説明

感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】測定機構を用いることなく、正確な感光体の寿命時期を使用者に通達することができる感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体ドラム2において、感光体ドラム2の最表層であるCTL層23が経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、該CTL層23内の少なくとも一部に紫外光領域の光を受けると有色の蛍光を発する蛍光色材の粒子25が分散されたを含む蛍光層24が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面にトナー画像が形成される感光体と該感光体を用いるプロセスカートリッジ及び電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはその少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は周知である。かかる画像形成装置において、基本的なマイナス帯電用の有機感光体ドラム(OPC)の構造は最下層からアルミ素管、UCL(アンダーコート層、Under Coat Layer)と、感光体の機能層であるCGL(電荷発生層、Carrier Generation Layer)、CTL(電荷輸送層、Carrier Transport Layer)となっている。そして、最表層にあるCTL層は画像形成が進むにつれ徐々に削られる特性を有している。
【0003】
感光体は、経時使用で最表層であるCTL層が削られると、感光体としての機能が低下してしまう。そして、感光体としての機能が低下すると、所定の画像品質を維持することができなくなったり、画像形成自体ができなくなったりし、感光体が寿命に達したことになる。このため、感光体の寿命を確実に知ることは機器を使用していくうえで、重要な要件の1つとなっている。
【0004】
そこで、特許文献1には感光体のCTL層端部を色調の異なる2層以上の層状に形成し、感光層表面がクリーニング手段や現像部との接触により削られていき、CTL層の厚みが感光体の寿命の限界に達すると、重ね合わせた下側の別の色の層が現れてくるような厚さに設定しておくことにより感光体の寿命を判定することが記載されている。しかし、CTL層は一般に無色ないし淡黄色であるので、可視光に対して実質的に透明であり、CTL層の磨耗によって、下の層が露出しても色調の変化を認識することは容易でないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2には感光体の感光層の面方向、深さ方向の任意の位置に感光層成分とは異なる小片を配置させたり、微小な凹凸を設け、感光層表面がクリーニング手段や現像部との接触により削られていき、感光層の厚みが感光体の寿命の限界に達すると、その視覚的に、その小片や凹凸形状が現れてくるような厚さに設定しておくことにより感光体の寿命を判定することが記載されている。しかし、この方法はこの小片の凹凸形状を、感光体の感光層の厚み内に狙い通りに含ませることが困難であるとともに、もし画像領域に、それらを配置させた場合には、いくら小さいとはいっても画像上に現れてしまい、画像品質面の不具合が生じるという問題があった。
【0006】
さらに、従来において有機感光体の寿命は、予め標準的な環境、使用条件にて耐久試験等を行なって感光体が寿命に到達するまでの印刷枚数や感光体の累積回転数等を求め、その結果に基いて設定されていた。しかし、感光体の寿命は画像形成装置の使用環境、使用条件に大きく依存するため、これを正確に予測することは困難である。このため、市場においては予め想定された寿命としての印刷枚数に至る前に、品質上重大な欠陥のある印刷物を出力してしまったり、十分に使用に耐えうるにもかかわらず感光体の交換が行なわれてしまったりする場合があった。 そこで、感光体の疲労状態を検出し、その検出結果に基いて感光体寿命を判定する方法が提案されている。例えば、特許文献3には有機感光体の寿命を判定する目的で、有機感光体と、該有機感光体の残留電位を検出する電位検出手段と、該有機感光体の温度を直接又は間接的に検出する温度検出手段と、該電位検出手段による検出値及び該温度検出手段による検出値に基づき該有機感光体の寿命を判定する寿命判定手段とを備える構成が開示されている。
【0007】
このように構成すると、有機感光体の寿命を検知して使用者に通達することができるが、測定による誤差及び測定機構の追加によるコストやスペースが増加するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来の事情に鑑み、測定機構を用いることなく、正確な感光体の寿命時期を使用者に通達することができる感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明は、表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体において、該感光体の最表層が経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、該最表層内の少なくとも一部に紫外光領域の光を受けると有色の蛍光を発する蛍光色材を含む蛍光層が設けられていることを特徴とする感光体を提案する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、感光体の機能を有する最表層に感光体の寿命を認識させる位置に、紫外光照射によって励起されて有色蛍光を発する蛍光層を設けることで、感光体への紫外光の照射によってその感光体の寿命を簡単かつ確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態におけるプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における負帯電特性の感光体の層を示す説明図である。
【図4】感光体の段階的の蛍光層を示す断面説明図である。
【図5】紫外光照射手段を有したプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る感光体を備えるプロセスカートリッジを示す断面図である。
【0013】
図1において、ここに示したプロセスカートリッジ1は感光体ドラム2、帯電部材、現像手段4及びクリーニング手段5を一体に結合した構成のカートリッジである。
【0014】
感光体ドラム2は、時計方向に回転駆動され、帯電部材としての帯電ローラ3は感光体ドラム2に圧接されて反時計方向に従動回転される。帯電ローラ3には、図示していない高圧電源より所定のバイアスが印加され、感光体ドラム2の表面を帯電している。
【0015】
現像装置4は、現像剤を収容する現像剤収容室40と、該現像剤収容室40の下方に設けられた現像剤供給室41とから構成されている。現像剤供給室41の下部には、現像ローラ42と、現像ローラ42に当接して設けられた層規制部材43および供給ローラ44が設けられる。現像ローラ42は感光体ドラム2に接触して配置され、図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが印加される。現像剤収容室40内には現像剤攪拌部材45が設けられている。現像剤収容室40と該現像剤供給室41との間には現像剤の供給口46が形成されており、現像剤収容室40から該現像剤供給室41へ現像剤を供給するとともに現像剤が該現像剤供給室41へ過剰に供給されるのを防止している。該現像剤収容室40内の中央部には、現像剤の凝集を防止するためのアジテータ47が回転自在に設けられ、図上において反時計回りの方向に回転している。
【0016】
供給ローラ44の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、現像剤供給室41内に運ばれてきた現像剤を効率よく付着させて取り込むとともに、現像ローラ42との当接部での圧力集中による現像剤劣化を防止している。なお、上記発泡材料は10乃至1014Ωの電気抵抗値に設定される。供給ローラ44には、現像ローラ42の電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセット電圧を供給バイアスとして印加される。この供給バイアスは、現像ローラ42との当接部で予備帯電された現像剤を現像ローラ42に押し付ける方向に作用する。ただし、供給ローラ44に印加する電圧の極性はこれに限ったものではなく、現像剤の種類によっては現像ローラと同電位もしくは極性を反転させてもよい。供給ローラ44は反時計回りの方向に回転し、表面に付着させた現像剤を現像ローラ42の表面に塗布供給する。
【0017】
現像ローラ42には、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに表面には現像剤と逆の極性に帯電し易い材料からなる表面コート層が設けられる。弾性ゴム層は、感光体ドラム2との接触状態を均一に保つ為に、JIS−Aで50度以下の硬度に設定され、さらに現像バイアスを作用させるために10乃至1010Ωの電気抵抗値に設定される。表面粗さはRaで0.2乃至2.0μmに設定され、必要量の現像剤が表面に保持される。現像ローラ42は反時計回りの方向に回転し、表面に保持した現像剤を層規制部材43および感光体ドラム2との対向位置へと搬送する。
【0018】
層規制部材43は、SUS304CSPやSUS301CSPまたはリン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ42表面に10乃至100N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧力下を通過した現像剤を薄層化するとともに摩擦帯電によって電荷を付与する。さらに層規制部材43には、摩擦帯電を補助する為に、現像ローラ42に印加した電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセットさせた電圧を規制バイアスとして印加される。
【0019】
感光体ドラム2は時計回りの方向に回転しており、従って現像ローラ42表面は感光体ドラム2との対向位置において感光体ドラム2の進行方向と同方向に移動する。該現像ローラ42上の薄層化された現像剤は、現像ローラ42の回転によって感光体ドラム2との対向位置へ搬送され、現像ローラ42に印加された現像バイアスと感光体ドラム2上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて感光体ドラム2表面に移動し、これによって感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像が現像される。
【0020】
感光体ドラム2上に現像されずに現像ローラ42上に残された現像剤が再び現像剤供給室41内へと戻る部分には、封止シール48が現像ローラ42に当接して設けられ、現像剤が現像装置外部に漏れ出ないように封止される。
【0021】
なお、プロセスカートリッジ1には粉砕法もしくは重合法により製造されたトナーが充填されている。そのトナーは、外添剤としてシリコンオイルを含有したシリカを用いることもできる。外添剤としてシリコンオイル含有シリカを用いる効果は、プロセスカートリッジ1の長寿命化やクリーニング性の向上や転写効率の向上があげられる。
【0022】
図2は、上記プロセスカートリッジを用いるカラー画像形成装置の全体外略図である。
図2において、上記構成のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1Bkは、装置本体10に装着すると、図示していないストッパーによって感光体ドラム2が無端ベルトより成る中間転写ベルト11の上部走行辺に接触する位置に固定され、そのストッパーを解除することにより各プロセスカートリッジが交換できる構成になっている。
【0023】
画像形成装置による画像形成工程について説明する。感光体ドラム2が時計回りに回転駆動されると、感光体ドラム表面は帯電部材3によって所定の極性に一様に帯電される。この帯電面に、装置本体10内の上部に配置された露光装置6から出射する光変調されたレーザ光が照射され、感光体ドラム2Yの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1及び2に示した例では帯電部材3として帯電ローラが用いられているが、コロナ放電器や帯電ブレードなどから成る帯電部材3を用いることもできる。同様に図1に示した画像形成装置においてはレーザ光を出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置6が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0024】
各プロセスカートリッジ1に形成された静電潜像は、これが現像手段4を通るとき、それぞれの色のトナー像として可視像化される。ここに示した現像手段4は一成分接触現像であり、感光体ドラム2上の静電潜像をトナー像として顕像化する。現像手段4には図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが供給される。
【0025】
一方、無端ベルトである中間転写ベルト11の内側には、その中間転写ベルト11を挟んで感光体ドラム2に対向して位置する一次転写手段としての転写ローラ7が配置されている。この転写ローラ7には、感光体ドラム2上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。これにより、感光体ドラム2と中間転写ベルト11との間に転写電界が形成され、感光体ドラム2上のトナー像が、その感光体ドラム2と同期して回転駆動される中間転写ベルト11上に静電的に転写される。
【0026】
トナー像を中間転写ベルト11に転写したあとの感光体ドラム2表面に付着する転写残トナーは、クリーニング手段5によって除去され、感光体ドラム2の表面が清掃される。
【0027】
かくして、各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1Bkの感光体ドラム2にはイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。これら各色のトナー像は、転写ローラ6により構成された転写手段によって、中間転写ベルト11上に順次重ねて静電転写される。このようにして複数の像担持体のそれぞれに形成された互いに色の異なるトナー像が中間転写ベルト11に重ねて静電転写されるこのとでフルカラー画像を形成される。形成されたフルカラー画像は、二次転写ローラ8と該中間転写ベルト11との間に所定の電圧を印加することにより転写材である用紙9に転写され、定着装置12にて用紙9の上に転写された現像剤の画像が熱と圧力により定着され出力される。二次転写ローラ8で転写されずに中間転写ベルト11上に残留した現像剤は転写ベルトクリーニング手段13に除去されて回収される。
【0028】
上記感光体ドラム2は、マイナス帯電用の有機感光体とすると、その構造は図3に示すように、最下層からアルミ素管20に、UCL層21(アンダーコート層、Under Coat Layer)と、CGL層22(電荷発生層、Carrier Generation Layer)からなる層に、機能層であるCTL層23(電荷輸送層、Carrier Transport Layer)が被覆されている。そして、最表層にあるCTL層23は画像形成が進むにつれ徐々に削られる特性を有しており、この層が殆どなくなる、もしくはある程度以上薄くなると(現行機種では10μm程度)と感光体としての機能が得られなくなる。すなわち、帯電させても感光体上に電荷が帯電しにくくまたはしなくなってしまう。
【0029】
そこで、本発明は感光体の適正な寿命を簡単、かつ、確実にユーザーに知らせるべく、次のように構成している。
最表層にあるCTL層23の中のCGL層22との界面付近等で感光体の寿命を認識させる位置にブラックライト等を使った紫外光照射で有色蛍光を発する蛍光色材の粒子25が分散された蛍光層24が設けられている。有色蛍光を発する蛍光色材の粒子25が分散された蛍光層24、CTL層23の感光体ドラムの全域もしくは任意の領域に設けられている。この有色蛍光を発する蛍光色材の粒子25は、電子写真で使われる書き込み手段から発せられる光を吸収する能力はなく、その書き込み光の波長に対してはなんら他に影響を与えず、ブラックライト等の紫外光で、励起されて有色蛍光を発するものであり、その発光色は、元々の感光体外観色が緑であれば、緑とは異なる色にする。なお、蛍光層24は感光体2の磨耗で外面に現れると、これを視認することもできる層となっている。
【0030】
蛍光層24を有する感光体の製造方法としては、ディップ方式やスプレー方式やインクジェット方式を用いることで成型させることができる。ディップ方式は、感光体を塗布液中に沈めて、引き上げることで、塗布する方式である。スプレー方式は、感光体を回転させつつ、スプレーを用いて表面に塗布する方式である。例えば、CGL層22まで通常の製造工程(ディップ方式などの既存プロセス)で製作し、感光体に電荷保持性に優れた微粒子25を分散したCTL層の塗布液(CTL塗布液A)が塗布する部分以外をマスキングした上で、CTL塗布液Aをディップ方式もしくはスプレー方式などの既存の製膜プロセスを用いて塗布する。塗布後、予備乾燥させた上で本来のCTL層23を形成する塗布液(CTL塗布液B)をディップ方式もしくはスプレー方式を用いて塗布する。CTL塗布液Aを塗布する別の方法として、インクジェットを用いて塗布する方法もある。
【0031】
このように構成される感光体ドラム2は、最表層にあるCTL層23が経時使用により削られて感光体が寿命に近づき蛍光層24が現れると、ブラックライト等を使った紫外光照射することで、蛍光色材の粒子25が有色蛍光を発するので、ユーザーは感光体の寿命もしくは寿命が近いことを知ることができる。このとき、蛍光色材の粒子25の発光色を感光体ドラム2の外観色と異なる色にすることで感光体の寿命を確実に知ることができる。なお、蛍光層24の蛍光色材の粒子25は丸、三角、帯状などのマーク、もしくは例えば、「NearEmpty」、「Empty」、「NearEnd」、「End」などのメッセージ性のある文言を発するように設けることもできる。
【0032】
かくして、CTL層23の中のCGL層22との界面付近等で感光体の寿命を認識させる位置に蛍光層24を設けたことで、感光体に紫外光を照射すると、感光体2の外観色と異なる有色蛍光を発するので、感光体の寿命を認識することができる。さらに、寿命になって蛍光色を消失した感光体を取り出して観察し、蛍光層24がなくなっていることを目でも確認することができる。
【0033】
図4は、本発明の他の実施形態を示す説明図で、本例の場合層異なる場所に蛍光層24a,24bが設けられている。蛍光層24bの下端はCGL層22に接近しているが、蛍光層24aは蛍光層24bよりも層厚方向において上方に位置されている。そして、蛍光層24aは蛍光層24bの発光色を感光体ドラム2の外観色と異なる色で、かつ、互いに異なる色に設定することにより、最表層が削られると、先に上層の蛍光層24aが露出する。これにて、ユーザーは感光体ドラム2の寿命が近いことを知ることができるので、新しいプロセスカートリッジ1または感光体ドラムを前以て準備することができる。そして、さらなる使用で蛍光層24bが露出すると膜厚が感光体の機能を維持する限界に限りなく近づいた領域になったことを知ることができる。なお、層厚方向において下部の蛍光層24bはその下端がCGL層22に接触させて設けても良い。
【0034】
ところで、上記実施形態ではプロセスカートリッジ1または感光体ドラムを機外に取り出してからブラックライト等によって紫外光を照射し、有色蛍光の発色の有無を観察して感光体2の状態を知るものであるが、これを自動的に行うようにすることもできる。
【0035】
図5に示す実地形態では、プロセスカートリッジ1内に紫外光を照射する紫外光照射手段30と、図示していないがこの紫外光を照射に有色光の有無検知するセンサとしての検知手段を設けている。なお、図中符号31は、描画用のレーザーダイオードLDである。
【0036】
このように、プロセスカートリッジ1内に紫外光照射手段30とそれによる蛍光発光の有無を検知する手段を設けることで、任意のタイミングで感光体の寿命の判断をすることができる。例えば、メインスイッチがONされた時や、印刷枚数が所定枚数達する毎等に判断をすることができる。さらに、蛍光層24は視認することができるので、例えば、蛍光色を発しなくなって感光体2が寿命に達したと判断されたプロセスカートリッジ1の取り出したとき、感光体ドラム2を直接見ることで蛍光層24がなくなっていることを確認することができる。
【0037】
なお、紫外光照射手段30とそれによる蛍光発光の有無を検知する手段はプロセスカートリッジ1内を用いない画像形成装置ではその装置本体内に設ける。また、プロセスカートリッジ1内を用いる画像形成装置であってもプロセスカートリッジ1内でなく画像形成装置本体内に設けることもできる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態のみに限定されず、各種改変することができるものである。
例えば、上記実施形態では感光体として感光体ドラムで説明したが、感光体はドラム状のものに限らずベルト状、例えばエンドレスベルトであってもよい。さらに、本発明は現像手段も一成分方式の装置に限らず、二成分方式の現像装置にも適用できる。さらにまた、本発明は現像手段が反転現像を採用する装置であっても適用することができる。
【0039】
さらに、上記実施形態ではマイナス帯電用の有機感光体で説明したが、感光体は、例えばアルミ素管上のUCL層に機能層であるCGL層とCTL層を一体化した単層である電荷発生・輸送層が設けたプラス帯電用の有機感光体にも適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体ドラム
4 現像手段
11 中間転写ベルト
23 CTL層
24 蛍光層
25 蛍光色材の粒子
30 紫外光照射手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開平5−188603号公報
【特許文献2】特開平8−44085号公報
【特許文献3】特開2010−128012号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体において、
該感光体の最表層が経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、
該最表層内の少なくとも一部に紫外光領域の光を受けると有色の蛍光を発する蛍光色材を含む蛍光層が設けられていることを特徴とする感光体。
【請求項2】
請求項1に記載の感光体において、前記蛍光色材の発光色と感光体の外観色の色相が異なることを特徴とする感光体。
【請求項3】
請求項1に記載の感光体において、前記蛍光層がメッセージ性を有した意匠を発光することを特徴とする感光体。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れかに記載の感光体において、前記最表層が無色透明であることを特徴とする感光体。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れかに記載の感光体において、前記蛍光色材が金属錯体化合物を含むことを特徴とする感光体。
【請求項6】
請求項5に記載の感光体において、前記蛍光層が2以上設けられているとともに、各蛍光層は色相及び前記最表層の層厚方向において異なる厚さ位置に配置されていることを特徴とする感光体。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れかに記載の感光体を用いるプロセスカートリッジであって、感光体に紫外線を照射する紫外線照射手段を設けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記紫外線照射手段の紫外線照射による有色蛍光の有無を検知する検知手段を設けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項1ないし6の何れかに記載の感光体を用いる画像形成装置であって、感光体を露光して静電潜像を形成するための露光手段の他に、感光体に紫外線を照射する紫外線照射手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、前記紫外線照射手段の紫外線照射による有色蛍光の有無を検知する検知手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項7または8に記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−105007(P2013−105007A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248565(P2011−248565)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】