説明

情報通知装置、情報通知方法、情報通知プログラム、および記録媒体

【課題】利用者にとって不要な情報となる広告情報を通知させないようにすること。
【解決手段】情報通知装置100は、格納部101と、取得部102と、通知制御部103と、通知部104とを備える。格納部101は、施設の利用履歴情報を格納する。取得部102は、現在位置周辺の施設の広告情報を取得する。通知制御部103は、取得部102によって取得された施設の広告情報のうち、格納部101に当該施設の利用履歴情報がある場合に、取得した情報を除外する制御をおこなう。通知部104は、通知制御部103による制御により広告情報を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両などの移動体に搭載される情報通知装置、情報通知方法、情報通知プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話装置や、車両などの移動体に搭載されるナビゲーション装置などの移動体端末では、外部のサーバと接続することにより、当該外部サーバから各種情報を受信し、受信した情報を、音声や表示により通知することがおこなわれている。外部サーバから受信する情報としては、施設の広告情報などもあり、当該広告情報を通知することもおこなわれている。
【0003】
このような広告情報を利用者に通知するに際しては、たとえば、受信した広告情報に対応する施設の位置を予め記憶しておき、車両が当該施設の近傍に位置したときに、当該施設の広告情報を通知するようにした技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−48564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術は、移動体が広告情報に対応する施設の近傍に位置するたびに、当該広告情報が通知されるので、利用者にとっては、通知される広告情報が不要な情報となるばかりでなく、広告主の印象が悪くなることさえあるといった問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報通知装置は、情報を通知する通知手段を備える情報通知装置であって、前記通知手段により通知される通知情報と、利用者により種別ごとに任意に設定された前記通知情報の通知対象時期を取得する取得手段を備え、前記通知手段は、通知済みであるか否か、通知情報に基づき訪問していない地点に関する通知情報であるか否か、または前記通知対象時期の通知情報であるか否か、に応じて、通知を実行することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の情報通知方法は、情報通知装置で実行され、情報を通知する通知工程を含む情報通知方法であって、前記通知工程にて通知すべき通知情報と、利用者により種別ごとに任意に設定された前記通知情報の通知対象時期を取得する取得工程を含み、前記通知工程は、通知済みであるか否か、通知情報に基づき訪問していない地点に関する通知情報であるか否か、または前記通知対象時期の通知情報であるか否か、に応じて、通知を実行することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の情報通知プログラムは、請求項3に記載の情報通知方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5の発明にかかる記録媒体は、請求項4に記載の情報通知プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態にかかる情報通知装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる情報通知装置の情報通知処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなう情報通知処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】利用者が携行可能なナビゲーション装置がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】ディスプレイに表示される広告情報の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報通知装置、情報通知方法、情報通知プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(情報通知装置の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかる情報通知装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる情報通知装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図1において、情報通知装置100は、格納部101と、取得部102と、通知制御部103と、通知部104と、駐車検出部105と、格納制御部106と、滞在検出部107と、記録部108と、判別部109と、受付部110とを備えている。
【0014】
格納部101は、施設の利用履歴情報を格納する。施設は、代表的には、系列店の施設が挙げられるが、個人商店、企業、団体などの施設であってもよい。利用履歴情報は、当該施設を利用したという履歴情報であり、利用者が到達したことがあるということを前提とする。
【0015】
取得部102は、現在位置周辺の施設の広告情報を取得する。広告情報は、Webサイトなどのメディアを通じておこなう広告主の宣伝情報であり、動画、静止画などの視覚に訴えるものや、音声情報など聴覚に訴えるものなどである。取得部102による広告情報の取得方式は、外部サーバからリアルタイムに受信することにより取得してもよいし、図示外の記憶部に記憶した広告情報を、図示外の制御部の制御により、移動体(利用者自身を含む)の現在位置が施設から所定範囲内に位置したときに取得してもよい。
【0016】
通知制御部103は、取得部102によって取得された施設の広告情報のうち、格納部101に当該施設の利用履歴情報がある場合に、取得した広告情報を除外する制御をおこなう。具体例を挙げると、通知制御部103は、利用者が過去に施設Aを利用したことがある場合に、施設Aの広告情報を通知させないように制御する。
【0017】
通知部104は、通知制御部103による制御により広告情報を通知する。通知部104による通知方式は、表示画面による通知でもよいし、音声による通知でもよいし、表示画面および音声による通知でもよい。
【0018】
また、本実施の形態において、駐車検出部105と、格納制御部106とは、任意の構成要素である。駐車検出部105は、情報通知装置を搭載した移動体の駐車を検出する。格納制御部106は、駐車検出部105によって駐車が検出された際に、駐車位置に関連付けられた施設を、利用した施設として格納部101に格納させる。駐車の検出方式は、施設にて移動体が停車したことを検出してもよいし、施設を利用したということをより確かなものとするためにエンジンの停止を検出してもよい。本構成は、移動体の駐車を施設の利用とみなし、当該施設の利用履歴情報として格納させるようにしたものである。
【0019】
また、本実施の形態において、滞在検出部107は、任意の構成要素である。滞在検出部107は、利用者の施設での滞在を検出する。この場合、格納制御部106は、滞在検出部107によって利用者の滞在が検出された際に、当該滞在している施設を利用した施設として格納部101に格納させる。
【0020】
本構成は、携帯電話装置などに内蔵される情報通知装置、または、移動体に搭載される情報通知装置のうち、利用者が持ち運びできるポータブル式の情報通知装置を対象とする。利用者の施設での滞在の検出方式としては、たとえば、情報通知装置のGPS機能などにより、現在位置が施設内に位置するか否かを検出するようにすればよい。本構成は、利用者の施設での滞在を施設の利用とみなし、当該施設の利用履歴情報として格納させるようにしたものである。
【0021】
また、本実施の形態において、滞在検出部107は、利用者の施設での滞在時間が所定時間以上の場合に、滞在を検出するようにしてもよい。本構成は、施設での滞在時間を考慮することにより、利用者が施設を利用したということをより確実に検出することを可能にしたものである。
【0022】
また、本実施の形態において、通知制御部103は、取得した広告情報のうち、格納部101に所定期間より前の利用履歴情報が格納されている場合に、取得した広告情報を通知させる制御をおこなうようにしてもよい。所定期間とは、利用者が当該施設をしばらく利用していないという期間であり、施設ごとに異なり、たとえば、コンビニエンスストアでは1週間といった期間とし、カーショップでは1ヶ月といった期間として予め任意の期間として設定される。本構成は、利用者が当該施設をしばらく利用していない場合に、当該施設の広告情報を除外対象とはしないようにしたものである。
【0023】
また、本実施の形態において、記録部108と、判別部109とは、任意の構成要素である。記録部108は、通知制御部103によって除外された広告情報を記録する。判別部109は、取得部102によって取得された広告情報と、記録部108に記録された広告情報とを基に、取得した広告情報が更新されたものか否かを判別する。この場合、通知制御部103は、判別部109によって広告情報が更新されたものと判別された場合、取得した広告情報を通知させる制御をおこなう。
【0024】
具体例を挙げると、利用履歴情報が存在する施設Aの広告情報が除外されたとすると、施設Aの広告情報が記録部108に記録される。そして、次回、取得した広告情報が施設Aの広告情報であった場合、判別部109は、当該広告情報が更新されているか否かを判別する。具体的には、判別部109は、記録部108に記録されている広告情報と取得した広告情報とを比較し同一であるか否かを判別すればよい。判別部109によって更新されていると判別された場合に、具体的には比較結果が同一でないと判別された場合に、取得した広告情報を通知する。本構成は、広告情報が更新された場合、つまり、広告情報が新しい場合、除外対象とせずに、当該広告情報を通知させるようにしたものである。
【0025】
また、本実施の形態において、受付部110は、任意の構成要素である。受付部110は、広告情報を除外する施設のジャンルの入力を受け付ける。この場合、通知制御部103は、受付部110が受け付けたジャンルに応じて、施設の広告情報を除外する制御をおこなう。本構成は、利用者が指定したジャンルの施設に対してのみ、当該施設の広告情報を除外させるようにしたものである。
【0026】
ジャンルの入力を受け付けるタイミングは、任意であり、利用者によってメニュー画面から設定されるものとしてもよいし、広告情報を通知する際に、利用者に対して、広告情報を除外している旨の情報を通知するとともに、除外の解除やジャンルの選択を受け付ける制御をおこなって入力を受け付けるようにしてもよい。
【0027】
また、本実施の形態において、広告情報は、代表的には、系列店の広告情報を対象とする。系列店は、具体的には、統一性を持った複数店舗の集合体であるチェーン店である。このようなチェーン店には、小売業や、飲食店(レストラン、居酒屋など)やホテルなどがある。
【0028】
このように系列店の広告情報を、通知の除外対象とすることにより、ある支店を利用した場合には、同じ系列店の広告情報を全て除外することが可能となり、広告情報の除外を効果的におこなうことができる。特に、移動体の位置に対応させて広告情報を通知する場合、コンビニエンスストア等、道路沿いの系列店の広告情報が頻繁に通知される傾向にあるため、広告情報の除外対象としては、効果的である。
【0029】
(情報通知装置の情報通知処理手順)
つぎに、図2を用いて、情報通知装置100の情報通知処理手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかる情報通知装置100の情報通知処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0030】
図2のフローチャートにおいて、情報通知装置100は、広告情報を取得したか否かを判断する(ステップS201)。ステップS201において、広告情報を取得するまで待機状態にある(ステップS201:Noのループ)。ステップS201において、広告情報を取得すると(ステップS201:Yes)、取得した広告情報に対応する施設の利用履歴情報があるか否かを判断する(ステップS202)。
【0031】
ステップS202において、広告情報に対応する施設の利用履歴情報があると判断した場合(ステップS202:Yes)、取得した広告情報を除外する制御をおこない(ステップS203)、一連の処理を終了する。一方、ステップS202において、広告情報に対応する施設の利用履歴情報がないと判断した場合(ステップS202:No)、取得した広告情報を通知し(ステップS204)、一連の処理を終了する。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態にかかる情報通知装置100は、取得した施設の広告情報のうち、格納部101に当該施設の利用履歴情報がある場合に、取得した広告情報を除外する制御をおこなうようにした。つまり、利用者が利用した施設の広告情報を通知しないようにした。これにより、利用者に対して、不要な情報を通知することがなく、煩わしさを与えることがない。
【0033】
また、繰り返し広告情報が通知されることによって、広告主の印象が悪くなるといったことを防止できる。さらに、通知される広告情報は利用者が利用したことのない施設であるので、利用者にとって、通知される広告情報は新鮮なものとなり、広告情報の宣伝効果を高めることができる。
【実施例】
【0034】
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の説明においては、車両に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の情報通知装置を実施した場合の一例について説明する。
【0035】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
図3を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図3において、ナビゲーション装置300は、車両などの移動体に搭載されており、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、スピーカ309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、GPSユニット314と、各種センサ315と、を備えている。また、各構成部301〜315はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0037】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、情報通知プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0038】
現在地点算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット314および各種センサ315の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置300の現在地点)を算出させる。
【0039】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305に記録されている地図データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。また、目的地点のみならず、立ち寄り地点や休憩地点までの経路を探索してもよい。探索された誘導経路は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0040】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点情報、磁気ディスク305から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報を生成させる。生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0041】
情報通知プログラムは、取得した施設の広告情報のうち、利用者の当該施設の利用履歴情報がある場合に、取得した広告情報を除外する制御をおこなう。制御された広告情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0042】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0043】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0044】
音声I/F308は、スピーカ309に接続される。スピーカ309は、音声を出力する。
【0045】
入力デバイス310は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス310は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現されてもよい。
【0046】
映像I/F311は、ディスプレイ312と接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ312を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0047】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ312には、上述した地図データが2次元または3次元に描画される。ディスプレイ312に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在地点をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在地点は、CPU301によって算出される。
【0048】
このディスプレイ312は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ312は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ312は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両内に複数設置してもよい。
【0049】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0050】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0051】
また、通信I/F313は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報などの各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0052】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット314の出力情報は、後述する各種センサ315の出力値とともに、CPU301による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0053】
各種センサ315は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ315の出力値は、CPU301による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0054】
図1に示した情報通知装置100が備える格納部101と、取得部102と、通知制御部103と、通知部104と、駐車検出部105と、格納制御部106と、滞在検出部107と、記録部108と、判別部109と、受付部110とは、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0055】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている情報通知プログラムを実行することにより、図1に示した情報通知装置100が備える機能を、図2に示した情報通知処理手順で実行することができる。
【0056】
(ナビゲーション装置がおこなう情報通知処理の一例)
つぎに、図4を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう情報通知処理の一例について説明する。図4は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう情報通知処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
図4において、ナビゲーション装置300は、施設の広告情報を取得したか否かを判断する(ステップS401)。ステップS401において、施設の広告情報を取得するまで待機状態にある(ステップS401:Noのループ)。ステップS401において、施設の広告情報を取得すると(ステップS401:Yes)、取得した広告情報に対応する施設が除外対象のジャンルとして指定されているか否かを判断する(ステップS402)。
【0058】
ステップS402において、広告情報に対応する施設が除外対象のジャンルとして指定されていると判断した場合(ステップS402:Yes)、広告情報に対応する施設の利用履歴情報があるか否かを判断する(ステップS403)。ステップS403において、広告情報に対応する施設の利用履歴情報があると判断した場合(ステップS403:Yes)、所定期間より前の利用履歴情報か否かを判断する(ステップS404)。なお、所定期間は、たとえば、1週間、1ヶ月といった期間である。所定期間より前とは、たとえば、所定期間が1週間の場合は1週間より前の期間であり、また、所定期間が1ヶ月の場合は1ヶ月より前の期間である。
【0059】
ステップS404において、所定期間より前の利用履歴情報ではないと判断した場合(ステップS404:No)、言い換えれば、最近の利用履歴情報であると判断した場合、広告情報を除外した履歴(以下、「除外履歴」という)があるか否かを判断する(ステップS405)。ステップS405において、広告情報の除外履歴があると判断した場合(ステップS405:Yes)、たとえば、除外履歴のある広告情報と取得した広告情報との同一性を比較することにより、広告情報が更新されているか否かを判断する(ステップS406)。
【0060】
ステップS406において、広告情報が更新されていないと判断した場合(ステップS406:No)、取得した広告情報を除外する制御をおこない(ステップS407)、ステップS401に移行する。一方、ステップS405において、広告情報の除外履歴がないと判断した場合(ステップS405:No)、取得した広告情報を除外履歴として記録し(ステップS408)、ステップS407に移行する。
【0061】
また、ステップS402において、広告情報に対応する施設が除外対象のジャンルとして指定されていないと判断した場合(ステップS402:No)、取得した広告情報を通知し(ステップS409)、一連の処理を終了する。なお、ステップS409の通知における表示画面の詳細については、図7を用いて後述する。
【0062】
また、ステップS403において、広告情報に対応する施設の利用履歴情報がないと判断した場合(ステップS403:No)、ステップS409に移行する。また、ステップS404において、所定期間より前の利用履歴情報であると判断した場合(ステップS404:Yes)、言い換えれば、古い利用履歴情報であると判断した場合、ステップS409に移行する。また、ステップS406において、広告情報が更新されていると判断した場合(ステップS406:Yes)、ステップS409に移行する。
【0063】
上述した処理によれば、取得した施設の広告情報のうち、当該施設の利用履歴情報がある場合に、取得した広告情報を除外する制御をおこなうようにしたので、利用者が利用した施設の広告情報を通知されることがない。これにより、利用者に対して、不要な情報を通知することがなく、煩わしさを与えることを防止できる。
【0064】
また、繰り返し広告情報が通知されることによって、広告主の印象が悪くなるといったことを防止できる。さらに、通知される広告情報は利用者が利用したことのない施設であるので、利用者にとって、通知される広告情報は新鮮なものとなり、広告情報の宣伝効果を高めることができる。
【0065】
(ナビゲーション装置がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例)
つぎに、図5を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例について説明する。図5は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
図5において、ナビゲーション装置300は、車両が駐車したか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501において、車両が駐車するまで待機状態にある(ステップS501:Noのループ)。ステップS501において、車両が駐車すると(ステップS501:Yes)、駐車位置に関連付けられた施設があるか否かを判断する(ステップS502)。
【0067】
ステップS502において、駐車位置に関連付けられた施設があると判断した場合(ステップS502:Yes)、当該施設を利用した施設として格納し(ステップS503)、一連の処理を終了する。一方、ステップS502において、駐車位置に関連付けられた施設がないと判断した場合(ステップS502:No)、一連の処理を終了する。
【0068】
上述した処理によれば、車両の駐車が検出された際に、駐車位置に関連付けられた施設を、利用した施設として格納するようにしたので、移動体の駐車を施設の利用とみなし、当該施設の利用履歴情報として格納することができる。
【0069】
(ナビゲーション装置がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例)
つぎに、図6を用いて、利用者が携行可能なナビゲーション装置300がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例について説明する。図6は、利用者が携行可能なナビゲーション装置300がおこなう利用履歴情報の格納処理の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、車両から取り外し可能なポータブル式のナビゲーション装置300や、携帯電話装置に搭載されるナビゲーション装置を対象とする。
【0070】
図6において、ナビゲーション装置300は、現在位置が施設に位置するか否かを判断する(ステップS601)。ステップS601において、現在位置が施設に位置するまで待機状態にある(ステップS601:Noのループ)。ステップS601において、現在位置が施設に位置すると(ステップS601:Yes)、当該施設に所定時間以上滞在したか否かを判断する(ステップS602)。
【0071】
ステップS602において、当該施設に所定時間以上滞在したと判断した場合(ステップS602:Yes)、当該施設を利用した施設として格納し(ステップS603)、一連の処理を終了する。一方、ステップS602において、当該施設に所定時間以上滞在していないと判断した場合(ステップS602:No)、一連の処理を終了する。
【0072】
上述した処理によれば、利用者が所定時間以上滞在している施設を利用した施設として格納するようにしたので、利用者の施設での滞在を施設の利用とみなし、当該施設の利用履歴情報として格納することができる。
【0073】
(ディスプレイに表示される広告情報の一例)
つぎに、図7を用いて、ディスプレイに表示される広告情報の一例について説明する。図7は、ディスプレイに表示される広告情報の一例を示す説明図である。
【0074】
図7において、ディスプレイ312に表示される表示画面700は、図4のステップS409において表示される画面である。表示画面700には、地図画面710と、広告画面720とが表示されている。地図画面710には、現在位置711と、施設712,713と、経路714とが表示されている。施設712および施設713は、ともに系列店であり、施設712は、施設名が「○×GS(ガソリンスタンド)」の店舗を示し、施設713は、施設名が「○△ショップ」の店舗を示している。
【0075】
表示画面700においては、車両の現在位置711が、施設712,713の近傍に位置した際に、当該施設712,713の広告情報を表示するようになっている。施設712,713のいずれについても、広告情報を取得しているものとするが、広告画面720には、施設712(○×ガソリンスタンド)の広告情報が表示されているものの、施設713(○△ショップ)の広告情報は表示されていない。これは、利用者が過去に○△ショップを利用し、○△ショップの利用履歴情報があることにより、○△ショップの広告情報が除外されたためである。なお、○△ショップの利用は、他の支店を利用した場合であっても、利用履歴情報として格納される。
【0076】
以上説明したように、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、取得した施設の広告情報のうち、当該施設の利用履歴情報がある場合に、取得した広告情報を除外する制御をおこなうようにした。つまり、利用者が利用した施設の広告情報を通知しないようにした。これにより、利用者に対して、不要な情報を通知することがなく、煩わしさを与えることがない。
【0077】
また、繰り返し広告情報が通知されることによって、広告主の印象が悪くなるといったことを防止できる。さらに、通知される広告情報は利用者が利用したことのない施設であるので、利用者にとって通知される広告情報は新鮮なものとなり、広告情報の宣伝効果を高めることができる。
【0078】
また、本実施例では、車両の駐車が検出された際に、駐車位置に関連付けられた施設を、利用した施設として格納するようにした。これにより、移動体の駐車を施設の利用とみなし、当該施設の利用履歴情報として格納することができる。
【0079】
また、本実施例では、利用者の施設での滞在が検出された際に、当該滞在している施設を利用した施設として格納するようにした。これにより、利用者の施設での滞在を施設の利用とみなし、当該施設の利用履歴情報として格納することができる。
【0080】
また、本実施例では、利用者の施設での滞在時間が所定時間以上の場合に、滞在を検出するようにした。これにより、利用者が施設を利用したということをより確実に検出することができる。
【0081】
また、本実施例では、取得した広告情報のうち、所定期間より前の利用履歴情報が格納されている場合に、取得した広告情報を通知させるようにした。これにより、利用者が当該施設をしばらく利用していない場合に、当該施設の広告情報を除外対象とはしないようすることができる。したがって、宣伝効果の見込める広告情報を通知することができる。
【0082】
また、本実施例では、除外された広告情報を記録し、記録した広告情報と、取得した広告情報とを基に、取得した広告情報が更新されたものか否かを判別するようにし、更新されたものと判別した場合に、取得した広告情報を通知させるようにした。これにより、広告情報が更新された場合に、つまり、広告情報が新しい場合に、除外対象とせずに、当該広告情報を通知させることができる。したがって、宣伝効果の見込める広告情報を通知することができる。
【0083】
また、本実施例では、広告情報を除外する施設のジャンルの入力を受け付けるようにし、受け付けたジャンルに応じて、施設の広告情報を除外するようにした。これにより、利用者が指定したジャンルの施設に対してのみ、施設の広告情報を除外させることができる。言い換えれば、繰り返し通知される広告情報であっても、利用者が所望する場合には、当該広告情報を通知することができる。
【0084】
また、本実施例では、広告情報は、系列店の広告情報であるものとした。このように広告情報を系列店の広告情報を対象とすることにより、ある支店を利用した場合には、同じ系列店の広告情報を全て除外することができ、広告情報の除外を効果的におこなうことができる。特に、移動体の位置に対応して広告情報を通知する場合、コンビニエンスストア等、道路沿いに位置する系列店の広告情報が頻繁に通知される傾向にあるため、当該広告情報を有効に除外することができる。
【0085】
以上説明したように、本発明の情報通知装置、情報通知方法、情報通知プログラム、および記録媒体によれば、利用者に対して、不要な情報を通知することがないばかりか、通知する広告情報の宣伝効果を高めることができる。
【0086】
なお、本実施例で説明した情報通知方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
100 情報通知装置
101 格納部
102 取得部
103 通知制御部
104 通知部
105 駐車検出部
106 格納制御部
107 滞在検出部
108 記録部
109 判別部
110 受付部
300 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を通知する通知手段を備える情報通知装置であって、
前記通知手段により通知される通知情報と、利用者により種別ごとに任意に設定された前記通知情報の通知対象時期を取得する取得手段を備え、
前記通知手段は、通知済みであるか否か、通知情報に基づき訪問していない地点に関する通知情報であるか否か、または前記通知対象時期の通知情報であるか否か、に応じて、通知を実行することを特徴とする情報通知装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記通知情報が更新されたものである場合、前記取得した通知情報を通知させることを特徴とする請求項1に記載の情報通知装置。
【請求項3】
情報通知装置で実行され、情報を通知する通知工程を含む情報通知方法であって、
前記通知工程にて通知すべき通知情報と、利用者により種別ごとに任意に設定された前記通知情報の通知対象時期を取得する取得工程を含み、
前記通知工程は、通知済みであるか否か、通知情報に基づき訪問していない地点に関する通知情報であるか否か、または前記通知対象時期の通知情報であるか否か、に応じて、通知を実行することを特徴とする情報通知方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報通知方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報通知プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報通知プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−11607(P2013−11607A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172363(P2012−172363)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2007−315253(P2007−315253)の分割
【原出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(500403929)パイオニアシステムテクノロジー株式会社 (58)
【出願人】(502196463)株式会社テック・エキスパーツ (37)
【Fターム(参考)】