、コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報からペーストさせることができる。例えば、コピー単位情報内で、選択された箇所以外の情報をペーストするようにしてもよい。この方法の場合、「○○○株式会社です」という文字列のうち、「株式会社」という文字が選択されると、コピー情報制御部252は、選択されていない「○○○です」という文字列を入力情報表示領域221に表示させる。
【0051】
なお、コピー情報制御部252は、選択される方向が左から右方向である場合も、右から左方向である場合も、同じ処理を行う。すなわち、右から左方向になぞられた場合であっても、コピー情報制御部252は、入力情報表示領域221には選択された文字列を左から右の順序に表示させる。また、コピー情報制御部252は、コピー情報から1文字ずつ選択された場合も、なぞられた場合と同様に、選択された文字を入力情報表示領域221に表示させる。また、操作部21がタッチパネルで構成される場合、コピー情報制御部252は、ユーザがコピー単位情報をタッチした後に上方向や下方向にはじく動作(フリック)をした場合に、タッチされたコピー単位情報を入力情報表示領域221表示させるようにしてもよい。
【0052】
このように、本実施形態の情報通信システム1は、第1情報通信装置10と、第2情報通信装置20とを備え、第1情報通信装置10は、第1表示部12に表示された入力情報をコピーしてコピー情報を生成し、コピー情報の送信先を1以上の第2情報通信装置20のいずれかに決定し、決定した第2情報通信装置20にコピー情報を送信する。第2情報通信装置20は、第1情報通信装置10からコピー情報を受信し、受信したコピー情報をコピー情報表示領域222に表示させ、該表示させたコピー情報のうち選択された情報を入力情報表示領域221に表示させる。このため、情報通信システム1によれば、第1情報通信装置10で作成したコピー情報を共有することで、第2情報通信装置20において情報を入力する手間を削減することができ、かつ、ペースト操作を容易に行うことができる。かくして、情報入力の操作性に劣る情報通信装置における操作性・利便性を向上させることができるようになる。
【0053】
また、第1情報通信装置10の制御部15は、生成したコピー情報を記憶させることが可能な第2情報通信装置20の一覧を前記表示部に表示させてもよい。これにより、ユーザは、コピー情報の記憶先を容易に選択でき、操作性・利便性を向上させることができる。
【0054】
また、第1情報通信装置10の制御部15は、入力情報の確定受付状態時に所定の操作がなされると、制御部15は入力情報を確定すると同時に該入力情報をコピー情報とみなし、あらかじめ指定された第2情報通信装置20に送信するように制御してもよい。これにより、第1情報通信装置10におけるコピー操作及びコピー情報の記憶先の選択操作を省略することができ、操作性・利便性を向上させることができる。
【0055】
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 情報通信システム
10 第1情報通信装置
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14 通信部
15 制御部
20 第2情報通信装置
21 操作部
22 表示部
23 記憶部
24 通信部
25 制御部
30 サーバ
121 入力情報表示領域
122 ポップアップメニュー表示領域
151 入力情報制御部
152 コピー情報記憶先制御部
221 入力情報表示領域
222 コピー情報表示領域
251 入力情報制御部
252 コピー情報制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報通信装置と、1以上の第2情報通信装置とを備える情報通信システムであって、
前記第1情報通信装置は、
入力された入力情報を表示する表示する第1表示部と、
前記第1表示部に表示された入力情報をコピーしてコピー情報を生成し、前記コピー情報の送信先を前記1以上の第2情報通信装置のいずれかに決定する第1制御部と、
前記第1制御部により決定された第2情報通信装置に前記コピー情報を送信する第1通信部と、を備え、
前記第2情報通信装置は、
前記第1情報通信装置から前記コピー情報を受信する第2通信部と、
前記第2通信部により受信されたコピー情報を記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する第2表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる第2制御部と、を備えることを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
第1情報通信装置と、1以上の第2情報通信装置とを備える情報通信システムにおける第2情報通信装置であって、
前記第1情報通信装置からコピー情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信されたコピー情報を記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする情報通信装置。
【請求項3】
第1情報通信装置と、1以上の第2情報通信装置とを備える情報通信システムにおける第1情報通信装置であって、
入力された入力情報を表示する表示する表示部と、
前記第1表示部に表示された入力情報からコピー情報を生成し、前記コピー情報の送信先を前記1以上の第2情報通信装置のいずれかに決定する制御部と、
前記第1制御部により決定された第2情報通信装置に前記コピー情報を送信する通信部と、
を備えることを特徴とする情報通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記生成したコピー情報を記憶させることが可能な第2情報通信装置の一覧を、前記表示部に表示させることを特徴とする、請求項3に記載の情報通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、入力情報の確定受付状態時に所定の操作がなされると、入力情報を確定すると同時に該入力情報をコピー情報とみなし、該入力情報をあらかじめ指定された第2情報通信装置に送信するように制御することを特徴とする、請求項3又は4に記載の情報通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−114428(P2013−114428A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259583(P2011−259583)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】