説明

情報閲覧装置及び管理装置並びに情報閲覧システム

【課題】個人情報を保護しつつ、任意のユーザが適切に利用することができる情報閲覧装置及び管理装置並びに情報閲覧システムの提供。
【解決手段】表示部と記憶部とを備え、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な情報閲覧装置と、複数の前記情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置と、が通信可能に接続された情報閲覧システムにおいて、前記管理装置は、予め定めたルールに従って、各々の情報閲覧装置を個人用に設定にするか共用に設定にするかを判断し、判断結果に基づいて、前記各々の情報閲覧装置に設定を指示する指示情報を送信し、各々の情報閲覧装置は、前記管理装置から前記指示情報を取得し、当該指示情報に基づいて、個人用の設定と共用の設定との切り替えを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報閲覧装置及び管理装置並びに情報閲覧システムに関し、特に、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な情報閲覧装置及び複数の情報閲覧装置を管理する管理装置並びに情報閲覧装置と管理装置とを含む情報閲覧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパー等の表示部を備えた情報閲覧装置が普及しており、例えば、会議等の資料を紙媒体として出力する代わりに、資料の電子データを情報閲覧装置に記憶して表示部に表示させるといった形態で利用されている。このような形態で利用するには、情報閲覧装置を電子データの送受信が可能な状態で保管する必要があることから、情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置を設け、管理装置と情報閲覧装置との間でデータ通信を行うようにしている。
【0003】
ここで、上記情報閲覧装置を保持する管理装置をプリンタや複合機などの画像形成装置に設置する環境では、あるユーザに対して電子データを書き込んだ情報閲覧装置を他のユーザが持ち出すことがあり、この場合には個人情報が漏洩する恐れがある。そこで、従来は、情報閲覧装置を各ユーザに割り当てると共に、ユーザIDやパスワード等によりユーザ認証を行う方法が用いられる。
【0004】
情報閲覧装置に関する技術ではないが、データの利用制限に関して、例えば、下記特許文献1には、ユーザ毎に異なる動作環境が設定可能な第1装置と無線通信を行う、一意に識別可能なID情報が設定された第2装置であって、前記第1装置の動作環境は、前記第2装置のID情報に関連づけられており、前記第1装置は、前記第2装置と通信することにより、前記ID情報を取得し、前記ID情報に基づいた動作環境を設定する装置が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、端末機を通信回線で相互に接続して構築されるネットワークを介しての通信における認証システムにおいて、登録者に関する情報を蓄積するデータベースを有する認証サーバを前記ネットワーク上に設置し、アクセス者は、前記認証サーバが発行する共通IDを取得保持するとともに、該アクセス者は、前記ネットワーク上における他の端末機にアクセスする際には、該共通IDを提示し、該共通IDを提示された前記他の端末機は、該共通IDに基づいて前記データベースに蓄積された情報を取得するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−229879号公報
【特許文献2】特開2001−244927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、個々のユーザに情報閲覧装置を割り当て、ユーザIDやパスワードでユーザ認証を行うことにより、個人情報の漏洩を防止することは可能である。しかしながら、情報閲覧装置の利用環境が変化した場合(例えば、別の会議等に利用する場合)には、情報閲覧装置の割り当てを変更しなければならず、また、予め利用する可能性のある全てのユーザに情報閲覧装置を割り当てると情報閲覧装置が多数必要になり、コストがかかる。従って、情報閲覧装置は、使用者が制限される形態と使用者が制限されない形態とで設定を切り替えられるようにすることが望まれるが、従来技術では、個人用の設定と共用の設定とを効果的に切り替えることはできなかった。
【0008】
また、情報閲覧装置を使用する場合に、表示の仕方(ページ単位で表示するか、見開き2ページを表示するかなど)、表示の向き(縦向き又は横向き)、画面の明るさ、表示倍率、特定の操作をしたときにどのような動作をするかなどの動作形態を各ユーザが設定する場合があるが、あるユーザに特化した動作形態のままで共用の設定に変更すると他のユーザの使い勝手が悪化するといった問題が生じる。従って、個人用から共用に設定を変更する場合は動作形態を元の状態に戻す必要があるが、動作形態を元の状態に戻すと、再度、個人用の設定に変更した場合には、動作形態を設定し直さなければならず、操作が煩雑になるといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、個人情報を保護しつつ、任意のユーザが適切に利用することができる情報閲覧装置及び管理装置並びに情報閲覧システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、表示部と記憶部とを備え、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な情報閲覧装置において、前記情報閲覧装置と通信可能な外部装置から受信した指示情報に基づいて、個人用の設定と共用の設定との切り替えを実行するものである。
【0011】
また、本発明は、表示部と記憶部とを備え、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な複数の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置において、予め定めたルールに従って、各々の情報閲覧装置を個人用に設定にするか共用に設定にするかを判断し、判断結果に基づいて、前記各々の情報閲覧装置に設定を指示する指示情報を送信するものである。
【0012】
また、本発明は、表示部と記憶部とを備え、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な情報閲覧装置と、複数の前記情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置と、が通信可能に接続された情報閲覧システムにおいて、前記管理装置は、予め定めたルールに従って、各々の情報閲覧装置を個人用に設定にするか共用に設定にするかを判断し、判断結果に基づいて、前記各々の情報閲覧装置に設定を指示する指示情報を送信し、各々の情報閲覧装置は、前記管理装置から前記指示情報を取得し、当該指示情報に基づいて、個人用の設定と共用の設定との切り替えを実行するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の情報閲覧装置及び管理装置並びに情報閲覧システムによれば、個人情報を保護しつつ、任意のユーザが情報閲覧装置を適切に利用することができる。
【0014】
その理由は、情報閲覧装置は、管理装置からの指示情報に従って、使用者が制限される個人用の設定と使用者が制限されない共用の設定との切り替えを実行するからである。また、特定の個人用の設定を共用の設定に変更した場合は、特定の個人に対してのみ、予め記憶された特定の個人のデータの利用可能にし、共用の設定を特定の個人用の設定に変更した場合は、予め記憶された特定の個人の設定情報に従って自装置の動作形態を変更するからである。
【0015】
また、管理装置は、予め定めたルールに従って、各々の情報閲覧装置を個人用に設定にするか共用に設定にするかを判断し、判断結果に基づいて、各々の情報閲覧装置に設定を指示する指示情報を送信するからである。また、個人用に設定され、かつ、予め定めた期間、使用されていない情報閲覧装置に対して、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信したり、個人用に設定され、かつ、使用期限までの残存期間が予め定めた期間以下の情報閲覧装置に対して、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信したり、特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合は、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置にデータを送信したりするからである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例に係る情報閲覧システムの構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係る情報閲覧システムの他の構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の初期設定動作(予め記憶された情報に従って設定する場合)を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の設定変更動作(ユーザの選択に従って設定を変更する場合)を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の設定変更動作(自動で共用の設定に変更する場合)を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の設定変更動作(自動で個人用の設定に変更する場合)を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の設定変更動作(管理装置からの指示に従って設定を変更する場合)を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の設定変更動作(管理装置が使用状況を判断する場合)を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の設定変更動作(管理装置が使用期限を判断する場合)を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置のデータ書き込み動作(IDが一致する装置に書き込む場合)を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置のデータ書き込み動作(IDが一致する装置に書き込む場合)の他の例を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の一実施例に係る管理装置の動作(共用の情報閲覧装置の台数を管理する動作)を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
背景技術で示したように、電子ペーパー等の情報閲覧装置が普及しており、個々のユーザに情報閲覧装置を割り当て、ユーザIDやパスワードでユーザ認証を行うことにより、個人情報の漏洩を防止することは可能である。しかしながら、個々のユーザに情報閲覧装置を割り当てると、情報閲覧装置の利用環境が変化した場合に割り当てを変更しなければならず、また、全てのユーザに情報閲覧装置を割り当てると情報閲覧装置が多数必要になり、コストがかかる。また、情報閲覧装置の動作形態を各ユーザが設定した場合に、その動作形態のままで共用の設定に変更すると他のユーザの使い勝手が悪化するし、個人用のから共用に設定を変更する際に動作形態を元に戻すと、再度、個人用に設定する場合に動作形態を設定し直さなければならず、操作が煩雑になる。
【0018】
そこで、本発明の一実施の形態では、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な情報閲覧装置と複数の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置とを備える情報閲覧システムにおいて、管理装置は、予め定めたルールに従って、各々の情報閲覧装置を個人用に設定にするか共用に設定にするかを判断し、判断結果に基づいて、各々の情報閲覧装置に設定を指示する指示情報を送信し、情報閲覧装置は、管理装置からの指示情報に従って、個人用の設定と共用の設定との切り替えを実行する。
【0019】
また、管理装置は、個人用に設定され、かつ、予め定めた期間、使用されていない情報閲覧装置に対して、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信したり、個人用に設定され、かつ、使用期限までの残存期間が予め定めた期間以下の情報閲覧装置に対して、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信したり、特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合は、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置にデータを送信したりする。また、情報閲覧装置は、特定の個人用の設定を共用の設定に変更した場合は、特定の個人に対してのみ、予め記憶された特定の個人のデータの利用可能にし、共用の設定を特定の個人用の設定に変更した場合は、予め記憶された特定の個人の設定情報に従って自装置の動作形態を変更する。
【0020】
このように、情報閲覧装置の設定を、時と場合に応じて個人用又は共用に切り替えることにより、個人情報を保護しつつ、任意のユーザが情報閲覧装置を適切に利用することができる。
【0021】
例えば、個人用に設定した場合には、自身が使いやすいように動作形態を設定し、その設定情報を保存することができ、また、自身のデータにいつでもアクセスすることができ、自分専用の情報閲覧装置として持ち出すことが可能になる。一方、共用に設定した場合には、特定の個人のみ自身のデータにアクセスすることができ、データをセキュアに保存することができる。また、使用されない個人用の設定の情報閲覧装置は自動的に共用の設定に変更されるため、共用に設定された情報閲覧装置の台数を確保することができる。
【実施例】
【0022】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る情報閲覧装置及び管理装置並びに情報閲覧システムについて、図1乃至図14を参照して説明する。図1及び図2は、本実施例の情報閲覧システムの構成を模式的に示す斜視図であり、図3は、情報閲覧装置の構成を示すブロック図、図4は、管理装置の構成を示すブロック図である。また、図5乃至図14は、本実施例の情報閲覧システムの動作を示すフローチャート図である。
【0023】
図1に示すように、本実施例の情報閲覧システム10は、1又は複数の情報閲覧装置20と、その情報閲覧装置20を挿抜可能に保持する管理装置30と、管理装置30に電子データを送信する処理装置(本実施例では、画像形成装置40とする。)などで構成される。
【0024】
なお、本実施例では、処理装置として画像形成装置40を例にして説明するが、処理装置は情報閲覧装置20に表示させる電子データを取り扱う装置であればよく、例えば、文書の電子データを作成するクライアントのコンピュータ装置、電子データを保存するサーバなどとしてもよい。
【0025】
また、図1では、管理装置30で1枚の情報閲覧装置20を挿抜可能に保持する構成としているが、図2に示すように、複数の情報閲覧装置20を挿抜可能に保持する構成としてもよい。以下、各装置について詳細に説明する。
【0026】
[情報閲覧装置]
情報閲覧装置20は、記憶手段を備えた装置、特に、電子ペーパーや電子ブックなどの記憶手段と表示手段とを備えた装置であり、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、表示部(電子ペーパー)23、表示コントローラ24、操作部(タッチパネル)25、通信部26、電池27、装着検出部28、データ処理部29などを備える。
【0027】
CPU21は、メモリ22から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ22は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成され、CPU21で動作する各種プログラムや、情報閲覧装置20の動作を制御するための設定情報、表示部23に表示させる電子データなどを記憶する。そして、CPU21とメモリ22とで制御部が構成される。
【0028】
上記制御部は、管理装置30からの指示情報に従って、自装置を個人用(特定の個人又はグループが使用者権限を持つ使用形態)又は共用(使用者権限のない使用形態)に設定、若しくは、個人用から共用、又は、共用から個人用に設定を変更し、必要に応じて、個人用又は共用に設定されていることを示す情報を表示部23に表示する。
【0029】
また、上記制御部は、個人用に設定した場合は、設定情報や個人用のデータなどの個人情報をメモリ22に保存すると共に個人用のデータにアクセス可能にし、共用から個人用に変更した場合はそのユーザの設定情報を読み出して情報閲覧装置20の動作形態をそのユーザ用に設定する。また、共用に設定した場合は、動作形態を元(デフォルト)に戻し、個人情報へのアクセスを制限する。なお、動作形態とは、表示の仕方(ページ単位で表示するか、見開き2ページを表示するかなど)、表示の向き(縦向き又は横向き)、画面の明るさ、表示倍率、特定の操作をしたときにどのような動作をするかなどである。
【0030】
表示部23は、透明な液体の中で浮動する微粒子を電界によって移動させて表示を行う電子ペーパー(EPD:Electrophoretic Display)や液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、管理装置30から送られた電子データに基づく画像(例えば、会議の資料)や後述する認証画面などを表示する。
【0031】
表示コントローラ24は、表示部23を駆動し、画面の表示や消去を制御する。また、必要に応じて、表示部23の所定の位置(表示部23に正対する方向から視認可能な位置)に電子データに付加されたユーザの識別情報やユーザ名などを表示させる制御を行う。
【0032】
操作部25は、ボタンやスイッチ、表示部23上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルなどである。タッチパネルでは、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号としてCPU21に出力する。
【0033】
通信部26は、管理装置30と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、管理装置30との通信を確立する。
【0034】
電池27は、管理装置30の情報閲覧装置充電部から供給される電力によって充電され、情報閲覧装置20の各部を駆動するための電力を供給する。
【0035】
装着検出部28は、管理装置30からの情報閲覧装置20の挿抜を検出する。検出の方法は特に限定されず、例えば、電池27と管理装置30の情報閲覧装置充電部35とが接続されたか否かで装着を検出したり、情報閲覧装置20に設けた電極と管理装置30に設けた電極とが電気的に接続されたか否かで装着を検出したり、情報閲覧装置20の底部に自重によってON/OFFする電気接点を設け、この電気接点のON/OFFによって装着を検出したりすることができる。
【0036】
データ処理部29は、必要に応じて、管理装置30を介して画像形成装置40から取得した暗号化されたデータを復号化したり、復号化したデータを表示に適したデータに変換したりする。
【0037】
なお、図3では、表示コントローラ24や装着検出部28、データ処理部29をハードウェアとして構成しているが、これらは、制御部(CPU21)により実行されるプログラムとして構成してもよい。
【0038】
[管理装置]
管理装置30は、情報閲覧装置20を保持する機構と、情報閲覧装置20とデータ通信を行う機能と、必要に応じて、情報閲覧装置20の電池27を充電する機能とを備えた装置であり、画像形成装置40の本体や付属品(例えば、本体と分離した給紙部や後処理部など)に固定される。
【0039】
この管理装置30は、情報閲覧装置20を挿抜可能な構造を有している。例えば、1枚の情報閲覧装置20を保持する管理装置30は、図1に示すような枠部材で形成されており、この枠部材には、情報閲覧装置20を装着した状態で情報閲覧装置20の表示部23の一部又は全部を当該表示部23に正対する方向(当該表示部23の表示面に直交する方向)から視認可能にするための開口部が設けられている。上記管理装置30の形状は図1に限定されず、例えば、情報閲覧装置20の下部のみを保持する構造としてもよいし、直方体の構造体にスロットを備えた構造としてもよい。
【0040】
また、複数の情報閲覧装置20を保持する管理装置30は、図2に示すように、直方体の構造体に複数のスロットを備えており、各々のスロットは、情報閲覧装置20を装着した状態で情報閲覧装置20の表示部23の一部又は全部が当該表示部23に正対する方向から視認可能な深さに設定されている。上記管理装置30の形状は図2に限定されず、図1と同様の枠部材を複数重ね合わせた構造としてもよいし、複数の情報閲覧装置20を斜めに保持する構造としてもよい。また、図2では、複数の情報閲覧装置20を同じ形状としたが、情報閲覧装置20の形状は異なっていてもよく、異なる形状の情報閲覧装置20を保持できるようにスロットの形状を変更できるようにしてもよい。
【0041】
また、上記管理装置30は、図4に示すように、CPU31、メモリ32、情報閲覧装置用通信部33、データ暗号化部34、情報閲覧装置充電部35、情報閲覧装置検出部36、視認可能表示エリア設定部37、画像形成装置用通信部38、電源39などを備える。
【0042】
CPU31は、メモリ32から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ32は、ROMやRAMなどで構成され、CPU31で動作する各種プログラムや、管理装置30の動作を制御するための設定情報、情報閲覧装置20に表示させる電子データ、情報閲覧装置20の使用状態とユーザと関連付けた情報などを記憶する。そして、CPU31とメモリ32とで制御部が構成される。
【0043】
上記制御部は、装填された各々の情報閲覧装置20が個人用に設定されているか共用に設定されているかを管理し、予め定められたルールに従って、各々の情報閲覧装置20の設定を変更するかを判断し、変更する場合には、その情報閲覧装置20に設定の変更を指示する指示情報を送信する。例えば、個人用に設定され、かつ、予め定めた期間、使用されていない情報閲覧装置20に対して、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信したり、個人用に設定され、かつ、使用期限までの残存期間が予め定めた期間以下の情報閲覧装置20に対して、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信したりする。
【0044】
また、上記制御部は、特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合は、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置20にデータを送信したり、特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合であって、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置20がない場合は、共用に設定された所定の情報閲覧装置20に共用から特定の個人用に設定を変更する指示情報を送信し、当該所定の情報閲覧装置20にデータを送信したりする。更に、上記制御部は、共用に設定された情報閲覧装置20の台数を管理し、その台数が予め定めた台数以下となった場合は、その旨を管理者に通知する。
【0045】
情報閲覧装置用通信部33は、1又は複数の情報閲覧装置20と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、各々の情報閲覧装置20との通信を確立する。
【0046】
データ暗号化部34は、必要に応じて、画像形成装置40から取得した電子データを暗号化する。
【0047】
情報閲覧装置充電部35は、電源39の電力を1又は複数の情報閲覧装置20の電池27に供給し、電池27を充電する。
【0048】
情報閲覧装置検出部36は、情報閲覧装置20の装着を検出すると共に、複数の情報閲覧装置20が装着された場合に、ユーザが正対する方向から視認可能な情報閲覧装置20、例えば、最前面に装着された情報閲覧装置20を特定する。情報閲覧装置20の装着や位置を検出する方法は特に限定されず、例えば、情報閲覧装置充電部35と情報閲覧装置20の電池27とが接続されたか否かで装着や位置を検出したり、管理装置30の各スロットに設けた電極と情報閲覧装置20に設けた電極とが電気的に接続されたか否かで装着や位置を検出したり、管理装置30の各スロットの底部に情報閲覧装置20の自重によってON/OFFする電気接点を設け、この電気接点のON/OFFによって装着や位置を検出したりすることができる。
【0049】
視認可能表示エリア設定部37は、管理装置30及び情報閲覧装置20の構造に基づいて、管理装置30から露出している情報閲覧装置20の表示部23の領域を設定する。例えば、図2の構造の場合は、管理装置30の枠部材で遮られない領域を設定し、図3の構造の場合は、管理装置30のスロットに隠れない領域を設定する。また、複数の情報閲覧装置20を段違いに保持する場合は、手前の情報閲覧装置越しに視認可能な領域を設定する。
【0050】
画像形成装置用通信部38は、画像形成装置40と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、画像形成装置40との通信を確立する。
【0051】
電源39は、管理装置30の各部を駆動するための電力を供給する。
【0052】
なお、図4では、データ暗号化部34や情報閲覧装置検出部36、視認可能表示エリア設定部37などをハードウェアとして構成しているが、これらは、制御部(CPU31)により実行されるプログラムとして構成してもよい。
【0053】
[画像形成装置]
処理装置の一例としての画像形成装置40は、例えば、制御部、通信部、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)、画像読取部、表示部、操作部、給紙部、印刷部、後処理部などを備える。
【0054】
制御部は、CPUとROMやRAMなどのメモリとで構成される。この制御部は、通信ネットワークで接続されたコンピュータ装置などから取得した印刷データや画像読取部で読み取った画像データなどの電子データに基づいて印刷部に印刷を実行させる。また、制御部は、予めユーザの識別情報が付加された電子データを管理装置30に送信、若しくは、電子データにユーザの識別情報を付加して管理装置30に送信する。
【0055】
通信部は、管理装置30と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、管理装置30との通信を確立する。
【0056】
ADFは、単数もしくは複数枚の原稿用紙を自動で画像読取部へ搬送する。
【0057】
画像読取部は、原稿台上の原稿用紙から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
【0058】
表示部は、液晶表示装置や有機EL表示装置等からなり、画像形成装置40を操作するための画面や情報閲覧装置20にデータを振り分ける画面等を表示する。また、操作部は、ボタンやスイッチ等からなり、各種設定や指示を行う。なお、表示部と操作部は別々の装置としても良いし、表示部上に、透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチパネル)を設けた一体の装置としてもよい。
【0059】
給紙部は、各種サイズの用紙を格納する用紙トレイで構成され、格納された用紙を印刷部へ送り出す。
【0060】
印刷部は、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成に必要な構成要素、例えば、感光体、転写ベルト、定着器、各種搬送ベルト等で構成される。そして、印刷データや画像データに基づいて、指定された用紙に画像を形成し、後処理部に送り出す。
【0061】
後処理部は、印刷部から搬送される用紙を、制御部からの指示により、パンチ・ステープル・製本などのユーザの希望するフィニッシング処理を加えて出力する。
【0062】
なお、画像形成装置40は、少なくとも、管理装置30とデータ通信を行う機能と、管理装置30を設置可能なスペースとを備えていればよく、その構成は特に限定されない。
【0063】
また、図1及び図2では、情報閲覧装置20と管理装置30と処理装置(画像形成装置40)とを合わせて情報閲覧システム10と称しているが、情報閲覧装置20と管理装置30とで情報閲覧システム10を構成してもよいし、更に、処理装置に電子データを提供する装置(例えば、画像形成装置40にPCL(Printer Control Language)やPS(Post Script)などのPDL(Page Description Language)で記述した印刷データを送信するコンピュータ装置)や、情報閲覧装置20と管理装置30や処理装置とを通信ネットワークで接続するための中継装置などを備えていてもよい。
【0064】
以下、情報閲覧装置20及び管理装置30の動作について説明する。
【0065】
まず、情報閲覧装置20の初期設定動作(予め記憶された情報に基づいて設定する場合)について、図5のフローチャート図を参照して説明する。なお、自装置を個人用とするか共用とするかは予めユーザによって設定されており、その情報は予めメモリ22に記憶されているものとする。
【0066】
ユーザが電源スイッチを入れるなどして情報閲覧装置20を起動すると(S101)、情報閲覧装置20の制御部(CPU21)は、メモリ22に記憶された情報を読み取り、その情報に基づいて、自装置が個人用であるか、共用であるかを確認する(S102)。共用の場合は、制御部(CPU21)は、自装置を共用に設定し(S103)、表示部23に共用であることを明示する表示を行う(S104)。一方、個人用の場合は、制御部(CPU21)は、自装置を個人用に設定(例えば、当該情報閲覧装置20にその個人を識別する個人IDを付与)し(S105)、メモリ22に予め記憶されている個人情報(個人のデータや装置の動作形態を規定する設定情報)を読み取って装置の動作形態を個人用に変更した後(S106)、表示部23に個人用であることを明示する表示を行う(S107)。
【0067】
次に、情報閲覧装置20の設定変更動作(ユーザの選択に従って設定を変更する場合)について、図6のフローチャート図を参照して説明する。
【0068】
情報閲覧装置20の制御部(CPU21)は、表示部23に装置設定画面を表示させ(S201)、ユーザは操作部25を操作して、情報閲覧装置20を個人用に設定するか共用に設定するかを選択する(S202)。ユーザが共用を選択した場合は、制御部(CPU21)は、個人情報を個人IDに関連付けてメモリ22に保存すると共にメモリ22の個人情報にアクセスできないように(例えば、アクセスする際にユーザ認証を行うように)した後(S203)、自装置を共用に設定し(S204)、表示部23に共用であることを明示する表示を行う(S205)。一方、ユーザが個人用を選択した場合は、自装置を個人用に設定し(S206)、メモリ22に予め記憶されている個人情報を読み取って装置の動作形態を個人用に変更した後(S207)、表示部23に個人用であることを明示する表示を行う(S208)。
【0069】
このように、予め記憶された情報やユーザの選択に従って、情報閲覧装置20を個人用又は共用に設定できるようにし、共用に設定する場合に個人情報にアクセスできないようにしたり、個人用に設定する場合にその個人に特化した動作形態に切り替えることにより、個人情報を有効に保護しつつ、情報閲覧装置20を効率的に利用できるようにすることができる。
【0070】
次に、情報閲覧装置20の設定変更動作(自動で共用に変更する場合)について、図7のフローチャート図を参照して説明する。なお、自装置を共用に設定してもよいか否かを規定する情報は予めメモリ22に記憶されているものとする。
【0071】
情報閲覧装置20の制御部(CPU21)は、自装置が現在使用されているか(例えば、閲覧するデータが書き込まれているか)を判断する(S301)。使用されていない場合は、メモリ22に記憶された情報を読み取り、その情報に従って共用に変更してもよいかを判断する(S302)。共用に設定してもよい場合は、制御部(CPU21)は、メモリ22に予め記憶されている個人情報にアクセスできないようにした後(S303)、自装置を共用に設定し(S304)、表示部23に共用であることを明示する表示を行う(S305)。
【0072】
次に、情報閲覧装置20の設定変更動作(自動で個人用に変更する場合)について、図8のフローチャート図を参照して説明する。なお、自装置を個人用に設定してもよいか否かを規定する情報は予めメモリ22に記憶されているものとする。
【0073】
情報閲覧装置20の制御部(CPU21)は、上記と同様に、自装置が現在使用されているかを判断する(S401)。使用されていない場合は、メモリ22に記憶された情報を読み取り、その情報に従って個人用に変更してもよいかを判断する(S402)。個人用に設定してもよい場合は、制御部(CPU21)は、自装置を個人用に設定し(S403)、メモリ22に予め記憶されている個人情報を読み取って装置の動作形態を個人用に変更した後(S404)、表示部23に個人用であることを明示する表示を行う(S405)。
【0074】
このように、情報閲覧装置20自身が設定を共用又は個人用に変更することにより、設定を動的に変更することができ、状況に即した形態で情報閲覧装置20を利用できるようにすることができる。
【0075】
以上、情報閲覧装置20自身が設定を変更するか否かを判断したが、管理装置30は装填されている情報閲覧装置20を管理していることから、管理装置30が設定の変更指示を行うこともできる。以下、情報閲覧装置20の設定変更動作(管理装置30からの指示情報に従って設定を変更する場合)について、図9のフローチャート図を参照して説明する。
【0076】
管理装置30の制御部(CPU31)は、処理装置(本実施例では画像形成装置40)から情報閲覧装置20の設定変更が指示されると、該当する情報閲覧装置20にその指示情報を送信する。情報閲覧装置20の制御部(CPU21)は、その指示情報を受信した場合(S501のYes)は、自装置の現在の設定が共用であるかを判断する(S502)。現在の設定が共用の場合、自装置を個人用に設定し(S503)、メモリ22に予め記憶されている個人設定を復元し(S504)、表示部23に共用であることを明示する表示を行う(S505)。一方、現在の設定が個人用の場合は、メモリ22に予め記憶されている個人情報にアクセスできないようにした後(S506)、情報閲覧装置20を共用に設定し(S507)、表示部23に共用であることを明示する表示を行う(S508)。
【0077】
このように、処理装置からの要求に応じて管理装置30が指示情報を送信し、情報閲覧装置20がその指示情報に従って設定を変更することにより、所望の情報閲覧装置20の設定を変更することができる。
【0078】
上記フローでは処理装置20(本実施例では画像形成装置40)が情報閲覧装置20の設定変更を指示したが、管理装置30自身が情報閲覧装置20の使用状況を判断して設定を変更するか否かを判断することもできる。
【0079】
まず、管理装置30が情報閲覧装置20の使用状況に基づいて設定の変更を指示する動作について、図10のフローチャート図を参照して説明する。
【0080】
管理装置30の制御部(CPU31)は、装着されている情報閲覧装置20の中から個人用に設定されている情報閲覧装置20を特定し、その情報閲覧装置20が個人用に設定されている期間、及び、その使用状況を調べ(S601)、その情報閲覧装置20が規定時間以上、使用されていないかを判断する(S602)。規定時間以上、使用されていない場合は、情報閲覧装置20に設定の変更を指示する指示情報を送信し、指示情報を受信した情報閲覧装置20の制御部(CPU21)は、メモリ22に予め記憶されている個人情報にアクセスできないようにした後(S603)、情報閲覧装置20を共用に設定し(S604)、表示部23に共用であることを明示する表示を行う(S605)。
【0081】
次に、管理装置30が情報閲覧装置20の使用期限に基づいて設定の変更を指示する動作について、図11のフローチャート図を参照して説明する。
【0082】
管理装置30の制御部(CPU31)は、装着されている情報閲覧装置20の中から個人用に設定されている情報閲覧装置20を特定し、その情報閲覧装置20の使用期限を調べ(S701)、使用期間までの残存期間が規定時間よりも短い情報閲覧装置20があるかを判断する(S702)。使用期間が規定時間よりも短い情報閲覧装置20がある場合は、その情報閲覧装置20に設定の変更を指示する指示情報を送信し、指示情報を受信した情報閲覧装置20の制御部(CPU21)は、メモリ22に予め記憶されている個人情報にアクセスできないようにした後(S703)、情報閲覧装置20を共用に設定し(S704)、表示部23に共用であることを明示する表示を行う(S705)。
【0083】
このように、管理装置30が、個人用に設定されている情報閲覧装置20の未使用期間や使用期限に基づいて設定を変更するか否かを判断することにより、使用されていない情報閲覧装置20を効率的に共用に変更することができる。
【0084】
次に、個人用又は共用に設定された情報閲覧装置20にデータを書き込む動作について説明する。
【0085】
まず、ユーザに関連付けられたデータをそのユーザ用又は共用の情報閲覧装置20に書き込む場合の動作について、図12のフローチャート図を参照して説明する。なお、個人のデータを共用の情報閲覧装置20に書き込んでよいか否かを規定する情報は予めメモリ22に記憶されているものとする。
【0086】
管理装置30の制御部(CPU31)は、処理装置(本実施例では画像形成装置40)からデータを受信し(S801)、データに付与された個人IDを取得すると共に、各情報閲覧装置20に付与された個人IDを取得する。そして個人IDを比較し、個人IDが一致する情報閲覧装置20があるかを判断する(S802)。個人IDが一致する情報閲覧装置20がある場合は、そのデータを個人IDが一致する情報閲覧装置20に書き込む(S803)。一方、個人IDが一致する情報閲覧装置20がない場合は、メモリ22に記憶された情報に基づいて、そのデータを共用の情報閲覧装置20に書き込んでよいかを判断し(S804)、書き込み可能な場合は所定の共用の情報閲覧装置20に書き込み(S805)、書き込み不能な場合は、データを書き込めない旨の表示を行う(S806)。
【0087】
次に、ユーザに関連付けられたデータをそのユーザ用又は共用の情報閲覧装置20に書き込む他の動作について、図13のフローチャート図を参照して説明する。
【0088】
管理装置30の制御部(CPU31)は、画像形成装置40からデータを受信し(S901)、データの個人IDと装着されている情報閲覧装置20の個人IDとを比較し、個人IDが一致する情報閲覧装置20があるかを判断する(S902)。個人IDが一致する情報閲覧装置20がある場合は、そのデータを個人IDが一致する情報閲覧装置20に書き込む(S903)。
【0089】
個人IDが一致する情報閲覧装置20がない場合は、共用の情報閲覧装置20があるかを判断する(S904)。共用の情報閲覧装置20がある場合は、その情報閲覧装置20を個人用に変更し(S905)、メモリ22に予め記憶されている個人用設定を復元し(S906)、その情報閲覧装置20にデータを書き込む(S907)。
【0090】
共用の情報閲覧装置20がない場合は、設定を共用に変えられる情報閲覧装置20があるかを判断する(S908)。共用に変えられる情報閲覧装置20がある場合は、メモリ22に予め記憶されている個人情報にアクセスできないようにした後(S909)、その情報閲覧装置20を個人用に変更し(S910)、メモリ22に予め記憶されている個人用設定を復元し(S911)、その情報閲覧装置20にデータを書き込む(S912)。
【0091】
このように、個人IDが付与されたデータを個人IDが一致する情報閲覧装置20に書き込むことにより、個人毎にデータをまとめることができ、情報閲覧装置20を有効に利用することができる。また、個人IDが一致する情報閲覧装置20がない場合に、共用の情報閲覧装置20に書き込んだり、個人用の情報閲覧装置20を共用の情報閲覧装置20に変更して書き込むことにより、データを確実に情報閲覧装置20に書き込むことができる。
【0092】
次に、管理装置30が共用の情報閲覧装置20の台数を管理する動作について、図14のフローチャート図を参照して説明する。
【0093】
管理装置30の制御部(CPU31)は、装着されている情報閲覧装置20の内、共用に設定されている情報閲覧装置20の台数を確認し(S1001)、所定数よりも少ないかを判断する(S1002)。そして、共用に設定されている情報閲覧装置20の台数が所定数よりも少ない場合は、管理者にその旨を伝達する(S1003)。
【0094】
このように、管理装置30が共用の情報閲覧装置20の台数を管理し、共用の情報閲覧装置20が少なくなった場合に管理者に通知することにより、共用の情報閲覧装置20の台数を確保することができる。
【0095】
なお、本発明は上記実施例の記載に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、管理装置30が処理装置(画像形成装置40)に取り付けられる構造としたが、管理装置30は処理装置と通信可能であればよく、処理装置から離れた場所に設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、電子ペーパー等の情報閲覧装置と、1又は複数の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置とを含むシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
10 情報閲覧システム
20 情報閲覧装置
21 CPU
22 メモリ
23 表示部
24 表示コントローラ
25 操作部
26 通信部
27 電池
28 装置検出部
29 データ処理部
30 管理装置
31 CPU
32 メモリ
33 情報閲覧装置用通信部
34 データ暗号化部
35 情報閲覧装置充電部
36 表示部
37 操作部
38 画像形成装置用通信部
39 電源
40 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と記憶部とを備え、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な情報閲覧装置において、
前記情報閲覧装置と通信可能な外部装置から受信した指示情報に基づいて、個人用の設定と共用の設定との切り替えを実行する、ことを特徴とする情報閲覧装置。
【請求項2】
特定の個人用の設定を共用の設定に変更した場合は、前記特定の個人に対してのみ、前記記憶部に予め記憶された前記特定の個人のデータを利用可能にする、ことを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧装置。
【請求項3】
共用の設定を特定の個人用の設定に変更した場合は、前記記憶部に予め記憶された前記特定の個人の設定情報に従って自装置の動作形態を変更する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧装置。
【請求項4】
前記表示部に、現在の設定が個人用か共用かを示す情報を表示する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報閲覧装置。
【請求項5】
表示部と記憶部とを備え、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な複数の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置において、
予め定めたルールに従って、各々の情報閲覧装置を個人用に設定にするか共用に設定にするかを判断し、判断結果に基づいて、前記各々の情報閲覧装置に設定を指示する指示情報を送信する、ことを特徴とする管理装置。
【請求項6】
個人用に設定され、かつ、予め定めた期間、使用されていない情報閲覧装置がある場合は、当該情報閲覧装置に、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信する、ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項7】
個人用に設定され、かつ、使用期限までの残存期間が予め定めた期間以下の情報閲覧装置がある場合は、当該情報閲覧装置に、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信する、ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項8】
特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合は、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置に前記データを送信する、ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項9】
特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合であって、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置がない場合は、共用に設定された所定の情報閲覧装置に、共用から前記特定の個人用に設定を変更する指示情報を送信し、前記特定の個人用に設定された前記所定の情報閲覧装置に前記データを送信する、ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項10】
表示部と記憶部とを備え、使用者が制限される個人用と使用者が制限されない共用とに設定が切り替え可能な情報閲覧装置と、複数の前記情報閲覧装置を挿抜可能に保持する管理装置と、が通信可能に接続された情報閲覧システムにおいて、
前記管理装置は、予め定めたルールに従って、各々の情報閲覧装置を個人用に設定にするか共用に設定にするかを判断し、判断結果に基づいて、前記各々の情報閲覧装置に設定を指示する指示情報を送信し、
各々の情報閲覧装置は、前記管理装置から前記指示情報を取得し、当該指示情報に基づいて、個人用の設定と共用の設定との切り替えを実行する、ことを特徴とする情報閲覧システム。
【請求項11】
前記管理装置は、個人用に設定され、かつ、予め定めた期間、使用されていない情報閲覧装置がある場合は、当該情報閲覧装置に、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信する、ことを特徴とする請求項11に記載の情報閲覧システム。
【請求項12】
前記管理装置は、個人用に設定され、かつ、使用期限までの残存期間が予め定めた期間以下の情報閲覧装置がある場合は、当該情報閲覧装置に、個人用から共用に設定に変更する指示情報を送信する、ことを特徴とする請求項11に記載の情報閲覧システム。
【請求項13】
特定の個人用の設定を共用の設定に変更した情報閲覧装置は、前記特定の個人に対してのみ、前記記憶部に予め記憶された前記特定の個人のデータを利用可能にする、ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一に記載の情報閲覧システム。
【請求項14】
共用の設定を特定の個人用の設定に変更した情報閲覧装置は、前記記憶部に予め記憶された前記特定の個人の設定情報に従って自装置の動作形態を変更する、ことを特徴とする請求項10に記載の情報閲覧システム。
【請求項15】
前記管理装置は、特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合は、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置に前記データを送信する、ことを特徴とする請求項10又は14に記載の情報閲覧システム。
【請求項16】
前記管理装置は、特定の個人に関連付けられたデータを受信した場合であって、当該特定の個人用に設定された情報閲覧装置がない場合は、共用に設定された所定の情報閲覧装置に、共用から前記特定の個人用に設定を変更する指示情報を送信し、前記特定の個人用に設定された前記所定の情報閲覧装置に前記データを送信する、ことを特徴とする請求項10又は14に記載の情報閲覧システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−237516(P2011−237516A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107193(P2010−107193)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】