説明

情報通知システム、情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】 特定の対象者にのみ安全に情報を伝達することを可能とした情報通知システムを提供する。
【解決手段】 特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、または通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力を実行し、スキャナ付きペンによってコードを読み取るとともに、署名領域に署名を実行し、署名実行データをユーザ端末に入力して、ユーザ端末あるいはネットワーク接続されたサーバにおいて、予め登録済みの署名筆跡データに基づくユーザ認証を実行し、ユーザ認証成立を条件として、コード情報の復号、あるいはコード情報に対応する解読用データの提供、またはコード情報をインデックスとして取得される情報の提供を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通知システム、情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、特定の情報を対象者が受領しているかの確認を可能とした情報通知システム、情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、PCによる文書作成が広く普及し、多様かつ多彩な文書が作成されるようになってきている。文章中の重要部分を太字にしたり下線を引く等して読者の注意を引く手法はワードプロセッサでも古くから搭載されている機能である。また、カラー文書や多種多様な図形、画像等を含む文書も、カラープリンタの普及やソフトウェアの機能向上により容易に作成できるようになったため、文書の長文化・多数枚化と共に、カラフルで読者の関心を引くための工夫がなされるようになってきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多様なコンテンツを多く含む文書の作成が容易になった反面で、本来の文書中で強調したい部分が相対的に目立たなくなってしまい、これらを読者が見落としてしまうことも多くなってきた。
【0004】
文書作成者は、文書をより目立つものにしようとさらに多彩な文書を作成するが、かえって重要部分が目立たなくなってしまうことも多く、逆に重要箇所だけが目立つような文書を作成すると、文書自体が他の文書と比較して目立たなくなってしまい、訴求力を欠いてしまう、という問題があった。
【0005】
すなわち、文書により重要情報を伝達する際には、どのような工夫をしても、読者側の意識や状況によって、本来伝えたい情報を認識してもら得ない場合があり、文書作成者の一方的な努力に依存しなければならなかった。PCモニタなど動画等アクティブな表示が可能なデバイス上に作成した文書であれば、双方向のコミュニケーションが可能だが、長文や考察を要する文書を書面として印刷してから読む場合も依然として多い。印刷物はディスプレイのようにリアルタイムで表示を変更して注意喚起するなどの方法は取ることができず、重要箇所を認識したか否かは読者の注意力に依存するしかなかった。
【0006】
さらに読者がその部分をきちんと識別して読んでいるか否かを本人に確認するまで知ることができないため、文書中であからさまに重要箇所を強調すると、他人に対して重要箇所を知らせることにもつながり、情報の漏洩が容易化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、対象者に情報を伝達する場合、読者が重要箇所を確実に確認し、それと同時に確認状況を文書作成者が把握できるシステムを提供することを目的とする。
【0008】
また、このようなシステムを用いることで、特定の対象者それぞれが重要箇所の確認状況もモニタリングできるようにすることもまた別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、読者が、これまでのように受動的に文書中の強調箇所を確認するだけではなく、能動的かつ文書を読む上で無理なく強調箇所に対して働きかけを行うことで、これまで以上に強調箇所の認識を向上させるとともに、文書作成者には読者が強調箇所を確認済みであることを確認できるようにしたものであり、以下の発明により達成されるものである。
【0010】
本発明の第1の側面は、
情報通知システムであり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理手段と
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力手段と、
ユーザ端末を使用中のユーザの識別情報を保持するとともに、前記コード記録領域に記録されたコードを読み取るための読取手段と、前記コード情報の復号処理を実行するコード情報処理部と、前記コード情報処理部の処理によって取得した情報を送信する送信部とを有するユーザ端末を有し、
前記管理手段は、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持することを特徴とする情報通知システムにある。
【0011】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記ユーザ端末は、先端に前記コードのスキャナ機能を有するペン形状の読取装置を含む構成であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記コード記録領域には、前記印刷媒体出力手段により出力された時点で可読な可読情報とコード情報とが重ね書きされていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記管理手段は、該文書の配布先を保持し、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、保持する前記配布先とが異なるときに、異常が発生したことを表示することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記印刷媒体出力手段は、少なくとも三原色あるいは三原色の補色のトナーもしくはインクを用いて多色印刷を行う装置であり、前記コードは前記三原色もしくは三原色の補色のいずれか一色のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記印刷媒体出力手段は、前記コードを不可視のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記コード領域には、特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードが記録されており、前記文書には更に署名領域を含み、前記ユーザ端末からは、前記署名領域に対するユーザの署名処理に基づく署名情報が入力可能であり、ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報を適用したユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、前記コード情報の復号処理、またはコード情報をインデックスとした通知情報の取得処理を実行するコード情報処理部と、前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力を実行する出力部と、を有する構成であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記印刷媒体出力装置は、前記署名領域にスキャナによって読み取り可能なコードを記録した印刷媒体を出力する構成であり、前記ユーザ端末は、前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を取得する構成であり、前記ユーザ認証部は、前記スキャン情報を署名情報として適用したユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記印刷媒体出力装置は、前記コード記録領域をスクラッチ領域として設定した部分に、削り取り容易なスクラッチを積層した印刷媒体の出力を実行する構成であることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記ユーザ端末は、登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部を有し、前記ユーザ認証部は、ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記ユーザ端末は、前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力の完了通知を、前記印刷媒体出力装置、または前記通知情報の発行元である管理サーバに行なう構成であることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明の第2の側面は、
情報処理装置であり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理部と
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力部と、
ユーザ端末からの情報を受信する通信部と、
前記管理手段は、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持することを特徴とする情報処理装置にある。
【0022】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記ユーザ端末は、先端に前記コードのスキャナ機能を有するペン形状の読取装置を含む構成であることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記コード記録領域には、前記印刷媒体出力手段により出力された時点で可読な可読情報とコード情報とが重ね書きされていることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記管理手段は、該文書の配布先を保持し、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、保持する前記配布先とが異なるときに、異常が発生したことを表示することを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記文書は、前記コード記録領域に特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードと、更に署名領域を含み、前記ユーザ端末からの情報には情報要求が含まれ、前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理部と、を有する構成であることを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、さらに、登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部と、ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、を有する構成であることを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、さらに、ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理部を有し、該コード処理部は、前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の第3の側面は、
情報処理方法であり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理ステップと
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報を受信する通信ステップと、
前記管理ステップは、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持、管理するステップを含むことを特徴とする情報処理方法にある。
【0029】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記通信ステップは、ユーザ端末から、先端に前記コードのスキャナ機能を有するペン形状の読取装置からの読み取り情報を受信するステップであることを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記コード記録領域には、前記印刷媒体出力ステップで出力された時点で可読な可読情報とコード情報とが重ね書きされていることを特徴とする。
【0031】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記管理手段は、該文書の配布先を保持し、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、保持する前記配布先とが異なるときに、異常が発生したことを表示することを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記印刷媒体出力ステップは、少なくとも三原色あるいは三原色の補色のトナーもしくはインクを用いて多色印刷を行う装置であり、前記コードは前記三原色もしくは三原色の補色のいずれか一色のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする。
【0033】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記印刷媒体出力ステップは、前記コードを不可視のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記印刷媒体出力ステップは、前記コード記録領域に特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを含み、更に署名領域を含む印刷媒体の出力処理を実行するステップであり、前記情報処理方法は、さらに、ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップと、を有することを特徴とする。
【0035】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、ユーザ端末から入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とする。
【0036】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理ステップを有し、前記コード処理ステップは、前記ユーザ認証ステップにおけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行することを特徴とする。
【0037】
さらに、本発明の第4の側面は、
情報処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理ステップと
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報を受信する通信ステップと、
前記管理ステップは、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持、管理するステップを含むことを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0038】
さらに、本発明のコンピュータ・プログラムの一実施態様において、前記印刷媒体出力ステップは、前記コード記録領域に特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを含み、更に署名領域を含む印刷媒体の出力処理を実行するステップであり、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップとを有することを特徴とする。
【0039】
本発明の第5の側面は、
情報通知システムであり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力装置と、
前記コード記録領域に記録されたコード情報と、前記署名領域に対するユーザの署名処理に基づく署名情報とを入力するユーザ端末とを有し、
前記ユーザ端末は、
ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報を適用したユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、前記コード情報の復号処理、またはコード情報をインデックスとした通知情報の取得処理を実行するコード情報処理部と、
前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力を実行する出力部と、
を有する構成であることを特徴とする情報通知システムにある。
【0040】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記印刷媒体出力装置は、前記署名領域にスキャナによって読み取り可能なコードを記録した印刷媒体を出力する構成であり、前記ユーザ端末は、前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を取得する構成であり、前記ユーザ認証部は、前記スキャン情報を署名情報として適用したユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0041】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記印刷媒体出力装置は、前記コード記録領域をスクラッチ領域として設定したスクラッチ付き印刷媒体の出力を実行する構成であることを特徴とする。
【0042】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記ユーザ端末は、登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部を有し、前記ユーザ認証部は、ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0043】
さらに、本発明の情報通知システムの一実施態様において、前記ユーザ端末は、前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力の完了通知を、前記印刷媒体出力装置、または前記通知情報の発行元である管理サーバに行なう構成であることを特徴とする。
【0044】
さらに、本発明の第6の側面は、
情報処理装置であり、
署名領域に対して実行される署名処理に基づく署名情報を入力するデータ入力部と、
登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部と、
ユーザの署名処理に基づいて前記データ入力部を介して入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
を有する構成であることを特徴とする情報処理装置にある。
【0045】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ入力部は、前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を入力する構成であることを特徴とする。
【0046】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、さらに、スキャナ付きペンから前記データ入力部を介して入力されたコード情報の復号処理を実行するコード情報処理部と、前記コード情報処理部における処理によって取得された復号結果データを出力する出力部と、を有する構成であることを特徴とする。
【0047】
さらに、本発明の第7の側面は、
情報処理装置であり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力部と、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信部と、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理部と、
を有する構成であることを特徴とする情報処理装置にある。
【0048】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、さらに、登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部と、ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
を有する構成であることを特徴とする。
【0049】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、さらに、ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理部を有し、該コード処理部は、前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0050】
さらに、本発明の第8の側面は、
情報処理方法であり、
署名領域に対して実行される署名処理に基づく署名情報を入力するデータ入力ステップと、
前記データ入力ステップにおいて入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された登録ユーザの署名筆跡情報である署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法にある。
【0051】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記データ入力ステップは、前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を入力することを特徴とする。
【0052】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、スキャナ付きペンから入力されたコード情報の復号処理を実行するコード情報処理ステップと、前記コード情報処理ステップにおける処理によって取得された復号結果データを出力する出力ステップと、を有することを特徴とする。
【0053】
さらに、本発明の第9の側面は、
情報処理方法であり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法にある。
【0054】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、ユーザ端末から入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、を有することを特徴とする。
【0055】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理ステップを有し、前記コード処理ステップは、前記ユーザ認証ステップにおけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行することを特徴とする。
【0056】
さらに、本発明の第10の側面は、
情報処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、
署名領域に対して実行される署名処理に基づく署名情報を入力するデータ入力ステップと、
前記データ入力ステップにおいて入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された登録ユーザの署名筆跡情報である署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0057】
さらに、本発明の第11の側面は、
情報処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0058】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能なコンピュータシステムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記録媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータシステム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0059】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0060】
本発明の構成によれば、文書の配布先であるユーザが、文書中の可読領域以外に設けられたスクラッチ領域を能動的にスクラッチすることから、従来の受動的な重要情報の認識の場合と比較して認識性が向上するとともに、ユーザIDとスクラッチ領域のスクラッチ状況とを関連づけることで、重要情報へのアクセス状況を把握したり管理することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、本発明の実施例について説明する。
[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態に係る情報通知システム、情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
【0062】
1. スクラッチ領域中に文章が記載された文書の作成処理
本実施形態では、図1に示すような、文書中に通常の可読領域と、コード記録領域として設定されるスクラッチ領域22であることが識別可能に可視化されるともに、スクラッチ領域22内に可読の情報(文章の一部等)が重ね書きされた文書、すなわちスクラッチ領域付き文書20を作成して配布する。文章は隠されておらずそのままの状態で可読である。まず、スクラッチ領域付き文書20の作成配布処理について説明する。
【0063】
(1) 図2に示すスクラッチ領域付き文書作成用のユーザ端末34で文書20(図1参照)を作成する。文書中のスクラッチ領域22−1,22−2を文書編集機能を用いポインタ等で範囲指定し、スクラッチ領域であることを示す属性を付加する編集を行うことで、スクラッチ箇所毎に固有のIDが設定される。
【0064】
(2) この文書ファイル20を、スクラッチ状況管理サーバ33に対して、プリントの配布先とともに送信する。送信の手法の例としては、図2に示すように、管理サーバ33上のスクラッチ文書印刷用のウェブサイトにアクセスし、文書作成者、配布先、サーバにアップロードするファイル名を指定し送信することができる。また、電子メールに添付して送信することで自動登録する手法もある。
【0065】
(3) スクラッチ状況管理サーバ33は、文書に対して文書固有の文書IDを付与し、文書に付されたスクラッチ領域のIDおよび文字情報等の属性を抽出してテーブル化する(図3)。スクラッチ状況管理サーバ33の生成するテーブルは、図3に示すように、文書ID、ファイル名、作成者IDが対応付けられたデータ構成を持つ。次に、スクラッチ状況管理サーバ33は、プリントの各配布者毎の固有のユーザIDを予め登録されたデータベース(図4)から読み出し、文書ID、各ユーザIDおよびスクラッチ箇所のIDとの対応データによって構成されるテーブル(図5)を生成して、サーバ内の記憶部に記録する。
【0066】
このように、スクラッチ状況管理サーバ33は、情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書、すなわち図1に示すスクラッチ領域付き文書20におけるコード記録領域中のコードの読取状況を管理する管理手段として機能し、図2に示すユーザ端末34を使用中のユーザの識別情報と、ユーザ端末34から送信された情報とを関連付けて保持、管理する。
【0067】
(4) スクラッチ状況管理サーバ33は、ネットワーク上に接続されたプリンタに対してプリントジョブを各配布者分発行する。
【0068】
このとき、サーバ33では印刷対象ドキュメントに対して配布先の氏名をデータベースから読み出し、文書20中に差込み印刷を行い配付先データ21を書き込み、印刷対象のファイルを生成し、引き続きプリントドライバによって、スクラッチ領域22として指定された領域に対応する文書中の箇所にコードを設定する。図6に示すように、スクラッチ領域22には、プリンタ(印刷媒体出力手段)により出力された時点で可読な可読情報とコード情報とが重ね書きされる構成となる。スクラッチ領域22には、図6に示すように、スクラッチ領域22の先頭を示すコード41、続いてスクラッチ状況管理サーバ33のネットワークアドレス42、文書ID43、領域ID44および配布者のユーザIDのコード45が複合化されたコードが埋め込まれ、最後にスキャン領域の終端を示すコード46が記録されるように設定する。そして、この領域に重なるように強調領域である文字情報が重ね印刷されるように、ページ記述されたプリントジョブがとしてプリンタに対して送信される。
【0069】
このときこのコード領域のコード画像には、コードによって可読情報(例えば文字情報)の判読を困難にしないような色であって、スキャナ付きペンが検出できる色のインクによって印字されるように色属性を設定する。
【0070】
こうした色属性の例としては、イエロー、マゼンダ、シアンといった三原色の補色が好ましい。特にこのようなある程度可視できる色であれば、それ自体が重点箇所であることを別途明示しなくても、読者には慣習的に重要箇所であることが分かりやすい。また、実際にプリントを行う際にも、これら三原色の補色をトナー色あるいはインク色として利用するプリンタが多く、スクラッチ領域のコードが一色のトナーによって形成されている方が、複数色のトナーの混合色で形成された場合よりもスキャナのコード読取精度が向上し、またコードの記録密度も増加できる。
【0071】
あるいは、スクラッチ領域に赤外線等の不可視光のみを反射する不可視トナーを用い、スキャナ付きペンも不可視光を読み取るように構成してもよい。この場合にはプリンタには通常のインク以外に、不可視トナーもしくはインクで印刷するプロセスを付加する必要があるが、これは従来の複数色印刷プロセスと同様のプロセスを追加することで可能である。不可視の場合にはコードが目立たないことで、スクラッチ領域内に記述された情報が読みやすいというメリットがある反面、重要箇所であることがそのままでは不明である。従って、この場合にはスクラッチ領域には不可視のコード画像に加え、この領域を線で囲む等の記述をしてプリントジョブを作成する。
【0072】
印刷されるコードは、1次元あるいは2次元のコードを用いることができるが、情報の密度を高める上では2次元コードが好ましいが、スクラッチ時のコード読取精度を高めるには1次元が好ましい。
【0073】
なお、スクラッチ領域にスクラッチ状況管理サーバのネットワークアドレス、文書ID、領域IDおよび配布者のユーザIDの等の複数のコードを含めなくとも、文書中に、管理サーバのネットワークアドレス、文書ID、配布者のユーザIDといった文書全体で共通の事項を文書外の例えばヘッダー領域等に、別途設け、これをユーザが書類を読む前にスキャンして設定し、スクラッチ領域にはスクラッチ領域を示すIDあるいは用紙内のアドレス情報だけをコード化することもできる。この領域IDもしくは用紙内アドレスを文書IDと比較することで、確認済みのスクラッチ領域を判別することができる。なお、この場合、予め読者側の設定準備が必要になるものの、データ量が少ないことからスキャンエラーが減少し、スクラッチ作業を気を使わずにできるようになるため、むしろ使用感が向上する場合もある。
【0074】
(5) プリンタは受信したプリントジョブのページ記述言語に従って各配布先ごとのプリントを印刷出力する。
【0075】
なお、上記例ではスクラッチ状況管理サーバとプリンタとが分離されていたが、これらの機能を一体化することも当然可能である。
【0076】
2.配布した文書の重要箇所へのアクセス状況管理
次に、配布した文書の重要箇所へのアクセス状況管理処理について図7を参照して説明する。
【0077】
(1) 配布先のユーザ60は、ユーザ固有のユーザIDが予め登録されたスキャナ付きペンを使用し、配布された文書を確認する。この一例を図7で示す。このペン70はスクラッチ領域22に印刷されたコード画像の読取機能を有するペン形状の装置であり、実際にインクを内蔵して文字を書けるように構成されていても良い。このペンはPC等の通信手段を備えるユーザ端末50に有線あるいは無線で接続されている。この場合ユーザ端末50内のスキャン監視手段はペンと通信を行い、スクラッチ領域22のスキャンが行われているか否かを監視する。なお、ユーザ端末50を経由せずに、直接ペン内部に設けられた無線装置を介して、スクラッチ状況管理サーバ33にスクラッチ情報を送信するようにしてもよい。
【0078】
ユーザ端末350は、ユーザ端末を使用中のユーザの識別情報を保持するとともに、コード記録領域に記録されたコードを読み取るための読取手段と、コード情報の復号処理を実行するコード情報処理部と、コード情報処理部の処理によって取得した情報をスクラッチ状況管理サーバ33に送信する送信部とを有する。
【0079】
(2) 配布先のユーザ60は、スクラッチ領域22として明示された領域を先頭から終端までスキャナ付きペンでなぞる。このとき、スキャンが完了したことを示す動作音や、不完全である異常音を発生するようにしてもよい。
【0080】
各スクラッチ領域のスキャン完了後、スキャン監視手段は読み取られたコードを解読し、スクラッチ状況管理サーバのネットワークアドレス、文書ID、領域IDおよび配布者のユーザIDのコードを読み出す。
【0081】
次に、スキャン監視手段はネットワークアドレスを用いてスクラッチ状況管理サーバ33に、読み取った各情報およびスキャナ付きペンに設定されたユーザIDを送信する。
スクラッチ状況管理サーバは、コード中に記録されたユーザIDとスキャナ付きペンに設定されたユーザIDが一致している場合には、サーバ中の管理テーブルにこのユーザがスクラッチ済みのスクラッチ領域に対してスクラッチ完了を意味するフラグを立てる。この動作を継続する。
【0082】
スクラッチ状況管理サーバ33は、文書の配布先を保持し、ユーザ端末50を使用中のユーザ60の識別情報と、保持する配布先とが異なるときに、異常が発生したことを表示する。また、コード中に記録されたユーザIDとスキャナ付きペンに設定されたユーザIDが不一致の場合には、サーバは文書作成者に対して、配布先以外の読者がこの文書を読んでおり、読者として適正か否かを確認する電子メールを送信する。不一致のユーザIDがサーバに既に登録されている場合には、氏名などの情報も同時に通知してもよい。
【0083】
文書作成者は、このメールを受信し、その読者が適正であればそのユーザをスクラッチ状況の監視対象をして追加する指示を管理サーバに対して指示する。不適正の場合には、監視対象とはしない指示を行う。なお、その文書の配布先であったユーザに対し文書が流出していることを通知するため、管理サーバより文書作成者に電話や電子メールアドレス等の連絡先を提示するようにしてもよい。
【0084】
上記の場合は、スクラッチ状況管理サーバ側でスクラッチ状況を監視するようにしたが、配布先のユーザが用いるスキャナ付きペンが接続されるPC上のスキャン監視手段で行うことも可能である。
【0085】
(3) 第1の実施形態の変形例
リアルタイムでスキャン状況を監視する必要がない場合には、スキャナ付きペンにメモリを設けて、オフラインで文書のチェック完了後にPCと接続させて、管理プログラムを実行させてもよい。この一例を説明する。
【0086】
ユーザは配布された書面に対してスキャナ付きペンで、重要箇所であるスクラッチ領域をスキャンする。
スキャナ付きペンは、スクラッチ領域に埋め込まれたIDなどのデータを読み出し、記憶する。また、この領域がスクラッチされた回数を記憶するカウンタも領域毎に設けることができる。
【0087】
ユーザは文書の閲覧完了後、スキャナ付きペンとPCとを接続する。
PC中のスキャン監視手段は、スキャナ付きペンからスクラッチ結果等を示すデータを取得する。
スキャン監視手段は、コードに埋め込まれたユーザIDとスキャナに設定されたIDが一致している場合、コードから抽出したアドレスの管理サーバに、文書ID、領域ID、配布者のユーザID、および各領域のスキャン回数のデータを送信する。
スクラッチ状況管理サーバは、スクラッチ結果と該当文書ID中のスクラッチ領域との比較を行い、スクラッチ未了の領域がある場合には、送付先ユーザに対して、重要事項の未確認部分があることを通知し、再確認を依頼する。
これを受けたユーザは該当箇所を再度チェックした後、同様にスクラッチ結果をPCを通じて管理サーバに送信する。
【0088】
スクラッチ状況管理サーバは、複数の配布先のスクラッチ状況を表示する、HTML文書を作成するプログラムを内蔵していてもよい。
この場合、文書作成者は、管理サーバにアクセスしてこのHTML文書を閲覧することで、各配布先の重要領域の確認状況や、複数回スキャンした場合には、そのユーザにとってその部分が特に感心を引いたことを推定することもできる。すなわち、文書閲覧時に重要箇所を複数回なぞることは、読者が重要箇所と認識した場合に習慣的に行う行為であるからである。従って、スクラッチ領域のスキャン回数をカウントする記憶領域を備えるのは特に好ましい。
【0089】
なお、上記の管理をオンライン(PCとスキャナ付きペンがいつでも接続可能な状態)で行うことも当然可能であり、この場合にはスキャナ付きペンにメモリを設けなくてもPC側に持たせることができる。また、この場合リアルタイムに管理サーバと接続することも、特定のタイミングで接続することも可能である。
【0090】
なお、紙文書だけでなく電子文書とした方が保管も容易であることから、印刷物以外に電子文書を要求される場合も少なくない。このため、上述のようなスクラッチ状況の通信時に、スクラッチ領域に埋め込まれたユーザIDとスキャナ付きペンの設定IDが一致していることを管理サーバが確認した場合には、該当の電子文書を配布先に電子メール等を通じて送信することもできる。このとき、電子文書だけで確認された場合には、スクラッチが未完了の領域のスクラッチ状況の監視が不可能となってしまうので、スクラッチ領域全部が完了した時点、あるいは必須のスクラッチ領域を予め設定しておき、これらが全てスクラッチ完了した時点で、電子文書を配布するようにしてもよい。
【0091】
3.ユーザの認証
上記実施例では、スキャナ付きペンを使用しているユーザを予め登録、あるいは、署名の照合により行う方法を示したが、これに限らず用途に応じて各種レベルの認証方法を用いることができる。
【0092】
例えば、スクラッチ前にPC等スキャナ付きペンによる作業を監視する装置にユーザIDを入力する、このユーザIDの入力に代えてIDカードのスキャンやRFIDによる無線通信により認証する、スキャナ付きペンを管理するPCにカメラを設けて、使用者を撮影して画像により個人認証する等の方法がある。
【0093】
[第2の実施形態]
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態に係る情報通知システム、情報処理装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。まず、図8を参照して、本発明の情報通知システム構成および概要について説明する。本発明の情報通知システムは、図8に示すように、印刷媒体出力装置100、管理サーバ131、PC等のユーザ端末151〜153がネットワーク121によって接続された構成を有する。
【0094】
本実施例では、管理サーバ131が特定のユーザに対する秘密情報の発行元であり、秘密情報を受領するユーザは、ユーザ端末151〜153を利用する多数のユーザから選択されたユーザであるものとする。なお、図8の構成において、印刷媒体出力装置100と管理サーバ131は一体化された構成であってもよく、また、PC等のユーザ端末151〜153が管理サーバ131、すなわち秘密情報の発行元として機能することも可能である。
【0095】
印刷媒体出力装置100は、紙などの印刷媒体にデータを出力するプリント機能を有する。具体的には、プリンタ、コピー機、スキャナ等の機能を備え、ネットワーク通信処理機能を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)によって構成され得る。MFDは、スキャン済みアイテムのメモリへの記憶、およびスキャン済みアイテムの印刷が可能なデジタル装置として構成される。
【0096】
印刷媒体出力装置100は、スクラッチ付き印刷媒体200を出力する。本実施例におけるスクラッチは物理的に印刷媒体上に積層された削り取り容易な不透明の樹脂である。この樹脂は通常の印刷プロセス終了後に、スクラッチ領域上に樹脂を転写して形成する。このような転写の手段としては、印刷済みの用紙搬送路中にスクラッチ用の樹脂が塗布された印字リボンを感熱転写手段を設け、プリントジョブデータ中のスクラッチ部分が直下に到達したタイミングで転写を行う等が一例としてあげられる。印刷媒体出力装置100の出力するスクラッチ付き印刷媒体200のデータ構成例について図9を参照して説明する。スクラッチ付き印刷媒体200は、図9に示すように、秘匿性のない文書の記録領域である一般文書領域211、コード付きスクラッチ領域212、アノテーションコード埋め込み署名領域213を有する。
【0097】
コード付きスクラッチ領域212には、スクラッチによって隠されたコード情報が記録されており、スクラッチ付き印刷媒体200を受領したユーザがスクラッチ処理を行ない、コード付きスクラッチ領域212部分に隠されたコード情報をスキャナ付きペン170で読み取る。読み取られたコード情報はユーザのPC等のユーザ端末151によって受信され、ユーザ端末151に格納されたコード解読(復号処理)プログラムによって処理がなされ、ユーザに提供すべき所定の秘密情報が生成され、ディスプレイ等の出力部を介してユーザに提示される。このようなコードとしては一次元あるいは二次元のコードを用いることができる。
【0098】
ただし、コード解読処理および、復号データの提示処理は、アノテーションコード埋め込み署名領域213に署名された署名データに基づくユーザ認証が成立したことを条件として実行される。
【0099】
アノテーションコード埋め込み署名領域213は、スクラッチ付き印刷媒体200を受領したユーザが署名を行なう領域であり、スキャナ付きペン170で署名を行なうことで、署名に際して、あらかじめ記録されたアノテーションコードが読み取られ、スキャナ付きペン170を適用して書いた文字情報、筆跡情報が取得される。取得された署名データとしての文字情報、筆跡情報はユーザのPC等のユーザ端末151によって受信され、ユーザ端末151に格納されたユーザ認証プログラムに従ったユーザ認証処理が実行される。ユーザ端末151には、ユーザのサイン(署名)に対応する筆跡情報が署名検証用データとして格納されており、格納済みの署名検証用データと、スキャナ付きペン170から入力する署名情報との照合処理が実行され、一致すればユーザ認証の成立と判定する。
【0100】
図8の構成図に戻り、全体システムについての説明を続ける。印刷媒体出力装置100は、上述したように図9を参照して説明したスクラッチ付き印刷媒体200を出力する。印刷媒体出力装置100の出力するスクラッチ付き印刷媒体200は、秘密情報の発行元である管理サーバ131の要求によって発行され、予め特定された選択ユーザ、すなわち秘密情報を通知すべきユーザに対して配布される。ただし、このスクラッチ付き印刷媒体200の配布に際しては、必ずしも真正な情報通知対象者に配布されるとは限らず、不正な第三者が媒体を受け取る場合もあることを想定している。
【0101】
スクラッチ付き印刷媒体200を受領したユーザは、ユーザのPC等のユーザ端末151〜153に対するデータ転送可能なスキャナ付きペンを利用した処理を行なう。図8では、ユーザ端末151のユーザ180が、スクラッチ付き印刷媒体201に対して、スキャナ付きペン170を利用した処理を行っている例を示している。
【0102】
ユーザ180によるスキャナ付きペン170を利用した処理とは、先に図9を参照して説明した処理であり、図9に示すコード付きスクラッチ領域212部分に隠されたコード情報をスキャナ付きペン170で読み取る処理と、アノテーションコード埋め込み署名領域213に署名を行なう処理である。
【0103】
図10を参照して、スクラッチ付き印刷媒体200を受領したユーザによる処理について説明する。図10に示すフローは、ユーザの処理手順を示している。まず、ステップS101において、ユーザは、スクラッチ付き印刷媒体200のコード付きスクラッチ領域212を削り取り、スクラッチ領域212に記録されたコード情報をスキャナ付きペン170で読み取る。読み取られた[コード情報]301は、図に示すように、ユーザのPC等のユーザ端末151によって受信される。
【0104】
次に、ステップS102において、ユーザは、スクラッチ付き印刷媒体200のアノテーションコード埋め込み署名領域213にスキャナ付きペン170で署名を行なう。署名によりアノテーションコードが読み取られ、スキャナ付きペン170を適用して書いた文字情報、筆跡情報が取得される。取得された文字情報、筆跡情報当を含む[署名情報]はユーザのPC等のユーザ端末151によって受信される。
【0105】
その後、ユーザ端末151に格納されたユーザ認証プログラムに従ったユーザ認証処理が実行される。ユーザ端末151には、ユーザのサイン(署名)に対応する筆跡情報が署名検証用データとして格納されており、格納済みの署名検証用データと、スキャナ付きペン170から入力する署名情報との照合処理が実行され、一致すればユーザ認証の成立と判定する。認証の成立を条件として、コード付きスクラッチ領域212から読み取られたコード情報の復号処理が実行されて、復号結果としての秘密情報がユーザ端末151のディスプレイ等の出力部を介して出力される。
【0106】
なお、上述した処理例では、ユーザ端末において、ユーザ認証処理、コード復号処理を実行する構成として説明したが、スクラッチ付き印刷媒体200から読み取られたコード情報および署名情報をユーザ端末、ネットワークを介して印刷媒体出力装置100、または管理サーバ131に送信し、これらの印刷媒体出力装置100、または管理サーバ131において、ユーザ認証処理、コード復号処理を行ない、ユーザ認証によって正規な情報通知先ユーザであることの確認がなされたことを条件として、復号結果をユーザ端末に送信する構成としてもよい。
【0107】
また、スクラッチ付き印刷媒体200から読み取られたコードを秘密情報のインデックスとして利用して、コードニ対応する秘密情報を取得して、提供する構成としてもよい。
【0108】
次に、図11を参照して、スクラッチ付き印刷媒体200の発行処理から、秘密情報の取得、情報読み取りの確認通知までの一連の処理のシーケンスについて説明する。図11は、左から、ユーザ、スキャナ付きペン、ユーザ端末、印刷媒体出力装置、管理サーバを示している。
【0109】
まず、ステップS201において、管理サーバは印刷媒体出力装置に対して文書発行要求を行なう。すなわち、図9を参照して説明したコード付きスクラッチ領域と、アノテーションコード埋め込み署名領域とを有するスクラッチ付き印刷媒体の発行要求を行なう。
【0110】
ステップS202において、印刷媒体出力装置は、スクラッチ付き印刷媒体の発行処理を行なう。なお、この発行タイミングは、例えば管理サーバからユーザ端末に対する通知などによってユーザに知らせることが可能である。
【0111】
ステップS203において、ユーザはスキャナ付きペンを利用してスクラッチ付き印刷媒体のコード付きスクラッチ領域の暗号化コードを読み取り、アノテーションコード埋め込み署名領域に対する署名処理を実行する。
【0112】
ステップS204において、スクラッチ付き印刷媒体から読み取られたコード情報と、署名情報がユーザ端末に送信される。ステップS205では、ユーザ端末に格納されたユーザ認証プログラムに従ったユーザ認証処理が実行される。前述したように、ユーザ端末には、ユーザのサイン(署名)に対応する筆跡情報が署名検証用データとして格納されており、格納済みの署名検証用データと、スキャナ付きペンから入力する署名情報との照合処理が実行される。両者が一致すればユーザ認証の成立と判定する。
【0113】
次に、ステップS206において、ユーザ認証の成立を条件として、スクラッチ付き印刷媒体の文書情報、認証済みのユーザ情報が、印刷媒体出力装置、または管理サーバに送信される。文書情報、ユーザ情報の送信先は、暗号化コード情報の解読コードの提供処理を実行している装置である。文書情報は、スクラッチ付き印刷媒体の識別情報であり、例えばスクラッチ付き印刷媒体から読み取られた暗号化コードに含まれるデータ、あるいはその他の領域に記録された読み取りデータが適用可能である。ユーザ情報としては、ユーザ端末のユーザ認証に基づいて取得されるユーザIDなどの情報が適用される。
【0114】
文書情報とユーザ情報とを受領した印刷媒体出力装置、または管理サーバは、これらの情報によって特定される暗号化コード、すなわち、ステップS203、S204において、スキャナ付きペンによって、スクラッチ付き印刷媒体から読み取られユーザ端末に格納されている暗号化コードに対応する解読用コードを取得し、取得した解読用コードをユーザ端末に送信する。
【0115】
ユーザ端末は、ステップS208において、受信した解読用コードを適用して、スクラッチ付き印刷媒体から読み取られユーザ端末に格納されている暗号化コードの復号処理を実行し、ステップS209において、復号結果としての秘密情報をユーザ端末のディスプレイ等の出力部を介して出力する。
【0116】
さらに、ステップS210において、ユーザ端末から印刷媒体出力装置、または管理サーバに対して、コード復号結果の提示処理が完了したことを通知する処理が実行される。管理サーバは、この通知を受領することで、特定のユーザに対する情報の提示が完了したことを確認し、情報管理データの更新を実行する。
【0117】
印刷媒体出力装置、または管理サーバにおける情報管理データのデータ構成例について、図12を参照して説明する。図12のデータ構成例は、ユーザID、文書ID、および提示完了通知の有無情報を対応付けて構成したテーブルデータであり、ユーザIDは、スクラッチ付き印刷媒体を利用して秘密情報の提示をうけるべきユーザの識別情報であり、文書IDは、スクラッチ付き印刷媒体または提示秘密情報対応の文書識別情報である。印刷媒体出力装置、または管理サーバは、ユーザ端末からの情報提示完了通知を受信すると、図12に示す管理データの更新を実行し、各ユーザの情報閲覧状況を管理する。
【0118】
図11に示したシーケンス図では、ユーザ端末において、ユーザ認証および暗号化コードの復号処理を実行する処理例を説明したが、スクラッチ付き印刷媒体から読み取られるコード情報や、署名情報をユーザ端末からネットワークを介して印刷媒体出力装置、または管理サーバに送信し、これらの装置において、署名の検証に基づくユーザ認証を実行し、認証成立を条件として、コードの復号、あるいはコードをインデックスとして秘密データを取得し、取得した情報をユーザ端末に提供する構成としてもよい。この処理シーケンスについて、図13を参照して説明する。
【0119】
図13のシーケンス図は、図11と同様に、左からユーザ、スキャナ付きペン、ユーザ端末、印刷媒体出力装置、管理サーバを示している。まず、ステップS301において、管理サーバは印刷媒体出力装置に対して文書発行要求を行う。すなわち、図9を参照して説明したコード付きスクラッチ領域と、アノテーションコード埋め込み署名領域とを有するスクラッチ付き印刷媒体の発行要求を行う。ステップS302において、印刷媒体出力装置は、スクラッチ付き印刷媒体の発行処理を行なう。
【0120】
ステップS303において、ユーザはスキャナ付きペンを利用してスクラッチ付き印刷媒体のコード付きスクラッチ領域の暗号化コードを読み取り、アノテーションコード埋め込み署名領域に対する署名処理を実行する。
【0121】
ステップS304において、スクラッチ付き印刷媒体から読み取られたコード情報と、署名情報がユーザ端末に送信され、さらに、ネットワークを介して印刷媒体出力装置または管理サーバに送信される。ここでは、管理サーバに送信される例を示す。
【0122】
ステップS305において、管理サーバは、管理サーバに格納されたユーザ認証プログラムに従ったユーザ認証処理を実行する。本処理例では、管理サーバに、ユーザのサイン(署名)に対応する筆跡情報が署名検証用データとして格納されており、格納済みの署名検証用データと、スキャナ付きペンによって読み取られ、ユーザ端末を介して送信される署名情報との照合処理が実行される。両者が一致すればユーザ認証の成立と判定する。
【0123】
次に、ステップS306において、ユーザ認証の成立を条件として、ユーザに提供する秘密情報の取得が実行される。秘密情報の取得処理は、スクラッチ付き印刷媒体から読み取られた暗号化コードの復号処理によって実行するか、あるいは、スクラッチ付き印刷媒体から読み取られたコードをインデックスデータとして適用して、管理サーバのデータベースに格納された秘密情報を抽出する処理によって取得する。
【0124】
ステップS307において、管理サーバは、取得した秘密情報をユーザ端末に送信する。ユーザ端末は、ステップS308において、管理サーバから受信した秘密情報をユーザ端末のディスプレイ等の出力部を介して出力する。
【0125】
上述したように、図11に示すシーケンス、あるいは図13に示すシーケンス図に従った処理が実行され、特定のユーザに対して確実に秘密情報が提供される。ユーザ確認処理がユーザの署名データの確認処理によって行われ、また、提供情報は、媒体に記録されたコード情報、またはコード情報によって特定される情報であるので、ユーザ確認に基づく特定情報の提供が確実に実行される。
【0126】
次に、図14を参照して、ユーザ認証、コード復号処理を実行するユーザ端末の機能構成について説明する。図14に示す情報処理装置410は、図11に示すシーケンス図に従った処理を実行するユーザ端末に相当する情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0127】
情報処理装置410は、入力部411、通信部412、制御部413、ユーザ認証部414、コード情報処理部415、ユーザ情報格納部416、データ記憶部417、表示部418を有する。入力部411は、スキャナ付きペンからの読み取り情報の入力を行なう。通信部412は、ネットワークを介して他の装置、例えば管理サーバや印刷媒体出力装置とのデータ送受信を実行する。
【0128】
制御部413は、データ記憶部417に格納されたプログラムに従った各種データ処理、他の機能処理部の統括的制御、データ転送制御を実行する。ユーザ認証部414は、ユーザ情報格納部416に格納されたユーザ情報、具体的にはユーザの署名筆跡データを含む署名検証用データを適用して、通信部412を介して入力するスキャナ付きペンによる署名情報との照合処理を実行してユーザ認証を実行する。
【0129】
コード情報処理部415は、通信部412を介して入力するスキャナ付きペンの読み取った暗号化コードの復号処理、またはコード情報をインデックスとした情報の取得処理を実行する。これらの処理は、ユーザ認証部414におけるユーザ認証の成立を条件として実行する。復号処理には、ユーザ認証の成立を条件として管理サーバまたは印刷媒体出力装置から受信した解読用コードを適用する。復号または取得された情報は、ディスプレイ等によって構成される出力部418を介してユーザに提示される。
【0130】
次に、図15を参照して、ユーザ認証、コード復号処理を管理サーバ、または印刷媒体出力装置において実行する場合の管理サーバ、印刷媒体出力装置の機能構成について説明する。図15に示す情報処理装置450は、図13に示すシーケンス図に従った処理を実行する管理サーバ、印刷媒体出力装置に相当する情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0131】
情報処理装置450は、通信部451、制御部452、ユーザ認証部453、コード情報処理部454、ユーザ情報格納部455、データ記憶部456、スクラッチ付き媒体出力部457を有する。なお、スクラッチ付き媒体出力部457は、印刷媒体出力装置のみが有する構成であり、管理サーバには構成されない。なお、前述したように、管理サーバと印刷媒体出力装置とが一体化した構成も可能であり、この場合には、スクラッチ付き媒体出力部457が構成要素として含まれる。
【0132】
通信部451は、ネットワークを介して他の装置、例えばユーザ端末、管理サーバ、印刷媒体出力装置とのデータ送受信を実行する。制御部452は、データ記憶部456に格納されたプログラムに従った各種データ処理、他の機能処理部の統括的制御、データ転送制御を実行する。ユーザ認証部453は、ユーザ情報格納部455に格納されたユーザ情報、具体的にはユーザのサイン(署名)の筆跡データを含む署名情報を適用して、通信部412を介してユーザ端末から入力するスキャナ付きペンによる署名情報との照合処理によるユーザ認証を実行する。
【0133】
なお、管理サーバまたは印刷媒体出力装置においてユーザ認証を実行する構成では、ユーザ情報格納部455には、多数の認証対象ユーザのユーザ情報がユーザIDとともに格納されており、ユーザ認証部453は、ユーザ端末から受信するユーザ識別情報(ユーザID、パスワードなど)に基づいて、ユーザを特定し、特定したユーザのユーザ情報(署名検証用データ)をユーザ情報格納部455から抽出して照合処理を実行する。ユーザ情報格納部455には、多数の認証対象ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納している。
【0134】
コード情報処理部454は、通信部451を介してユーザ端末から入力するスキャナ付きペンの読み取った暗号化コードの復号処理、または、コード情報をインデックスとして利用したデータ記憶部456からの秘密情報の取得、あるいは、暗号化コード情報に対応する解読用コードをデータ記憶部456から取得する。復号処理あるいは情報または解読用コードの取得処理は、ユーザ認証の成立を条件とした処理として実行され、取得した情報が通信部451を介してユーザ端末に送信される。スクラッチ付き媒体出力部457は、先に図9を参照して説明したスクラッチ付き印刷媒体の出力処理を実行する。
【0135】
なお、データ記憶部456には、先に図12を参照して説明した管理データ、すなわち、各ユーザが文書IDによって特定される情報の閲覧状況を管理する管理データも格納され、制御部452によって、適宜管理データの更新処理が実行される。
【0136】
上述したように、本発明の構成では、ユーザの署名データに基づくユーザ認証を実行し、さらにコード情報によって提供情報の特定を行なう構成であり、またユーザ端末でコード復号ワ行なう場合には、情報提供の確認を情報提供元に通知する構成であるので、確実なユーザ確認の下に情報の提示を間違いなく実行することができる。
【0137】
なお、上述した実施例では、コード情報をスクラッチ部分に記録する構成例として説明したが、スクラッチ構成は必須ではなく、容易な解析が困難であるコードデータであれば、スクラッチ部分ではなく、通常の印刷領域にコード情報を併せて記録する構成としてもよい。
【0138】
また、上述した実施例では、コード読み取り処理、および署名の読み取り処理にスキャナ付きペンを適用した例を示したが、削り取り可能な樹脂やシール等の物理的なスクラッチを印刷物のスクラッチ部分に積層する場合には、物理的なスクラッチの有無でスクラッチ状況を事後的に確認可能であるから、例えばカメラなどのデータ取得手段によってコード情報や署名情報を取得し、取得情報をユーザ端末、あるいはユーザ端末を介して他の装置に送信する構成としてもよい。
【0139】
このような実施形態によれば、プリント機能を有する印刷媒体出力装置において、特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行し、スキャナ付きペンなどによって、コード記録領域のコードを読み取るとともに、署名領域に署名を実行し、署名実行データをユーザ端末に入力して、ユーザ端末あるいはネットワーク接続されたサーバにおいて、予め登録済みの署名筆跡データに基づく署名検証によるユーザ認証処理を実行し、ユーザの認証成立を条件として、コード情報の復号、あるいはコード情報に対応する解読用データの提供、またはコード情報をインデックスとして取得される情報の提供を実行する構成としたので、特定のユーザに対して確実に秘密情報が提供される。ユーザ確認処理がユーザの署名データの確認処理によって行われ、また、提供情報は、媒体に記録されたコード情報、またはコード情報によって特定される情報であるので、ユーザ確認に基づく特定情報の提供が確実な履行が保証される。
【0140】
[ハードウェア構成例]
最後に、上述した処理を実行するユーザ端末、管理サーバ、印刷媒体出力装置を構成する情報処理装置のハードウェア構成例について、図16を参照して説明する。図16に示すハードウェア構成は、一般的なコンピュータ構成に、プリント、スキャン、コピー処理機能実行部としてのデータ入出力部531を付加した構成を示している。データ入出力部531は、印刷媒体出力装置のみが有する構成であり、図9を参照して説明した印刷媒体の出力処理を実行する。その他の構成は、ユーザ端末、管理サーバ、印刷媒体出力装置に共通の構成として示してある。
【0141】
CPU(Central Processing Unit)501は、OS(Operating System)、上述の実施例において説明したユーザ認証、コード解析処理等の各処理の実行シーケンスを記述した各種コンピュータ・プログラムに従った処理を実行する制御部である。
【0142】
ROM(Read Only Memory)502は、CPU501が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)503は、CPU501の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス504により相互に接続されている。
【0143】
ホストバス504は、ブリッジ505を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス506に接続されている。
【0144】
キーボード508、ポインティングデバイス509は、ユーザにより操作される入力デバイスである。ディスプレイ510は、液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)などから成り、各種情報をテキストやイメージで表示する。
【0145】
HDD(Hard Disk Drive)511は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU501によって実行するプログラムや情報を記録または再生させる。ハードディスクは、図14、図15に示すユーザ情報格納部、データ記憶部としての役割を持つことができる。さらに、各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0146】
ドライブ512は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体521に記録されているデータまたはプログラムを読み出して、そのデータまたはプログラムを、インタフェース507、外部バス506、ブリッジ505、およびホストバス504を介して接続されているRAM503に供給する。リムーバブル記録媒体521も、ハードディスクと同様、図14、図15に示すユーザ情報格納部、データ記憶部としての役割を持つことができる。
【0147】
接続ポート514は、外部接続機器522を接続するポートであり、USB,IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート514は、インタフェース507、および外部バス506、ブリッジ505、ホストバス504等を介してCPU501等に接続されている。通信部515は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。ユーザ端末においては、スキャナ付きペンからのデータ入力も実行する。
【0148】
なお、図16に示す情報処理装置のハードウェア構成例は、基本的なPC構成を適用して構成した1つの装置例を示すものであり、本発明の情報処理装置は、図16に示す構成に限らず、上述した実施例において説明した処理を実行可能な構成であればよい。
【0149】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0150】
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0151】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0152】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0153】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0154】
以上、説明したように、本発明の構成によれば、文書の配布先であるユーザが、文書中の可読領域以外に設けられたスクラッチ領域を能動的にスクラッチすることから、従来の受動的な重要情報の認識の場合と比較して認識性が向上するとともに、ユーザIDとスクラッチ領域のスクラッチ状況とを関連づけることで、重要情報へのアクセス状況を把握したり管理することが可能となり、情報の安全な伝達処理の要請されるシステムにおいて適用可能である。
【0155】
さらに、本発明の構成によれば、プリント機能を有する印刷媒体出力装置において、特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行し、スキャナ付きペンなどによって、コード記録領域のコードを読み取るとともに、署名領域に署名を実行し、署名実行データをユーザ端末に入力して、ユーザ端末あるいはネットワーク接続されたサーバにおいて、予め登録済みの署名筆跡データに基づく署名検証によるユーザ認証処理を実行し、ユーザの認証成立を条件として、コード情報の復号、あるいはコード情報に対応する解読用データの提供、またはコード情報をインデックスとして取得される情報の提供を実行する構成としたので、特定のユーザに対して確実に秘密情報が提供される。ユーザ確認処理がユーザの署名データの確認処理によって行われ、また、提供情報は、媒体に記録されたコード情報、またはコード情報によって特定される情報であるので、ユーザ確認に基づく特定情報の提供が確実な履行が保証され、情報の安全な伝達処理の要請されるシステムにおいて適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の情報通知システムにおいて適用するスクラッチ領域付き文書の構成について説明する図である。
【図2】スクラッチ領域付き文書の配付処理、管理処理構成について説明する図である。
【図3】スクラッチ領域付き文書の管理処理用のデータについて説明する図である。
【図4】スクラッチ領域付き文書の管理処理用のデータについて説明する図である。
【図5】スクラッチ領域付き文書の管理処理用のデータについて説明する図である。
【図6】スクラッチ領域におけるコードの構成について説明する図である。図である。
【図7】配布した文書の重要箇所へのアクセス状況管理処理について説明する図である。
【図8】本発明の情報通知システムの全体構成について説明する図である。
【図9】本発明の情報通知システムの印刷媒体出力装置が出力するスクラッチ付き印刷媒体の構成について説明する図である。
【図10】スクラッチ付き印刷媒体を受領したユーザによる処理について説明する図である。
【図11】本発明の情報通知システムにおいて、文書発行処理から、秘密情報の取得、情報取得完了通知に至る一連の処理を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の情報通知システムにおいて、情報の閲覧管理のための管理データの構成について説明する図である。
【図13】本発明の情報通知システムにおいて、管理サーバでユーザ認証を行なう場合の文書発行処理から、秘密情報の取得、に至る一連の処理を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の情報通知システムを構成するユーザ端末としての情報処理装置の機能構成を説明するブロック図である。
【図15】本発明の情報通知システムを構成する管理サーバおよび印刷媒体出力装置としての情報処理装置の機能構成を説明するブロック図である。
【図16】本発明の情報通知システムを構成するユーザ端末、管理サーバおよび印刷媒体出力装置のハードウェア構成例について説明する図である。
【符号の説明】
【0157】
20 スクラッチ領域付き文書
21 配付先データ
22 スクラッチ領域
33 スクラッチ状況管理サーバ
34 ユーザ端末
50 ユーザ端末
60 ユーザ
70 ペン
100 印刷媒体出力装置
121 ネットワーク
131 管理サーバ
151〜153 ユーザ端末
170 スキャナ付きペン
180 ユーザ
200,201 スクラッチ付き印刷媒体
211 一般文書領域
212 コード付きスクラッチ領域
213 アノテーションコード埋め込み署名領域
301 コード情報
302 署名情報
410 情報処理装置
411 入力部
412 通信部
413 制御部
414 ユーザ認証部
415 コード情報処理部
416 ユーザ情報格納部
417 データ記憶部
418 出力部
450 情報処理装置
451 通信部
452 制御部
453 ユーザ認証部
454 コード情報処理部
455 ユーザ情報格納部
456 データ記憶部
457 スクラッチ付き媒体出力部
501 CPU(Central Processing Unit)
502 ROM(Read-Only-Memory)
503 RAM(Random Access Memory)
504 ホストバス
505 ブリッジ
506 外部バス
507 インタフェース
508 キーボード
509 ポインティングデバイス
510 ディスプレイ
511 HDD(Hard Disk Drive)
512 ドライブ
514 接続ポート
515 通信部
521 リムーバブル記録媒体
522 外部接続機器
531 データ入出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通知システムであり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理手段と
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力手段と、
ユーザ端末を使用中のユーザの識別情報を保持するとともに、前記コード記録領域に記録されたコードを読み取るための読取手段と、前記コード情報の復号処理を実行するコード情報処理部と、前記コード情報処理部の処理によって取得した情報を送信する送信部とを有するユーザ端末を有し、
前記管理手段は、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持することを特徴とする情報通知システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、先端に前記コードのスキャナ機能を有するペン形状の読取装置を含む構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項3】
前記コード記録領域には、前記印刷媒体出力手段により出力された時点で可読な可読情報とコード情報とが重ね書きされていることを特徴とする請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項4】
前記管理手段は、該文書の配布先を保持し、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、保持する前記配布先とが異なるときに、異常が発生したことを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項5】
前記印刷媒体出力手段は、少なくとも三原色あるいは三原色の補色のトナーもしくはインクを用いて多色印刷を行う装置であり、前記コードは前記三原色もしくは三原色の補色のいずれか一色のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項6】
前記印刷媒体出力手段は、前記コードを不可視のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項7】
前記コード領域には、特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードが記録されており、前記文書には更に署名領域を含み、
前記ユーザ端末からは、前記署名領域に対するユーザの署名処理に基づく署名情報が入力可能であり、
ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報を適用したユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、前記コード情報の復号処理、またはコード情報をインデックスとした通知情報の取得処理を実行するコード情報処理部と、
前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力を実行する出力部と、
を有する構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項8】
前記印刷媒体出力装置は、
前記署名領域にスキャナによって読み取り可能なコードを記録した印刷媒体を出力する構成であり、
前記ユーザ端末は、
前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を取得する構成であり、
前記ユーザ認証部は、
前記スキャン情報を署名情報として適用したユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする請求項7に記載の情報通知システム。
【請求項9】
前記印刷媒体出力装置は、
前記コード記録領域をスクラッチ領域として設定した部分に、削り取り容易なスクラッチを積層した印刷媒体の出力を実行する構成であることを特徴とする請求項7に記載の情報通知システム。
【請求項10】
前記ユーザ端末は、
登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部を有し、
前記ユーザ認証部は、
ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする請求項7に記載の情報通知システム。
【請求項11】
前記ユーザ端末は、
前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力の完了通知を、前記印刷媒体出力装置、または前記通知情報の発行元である管理サーバに行なう構成であることを特徴とする請求項7に記載の情報通知システム。
【請求項12】
情報処理装置であり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理部と
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力部と、
ユーザ端末からの情報を受信する通信部と、
前記管理手段は、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
前記ユーザ端末は、先端に前記コードのスキャナ機能を有するペン形状の読取装置を含む構成であることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記コード記録領域には、前記印刷媒体出力手段により出力された時点で可読な可読情報とコード情報とが重ね書きされていることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記管理手段は、該文書の配布先を保持し、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、保持する前記配布先とが異なるときに、異常が発生したことを表示することを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記文書は、前記コード記録領域に特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードと、更に署名領域を含み、
前記ユーザ端末からの情報には情報要求が含まれ、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理部と、
を有する構成であることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記情報処理装置は、さらに、
登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部と、
ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
を有する構成であることを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記情報処理装置は、さらに、
ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理部を有し、
該コード処理部は、前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行する構成であることを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項19】
情報処理方法であり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理ステップと
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報を受信する通信ステップと、
前記管理ステップは、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持、管理するステップを含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項20】
前記通信ステップは、
ユーザ端末から、先端に前記コードのスキャナ機能を有するペン形状の読取装置からの読み取り情報を受信するステップであることを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記コード記録領域には、前記印刷媒体出力ステップで出力された時点で可読な可読情報とコード情報とが重ね書きされていることを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記管理手段は、該文書の配布先を保持し、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、保持する前記配布先とが異なるときに、異常が発生したことを表示することを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項23】
前記印刷媒体出力ステップは、少なくとも三原色あるいは三原色の補色のトナーもしくはインクを用いて多色印刷を行うステップであり、前記コードは前記三原色もしくは三原色の補色のいずれか一色のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項24】
前記印刷媒体出力ステップは、前記コードを不可視のトナーもしくはインクで印刷することを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項25】
前記印刷媒体出力ステップは、
前記コード記録領域に特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを含み、更に署名領域を含む印刷媒体の出力処理を実行するステップであり、
前記情報処理方法は、さらに、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップと、
を有することを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項26】
前記情報処理方法は、さらに、
ユーザ端末から入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項27】
前記情報処理方法は、さらに、
ユーザ端末からデータ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理ステップを有し、
前記コード処理ステップは、前記ユーザ認証ステップにおけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行することを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項28】
情報処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、
特定の情報通知対象者に提供する文書であって、可読領域とコード記録領域とを有し、前記コード記録領域には前記コード記録領域を特定するためのコードが記録された文書における、前記コード記録領域中の該コードの読取状況を管理する管理ステップと
前記文書の印刷出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報を受信する通信ステップと、
前記管理ステップは、前記ユーザ端末を使用中の使用者の識別情報と、前記ユーザ端末から送信された情報とを関連付けて保持、管理するステップを含むことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項29】
前記印刷媒体出力ステップは、
前記コード記録領域に特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを含み、更に署名領域を含む印刷媒体の出力処理を実行するステップであり、
前記コンピュータ・プログラムは、さらに、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップと、
を有することを特徴とする請求項28に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項30】
情報通知システムであり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力装置と、
前記コード記録領域に記録されたコード情報と、前記署名領域に対するユーザの署名処理に基づく署名情報とを入力するユーザ端末とを有し、
前記ユーザ端末は、
ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報を適用したユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、前記コード情報の復号処理、またはコード情報をインデックスとした通知情報の取得処理を実行するコード情報処理部と、
前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力を実行する出力部と、
を有する構成であることを特徴とする情報通知システム。
【請求項31】
前記印刷媒体出力装置は、
前記署名領域にスキャナによって読み取り可能なコードを記録した印刷媒体を出力する構成であり、
前記ユーザ端末は、
前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を取得する構成であり、
前記ユーザ認証部は、
前記スキャン情報を署名情報として適用したユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする請求項30に記載の情報通知システム。
【請求項32】
前記印刷媒体出力装置は、
前記コード記録領域をスクラッチ領域として設定したスクラッチ付き印刷媒体の出力を実行する構成であることを特徴とする請求項30に記載の情報通知システム。
【請求項33】
前記ユーザ端末は、
登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部を有し、
前記ユーザ認証部は、
ユーザの署名処理に基づいて入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行する構成であることを特徴とする請求項30に記載の情報通知システム。
【請求項34】
前記ユーザ端末は、
前記コード情報処理部の処理によって取得した通知情報の出力の完了通知を、前記印刷媒体出力装置、または前記通知情報の発行元である管理サーバに行なう構成であることを特徴とする請求項30に記載の情報通知システム。
【請求項35】
情報処理装置であり、
署名領域に対して実行される署名処理に基づく署名情報を入力するデータ入力部と、
登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部と、
ユーザの署名処理に基づいて前記データ入力部を介して入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
を有する構成であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項36】
前記データ入力部は、
前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を入力する構成であることを特徴とする請求項35に記載の情報処理装置。
【請求項37】
前記情報処理装置は、さらに、
スキャナ付きペンから前記データ入力部を介して入力されたコード情報の復号処理を実行するコード情報処理部と、
前記コード情報処理部における処理によって取得された復号結果データを出力する出力部と、
を有する構成であることを特徴とする請求項35に記載の情報処理装置。
【請求項38】
情報処理装置であり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力部と、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信部と、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理部と、
を有する構成であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項39】
前記情報処理装置は、さらに、
登録ユーザの署名筆跡情報を署名検証用データとして格納したユーザ情報格納部と、
ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力される署名情報と、前記ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証部と、
を有する構成であることを特徴とする請求項38に記載の情報処理装置。
【請求項40】
前記情報処理装置は、さらに、
ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理部を有し、
該コード処理部は、前記ユーザ認証部におけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行する構成であることを特徴とする請求項38に記載の情報処理装置。
【請求項41】
情報処理方法であり、
署名領域に対して実行される署名処理に基づく署名情報を入力するデータ入力ステップと、
前記データ入力ステップにおいて入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された登録ユーザの署名筆跡情報である署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項42】
前記データ入力ステップは、
前記署名領域に対してスキャナ機能を有するスキャナ付きペンによって実行される署名処理に際して、前記スキャナ付きペンからのスキャン情報を入力することを特徴とする請求項41に記載の情報処理方法。
【請求項43】
前記情報処理方法は、さらに、
スキャナ付きペンから入力されたコード情報の復号処理を実行するコード情報処理ステップと、
前記コード情報処理ステップにおける処理によって取得された復号結果データを出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする請求項41に記載の情報処理方法。
【請求項44】
情報処理方法であり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項45】
前記情報処理方法は、さらに、
ユーザ端末から入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とする請求項44に記載の情報処理方法。
【請求項46】
前記情報処理方法は、さらに、
ユーザ端末から前記データ通信部を介して入力されるコード情報の復号処理、または、コード情報の復号に適用する解読用コードの取得処理、あるいはコード情報をインデックスとして適用した情報取得処理を実行するコード情報処理ステップを有し、
前記コード処理ステップは、前記ユーザ認証ステップにおけるユーザ認証の成立を条件として、コード情報に基づく処理を実行することを特徴とする請求項44に記載の情報処理方法。
【請求項47】
情報処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、
署名領域に対して実行される署名処理に基づく署名情報を入力するデータ入力ステップと、
前記データ入力ステップにおいて入力される署名情報と、ユーザ情報格納部に格納された登録ユーザの署名筆跡情報である署名検証用データとの照合処理によるユーザ認証処理を実行するユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項48】
情報処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、
特定の情報通知対象者に提供する通知情報に対応する暗号化データ、あるいは通知情報のインデックスデータを含むコードを記録したコード記録領域と、署名領域とを含む印刷媒体の出力処理を実行する印刷媒体出力ステップと、
ユーザ端末からの情報要求を受信する通信ステップと、
前記情報要求に応じて、ユーザ認証の成立を条件として情報提供を実行する情報処理ステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−134020(P2006−134020A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321601(P2004−321601)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】