説明

情報配信システムおよび情報配信方法

【課題】携帯端末機に付与された識別子を安全に管理することができる、プッシュ通知サービスを利用した情報配信システムおよび情報配信方法を提供する。
【解決手段】プッシュサーバ5は、デバイス2が直接にアクセスできないローカルエリアネットワーク10上に置かれている。そのため、プッシュ通知サーバ3からデバイス2に送信されるデバイストークンは、デバイス2がアクセス可能なWebサーバ4に送信され、Webサーバ4とプッシュサーバ5との間での安全な暗号化通信により、プッシュサーバ5を経由してデバイスIDデータベース11に格納される。情報の配信を通知すべきタイミングが到来すると、プッシュサーバ5からデバイスIDデータベース11に格納されているデバイストークンで特定されるデバイス2に、プッシュ通知サーバ3を経由して、情報を配信する通知が出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機に情報を配信するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、米アップル社は、iphone(登録商標)などの米アップル社製のデバイス(携帯端末機)向けのサービスとして、フォアグラウンドで実行されていないアプリケーションに対してイベントが発生したことを通知する、いわゆるプッシュ通知サービスを提供している。
図7は、プッシュ通知サービスを利用して情報を配信するシステムの構成を示す図である。
【0003】
プッシュ通知サービスを利用した情報配信システムは、プッシュ通知サーバ101と、情報を配信する業者(プロバイダ)が所有する情報配信サーバ102とを含む。プッシュ通知サーバ101および情報配信サーバ102は、インターネット103上に置かれている。プッシュ通知サーバ101は、デバイス104と携帯電話回線または無線LAN経由でデータ通信することができる。
【0004】
業者に情報の配信を依頼するクライアントは、たとえば、インターネット103に接続されたパーソナルコンピュータ105から情報配信サーバ102にアクセスし、配信する情報およびその情報の配信を通知(プッシュ通知)するタイミングを情報配信サーバ102に入力する。
【0005】
一方、情報の受信を希望するデバイス104のユーザは、米アップル社が所有するアプリケーションサーバ106にアクセスし、プロバイダが提供するアプリケーションをダウンロードする。そして、そのアプリケーションが起動されると、アプリケーションからデバイス104のOS(Operating System)を介してプッシュ通知サーバ101に登録要求が送信される。プッシュ通知サーバ101に登録要求が受け取られると、プッシュ通知サーバ101でデバイスの識別子を含むデバイストークンが生成され、そのデバイストークンがプッシュ通知サーバ101からデバイス104に送信される。デバイストークンは、デバイス104(アプリケーション)からプロバイダの情報配信サーバ102に転送され、情報配信サーバ102で管理される。
【0006】
情報の配信を通知するタイミングになると、情報送信サーバ102において、デバイス104の画面に表示されるメッセージなどの情報とデバイストークンとを含む通知パッケージが作成される。通知パッケージは、情報送信サーバ102からプッシュ通知サーバ101に送信される。通知パッケージがプッシュ通知サーバ101に受け取られると、通知パッケージに含まれるデバイストークから特定されるデバイス104にプッシュ通知サーバ101から通知が配信(プッシュ)される。そして、デバイス104のユーザが通知の応答として情報の配信を許可すると、情報送信サーバ102からプッシュ通知サーバ101を経由してデバイス104に情報が配信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−81590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、インターネット接続された情報配信サーバ102でデバイストークンが管理されているため、第三者からインターネットを経由して情報配信サーバ102に不正にアクセスされて、第三者にデバイストークンが盗み出されるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、携帯端末機に付与された識別子を安全に管理することができる、プッシュ通知サービスを利用した情報配信システムおよび情報配信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、第1の発明は、プッシュ通知サーバへの登録に対して識別子が付与された携帯端末機に情報を配信するシステムにおいて、インターネット上に置かれ、携帯端末機から当該携帯端末機に付与された識別子を受け取り、携帯端末機に配信されるべき情報および当該情報を携帯端末機に配信する通知のタイミングをクライアントから受け取るWebサーバと、前記Webサーバに接続され、前記Webサーバが受け取った前記情報および前記タイミングを記憶するリクエストデータベースと、前記Webサーバとの間で暗号化通信が可能であり、前記Webサーバに周期的にアクセスして、前記Webサーバが携帯端末機から受け取った識別子および前記リクエストデータベースに格納されている前記タイミングを取得するプッシュサーバと、前記プッシュサーバに接続され、前記プッシュサーバが取得した識別子を記憶する識別子データベースとを含み、前記プッシュサーバは、前記インターネットから隔離されたローカルエリアネットワーク上に置かれており、前記Webサーバを経由して取得した前記タイミングに基づいて、前記識別子データベースに格納されている識別子が付与された携帯端末機に、前記プッシュ通知サーバを経由して通知を配信することを特徴としている。
【0011】
また、第2の発明は、情報配信方法において、インターネット上に置かれたWebサーバが携帯端末機から当該携帯端末機に付与された識別子を受け取るステップと、携帯端末機に配信されるべき情報および当該情報を携帯端末機に配信する通知のタイミングをクライアントから前記Webサーバが受け取るステップと、前記Webサーバに接続されたリクエストデータベースに、前記Webサーバが受け取った前記情報および前記タイミングが格納されるステップと、前記インターネットから隔離されたローカルエリアネットワーク上に置かれ、前記Webサーバとの間で暗号化通信が可能であるプッシュサーバが、前記Webサーバに周期的にアクセスして、前記Webサーバが携帯端末機から受け取った識別子、および前記リクエストデータベースに格納されている前記タイミングを取得するステップと、前記プッシュサーバに接続された識別子データベースに、前記プッシュサーバが取得した識別子が格納されるステップと、前記プッシュサーバが、前記Webサーバを経由して取得した前記タイミングに基づいて、前記識別子データベースに格納されている識別子が付与された携帯端末機に、前記プッシュ通知サーバを経由して通知を配信するステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
携帯端末機がプッシュ通知サーバに登録されると、プッシュ通知サーバから携帯端末機に識別子が付与される。この付与された識別子は、携帯端末機からインターネット上に置かれたWebサーバに送信される。また、Webサーバには、携帯端末機に配信されるべき情報(配信情報)およびこの情報を携帯端末機に配信する通知のタイミング(通知タイミング)が入力される。そして、情報および通知タイミングは、Webサーバに接続されたリクエストデータベースに格納される。
【0013】
インターネットから隔離されたローカルエリアネットワーク上に、プッシュサーバが置かれている。プッシュサーバは、Webサーバと暗号化通信が可能である。プッシュサーバは、Webサーバに周期的にアクセスして、Webサーバが携帯端末機から受け取った識別子およびリクエストデータベースに格納されている通知タイミングを取得する。これに応答して、少なくとも識別子は、Webサーバから消去される。プッシュサーバに取得された識別子は、プッシュサーバに接続された識別子データベースに格納される。これにより、携帯端末機の識別子は、インターネットから隔離された識別子データベースに安全に保管される。
【0014】
なお、「周期的にアクセス」とは、ほぼ一定の間隔を置いてアクセスすることを意味し、定期的に(完全に一定の間隔を置いて)アクセスすることはもちろん、多少不定期にアクセスすることも含む。
【0015】
そして、プッシュサーバがWebサーバを経由して取得したタイミングが到来すると、プッシュサーバから識別子データベースに格納されている識別子で特定される携帯端末機に、プッシュ通知サーバを経由して、情報を配信する通知が出される。
【0016】
よって、携帯端末機に付与された識別子を安全に管理することができながら、その安全に管理された識別子で特定される携帯端末機に情報を配信する通知を出すことができる。
【0017】
プッシュサーバは、携帯端末機への通知の結果、携帯端末機から情報の配信を受ける旨の返答があったことに応答して、リクエストデータベースに格納されている情報をWebサーバを経由して読み出し、その読み出した情報を携帯端末機に配信することが好ましい。
これにより、携帯端末機のユーザが望まない情報が配信されることを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯端末機に付与された識別子を安全に管理することができながら、その安全に管理された識別子で特定される携帯端末機に情報を配信する通知を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、デバイスの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、Webサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、プッシュサーバの構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、デバイスの登録に関するデータの流れ(アプリケーションのダウンロードからWebサーバへのデバイストークンの送信までのデータの流れ)を示すシーケンス図である。
【図6】図6は、プッシュ通知に関するデータの流れ(Webサーバからのデバイストークンの取得から情報の送信までのデータの流れ)を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、従来の情報配信システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報配信システムの構成を示す図である。
【0021】
情報配信システム1では、プッシュ通知サービスを利用して、iphone(登録商標)などのデバイス(携帯端末機)2のフォアグラウンドで実行されていないアプリケーションに対して、画像などの情報を配信するというイベントが発生したことが通知される。そして、この通知に応答してアプリケーションからのリクエストがあると、デバイス2に情報が配信される。
情報配信システム1は、プッシュ通知サーバ3、Webサーバ4およびプッシュサーバ5を含む。
【0022】
プッシュ通知サーバ3は、プッシュ通知サービスを提供する会社(たとえば、米アップル社)が所有している。プッシュ通知サーバ3は、インターネット6上に置かれている。また、プッシュ通知サーバ3は、デバイス2と携帯電話回線または無線LAN(Local Area Network)経由で通信することができる。
【0023】
Webサーバ4は、情報を配信する業者(以下「プロバイダ」という。)が所有している。Webサーバ4は、インターネット6上に置かれている。プロバイダに情報の配信を依頼する者(以下「クライアント」という。)は、たとえば、インターネット6に接続されたパーソナルコンピュータ7からWebサーバ4にアクセスすることができる。
Webサーバ4には、リクエストデータベース8が接続されている。
【0024】
プッシュサーバ5は、プロバイダが所有している。プッシュサーバ5は、インターネット6からファイアウォール9によって隔離されたローカルエリアネットワーク10上に置かれている。
プッシュサーバ5には、デバイスIDデータベース11が接続されている。
【0025】
また、プッシュ通知サービスを提供する会社は、デバイス2にダウンロード可能なアプリケーションを保管するアプリケーションサーバ12を所有している。アプリケーションサーバ12は、デバイス2と携帯電話回線または無線LAN経由で通信することができる。
図2は、デバイスの構成を示すブロック図である。
デバイス2は、制御部21およびタッチパネル式ディスプレイ22をハードウェア構成として備えている。
【0026】
制御部21は、CPU23およびメモリ24などを含む。メモリ24には、OS(Operating
System)25およびアプリケーションサーバ12からダウンロードされたアプリケーションが格納されている。メモリ24に格納されたアプリケーションには、情報配信システム1による情報の配信を受けるためのアプリケーション26が含まれる。
【0027】
そして、制御部21は、アプリケーション26の実行によって実現される機能処理部として、登録要求部27、デバイストークン転送部28、プッシュ通知処理部29および情報取得部30を実質的に備えている。
【0028】
登録要求部27は、アプリケーション26の初回の起動に応答して、プッシュ通知サーバ3にOS25を介して登録要求を送信する。この登録要求に応答して、プッシュ通知サーバ3では、デバイス2の識別子を含むデバイストークンが生成され、そのデバイストークンがプッシュ通知サーバ3からデバイス2に送信される。
デバイストークン転送部28は、プッシュ通知サーバ3から送信されてくるデバイストークンをWebサーバ4に転送する。
プッシュ通知処理部29は、プッシュ通知サーバ3から通知を受信すると、その通知をタッチパネル式ディスプレイ22に表示する。
【0029】
情報取得部30は、通知に応答して、デバイス2のユーザによってタッチパネル式ディスプレイ22から情報の配信を希望する旨が入力されると、情報の配信の要求をプッシュ通知サーバ3に送信する。
図3は、Webサーバの構成を示すブロック図である。
【0030】
Webサーバ4は、CPUおよびメモリなどをハードウェア構成として備え、CPUによるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、情報・タイミング入出力部31、情報・タイミング送信部32およびデバイストークン受信部33を実質的に備えている。
【0031】
情報・タイミング入出力部31は、外部から受信した画像などの情報およびその情報の配信を通知(プッシュ通知)するタイミング(以下「その情報の通知タイミング」という。)をリクエストデータベース8に格納し、また、リクエストデータベース8から情報およびその情報の通知タイミングを読み出す。
【0032】
情報・タイミング送信部32は、情報・タイミング入出力部31によってリクエストデータベース8から読み出された情報およびその情報の通知タイミングをプッシュサーバ5に送信する。
デバイストークン受信部33は、デバイス2からデバイストークンを受信し、その受信したデバイストークンを一時的に保持する。
図4は、プッシュサーバの構成を示すブロック図である。
【0033】
プッシュサーバ5は、CPUおよびメモリなどをハードウェア構成として備え、CPUによるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、デバイストークン取得部41、デバイストークン入出力部42、情報・タイミング取得部43、タイミング管理部44、通知パッケージ作成部45、通知送信部46および情報送信部47を実質的に備えている。
【0034】
デバイストークン取得部41は、Webサーバ4に周期的にアクセスして、Webサーバ4に一時的に保持されているデバイストークンを取得する。デバイストークンの取得後、そのデバイストークンは、Webサーバ4には残らない。
【0035】
デバイストークン入出力部42は、デバイストークン取得部41によって取得されたデバイストークンをデバイスIDデータベース11に格納し、また、デバイスIDデータベース11からデバイストークンを読み出す。
【0036】
情報・タイミング取得部43は、Webサーバ4に周期的にアクセスして、リクエストデータベース8に格納されている情報の通知タイミングをWebサーバ4を介して取得する。また、情報・タイミング取得部43は、リクエストデータベース8に格納されている情報をWebサーバ4を介して取得する。
【0037】
なお、「周期的にアクセス」とは、ほぼ一定の間隔を置いてアクセスすることを意味し、定期的に(完全に一定の間隔を置いて)アクセスすることはもちろん、多少不定期にアクセスすることも含む。
タイミング管理部44は、情報・タイミング取得部43によって取得された情報の通知タイミングをメモリに格納して管理する。
【0038】
通知パッケージ作成部45は、情報の配信を通知するタイミングが到来すると、通知パッケージを作成する。通知パッケージには、デバイストークン入出力部42によってデバイスIDデータベース11から読み出されるデバイストークンと、デバイス2のタッチパネル式ディスプレイ22に表示されるメッセージのデータとが含まれる。
【0039】
通知送信部46は、通知パッケージ作成部45によって作成された通知パッケージをプッシュ通知サーバ3に送信する。通知パッケージがプッシュ通知サーバ3に受け取られると、通知パッケージに含まれるデバイストークンから特定されるデバイス2にプッシュ通知サーバ3から通知が配信(プッシュ)される。
【0040】
デバイス2のユーザが通知の応答として情報の配信を許可すると、情報・タイミング取得部43により、リクエストデータベース8に格納されている情報が取得される。情報送信部47は、情報・タイミング取得部43によって取得された情報をプッシュ通知サーバ3に送信する。情報がプッシュ通知サーバ3に受け取られると、その情報がプッシュ通知サーバ3からデバイス2に配信される。
図5は、デバイスの登録に関するデータの流れを示すシーケンス図である。
【0041】
情報の配信に先立ち、プロバイダに情報の配信を依頼するクライアントは、たとえば、インターネット6に接続されたパーソナルコンピュータ7からWebサーバ4にアクセスし、配信する画像などの情報およびその情報の通知タイミングをWebサーバ4に入力しておく。Webサーバ4に入力(送信)された情報およびその情報の通知タイミングは、リクエストデータベース8に格納される。
【0042】
一方、情報の受信を希望するデバイス2のユーザは、米アップル社が所有するアプリケーションサーバにアクセスし、プロバイダが提供するアプリケーション26をダウンロードする(ステップS1)。
【0043】
アプリケーション26が起動されると、アプリケーション26からデバイス2のOS25を介してプッシュ通知サーバ3に登録要求が送信される(ステップS2)。
【0044】
プッシュ通知サーバ3に登録要求が受け取られると、プッシュ通知サーバ3でデバイス2の識別子を含むデバイストークンが生成される。そして、そのデバイストークンがプッシュ通知サーバ3からデバイス2に送信される(ステップS3)。
【0045】
デバイス2に受信されたデバイストークンは、デバイス2からWebサーバ4に送信される(ステップS4)。Webサーバ4に受信されたデバイストークンは、Webサーバ4に一時的に保持される。
図6は、プッシュ通知に関するデータの流れを示すシーケンス図である。
【0046】
Webサーバ4に一時的に保持されているデバイストークンをプッシュサーバ5が取得するために、プッシュサーバ5からWebサーバ4にデバイストークンの送信の要求が周期的に出される(ステップS11)。
【0047】
プッシュサーバ5からWebサーバ4に要求が送信されたときに、Webサーバ4にデバイストークンが保持されていれば、そのデバイストークンがWebサーバ4からプッシュサーバ5に送信される(ステップS12)。プッシュサーバ5に送信されたデバイストークンは、デバイスIDデータベース11に格納される。また、そのデバイストークンは、Webサーバ4から消去され、Webサーバ4には残らない。
【0048】
また、プッシュサーバ5からWebサーバ4に周期的にアクセスされて、リクエストデータベース8に格納されている情報の通知タイミングの送信がWebサーバ4に要求される(ステップS13)。
【0049】
このとき、リクエストデータベース8に新着の通知タイミングが格納されていれば、その通知タイミングがWebサーバ4からプッシュサーバ5に送信される(ステップS14)。
【0050】
プッシュサーバ5において、Webサーバ4から受信した通知タイミングは、常に監視されている。そして、情報の配信を通知するタイミングが到来すると、プッシュサーバ5において、通知パッケージが作成される(ステップS15)。
通知パッケージは、プッシュサーバ5からプッシュ通知サーバ3に送信される(ステップS16)。
【0051】
プッシュ通知サーバ3に通知パッケージが受け取られると、通知パッケージに含まれるデバイストークから特定されるデバイス2にプッシュ通知サーバ3から通知が配信される(ステップS17)。
【0052】
この通知をデバイス2が受信すると、デバイス2のタッチパネル式ディスプレイ22に、「新たな情報の配信を希望しますか?」などの問い合わせのメッセージとともに、その返答のための「YES」ボタンおよび「NO」ボタンが表示される。
【0053】
そして、デバイス2のユーザにより、「YES」ボタンが押されると(指で触れられると)、情報の配信を希望する旨の信号(YES信号)が問い合わせに対する返答として、デバイス2からプッシュ通知サーバ3を経由してプッシュサーバ5に送信される(ステップS18)。
【0054】
プッシュサーバ5にYES信号が受け取られると、リクエストデータベース8に格納されている情報がプッシュサーバ5に読み出され、その読み出された情報がプッシュサーバ5からプッシュ通知サーバ3を経由してデバイス2に配信される(ステップS19)。
【0055】
一方、デバイス2のタッチパネル式ディスプレイ22に表示された問い合わせに対して、デバイス2のユーザにより、「NO」ボタンが押されると(指で触れられると)、情報の配信を希望しない旨の信号(NO信号)が問い合わせに対する返答として、デバイス2からプッシュ通知サーバ3を経由してプッシュサーバ5に送信される(ステップS18)。この場合、プッシュサーバ5からデバイス2への情報の配信は行われない。
【0056】
以上のように、デバイス2がプッシュ通知サーバ3に登録されると、プッシュ通知サーバ3からデバイス2に識別子を含むデバイストークンが送信される。デバイストークンは、デバイス2からインターネット6上に置かれたWebサーバ4に送信される。また、Webサーバ4には、デバイス2に配信されるべき情報(配信情報)およびこの情報をデバイス2に配信する通知のタイミング(通知タイミング)が入力される。そして、情報および通知タイミングは、Webサーバ4に接続されたリクエストデータベース8に格納される。
【0057】
インターネット6から隔離されたローカルエリアネットワーク10上に、プッシュサーバ5が置かれている。プッシュサーバ5は、Webサーバ4と暗号化通信が可能である。プッシュサーバ5は、Webサーバ4に周期的にアクセスして、Webサーバ4がデバイス2から受け取ったデバイストークンを取得する。これに応答して、デバイストークンは、Webサーバ4から消去される。プッシュサーバ5に取得されたデバイストークンは、プッシュサーバ5に接続されたデバイスIDデータベース11に格納される。これにより、デバイス2の識別子は、インターネット6から隔離されたデバイスIDデータベース11に安全に保管される。
【0058】
すなわち、プッシュサーバ5は、デバイス2が直接にアクセスできないローカルエリアネットワーク10上に置かれている。そのため、プッシュ通知サーバ3からデバイス2に送信されるデバイストークンは、デバイス2がアクセス可能なWebサーバ4に送信され、Webサーバ4とプッシュサーバ5との間での安全な暗号化通信により、プッシュサーバ5を経由してデバイスIDデータベース11に格納される。
【0059】
また、プッシュサーバ5は、Webサーバ4に周期的にアクセスして、リクエストデータベース8に格納されている通知タイミングを取得する。そして、その通知タイミングが到来すると、プッシュサーバ5からデバイスIDデータベース11に格納されているデバイストークンで特定されるデバイス2に、プッシュ通知サーバ3を経由して、情報を配信する通知が出される。
【0060】
よって、デバイス2に付与された識別子を安全に管理することができながら、その安全に管理された識別子で特定されるデバイス2に情報を配信する通知を出すことができる。
【0061】
また、デバイス2への通知の結果、デバイス2から情報の配信を受ける旨の返答があったことに応答して、リクエストデータベース8に格納されている情報がWebサーバ4を経由して読み出され、その読み出された情報がデバイス2に配信される、そのため、デバイス2のユーザが望まない情報がデバイス2に配信されることを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。
プッシュ通知サービスは、米アップル社が提供するものに限らず、グーグル社が提供するものであってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 情報配信システム
2 デバイス(携帯端末機)
3 プッシュ通知サーバ
4 Webサーバ
5 プッシュサーバ
6 インターネット
8 リクエストデータベース
10 ローカルエリアネットワーク
11 デバイスIDデータベース(識別子データベース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシュ通知サーバへの登録に対して識別子が付与された携帯端末機に情報を配信するシステムであって、
インターネット上に置かれ、携帯端末機から当該携帯端末機に付与された識別子を受け取り、携帯端末機に配信されるべき情報および当該情報を携帯端末機に配信する通知のタイミングをクライアントから受け取るWebサーバと、
前記Webサーバに接続され、前記Webサーバが受け取った前記情報および前記タイミングを記憶するリクエストデータベースと、
前記Webサーバとの間で暗号化通信が可能であり、前記Webサーバに周期的にアクセスして、前記Webサーバが携帯端末機から受け取った識別子および前記リクエストデータベースに格納されている前記タイミングを取得するプッシュサーバと、
前記プッシュサーバに接続され、前記プッシュサーバが取得した識別子を記憶する識別子データベースとを含み、
前記プッシュサーバは、前記インターネットから隔離されたローカルエリアネットワーク上に置かれており、前記Webサーバを経由して取得した前記タイミングに基づいて、前記識別子データベースに格納されている識別子が付与された携帯端末機に、前記プッシュ通知サーバを経由して通知を配信する、情報配信システム。
【請求項2】
前記プッシュサーバは、前記通知の結果、携帯端末機から前記情報の配信を受ける旨の返答があったことに応答して、前記Webサーバを経由して、前記リクエストデータベースに格納されている前記情報を読み出し、その読み出した前記情報を当該携帯端末機に配信する、請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
プッシュ通知サーバへの登録に対して識別子が付与された携帯端末機に情報を配信する方法であって、
インターネット上に置かれたWebサーバが携帯端末機から当該携帯端末機に付与された識別子を受け取るステップと、
携帯端末機に配信されるべき情報および当該情報を携帯端末機に配信する通知のタイミングをクライアントから前記Webサーバが受け取るステップと、
前記Webサーバに接続されたリクエストデータベースに、前記Webサーバが受け取った前記情報および前記タイミングが格納されるステップと、
前記インターネットから隔離されたローカルエリアネットワーク上に置かれ、前記Webサーバとの間で暗号化通信が可能であるプッシュサーバが、前記Webサーバに周期的にアクセスして、前記Webサーバが携帯端末機から受け取った識別子および前記リクエストデータベースに格納されている前記タイミングを取得するステップと、
前記プッシュサーバに接続された識別子データベースに、前記プッシュサーバが取得した識別子が格納されるステップと、
前記プッシュサーバが、前記Webサーバを経由して取得した前記タイミングに基づいて、前記識別子データベースに格納されている識別子が付与された携帯端末機に、前記プッシュ通知サーバを経由して通知を配信するステップとを含む、情報配信方法。
【請求項4】
前記通知の結果、携帯端末機から前記情報の配信を受ける旨の返答があったことに応答して、前記プッシュサーバが、前記Webサーバを経由して、前記リクエストデータベースに格納されている前記情報を読み出し、その読み出した前記情報を当該携帯端末機に配信するステップをさらに含む、請求項3に記載の情報配信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−230555(P2012−230555A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98539(P2011−98539)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(507399070)株式会社ゼウス・エンタープライズ (5)
【Fターム(参考)】