説明

情報配信システム及び情報配信方法

【課題】車両から収集した情報に基づくサービス情報を容易に一斉配信する技術を提供する。
【解決手段】車両用情報処理装置が、車両の状態又は車両の周囲の状態を検出し、車両情報を前記サーバに送信し、中継装置が、車両用情報処理装置から前記車両情報を受信し、受信した前記車両情報を情報配信サーバに中継するステップし、前記車両用情報処理装置或いは中継装置が、前記車両用情報処理装置の位置を示す位置情報を生成し、配信サーバに送信するステップを実行し、前記配信サーバが、前記車両情報及び位置情報を受信し、前記車両情報に基づいて配信するサービス情報を生成し、位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成し、前記配信地域情報及び前記サービス情報を前記中継装置に送信し、前記サービス情報を前記配信地域情報が示す地域の端末に一斉配信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両から収集した情報をネットワークを介して配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載機器等により取得された種々のデータ(現在位置や速度、天候等)を複数の車両から発信させ、これを情報センターにおいて収集すると共に統計処理等を加えて管理し、渋滞情報等のサービス情報として車両に提供するシステムが提案されている。
【0003】
このようなシステムにおいて、車両と情報センターとの通信は、車両から携帯電話網を介して送信する手法や、車両から路側機との路車間通信を介して送信する手法が用いられる。
【0004】
また、先行技術としては、以下の文献が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−217677号公報
【特許文献2】特開2002−26903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サービス情報を一斉に配信する場合、電子メールで各ユーザ宛てにサービス情報を配信することが考えられるが、この場合、配信するユーザのアドレスを指定して電子メールを送信することになり、サービス情報を配信したいグループに属するユーザのメールアドレスを管理していなければならない。特に、サービス情報として事故や渋滞の情報を配信する場合、この事故や渋滞の発生箇所の周辺にいるユーザに配信したいので、ユーザの位置情報を取得して、この事故や渋滞の発生箇所の周辺にいるユーザを特定し、各ユーザのアドレスを抽出して当該アドレス宛てにサービス情報を配信することになり、配信先の管理が煩雑になるという問題があった。
【0007】
一方、ユーザのメールアドレスを特定するのではなく、事故や渋滞の発生箇所に設置されている路側機や基地局から無線でサービス情報を発信することで、この電波の届く範囲のユーザにサービス情報を一斉配信する手法も考えられる。
【0008】
しかし、路側機を介してサービス情報を提供する場合、サービス情報の提供先が車両に限られてしまい、歩行者など車両以外へも一斉にサービス情報を配信することが難しいという問題があった。
【0009】
また、携帯電話網を介してサービス情報を配信する場合、携帯電話網がキャリヤ毎に分かれており、キャリヤ毎に情報センターを設置したのでは、異なるキャリヤの携帯電話網へサービス情報を一斉に配信するのが難しいという問題があった。
【0010】
そこで、本発明では、車両から収集した情報に基づくサービス情報を容易に一斉配信する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の一実施形態としての情報配信システムは、
車両に搭載された車両用情報処理装置と、当該車両用情報処理装置からの車両情報を中継する中継装置と、当該中継装置にネットワークを介して接続する配信サーバとを備えた情報配信システムであって、
車両用情報処理装置が、
車両の状態又は車両の周囲の状態を検出するセンサと、
前記車両情報を前記サーバに送信する送信制御手段と、
を備え、
中継装置が、
車両用情報処理装置から前記車両情報を受信する車両情報受信制御手段と、
受信した前記車両情報を情報配信サーバに中継する中継手段と、
を備え、
前記車両用情報処理装置或いは中継装置が、
前記車両用情報処理装置の位置を示す位置情報を生成し、配信サーバに送信する位置情報生成手段を備え、
前記配信サーバが、
前記車両情報及び位置情報を受信する受信制御手段と、
前記車両情報に基づいて配信するサービス情報を生成するサービス情報生成部と、
位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成する配信地域決定部と、
前記配信地域情報及び前記サービス情報を前記中継装置に送信し、前記サービス情報を前記配信地域情報が示す地域の端末に一斉配信させる配信部と、
を備えた。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両から収集した情報に基づくサービス情報を容易に一斉配信する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】情報配信システムの概略構成図
【図2】情報配信サーバのブロック図
【図3】車載装置のブロック図
【図4】中継装置のブロック図
【図5】無線装置のブロック図
【図6】端末のブロック図
【図7】情報配信方法の説明図
【図8】情報配信方法の説明図
【図9】エリアテーブルの一例を示す図
【図10】エリアテーブルの一例を示す図
【図11】エリアテーブルの一例を示す図
【図12】エリアテーブルの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。以下の実施の形態の構成は例示であり、本発明は実施の形態の構成に限定されない。
【0015】
<システムの概略構成>
本実施形態の情報配信システムは、車両から収集した車両情報に基づいて、周囲の車両や歩行者等にサービス情報を一斉配信する。
【0016】
図1は本実施形態のシステム構成図である。情報配信システム10は、車両情報を送信
する車両の車載装置(車両用情報処理装置)1や、歩行者等が有する端末7、前記車載装置1と通信する或いは端末7へサービス情報を送信する無線装置2、各無線装置2から情報配信サーバへ或いは情報配信サーバ6から無線装置2へ情報を中継する中継装置3、中継装置3を介して情報を配信する情報配信サーバ6を有している。
【0017】
なお、中継装置3は、携帯電話網の中継装置3A〜3CやITS(高度道路交通システム)における中継装置3Dがある。携帯電話網の中継装置3A〜3Cは、携帯電話のキャリヤ毎に存在し、例えばA社の中継装置を3A、B社の中継装置を3B、C社の中継装置を3Cと示した。
【0018】
無線装置2は、携帯電話のキャリヤ毎に複数存在する。例えばA社の無線装置であれば2A−1〜2A−3、B社の中継装置であれば2B−1〜2B−3、C社の中継装置であれば2C−1〜2C−3のように示す。また、ITSにおける無線装置2は、主に道路に沿って配置された路側機41〜52であり、図1ではエリアXに路側機41〜44が、エリアYに路側機45〜48が、エリアZに路側機49〜52が設けられている。
【0019】
情報配信サーバ6は、携帯電話のキャリヤやプロバイダーの種類にかかわらずアクセス可能なインターネット等のネットワークNと接続している。また、携帯電話網の中継装置3A〜3Cや、ITSの中継装置3DもネットワークNと接続しており、ネットワークNを介して情報配信サーバ6から各管理装置3への情報の送信が可能である。
【0020】
車両が事故等に遭遇すると車載装置1は、緊急情報として車両情報を情報配信サーバ6に送信する。ここで、車載装置1が、携帯電話網を使用する場合、車両情報を電波で出力し、当該電波を受けた基地局の無線装置2が車両情報を受信し、車両情報を中継装置3へ送信する。中継装置3は車載装置1から受信した車両情報をネットワークNを介して情報配信サーバ6へ送信する。このとき中継装置3は、当該車両情報を受信した無線装置2のエリアを示す情報を位置情報として車両情報と共に情報配信サーバ6に送信する。
【0021】
また、車載装置1が、ITSを使用する場合、車両情報を無線で無線装置(路側機41〜52の何れか)へ送り、路側機41〜52が中継器3Dへ車両情報を送る。中継装置3Dは、車載装置1から受信した車両情報をネットワークNを介して情報配信サーバ6へ送信する。このとき中継装置3は、当該車両情報を受信した路側機4のエリアを示す情報を位置情報として車両情報と共に情報配信サーバ6に送信する。
【0022】
情報配信サーバ6は、受信した車両情報と位置情報に応じてサービス情報及び配信するエリアを示す情報(配信エリア情報)を生成し、携帯電話網の各中継装置3やITSの中継装置5に送信する。
【0023】
中継装置3は、配信エリア情報で示されるエリアの無線装置2にサービス情報を送信し、当該エリアにいる車両や歩行者等の端末に対してサービス情報を一斉配信させる。これにより例えば、車両がエリアXで事故を起こした場合、エリアXにいる車両や歩行者に事故の発生を知らせ、注意を促す。
【0024】
図2は、情報配信サーバ6の構成を示す図である。情報配信サーバ6は、図2に示すように、データの演算処理を行うデータ処理部61と、他の装置との通信を行う通信部62、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶する記憶部(ハードディスク)63、入出力部64を備えたコンピュータである。
【0025】
通信部62は、ネットワークNを介して他のコンピュータとの通信を行い、車両情報の受信やサービス情報の送信等を行う。
【0026】
記憶部63は、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(情報配信プログラム)を記憶している。
【0027】
入出力部64は、データ処理部61へ情報を入力する手段として、キーボードやポインティングデバイスといったユーザインタフェースや、メモリカード、CD−ROMといった記憶媒体から情報を読み取るデバイスを有する。
【0028】
また、入出力部64は、データ処理部61の処理結果を出力する手段として、処理結果等を表示する表示装置や、データを印刷するプリンタを有する。
【0029】
データ処理部61は、CPUやメインメモリを有し、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部63からメインメモリに読み出し、読み出したOSやアプリケーションプログラムに従ってCPUが演算処理を行う。この演算処理により、CPUは、受信制御手段610や、サービス情報生成手段611、配信地域決定手段612、配信手段613としても機能する。
【0030】
データ処理部61による受信制御手段610は、通信部62を介して車両情報及び位置情報を受信する。
データ処理部61によるサービス情報生成手段611は、受信制御手段610で受信した車両情報に基づいて配信するサービス情報を生成する。
【0031】
データ処理部61による配信地域決定手段612は、位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成する。
【0032】
データ処理部61による配信手段613は、前記配信地域情報及び前記サービス情報を前記中継装置に送信し、前記サービス情報を前記配信地域情報が示す地域に存在する端末7に一斉配信させる。
【0033】
図3は、車載装置1の機能ブロック図である。車載装置1は、図3に示すように、データの演算処理を行うデータ処理部11と、他の装置との通信を行う通信部12、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶する記憶部(ハードディスク)13、入出力部14を備えたコンピュータである。本例の車載装置1は、情報配信サーバ6へ車両情報を送信する機能に加え、サービス情報を受信する端末7の機能も有している。
【0034】
通信部12は、無線通信回線を介して他の装置との通信を行い、車両情報の送信やサービス情報の受信等を行う。通信部12は、例えば、基地局と電波で通信する携帯電話や、WiMAX、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の通信モジュールで
ある。
【0035】
記憶部13は、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムを記憶している。
【0036】
入出力部14は、データ処理部11へ情報を入力する手段として、操作ボタンやリモコン、タッチパネルといったユーザインタフェースや、メモリカード、DVD−ROMといった記憶媒体から情報を読み取るデバイス、車両の状態又は車両の周囲の状態を車両情報として検出するセンサ141を有する。センサ141は、例えば、車速センサやGセンサ、スリップセンサ、車輪の回転速度センサといった車両の走行状態を検出するものの他、アクセル開度センサやステアリング操舵角センサ、ブレーキ踏み量センサ(マスタ圧センサ)、ギアのポジションセンサといった運転操作状態を検出するもの、エアバック作動状
態検知用センサ、ワイパー作動状態検知用センサ、ライト作動状態検知用センサ、ABS(Antilock Brake System)作動状態検知用センサといった車載機器の作動状態を検出する
ものを広く含む。また、センサ141は、オートワイパ用レインセンサ、オートライト用照度センサ、障害物検出用センサ、外気温センサといった車両の周囲の状態を検出するものを含む。
【0037】
また、入出力部14は、データ処理部11の処理結果を出力する手段として、処理結果等を表示する表示装置や、音を出力するスピーカを有する。
【0038】
データ処理部11は、CPUやメインメモリを有し、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部13からメインメモリに読み出し、読み出したOSやアプリケーションプログラムに従ってCPUが演算処理を行う。この演算処理により、CPUは、送信制御手段110や、サービス情報処理手段111、受信制御手段112、車両情報判定手段113としても機能する。
【0039】
データ処理部11による車両情報判定手段113は、センサ141の検出結果が所定条件を満たしたか否かを判定し、条件を満たした場合に条件に対応した車両情報を生成する。例えば、車両情報判定手段113は、一斉配信すべき条件を予め定め、この所定条件を満たしたと判定した場合に、事故といった車両の状況情報を情報配信サーバ6に送信する。なお、所定条件を満たさないと判定した場合には、車両情報を情報配信サーバ6に送信しなくても良い。具体的には、事故が発生した場合など、緊急に他の車両に一斉配信すべき条件を定め、当該所定条件を満たした場合の緊急情報のみを車両情報情報として情報配信サーバ6へ送信する。これにより、必要な情報のみを一斉配信することができ、無駄なトラヒックを増加させることがない。
【0040】
データ処理部11による送信制御手段110は、車両情報を通信部12により情報配信サーバ6へ送信させる。
【0041】
データ処理部11による受信制御手段112は、通信部12を介して情報配信サーバ6からのサービス情報を受信してメモリ或いは記憶部13に記憶させる。
【0042】
データ処理部11によるサービス情報処理手段111は、情報配信サーバ6から受信したサービス情報に基づく処理、例えば交通情報の表示や警告音の出力、車載機器の制御、車速の制御を行う。
【0043】
図4は、中継装置の機能ブロック図である。中継装置3は、図2に示すように、データの演算処理を行うデータ処理部31と、他の装置との通信を行う通信部32、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶する記憶部(ハードディスク)33、入出力部34を備えたコンピュータである。
【0044】
通信部32は、ネットワークNを介して他のコンピュータとの通信を行い、車両情報の受信やサービス情報の送信等を行う。
【0045】
記憶部33は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置であり、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(情報配信プログラム)を記憶する。また、記憶部33は、エリアテーブル331も記憶する。なお、本例では、エリアテーブルを記憶部33が記憶するが、データ処理部31のメモリが記憶する構成でも良い。
【0046】
入出力部34は、データ処理部31へ情報を入力する手段として、キーボードやポインティングデバイスといったユーザインタフェースや、メモリカード、CD−ROMといっ
た記憶媒体から情報を読み取るデバイスを有する。
【0047】
また、入出力部34は、データ処理部31の処理結果を出力する手段として、処理結果等を表示する表示装置や、警告音等の音を出力するスピーカを有する。
【0048】
データ処理部31は、CPUやメインメモリを有し、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部33からメインメモリに読み出し、読み出したOSやアプリケーションプログラムに従ってCPUが演算処理を行う。この演算処理により、CPUは、受信制御手段310や、中継先決定手段311、位置情報生成手段312、送信制御手段313としても機能する。
【0049】
データ処理部31による受信制御手段310は、通信部32を制御して車載装置1から車両情報を受信する。本例では、車載装置1が無線装置2に車両情報を送り、受信制御手段310が無線装置2との接続を確立して車両情報を受信する。
【0050】
また、受信制御手段310は、通信部32を制御して情報配信サーバ6との接続を確立し、当該情報配信サーバ6からサービス情報を受信する。
なお、受信制御手段310は、受信した車両情報やサービス情報をメインメモリや記憶部33内に設けたバッファに一時的に格納する。
【0051】
データ処理部31による中継先決定手段311は、サービス情報の配信エリア情報に基づき中継先を決定する。例えばサービス情報としてのパケットのヘッダに、当該パケットの配信先のエリアを特定するコードが含まれていた場合に、当該コードと対応する無線装置2を中継先としてエリアテーブル331から求める。
【0052】
データ処理部31による位置情報生成手段312は、車載装置1の位置を示す位置情報を生成し、情報配信サーバ6に送信する。
【0053】
データ処理部31による送信制御手段313は、車載装置1から受信した車両情報を配信サーバ6へ通信部32を介して中継(送信)する。また、送信制御手段313は、配信サーバ6から受信したサービス情報を中継先決定手段311で決定した中継先に通信部32を介して中継(送信)する。
図5は、無線装置2のブロック図である。無線装置2は、図5に示すように、データの演算処理を行うデータ処理部21と、他の装置との通信を行う通信部22、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶する記憶部(ハードディスク)23、入出力部24を備える。
通信部22は、車載装置1からの車両情報の受信や、端末7(本例では車載装置1も含む)へのサービス情報の送信を行う。本例の通信部22は、車載装置1や端末7と電波によって通信するが、これに限らず、無線通信であれば、光通信などであっても良い。
【0054】
記憶部23は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置であり、オペレーティングシステム(OS)やファームウェア、アプリケーションプログラムを記憶する。
【0055】
入出力部24は、データ処理部21へ情報を入力する手段として、コンソールといったユーザインタフェースや、メモリカード、CD−ROMといった記憶媒体から情報を読み取るデバイスを有する。
【0056】
また、入出力部24は、データ処理部31の処理結果を出力する手段として、処理結果等を表示する表示装置や、音声メッセージや警告音等の音を出力するスピーカを有する。
【0057】
データ処理部21は、CPUやメインメモリを有し、前記OSやファームウェアを記憶部23からメインメモリに読み出し、読み出したOSやファームウェアに従ってCPUが演算処理を行う。この演算処理により、CPUは、受信制御手段210や、送信制御手段211としても機能する。
【0058】
データ処理部21による受信制御手段210は、通信部22を制御して車載装置1から車両情報を受信する。また、受信制御手段210は、通信部22を制御して中継装置3からサービス情報を受信する。
【0059】
データ処理部21による送信制御手段211は、通信部22を制御して車載装置1へサービス情報を送信する。また、送信制御手段211は、通信部22を制御して中継装置3へ車両情報を送信する。
図6は、端末7のブロック図である。端末7は、車載装置を備えていない自転車や二輪車等の運転者や歩行者(便宜上歩行者等とも称す)が備える携帯電話やPDA、スマートフォン、ノートパソコン、ハンディナビゲーションシステムといった装置である。端末7は、図6に示すように、データの演算処理を行うデータ処理部21と、他の装置との通信を行う通信部72、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶する記憶部(ハードディスク)73、入出力部74を備える。
通信部72は、無線装置2との通信を行う。
【0060】
記憶部73は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置であり、オペレーティングシステム(OS)やファームウェア、アプリケーションプログラムを記憶する。
【0061】
入出力部74は、データ処理部71へ情報を入力する手段として、操作部(入力ボタン)やマイクといったユーザインタフェースのほか、メモリカード、CD−ROMといった記憶媒体から情報を読み取るデバイスを有する。
【0062】
また、入出力部74は、データ処理部71の処理結果を出力する手段として、処理結果等を表示する表示装置や、警告音等の音を出力するスピーカを有する。
【0063】
データ処理部71は、CPUやメインメモリを有し、前記OSやファームウェアを記憶部73からメインメモリに読み出し、読み出したOSやファームウェアに従ってCPUが演算処理を行う。この演算処理により、CPUは、受信制御手段710や、サービス情報処理手段711としても機能する。
【0064】
データ処理部71による受信制御手段710は、通信部22を制御して中継装置3からサービス情報を受信する。
【0065】
データ処理部71によるサービス情報処理手段711は、情報配信サーバ6から受信したサービス情報に基づく処理、例えば交通情報の表示や警告音の出力を行う。
【0066】
なお、本例の車載装置1、中継装置3、情報配信サーバ6の構成要素のうち、情報を処理する要素は、汎用のプロセッサがソフトウェアとしての解析プログラムを実行することによって、上記各機能を実現するものである。これら情報を処理する要素の一部或いは全部は、基本的な回路を組み合わせて各々の機能を実現したハードウェアであっても良い。
【0067】
本例の情報配信サーバ6において、受信制御手段610や、サービス情報生成手段611、配信地域決定手段612、配信手段613が、前記情報を処理する要素である。また、車載装置1において、送信制御手段110や、サービス情報処理手段111、受信制御手段112、車両情報判定手段113が前記情報を処理する要素である。中継装置3にお
いて、受信制御手段310や、中継先決定手段311、位置情報生成手段312、送信制御手段313が前記情報を処理する要素である。無線装置2において、受信制御手段210や、送信制御手段211が前記情報を処理する要素である。そして、端末7において、受信制御手段710や、サービス情報処理手段711が前記情報を処理する要素である。
【0068】
これら情報を処理する要素であるハードウェアは、例えば、FPGA[Field Programmable Gate Array]、ASIC[Application Specific Integrated Circuit]、LSI[Large Scale Integration]といった基本的な回路を備えても良い。また、当該ハードウ
ェアは、IC[Integrated Circuit]、ゲートアレイ、論理回路、信号処理回路、アナログ回路といった基本的な回路を備えても良い。
【0069】
論理回路としては、例えば、AND回路、OR回路、NOT回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ回路、カウンタ回路がある。信号処理回路には、信号値に対し、例えば、加算、乗算、除算、反転、積和演算、微分、積分を実行する回路が、含まれていてもよい。アナログ回路には、例えば、信号値に対して、増幅、加算、乗算、微分、積分を実行する回路が、含まれていてもよい。
【0070】
〈情報配信方法〉
図7,8は、上記システムにおいて、配信サーバ6が情報配信プログラムに従って実行する情報配信方法の説明図である。
【0071】
車載装置1が車両情報を検出し(S1)、情報配信サーバ6宛てに該車両情報を通信部12により電波として出力すると(S2)、当該電波を無線基地局の無線装置2が受信する(S3)。無線装置2は、受信した車両情報を所定形式のパケットとし、局間ネットワークを介して中継装置3に送信する(S4)。
【0072】
中継装置3の受信制御手段310は、無線装置2との接続を確立し、当該無線装置2から車両情報を受信する(S5)。そして、中継装置3の位置情報生成手段312は、車両情報のパケットの送信元から位置情報を求める(S6)。例えば、無線装置2A−1から車両情報を受信し、車両情報の送信元のアドレスが無線装置2A−1のアドレス10.0.0.11であった場合、位置情報生成手段312は、図9に示すエリアテーブル331を参照し
、当該車両情報を発信した車載装置1の位置情報として、アドレス10.0.0.11と対応する
エリアXを示す情報(エリアコード)XXXを求める。
【0073】
中継装置3の送信制御手段313は、受信制御手段310によって受信した車両情報に位置情報生成手段312によって求めた位置情報を付加して配信サーバ6へ中継する(S7)。
【0074】
配信サーバ6は、受信制御手段610によって車両情報を受信し(S8)、受信した車両情報に基づいてサービス情報生成手段611がサービス情報を生成する(S9)。例えば、受信した車両情報が事故情報であれば、「エリアXで事故が発生しました。注意して通行してください。」のようなメッセージをサービス情報として生成する。
サービス情報は、この他、「首都高C2のエリアYで渋滞中です。」「エリアZで路面が凍結しています。」など、車両情報の内容に応じた情報を生成する。例えば、事故、渋滞、横風といった車両の状況毎に、メッセージのテンプレートを作成しておき、エリア名や道路名などを挿入してメッセージを作成する。
【0075】
また、配信サーバ6の配信地域決定部612は、受信した車両情報のパケットに含まれる位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成する(S10)。
【0076】
そして、配信サーバ6の配信手段613は、配信地域決定部612で決定した配信地域情報及び前記サービス情報を所定形式のパケットとし、各中継装置3A−3Dに送信する(S11)。
【0077】
中継装置3の受信制御手段310が配信サーバ6からのパケットを受信すると(S12)、中継先決定手段311が、エリアテーブル331を参照し、当該パケットの配信エリア情報と対応する無線装置2のアドレスを中継先に決定する(S13)。
【0078】
中継装置3の送信制御手段313は、前記サービス情報に一斉配信を示す情報を付加し、所定形式のパケットとして中継先の無線装置2へ送信する(S14)。
【0079】
無線装置2は、受信したパケットのヘッダを確認し、一斉配信を示す情報が付加されていた場合、当該パケットのサービス情報を電波で一斉配信する(S15)。
【0080】
一斉配信された情報は、無線装置2からの電波を受信できる範囲(エリア)に存在する端末によって受信され(S16)、サービス情報の表示、アラーム音や音声メッセージの出力、車載機器の制御など、サービス情報に応じた処理を行う(S17)。
【0081】
このように、一斉配信する範囲に存在する無線装置2を選択し、当該無線装置2から無線でサービス情報を出力することにより、そのサービス情報が受信可能な範囲に存在する特定の端末に、サービス情報を受信させることにより、配信先の端末をグループ管理するといった複雑な処理が必要なく、容易にサービス情報を一斉配信することができる。
【0082】
この一斉配信方法の各処理における詳細な説明を以下に記載する。
【0083】
[車両情報の検出と判定]
車両情報判定手段113は、センサ141で検出した車両情報に基づき車両が周囲へ報知すべき状況にあるか、即ち車両情報が所定条件を満たすか否かを判定する。ここで、周囲へ配信すべき状況とは、例えば事故の発生である。自動車事故が発生した場合、後続車による事故車両への追突や事故の処理を行う作業者との接触といった二次災害の発生、渋滞、交通規制の発生が考えられ、周囲への報知が望まれる。このため、車両情報判定手段113は、車両情報に基づいて事故を検出した場合には、情報配信サーバ6へ事故の情報を送信する。
【0084】
車両情報判定手段113が事故の発生を判定するための条件としては、例えばエアバックが作動したか否かを検出するエアバック作動状態検知用センサがエアバックの作動を検知したことや、Gセンサにより所定値以上のG(加速度或いは減速度)を検知したことを条件とする。車両情報判定手段113は、これら事故発生の所定条件を満たした場合に事故が発生したと判定する。
【0085】
また、周囲へ配信すべき状況は、事故の発生に限らず、路面凍結や横風、渋滞の発生などであっても良い。
【0086】
例えば、車輪の回転速度センサによって検出した車輪の回転速度に基づく車速と車速センサによって検出した車速を比較して異なっており、且つ外気温センサが所定値以下(例えば氷点下)の温度を検出したことを路面凍結の条件とし、この条件を満たした場合に路面凍結が発生したことを検出する。
【0087】
また、ステアリング操舵角センサによって操舵が検出されていないとき、即ち直進時に
、Gセンサで所定値以上のヨー方向の加速度を検出したことを横風発生の条件とし、この条件を満たした場合に横風の発生を検出する。
【0088】
更に、カーナビゲーションシステムの地図情報に基づいて、道路に沿って進行していると判定し、且つ所定距離未満で、アクセル開度センサ及びブレーキ踏み量センサによって発進と停止の繰り返しを検出したことを渋滞の条件とし、この条件を満たした場合に渋滞の発生を検出する。
【0089】
また、上記条件に限らず周囲へ配信すべき状況の所定条件は、センサ141の検出結果に基づくものであれば良く、検出する状況に合わせて任意に設定できる。
【0090】
[位置情報の生成]
中継装置3の位置情報生成手段312は、無線装置2から車両情報を受信した場合、無線装置2の存在するエリアを示すエリアテーブルを参照し、送信元の無線装置2と対応するエリアを示す情報を位置情報として受信した車両情報に付加する。図9−図12は、エリアテーブルの一例を示す図である。エリアテーブルは、無線装置2の識別情報(アドレス)と無線装置2が存在するエリアを示す情報とを対応つけて記憶している。無線装置2A−1のアドレスが10.0.0.11、無線装置2A−2のアドレスが10.0.0.12、無線装置2A−3のアドレスが10.0.0.13、エリアXを示す情報がXXX、エリアYを示す情報がYYY、エ
リアZを示す情報がZZZであり、中継装置3Aが図9のエリアテーブル331を備えてい
る場合に、位置情報生成手段113は、受信した車両情報の送信元のアドレスが例えば10.0.0.11であれば、図9のエリアテーブルに基づき10.0.0.11と対応するXXXを位置情報と
して識別情報に付加する。これにより当該車両情報を送信した車両がエリアXに存在することを示す。
【0091】
同様に、無線装置2B−1のアドレスが10.255.255.111、無線装置2B−2のアドレスが10.255.255.112、無線装置2B−3のアドレスが10.255.255.113、エリアXを示す情報がXXX、エリアYを示す情報がYYY、エリアZを示す情報がZZZであり、中継装置3Bが図
10のエリアテーブルを備えている場合に、中継装置3Bの位置情報生成手段113は、受信した車両情報の送信元のアドレスが例えば10.255.255.112であれば、図10のエリアテーブルに基づき従い10.255.255.112と対応するYYYを位置情報として識別情報に付加す
る。
【0092】
また、無線装置2C−1のアドレスが172.16.0.11、無線装置2C−2のアドレスが172.16.0.12、無線装置2C−3のアドレスが172.16.0.13、エリアXを示す情報がXXX、エリアYを示す情報がYYY、エリアZを示す情報がZZZであり、中継装置3Cが図11のエリアテーブルを備えている場合に、中継装置3Cの位置情報生成手段113は、受信した車両情報の送信元のアドレスが例えば172.16.0.13であれば、図11のエリアテーブルに基づ
き従い72.16.0.13と対応するZZZを位置情報として識別情報に付加する。
【0093】
更に、無線装置41−52のアドレスが10.0.0.141−10.0.0.152、エリアXを示す情報がXXX、エリアYを示す情報がYYY、エリアZを示す情報がZZZであり、中継装置5が図1
2のエリアテーブルを備えている場合に、中継装置3Bの位置情報生成手段113は、受信した車両情報の送信元のアドレスが例えば10.0.0.143であれば、図12のエリアテーブルに基づき従い10.0.0.143と対応するXXXを位置情報として識別情報に付加する。
【0094】
また、位置情報生成手段は、中継装置3に限らず、無線装置2や車載装置1に備えられていても良い。
【0095】
位置情報生成手段が無線装置2に備えられている場合、各無線装置2の位置情報生成手
段が、それぞれ自装置の存在するエリアを記憶しておき、受信した車両情報に当該エリアを示す情報を位置情報として付加して中継装置3に送信する。例えば、無線装置2A−1の位置情報生成手段であれば、受信した車両情報にエリアXを示す位置情報XXXを付加し
、無線装置2B−2の位置情報生成手段であれば、受信した車両情報にエリアYを示す位置情報YYYを付加する。
【0096】
また、位置情報生成手段が車載装置1に備えられている場合、位置情報生成手段はGPSにより自車位置の緯度及び経度を求め、これを位置情報として車両情報に付加して送信する。また、車載装置1の位置情報生成手段は、GPSによる緯度及び経度に加え、地図情報やセンサ141の検出結果に基づき走行中の道路名や走行方向などの情報を位置情報として送信しても良い。
【0097】
[配信地域の決定]
情報配信サーバ6の配信地域決定手段612は、車載装置1から中継装置3を介して受信した車両情報と位置情報とに基づいてサービス情報を配信する地域を決定する。特に、本例の配信地域決定手段612は、車両情報と位置情報の内容を所定条件に照らし、位置情報が示すエリアに基づく配信範囲を決定する。
【0098】
例えば、以下のような条件に基づいて配信範囲を決定する。
【0099】
(1)車両情報が事故の発生の場合に、当該車両情報を送信した車両の位置、即ち位置情報が示すエリアとその隣接するエリアを配信エリアとする。
(2)車両情報が横風の発生の場合、位置情報が示すエリアのみを配信エリアとする。
(3)千代田区、中央区、港区、或いは東京南部、神奈川北部、神奈川東部など、複数のエリアをブロックとして登録しておき、車両情報が渋滞の発生の場合に、位置情報が示すエリアと同じブロックに属するエリアを配信エリアとする。
(4)道路と前記エリアとの位置関係を記録しておき、車両情報が事故の発生であって、位置情報として自車位置(事故発生位置)、道路名、走行方向を受信した場合に、当該道路上であって事故発生位置より下流側(前記走行方向と反対側)に位置する所定数のエリアを配信エリアとする。例えば、国道16号線を東京方向に走行中、或る位置(緯度x
、経度y)で事故が発生した場合、国道16号線上の当該事故発生位置(緯度x、経度y)
から東京都反対方向の3つのエリアを配信エリアとする。
【0100】
なお、配信地域決定手段612は、緯度及び経度とエリアとを対応つけて記憶したテーブルを備え、車載車載装置1から受信した位置情報が、緯度及び経度の場合、前記テーブルを参照して当該位置情報を送信した車両が存在したエリアを求めても良い。
【0101】
[一斉配信]
上記携帯電話網を用いた無線装置2は、所謂セルブロードキャストによってサービス情報を一斉配信する例を示したが、これに限らず、複数の端末に一斉配信できる手法であれば良い。例えば、NTTドコモのiチャネル、auのEZニュースフラッシュ、ソフトバンクのS!キャストのようなプッシュ配信であっても良い。
【0102】
また、車載装置1及び端末と無線装置2とが無線LANで通信する場合、無線装置2からブロードキャスト(IPv6ではマルチキャスト)によって一斉配信する構成であっても良い。また、WiMAXやBluetoothによって一斉配信する構成でも良い。
【0103】
〈その他〉
本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0104】
例えば、以下に付記した構成であっても上述の実施形態と同様の効果が得られる。また、これらの構成要素は可能な限り組み合わせることができる。
【0105】
(付記1)
車両に搭載された車両用情報処理装置と、当該車両用情報処理装置からの車両情報を中継する中継装置と、当該中継装置にネットワークを介して接続する配信サーバとを備えた情報配信システムであって、
車両用情報処理装置が、
車両の状態又は車両の周囲の状態を検出するセンサと、
前記車両情報を前記配信サーバに送信する送信制御手段と、
を備え、
中継装置が、
車両用情報処理装置から前記車両情報を受信する車両情報受信制御手段と、
受信した前記車両情報を前記配信サーバに中継する中継手段と、
を備え、
前記車両用情報処理装置或いは中継装置が、
前記車両用情報処理装置の位置を示す位置情報を生成し、前記配信サーバに送信する位置情報生成手段を備え、
前記配信サーバが、
前記車両情報及び位置情報を受信する受信制御手段と、
前記車両情報に基づいて配信するサービス情報を生成するサービス情報生成部と、
位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成する配信地域決定部と、
前記配信地域情報及び前記サービス情報を前記中継装置に送信し、前記サービス情報を前記配信地域情報が示す地域の端末に一斉配信させる配信部と、
を備えた情報配信システム。
【0106】
(付記2)
前記地域毎に無線装置が配置され、前記中継装置が前記配信サーバから受信した配信地域情報によって示される地域の無線装置に前記サービス情報を送信し、前記無線装置が前記サービス情報を電波で出力することにより、当該電波を受信可能な前記端末に一斉に前記サービス情報を配信する付記1に記載の情報配信システム。
【0107】
(付記3)
前記地域毎に配置された無線装置が、携帯電話網のセル毎に配置された基地局の送受信装置であり、前記中継装置が、セルブロードキャストにより前記サービス情報を前記基地局の送受信装置に一斉配信させる付記2に記載の情報配信システム。
【0108】
(付記4)
車両に搭載された車両用情報処理装置と、当該車両用情報処理装置からの車両情報を中継する中継装置と、当該中継装置にネットワークを介して接続する配信サーバとを備えた情報配信システムが実行する情報配信方法であって、
車両用情報処理装置が、
車両の状態又は車両の周囲の状態を検出するステップと、
前記車両情報を前記配信サーバに送信するステップと、
を実行し、
中継装置が、
車両用情報処理装置から前記車両情報を受信するステップと、
受信した前記車両情報を前記配信サーバに中継するステップと、
を実行し、
前記車両用情報処理装置或いは中継装置が、
前記車両用情報処理装置の位置を示す位置情報を生成し、前記配信サーバに送信するステップを実行し、
前記配信サーバが、
前記車両情報及び位置情報を受信するステップと、
前記車両情報に基づいて配信するサービス情報を生成するステップと、
位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成するステップと、
前記配信地域情報及び前記サービス情報を前記中継装置に送信し、前記サービス情報を前記配信地域情報が示す地域の端末に一斉配信させるステップと、
を実行する情報配信方法。
【0109】
(付記5)
前記地域毎に無線装置が配置され、前記中継装置が前記配信サーバから受信した配信地域情報によって示される地域の無線装置に前記サービス情報を送信し、前記無線装置が前記サービス情報を電波で出力することにより、当該電波を受信可能な前記端末に一斉に前記サービス情報を配信する付記4に記載の情報配信方法。
【0110】
(付記6)
前記地域毎に配置された無線装置が、携帯電話網のセル毎に配置された基地局の送受信装置であり、前記中継装置が、セルブロードキャストにより前記サービス情報を前記基地局の送受信装置に一斉配信させる付記5に記載の情報配信方法。
【符号の説明】
【0111】
10 情報配信システム
1 車載装置(車両用情報処理装置)
2 無線装置(路側機)
3 中継装置
6 情報配信サーバ
7 端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車両用情報処理装置と、当該車両用情報処理装置からの車両情報を中継する中継装置と、当該中継装置にネットワークを介して接続する配信サーバとを備えた情報配信システムであって、
車両用情報処理装置が、
車両の状態又は車両の周囲の状態を検出するセンサと、
前記車両情報を前記配信サーバに送信する送信制御手段と、
を備え、
中継装置が、
車両用情報処理装置から前記車両情報を受信する車両情報受信制御手段と、
受信した前記車両情報を前記配信サーバに中継する中継手段と、
を備え、
前記車両用情報処理装置或いは中継装置が、
前記車両用情報処理装置の位置を示す位置情報を生成し、前記配信サーバに送信する位置情報生成手段を備え、
前記配信サーバが、
前記車両情報及び位置情報を受信する受信制御手段と、
前記車両情報に基づいて配信するサービス情報を生成するサービス情報生成部と、
位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成する配信地域決定部と、
前記配信地域情報及び前記サービス情報を前記中継装置に送信し、前記サービス情報を前記配信地域情報が示す地域の端末に一斉配信させる配信部と、
を備えた情報配信システム。
【請求項2】
前記地域毎に無線装置が配置され、前記中継装置が前記配信サーバから受信した配信地域情報によって示される地域の無線装置に前記サービス情報を送信し、前記無線装置が前記サービス情報を電波で出力することにより、当該電波を受信可能な前記端末に一斉に前記サービス情報を配信する請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記地域毎に配置された無線装置が、携帯電話網のセル毎に配置された基地局の送受信装置であり、前記中継装置が、セルブロードキャストにより前記サービス情報を前記基地局の送受信装置に一斉配信させる請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
車両に搭載された車両用情報処理装置と、当該車両用情報処理装置からの車両情報を中継する中継装置と、当該中継装置にネットワークを介して接続する配信サーバとを備えた情報配信システムが実行する情報配信方法であって、
車両用情報処理装置が、
車両の状態又は車両の周囲の状態を検出するステップと、
前記車両情報を前記配信サーバに送信するステップと、
を実行し、
中継装置が、
車両用情報処理装置から前記車両情報を受信するステップと、
受信した前記車両情報を前記配信サーバに中継するステップと、
を実行し、
前記車両用情報処理装置或いは中継装置が、
前記車両用情報処理装置の位置を示す位置情報を生成し、前記配信サーバに送信するステップを実行し、
前記配信サーバが、
前記車両情報及び位置情報を受信するステップと、
前記車両情報に基づいて配信するサービス情報を生成するステップと、
位置情報に基づいて前記サービス情報を配信する地域を決定し、当該地域を示す配信地域情報を生成するステップと、
前記配信地域情報及び前記サービス情報を前記中継装置に送信し、前記サービス情報を前記配信地域情報が示す地域の端末に一斉配信させるステップと、
を実行する情報配信方法。
【請求項5】
前記地域毎に無線装置が配置され、前記中継装置が前記配信サーバから受信した配信地域情報によって示される地域の無線装置に前記サービス情報を送信し、前記無線装置が前記サービス情報を電波で出力することにより、当該電波を受信可能な前記端末に一斉に前記サービス情報を配信する請求項4に記載の情報配信方法。
【請求項6】
前記地域毎に配置された無線装置が、携帯電話網のセル毎に配置された基地局の送受信装置であり、前記中継装置が、セルブロードキャストにより前記サービス情報を前記基地局の送受信装置に一斉配信させる請求項5に記載の情報配信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−85065(P2012−85065A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228987(P2010−228987)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】