説明

感光体カートリッジおよび画像形成装置

【課題】回転体に電力を安定供給することができる感光体カートリッジ、および、その感光体カートリッジを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
感光ドラム15と、感光ドラム15に接触されるとともに前後方向に移動するように構成され、感光ドラム15の表面をクリーニングするクリーニングローラ51とを備えるドラムカートリッジ24において、クリーニングローラ51にクリーニングバイアスを印加するためのカートリッジ側電極81を、クリーニングローラ51とともに前後方向に移動するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に装着される感光体カートリッジ、および、その感光体カートリッジを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、感光ドラムを備える感光体カートリッジと、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラを有する現像カートリッジとを備えるプロセスカートリッジを着脱可能に備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタに装着される感光体カートリッジとして、例えば、感光ドラム、感光ドラムの上側に対向配置されるスコロトロン型帯電器、感光ドラムに下方から対向接触される転写ローラ、および、感光ドラムに後側から対向接触されるクリーニングブラシを備える感光体カートリッジが知られている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
この感光体カートリッジのドラム側筺体には、本体ケーシングの給電部材に接触される電極部材が、転写ローラのローラ軸の幅方向他端面に当接するように設けられている。
【0005】
そして、転写ローラは、感光体カートリッジの筺体に遊動自在に遊嵌されており、感光ドラムと接触することによって上方への移動が規制され、給電部材の弾性力によって電極部材とともに幅方向一方へ位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−330620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の感光体カートリッジでは、転写ローラが感光体カートリッジの筺体に対して遊動自在であるのに対し、電極部材は、その係合部において、感光体カートリッジの筺体の挿入開口部の内側面に係合されている。
【0008】
そのため、感光ドラムの回転に追従して転写ローラが上下に微動すると、電極部材の当接面と、ローラ軸の軸方向端面とが擦れて、それらが摩耗する場合がある。
【0009】
電極部材の当接面や、ローラ軸の軸方向端面が摩耗すると、その分、電極部材の当接面と、ローラ軸の軸方向端面とを当接させることが困難となり、転写ローラに安定して転写バイアスを印加することが困難となる。
【0010】
本発明の目的は、回転体に電力を安定供給することができる感光体カートリッジ、および、その感光体カートリッジを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の感光体カートリッジは、感光体と、感光体の軸線方向の一端部を回転可能に保持する第1側壁と、感光体の軸線方向の他端部を回転可能に保持し、第1側壁と対向配置される第2側壁と、第1側壁と第2側壁との間に配置され、感光体に対して軸線方向と直交する直交方向から対向して感光体と接触する回転体と、第1側壁に配置され、回転体に接触して外部から入力される電力を回転体に供給するためのカートリッジ側電極とを備える。
【0012】
第1側壁は、回転体の直交方向の移動に伴なってカートリッジ側電極が直交方向に移動するように、構成されている。
【0013】
このような構成によれば、カートリッジ側電極を、回転体の直交方向への移動に追従させることができる。
【0014】
そのため、回転体が直交方向へ移動されたときに、カートリッジ側電極と回転体とが擦れることを抑制できる。
【0015】
その結果、カートリッジ側電極および回転体の摩耗を抑制して、回転体に電力を安定供給することができる。
【0016】
また、第1側壁において、カートリッジ側電極を保持するとともに、感光体を保持することができる。
【0017】
そのため、感光体を保持する部材と、カートリッジ側電極を保持する部材とを、別途設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。
(2)また、カートリッジ側電極は、回転体を回転可能に保持する回転体保持部を備えていてもよい。
【0018】
このような構成によれば、カートリッジ側電極の回転体保持部を利用して、回転体を保持することができる。
【0019】
そのため、別途、回転体を保持する部材を設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。
(3)また、第1側壁は、カートリッジ側電極を保持する電極保持部であって、第1側壁を軸線方向に貫通し、直交方向に長径な長穴形状を有する電極保持部を備えていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、カートリッジ側電極を、直交方向において遊びを持たせて、保持することができる。
【0021】
そのため、カートリッジ側電極を、直交方向への回転体の移動に確実に追従させることができる。
【0022】
その結果、回転体に、より安定して、電力を供給することができる。
(4)また、カートリッジ側電極は、第1側壁に対して軸線方向に相対的に移動するように構成されていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、カートリッジ側電極を、軸線方向への回転体の移動に確実に追従させることができる。
【0024】
そのため、回転体に、より一層安定して、電力を供給することができる。
(5)また、本発明の感光体カートリッジは、第1側壁に対して回転体と反対側に配置され、第1側壁を保持する第3側壁をさらに備えていてもよい。
【0025】
この場合、カートリッジ側電極は、第3側壁に対して回転体と反対側へ突出する突出部を有していてもよい。
【0026】
突出部は、外部からの電力が入力されるように構成されたカートリッジ接点を含んでもよい。
【0027】
このような構成によれば、突出部のカートリッジ接点に対して外部(第3側壁に対して回転体と反対側)から容易に接触することができる。
(6)また、カートリッジ側電極は、回転体の軸線を中心として非点対称の形状を有していてもよい。
【0028】
このような構成によれば、カートリッジ側電極が、回転体の軸線を中心として回転することを規制することができる。
【0029】
そのため、カートリッジ側電極に対して、外部から安定して電力を入力することができる。
(7)また、回転体は、感光体の周面を清掃するためのクリーニングローラであってもよい。
【0030】
このような構成によれば、感光体の周面をクリーニングすることができる。
(8)また、カートリッジ側電極は、導電性樹脂から形成されていてもよい。
【0031】
このような構成によれば、カートリッジ側電極を、導電性樹脂から容易に成形することができる。
(9)また、本発明の感光体カートリッジは、回転体を直交方向における感光体側に押圧するための押圧部材をさらに備えてもよい。
【0032】
このような構成によれば、押圧部材によって回転体を感光体に対して押圧して、回転体を感光体に安定して接触させることができる。
(10)また、回転体は、軸線方向に延びる回転軸と、回転軸における軸線方向の中央部を被覆する被覆部とを備えていてもよい。
【0033】
また、押圧部材は、回転軸に対して直交方向から当接する軸当接部と、直交方向において、軸当接部に対して回転軸と反対側に配置される支持部と、圧縮状態で軸当接部と支持部との間に配置される弾性部材とを備えていてもよい。
【0034】
このような構成によれば、簡易な構成で、回転体を感光体に対して押圧することができ、回転体を感光体に安定して接触させることができる。
(11)また、軸当接部は、被覆部の軸線方向端部と回転軸の軸線方向端部との間において、被覆部側に配置されていてもよい。
【0035】
このような構成によれば、より被覆部側において、軸当接部を回転軸に対して当接させることができる。
【0036】
そのため、被覆部を感光体に対して安定に押圧することができる。
(12)また、本発明の画像形成装置は、装置本体内に装着される上記の感光体カートリッジと、装置本体内に設けられ、感光体カートリッジのカートリッジ側電極に電力を供給するための本体側電極とを備える。
【0037】
このような構成によれば、上記のように、カートリッジ側電極および回転体の摩耗を抑制して、回転体に電力を安定供給することができる。
(13)また、感光体カートリッジは、第2側壁に対して回転体の反対側に配置され、第2側壁を保持する第4側壁を備えていてもよい。
【0038】
また、本体側電極は、カートリッジ側電極に対して軸線方向一端部側から弾性的に接触するように構成されていてもよい。
【0039】
また、第4側壁は、回転体を軸線方向に位置決めするための位置決め部を備えていてもよい。
【0040】
このような構成によれば、本体側電極をカートリッジ側電極に対して軸線方向一端部側から弾性的に接触させて、カートリッジ側電極と回転体とを、第4側壁の位置決め部に位置決めすることができる。
【0041】
そのため、本体側電極をカートリッジ側電極に対して確実に接触させることができながら、カートリッジ側電極と回転体とを第4側壁に対して位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の感光体カートリッジ、および、本発明の画像形成装置によれば、回転体に電力を安定供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタの側断面図である。
【図2】図2は、図1に示すドラムカートリッジの後上側から見た斜視図である。
【図3】図3は、図2に示すドラムカートリッジの右側から見た側面図である。
【図4】図4は、図3のA−A断面図である。
【図5】図5は、図4のB−B断面図である。
【図6】図6は、図2に示すドラムカートリッジの前上側から見た斜視図であって、上壁が外された状態を示す。
【図7】図7は、クリーニング軸受部材およびドラム軸受部材を説明するための説明図である。
【図8】図8は、図7に示す右軸受部材の右側から見た側面図である。
【図9】図9は、図2に示すカートリッジ側電極をであって、(a)は、右側から見た側面図を示し、(b)は、平面図を示す。
【図10】図10は、カートリッジ側電極が組み付けられた右軸受部材を示し、(a)は、右側から見た側面図を示し、(b)は、後上側から見た側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0045】
なお、以下の説明において、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平に載置した状態を基準として、図1における紙面左側を前側とし、図1における紙面右側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
【0046】
プリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2内において、用紙Sを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Sに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス形状に形成されている。本体ケーシング2の上端部には、各プロセスカートリッジ11(後述)を着脱するための本体開口部5が形成されている。また、本体ケーシング2の上端部には、本体開口部5を開閉するトップカバー6が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Sを収容する給紙トレイ7を備えている。給紙トレイ7は、本体ケーシング2の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ7の前端部上側には、ピックアップローラ8と、1対の給紙ローラ9とが設けられている。また、両給紙ローラ9の上側には、1対のレジストローラ10が設けられている。
【0047】
給紙トレイ7に収容されている用紙Sは、ピックアップローラ8、両給紙ローラ9の回転により、両レジストローラ10間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム15(後述)と搬送ベルト19(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、各色に対応するプロセスカートリッジ11、LEDユニット12、転写ユニット13および定着ユニット14を備えている。
(3−1)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ11は、本体ケーシング2に対して着脱可能であり、給紙部3の上側において、互いに前後方向(直交方向)に沿って間隔を隔てて並列配置されている。また、各プロセスカートリッジ11は、感光体カートリッジの一例としてのドラムカートリッジ24と、ドラムカートリッジ24に着脱可能に装着される現像カートリッジ25とを備えている。
【0048】
ドラムカートリッジ24は、感光体の一例としての感光ドラム15およびスコロトロン型帯電器26を備えている。
【0049】
感光ドラム15は、左右方向(軸線方向)に長手の円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ24に回転可能に設けられている。
【0050】
スコロトロン型帯電器26は、感光ドラム15の後側に間隔を隔てて対向配置されている。
【0051】
現像カートリッジ25は、現像ローラ16を備えている。
【0052】
現像ローラ16は、現像カートリッジ25の後端部において後側から露出されるように設けられ、感光ドラム15に対して前上側から接触されている。
【0053】
また、現像カートリッジ25は、現像ローラ16にトナーを供給する供給ローラ27、現像ローラ16に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード28を備え、それらの上側において、トナーを収容している。
(3−2)LEDユニット
各LEDユニット12は、対応するプロセスカートリッジ11の後上側において、対応する感光ドラム15に上側から対向するように設けられている。各LEDユニット12は、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム15の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット13は、給紙部3の上側であって、各プロセスカートリッジ11の下側に、前後方向に沿って配置されている。
【0054】
転写ユニット13は、互いに前後方向に間隔を隔てて対向配置される駆動ローラ17および従動ローラ18と、各感光ドラム15に対して下側から対向され、その上側部分が各感光ドラム15と接触するように、駆動ローラ17および従動ローラ18の周りに掛け渡される搬送ベルト19とを備えている。
【0055】
搬送ベルト19は、駆動ローラ17の駆動により、各感光ドラム15と接触する上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0056】
なお、転写ユニット13は、搬送ベルト19の上側部分を挟んで各感光ドラム15に対向する4つの転写ローラ20を備えている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット14は、転写ユニット13の後側に配置され、加熱ローラ21、および、加熱ローラ21に圧接される加圧ローラ22を備えている。
(4)画像形成動作
現像カートリッジ25内のトナーは、供給ローラ27に供給され、さらに、現像ローラ16に供給され、供給ローラ27と現像ローラ16との間で正極性に摩擦帯電される。
【0057】
現像ローラ16に供給されたトナーは、現像ローラ16の回転に伴って、層厚規制ブレード28によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ16の表面に担持される。
【0058】
一方、各感光ドラム15の表面は、スコロトロン型帯電器26によって一様に帯電された後、LEDユニット12によって露光される。これにより、各感光ドラム15の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ16に担持されるトナーが各感光ドラム15の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム15の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0059】
そして、給紙部3から給紙された用紙Sは、搬送ベルト19によって、前側から後側に向かって搬送される。用紙Sには、各感光ドラム15と各転写ローラ20との間(転写位置)を通過するときに各色のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。
【0060】
そして、転写ユニット13において用紙Sに転写されたカラー画像は、用紙Sが加熱ローラ21と加圧ローラ22との間を通過するときに、加熱および加圧されることによって用紙Sに熱定着される。
【0061】
その後、用紙Sは、前上側へUターンするように搬送されて、トップカバー6に設けられる排紙トレイ23に排紙される。
2.ドラムカートリッジ
(1)ドラムフレーム
ドラムカートリッジ24は、図2および図3に示すように、略矩形有底枠形状に形成されるドラムフレーム31を備えている。
【0062】
ドラムフレーム31は、左右1対の側壁32、両側壁32の前端部間に架設される前壁33、両側壁32の後端部間の上方に架設される上壁34、および、両側壁32の下端部間に架設される下壁35を備えている。右側の側壁32は、第3側壁として機能し、左側の側壁32は、第4側壁として機能する。
【0063】
両側壁32は、前後方向(詳しくは、前上側と後下側とを結ぶ方向)に延びる側面視略矩形状に形成されている。両側壁32には、ドラム軸受部材62(後述)を支持するドラム軸受支持穴39が形成されている。また、右側の側壁32には、カートリッジ側電極81(後述)を保持する電極露出穴40が形成されている。
【0064】
ドラム軸受支持穴39は、側壁32の後端部において、側面視略円形状に貫通形成されている。ドラム軸受支持穴39は、左軸受部材62L(後述)のカラー部76(後述)、または、右軸受部材62R(後述)のカラー部69(後述)を受け入れ可能に、左軸受部材62L(後述)のカラー部76、および、右軸受部材62R(後述)のカラー部69(後述)の外径よりも大径に形成されている。
【0065】
電極露出穴40は、右側の側壁32の後端部において、ドラム軸受支持穴39の後側に配置され、前後方向に長手の側面視略長穴形状に形成されている。電極露出穴40の上下方向長さは、カートリッジ側電極81(後述)の突出部83(後述)の上下方向長さとほぼ同じ長さ(わずかに長い)に設定されている。また、電極露出穴40の前後方向長さは、カートリッジ側電極81(後述)の前後方向における移動を許容するように、カートリッジ側電極81(後述)の突出部83(後述)の前後方向長さよりも長く設定されている。
【0066】
前壁33は、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。
【0067】
上壁34は、左右方向に延びる略平板形状に形成され、感光ドラム15を上側から被覆するように設けられている。また、上壁34には、スコロトロン型帯電器26が支持されている。
【0068】
下壁35は、前壁33の下端部に連続して後側へ延び、上側へ向かって開放される側面視略U字の平板形状に形成されている。なお、下壁35の後端部には、感光ドラム15を下側へ露出するように、左右方向に長手のドラム露出開口38(図1参照)が貫通形成されている。
【0069】
また、下壁35は、図4および図6に示すように、押圧部材41(後述)を収容する押圧部材収容部42を備えている。
【0070】
押圧部材収容部42は、下壁35の後端部の左右両端部において、クリーニングローラ51(後述)のローラ本体57(後述)の左右方向外側近傍に1つずつ配置され、前後方向に延びる略矩形枠形状に形成されている。また、各押圧部材収容部42の後端部には、押圧部材41(後述)の後端部が嵌合される嵌合溝47が形成されている。
【0071】
嵌合溝47は、押圧部材収容部42の後壁の左右方向略中央において、前後方向に貫通形成されている。
【0072】
そして、図2に示すように、ドラムフレーム31において、下壁35の後側半分と、その下壁35の後側半分に対応する両側壁32および上壁34とによって、感光ドラム15を収容するドラム収容部36が区画されている。
【0073】
また、ドラムフレーム31において、下壁35の前側半分と、その下壁35の前側半分に対応する両側壁32および前壁33と、上壁34の前端縁とによって、現像カートリッジ25を装着するための現像カートリッジ装着部37が区画されている。
(2)感光ドラムおよびクリーニングローラ
ドラム収容部36内には、図4および図6に示すように、感光ドラム15と、回転体の一例としてのクリーニングローラ51とが収容されている。
【0074】
感光ドラム15は、素管52と、素管52の左右両端部に設けられるフランジ部材53とを備えている。
【0075】
素管52は、金属からなり、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。素管52の外周面には、感光層が被覆されている。
【0076】
両フランジ部材53は、樹脂からなり、素管52内に相対回転不能に挿入される素管嵌合部54と、ドラム軸受部材62(後述)を介して、ドラム軸受支持穴39に相対回転可能に支持される軸受嵌合部55とを一体的に備えている。
【0077】
軸受嵌合部55は、素管嵌合部54の中央部分から左右方向外方へ突出する略円柱形状に形成されている。
【0078】
また、左側のフランジ部材53の軸受嵌合部55には、その左端部の周縁部において、本体ケーシング2内のカップリング雄部材(図示せず)の嵌合突起(図示せず)が嵌合される4つのカップリング嵌合溝50が、周方向に互いに約90°の間隔を隔てて形成されている。また、左側のフランジ部材53の軸受嵌合部55には、その右端部において、伝達ギヤ58が相対回転不能に設けられている。
【0079】
クリーニングローラ51は、感光ドラム15の後側から対向接触されている。また、クリーニングローラ51は、回転軸の一例としてのローラ軸56と、ローラ軸56を被覆するように設けられる被覆部の一例としてのローラ本体57とを備えている。
【0080】
ローラ軸56は、左右方向に延びる略円柱形状に金属から形成されている。ローラ軸56の左端部には、左側のフランジ部材53の伝達ギヤ58と噛み合うクリーニングローラ駆動ギヤ59が相対回転不能に設けられている。
【0081】
ローラ本体57は、スポンジからなり、ローラ軸56の左右方向中央部分を被覆し、ローラ軸56の左右両端部を露出する略円筒形状に形成されている。
(3)押圧部材
ドラムカートリッジ24は、図4、図5および図6に示すように、各押圧部材収容部42内において、クリーニングローラ51を感光ドラム15に向かって押圧する押圧部材41を備えている。
【0082】
各押圧部材41は、前後方向に延びる断面視略矩形の平板形状に形成されている。各押圧部材41には、ばね支持穴45が形成されている。また、押圧部材41は、軸当接部44を備えている。
【0083】
ばね支持穴45は、押圧部材41の上下方向略中央において、前後方向に延びる側面視略矩形状に貫通形成されている。ばね支持穴45内には、2つのばね支持ボス46が設けられている。
【0084】
各ばね支持ボス46は、ばね支持穴45の前後の内周面からばね支持穴45内に向かって突出する略円柱形状に形成されている。詳しくは、前側のばね支持ボス46は、ばね支持穴45の前側内周面から後側に向かって突出し、後側のばね支持ボス46は、ばね支持穴45の後側内周面から前側に向かって突出している。
【0085】
そして、ばね支持穴45内には、弾性部材の一例としての圧縮ばね43が、その前後両端部においてそれぞればね支持ボス46に遊嵌されるように、支持されている。すなわち、押圧部材41の後端部は、軸当接部44の後側に対向配置される支持部として機能する。なお、圧縮ばね43の左右方向両端部は、ばね支持穴45から左右方向両側へ膨出されている(図4参照)。
【0086】
軸当接部44は、押圧部材41の前端部に設けられ、左右方向に延び、その前端部が開放された側面視略C字形状に形成されている。軸当接部44の内径は、クリーニングローラ51のローラ軸56の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0087】
そして、図4および図6に示すように、押圧部材41は、その後端部が嵌合溝47に遊嵌されるように、押圧部材収容部42内に収容されている。
【0088】
また、圧縮ばね43の後端部は、その左右方向両端部において、嵌合溝47の周縁部に前側から当接されている。
【0089】
これにより、圧縮ばね43は、押圧部材収容部42の後壁と軸当接部44との間において、圧縮状態で配置されている。また、押圧部材41は、常には、圧縮ばね43の付勢力により前側へ付勢されている。
(4)クリーニング軸受部材およびドラム軸受部材
ドラム収容部36内には、クリーニングローラ51のローラ軸56の左端部を軸受するクリーニング軸受部材61と、感光ドラム15の各フランジ部材53を軸受する左右1対のドラム軸受部材62とを備えている。
(4−1)クリーニング軸受部材
クリーニング軸受部材61は、図7に示すように、後端部が幅狭となる側面視略雫形状の平板形状に形成されている。クリーニング軸受部材61は、クリーニング軸受部63と、係止ボス79とを備えている。また、クリーニング軸受部材61には、フランジ挿通穴64が形成されている。
【0090】
クリーニング軸受部63は、クリーニング軸受部材61の後端部において、クリーニング軸受部材61を左右方向に貫通し、クリーニング軸受部材61の左面から左側へ突出する略円筒形状に形成されている。クリーニング軸受部63の内径は、ローラ軸56の外径と略同径に形成されている。
【0091】
係止ボス79は、クリーニング軸受部63の前側に配置され、クリーニング軸受部材61の左面から左側へ突出する略角柱形状に形成されている。
【0092】
フランジ挿通穴64は、クリーニング軸受部材61の前端部において、係止ボス79の前側に配置され、前後方向に長手の側面視長穴形状に貫通形成されている。フランジ挿通穴64の内径は、軸受嵌合部55の外径よりも大径に形成されている。
(4−2)ドラム軸受部材
(4−2−1)左軸受部材
左側のドラム軸受部材62(第2側壁の一例、以下、左軸受部材62Lとする。)は、中央部が円形状に膨出する前後方向(詳しくは、前上側と後下側とを結ぶ方向)に延びる略平板形状に形成されており、フランジ支持部73と、クリーニング軸受支持部74とを一体的に備えている。
【0093】
フランジ支持部73は、左軸受部材62Lの前後方向略中央に設けられている。フランジ支持部73には、フランジ支持穴75が形成されている。また、フランジ支持部73は、カラー部76を備えている。
【0094】
フランジ支持穴75は、左軸受部材62Lの前後方向略中央において、側面視略円形状に貫通形成されている。フランジ支持穴75の直径は、軸受嵌合部55の外径と略同径(わずかに大径)に設定されている。
【0095】
カラー部76は、左軸受部材62Lの左面において、フランジ支持穴75の周縁部から左側へ突出する略円筒形状に形成されている。
【0096】
クリーニング軸受支持部74は、フランジ支持部73の後側に設けられている。クリーニング軸受支持部74には、クリーニング軸受支持穴77と、軸受係止溝78とが形成されている。
【0097】
クリーニング軸受支持穴77は、前後方向に長手の側面視略長穴形状に形成されている。クリーニング軸受支持穴77の上下方向長さは、クリーニング軸受部63の外径と略同じ長さ(わずかに長い)に設定されている。クリーニング軸受支持穴77の前後方向長さは、クリーニング軸受部63の外径よりも長く設定されている。
【0098】
軸受係止溝78は、クリーニング軸受支持穴77の前端部の上下方向略中央に連続して、後側が開放された側面視略U字形状に形成されている。軸受係止溝78の溝幅(上下方向長さ)は、クリーニング軸受部材61の係止ボス79の上下方向長さと略同じ長さ(わずかに長い)に設定されている。
(4−2−2)右軸受部材
軸受部材の一例としての右側のドラム軸受部材62(第1側壁の一例、以下、右軸受部材62Rとする。)は、図7および図8に示すように、中央部が円形状に膨出する前後方向(詳しくは、前上側と後下側とを結ぶ方向)に延びる略平板形状に形成されており、軸受部の一例としてのフランジ支持部65と、電極支持部67とを一体的に備えている。
【0099】
フランジ支持部65は、右軸受部材62Rの前後方向略中央に設けられている。フランジ支持部65には、フランジ支持穴66が形成されている。また、フランジ支持部65は、カラー部69を備えている。
【0100】
フランジ支持穴66は、右軸受部材62Rの前後方向略中央において、側面視略円形状に形成されている。フランジ支持穴66の直径は、軸受嵌合部55の外径と略同径(わずかに大径)に設定されている。
【0101】
カラー部69は、右軸受部材62Rの右面において、フランジ支持穴66の周縁部から右側へ突出するように、右端部が閉鎖された略円筒形状に形成されている。カラー部69の右壁には、カラー部69と中心軸線を共有するように、左右方向に延びるシャフト68が相対回転不能に支持されている。
【0102】
電極支持部67は、フランジ支持部65の後側に設けられている。電極支持部67には、電極保持部の一例としての電極支持穴70と、電極係止溝72とが形成されている。また、電極支持部67は、電極支持筒71を備えている。
【0103】
電極支持穴70は、前後方向に長手の側面視略長穴形状に形成されている。電極支持穴70の上下方向長さは、カートリッジ側電極81(後述)のクリーニング軸保持部82(後述)の外径と略同じ長さ(わずかに長い)に設定されている。電極支持穴70の前後方向長さは、カートリッジ側電極81(後述)のクリーニング軸保持部82(後述)の外径よりも長く設定されている。
【0104】
電極係止溝72は、電極支持穴70の後端部の上下方向略中央に連続して、後側が開放された側面視略U字形状に形成されている。電極係止溝72の溝幅(上下方向長さ)は、カートリッジ側電極81(後述)の係止突起86(後述)の上下方向長さと略同じ長さ(わずかに長い)に設定されている。
【0105】
電極支持筒71は、右軸受部材62Rの左面において、電極支持穴70の周縁部から左側へ突出する略筒形状に形成されている。
(5)カートリッジ側電極
ドラムカートリッジ24は、図2に示すように、クリーニングローラ51のローラ軸56に電気的に接続されるカートリッジ側電極81を備えている。
【0106】
カートリッジ側電極81は、図9に示すように、導電性樹脂(例えば、ポリアセタール(POM)樹脂)からなり、回転体保持部の一例としてのクリーニング軸保持部82と、突出部83と、接触部87(図4参照)とを一体的に備えている。
【0107】
クリーニング軸保持部82は、右端部が閉鎖され、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。クリーニング軸保持部82は、係止爪84と係止突起86とを備えている。
【0108】
係止爪84は、クリーニング軸保持部82の左端部の後上側端部に配置され、左側へ突出し、その左端部において後上側へ屈曲される略鉤形状に形成されている。詳しくは、係止爪84は、クリーニング軸保持部82の周方向に間隔を隔てるように、クリーニング軸保持部82の左端縁から右側へ向かって切り欠かれる1対の切り込み85の間に設けられている。
【0109】
係止突起86は、クリーニング軸保持部82の右側前端縁から前側へ突出する略角柱形状に形成されている。つまり、カートリッジ側電極81は、クリーニングローラ51の中心軸線Aを中心として非点対称の形状を有している。
【0110】
突出部83は、クリーニング軸保持部82の右端部の下側半分に連続して、左右方向に延び、右端部が閉鎖された略角筒形状に形成されている。また、突出部83の下端部は、左右方向に投影したときに、その前後両端部において、クリーニング軸保持部82の投影面から膨出している。
【0111】
接触部87は、突出部83およびクリーニング軸保持部82内において、突出部83およびクリーニング軸保持部82の右壁の内面(左面)から左側へ向かって延びる略柱形状に形成されている(図4参照)。
【0112】
そして、カートリッジ側電極81は、図10に示すように、クリーニング軸保持部82において、ドラム軸受部材62の電極支持穴70内に遊びを有して保持され、電極支持穴70の前後方向長さの分、前後方向に移動可能である。
【0113】
このとき、カートリッジ側電極81の係止突起86は、ドラム軸受部材62の電極係止溝72に遊嵌されている(図10(a)参照)。
【0114】
また、カートリッジ側電極81の係止爪84の左端部は、ドラム軸受部材62の電極支持筒71の左端部よりも左側に配置されている(図10(b)参照)。なお、係止爪84の左端部(後上側へ屈曲された部分)は、右軸受部材62Rの電極支持筒71の左端部に対して左右方向にわずかに間隔を隔てて対向されている。
【0115】
また、突出部83は、電極支持部67の右面よりも右側に配置されている。なお、突出部83の下端部(クリーニング軸保持部82の左右方向投影面から膨出している部分)は、電極支持部67の右面に対して左右方向にわずかに間隔を隔てて対向されている(図10(b)参照)。
【0116】
これにより、カートリッジ側電極81は、係止爪84の左端部(後上側へ屈曲された部分)と、右軸受部材62Rの電極支持部67との間隔、および、突出部83の下端部(クリーニング軸保持部82の左右方向投影面から膨出している部分)と、右軸受部材62Rの電極支持部67との間隔の分、左右方向に移動可能である。
(6)感光ドラムおよびクリーニングローラの組み付けに関する構成
クリーニング軸受部材61は、図7に示すように、クリーニング軸受部63において、クリーニングローラ51のローラ軸56の左端部に対して相対回転可能に嵌合(ローラ軸56の径方向外側から嵌合)されている。また、クリーニング軸受部材61のフランジ挿通穴64には、感光ドラム15の左側のフランジ部材53の軸受嵌合部55が遊動自在に挿通されている。
【0117】
また、図4および図7に示すように、左軸受部材62Lのフランジ支持穴75およびカラー部76内には、左側のフランジ部材53の軸受嵌合部55が相対回転可能に嵌合されている。
【0118】
また、左軸受部材62Lのクリーニング軸受支持穴77内には、クリーニング軸受部材61のクリーニング軸受部63が遊嵌されている。また、左軸受部材62Lの軸受係止溝78内には、クリーニング軸受部材61の係止ボス79が遊嵌されている。
【0119】
これにより、クリーニングローラ51のローラ軸56の左端部は、クリーニング軸受部63がクリーニング軸受支持穴77内を前後方向に移動可能な分、クリーニング軸受部材61とともに前後方向に移動可能である。
【0120】
また、右軸受部材62Rのフランジ支持穴66およびカラー部69内には、右側のフランジ部材53の軸受嵌合部55が相対回転可能に嵌合されている。
【0121】
また、カートリッジ側電極81のクリーニング軸保持部82は、クリーニングローラ51のローラ軸56の右端部に対して相対回転可能に嵌合(ローラ軸56の径方向外側から嵌合)されている。カートリッジ側電極81の接触部87は、ローラ軸56の右端縁に右側から接触されている。
【0122】
これにより、クリーニングローラ51のローラ軸56の右端部は、カートリッジ側電極81のクリーニング軸保持部82が電極支持穴70内を前後方向に移動可能な分、カートリッジ側電極81とともに前後方向に移動可能となっている。すなわち、カートリッジ側電極81は、クリーニングローラ51の前後方向の移動に伴なって、前後方向に移動可能であり、これにより、クリーニングローラ51は、前後方向に移動可能である。
【0123】
そして、感光ドラム15およびクリーニングローラ51を支持する両ドラム軸受部材62は、カラー部69またはカラー部76がドラム軸受支持穴39内に嵌合されるように、ドラムフレーム31に支持されている。
【0124】
このとき、カートリッジ側電極81の突出部83は、図2および図4に示すように、ドラムフレーム31の電極露出穴40から、わずかに右側へ膨出するように、露出されている。
【0125】
そして、クリーニングローラ51のローラ軸56には、押圧部材41の軸当接部44が、後側から当接されるように、ローラ軸56の径方向外側から相対回転可能に当接されている。このとき、軸当接部44は、ローラ本体57の左右方向端部とローラ軸56の左右方向端部との間において、ローラ本体57側に配置されている。
【0126】
これにより、クリーニングローラ51は、押圧部材41によって、常には、感光ドラム15へ向かって前側へ押圧され、感光ドラム15に対して後側から弾性的に接触されている。
3.本体側電極
図2に示すように、本体ケーシング2内には、プロセスカートリッジ11の右側近傍において、本体側電極91を備えている。
【0127】
本体側電極91は、金属などの導電性と弾性とを有する材料から、左右方向に延びる螺旋形状に形成されている。また、本体側電極91の左端部には略円環形状の接点部92が設けられている。本体側電極91は、本体ケーシング2内の電源(図示せず)に電気的に接続されている。
4.クリーニングローラの位置決め
プロセスカートリッジ11が本体ケーシング2に装着されると、図2および図4に示すように、プロセスカートリッジ11のカートリッジ側電極81の突出部83の右面が、本体ケーシング2内において本体側電極91の接点部92に、左側から当接される。すなわち、カートリッジ側電極81の突出部83の右面は、カートリッジ接点を含んでいる。
【0128】
すると、本体側電極91の弾性によって、カートリッジ側電極81が左側へ押圧され、クリーニングローラ51がカートリッジ側電極81とともに左側へ移動される。
【0129】
すると、クリーニングローラ51のローラ軸56の左端部は、クリーニング軸受部材61および左軸受部材62Lを介して、ドラムフレーム31の左側の側壁32の内面(右面)に押し付けられる。
【0130】
これにより、クリーニングローラ51が左右方向において位置決めされる。すなわち、ドラムフレーム31の左側の側壁32の後端部は、位置決め部として機能する。
5.クリーニング動作
プロセスカートリッジ11が本体ケーシング2に装着されると、本体ケーシング2内のカップリング部材(図示せず)の嵌合突起(図示せず)が、左側のフランジ部材53の各カップリング嵌合溝50に嵌合される。これにより、本体ケーシング2内の駆動源(図示せず)からの駆動力が、カップリング部材(図示せず)を介して、感光ドラム15に入力される。
【0131】
すると、感光ドラム15がその中心軸線を中心に回転されるとともに、伝達ギヤ58を介して、クリーニングローラ駆動ギヤ59に駆動力が伝達される。
【0132】
すると、クリーニングローラ駆動ギヤ59からローラ軸56に駆動力が伝達され、クリーニングローラ51が、ローラ軸56の中心軸線A(軸線)を中心に回転される。
【0133】
このとき、クリーニングローラ51は、感光ドラム15の回転に追従して、前後方向に弾性的にわずかに移動される。
【0134】
そして、本体ケーシング2内の電源(図示せず)から本体側電極91を介してカートリッジ側電極81にクリーニングバイアスが入力されると、感光ドラム15の周面に付着したトナーや紙粉などの付着物が、クリーニングローラ51に転写される。
【0135】
これにより、感光ドラム15の周面がクリーニングされる。
6.作用効果
(1)このプリンタ1およびドラムカートリッジ24によれば、図4に示すように、クリーニングローラ51は、感光ドラム15に接触するとともに前後方向に移動可能である。
【0136】
また、カートリッジ側電極81は、クリーニングローラ51とともに前後方向に移動可能である。
【0137】
そのため、カートリッジ側電極81を、クリーニングローラ51の前後方向への移動に追従させることができる。
【0138】
これにより、クリーニングローラ51が前後方向へ移動されたときに、カートリッジ側電極81とクリーニングローラ51とが擦れることを抑制できる。
【0139】
その結果、カートリッジ側電極81およびクリーニングローラ51の摩耗を抑制して、クリーニングローラ51に電力を安定供給することができる。
【0140】
また、このドラムカートリッジ24によれば、図8に示すように、右軸受部材62Rにおいて、カートリッジ側電極81を保持するとともに、感光ドラム15の右側のフランジ部材53を支持することができる。
【0141】
そのため、感光ドラム15を支持する部材と、カートリッジ側電極81を保持する部材とを、別途設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。
(2)また、このドラムカートリッジ24によれば、図4に示すように、カートリッジ側電極81のクリーニング軸保持部82を利用して、クリーニングローラ51を保持することができる。
【0142】
そのため、別途、クリーニングローラ51を保持する部材を設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。
(3)また、このドラムカートリッジ24によれば、図8に示すように、電極支持穴70は、前後方向に長径な長穴形状に形成されている。
【0143】
そのため、カートリッジ側電極81を、前後方向において遊びを持たせて、保持することができる。
【0144】
これにより、カートリッジ側電極81を、前後方向へのクリーニングローラ51の移動に確実に追従させることができる。
【0145】
その結果、クリーニングローラ51に、より安定して、電力を供給することができる。
(4)また、このドラムカートリッジ24によれば、図10(b)に示すように、カートリッジ側電極81は、右軸受部材62Rに対して左右方向に相対的に移動可能である。
【0146】
そのため、カートリッジ側電極81を、左右方向へのクリーニングローラ51の移動に確実に追従させることができる。
【0147】
そのため、クリーニングローラ51に、より一層安定して、電力を供給することができる。
(5)また、このドラムカートリッジ24によれば、図4に示すように、カートリッジ側電極81の突出部83は、ドラムフレーム31の右側の側壁32よりも右側(クリーニングローラ51と反対側)に突出している。
【0148】
そのため、突出部83の右面に対して外部(右側)から本体側電極91を容易に接触させることができる。
(6)また、このドラムカートリッジ24によれば、図9(a)に示すように、カートリッジ側電極81のクリーニング軸保持部82には、その右側前端縁から前側へ突出する略角柱形状の係止突起86が形成されている。つまり、カートリッジ側電極81は、クリーニングローラ51の中心軸線Aを中心として非点対称の形状を有している。
【0149】
そのため、カートリッジ側電極81が、クリーニングローラ51の中心軸線Aを中心として回転することを規制することができる。
【0150】
その結果、カートリッジ側電極81に対して、本体ケーシング2の電源(図示せず)から安定して電力を入力することができる。
(7)また、このドラムカートリッジ24によれば、クリーニングローラ51により、感光ドラム15の周面をクリーニングすることができる。
(8)また、このドラムカートリッジ24によれば、カートリッジ側電極81を、導電性樹脂から容易に成形することができる。
(9)また、このドラムカートリッジ24によれば、図4に示すように、クリーニングローラ51を感光ドラム15に向かって押圧する押圧部材41を備えている。
【0151】
そのため、押圧部材41の押圧力により、クリーニングローラ51を感光ドラム15に安定して接触させることができる。
(10)詳しくは、図4および図6に示すように、ローラ軸56に押圧部材41の軸当接部44を相対回転可能に当接し、押圧部材収容部42の後壁と軸当接部44との間において、圧縮ばね43を圧縮状態で配置している。
【0152】
これにより、簡易な構成で、クリーニングローラ51を感光ドラム15に対して押圧することができ、クリーニングローラ51を感光ドラム15に安定して接触させることができる。
(11)また、このドラムカートリッジ24によれば、図4に示すように、押圧部材41の軸当接部44は、ローラ本体57の左右方向端部と、ローラ軸56の左右方向端部との間において、ローラ本体57側に配置されている。
【0153】
そのため、よりローラ本体57の近傍において、押圧部材41の軸当接部44をローラ軸56に対して当接させることができる。
【0154】
そのため、ローラ本体57を感光ドラム15に対して安定に押圧することができる。
(12)また、このプリンタ1によれば、図4に示すように、本体側電極91をカートリッジ側電極81に対して右側から弾性的に接触させて、カートリッジ側電極81とクリーニングローラ51とを、ドラムフレーム31の左側の側壁32に対して位置決めすることができる。
【0155】
そのため、本体側電極91をカートリッジ側電極81に対して確実に接触させることができながら、カートリッジ側電極81とクリーニングローラ51とをドラムフレーム31に対して位置決めすることができる。
7.変形例
上記した実施形態では、右軸受部材62R(第1側壁の一例)を介して、右側の側壁32(第3側壁の一例)に感光ドラム15の右側のフランジ部材53を支持させ、左軸受部材62L(第2側壁の一例)を介して、左側の側壁32(第4側壁の一例)に感光ドラム15の左側のフランジ部材53を支持させている。
【0156】
しかし、感光ドラム15の右側のフランジ部材53は、直接、右側の側壁32に支持されてもよく、感光ドラム15の左側のフランジ部材53は、直接、左側の側壁32に支持されてもよい。
【0157】
この場合、右側の側壁32が第1側壁として機能し、左側の側壁32が第2側壁として機能する。
【0158】
また、上記した実施形態では、回転体の一例としてクリーニングローラ51を挙げ、カートリッジ側電極81が感光体ドラム15と接触するクリーニングローラ51にバイアスを供給するように構成したが、この構成は、感光体に対向されて本体ケーシング2からバイアスが印加される各種の回転体(例えば、転写ローラ、帯電ローラ、現像ローラなど)に適用することができる。
【0159】
また、上記した実施形態では、電極支持穴70が前後方向に長手の長穴形状を有していたが、電極支持穴70の形状は、カートリッジ側電極81が前後方向において遊嵌可能であれば特に限定されない。例えば、電極支持穴70は、カートリッジ側電極81の前後方向長さよりも長い直径を有する略円形状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0160】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
15 感光ドラム
24 ドラムカートリッジ
32 側壁
41 押圧部材
43 圧縮ばね
44 軸当接部
51 クリーニングローラ
56 ローラ軸
57 ローラ本体
62R 右軸受部材
62L 左軸受部材
65 フランジ支持部
70 電極支持穴
81 カートリッジ側電極
82 クリーニング軸保持部
83 突出部
91 本体側電極
A 中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体の軸線方向の一端部を回転可能に保持する第1側壁と、
前記感光体の軸線方向の他端部を回転可能に保持し、前記第1側壁と対向配置される第2側壁と、
前記第1側壁と前記第2側壁との間に配置され、前記感光体に対して前記軸線方向と直交する直交方向から対向して前記感光体と接触する回転体と、
前記第1側壁に配置され、前記回転体に接触して外部から入力される電力を前記回転体に供給するためのカートリッジ側電極とを備え、
前記第1側壁は、前記回転体の前記直交方向の移動に伴なって、前記カートリッジ側電極が前記直交方向に移動するように、構成されていることを特徴とする、感光体カートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジ側電極は、前記回転体を回転可能に保持する回転体保持部を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の感光体カートリッジ。
【請求項3】
前記第1側壁は、前記カートリッジ側電極を保持する電極保持部であって、前記第1側壁を前記軸線方向に貫通し、前記直交方向に長径な長穴形状を有する電極保持部を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の感光体カートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジ側電極は、前記第1側壁に対して前記軸線方向に相対的に移動するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項5】
前記第1側壁に対して前記回転体と反対側に配置され、前記第1側壁を保持する第3側壁をさらに備え、
前記カートリッジ側電極は、前記第3側壁に対して前記回転体と反対側へ突出する突出部を有し、
前記突出部は、外部からの電力が入力されるように構成されたカートリッジ接点を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジ側電極は、前記回転体の軸線を中心として非点対称の形状を有していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項7】
前記回転体は、前記感光体の周面を清掃するためのクリーニングローラであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジ側電極は、導電性樹脂から形成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項9】
前記回転体を前記直交方向における前記感光体側に押圧するための押圧部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項10】
前記回転体は、
前記軸線方向に延びる回転軸と、
前記回転軸における前記軸線方向の中央部を被覆する被覆部とを備え、
前記押圧部材は、
前記回転軸に対して前記直交方向から当接する軸当接部と、
前記直交方向において、前記軸当接部に対して前記回転軸と反対側に配置される支持部と、
圧縮状態で前記軸当接部と前記支持部との間に配置される弾性部材と
を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項11】
前記軸当接部は、前記被覆部の前記軸線方向端部と前記回転軸の軸線方向端部との間において、前記被覆部側に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の感光体カートリッジ。
【請求項12】
装置本体内に装着される請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光体カートリッジと、
前記装置本体内に設けられ、前記感光体カートリッジの前記カートリッジ側電極に電力を供給するための本体側電極とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項13】
前記感光体カートリッジは、前記第2側壁に対して前記回転体の反対側に配置され、前記第2側壁を保持する第4側壁を備え、
前記本体側電極は、前記カートリッジ側電極に対して前記軸線方向一端部側から弾性的に接触するように構成され、
前記第4側壁は、前記回転体を前記軸線方向に位置決めするための位置決め部を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−54057(P2013−54057A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190036(P2011−190036)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】