説明

情報配信システム

【課題】 従来の情報配信システムには、ユーザの利便性の面で、一層の向上の余地がある。
【解決手段】 情報配信システム1は、基地局30を介して互いに接続される移動体通信端末10および情報配信サーバ20を備えている。移動体通信端末10は、記憶部100、決定部101、判断部102、送信部103、受信部104、GPS測位部105、選択部106、および選択命令部107を有している。情報配信サーバ20は、記憶部200、受信部201、選択部202および送信部203を有している。送信部103は、記憶部100に記憶された自動受信設定情報が自動受信する旨を示しており、且つ判断部102により不一致と判断された場合に、記憶部100に記憶された受信希望情報と最新の地域識別情報とを含む情報配信要求を情報配信サーバ20に送信する端末側送信手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、W−CDMAやcdma2000といった第3世代と呼ばれる方式の標準化が進んでいる。このまま世界標準化が進むと、ユーザが世界中のどの国に移動しても、同一の携帯端末機(移動体通信端末)を用いて通話やデータ通信を行なうことが可能となる。情報配信システムには、基地局からの報知情報をキャリアが取得して携帯端末機ユーザの位置を特定し、その地域に関連した情報を配信するサービスがある。
【0003】
例えば、従来の情報配信システムとしては、特許文献1〜3に記載されたものがある。これらの情報配信システムは、基地局を介して互いに接続される移動体通信端末と情報配信サーバとを備えている。
【0004】
特許文献1に記載の情報配信システムにおいて、移動体通信端末は、自らの現在位置に関する位置情報をユーザの識別情報と共に、情報配信サーバに対して発信する。情報配信サーバは、ユーザの識別情報が既に登録されたものであることを確認すると、上記位置情報に基づいて移動体通信端末の現在位置を検出する。さらに、情報配信サーバは、複数の地域それぞれについての地域情報が格納されたデータベースの中から、検出した現在位置を含む地域情報を抽出し、それを移動体通信端末に対して送信する。
【0005】
特許文献2に記載の情報配信システムにおいて、移動体通信端末は、自らの現在位置を検出し、検出した位置情報を情報配信サーバに対して送信する。すると、情報配信サーバは、上記位置情報に基づいて、移動体通信端末が存在する地域のローカルサーバを選択する。選択されたローカルサーバに格納された地域情報は、情報配信サーバを介して、移動体通信端末に送られる。
【0006】
また、特許文献3に記載の情報配信システムにおいて、移動体通信端末は、ユーザが要求する配信情報の種別を示す配信種別情報を、当該移動体通信端末を特定する識別情報と共に情報配信サーバに対して送信する。情報配信サーバは、それらの配信種別情報および識別情報に基づいて、全ての配信情報が格納されたデータベースの中から、当該移動体通信端末に対して配信すべき配信情報を抽出する。
【特許文献1】特開2003−6081号公報
【特許文献2】特開2004−70713号公報
【特許文献3】特開2004−362137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1,2に記載の情報配信システムによれば、ユーザは、自分の現在位置に関する地域情報のみを選択的に受信することができる。また、特許文献3に記載の情報配信システムによれば、ユーザは、自分が欲する種別に属する情報のみを選択的に受信することができる。このようにして、これらの情報配信システムは、ユーザの利便性を高めている。しかしながら、従来の情報配信システムには、ユーザの利便性の面で、一層の向上の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による情報配信システムは、基地局を介して互いに接続される移動体通信端末と情報配信サーバとを備える情報配信システムであって、上記移動体通信端末は、ユーザが受信を希望する情報の種類を示す受信希望情報を記憶する第1の端末側記憶手段と、当該移動体通信端末の現在位置が属する地域を示す地域識別情報を決定する決定手段と、上記決定手段により決定された最新の上記地域識別情報と前回の上記地域識別情報とを比較し、それらが一致するか不一致かを判断する判断手段と、上記判断手段により不一致と判断された場合に上記情報配信サーバから配信情報を自動受信するか否かを示す自動受信設定情報を記憶する第2の端末側記憶手段と、上記第2の端末側記憶手段に記憶された上記自動受信設定情報が自動受信する旨を示しており、且つ上記判断手段により不一致と判断された場合に、上記第1の端末側記憶手段に記憶された上記受信希望情報と最新の上記地域識別情報とを含む情報配信要求を上記情報配信サーバに送信する端末側送信手段と、上記情報配信要求に応じて上記情報配信サーバから送信される上記配信情報を受信する端末側受信手段と、を有し、上記情報配信サーバは、配信可能な情報を記憶するサーバ側記憶手段と、上記端末側送信手段により送信された上記情報配信要求を受信するサーバ側受信手段と、上記サーバ側受信手段により受信された上記情報配信要求に含まれる上記受信希望情報と上記地域識別情報とに基づいて、上記サーバ側記憶手段に記憶された上記情報の中から、上記移動体通信端末に送信すべき上記配信情報を選択するサーバ側選択手段と、上記サーバ側選択手段により選択された上記配信情報を上記移動体通信端末に送信するサーバ側送信手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
この情報配信システムによれば、ユーザは、自動受信設定情報を自動受信する旨に設定しておくことにより、移動体通信端末が地域を跨いで移動した際に、移動後の地域に特有であってユーザが希望する種類(カテゴリ)に属する配信情報を自動的に受信することができる。さらに、自動受信設定情報を自動受信しない旨に設定しておくことにより、ユーザが望まないにも関わらず、移動体通信端末が配信情報を自動受信してしまうのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザにとって利便性の高い情報配信システムが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明による情報配信システムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、本発明による情報配信システムの一実施形態を示すブロック図である。情報配信システム1は、基地局30を介して互いに接続される移動体通信端末10および情報配信サーバ20を備えている。
【0013】
移動体通信端末10は、記憶部100、決定部101、判断部102、送信部103、受信部104、GPS測位部105、選択部106、および選択命令部107を有している。記憶部100は、ユーザが受信を希望する情報の種類(カテゴリ)を示す受信希望情報を記憶する第1の端末側記憶手段である。かかる情報の種類としては、例えば、地図または店舗情報等が挙げられる。
【0014】
また、記憶部100は、後述する判断部102により不一致と判断された場合に情報配信サーバ20から配信情報を自動受信するか否かを示す自動受信設定情報を記憶する第2の端末側記憶手段、および地域に依存する地域依存情報を複数の地域について記憶する第3の端末側記憶手段でもある。地域依存情報としては、例えば、各地域の時刻に関する情報、各地域の通貨単位に関する情報、または各地域で使用される周波数帯等のキャリア基地局関連情報等が挙げられる。
【0015】
さらに、記憶部100は、判断部102により不一致と判断された場合に後述する選択部106による選択を自動実行するか否かを示す自動実行設定情報を記憶する第4の端末側記憶手段、およびユーザの個人情報を記憶する第5の端末側記憶手段でもある。
【0016】
決定部101は、移動体通信端末10の現在位置が属する地域を示す地域識別情報を決定する決定手段である。具体的には、決定部101は、後述するGPS測位部105により測定された現在位置の情報と、受信部104により受信される基地局30の所在位置の情報とを照合し、それらの情報が一致した場合に、地域識別情報を決定する。
【0017】
判断部102は、決定部101により決定された最新の地域識別情報と前回の地域識別情報とを比較し、それらが一致するか不一致かを判断する判断手段である。
【0018】
送信部103は、記憶部100に記憶された自動受信設定情報が自動受信する旨を示しており、且つ判断部102により不一致と判断された場合に、記憶部100に記憶された受信希望情報と最新の地域識別情報とを含む情報配信要求を情報配信サーバ20に送信する端末側送信手段である。本実施形態において送信部103は、受信希望情報および地域識別情報に加えて、記憶部100に記憶された個人情報をも含む情報配信要求を情報配信サーバ20に送信する。かかる個人情報としては、例えば、ユーザの性別または年代等が挙げられる。
【0019】
受信部104は、情報配信要求に応じて情報配信サーバ20から送信される配信情報を受信する端末側受信手段である。受信部104は、上述の送信部103と共に、移動体通信端末10において無線部14を構成している。GPS測位部105は、GPS衛星(図示せず)からの信号を受信し、その信号に基づいて移動体通信端末10の現在位置を測定するGPS測位手段である。
【0020】
選択部106は、地域識別情報に基づいて、移動体通信端末10の現在位置が属する地域に対応する地域依存情報を、記憶部100に記憶された複数の地域依存情報の中から選択する端末側選択手段である。選択命令部107は、記憶部100に記憶された自動実行設定情報が自動実行する旨を示しており、且つ判断部102により不一致と判断された場合に、移動体通信端末10の現在位置が属する地域に対応する地域依存情報を選択部106に選択させる選択命令手段である。
【0021】
上述した記憶部100、決定部101、判断部102、選択部106および選択命令部107は、移動体通信端末10において制御部12を構成している。制御部12は、物理的には、CPU、ならびにROMおよびRAM等のメモリによって構成されている。すなわち、CPUが決定部101、判断部102、選択部106および選択命令部107の機能を担い、メモリが記憶部100の機能を担う。
【0022】
また、移動体通信端末10は、LCD等の表示部および操作キー等の操作部(共に図示せず)を有している。制御部12は、操作部の動きを監視し、表示部に設定内容および受信情報等を表示させる機能を有する。ユーザは、操作部を操作することにより、上述した受信希望情報、自動受信設定情報、自動実行設定情報および個人情報等を設定・変更することができる。
【0023】
情報配信サーバ20は、記憶部200、受信部201、選択部202および送信部203を有している。記憶部200は、配信可能な情報を記憶するサーバ側記憶手段である。記憶部200には、基地局30の所在位置の情報も格納されている。この記憶部200には、ネットワークを介して情報端末(図示せず)が接続されている。したがって、記憶部200に記憶すべき情報は、この情報端末から入力することが可能である。
【0024】
受信部201は、送信部103により送信された情報配信要求を受信するサーバ側受信手段である。この受信部201は、交換機(図示せず)を介して、基地局30と接続されている。
【0025】
選択部202は、受信部201により受信された情報配信要求に含まれる受信希望情報、地域識別情報および個人情報に基づいて、記憶部200に記憶された情報の中から、移動体通信端末10に送信すべき配信情報を選択するサーバ側選択手段である。送信部203は、選択部202により選択された配信情報を移動体通信端末10に送信するサーバ側送信手段である。なお、送信部203は、受信希望情報に複数のカテゴリが含まれている場合、それらのカテゴリに属する複数の情報を配信情報として一括して送信する。
【0026】
図2は、移動体通信端末10が有するRAMのメモリエリアを示す構成図である。また、図3は、当該メモリエリアのデータベースの一例を示す構成図である。図2に示すように、このメモリエリアは、「位置情報」格納領域A1、「時刻変換情報」格納領域A2、および「通貨変換情報」格納領域A3を含んでいる。
【0027】
図3に示すように、「位置情報」格納領域A1には、移動体通信端末10の使用可能な地域等の位置情報が格納される。「時刻変換情報」格納領域A2には、ユーザが通常いる地域(本例では日本)での時刻を基準とし、各地域との時差が格納される。また、「通貨変換情報」格納領域A3には、通常いる地域の通貨を基準とし、各地域の通貨へ変換するための算出式およびパラメータが格納される。
【0028】
次に、図4および図5を参照しつつ、情報配信システム1の動作を説明する。図4は、情報配信システム1においてユーザが必要とする情報を取得するまでの流れを示すフローチャートである。移動体通信端末10は、GPS信号処理にてGPS衛星から位置情報を受信する(S501)とともに、基地局30から位置情報を含んだ報知情報を取得する(S504)。決定部101は、それら2つの情報を制御し(S507)、位置照合を行なう(S508)。また、これらの情報は、記憶部100に記憶される(S502,505)。
【0029】
新幹線や飛行機等での移動中の場合等のように、GPS位置情報と基地局の報知情報とが照合にて一致しない場合には、取得データに誤りがあると判断し、位置情報取得リトライ(S503)または報知情報取得リトライ(S506)にて再度位置情報データ取得を実行する。位置照合の後、移動体通信端末10は、ネットワークへアクセスする(S509)。ユーザ設定にて受信希望情報が決定している場合(S510)、自動的に抽出するコンテンツが選択され(S511)、必要な情報が自動的に配信・表示される(S512)。
【0030】
図5は、ユーザ設定の流れを示すフローチャートである。ユーザおよび移動体通信端末10が通常いる場所から一定距離以上離れた場合に、移動後の地域に係わる情報の取得や設定の変更を自動的に実行するか否かをユーザが決定する(S601)。自動受信する旨の設定にした場合、さらに受信を希望する情報の種類を決定する。ここでは例として地図情報の自動配信有無を選択する(S602)。自動配信しない旨を選択した場合、ユーザは、手動にて配信の有無をその都度選択することになる(S603)。
【0031】
また、移動体通信端末10の設定をその地域に合わせた設定に自動的に一括変更するか否かもあわせて選択させる(S604)ことも可能とする。例えば、図3の構成図にあるようなデータを予めRAMに記憶させておくことで、位置情報を移動体通信端末10が受信した段階で種別コードを参照し、移動体通信端末10が海外に移動した際の時刻表示の変換や電卓機能による通貨の換算等を実行する。以上により、移動後の地域の情報の自動受信および自動での設定変更を選択可能とする。自動的に変更しない旨を選択した場合、ユーザは、手動にて設定を変更することになる(S605)。
【0032】
続いて、情報配信システム1の効果を説明する。情報配信システム1によれば、ユーザは、自動受信設定情報を自動受信する旨に設定しておくことにより、移動体通信端末10が地域を跨いで移動した際に、移動後の地域に特有であってユーザが希望する種類(カテゴリ)に属する配信情報を自動的に受信することができる。さらに、自動受信設定情報を自動受信しない旨に設定しておくことにより、ユーザが望まないにも関わらず、移動体通信端末10が配信情報を自動受信してしまうのを防ぐことができる。
【0033】
このように、情報配信システム1によれば、移動体通信端末10が通常いる場所から一定距離以上離れた際に、ユーザの期待する地域情報のみを自動で取得することができる。したがって、ユーザにとって利便性の高い情報配信システム1が実現されている。
【0034】
移動体通信端末10は、GPS衛星からの信号を受信し、その信号に基づいて移動体通信端末10の現在位置を測定するGPS測位部105を有している。このため、GPS測位部105による測位結果を用いることにより、移動体通信端末10の現在位置を高精度に決定することができる。
【0035】
決定部101は、GPS測位部105により測定された現在位置の情報と、受信部104により受信される基地局30の所在位置の情報とを照合し、それらの情報が一致した場合に、地域識別情報を決定する。これらの情報が一致しない場合としては、例えば新幹線や飛行機等で移動している場合が考えられる。このように通常位置から一定距離以上離れる場合であっても、通過地域等の不要な情報に関しては、自動受信しないことが可能となる。
【0036】
移動体通信端末10は、選択部106および選択命令部107を有している。このため、移動体通信端末10が地域を跨いで移動した際に、時刻や通貨単位等の地域依存情報の選択を自動的に実行することができる。これにより、移動体通信端末10におけるユーザ設定を自動的に変更することができる。ただし、移動体通信端末10が選択部106および選択命令部107を有することは必須ではない。
【0037】
送信部103は、受信希望情報および地域識別情報に加えて、記憶部100に記憶された個人情報をも含む情報配信要求を情報配信サーバ20に送信する。また、選択部202は、受信部201により受信された情報配信要求に含まれる受信希望情報、地域識別情報および個人情報に基づいて、記憶部200に記憶された情報の中から、移動体通信端末10に送信すべき配信情報を選択する。これにより、性別や年代等の個人情報に基づいて配信情報が選択されることになるので、移動体通信端末10に配信される情報のデータ量を小さく抑えることができる。ただし、情報配信要求にユーザの個人情報が含まれることは必須ではなく、受信希望情報および地域識別情報のみが含まれていてもよい。
【0038】
図8は、比較例に係る情報配信システムの動作を示すフローチャートである。移動体通信端末は、基地局から「基地局のカバーするエリア内」といった大まかな位置情報を受信する(S401)。通信圏外で受信できなかった場合は位置情報取得リトライ(S403)を実施する。携帯電話機の位置が判明したところでユーザ操作によってネットワークへアクセスする(S404)と、そのエリア内の全報知情報が抽出され(S405)、全てが閲覧される(S406)。さらにユーザ操作によって必要情報を選択し(S407)、1回につき一種類のデータのみを取得できる(S408)。ユーザが複数データを必要とする場合は必要コンテンツ選択・抽出(S407)へその都度戻り、ユーザ操作にて情報取得を繰り返す。
【0039】
この比較例においては、インターネットを介してサイトにアクセスしなければいけない、複数の情報が欲しい場合には必要な情報の数だけサイトを表示させなければならない、および基地局の無線カバーエリアが広範囲なために詳細エリアを指定しなければならない等、ユーザにとって手間となる作業が多く存在する。これに対して、情報配信システム1によれば、これらのユーザにとって手間となる作業を回避することが可能となる。
【0040】
本発明による情報配信システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、決定部101は、受信部104により基地局30の所在位置の情報を受信できない場合に、GPS測位部105により測定された現在位置の情報のみに基づいて、地域識別情報を決定してもよい。
【0041】
この場合の情報配信システムの動作について、図6を参照しつつ説明する。ユーザと共に移動体通信端末10が移動した場合(S701)に、基地局30との間で報知情報を送受信することで位置測定を行なう(S702)。もし、一時的に基地局30の通信圏外である等の理由で報知情報を受信できない場合、GPS衛星から位置情報を受信し(S705)、移動体通信端末10の位置測定を実施する(S706)。
【0042】
この後、GPSでの位置確認(S708)のみでネットワークアクセス(S709)し、ユーザが必要とする配信情報の自動受信(S711)、および移動体通信端末10の設定の一括変更(S713)を実行する。また、ユーザ設定がされていない場合においても、通常の基地局30からの位置情報よりもGPSによる詳細な位置確認ができていることから、ユーザの受信する情報選択量(S714)は多少絞られることになり、ユーザの負担を減らすことが可能である。
【0043】
このように、基地局30の所在位置の情報を受信できない場合に、GPS測位部105により測定された現在位置の情報のみに基づいて、位置確認を行うことにより、基地局30の所在位置の情報を再受信する必要がなくなるため、ユーザが必要な情報を取得するまでの時間を短縮することができる。
【0044】
また、地域依存情報は、各地域における緊急連絡先に関する情報を含んでいてもよい。この場合、移動体通信端末10が有するRAMのメモリエリアのデータベース構成は、例えば図7に示すようになる。これにより、ユーザが通常いる場所および移動した先の「緊急連絡先」の情報を表示部に表示したり、電話帳設定に自動で追加登録したりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による情報配信システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の移動体通信端末が有するRAMのメモリエリアを示す構成図である。
【図3】図2のメモリエリアのデータベースの一例を示す構成図である。
【図4】図1の情報配信システムにおいてユーザが必要とする情報を取得するまでの流れを示すフローチャートである。
【図5】図1の情報配信システムにおけるユーザ設定の流れを示すフローチャートである。
【図6】変形例に係る情報配信システムの動作を示すフローチャートである。
【図7】変形例に係る情報配信システムにおいて、メモリエリアのデータベースの一例を示す構成図である。
【図8】比較例に係る情報配信システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 情報配信システム
10 移動体通信端末
12 制御部
14 無線部
20 情報配信サーバ
30 基地局
100 記憶部
101 決定部
102 判断部
103 送信部
104 受信部
105 GPS測位部
106 選択部
107 選択命令部
200 記憶部
201 受信部
202 選択部
203 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を介して互いに接続される移動体通信端末と情報配信サーバとを備える情報配信システムであって、
前記移動体通信端末は、
ユーザが受信を希望する情報の種類を示す受信希望情報を記憶する第1の端末側記憶手段と、
当該移動体通信端末の現在位置が属する地域を示す地域識別情報を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された最新の前記地域識別情報と前回の前記地域識別情報とを比較し、それらが一致するか不一致かを判断する判断手段と、
前記判断手段により不一致と判断された場合に前記情報配信サーバから配信情報を自動受信するか否かを示す自動受信設定情報を記憶する第2の端末側記憶手段と、
前記第2の端末側記憶手段に記憶された前記自動受信設定情報が自動受信する旨を示しており、且つ前記判断手段により不一致と判断された場合に、前記第1の端末側記憶手段に記憶された前記受信希望情報と最新の前記地域識別情報とを含む情報配信要求を前記情報配信サーバに送信する端末側送信手段と、
前記情報配信要求に応じて前記情報配信サーバから送信される前記配信情報を受信する端末側受信手段と、を有し、
前記情報配信サーバは、
配信可能な情報を記憶するサーバ側記憶手段と、
前記端末側送信手段により送信された前記情報配信要求を受信するサーバ側受信手段と、
前記サーバ側受信手段により受信された前記情報配信要求に含まれる前記受信希望情報と前記地域識別情報とに基づいて、前記サーバ側記憶手段に記憶された前記情報の中から、前記移動体通信端末に送信すべき前記配信情報を選択するサーバ側選択手段と、
前記サーバ側選択手段により選択された前記配信情報を前記移動体通信端末に送信するサーバ側送信手段と、を有することを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報配信システムにおいて、
前記移動体通信端末は、GPS衛星からの信号を受信し、その信号に基づいて当該移動体通信端末の現在位置を測定するGPS測位手段を更に有する情報配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報配信システムにおいて、
前記決定手段は、前記GPS測位手段により測定された前記現在位置の情報と、前記端末側受信手段により受信される前記基地局の所在位置の情報とを照合し、それらの情報が一致した場合に、前記地域識別情報を決定する情報配信システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報配信システムにおいて、
前記決定手段は、前記端末側受信手段により前記基地局の所在位置の情報を受信できない場合に、前記GPS測位手段により測定された前記現在位置の情報のみに基づいて、前記地域識別情報を決定する情報配信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載の情報配信システムにおいて、
前記移動体通信端末は、
地域に依存する地域依存情報を複数の地域について記憶する第3の端末側記憶手段と、
前記地域識別情報に基づいて、当該移動体通信端末の現在位置が属する地域に対応する前記地域依存情報を、前記第3の端末側記憶手段に記憶された複数の前記地域依存情報の中から選択する端末側選択手段と、
前記判断手段により不一致と判断された場合に前記端末側選択手段による選択を自動実行するか否かを示す自動実行設定情報を記憶する第4の端末側記憶手段と、
前記第4の端末側記憶手段に記憶された前記自動実行設定情報が自動実行する旨を示しており、且つ前記判断手段により不一致と判断された場合に、当該移動体通信端末の現在位置が属する地域に対応する前記地域依存情報を前記端末側選択手段に選択させる選択命令手段と、を更に有する情報配信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報配信システムにおいて、
前記地域依存情報は、各地域における緊急連絡先に関する情報を含む情報配信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の情報配信システムにおいて、
前記移動体通信端末は、前記ユーザの個人情報を記憶する第5の端末側記憶手段を更に有し、
前記端末側送信手段は、前記第1の端末側記憶手段に記憶された前記受信希望情報および最新の前記地域識別情報に加えて前記第5の端末側記憶手段に記憶された前記個人情報を含む前記情報配信要求を前記情報配信サーバに送信し、
前記サーバ側選択手段は、前記情報配信要求に含まれる前記受信希望情報と前記地域識別情報と前記個人情報とに基づいて、前記移動体通信端末に送信すべき前記配信情報を選択する情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−4486(P2007−4486A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183943(P2005−183943)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)