説明

情報集計システム、情報集計装置および情報集計方法

【課題】評価や感想の集計を容易に行う。
【解決手段】情報集計装置100が、通信端末200,300からコンテンツを指定してアクセスされた場合、当該コンテンツに対応する所定のメッセージを通信端末200,300へ送信し、当該メッセージに対して通信端末200,300から送信されてきた音声信号に含まれる言語を認識してその言語から単語を抽出し、音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、その音声信号を送信した利用者の感情を推測し、コンテンツ情報と、抽出された単語と、推測された感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を集計する情報集計システム、情報集計装置および情報集計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、利用者に提供された商品(例えば、書籍や映画等)やサービスに対する評価や感想を集計するには、その提供後にアンケート(例えば、読者カード等)を配布・回収という形で行われる。
【0003】
また、近年では、評価や感想を得るためのアンケート内容を配布するサイトのURL(Uniform Resource Locator)が記載されたコードを、コード読み取り機能が具備された携帯端末等で読み取ってアクセスすることにより、利用者が当該アンケート内容を取得し、そのアンケート内容に対する回答を入力して返信することにより、当該サイトが利用者の評価や感想を得る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、上述したような感想を得る技術と関連する技術として、電話等の通話装置で発話した音声から、その発話した者の感情を推測する技術が開示されている(例えば、特許文献2〜5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3148489号公報
【特許文献2】特開2005−062240号公報
【特許文献3】特開2006−267464号公報
【特許文献4】特開2008−053826号公報
【特許文献5】特開2009−294647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、アンケートを用いた集計や、特許文献1に記載されたような技術を用いた集計においては、評価・感想を集計するために手間がかかってしまうという問題点がある。その理由は、現状の評価・感想を集計する仕組みは、アンケート葉書などに評価・感想を記述して郵便で送付するか、対象となるサイトにアクセスして画面から評価・感想を記述する方法が主であり、評価・感想を伝えることが面倒と感じるためである。
【0007】
また、特許文献2に記載されたような技術においては、利用者の音声から推測された当該利用者の感情に応じて、その利用者への的確な応対方法を取得するものであり、ある対象物への利用者の評価や感想を得るものではない。
【0008】
また、特許文献3に記載されたような技術においては、発話者自身を評価するものであり、ある対象物への利用者の評価や感想を得るものではない。
【0009】
また、特許文献4に記載されたような技術においては、通話しているユーザの音声データから感情状態を判別して、その感情状態と当該ユーザに関する情報とを関連付けて記憶しておくものであり、ある対象物への利用者の評価や感想を得るものではない。
【0010】
また、特許文献5に記載されたような技術においては、被験者が発話した音声信号から感情を分析して、被験者のその後の行動を予測するものであり、ある対象物への利用者の評価や感想を得るものではない。
【0011】
本発明の目的は、上述した課題を解決する情報集計システム、情報集計装置および情報集計方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の情報集計システムは、
通信端末と、該通信端末と接続された情報集計装置とから構成された情報集計システムにおいて、
前記情報集計装置は、
前記通信端末からコンテンツを指定してアクセスされた場合、該コンテンツに対応する所定のメッセージを前記通信端末へ送信する会話ボット部と、
前記メッセージに対して前記通信端末から送信されてきた音声信号に含まれる言語を認識する言語認識部と、
前記言語認識部が認識した言語から単語を抽出する単語抽出部と、
前記音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、該言語が含まれる音声信号を送信した前記通信端末を用いて発話した利用者の感情を推測する感情推測部と、
前記コンテンツを示すコンテンツ情報と、前記抽出された単語と、前記推測された感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する情報記憶部とを有し、
前記通信端末は、
前記情報集計装置から送信されてきたメッセージを出力し、該メッセージに対して、前記利用者が発話した音声を音声信号として前記情報集計装置へ送信する通話部を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の情報集計装置は、
通信端末と接続された情報集計装置であって、
前記通信端末からコンテンツを指定してアクセスされた場合、該コンテンツに対応する所定のメッセージを前記通信端末へ送信する会話ボット部と、
前記メッセージに対して前記通信端末から送信されてきた音声信号に含まれる言語を認識する言語認識部と、
前記言語認識部が認識した言語から単語を抽出する単語抽出部と、
前記音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、該言語が含まれる音声信号を送信した前記通信端末を用いて発話した利用者の感情を推測する感情推測部と、
前記コンテンツを示すコンテンツ情報と、前記抽出された単語と、前記推測された感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する情報記憶部とを有する。
【0014】
また、本発明の情報集計方法は、
通信端末を用いて発話した利用者に関する情報を情報集計装置にて集計する情報集計方法であって、
前記通信端末が、コンテンツを指定して前記情報集計装置へアクセスする処理と、
前記情報集計装置が、前記通信端末から前記アクセスされた場合、該コンテンツに対応する所定のメッセージを前記通信端末へ送信する処理と、
前記通信端末が、前記情報集計装置から送信されてきたメッセージを出力する処理と、
前記通信端末が、前記メッセージに対して、前記利用者が発話した音声を音声信号として前記情報集計装置へ送信する処理と、
前記情報集計装置が、前記通信端末から送信されてきた音声信号に含まれる言語を認識する処理と、
前記情報集計装置が、前記認識した言語から単語を抽出する処理と、
前記情報集計装置が、前記音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、該言語が含まれる音声信号を送信した前記通信端末を用いて発話した利用者の感情を推測する処理と、
前記情報集計装置が、前記コンテンツを示すコンテンツ情報と、前記抽出された単語と、前記推測された感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する処理とを行う。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明においては、評価や感想の集計を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の情報集計システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した感情推測部にあらかじめ記憶された対応付けの一例を示す図である。
【図3】図1に示した情報記憶部に記憶された集計情報の一例を示す図である。
【図4】図1に示したデータ回線および音声回線を介した情報集計装置と通信端末との間における情報集計方法を説明するためのシーケンス図である。
【図5】図1に示した通信端末の表示部に表示された集計情報の一例を示す図である。
【図6】図1に示したデータ回線を介した情報集計装置と通信端末との間における情報集計方法を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の情報集計システムの実施の一形態を示す図である。
【0019】
本形態は図1に示すように、情報集計装置100と、通信端末200,300とから構成されている。また、情報集計装置100と通信端末200とは、データ回線400および音声回線500を介して接続されている。また、情報集計装置100と通信端末300とは、データ回線400を介して接続されている。
【0020】
通信端末200は、通話機能を有する端末であり、データ回線400および音声回線500を介して情報集計装置100との間で通信を行う。通信端末200は、例えば、携帯電話機である。
【0021】
通信端末300は、IP(Internet Protocol)電話機能を有する端末であり、データ回線400を介して情報集計装置100との間で通信を行う。通信端末300は、例えば、パソコン(パーソナルコンピュータ)である。
【0022】
また、情報集計装置100には図1に示すように、会話ボット部101と、言語認識部102と、単語抽出部103と、感情推測部104と、情報記憶部105と、情報読み出し部106と、これらを制御する制御部107とが設けられている。
【0023】
会話ボット部101は、通信端末200,300からコンテンツを指定して情報集計装置100へのアクセスが行われた場合、当該コンテンツに対応する所定のメッセージを通信端末200,300へ送信する。このコンテンツとは、評価対象(対象物)となる商品やサービス等である。例えば、映画や書籍であっても良い。また、コンテンツの指定は、例えば、当該コンテンツに記載されたURLを指定したり、当該コンテンツが何であるかを識別可能なコンテンツ情報が含まれたPhoneto情報を使用したりして行われる。また、このメッセージは、コンテンツごとにあらかじめ対応付けられたものであっても良いし、すべてのコンテンツで共通のものであっても良い。また、会話ボット部101は、通信端末200,300から音声信号が送信されてきている間(利用者が回答している間)、所定のタイミングで所定の応答(例えば、相槌、会話が構成されるような簡単な応答や、他の商品購入を勧誘するメッセージ)を通信端末200,300へ送信する。このタイミングは、あらかじめ設定されているものであっても良いし、通信端末200,300から送信されてきている音声信号のタイミングや内容に基づいて、会話ボット部101または制御部107によって算出されるものであっても良い。
【0024】
言語認識部102は、会話ボット部101が送信したメッセージに対して通信端末200,300から送信されてきた(情報集計装置100に取り込まれた)音声信号に含まれる言語を認識する。この言語認識部102における音声認識は、一般的な音声認識処理を用いれば良い。
【0025】
単語抽出部103は、言語認識部102が認識した言語から単語を抽出する。ここで、単語抽出部103は、言語認識部102が認識した言語から、所定の単語のみを抽出するものであっても良い。例えば、評価や感想に使用されると思われる「感動した」、「面白かった」、「つまらない」、「くだらない」等の単語をあらかじめキーワードとして挙げておき、それらキーワードとして挙げられている単語のみを抽出するものであっても良い。このようにすることにより、例えば、言語認識部102が「本屋へ行く道が混んでいた」という言語を認識した場合、この文章を構成する単語は評価や感想に直接関わることはないため、抽出されることはない。
【0026】
感情推測部104は、通信端末200,300から送信されてきた音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、当該言語が含まれる音声信号を送信した通信端末200,300を用いて発話した利用者の感情を推測する。
【0027】
ここで、感情推測部104は、一般的な感情の推測方法を用いて、利用者の感情を推測するものであっても良い。例えば、感情推測部104は、あらかじめ設定された規則(例えば、言語の状態の統計を取った統計情報を用いたもの)に従って、利用者の感情を推測するものであっても良い。また、感情推測部104は、言語の複数の状態と、それらに対応する複数の感情情報とをあらかじめ対応付けて記憶し、当該言語の状態と対応する感情情報をその対応付けから読み出すことにより、感情を推測するものであっても良い。また、感情推測部104は、利用者ごとに感情を変化させたときの音声に含まれる言語の状態を感情ごとにあらかじめ登録しておき、登録された言語の状態と送信されてきた音声信号に含まれる言語の状態とを比較することにより、当該利用者の感情を推測するものであっても良い。また、会話ボット部101が上述したメッセージを送信した後に、あらかじめ決められた言葉(文章)を利用者に発話させて通信端末200,300から送信させ、その送信されてきた言葉の状態を基準として、その後に送信されてくる音声信号に含まれる言語の状態から感情を推測するものであっても良い。例えば、「おはようございます」という文章を利用者に発話させ、その「おはようございます」の音声の状態(音量、速さ、高さ等)を基準として、その後の言語の状態をその基準と比較することにより感情を推測するものであっても良い。
【0028】
図2は、図1に示した感情推測部104にあらかじめ記憶された対応付けの一例を示す図である。
【0029】
図1に示した感情推測部104には図2に示すように、感情を示す感情情報と、言語の状態である、通信端末200,300から送信されてくる音声信号の音量レベルと、音声の速度を示す音声ピッチと、音声の高さを示す周波数レベルとがあらかじめ対応付けられて記憶されている。
【0030】
例えば、感情情報「平常」と、音量レベル「2以上4未満」と、音声ピッチ「2以上4未満」と、周波数レベル「2以上4未満」とが対応付けられて記憶されている。これは、通信端末200,300から送信されてきた音声信号に含まれる言語の状態が、音量レベルが「2以上4未満」であり、且つ音声ピッチが「2以上4未満」であり、且つ周波数レベル「2以上4未満」である場合、その音声を発した利用者の感情は「平常」であると推測することを示している。
【0031】
また、感情情報「嬉しい」と、音量レベル「4以上」と、音声ピッチ「3以上」と、周波数レベル「4以上」とが対応付けられて記憶されている。これは、通信端末200,300から送信されてきた音声信号に含まれる言語の状態が、音量レベルが「4以上」であり、且つ音声ピッチが「3以上」であり、且つ周波数レベル「4以上」である場合、その音声を発した利用者の感情は「嬉しい」であると推測することを示している。
【0032】
また、感情情報「怒り」と、音量レベル「5以上」と、音声ピッチ「4以上」と、周波数レベル「2以上4未満」とが対応付けられて記憶されている。これは、通信端末200,300から送信されてきた音声信号に含まれる言語の状態が、音量レベルが「5以上」であり、且つ音声ピッチが「4以上」であり、且つ周波数レベル「2以上4未満」である場合、その音声を発した利用者の感情は「怒り」であると推測することを示している。
【0033】
また、感情情報「悲しい」と、音量レベル「2未満」と、音声ピッチ「3未満」と、周波数レベル「3未満」とが対応付けられて記憶されている。これは、通信端末200,300から送信されてきた音声信号に含まれる言語の状態が、音量レベルが「2未満」であり、且つ音声ピッチが「3未満」であり、且つ周波数レベル「3未満」である場合、その音声を発した利用者の感情は「悲しい」であると推測することを示している。
【0034】
また、感情情報「困惑」と、音量レベル「3未満」と、音声ピッチ「2未満」と、周波数レベル「2以上4未満」とが対応付けられて記憶されている。これは、通信端末200,300から送信されてきた音声信号に含まれる言語の状態が、音量レベルが「3未満」であり、且つ音声ピッチが「2未満」であり、且つ周波数レベル「2以上4未満」である場合、その音声を発した利用者の感情は「困惑」であると推測することを示している。
【0035】
なお、図2に示した「音量レベル」、「音声ピッチ」および「周波数レベル」を示す値として、1ケタの整数を用いたが、これは説明の便宜上、このように示したものであり、「音量レベル」、「音声ピッチ」および「周波数レベル」の実際の数値(Hz等)が記憶されているものであっても良い。また、感情情報や言語の状態として、図2に示したもの以外が記憶されているものであっても良い。
【0036】
また、図1に示した情報記憶部105は、通信端末200,300から指定されたコンテンツを示すコンテンツ情報と、単語抽出部103が抽出した単語と、感情推測部104が推測した感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する。このとき、情報記憶部105は、コンテンツごとに、単語抽出部103が抽出した単語および感情推測部104が推測した感情を示す感情情報のうち、多かったものから所定の数だけを対応付けて記憶するものであっても良い。
【0037】
図3は、図1に示した情報記憶部105に記憶された集計情報の一例を示す図である。
【0038】
図1に示した情報記憶部105には図3に示すように、コンテンツ情報と、単語と、感情情報とが対応付けられて集計情報として記憶される。図3に示した例では、単語および感情情報について、多かったものから2つだけを記憶しているが、この数は規定しない。
【0039】
例えば、コンテンツ情報「A」と、単語1「感動した」と、単語2「面白かった」と、感情情報1「嬉しい」と、感情情報2「平常」とが対応付けられて記憶されている。これは、コンテンツ「A」に関しての評価・感想として、「感動した」という回答が1番目に多く、「面白かった」という回答が2番目に多く、その回答をしている間の利用者の感情は「嬉しい」と推測されたものが1番目に多く、「平常」と推測されたものが2番目に多いことを示している。
【0040】
また、コンテンツ情報「B」と、単語1「つまらない」と、単語2「くだらない」と、感情情報1「怒り」と、感情情報2「困惑」とが対応付けられて記憶されている。これは、コンテンツ「B」に関しての評価・感想として、「つまらない」という回答が1番目に多く、「くだらない」という回答が2番目に多く、その回答をしている間の利用者の感情は「怒り」と推測されたものが1番目に多く、「困惑」と推測されたものが2番目に多いことを示している。
【0041】
また、コンテンツ情報「C」と、単語1「悲しい」と、単語2「感動した」と、感情情報1「悲しい」と、感情情報2「困惑」とが対応付けられて記憶されている。これは、コンテンツ「C」に関しての評価・感想として、「悲しい」という回答が1番目に多く、「感動した」という回答が2番目に多く、その回答をしている間の利用者の感情は「悲しい」と推測されたものが1番目に多く、「困惑」と推測されたものが2番目に多いことを示している。
【0042】
なお、情報記憶部105には、これらの情報とともに、評価・感想を送信してきた通信端末を識別するため通信端末識別情報(例えば、電話番号等)も記憶されるものであっても良い。
【0043】
また、図3には、説明の便宜上、コンテンツ情報として「A」、「B」および「C」を示したが、コンテンツの題名や、コンテンツを識別することができるコンテンツ識別情報であっても良い。
【0044】
情報読み出し部106は、情報記憶部105から集計情報を読み出し、通信端末200,300へ送信する。これにより、集計結果を利用者へフィードバックする。また、情報読み出し部106は、通信端末200,300から集計情報の取得を要求された場合に、情報記憶部105から集計情報を読み出し、通信端末200,300へ送信するものであっても良い。また、情報読み出し部106は、所定のタイミングで情報記憶部105から集計情報を読み出し、通信端末200,300へ送信するものであっても良い。また、情報読み出し部106は、通信端末200,300以外の特定の者から集計情報の取得を要求された場合、情報記憶部105から集計情報を読み出し、当該特定の者へ送信するものであっても良い。これは、例えば、コンテンツの製作会社(書籍の出版社や作者、映画の制作会社等)が、当該コンテンツの評価や感想を知りたい場合に有効である。このときは、コンテンツの制作会社の認証を行い、認証に成功した場合、当該制作会社へ送信すべき(当該制作会社が製作したコンテンツの)集計情報のみを読み出して送信する。この認証は、制作会社の識別情報や、パスワード等を用いて行っても良く、一般的な認証処理を用いれば良い。
【0045】
また、通信端末200には図1に示すように、表示部201と、通話部202とが設けられている。
【0046】
表示部201は、情報読み出し部106から送信されてきた集計情報を出力する。なお、これらの出力方法は、一般的な表示であれば良い。例えば、表示部201は、Webブラウザであっても良い。
【0047】
通話部202は、情報集計装置100から音声回線500を介して送信されてきたメッセージを音声として出力する。また、通話部202は、情報集計装置100から送信されてきたメッセージに対して、利用者が発話することにより入力された音声を音声信号として情報集計装置100へ送信する。このとき、通話部202は、音声信号を音声回線500を介して情報集計装置100へ送信する。また、通話部202は、マイクおよびスピーカから構成されてものであっても良い。
【0048】
また、通信端末300には図1に示すように、表示部301と、通話部302とが設けられている。
【0049】
表示部301は、情報読み出し部106から送信されてきた集計情報を出力する。なお、これらの出力方法は、一般的な表示であれば良い。例えば、表示部301は、Webブラウザであっても良い。
【0050】
通話部302は、情報集計装置100からデータ回線400を介して送信されてきたメッセージを音声として出力する。また、通話部302は、情報集計装置100から送信されてきたメッセージに対して、利用者が発話することにより入力された音声を音声信号として情報集計装置100へ送信する。このとき、通話部302は、音声信号をデータ回線400を介して情報集計装置100へ送信する。例えば、通話部302は、IP電話機能を具備するものであっても良い。
【0051】
なお、情報集計装置100は、音声自動応答機能であるIVR(Interactive Voice Response)を具備するものであっても良い。また、図1に示した情報集計装置100の各構成要素が、図1に示したような1つの装置内に設けられているものではなく、複数の装置にそれぞれ設けられ、それらを統合して1つのシステムを構成するものであっても良い。
【0052】
以下に、本形態における情報集計方法について説明する。
【0053】
まずは、本形態において、図1に示した情報集計装置100と通信端末200との間における情報集計方法について説明する。
【0054】
図4は、図1に示した情報集計装置100と通信端末200との間における情報集計方法を説明するためのシーケンス図である。
【0055】
まず、通信端末200で表示可能なデジタルコンテンツ(例えば書籍)に感想を入力してもらうためのURL情報やPhoneto情報をあらかじめ付加しておき、URL情報やPhoneto情報を使用して当該コンテンツが指定されると、通信端末200から情報集計装置100へのアクセスが行われる(ステップS1)。なお、URL情報やPhoneto情報には、デジタルコンテンツが何であるかを情報集計装置100が識別できる情報が含まれている。また、このアクセスは、データ回線400および音声回線500を介して行われる。
【0056】
すると、制御部107にて、アクセスしてきた利用者の電話番号や対象となるデジタルコンテンツが認識される。
【0057】
また、会話ボット部101から所定のメッセージが音声回線500を介して通信端末200へ送信される(ステップS2)。このメッセージは、あらかじめ設定されているものであり、通信端末200の利用者に当該コンテンツの評価・感想を述べてもらうことを促すガイダンスである(例えば、「感想を話してください」等)。
【0058】
会話ボット部101から音声回線500を介して送信されたメッセージが通信端末200の通話部202から出力され(ステップS3)、利用者によって当該メッセージに対して感想である音声が入力されると、入力された音声が音声信号として通話部202から音声回線500を介して情報集計装置100へ送信される(ステップS4)。
【0059】
通話部202から送信されてきた音声信号は、言語認識部102にて言語が認識され、認識された言語から単語抽出部103にて単語が抽出され、音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、利用者の感情が感情推測部104にて推測される(ステップS5)。
【0060】
また、必要に応じて、感想を話してもらっている最中に会話ボット部101から通信端末200へ相槌が返されたり、会話が構成されるように簡単な応答が返されたり、他の商品購入を勧誘するメッセージを送信したりしても良い。
【0061】
感想の入力完了後、当該コンテンツを示すコンテンツ情報と、単語抽出部103にて抽出された単語と、感情推測部104にて推測された感情を示す感情情報とが、制御部107によって、集計され、それぞれが対応付けられて、集計情報として情報記憶部105に登録(記憶)される(ステップS6)。このとき、上述した通信端末識別情報もともに登録されるものであっても良い。
【0062】
その後、所定のタイミングや、通信端末200から集計情報の取得を要求された場合、情報読み出し部106によって情報記憶部105から集計情報が読み出され(ステップS7)、通信端末200へ送信される(ステップS8)。
【0063】
情報集計装置100から送信されてきた集計情報は、通信端末200の表示部201に表示される(ステップS9)。
【0064】
図5は、図1に示した通信端末200の表示部201に表示された集計情報の一例を示す図である。ここでは、集計情報のうち、抽出された単語で最も多かったものと、推測された感情で最も多かったものとを表示する場合を例に挙げて示す。
【0065】
ステップS9にて通信端末200の表示部201には図5に示すように、「コンテンツAの評価で最も多かったのは、「感動した」です。そして、最も多かったみなさんの感情は、「嬉しい」です。」という集計情報が表示される。図5に示した集計情報は一例であり、通信端末識別情報を表示したり、2番目に多かったものを表示したりすることもできる。
【0066】
このように、情報集計装置100は通信端末200の利用者に対し、該当コンテンツに対する統計情報を会話ボット部101の音声による提供や、通信端末200の表示部201に表示可能な集計情報の提供を可能とする。
【0067】
次に、本形態において、図1に示した情報集計装置100と通信端末300との間における情報集計方法について説明する。
【0068】
図6は、図1に示した情報集計装置100と通信端末300との間における情報集計方法を説明するためのシーケンス図である。
【0069】
まず、通信端末300で表示可能なデジタルコンテンツ(例えば書籍)に感想を入力してもらうためのURL情報やPhoneto情報をあらかじめ付加しておき、URL情報やPhoneto情報を使用して当該コンテンツが指定されると、通信端末300から情報集計装置100へのアクセスが行われる(ステップS11)。なお、URL情報やPhoneto情報には、デジタルコンテンツが何であるかを情報集計装置100が識別できる情報が含まれている。また、このアクセスは、データ回線400を介して行われる。
【0070】
すると、制御部107にて、アクセスしてきた利用者の電話番号や対象となるデジタルコンテンツが認識される。
【0071】
また、会話ボット部101から所定のメッセージがデータ回線400を介して通信端末300へ送信される(ステップS12)。このメッセージは、あらかじめ設定されているものであり、通信端末300の利用者に当該コンテンツの評価・感想を述べてもらうことを促すガイダンスである(例えば、「感想を話してください」等)。
【0072】
会話ボット部101からデータ回線400を介して送信されたメッセージが通信端末300の通話部302から出力され(ステップS13)、利用者によって当該メッセージに対して感想である音声が入力されると、入力された音声が音声信号として通話部302からデータ回線400を介して情報集計装置100へ送信される(ステップS14)。
【0073】
通話部302から送信されてきた音声信号は、言語認識部102にて言語が認識され、認識された言語から単語抽出部103にて単語が抽出され、音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、利用者の感情が感情推測部104にて推測される(ステップS15)。
【0074】
また、必要に応じて、感想を話してもらっている最中に会話ボット部101から通信端末300へ相槌が返されたり、会話が構成されるように簡単な応答が返されたり、他の商品購入を勧誘するメッセージを送信したりしても良い。
【0075】
感想の入力完了後、当該コンテンツを示すコンテンツ情報と、単語抽出部103にて抽出された単語と、感情推測部104にて推測された感情を示す感情情報とが、制御部107によって、集計され、それぞれが対応付けられて、集計情報として情報記憶部105に登録(記憶)される(ステップS16)。このとき、上述した通信端末識別情報もともに登録されるものであっても良い。
【0076】
その後、所定のタイミングや、通信端末300から集計情報の取得を要求された場合、情報読み出し部106によって情報記憶部105から集計情報が読み出され(ステップS17)、通信端末300へ送信される(ステップS18)。
【0077】
情報集計装置100から送信されてきた集計情報は、通信端末300の表示部301に表示される(ステップS19)。なお、表示内容については、上述した表示部201における表示と同様である。
【0078】
上述したような本発明においては、以下の効果を得ることができる。
【0079】
第1の効果は、システム利用者の感想を容易に収集できることである。
【0080】
その理由は、システム利用者は、商品やサービス等の購入物に関する感想を口頭で話すだけでよく、キー入力は不要であるためである。
【0081】
第2の効果は、多様化した感想を集計できることである。
【0082】
その理由は、感想をあらかじめ用意した選択肢から選択するのではなく、音声で自由に話してもらう方法であるためである。
【符号の説明】
【0083】
100 情報集計装置
101 会話ボット部
102 言語認識部
103 単語抽出部
104 感情推測部
105 情報記憶部
106 情報読み出し部
107 制御部
200,300 通信端末
201,301 表示部
202,302 通話部
400 データ回線
500 音声回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と、該通信端末と接続された情報集計装置とから構成された情報集計システムにおいて、
前記情報集計装置は、
前記通信端末からコンテンツを指定してアクセスされた場合、該コンテンツに対応する所定のメッセージを前記通信端末へ送信する会話ボット部と、
前記メッセージに対して前記通信端末から送信されてきた音声信号に含まれる言語を認識する言語認識部と、
前記言語認識部が認識した言語から単語を抽出する単語抽出部と、
前記音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、該言語が含まれる音声信号を送信した前記通信端末を用いて発話した利用者の感情を推測する感情推測部と、
前記コンテンツを示すコンテンツ情報と、前記抽出された単語と、前記推測された感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する情報記憶部とを有し、
前記通信端末は、
前記情報集計装置から送信されてきたメッセージを出力し、該メッセージに対して、前記利用者が発話した音声を音声信号として前記情報集計装置へ送信する通話部を有することを特徴とする情報集計システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報集計システムにおいて、
前記情報集計装置は、
前記情報記憶部から前記集計情報を読み出し、該通信端末へ送信する情報読み出し部を有し、
前記通信端末は、
前記情報読み出し部から送信されてきた集計情報を表示する表示部を有することを特徴とする情報集計システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報集計システムにおいて、
前記感情推測部は、あらかじめ設定された規則に従って、前記感情を推測することを特徴とする情報集計システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報集計システムにおいて、
前記感情推測部は、言語の複数の状態と、それらに対応する複数の感情情報とをあらかじめ対応付けて記憶し、前記言語の状態と対応する感情情報を読み出すことにより、前記感情を推測することを特徴とする情報集計システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報集計システムにおいて、
前記会話ボット部は、前記通信端末から前記音声信号が送信されてきている間、所定のタイミングで所定の応答を前記通信端末へ送信することを特徴とする情報集計システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報集計システムにおいて、
前記情報集計装置は、音声自動応答機能を具備することを特徴とする情報集計システム。
【請求項7】
通信端末と接続された情報集計装置であって、
前記通信端末からコンテンツを指定してアクセスされた場合、該コンテンツに対応する所定のメッセージを前記通信端末へ送信する会話ボット部と、
前記メッセージに対して前記通信端末から送信されてきた音声信号に含まれる言語を認識する言語認識部と、
前記言語認識部が認識した言語から単語を抽出する単語抽出部と、
前記音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、該言語が含まれる音声信号を送信した前記通信端末を用いて発話した利用者の感情を推測する感情推測部と、
前記コンテンツを示すコンテンツ情報と、前記抽出された単語と、前記推測された感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する情報記憶部とを有する情報集計装置。
【請求項8】
通信端末を用いて発話した利用者に関する情報を情報集計装置にて集計する情報集計方法であって、
前記通信端末が、コンテンツを指定して前記情報集計装置へアクセスする処理と、
前記情報集計装置が、前記通信端末から前記アクセスされた場合、該コンテンツに対応する所定のメッセージを前記通信端末へ送信する処理と、
前記通信端末が、前記情報集計装置から送信されてきたメッセージを出力する処理と、
前記通信端末が、前記メッセージに対して、前記利用者が発話した音声を音声信号として前記情報集計装置へ送信する処理と、
前記情報集計装置が、前記通信端末から送信されてきた音声信号に含まれる言語を認識する処理と、
前記情報集計装置が、前記認識した言語から単語を抽出する処理と、
前記情報集計装置が、前記音声信号に含まれる言語の状態に基づいて、該言語が含まれる音声信号を送信した前記通信端末を用いて発話した利用者の感情を推測する処理と、
前記情報集計装置が、前記コンテンツを示すコンテンツ情報と、前記抽出された単語と、前記推測された感情を示す感情情報とを対応付けて、集計情報として記憶する処理とを行う情報集計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−8687(P2012−8687A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142463(P2010−142463)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】