説明

情報配信システム、配信サーバ、及び端末装置

【課題】配信情報の種類に関わらず、ユーザにとって適切な出力形式で配信情報を出力する。
【解決手段】本発明の情報配信システム1は、配信サーバ10と端末装置30とがネットワーク70を介して接続された情報配信システム1である。配信サーバ10は、端末装置30に配信すべき配信情報を取得する配信情報取得部120と、配信情報の出力形式の選択に用いられる複数の出力パラメータを設定する出力パラメータ設定部122と、複数の出力パラメータを配信情報に付与し、複数の出力パラメータが付与された配信情報を端末装置30に送信するサーバ送信部124と、を備える。端末装置30は、複数の出力パラメータが付与された配信情報を受信する端末受信部320と、走行環境を検出する走行環境検出部40と、配信情報に付与された複数の出力パラメータと、走行環境と、に基づいて、配信情報の出力形式を選択する出力形式選択部322と、出力形式選択部322が選択した出力形式に基づいて、配信情報を出力する出力制御部324と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、配信サーバ、及び端末装置に関し、より詳しくは、配信情報を送信する配信サーバ、配信情報を出力する端末装置、当該配信サーバ及び当該端末装置を備える情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部から情報(例えば、ナビゲーション情報、緊急情報及び交通情報)取得し、取得した情報を適切な出力タイミングで出力するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、情報の種類毎に情報出力の順序を示す優先度を設定し、走行状態(例えば、急旋回、右折、左折及び停車)に応じて、優先度に応じて情報を出力する出力タイミングを決定するナビゲーション装置を開示する。特許文献1では、トンネル事故等の緊急情報には高い優先度が設定され、渋滞情報等の交通情報には低い優先度が設定される。それにより、緊急情報は、走行状態に関わらず常に出力されるのに対して、渋滞情報は、急カーブ等の危険路の走行中には出力されず、直線等の安全路の走行中に出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−104002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のナビゲーション装置は、危険路の走行中に危険路の渋滞情報を取得した場合であっても、危険路の走行中に危険路の渋滞情報を出力するのではなく、危険路の走行後の安全路の走行中に危険路の渋滞情報を出力する。即ち、ユーザには、走行済の道の渋滞情報が出力される。しかしながら、渋滞情報に基づいてルートを選択するユーザにとっては、走行中の道又は走行前の道の渋滞情報は有用な情報であるが、走行済の道の渋滞情報は無用な情報である。換言すると、優先度が低く設定された渋滞情報は、ユーザにとって不適切な出力タイミングで出力される場合がある。
【0006】
また、特許文献1のナビゲーション装置は、事故現場を通過した後に事故に関する緊急情報を取得した場合であっても、走行状態に関わらず事故に関する緊急情報を出力する。即ち、ユーザには、遭遇済の事故に関する緊急情報が出力される。しかしながら、事故現場を通過したユーザにとっては、遭遇前の事故に関する緊急情報は有用な情報であるが、遭遇済の事故に関する緊急情報は無用な情報である。換言すると、優先度が高く設定された緊急情報は、ユーザにとって不適切な出力タイミングで出力される場合がある。
【0007】
また、従来のナビゲーション装置は、優先度が低く設定された情報であっても、重要な情報(例えば、経路の案内情報)の上に重ねて表示される場合がある。その結果、ユーザは、優先度が低く設定された情報が原因で、重要な情報を見ることができない。換言すると、ユーザにとって無用な情報が、不適切な出力態様で出力される場合がある。
【0008】
以上のように、特許文献1のナビゲーション装置では、情報の種類毎に優先度が決められるので、ユーザにとって不適切な出力形式(出力タイミング又は出力態様)で情報が出力されるという問題がある。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑み、配信情報の種類に関わらず、ユーザにとって適切な出力形式で配信情報を出力できる情報配信システム、配信サーバ、及び端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の情報配信システムは、配信サーバと端末装置とがネットワークを介して接続された情報配信システムである。前記配信サーバは、前記端末装置に配信すべき配信情報を取得する配信情報取得手段と、前記配信情報の出力形式の選択に用いられる複数の出力パラメータを設定する出力パラメータ設定手段と、前記複数の出力パラメータを前記配信情報に付与し、前記複数の出力パラメータが付与された前記配信情報を前記端末装置に送信するサーバ送信手段と、を備える。前記端末装置は、前記複数の出力パラメータが付与された前記配信情報を受信する端末受信手段と、走行環境を検出する走行環境検出手段と、前記配信情報に付与された前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、に基づいて、前記配信情報の出力形式を選択する出力形式選択手段と、前記出力形式選択手段が選択した出力形式に基づいて、前記配信情報を出力する出力制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配信情報の種類に関わらず、ユーザにとって適切な出力形式で配信情報を出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の情報配信システム1の構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態の情報配信処理の手順を示すフローチャート。
【図3】第1実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)のフローチャート。
【図4A】第1実施形態の出力パラメータ設定テーブルのデータ構造の一例を示す図。
【図4B】第1実施形態の複数の出力パラメータが付与された配信情報のデータ構造の一例を示す図。
【図4C】第1実施形態の出力形式情報決定テーブルのデータ構造の一例を示す図。
【図5A】第1実施形態の出力タイミング選択テーブルのデータ構造の一例を示す図。
【図5B】第1実施形態の出力態様選択テーブルのデータ構造の一例を示す図。
【図6】第2実施形態の端末制御部32の構成を示すブロック図。
【図7】第2実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)のフローチャート。
【図8】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第1例の説明図。
【図9A】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例の説明図。
【図9B】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例の説明図。
【図9C】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例の説明図。
【図9D】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例の説明図。
【図9E】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第3例の説明図である。
【図9F】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第3例の説明図である。
【図9G】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第3例の説明図である。
【図9H】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第4例の説明図である。
【図9I】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第5例の説明図である。
【図9J】第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第5例の説明図である。
【図10】第3実施形態のサーバ制御部12及び端末制御部32の構成を示すブロック図。
【図11】第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第1例のフローチャート。
【図12】第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第2例のフローチャート。
【図13】第4実施形態のサーバ制御部12及び端末制御部32の構成を示すブロック図。
【図14】第4実施形態の情報配信処理の手順を示すフローチャート。
【図15】第4実施形態の属性パラメータが付与された配信情報のデータ構造の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態は、配信サーバが、複数の出力パラメータが付与された配信情報を端末装置に送信し、端末装置が、複数の出力パラメータに基づいて、配信情報の出力形式を選択する、という例である。
【0015】
第1実施形態の情報配信システム1の構成について説明する。図1は、第1実施形態の情報配信システム1の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、情報配信システム1は、配信サーバ10と、端末装置30と、情報サーバ50と、ネットワーク70と、を備える。配信サーバ10、端末装置30、及び情報サーバ50は、互いに、ネットワーク70を介して接続される。例えば、配信サーバ10は、配信情報の配信に特化した専用サーバ、又は配信情報の配信以外の機能(例えば、経路探索機能)を有する汎用サーバ(例えば、経路探索サーバ)である。例えば、端末装置30は、携帯電話、スマートフォン、タブレットデバイス、ノートブックコンピュータ、カーナビゲーションデバイス、又はポータブルナビゲーションデバイスである。例えば、ネットワーク70は、有線ネットワーク又は無線ネットワークである。
【0017】
配信サーバ10は、配信情報を端末装置30に送信する。配信サーバ10は、サーバ制御部12と、通信部14と、記憶部16と、を備える。
【0018】
サーバ制御部12は、配信サーバ10を制御する。例えば、サーバ制御部12は、コンピュータプロセッサである。このコンピュータプロセッサは、配信サーバ10の制御プログラムを起動することによって、配信情報取得部120、出力パラメータ設定部122、及びサーバ送信部124として動作する。配信情報取得部120、出力パラメータ設定部122、及びサーバ送信部124の詳細については、後述する。
【0019】
通信部14は、配信サーバ10とネットワーク70との間の通信を制御する。
【0020】
記憶部16には、端末装置30に配信すべき配信情報を含む配信情報データベースと、配信情報以外の様々な情報を含む情報データベースと、が予め記憶される。
【0021】
端末装置30は、配信サーバ10が送信した配信情報を受信し、受信した配信情報を出力する。端末装置30は、端末制御部32と、通信部34と、記憶部36と、操作部38と、走行環境検出部40と、表示部42と、音声出力部44と、を備える。
【0022】
端末制御部32は、端末装置30を制御する。例えば、端末制御部32は、コンピュータプロセッサである。このコンピュータプロセッサは、端末装置30の制御プログラムを起動することによって、端末受信部320、出力形式選択部322、及び出力制御部324として動作する。端末受信部320、出力形式選択部322、及び出力制御部324の詳細については、後述する。
【0023】
通信部34は、端末装置30とネットワーク70との間の通信を制御する。
【0024】
操作部38は、端末装置30のユーザの指示を受け付ける。例えば、操作部38は、端末装置30の筐体上に設けられたハードキー、表示部42上に表示されるソフトキー、又はユーザの声を認識する音声認識モジュールである。
【0025】
走行環境検出部40は、端末装置30の走行環境(端末装置30の位置、端末装置30の走行状態(停止中又は走行中)、端末装置30の走行方向(東西南北)、並びに、端末装置30の走行速度(加速又は減速)の少なくとも1つ)を検出する。例えば、走行環境検出部40は、GPS(Global Posisioning System)及びジャイロセンサの組み合わせである。
【0026】
表示部42は、出力制御部324が出力した配信情報の画像を表示する。例えば、表示部42は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。
【0027】
音声出力部44は、出力制御部324が出力した配信情報の音声を出力する。
【0028】
情報サーバ50は、配信情報データベースを備える。情報サーバ50は、ネットワーク70を介して、データベース内の配信情報を配信サーバ10に送信する。
【0029】
第1実施形態の情報配信処理について説明する。図2は、第1実施形態の情報配信処理の手順を示すフローチャートである。
【0030】
<S110> 配信情報取得部120は、記憶部16の配信情報データベース及び情報サーバ50の配信情報データベースの少なくとも1つから、端末装置30に配信すべき配信情報を取得する。
【0031】
<S112> 出力パラメータ設定部122は、配信情報の出力形式の選択に用いられる複数の出力パラメータを設定する。S112の詳細については、後述する。
【0032】
<S114> サーバ送信部124は、出力パラメータ設定部122が設定した複数の出力パラメータを、配信情報取得部120が取得した配信情報に付与し、複数の出力パラメータが付与された配信情報を、ネットワーク70を介して端末装置30に送信する。
【0033】
<S130> 端末受信部320は、ネットワーク70を介して、サーバ送信部124が送信した配信情報を受信する。
【0034】
<S132> 走行環境検出部40は、端末装置30の走行環境を検出する。
【0035】
<S134> 出力形式選択部322は、端末受信部320が受信した配信情報に付与された複数の出力パラメータと、走行環境検出部40が検出した走行環境と、に基づいて、配信情報の出力形式を選択する。S134の詳細については、後述する。
【0036】
<S136> 出力制御部324は、出力形式選択部322が選択した出力形式で、配信情報を出力する。例えば、出力制御部324は、出力形式選択部322が選択した出力形式の画像データ及び音声データを生成し、生成した画像データを表示部42へ出力し、生成した音声データを音声出力部44へ出力する。これにより、出力形式選択部322が選択した出力形式で、表示部42には配信情報の画像が表示され、音声出力部44からは配信情報の音声が出力される。
【0037】
第1実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)について説明する。図3は、第1実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)のフローチャートである。図4Aは、第1実施形態の出力パラメータ設定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4Bは、第1実施形態の複数の出力パラメータが付与された配信情報のデータ構造の一例を示す図である。図4Cは、第1実施形態の出力形式情報決定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5Aは、第1実施形態の出力タイミング選択テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5Bは、第1実施形態の出力態様選択テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4Aの出力パラメータ設定テーブル及び図4Cの出力形式情報決定テーブルは、記憶部16に予め記憶されている。図5Aの出力タイミング選択テーブル及び図5Bの出力態様選択テーブルは、記憶部36に予め記憶されている。
【0038】
<S112−10> 出力パラメータ設定部122は、緊急度を設定する。緊急度とは、配信情報の出力タイミングを決める出力パラメータである。例えば、出力パラメータ設定部122は、図4Aの出力パラメータ設定テーブルを参照して、配信情報の種類に応じた緊急度を設定する。一例として、緊急地震速報及び迎車依頼(例えば、「迎えに来て。」という家族からのメッセージ)には緊急度「高」が設定され、点検案内(例えば、「車検期限が迫っています。」という車検を促すメッセージ)及びおすすめ情報(例えば、現在位置の付近のレストランのクーポン)には緊急度「低」が設定され、タイムサービス情報(例えば、現在位置の付近のスーパマーケットのタイムサービスの案内)には緊急度「中」が設定される。
【0039】
<S112−12> 出力パラメータ設定部122は、重要度を設定する。重要度とは、配信情報の出力態様を決める出力パラメータである。例えば、出力パラメータ設定部122は、図4Aの出力パラメータ設定テーブルを参照して、配信情報の種類に応じた重要度を設定する。一例として、緊急地震速報には重要度「高」が設定され、迎車依頼及び点検案内には重要度「中」が設定され、おすすめ情報及びタイムサービス情報には重要度「低」が設定される。
【0040】
図3のS112−12が終了すると、図2のS114が実行される。その結果、図4Bの複数の出力パラメータ(緊急度及び重要度)が付与された配信情報が、配信サーバ10から端末装置30に送信される。S114が終了すると、図2のS130〜S132が実行される。S132が終了すると、図3のS134−10が実行される。
【0041】
<S134−10> 出力形式選択部322は、配信サーバ10が送信した複数の出力パラメータに基づいて、配信情報の出力形式の出力形式情報を決定する。出力形式情報とは、複数の出力パラメータに応じて決まる情報であって、配信情報の出力形式の選択に用いられる情報である。例えば、出力形式選択部322は、図4Cの出力形式情報決定テーブルを参照して、緊急度及び重要度の組み合わせに応じた出力形式情報を決定する。一例として、重要度「高」及び緊急度「高」の場合には出力形式情報が「1」に決まり、重要度「低」及び緊急度「低」の場合には出力形式情報が「6」に決まる。
【0042】
<S134−12> 出力形式選択部322は、S134−10で決定した出力形式情報と、図2のS132で検出した走行環境と、に基づいて、出力タイミングを選択する。例えば、出力形式選択部322は、図5Aの出力タイミング選択テーブルを参照して、出力形式情報及び走行環境の組み合わせに応じた出力タイミングを選択する。なお、図5Aは、「○」に対応する組み合わせの場合に配信情報の出力が許可され、「×」に対応する組み合わせの場合に配信情報の出力が禁止される、ことを図示する。一例として、走行環境「停止」の場合には、出力形式情報「1」〜「6」の何れであっても配信情報の出力が許可されるが、走行環境「加速」の場合には、出力形式情報「1」又は「2」のときに配信情報の出力が許可され、出力形式情報「3」〜「6」の何れかのときに配信情報の出力が禁止される。
【0043】
<S134−14> 出力形式選択部322は、配信情報の出力が許可されたか否かを判定する。配信情報の出力が許可された場合には(S134−14のY)、S134−16が実行される。一方、配信情報の出力が禁止された場合には(S134−14のN)、S134−12に戻る。S134−12〜S134−14で構成されるループは、配信情報の出力が許可されるまで繰り返される。
【0044】
<S134−16> 出力形式選択部322は、S134−10で決定した出力形式情報に基づいて、出力態様を選択する。例えば、出力形式選択部322は、図5Bの出力態様選択テーブルを参照して、出力形式情報に応じた出力態様を選択する。なお、図5Bは、「○」に対応する出力態様が選択され、「×」に対応する出力態様が選択されない、ことを図示する。一例として、出力形式情報「1」〜「3」の何れかの場合には画像及び音声の両方が選択され、出力形式情報「4」又は「5」の場合には音声のみが選択され、出力形式情報「6」の場合には画像及び音声の何れも選択されない。S134−16が終了すると、図2のS136が実行される。
【0045】
図2のS136では、S134−16で選択した出力態様に基づいて、配信情報が出力される。一例として、出力形式情報「1」〜「3」の何れかの場合には表示部42に配信情報の画像が表示されるとともに、音声出力部44から配信情報の音声が出力され、出力形式情報「4」又は「5」の場合には音声出力部44から配信情報の音声が出力され、出力形式情報「6」の場合には配信情報が届いたことを示す通知(例えば、「配信情報があります」という簡単なメッセージ)が出力される。
【0046】
仮に、図2のS112が実行されなかった場合には、配信情報の種類に応じた出力タイミングで配信情報が出力されるだけでなく、重要な情報(例えば、経路探索結果の案内情報)の上に、重要でない配信情報(例えば、「タイムサービス情報」)が重ねて表示される場合がある。
【0047】
これに対して、第1実施形態によれば、複数の出力パラメータに基づいて出力形式が選択される。即ち、配信情報の種類に応じた出力タイミングの代わりに、配信情報の緊急度に応じた出力タイミングと、配信情報の緊急度に応じた出力態様とに基づいて、配信情報が出力される。これにより、ユーザにとって適切な出力形式(出力タイミング及び出力態様)で、配信情報を出力できる。この場合には、重要でない情報が、重要な情報の上に重ねて表示されることはない。
【0048】
なお、記憶部16及び情報サーバ50の配信情報データベースの一方は省略可能である。例えば、情報配信システム1が情報サーバ50を備える場合には、記憶部16の配信情報データベースは省略可能であり、記憶部16に配信情報データベースが記憶される場合には、情報サーバ50は省略可能である。
【0049】
また、第1実施形態では、出力形式選択部322が走行環境を考慮して出力タイミングを選択する例について説明したが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。第1実施形態の第1変形例では、出力形式選択部322は、走行環境を考慮せずに、出力タイミング及び出力態様を選択しても良い。第1実施形態の第2変形例では、出力形式選択部322は、出力形式情報に基づいて出力タイミングを選択し(図3のS134−12)、出力形式情報及び走行環境に基づいて出力タイミングを選択しても良い(S134−16)。
【0050】
また、第1実施形態では、出力形式選択部322は、表示部42を配信情報の出力先として選択した場合に、複数の出力パラメータと、走行環境と、に基づいて、配信情報の表示の位置、表示の色、及び表示のサイズの少なくとも1つを、さらに選択しても良い。
【0051】
また、第1実施形態では、出力形式選択部322は、音声出力部44を配信情報の出力先として選択した場合に、複数の出力パラメータと、走行環境と、に基づいて、音量、音質、及び再生速度の少なくとも1つを、さらに選択しても良い。
【0052】
また、第1実施形態では、端末装置20が複数の配信情報を受信した場合に、出力形式選択部322は、重要度及び緊急度に基づいて、出力順序を選択しても良い。即ち、出力形式は、出力タイミングと、出力態様と、複数の配信情報の出力順序と、を含む。
【0053】
](第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、配信サーバが、複数の出力パラメータが付与された配信情報を端末装置に送信し、端末装置が、複数の出力パラメータを補正し、補正した出力パラメータに基づいて、配信情報の出力形式を選択する、例である。なお、上述の実施形態と同様の内容についての説明は省略する。
【0054】
第2実施形態の情報配信システム1の構成について説明する。図6は、第2実施形態の端末制御部32の構成を示すブロック図である。なお、配信サーバ10、情報サーバ50、及びネットワーク70、並びに端末装置30の通信部34、記憶部36、操作部38、走行環境検出部40、表示部42、及び音声出力部44は、第1実施形態と同様である(図1を参照)。
【0055】
端末制御部32は、端末装置30を制御する。例えば、端末制御部32は、コンピュータプロセッサである。図6に示すように、このコンピュータプロセッサは、端末装置30の制御プログラムを起動することによって、端末受信部320、出力形式選択部322、出力制御部324、及び出力パラメータ補正部326として動作する。端末受信部320、出力形式選択部322、出力制御部324、及び出力パラメータ補正部326の詳細については、後述する。
【0056】
第2実施形態の情報配信処理について説明する。なお、第2実施形態の情報配信処理の手順は、第1実施形態と同様である(図2を参照)。
【0057】
第2実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)について説明する。図7は、第2実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)のフローチャートである。
【0058】
<S112−20〜S112−22> 第1実施形態と同様である(図3のS112−10〜S112−12を参照)。
【0059】
<S112−24> 出力パラメータ設定部122は、補正パラメータを設定する。補正パラメータとは、出力パラメータの少なくとも1つを補正するために用いられる情報である。後述するように、補正パラメータは、例えば、時間指定パラメータ及び走行環境指定パラメータの少なくとも1つである。なお、S112−24は省略可能である。
【0060】
図7のS112−22が終了すると、図2のS114が実行される。その結果、図4Bの複数の出力パラメータ(緊急度及び重要度)が付与された配信情報が、配信サーバ10から端末装置30に送信される。S114が終了すると、図2のS130〜S132が実行される。S132が終了すると、図7のS134−20が実行される。
【0061】
<S134−20> 出力パラメータ補正部326は、図2のS132で検出した走行環境に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する。
【0062】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第1例について説明する。図8は、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第1例の説明図である。
【0063】
出力パラメータ補正部326は、端末受信部320が配信情報を受信した受信時刻T0からの経過時間に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する。例えば、図8に示すように、出力パラメータ補正部326は、受信時刻T0で受信した緊急度「高」及び重要度「高」を、受信時刻T0からの経過時間に基づいて補正する。その結果、時刻T1では、緊急度「低」及び重要度「低」になる。これにより、鮮度の低い(即ち、受信時刻T0からの経過時間が長い)配信情報が、緊急度「低」及び重要度「低」という出力パラメータに応じた出力形式で出力される。
【0064】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第1例によれば、補正パラメータを用いることなく、受信時刻T0からの経過時間に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つが補正される。これにより、情報の鮮度に応じた適切な出力形式で、配信情報を出力できる。
【0065】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例について説明する。図9A〜図9Dは、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例の説明図である。なお、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例では、配信情報の送信(図2のS114)において、サーバ送信部124は、出力パラメータ(緊急度及び重要度)に加えて、補正パラメータ(時間指定パラメータ)を配信情報に付与する(図9Aを参照)。時間指定パラメータとは、時間に応じた配信情報の出力形式を指定するためのパラメータである。例えば、時間指定パラメータは、配信情報を出力すべき期間(以下「指定出力期間」という)、配信情報の有効期限(以下「指定出力期限」)、及び時間帯別に定められた出力パラメータ(以下「時間帯別出力パラメータ」という)の少なくとも1つである。
【0066】
図9Bに示すように、時間指定パラメータが指定出力期間である場合には、出力パラメータ補正部326は、受信時刻T0で受信した緊急度「低」及び重要度「低」を、現在時刻が指定出力期間(例えば、12:00〜13:00)に含まれない場合には維持し、現在時刻が指定出力期間に含まれる場合には、緊急度「高」及び重要度「高」に変更する。
【0067】
図9Cに示すように、時間指定パラメータが指定出力期限である場合には、出力パラメータ補正部326は、受信時刻T0で受信した緊急度「高」及び重要度「高」を、現在時刻が指定出力期限TLに達したときに、緊急度「低」及び重要度「低」に変更する。
【0068】
図9Dに示すように、時間指定パラメータが時間帯別出力パラメータである場合には、出力パラメータ補正部326は、現在時刻が時間帯条件に該当する場合には、時間帯条件に対応する重要度及び緊急度を選択し、現在時刻が時間帯条件に該当しない場合には、時間指定パラメータに含まれていない出力パラメータ(例えば、図9Aの重要度及び緊急度)を選択する。
【0069】
より具体的な例として、配信情報の種類がタイムサービス情報であり、図4Aに基づいて出力パラメータが設定され、且つ、図9Dの時間別出力パラメータが設定される例について説明する。この場合には、出力パラメータ補正部326は、現在時刻が11:00〜12:00の場合には、重要度「中」且つ緊急度「低」を選択し、現在時刻が12:00〜13:00の場合には、重要度「高」且つ緊急度「低」を選択し、現在時刻が13:00〜15:00の場合には、重要度「中」且つ緊急度「高」を選択する(図9Dを参照)。一方、出力パラメータ補正部326は、現在時刻が11:00〜15:00の場合(即ち、現在時刻が時間帯条件に該当しない場合)には、図4Aの重要度「中」且つ緊急度「低」を選択する。
【0070】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第2例によれば、補正パラメータ(時間指定パラメータ)及び現在時刻に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つが補正される。これにより、現在時刻に応じた適切な出力形式で、配信情報を出力できる。
【0071】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第3例について説明する。図9E〜図9Gは、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第3例の説明図である。なお、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第3例では、配信情報の送信(図2のS114)において、サーバ送信部124は、出力パラメータ(緊急度及び重要度)に加えて、補正パラメータ(走行環境指定パラメータ)を配信情報に付与する(図9Eを参照)。走行環境指定パラメータとは、走行環境検出部40が検出した走行環境に応じた出力形式を指定するためのパラメータである。例えば、走行環境指定パラメータは、配信情報を出力すべき区間(以下「指定出力区間」)及び場所別に定められた出力パラメータ(以下「場所別出力パラメータ」という)の少なくとも1つである。
【0072】
図9Fに示すように、走行環境指定パラメータが指定出力区間である場合には、出力パラメータ補正部326は、受信場所P0で受信した緊急度「低」及び重要度「低」を、走行環境検出部40が検出した端末装置30の位置が指定出力区間の始点P1に到達したとき(例えば、A地区からB地区へ入ったとき)に、緊急度「高」及び重要度「高」に変更する。走行環境検出部40が検出した端末装置30の位置が指定出力区間の始点P1から終点P2の間に含まれる間(例えば、端末装置30の位置がB地区内である間)は、緊急度「高」及び重要度「高」が維持される。また、出力パラメータ補正部326は、緊急度「高」及び重要度「高」を、走行環境検出部40が検出した端末装置30の位置が指定出力区間の終点P2に到達したとき(例えば、B地区からC地区へ入ったとき)に、緊急度「低」及び重要度「低」に変更する。
【0073】
図9Gに示すように、走行環境指定パラメータが指定出力場所である場合には、出力パラメータ補正部326は、走行環境検出部40が検出した端末装置30の位置が指定出力場所に到達したときに、緊急度及び重要度を変更する。例えば、端末装置30の位置が指定出力場所P1に到達したときに、受信場所P0で受信した緊急度「低」及び重要度「低」が、緊急度「高」及び重要度「高」に変化する。次いで、緊急度「高」及び重要度「高」が、端末装置30の位置に応じて、緊急度「低」及び重要度「低」に変化する。次いで、端末装置30の位置が指定出力場所P2に到達したときに、緊急度「低」及び重要度「低」が、緊急度「中」及び重要度「中」に変化する。次いで、緊急度「中」及び重要度「中」が、端末装置30の位置に応じて、緊急度「低」及び重要度「低」に変化する。
【0074】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第3例によれば、補正パラメータ(走行環境指定パラメータ)及び端末装置30の位置に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つが補正される。これにより、端末装置30の位置に応じた適切な出力形式で、配信情報を出力できる。
【0075】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第4例について説明する。図9Hは、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第4例の説明図である。なお、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第4例では、配信情報の送信(図2のS114)において、サーバ送信部124は、出力パラメータ(緊急度及び重要度)に加えて、補正パラメータ(走行環境指定パラメータ)を配信情報に付与する(図9Eを参照)。
【0076】
より具体的な例として、走行環境指定パラメータが「B地区開催」であり、配信情報がB地区で開催されるイベントのイベント情報である、例について説明する。図9Hに示すように、出力パラメータ補正部326は、走行環境指定パラメータと端末装置30の走行環境とが一致する場合には、出力パラメータのランクが上がるように、出力パラメータを補正し、走行環境指定パラメータと端末装置30の走行環境とが一致しない場合には、出力パラメータのランクが下がるように、出力パラメータを補正する。例えば、端末装置30の走行方向が、端末装置30の位置からB地区へ向かう方向である場合(例えば、ユーザがB地区に向かうルートを走行している場合)には、出力パラメータ補正部326は、重要度「中」及び緊急度「中」を、重要度「高」及び緊急度「高」に変更する。一方、端末装置30の走行方向が、端末装置30の位置から、B地区とは反対のC地区へ向かう方向である場合(例えば、ユーザが、B地区を経由しない高速道路を走行している場合)には、出力パラメータ補正部326は、重要度「中」及び緊急度「中」を、重要度「低」及び緊急度「低」に変更する。
【0077】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第4例によれば、走行環境指定パラメータ及び走行環境に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つが補正される。これにより、配信情報の内容及び走行環境に応じた適切な出力形式で、配信情報を出力できる。
【0078】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第5例について説明する。図9I及び図9Jは、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第5例の説明図である。なお、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第5例では、配信情報の送信(図2のS114)において、サーバ送信部124は、出力パラメータ(緊急度及び重要度)に加えて、補正パラメータ(ユーザ属性パラメータ)を配信情報に付与する(図9Iを参照)。ユーザ属性パラメータとは、配信情報を利用するユーザに応じた出力形式を指定するためのパラメータである。例えば、ユーザ属性パラメータは、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの嗜好(例えば、施設の検索頻度)、及びユーザの運転技量の少なくとも1つである。一例として、出力パラメータ設定部122は、記憶部16に予め記憶されたプロフィール情報又は端末装置20が送信したプロフィール情報を用いて、ユーザ属性パラメータを設定する。
【0079】
図9Jに示すように、出力パラメータ補正部326は、配信情報に付与されたユーザ属性パラメータに基づいて、配信情報に付与された複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する。一例として、出力パラメータ補正部326は、ユーザ属性パラメータ「男性」の場合には、タイムサービス情報の重要度「低」を維持し、ユーザ属性パラメータ「女性」の場合には、タイムサービス情報の重要度「低」を「高」に補正する。
【0080】
第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第5例によれば、ユーザ属性パラメータ及び走行環境に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つが補正される。これにより、ユーザ及び走行環境に応じた適切な出力形式で、配信情報を出力できる。
【0081】
なお、出力パラメータ補正部326は、「低」と「中」との間、「中」と「高」との間、及び「高」と「低」との間で、双方向に、緊急度及び重要度を変更することができる。また、出力パラメータ補正部326は、緊急度及び重要度を連動させながら変更しても良いし、緊急度及び重要度を個別に変更しても良い。
【0082】
また、第2実施形態の出力パラメータの補正(図7のS134−20)の第1例〜第5例は、互いに組み合わせることが可能である。
【0083】
<S134−21> 出力形式選択部322は、出力パラメータ補正部326が補正した複数の出力パラメータに基づいて、配信情報の出力形式の出力形式情報を決定する。例えば、出力形式選択部322は、第1実施形態と同様に、図4Cの出力形式情報決定テーブルを参照して、緊急度及び重要度の組み合わせに応じた出力形式情報を決定する。
【0084】
<S134−22〜S134−26> 第1実施形態と同様である(図3のS134−12〜S134−16を参照)。
【0085】
第2実施形態によれば、走行環境に基づいて、複数の出力パラメータの少なくとも1つが補正される。これにより、走行環境に応じた適切な出力形式で、配信情報を出力できる。
【0086】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、端末装置が、走行環境を配信サーバに送信し、配信サーバが、走行環境に応じた複数の出力パラメータが付与された配信情報を端末装置に送信し、端末装置が、複数の出力パラメータに基づいて、配信情報の出力形式を選択する、という例である。なお、上述の実施形態と同様の内容についての説明は省略する。
【0087】
第3実施形態の情報配信システム1の構成について説明する。図10は、第3実施形態のサーバ制御部12及び端末制御部32の構成を示すブロック図である。なお、情報サーバ50、及びネットワーク70、配信サーバ10の通信部14及び記憶部16、並びに端末装置30の通信部34、記憶部36、操作部38、走行環境検出部40、表示部42、及び音声出力部44は、第1実施形態と同様である(図1を参照)。
【0088】
サーバ制御部12は、配信サーバ10を制御する。例えば、サーバ制御部12は、コンピュータプロセッサである。このコンピュータプロセッサは、配信サーバ10の制御プログラムを起動することによって、配信情報取得部120、出力パラメータ設定部122、サーバ送信部124、送信タイミング決定部126、及びサーバ受信部128として動作する。配信情報取得部120、出力パラメータ設定部122、サーバ送信部124、送信タイミング決定部126、及びサーバ受信部128の詳細については、後述する。
【0089】
端末制御部32は、端末装置30を制御する。例えば、端末制御部32は、コンピュータプロセッサである。図10に示すように、このコンピュータプロセッサは、端末装置30の制御プログラムを起動することによって、端末受信部320、出力形式選択部322、出力制御部324、及び端末送信部328として動作する。端末受信部320、出力形式選択部322、出力制御部324、及び端末送信部328の詳細については、後述する。
【0090】
端末送信部328は、ネットワーク70を介して、所定のタイミングで(例えば、一定間隔毎に)、走行環境検出部40が検出した走行環境を配信サーバ10に送信する。サーバ受信部128は、ネットワーク70を介して、端末送信部328が送信した走行環境を受信する。
【0091】
第3実施形態の情報配信処理について説明する。なお、第3実施形態の情報配信処理の手順は、第1実施形態と同様である(図2を参照)。
【0092】
第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第1例について説明する。図11は、第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第1例のフローチャートである。
【0093】
<S112−30〜S112−32> 第1実施形態と同様である(図3のS112−10〜S112−12を参照)。
【0094】
<S112−34> 送信タイミング決定部126は、S112−30〜S112−32で設定した複数の出力パラメータ(緊急度及び重要度)の送信タイミングを決定する。例えば、送信タイミング決定部126は、図4Cの出力形式情報決定テーブルと同様のテーブルを参照して、緊急度及び重要度の組み合わせに応じた送信タイミングを決定する。一例として、重要度「高」及び緊急度「高」の場合には、すぐに送信することを決定し、重要度「低」及び緊急度「低」の場合には、所定時間経過後に送信することを決定する。
【0095】
図11のS112−34が終了すると、図2のS114が実行される。その結果、図4Bの複数の出力パラメータ(緊急度及び重要度)が付与された配信情報が、S112−34で決定した送信タイミングで、配信サーバ10から端末装置30に送信される。S114が終了すると、図2のS130〜S132が実行される。S132が終了すると、図11のS134−30〜S134−36が実行される。S134−30〜S134−36は、第1実施形態と同様である(図3のS134−10〜S134−16を参照)。
【0096】
第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第1例によれば、配信サーバ10が複数の出力パラメータの送信タイミングを決定するので、複数の出力パラメータは、配信サーバ10から端末装置20へ適切なタイミングで送信される。これにより、端末装置20が、不適切なタイミングで出力形式の選択を実行することがなくなり、端末装置20の処理負担を低減できる。
【0097】
第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第2例について説明する。図12は、第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第2例のフローチャートである。
【0098】
<S112−40> サーバ受信部128は、端末送信部328が送信した走行環境を取得する。
【0099】
<S112−41〜S112−42> 第1実施形態と同様である(図3のS112−10〜S112−12を参照)。
【0100】
<S112−44> 送信タイミング決定部126は、S112−40で取得した走行環境に基づいて、S112−41〜S112−42で設定した複数の出力パラメータ(緊急度及び重要度)の送信タイミングを決定する。例えば、送信タイミング決定部126は、図5Aの出力タイミング選択テーブルと同様のテーブルを参照して、走行環境に応じた送信タイミングを決定する。一例として、走行環境「停止」の場合には、すぐに送信することを決定し、走行環境「加速」の場合には、所定時間経過後に送信することを決定する。
【0101】
図12のS112−44が終了すると、図2のS114が実行される。その結果、図4Bの複数の出力パラメータ(緊急度及び重要度)が付与された配信情報が、S112−44で決定した送信タイミングで、配信サーバ10から端末装置30に送信される。S114が終了すると、図2のS130〜S132が実行される。S132が終了すると、図12のS134−40〜S134−46が実行される。S134−40〜S134−46は、第1実施形態と同様である(図3のS134−10〜S134−16を参照)。
【0102】
第3実施形態の出力パラメータの設定(図2のS112)及び出力形式の選択(図2のS134)の第2例によれば、配信サーバ10が、端末装置20から取得した走行環境に基づいて、複数の出力パラメータの送信タイミングを決定するので、複数の出力パラメータは、走行環境の観点から適切なタイミングで送信される。これにより、端末装置20が、走行環境の観点から不適切なタイミングで出力形式の選択を実行することがなくなり、端末装置20の処理負担を低減できる。
【0103】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本発明の第4実施形態は、属性パラメータが付与された配信情報を端末装置に送信し、端末装置が、複数の出力パラメータを設定し、属性パラメータに基づいて複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正し、補正した複数の出力パラメータに基づいて出力形式を選択する、例である。なお、上述の実施形態と同様の内容についての説明は省略する。
【0104】
第4実施形態の情報配信システム1の構成について説明する。図13は、第4実施形態のサーバ制御部12及び端末制御部32の構成を示すブロック図である。なお、情報サーバ50、及びネットワーク70、配信サーバ10の通信部14及び記憶部16、並びに端末装置30の通信部34、記憶部36、操作部38、走行環境検出部40、表示部42、及び音声出力部44は、第1実施形態と同様である(図1を参照)。
【0105】
サーバ制御部12は、配信サーバ10を制御する。例えば、サーバ制御部12は、コンピュータプロセッサである。図13に示すように、このコンピュータプロセッサは、配信サーバ10の制御プログラムを起動することによって、配信情報取得部120、サーバ送信部124、及び属性パラメータ設定部130として動作する。配信情報取得部120、サーバ送信部124、及び属性パラメータ設定部130の詳細については、後述する。
【0106】
端末制御部32は、端末装置30を制御する。例えば、端末制御部32は、コンピュータプロセッサである。図13に示すように、このコンピュータプロセッサは、端末装置30の制御プログラムを起動することによって、端末受信部320、出力形式選択部322、出力制御部324、出力パラメータ補正部326、及び出力パラメータ設定部330として動作する。端末受信部320、出力形式選択部322、出力制御部324、出力パラメータ補正部326、及び出力パラメータ設定部330については、後述する。
【0107】
第4実施形態の情報配信処理について説明する。図14は、第4実施形態の情報配信処理の手順を示すフローチャートである。図15は、第4実施形態の属性パラメータが付与された配信情報のデータ構造の一例を示す図である。
【0108】
<S410> 第1実施形態と同様である(図2のS110を参照)。
【0109】
<S413> 属性パラメータ設定部130は、属性パラメータを設定する。属性パラメータは、第2実施形態の走行環境指定パラメータ及びユーザ属性パラメータの少なくとも1つである。
【0110】
<S414> サーバ送信部124は、属性パラメータ設定部130が設定した属性パラメータを、配信情報取得部120が取得した配信情報に付与し、属性パラメータが付与された配信情報(図15を参照)を、ネットワーク70を介して端末装置30に送信する。
【0111】
<S430> 第1実施形態と同様である(図2のS130を参照)。
【0112】
<S431> 出力パラメータ設定部330は、第1実施形態と同様に、配信情報の出力形式の選択に用いられる複数の出力パラメータを設定する(図2のS112を参照)。
【0113】
<S431> 出力パラメータ補正部326は、第2実施形態の第4例又は第5例と同様に、配信情報に付与された属性パラメータに基づいて、配信情報に付与された複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する(図9E及び図9H〜図9Jを参照)。
【0114】
<S433〜S436> 第1実施形態と同様である(図2のS132〜136を参照)。
【0115】
第4実施形態によれば、配信サーバ10が、属性パラメータを設定し、端末装置20が、複数の出力パラメータを設定し、設定した複数の出力パラメータの少なくとも1つを、属性パラメータに基づいて補正する。その結果、配信サーバ10が複数の出力パラメータを配信情報に付与しなくても、端末装置20は、配信情報の内容又はユーザに応じた適切な出力形式で、配信情報を出力できる。
【0116】
本発明の実施形態に係る情報配信システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成しても良いし、ソフトウェアで構成しても良い。ソフトウェアで構成する場合には、情報配信システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。
【0117】
また、本発明の実施形態に係る情報配信システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布しても良い。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0118】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化される。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明が形成可能である。例えば、上述した実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 情報配信システム
10 配信サーバ
12 サーバ制御部
120 配信情報取得部
122 出力パラメータ設定部
124 サーバ送信部
126 送信タイミング決定部
128 サーバ受信部
130 属性パラメータ設定部
14 通信部
16 記憶部
30 端末装置
32 端末制御部
320 端末受信部
322 出力形式選択部
324 出力制御部
326 出力パラメータ補正部
328 端末送信部
330 出力パラメータ設定部
34 通信部
36 記憶部
38 操作部
40 走行環境検出部
42 表示部
44 音声出力部
50 情報サーバ
70 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信サーバと端末装置とがネットワークを介して接続された情報配信システムであって、
前記配信サーバは、
前記端末装置に配信すべき配信情報を取得する配信情報取得手段と、
前記配信情報の出力形式の選択に用いられる複数の出力パラメータを設定する出力パラメータ設定手段と、
前記複数の出力パラメータを前記配信情報に付与し、前記複数の出力パラメータが付与された前記配信情報を前記端末装置に送信するサーバ送信手段と、を備え、
前記端末装置は、
前記複数の出力パラメータが付与された前記配信情報を受信する端末受信手段と、
走行環境を検出する走行環境検出手段と、
前記配信情報に付与された前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、に基づいて、前記配信情報の出力形式を選択する出力形式選択手段と、
前記出力形式選択手段が選択した出力形式に基づいて、前記配信情報を出力する出力制御手段と、を備えたことを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
前記複数の出力パラメータは、前記配信情報の出力タイミングを決める重要度と、前記配信情報の出力態様を決める緊急度と、を含み、
前記出力形式選択手段は、前記緊急度に基づいて前記出力タイミングを選択し、前記重要度に基づいて前記出力態様を選択する、請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記出力形式選択手段は、さらに、前記走行環境に基づいて、前記出力タイミング及び前記出力態様の少なくとも1つを選択する、請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記走行環境に基づいて、前記配信情報に付与された前記複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する出力パラメータ補正手段をさらに備え、
前記出力形式選択手段は、前記出力パラメータ補正手段が補正した前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、に基づいて、前記配信情報の出力形式を選択する、請求項1乃至3の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記出力パラメータ補正手段は、前記端末装置が前記配信情報を受信した受信時刻からの経過時間に基づいて、前記複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する、請求項4に記載の情報配信システム。
【請求項6】
前記サーバ送信手段は、前記複数の出力パラメータと、前記出力パラメータ補正手段が用いる補正パラメータと、を前記配信情報に付与し、
前記出力パラメータ補正手段は、前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、前記補正パラメータと、に基づいて、前記複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する、請求項4又は5に記載の情報配信システム。
【請求項7】
前記補正パラメータは、時間に応じた出力形式を指定するための時間指定パラメータを含み、
前記出力パラメータ補正手段は、前記時間指定パラメータに基づいて、前記複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する、請求項6に記載の情報配信システム。
【請求項8】
前記補正パラメータは、前記走行環境に応じた出力形式を指定するための走行環境指定パラメータを含み、
前記出力パラメータ補正手段は、前記走行環境と、前記走行環境指定パラメータと、に基づいて、前記複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する、請求項6又は7に記載の情報配信システム。
【請求項9】
前記補正パラメータは、ユーザに応じた出力形式を指定するためのユーザ属性パラメータであり、
前記出力パラメータ補正手段は、前記走行環境と、前記ユーザ属性パラメータと、に基づいて、前記複数の出力パラメータの少なくとも1つを補正する、請求項6乃至8の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項10】
前記配信サーバは、前記複数の出力パラメータに基づいて、前記配信情報を送信する送信タイミングを決定する送信タイミング決定手段をさらに備える、請求項1乃至9の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項11】
前記端末装置は、前記配信サーバに対して、前記走行環境を送信する端末送信手段をさらに備え、
前記配信サーバは、前記端末送信手段が送信した前記走行環境を受信するサーバ受信手段をさらに備え、
前記出力パラメータ設定手段は、前記端末送信手段が送信した走行環境に基づいて、前記複数の出力パラメータの少なくとも1つを設定する、請求項1乃至10の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項12】
前記端末装置は、前記配信サーバに対して、前記走行環境を送信する端末送信手段をさらに備え、
前記配信サーバは、
前記端末送信手段が送信した前記走行環境を受信するサーバ受信手段と、
前記端末送信手段が送信した走行環境に基づいて、前記配信情報を送信する送信タイミングを決定する送信タイミング決定手段と、をさらに備える、請求項1乃至11の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項13】
前記出力形式選択手段は、前記サーバ受信手段が複数の配信情報を受信した場合に、前記複数の出力パラメータに基づいて、前記複数の配信情報の出力順序を選択する、請求項1乃至12の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項14】
前記端末装置は、さらに、
前記出力制御手段が出力した配信情報の画像を表示する表示手段及び前記出力制御手段が出力した配信情報の音声を出力する音声出力手段の少なくとも1つを備え、
前記出力形式選択手段は、前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、に基づいて、前記表示手段及び前記音声出力手段の少なくとも1つを、前記配信情報の出力先として選択する、請求項1乃至13の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項15】
前記端末装置は、さらに、前記出力制御手段が出力した配信情報の画像を表示する表示手段を備え、
前記出力形式選択手段は、前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、に基づいて、表示の位置、表示の色、及び表示のサイズの少なくとも1つをさらに決定する、請求項1乃至14の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項16】
前記端末装置は、さらに、前記出力制御手段が出力した配信情報の音声を出力する音声出力手段を備え、
前記出力形式選択手段は、前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、に基づいて、音量、音質、及び再生速度の少なくとも1つをさらに決定する、請求項1乃至15の何れかに記載の情報配信システム。
【請求項17】
ネットワークを介して端末装置と接続可能な配信サーバであって、
前記端末装置に配信すべき配信情報を取得する配信情報取得手段と、
前記配信情報の出力形式の選択に用いられる複数の出力パラメータを設定する出力パラメータ設定手段と、
前記複数の出力パラメータを前記配信情報に付与し、前記複数の出力パラメータが付与された前記配信情報を前記端末装置に送信するサーバ送信手段と、を備えたことを特徴とする配信サーバ。
【請求項18】
ネットワークを介して配信サーバと接続可能な端末装置であって、
前記配信情報の出力形式の選択に用いられる複数の出力パラメータが付与された配信情報を、前記配信サーバから受信する端末受信手段と、
走行環境を検出する走行環境検出手段と、
前記配信情報に付与された前記複数の出力パラメータと、前記走行環境と、に基づいて、前記配信情報の出力形式を選択する出力形式選択手段と、
前記出力形式選択手段が選択した出力形式に基づいて、前記配信情報を出力する出力制御手段と、を備えたことを特徴とする端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図9E】
image rotate

【図9F】
image rotate

【図9G】
image rotate

【図9H】
image rotate

【図9I】
image rotate

【図9J】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−105455(P2013−105455A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250970(P2011−250970)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】