説明

感光体ユニットおよび画像形成装置

【課題】感光体ユニットのコストを抑えつつ、金属板を装置本体内に正確に位置決めすることを目的とする。
【解決手段】感光体ユニットは、複数の感光ドラムを支持する一対の金属板200と、一対の金属板200を支持する樹脂フレーム100を備える。樹脂フレーム100は、第1位置決め部に位置決めされるように構成される。金属板200は、第1位置決め部に対して所定方向の一方側に配置された第2位置決め部(位置決め軸13)に位置決めされるとともに、樹脂フレーム100が押圧部材により所定方向の一方に押圧されることにより、樹脂フレーム100を介して第2位置決め部に押圧されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の感光ドラムを支持する感光体ユニットと、感光体ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンデム型のカラープリンタとして、装置本体と、複数の感光ドラムを一体的に支持し、装置本体に対してスライド移動可能に構成された感光体ユニットと、を有するものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術における感光体ユニットは、複数の感光ドラムを軸方向で挟み込むように支持するとともに、前端部(装着方向下流側の端部)に切欠部が形成される一対の金属板と、左右に延びて一対の金属板の後端部を連結する位置決め軸と、一対の金属板の前後端を支持する樹脂フレームとを備えて構成されている。
【0003】
そして、この感光体ユニットは、装置本体に設けられた押圧部材によって位置決め軸が前方に押されることで、金属板の前端に形成された切欠部が、装置本体に左右に延びるように設けられた基準軸に当接して、位置決めがなされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−178657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の構成では、感光体ユニットを装置本体内で位置決めするためには、感光体ユニットに位置決め軸を設けなければならないので、コストが増加するといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、感光体ユニットのコストを抑えつつ、感光ドラムを支持する金属板を装置本体内に正確に位置決めすることができる感光体ユニットおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、押圧部材、第1位置決め部および第2位置決め部を有する画像形成装置に所定方向に装着される感光体ユニットであって、前記所定方向に並列される複数の感光ドラムと、前記感光ドラムの軸方向に互いに対向して配置され、前記複数の感光ドラムを支持する一対の金属板と、前記一対の金属板を支持するとともに、前記複数の感光ドラムに現像剤を供給する複数の現像カートリッジを支持する樹脂フレームと、を備え、前記樹脂フレームは、前記第1位置決め部に位置決めされるように構成され、前記金属板は、前記第1位置決め部に対して前記所定方向の一方側に配置された前記第2位置決め部に位置決めされるように構成され、前記金属板は、前記樹脂フレームが前記押圧部材により前記所定方向の一方に押圧されることにより、前記樹脂フレームを介して前記第2位置決め部に押圧されるように構成されたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、装置本体と、前記装置本体に対して所定方向に移動可能な感光体ユニットと、前記装置本体に設けられ、前記所定方向における前記感光体ユニットの両端側を位置決めする第1位置決め部および第2位置決め部と、前記感光体ユニットを所定方向の一方に押圧する押圧部材と、を備えた画像形成装置であって、前記感光体ユニットは、前記所定方向に並列配置される複数の感光ドラムと、前記感光ドラムの軸方向に互いに対向して配置され、前記複数の感光ドラムを支持する一対の金属板と、前記一対の金属板を支持するとともに、前記複数の感光ドラムに現像剤を供給する複数の現像カートリッジを支持する樹脂フレームと、を備え、前記金属板は、前記樹脂フレームが前記押圧部材により前記所定方向の一方に押圧されることにより、前記樹脂フレームを介して前記第2位置決め部に押圧されるように構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、押圧部材によって樹脂フレームを介して金属板を第2位置決め部に押圧することができるので、従来のような位置決め軸が無くても金属板を装置本体内に正確に位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、感光体ユニットのコストを抑えつつ、感光ドラムを支持する金属板を装置本体内に正確に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るカラープリンタの構成を示す図である。
【図2】感光体ユニットを示す斜視図である。
【図3】感光体ユニットから現像カートリッジを外した状態を示す斜視図である。
【図4】樹脂フレームを示す斜視図である。
【図5】複数の感光ドラムを支持する一対の金属板を示す斜視図である。
【図6】サイドフレームと位置決め軸を示す斜視図である。
【図7】サイドフレームに対して感光体ユニットを装着した状態を示す斜視図である。
【図8】押圧部材を示す断面図である。
【図9】感光体ユニットを装置本体に装着する前における樹脂フレームと金属板を示す側面図(a)と、図9(a)のX−X断面図(b)である。
【図10】感光体ユニットを装置本体に装着し、フロントカバーを閉じた後における樹脂フレームと金属板を示す側面図である。
【図11】樹脂フレームの変形例を示す斜視図である。
【図12】図11の樹脂フレームの側板に対して前後に移動可能となる構造体の変形例を示す斜視図である。
【図13】押圧部材の変形例を示す図であり、フロントカバーを開いた状態を示す図である。
【図14】押圧部材の変形例を示す図であり、フロントカバーを閉じた状態を示す図である。
【図15】押圧用係合部の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0013】
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側(手前側)」、紙面に向かって左側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0014】
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体10内に、用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90とを備えている。
【0015】
給紙部20は、用紙Pを収容する給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙搬送装置22とを備えている。
【0016】
画像形成部30は、スキャナユニット40と、感光体ユニット50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0017】
スキャナユニット40は、装置本体10内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。そして、スキャナユニット40では、レーザビームが図の2点鎖線で示す経路を通って、感光体ユニット50の各感光ドラム51の表面上に高速走査にて照射される。
【0018】
感光体ユニット50は、装置本体10の前面に配置されたフロントカバー11を開放することによって形成される開口部10Aを通して、装置本体10に対して前後方向(所定方向)に移動可能となっている。感光体ユニット50は、図2および図3にも示すように、ドロワ60と、ドロワ60によって回転可能に支持される4つの感光ドラム51と、各感光ドラム51に対応するようにドロワ60に着脱可能に設けられる4つの現像カートリッジ52とを備えている。
【0019】
各感光ドラム51は、感光体ユニット50を装置本体10に装着している状態において、前後方向に並列されている。ドロワ60には、図示しない公知の帯電器などが適宜設けられ、現像カートリッジ52には、感光ドラム51にトナー(現像剤)を供給する現像ローラ53が回転可能に設けられるとともに、公知のトナー収容室、供給ローラ等が設けられている。なお、ドロワ60周りの構造の詳細については、後で説明する。
【0020】
転写ユニット70は、給紙部20と感光体ユニット50との間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、転写ローラ74とを備えている。
【0021】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム51に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0022】
定着ユニット80は、感光体ユニット50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0023】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム51の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ53によって、現像カートリッジ52内のトナーが、感光ドラム51上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム51上にトナー像が担持される。
【0024】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光ドラム51と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム51上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0025】
排紙部90は、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラ91を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ91によって搬送され、装置本体10の外部に排出される。
【0026】
<ドロワ周りの構造>
次に、ドロワ60周りの構造について詳細に説明する。
図4および図5に示すように、ドロワ60は、矩形の枠状の樹脂フレーム100と、樹脂フレーム100内に設けられる左右一対の金属板200とを備えて構成されている。
【0027】
樹脂フレーム100は、左右一対の側板110と、一対の側板110の前端部を連結するとともにユーザによって把持される第1取手部121を有するフロントビーム120と、一対の側板110の後端部を連結するとともにユーザによって把持される第2取手部131を有するリアビーム130とを備えている。
【0028】
各金属板200は、感光ドラム51の軸方向(左右方向)に互いに対向して配置され、複数の感光ドラム51を回転可能に支持している。そして、各金属板200は、ドロワ60(感光体ユニット50)が装置本体10内で位置決めされる前の状態において、各側板110の下部で前後方向(所定方向)に移動可能に支持されるようになっている。言い換えると、各金属板200と複数の感光ドラム51で構成される構造体が、樹脂フレーム100に対して前後に移動可能となっている。
【0029】
また、図6に示すように、装置本体10内には、左右一対の金属製のサイドパネル12と、サイドパネル12の後部を連結するように左右に延びる第2位置決め部の一例としての位置決め軸13が設けられている。各サイドパネル12の前端部には、図7に示すように、ドロワ60の前端部(後述する一対の被支持部113)を支持するための第1位置決め部の一例としての一対の切欠部14が形成されている。
【0030】
そして、ドロワ60は、図8に示す押圧部材300によって後方(所定方向の一方)と下方に押圧され、位置決め軸13や切欠部14の下縁に当接することで、装置本体10に対して位置決めされるようになっている。
【0031】
具体的には、図9および図10に示すように、樹脂フレーム100の側板110には、左右方向内側(金属板200が配置された側)に突出する押圧用突出部111および支持用突出部112と、左右方向外側(金属板200が配置された側とは反対側)に突出する被支持部113(図9(b)および図7参照)とが形成されている。また、金属板200には、押圧用突出部111が貫通する貫通部(押圧用係合部)の一例としての押圧用穴211と、支持用突出部112が貫通する支持用係合部の一例としての支持用穴212と、装置本体10内の位置決め軸13と係合する位置決め係合部の一例としての位置決め用切欠部213とが形成されている。
【0032】
押圧用突出部111は側板110の前側(所定方向の他方側)に設けられ、押圧用穴211は金属板200の前側に設けられている。押圧用穴211は、押圧用突出部111に対して前後に移動可能に係合する長孔であり、その後部に後方に向かうにつれて先細となる先細部分を有し、当該先細部分で押圧用突出部111を上下に挟持可能に構成されている。
【0033】
これにより、図10に示すように、樹脂フレーム100の側板110を後方に押すと、押圧用穴211の先細部分が、押圧用突出部111の後側に係合して、押圧用突出部111から押圧力を受けるようになっている。そして、このように押圧用穴211の先細部分で押圧用突出部111が上下に挟持されることで、金属板200の前端部と側板110とが上下方向において位置決めされる。
【0034】
図7に示すように、被支持部113は、側板110の前端部(所定方向の他方側の端部)に形成されており、サイドパネル12の切欠部14で支持されて上下方向に位置決めされるようになっている。これにより、図10に示すように、金属板200の押圧用穴211の先細部分で側板110の押圧用突出部111が挟持された状態においては、金属板200の前端部が、側板110を介してサイドパネル12(装置本体10)に支持されて、上下方向に位置決めされる。
【0035】
また、図9(b)に示すように、被支持部113と押圧用突出部111は、同軸に延びる軸状に形成されている。これにより、樹脂フレーム100(側板110)が熱膨張しても、被支持部113と押圧用突出部111の位置関係がずれ難いので、装置本体10に対する金属板200の前端部の位置決めを正確に行うことが可能となっている。
【0036】
位置決め用切欠部213は、金属板200の後端部から前方に凹むように形成されており、前方に向かうにつれて先細となる形状に形成されている。これにより、図10に示すように、樹脂フレーム100の側板110の押圧用突出部111によって金属板200を後方に押すと、位置決め用切欠部213が位置決め軸13に嵌合して、金属板200の前端部の後方側への移動および上下動が規制されるようになっている。
【0037】
支持用穴212は、側板110の後側(所定方向の一方側)に設けられ、押圧用突出部111が押圧用穴211の先細部分(後側)に係合している状態において、支持用突出部112と前後方向に遊びを有して係合するように構成されている。これにより、樹脂フレーム100の熱膨張を支持用穴212と支持用突出部112間の遊びで吸収することが可能となっている。
【0038】
また、図8に示すように、樹脂フレーム100のフロントビーム120の第1取手部121には、フロントカバー11に設けられた押圧部材300によって押圧される被押圧部122が形成されている。押圧部材300は、樹脂フレーム100を介して金属板200を位置決め軸13に押圧する部材であり、樹脂フレーム100の被押圧部122に接触するように配置されている。具体的に、押圧部材300は、被押圧部122に当接する当接部材310と、当接部材310とフロントカバー11との間に設けられ、当接部材310を被押圧部122に向けて付勢するコイルバネ320(付勢部材)とを備えている。
【0039】
次に、感光体ユニット50の位置決め方法について説明する。
ユーザがフロントカバー11を開けて、感光体ユニット50を装置本体10内に挿入していくと、金属板200の位置決め用切欠部213が位置決め軸13に係合するとともに、樹脂フレーム100の側板110の被支持部113がサイドパネル12の切欠部14で支持される。
【0040】
その後、ユーザがフロントカバー11を閉じると、押圧部材300によって被押圧部122が後斜め下方に押されることで、被支持部113が切欠部14に確実に押し当てられて、被支持部113が装置本体10に対して上下方向に確実に位置決めされる。また、この際、樹脂フレーム100が金属板200に対して後方に移動して押圧用突出部111が押圧用穴211の先細部分に係合することで、金属板200の前端部が樹脂フレーム100(装置本体10の切欠部14に位置決めされた樹脂フレーム100の後部)に対して上下方向に位置決めされる。さらに、押圧用突出部111が押圧用穴211を介して金属板200を後方に押すことで、位置決め用切欠部213が位置決め軸13に確実に押し当てられる。これにより、感光ドラム51を支持する金属板200が、装置本体10に対して前後上下に確実に位置決めされる。
【0041】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
押圧部材300が樹脂フレーム100を介して金属板200を位置決め軸13に押圧するので、従来のような樹脂フレームとは別のシャフトを介して金属板を押圧する構造に比べ、部品点数を削減することができる。
【0042】
感光体ユニット50が装置本体10内で位置決めされる前の状態において樹脂フレーム100が金属板200を前後方向に移動可能に支持するように構成されることで、樹脂フレーム100に熱膨張によるひずみが発生しないので、熱膨張があっても装置本体10内で感光体ユニット50を精度よく位置決めすることができる。
【0043】
押圧部材300によって樹脂フレーム100を押圧すると、押圧用穴211の先細部分に押圧用突出部111が入り込んで挟持されるので、装置本体10で支持される樹脂フレーム100に対して金属板200を上下方向に精度良く位置決めすることができる。
【0044】
金属板200の後端側にある位置決め用切欠部213から離れた前端側に押圧用穴211を設けたので、金属板200の後端側と前端側とで上下の位置決めを行うことができ、金属板200をより精度よく位置決めすることができる。
【0045】
被支持部113と押圧用突出部111が同軸に延びる軸状に形成されることで、樹脂フレーム100が熱膨張しても、被支持部113と押圧用突出部111の位置関係がずれにくいので、装置本体10に対する金属板200の位置決めを正確に行うことができる。
【0046】
押圧用突出部111が押圧用穴211に係合している状態において、支持用穴212と支持用突出部112との間に遊びが形成されるので、樹脂フレーム100の熱膨張を支持用穴212と支持用突出部112間の遊びで吸収することができる。
【0047】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
前記実施形態では、矩形の枠状の樹脂フレーム100に対して金属板200(詳しくは、複数の感光ドラム51を一体に備えた構造体)が前後に移動可能となる構成を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一対の樹脂フレームに対して金属板が前後に移動可能に支持されていれば、どのような構造を採用してもよい。例えば、図11および図12に示すように、左右一対の樹脂製の側板110に対して、金属板200、複数の感光ドラム51、フロントビーム120およびリアビーム130を一体化した構造体が前後に移動可能となるように構成してもよい。
【0049】
前記実施形態では、被支持部113と被押圧部122とを別々に形成したが、本発明はこれに限定されず、図13および図14に示すように、被支持部113を押圧部材400で押圧することで被押圧部として機能させてもよい。これによれば、押圧部材400によって被支持部113を装置本体10に押し付けるため、被支持部113の上下の位置決めをより確実に行うことができる。
【0050】
ここで、押圧部材400は、装置本体10に対して上下に移動可能に支持される直動カム410と、直動カム410に一体に固定され、内部にコイルバネ420を収容する空間を有する被当接部材430と、フロントカバー11に設けられる当接部材440とで構成されている。そして、この押圧部材400では、フロントカバー11を閉めたときに、当接部材440が被当接部材430の上部に当接して当該上部が下方に変形することで、内部のコイルバネ420が押し縮められるとともに、直動カム410が下方に移動する。これにより、コイルバネ420の付勢力によって、側板110の被支持部113を後方および下方に押圧することが可能となっている。
【0051】
前記実施形態では、押圧用係合部のとして楔形の長孔である押圧用穴211を例示したが、本発明はこれに限定されず、図15に示すように、押圧用突出部111が嵌合される孔221であってもよい。この場合であっても、装置本体10で支持される樹脂フレーム100の側板110に対して金属板200を上下方向に精度良く位置決めすることができる。なお、孔221の形状は、前記実施形態と同様の円柱状の押圧用突出部111である場合には円状に形成し、押圧用突出部が多角形状である場合には当該押圧用突出部に応じた多角形状に形成すればよい。
【0052】
前記実施形態では、感光体ユニット50を装置本体10に対して前後方向に移動可能としたが、本発明はこれに限定されず、左右方向に移動可能としてもよい。
【0053】
前記実施形態では、押圧用係合部や支持用係合部を孔状(押圧用穴211、支持用穴212)に形成したが、本発明はこれに限定されず、例えば切欠形状であってもよいし、リブ状に形成されていてもよい。
【0054】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 カラープリンタ
10 装置本体
12 サイドパネル
13 位置決め軸
14 切欠部
50 感光体ユニット
51 感光ドラム
52 現像カートリッジ
100 樹脂フレーム
110 側板
111 押圧用突出部
112 支持用突出部
113 被支持部
122 被押圧部
200 金属板
211 押圧用穴
212 支持用穴
213 位置決め用切欠部
300 押圧部材
310 当接部材
320 コイルバネ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧部材、第1位置決め部および第2位置決め部を有する画像形成装置に所定方向に装着される感光体ユニットであって、
前記所定方向に並列される複数の感光ドラムと、
前記感光ドラムの軸方向に互いに対向して配置され、前記複数の感光ドラムを支持する一対の金属板と、
前記一対の金属板を支持するとともに、前記複数の感光ドラムに現像剤を供給する複数の現像カートリッジを支持する樹脂フレームと、を備え、
前記樹脂フレームは、前記第1位置決め部に位置決めされるように構成され、前記金属板は、前記第1位置決め部に対して前記所定方向の一方側に配置された前記第2位置決め部に位置決めされるように構成され、
前記金属板は、前記樹脂フレームが前記押圧部材により前記所定方向の一方に押圧されることにより、前記樹脂フレームを介して前記第2位置決め部に押圧されるように構成されたことを特徴とする感光体ユニット。
【請求項2】
前記樹脂フレームには、前記金属板が配置された側に突出する押圧用突出部と、前記押圧部材によって押圧される被押圧部と、前記樹脂フレームの前記所定方向の他方の端部に形成され、前記第1位置決め部に支持されて上下方向に位置決めされる被支持部と、が形成され、
前記金属板には、前記押圧用突出部の前記所定方向の一方側に係合して、前記押圧用突出部から押圧を受ける押圧用係合部と、前記金属板の前記所定方向の一方の端部に形成され、前記第2位置決め部と係合することで前記一方側への移動および上下動を規制される位置決め係合部と、が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感光体ユニット。
【請求項3】
前記樹脂フレームは、前記感光体ユニットが前記装置本体内で位置決めされる前の状態において、前記金属板を前記所定方向に移動可能に支持することを特徴とする請求項2に記載の感光体ユニット。
【請求項4】
前記押圧用係合部は、前記押圧用突出部が貫通する貫通部であり、前記所定方向の前記一方に向かうにつれて先細となる先細部分を有し、当該先細部分で前記押圧用突出部を挟持可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の感光体ユニット。
【請求項5】
前記押圧用突出部が前記樹脂フレームの前記所定方向の他方側に設けられ、
前記押圧用係合部が前記金属板の前記所定方向の他方側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の感光体ユニット。
【請求項6】
前記被支持部と前記押圧用突出部は、同軸に延びる軸状に形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
【請求項7】
前記被支持部は、前記被押圧部であることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
【請求項8】
前記被支持部と前記押圧用突出部は、同軸に延びる軸状に形成され、
前記押圧用係合部は、前記押圧用突出部が嵌合される孔であることを特徴とする請求項2に記載の感光体ユニット。
【請求項9】
前記樹脂フレームには、前記金属板が配置された側に突出する支持用突出部が設けられ、
前記金属板には、前記押圧用突出部が前記押圧用係合部に前記所定方向で係合している状態において前記支持用突出部と前記所定方向に遊びを有して係合する支持用係合部が設けられていることを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
【請求項10】
装置本体と、
前記装置本体に対して所定方向に移動可能な感光体ユニットと、
前記装置本体に設けられ、前記所定方向における前記感光体ユニットの両端側を位置決めする第1位置決め部および第2位置決め部と、
前記感光体ユニットを所定方向の一方に押圧する押圧部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記感光体ユニットは、
前記所定方向に並列配置される複数の感光ドラムと、
前記感光ドラムの軸方向に互いに対向して配置され、前記複数の感光ドラムを支持する一対の金属板と、
前記一対の金属板を支持するとともに、前記複数の感光ドラムに現像剤を供給する複数の現像カートリッジを支持する樹脂フレームと、を備え、
前記金属板は、前記樹脂フレームが前記押圧部材により前記所定方向の一方に押圧されることにより、前記樹脂フレームを介して前記第2位置決め部に押圧されるように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記樹脂フレームには、前記金属板が配置された側に突出する押圧用突出部と、前記押圧部材によって押圧される被押圧部と、前記樹脂フレームの前記所定方向の他方の端部に形成され、前記第1位置決め部に支持されて上下方向に位置決めされる被支持部と、が形成され、
前記金属板には、前記押圧用突出部の前記所定方向の前記一方側に係合して、前記押圧用突出部から押圧を受ける押圧用係合部と、前記金属板の前記所定方向の一方の端部に形成され、前記第2位置決め部と係合することで前記一方側への移動および上下動を規制される位置決め係合部と、が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記樹脂フレームは、前記感光体ユニットが前記装置本体内で位置決めされる前の状態において、前記金属板を前記所定方向に移動可能に支持することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記押圧用係合部は、前記押圧用突出部が貫通する貫通部であり、前記所定方向の前記一方に向かうにつれて先細となる先細部分を有し、当該先細部分で前記押圧用突出部を挟持可能に構成されていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記押圧用突出部が前記樹脂フレームの前記所定方向の他方側に設けられ、
前記押圧用係合部が前記金属板の前記所定方向の他方側に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記被支持部と前記押圧用突出部は、同軸に延びる軸状に形成されていることを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記被支持部は、前記被押圧部であることを特徴とする請求項11〜請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記被支持部と前記押圧用突出部は、同軸に延びる軸状に形成され、
前記押圧用係合部は、前記押圧用突出部が嵌合される孔であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記樹脂フレームには、前記金属板が配置された側に突出する支持用突出部が設けられ、
前記金属板には、前記押圧用突出部が前記押圧用係合部に前記所定方向で係合している状態において前記支持用突出部と前記所定方向に遊びを有して係合する支持用係合部が設けられていることを特徴とする請求項11〜請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−212073(P2012−212073A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78434(P2011−78434)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】