感光性ポリマー微粒子、その非水性分散液を生成する方法、およびそれらを用いて調製される物品

a)有機溶媒を含む有機連続相;およびb)有機連続相に分散している感光性ポリマー微粒子を含む感光性ポリマー微粒子の非水性分散液が記載されている。微粒子は、一体型表面および内部ドメインを有する少なくとも部分的に重合している成分を含み、表面ドメインは、有機溶媒によって可溶化されるポリマー物質を含み、内部ドメインは、有機溶媒に不溶性であるポリマー物質を含み、表面ドメインおよび/または内部ドメインは感光性である。また、そのような非水性分散液を生成する方法、それを含有する硬化性フィルム形成性組成物および感光性コーティングされた基材が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2004年7月16日に出願された米国特許出願第10/892919号の一部継続出願であり、この出願は本明細書においてその全体が参照として援用される。
【0002】
発明の背景
本発明は、感光性ポリマー微粒子の非水性分散液を対象とする。本発明はまた、そのような非水性分散液を生成する方法、それらを含有する硬化性フィルム形成性組成物および感光性コーティングされた基材を対象とする。
【背景技術】
【0003】
感光性物質は、赤外線、可視線および紫外線を包含する電磁放射線、さらに誘導放出またはレーザーによる光増幅に対して応答を示す。この応答は、露光後の感光性物質、例えば、蛍光およびリン光物質によって可視線が放出されるか;物質、例えば、非線形光学物質を通過した電磁放射線において波長の変化が存在するか;または、例えば、フォトクロミック物質において色の可逆性変化が存在する一種のルミネセンスであり得る。
【0004】
感光性微粒子の水性分散液およびそれらを含有する水媒性フィルム形成性組成物は、いくつかの欠点を示し得る。例えば、水媒性フィルム形成性組成物は、溶媒媒性組成物よりはるかに多い泡を配合の間に生じる傾向がある。発泡によって、塗布が困難になり得る。水媒性フィルム形成性組成物を塗布するためには、費用のかかる湿度制御が多くの場合に必要であり、それというのも、相対湿度が、コーティングのフロー特性および乾燥速度に影響を及ぼすためである。蒸発速度および水性媒体との低い相溶性によって、補助有機溶媒の選択は、水媒性組成物に限られ得る。また、水の高い表面張力は、ある種の基材においてぬれを難しくする。水媒性組成物と接触する製造装置およびラインは、耐食性である必要がある。このことは通常、プラスチックまたは高価なステンレス鋼を製造環境において使用することを必要とする。水中での酸の安定化機構によって、水媒性組成物を酸不含有とすることは困難であり得る。水媒性コーティングにおいては、エポキシ基などの水感応性官能基を有する物質を使用することもまた、問題となる。それというのも、湿度の高い環境では白化などの外観の問題が起こり得るためである。微生物の増殖もまた、水媒性組成物においては問題であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
感光性物質によって示される現象を利用する製品、例えば、光学メモリ素子およびディスプレイ素子などの光学素子が存在する。感光性特性を示す水性コア/シェル微粒子が組み込まれている製品は公知であるが、水媒性組成物の欠点を回避することができるように、微粒子中の感光性物質の特性を容易に制御することができる非水性製品を提供することが望ましい。また、そのような製品で使用されている感光性物質の特性に不利な影響を及ぼすことなく、硬度または耐摩耗性などの最終製品の特定の物理的特性を制御することが望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、その指示物を1つに明確かつ無条件に限定しない限り、複数の指示物を包含する。
【0007】
本明細書の目的に関して、別段に示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される成分の量、反応条件および他のパラメータを表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対に示されていない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲において記載される数値パラメータは近似値であり、この近似値は、本発明によって得ることが求められている所望の特性に応じて変動し得る。最低限でも、そして特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限することを企図するのでもなく、各数値パラメータは、報告された有効桁の数字に照らして、そして通常の丸め技術を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
【0008】
本明細書中の全ての数値範囲は、記載されている数値範囲内の全ての数値および全ての数値範囲を包含する。本発明の広範な範囲を記載する数値範囲および数値パラメータは近似値であるにもかかわらず、具体的な実施例において記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も本質的に、その個々の試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を含有している。
【0009】
本明細書に示されているとおりの本発明の様々な実施形態および実施例はそれぞれ、本発明の範囲に関して非限定的であると理解される。
【0010】
「モノマー」という用語には、単一のモノマー単位、および数種のモノマー単位を含むオリゴマーが包含される。
【0011】
「化学線」という用語には、紫外(「UV」)光の範囲から、可視光の範囲を通って、赤外光の範囲に及ぶ電磁放射線の波長を有する光が包含される。本発明において使用されるコーティング組成物を硬化させるために使用することができる化学線は一般には、150から2,000ナノメートル(nm)、180から1,000nmまたは200から500nmの範囲の電磁放射線の波長を有する。10から390nmの範囲の波長を有する紫外線もまた、使用することができる。好適な紫外光の光源の例には、水銀アーク、炭素アーク、低圧、中圧または高圧水銀灯、渦流プラズマアークおよび紫外線発光ダイオードが包含される。適切な紫外線発光ランプには、これらに限られないが、ランプ管の長さにわたって200から600ワット/インチ(79〜237ワット/センチメートル)の範囲の出力を有する中圧水銀灯が包含され得る。
【0012】
本発明では、a)有機溶媒を含む有機連続相;およびb)有機連続相に分散している感光性ポリマー微粒子を含む感光性ポリマー微粒子の非水性分散液であって、微粒子は、一体型表面および内部ドメインを有する少なくとも部分的に重合している成分を含み、表面ドメインは、有機溶媒によって可溶化されるポリマー物質を含み、内部ドメインは、有機溶媒に不溶性であるポリマー物質を含み、表面ドメインおよび/または内部ドメインは感光性である、感光性ポリマー微粒子の非水性分散液を提供する。
【0013】
有機連続相中の有機溶媒は典型的には、極性溶媒であり、例えば、グリコール、エーテル、アミド、ニトリル、エステル、ケトンおよび/またはラクタムを包含するモノアルコールまたはジオールなどの1種または複数のアルコールを含んでよい。定義によれば、極性溶媒は、その電荷が不均等に分布していて、各分子の一端が他方よりも正の状態であり、そこに溶けた溶質がイオンを形成しやすい分子を有する。特に適した溶媒の例には、n−ブタノール、イソブタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン;2,2,4−トリメチル−1,1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートであると報告されていて、Eastman Chemical Co.から入手可能なTEXANOL(登録商標)溶媒およびそのような溶媒の混合物が包含され得る。有機溶媒を使用することで、架橋ポリマー微粒子を形成するプロセスを助けることができる。
【0014】
感光性ポリマー微粒子は、有機連続相中に分散している。微粒子は、一体型表面および内部ドメインを有する少なくとも部分的に重合された成分を含む。表面ドメインおよび内部ドメインの一方または両方が、感光性であってよい。表面ドメインは、有機溶媒によって可溶化されるポリマー物質を含み、内部ドメインは、有機溶媒に不溶性であるポリマー物質を含む。
【0015】
本発明の非水性分散液は、様々な方法のいずれかで調製され得る。例えば、非水性分散液は:
a)感光性物質および重合性成分の水性分散液を調製するステップであって、重合性成分は、少なくとも1個の親水性官能基および少なくとも1個の疎水性官能基を含むステップと;
b)a)の分散液を、高剪断応力条件などの微粒子を形成するのに十分な条件に供するステップと;
c)重合性成分を少なくとも部分的に重合させるステップと;
d)分散液を、有機溶媒、典型的には極性溶媒を含む有機連続相と合わせるステップと;
e)非水性分散液の最終水含有率が30重量パーセント未満となるように分散液から水を除去するステップとによって調製され得る。e)は、d)の前または後に行うことができることに注意すべきである。
【0016】
本発明の非水性分散液は、30重量パーセント未満の水分量を含み得る。
【0017】
ステップa)で調製された水性分散液中の重合性成分は、少なくとも1種の実質的に親水性のモノマーおよび少なくとも1種の実質的に疎水性のモノマーを含んでよく、親水性のモノマーおよび疎水性のモノマーは、フォトクロミック物質などの感光性物質が会合している重合性成分の微粒子を少なくとも部分的に形成し得る。別法では、水性分散液は、有効量の少なくとも1種の感光性物質と、少なくとも1個の親水性官能基および少なくとも1個の疎水性官能基を含む少なくとも1種の重合性成分とを含んでよい。感光性物質(複数可)および重合性成分(複数可)は、少なくとも部分的に架橋された感光性ポリマー微粒子を形成し得る。重合性成分はまた、少なくとも1種の実質的に親水性のプレポリマー、少なくとも1種の実質的に疎水性のプレポリマーおよび有効量の少なくとも1種の、少なくとも1個の重合性基を含む有機フォトクロミック物質を含んでよく、重合性成分は、少なくとも部分的に架橋されたフォトクロミックポリマー微粒子を形成し得る。
【0018】
重合性成分は、実質的に親水性および実質的に疎水性のモノマーの少なくとも1種と共重合性で、「共重合性物質」と後記では称される物質をさらに含み得る。さらに、重合性成分は、ホスト物質と相溶性であり、以下に記載される感光性ポリマー微粒子に関連する特性を有するように、架橋性物質と反応し得る官能基を持っていてよい。
【0019】
「感光性物質が会合している重合性成分の微粒子を少なくとも部分的に形成し得る」という語句は、重合性成分が少なくとも部分的に形成される微粒子へと自己集合するのに適していること指す。微粒子の自己集合は、重合性成分を構成する実質的に親水性のモノマーの親水性官能基(複数可)および実質的に疎水性のモノマーの疎水性官能基(複数可)に関係する親水性および疎水性の差による。感光性物質は、親水性感光性物質(複数可)、疎水性感光性物質(複数可)または生じる微粒子もしくは重合性成分と化学的または物理的に会合し得る他の特性を有する感光性物質の選択によって微粒子と会合され得る。
【0020】
微粒子を形成した後、微粒子を典型的には重合させる。「少なくとも部分的に架橋されたポリマー微粒子を少なくとも部分的に重合および形成する」という語句は、モノマーまたはプレポリマーのうちの一部から全部が反応および合わさって鎖様ポリマー物質を形成し、これらの鎖様ポリマー物質のうちの一部から全部の上にある反応性基が反応および架橋して、鎖のうちの一部から全部が相互連結しているポリマーネットワークを形成する重合性成分を指す。前記の反応性基は、当業者には一般に公知の重合反応を受け得る化学的基である。そのような重合性基の例には、メタクリロイルオキシ、アクリロイルオキシ、ビニル、アリル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、エポキシ、ヒドロキシおよびイソシアナト基が包含される。
【0021】
ステップb)およびc)で形成された重合微粒子は一般に、それらを、本発明の非水性分散液、詳細には極性非水性分散液を調製するために特に有用とするコア/シェル構造を有する。コア(即ち、内部ドメイン)およびシェル(即ち、表面ドメイン)ポリマーは、互いに共有結合または会合している。そうでなければ、シェルポリマーと有機連続相中の溶媒との相溶性は、シェルがコア物質から分離する原因となるであろう。また、コアは架橋されていて、かつ/または有機連続相に本来不溶性である物質を含み、シェルは、不溶性のコアに結合していなければ、有機連続相に完全に溶解するであろうポリマーを含む。シェルポリマーの溶解性が、コア/シェル微粒子を溶媒と相溶性にしており、かつコアの不溶性が、微粒子が溶媒中に完全に溶解するのを妨げることによって、微粒子の一体性を維持している。
【0022】
ステップd)において分散液と有機連続相を合わせる場合、分散液を有機連続相に注ぐか、またはその逆であってよい。限外濾過、減圧下での蒸留または遠心分離などによる公知の方法を使用して、水を分散液から除去する。
【0023】
本発明による感光性微粒子の非水性分散液を生成するさらなる方法は、
a)実質的に親水性のプレポリマー成分の水性分散液を調製するステップと;
b)実質的に疎水性のプレポリマー成分の水性分散液を調製するステップであって、a)および/またはb)の分散液は感光性物質をさらに含むステップと;
c)a)およびb)の分散液を合わせて混合物を形成し、混合物を、微粒子を形成するのに十分な条件に供するステップと;
d)混合物中のプレポリマー成分を重合させるステップと;
e)混合物を、有機溶媒、典型的には極性溶媒を含む有機連続相と合わせるステップと;
f)非水性分散液の最終水含有率が30重量パーセント未満であるように水を混合物から除去するステップとを含む。f)は、e)の前または後に行うことができることに注意すべきである。
【0024】
補助物質、例えば、重合性成分の処理を助けるか、または所望の特性を生じた微粒子に付与する従来の配合剤(ingredient)もまた、非水性分散液に組み込むことができる。そのような配合剤の例には、レオロジー調節剤、界面活性剤、開始剤、触媒、硬化抑制剤、還元剤、酸、塩基、防腐剤、架橋物質、フリーラジカル供与剤、フリーラジカル捕捉剤、紫外線安定剤および熱安定剤などの安定剤ならびに有機官能性シラン、シロキサン、チタネートおよびジルコネートなどの付着促進剤が包含され、それらの補助物質は当業者に公知である。
【0025】
本発明の非水性分散液には場合によって、ナノ色素(nanopigment)、ナノチントおよび/または非感光性染料(non−photosensitive dye)などの他の着色剤が包含され得る。そのような着色剤は詳細には、いわゆる「ダークトゥーダーカー(dark−to−darker)」コーティング組成物を調製する際に有用である。「ナノ色素」という用語は、一次粒子の平均サイズが100nmまでである色素を指している。
【0026】
既に述べたとおり、本発明の非水性分散液を調製するために使用される水性分散液は、少なくとも1種の実質的に親水性のモノマーおよび少なくとも1種の実質的に疎水性のモノマーを含む少なくとも1種の重合可能な成分を含み得る。本明細書で使用される場合、「実質的に親水性のモノマー」および「実質的に疎水性のモノマー」という用語は、互いに比較した場合のモノマーの相対的な親水性または疎水性に関する。重合性成分のうちの実質的に親水性のモノマーは、実質的に疎水性のモノマーよりも親水性である。対応して、重合性成分のうちの実質的に疎水性のモノマーは、実質的に親水性のモノマーよりも疎水性である。物質の親水性/疎水性を決定する1つの方法は、周知の親水性−親油性バランス(HLB)数である。HLB数は一般に1から20の範囲であり、1は油溶性物質であり、20は水溶性物質である。この系を使用すると、実質的に疎水性として本明細書中で指定される物質は10未満のHLBを示す一方で、実質的に親水性として指定される物質は10より大きいHLBを示す。
【0027】
実質的に親水性のモノマー(複数可)に対する実質的に疎水性のモノマー(複数可)の割合は、広範に変動し得る。重合性成分中の実質的に親水性のモノマーおよび実質的に疎水性のモノマーの重量パーセントは、重合性成分の総固形物重量100パーセントに基づき、それぞれ2から98重量パーセントの範囲であってよい。実質的に親水性のモノマー:実質的に疎水性のモノマーの割合の例は、これらに限られないが、20:80および50:50であってよい。
【0028】
ある種の実施形態では、実質的に親水性のモノマーは、水と実質的に相溶性であり、水に親和性を有し、かつ/または従来の混合手段を使用すると、水に少なくとも部分的に溶解し得る。本発明の重合性モノマー成分中で使用される実質的に親水性のモノマーは、当業者に公知の任意の親水性モノマーを含み得る。そのような親水性のモノマーの例には、酸官能基;ヒドロキシル官能基;ニトリル官能基;アミノ官能基;アミド官能基;カルバメート官能基;四級アンモニウム基もしくはスルホニウム基などのイオン性官能基;またはそのような官能基の混合などの親水性官能基を含むモノマーが包含される。
【0029】
重合性成分を調製するために使用されるモノマーの疎水性および親水性の程度は、当業者に公知であるとおり、変動し得る。重合性成分の実質的に疎水性のモノマーは、実質的に親水性のモノマーへと転換され得る。例えば、重合性成分の疎水性モノマー上のイソシアナト基は、そのイソシアナト基とアミノプロピルトリエトキシシランなどの有機官能性シランとの反応によってシロキサン基で官能化され得る。水中に分散すると、加水分解可能な基、例えば、アルコキシシランは、少なくとも部分的に加水分解されて親水性シラノール基を形成する。アルコールまたはそれ自身との反応が可能である場合、これらの親水性基は疎水性基に戻り得る。同様の官能化プロセスが、重合し架橋された感光性ポリマー微粒子上の利用可能なイソシアナト基で行われ得る。
【0030】
そのような疎水性から親水性への転換プロセスに適した有機官能性シランの例には、これらに限られないが、4−アミノブチルトリエトキシシラン、カルボキシメチルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトメチルメチル−ジエトキシシランまたはこれらの混合物が包含され得る。
【0031】
親水性酸官能基含有モノマーの例には、これらに限られないが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ベータ−カルボキシエチル、アクリルオキシプロピオン酸、2−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アクリル酸(3−スルホプロピル)エステル、クロトン酸、ジメチロールプロピオン酸、フマル酸、フマル酸のモノ(C〜C)アルキルエステル、マレイン酸、マレイン酸のモノ(C〜C)アルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸のモノ(C〜C)アルキルエステルおよびこれらの混合物が包含され得る。
【0032】
親水性ヒドロキシル官能基含有モノマーの例には、これらに限られないが、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ポリ(エチレングリコール)、メタクリル酸ポリ(エチレングリコール)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルメタクリレート、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシメチルエチル、アクリル酸ヒドロキシメチルプロピル、アクリル酸ジカプロラクトン、ジエタノールアミン、ジメタノールアミンまたはこれらの混合物が包含され得る。ニトリル官能基含有モノマーの例には、メタクリロニトリルおよびアクリロニトリルが包含される。
【0033】
親水性アミノ官能基含有モノマーの例には、これらに限られないが、アリルアミン、ジメチルアリルアミン、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(t−ブチルアミノ)エチル、4−アミノスチレン、ジメチルアミノエチルビニルエーテルおよびN−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドが包含され得る。
【0034】
適切な親水性イオン性官能基含有モノマーの例には、これらに限られないが、アリルトリメチルアンモニウムクロリド、2−トリメチルアンモニウムエチルアクリル酸クロリドおよびビニルベンジルジメチルスルホニウムクロリドが包含され得る。
【0035】
親水性アミド官能基含有モノマーの例には、これらに限られないが、メタクリルアミドおよびアクリルアミドが包含され得る。
【0036】
親水性カルバメート官能基含有モノマーの例には、これらに限られないが、アリルカルバメート、ビニルカルバメート、ヒドロキシエチルカルバメートとメタクリル酸無水物との反応生成物およびヒドロキシエチルカルバメートとイソホロンジイソシアネートおよびアクリル酸ヒドロキシエチルとの反応生成物が包含され得る。
【0037】
親水性ビニル官能基含有モノマーの例には、これらに限られないが、酢酸ビニル、ビニルピロリドンおよびプロピオン酸ビニルが包含され得る。
【0038】
本発明のある種の実施形態では、疎水性モノマー(複数可)は、親水性官能基を実質的に含まず、水と実質的に非相溶性であり、水に対して低い親和性を有し、かつ/または従来の混合手段を使用しても、水に最小限しか溶解し得ないモノマーを含み得る。重合性成分において使用される疎水性モノマー(複数可)には、当業者に公知の任意の疎水性モノマーが包含され得る。疎水性官能基の例には、これらに限られないが、4個以上の炭素原子を有する炭化水素が包含され得る。そのような官能基のさらなる非限定的な例は、後記の疎水性モノマーの記載に包含される。
【0039】
疎水性モノマーの非限定的な例には、これらに限られないが、ビニル芳香族性モノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレンおよびビニルトルエン;ビニルおよびビニリデンハライド、例えば、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン;ビニルエステル;ビニルエーテル、酪酸ビニル、アルキル基に4個から17個の炭素原子を有するアクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステル(メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸4−tert−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ブチルヘキシル、アクリル酸ブチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソデシル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソボロニル、アクリル酸イソボロニル、メタクリル酸ラウリルおよびアクリル酸ラウリルを包含する);ならびにこれらの混合物を包含するフリーラジカル重合可能なモノマーが包含され得る。
【0040】
他の適切な疎水性モノマーには例えば、3個以上の炭素原子を含むアルコキシ基などの実質的に加水分解不可能な置換基を有する有機官能性シランが包含され得る。
【0041】
ある種の実施形態では、重合性成分は、少なくとも1種の実質的に親水性のモノマーとも少なくとも1種の実質的に疎水性のモノマーとも異なる少なくとも1種の共重合性物質を含む。その共重合性物質(複数可)は、実質的に親水性のモノマー(複数可)と反応して実質的に親水性のプレポリマーを、かつ/または実質的に疎水性のモノマー(複数可)と反応して実質的に疎水性のプレポリマーを形成し得る。
【0042】
共重合性物質(複数可)は、実質的に親水性のモノマー(複数可)および実質的に疎水性のモノマー(複数可)のうちの少なくとも1種と共重合性である任意の物質であってよい。例えば、共重合性物質(複数可)は、構造骨格形成物質であってよい。適切な共重合性物質(複数可)は、エチレン系不飽和基含有物質;当業者に公知のイソシアネート含有物質、例えば、イソシアネートと、他の対応する反応性物質、例えば、ポリオールとの反応生成物(この反応生成物は少なくとも1個の反応性イソシアナト基を有する);当業者に公知のヒドロキシル基含有モノマー;当業者に公知のエポキシ基含有モノマー;当業者に公知のカルボキシ基含有モノマー;当業者に公知のカーボネート基含有モノマー、例えば、少なくとも1個のカーボネート基を含むポリオールとビニルモノマーとの反応生成物ならびに、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0136948号(現在は米国特許第6,998,072号)の段落[0041]から[0065]に記載されているとおりの少なくとも1個のカーボネート基を含むポリオールと、1個の反応性イソシアネート基を含むイソシアネートと、少なくとも1つの重合可能性二重結合との反応生成物;またはそのような共重合性物質の混合物から選択され得る。
【0043】
共重合性物質(複数可)には、シリル基含有物質、例えば、すでに記載された有機官能性シランなどの少なくとも1つの重合可能な基を有する有機官能性シランが包含され得る。
【0044】
エチレン系不飽和基含有モノマーなどの適切な共重合性物質の非限定的な例には、当業者に公知であるヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、メルカプト、(メタ)アクリロイルオキシ、例えば、メタクリロイルオキシまたはアクリロイルオキシ、イソシアナトまたはこれらの混合から選択される官能基を有するビニルモノマーおよびエチレン系不飽和モノマーが包含され得る。共重合性物質は、2個以上の同じ重合性基または2個以上の異なる重合性基を有し得る。多くの場合に、共重合性物質は、ヒドロキシル、アミノ、メルカプトまたはこれらの混合から選択される少なくとも1個の官能基を有する(メタ)アクリルモノマーから選択される。
【0045】
必要な場合には、重合性成分の形成において使用される実質的に親水性のモノマー(複数可)および/または実質的に疎水性のモノマー(複数可)は、当業者に公知であるとおり、重合の際にそれぞれのポリマーのガラス転移温度によって規定される特性で選択される。例えば、室温、例えば23℃より高いガラス転移温度を有するポリマーを形成するモノマーは、より剛性または硬性のポリマーを形成する傾向がある一方で、室温より低いガラス転移温度を有するポリマーを形成するモノマーは、より軟性または可撓性である傾向がある。ポリマー微粒子環境を形成するために使用されるモノマーの特性は、感光性物質の性能に影響を及ぼし得る。例えば、活性化状態および不活性化状態を示すために配座異性変化に依存する有機フォトクロミック物質の場合、軟性および可撓性な環境はより大きな運動の自由度を可能にし、性能を向上させ得るか、またはより剛性および硬性な環境はより小さな運動の自由度を可能にし、性能を低下させ得る。重合性成分を感光性物質の性能に影響を及ぼし得る特性を有する物質と共に配合することで、その結果生じる感光性ポリマー微粒子は、感光性物質の性能が感光性ポリマー微粒子の周囲環境とは独立に制御され得る環境を有することができる。例えば、感光性ポリマー微粒子それ自体は、軟性および可撓性であってよいが、剛性で硬性のマトリックスまたは環境によって囲まれているか、または埋め込まれていてよい。
【0046】
重合すると、実質的に親水性のモノマー(複数可)および実質的に疎水性のモノマー(複数可)は、それぞれポリマーを形成し、それぞれのガラス転移温度は、大きく変動し得る。実質的に疎水性のモノマー(複数可)を重合させると形成されるポリマーのガラス転移温度は、実質的に親水性のモノマー(複数可)を重合させると形成されるポリマーのガラス転移温度以上であってよい。別法では、実質的に疎水性のモノマー(複数可)を重合させると形成されるポリマーのガラス転移温度は、実質的に親水性のモノマー(複数可)を重合すると形成されるポリマーのガラス転移温度より低い。
【0047】
実質的に疎水性のモノマー(複数可)は、重合すると23℃未満、例えば、22.9℃から−100℃または22℃から−90℃のガラス転移温度を有するポリマーを形成するように選択することができる。別法では、実質的に親水性のモノマー(複数可)は、重合すると23℃以上、例えば、23℃から130℃または24℃から100℃のガラス転移温度を有するポリマーを形成するように選択する。
【0048】
実質的に親水性のモノマー(複数可)および/または実質的に疎水性のモノマー(複数可)は、実質的に剛性のセグメントおよび/または実質的に可撓性のセグメント部分を形成するのに適したウレタン物質であってよい。成分、例えばイソシアネートおよびポリオールを選択して、適切な種類のセグメントを形成することによって、剛性セグメントまたは可撓性セグメントを形成するためのウレタン物質を調製するという概念は、当業者に公知である。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,187,444号の第3欄49行から第4欄46行の硬質セグメントおよび軟質セグメントの開示を参照されたい。ウレタン物質の剛性セグメントは、使用する際に破壊することなく曲げるのが容易ではない剛性を生じる物質に付与する物質である。ウレタン物質の可撓性セグメントは、しなやかで、曲げることが可能であるか、または直線から変形させることができるか、または破壊することなく形成することが可能な物質をもたらす物質である。本発明のある種の実施形態では、実質的に疎水性のモノマーは、ウレタン物質、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートプレポリマーであり、これは、可撓性セグメントを形成するのに適し、実質的に親水性のモノマー(複数可)は、剛性セグメントを形成するのに適したウレタン物質、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートプレポリマーである。別法では、実質的に疎水性のモノマー(複数可)は、剛性セグメントを形成するのに適したウレタン物質であり、実質的に親水性のモノマー(複数可)は、可撓性部分を形成するのに適したウレタン物質である。
【0049】
本発明のウレタン物質は、イソシアネートとポリオール、アミンおよび/またはチオールとを用いて調製することができ、これらは大きく変動し得る。適切な物質および方法は、ウレタン調製の分野の当業者に公知である。
【0050】
ヒドロキシル、メルカプトおよび/またはアミノ基を有する有機成分およびイソシアネートなどのウレタン形成成分を組み合わせて本発明のウレタン物質を生じさせる場合、その配合剤の相対量は典型的に、反応性のヒドロキシル、メルカプトおよび/またはアミノ基の利用可能な数に対する反応性イソシアネート基の利用可能な数の比として表され、例えば、NCO:Xの当量比(ここで、Xは、OH、SH、NHおよび/またはNHを表す)として表される。例えば、1NCO当量の重量のイソシアネート成分が、1X当量の重量のヒドロキシル、メルカプトおよび/またはアミノ基含有成分と反応する場合、1.0:1.0のNCO:Xの比が得られる。ウレタン物質は、大きく変動し得るNCO:Xの当量比を有する。例えば、NCO:Xの当量比は、0.3:1.0と3.0:1.0との間の範囲であってよく、その間の範囲は全て包含される。その比が1.0:1.0より大きい場合、過剰のイソシアナト基は、当業者に公知であるとおり、ブロックされ得、かつ/またはさらに例えば、尿素または有機官能性シランと反応して親水性基を形成し得る。
【0051】
イソシアネート成分の非限定的な例には、当業者に公知であるとおり、トルエン−2,4−ジイソシアネート;トルエン2,6−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;パラフェニレンジイソシアネート;ビフェニルジイソシアネート;3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート;リジンメチルエステルジイソシアネート;ビス(イソシアナトエチル)フマレート;イソホロンジイソシアネート;エチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;2−ヘプチル−3,4−ビス(9−イソシアナトノニル)−1−ペンチル−シクロヘキサン;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネートまたはメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート);メチルシクロヘキシルジイソシアネート;ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート;ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート;ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート;ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート;m−テトラメチルキシレンジイソシアネート;p−テトラメチルキシレンジイソシアネート;パーヒドロジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;パーヒドロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートまたはそれらの混合物から選択される遊離か、例えば、適切なブロッキング剤でブロックされているか、または部分的にブロックされているイソシアネート含有成分を有する改変または非改変のイソシアネートが包含され得る。1,4−テトラメチレンジイソシアネートおよび1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを包含する任意の適切なジイソシアネートのビウレットなどのトリイソシアネートも使用され得る。また、イソホロンジイソシアネートおよび4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)などの脂環式ジイソシアネートのビウレットも使用され得る。ビウレットを調製することができる適切なアラルキルジイソシアネートの例は、メタ−キシリレンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルメタ−キシリレンジイソシアネートである。他の三官能性イソシアネート、例えば、イソホロンジイソシアネート、トリイソシアナトノナン、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネート、2,4,6−トルエントリイソシアネートのトリマー、CYTEC Industriesによって商品名CYTHANE 3160で販売されているトリメチロールおよびテトラメチルキシレンジイソシアネートの付加物ならびにヘキサメチレンジイソシアネートのトリマーであり、Bayer Corporationから入手可能なDESMODUR N 3300およびDESMODUR N 3600も使用することができる。
【0052】
実質的に親水性のモノマーをトリイソシアネート(特に、イソシアヌレート)から調製する場合、それから調製された感光性微粒子を含有する非水性分散液は、アミノプラスト樹脂を含有するコーティングに配合することができ、これは結果として、ヘーズによって測定した場合に、ジイソシアネートから調製された感光性微粒子を含有する非水性分散液で調製された同様のコーティングと比較して、沸騰水中の基材への改良された付着を示し得る。トリイソシアネートの他の利点には、ジイソシアネートから調製された同様のフォトクロミック微粒子と比較して、それから調製されたフォトクロミック微粒子のより迅速なフェード動力学(fade kinetics)が包含される。また、トリイソシアネートから調製された実質的に親水性のモノマーは、ジイソシアネートから調製された類似の親水性のモノマーよりも良好な長期安定性を有する傾向がある。
【0053】
ウレタン物質が触媒の存在下で形成される場合、その触媒は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれるUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1992年、A21巻、673〜674頁に記載されているようなルイス塩基、ルイス酸および挿入触媒(insertion catalyst)から選択され得る。
【0054】
ウレタン形成成分として本発明で使用され得る有機ポリオールの非限定的な例には、(a)ポリカーボネートポリオール;(b)脂肪族ジオール、例えば、C2〜C10脂肪族ジオール、トリオール、多価アルコールおよびアルコキシル化低分子量ポリオールなどの低分子量ポリオール、例えば、500未満の重量平均分子量を有するポリオール;(c)ポリエステルポリオール;(d)ポリエーテルポリオール;(e)アミド含有ポリオール;(f)ポリアクリルポリオール;(g)エポキシポリオール;(h)多価ポリビニルアルコール;(i)ウレタンポリオール;または(j)それらの混合物が包含され得る。上述のポリカーボネートポリオールは、例えば、米国特許第5,143,997号の第3欄43行から第6欄25行および米国特許第5,527,879号の第2欄10行から第3欄48行に開示されているとおり、当分野で公知の方法によって形成され得る。例えば、ポリカーボネートは、アルコールまたはフェノールをホスゲンと反応させるか、またはアルコールまたはフェノールをジアルキルまたはジアリールカーボネートでエステル交換することから慣用的に得られる。本発明の特定の実施形態では、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、1,10−デカンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールなどのC(エチレングリコール)からC36ジオール、エステルジオール204および/またはポリテトラヒドロフラン(Mn250)などのジオールを、ホスゲンまたは炭酸ジメチルと反応させることによって調製されるポリカーボネート官能性ジオールを使用する。Mn<1000のポリカーボネートジオールなどのMn<2000のポリカーボネートジオールが多くの場合に使用される。非ヒドロキシル溶媒;例えば、エステル、エーテル、芳香族炭化水素および/またはケトンを含有する溶媒媒性コーティング組成物を調製する際に、非水性分散液を使用すべき場合に、そのようなポリカーボネート官能性ジオールの使用が特に適している。改良された相溶性が、微粒子と溶媒との間で示されており、低い粒子凝集によって証明されている。
【0055】
他のポリオールは、また米国特許第6,187,444号の第7欄25行から第12欄15行に記載されているとおり、当分野で公知の方法によって調製され得る。そのような開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0056】
本発明のウレタン物質を調製するために使用される有機ポリオール、例えば、ジオール、トリオールなどは、プレポリマーまたはイソシアネートとの付加物を形成するために使用され得る。また、実質的に親水性のプレポリマーまたは実質的に疎水性のプレポリマーはそれぞれ、ジメチロールプロピオン酸などの親水性モノマーまたはC脂肪族ジオールなどの疎水性モノマーを、プレポリマーのイソシアネート反応基と反応させることによって調製され得る。そのようなプレポリマーは、実質的に親水性または実質的に疎水性のウレタン(メタ)アクリレートプレポリマー、例えば、ウレタンアクリレートプレポリマー、ウレタンメタクリレートプレポリマーまたはそれらの混合物であってよい。
【0057】
本発明の非水性分散液は、有効量の少なくとも一種の感光性物質を包含する。「有効量の感光性物質」という用語は、重合性成分および生じた感光性ポリマー微粒子中の感光性物質の量であって、適切な波長の電磁放射線が照射されると、感光性物質によって放出される放射線の波長または量の変化、感光性物質を通過する放射線の波長の変化または感光性物質の観察される色の変化などの機器または目視による観察によって検出可能な応答を生じる感光性物質の量を意味する。「感光性物質」という用語には、感光性有機物質、感光性無機物質またはそれらの混合物が包含されるが、色素および固定チント染料および従来の二色性染料(その二色性特性が本明細書中の下記で検討されるとおりのフォトクロミック物質と関連しない限り)などの着色剤は包含されない。そのような着色剤は、補助成分(複数可)として、本発明の非水性分散液および硬化性フィルム形成性組成物中に包含され得る。一例では、感光性物質は、蛍光染料、リン光性染料、非線形光学物質、フォトクロミック物質またはこれらの混合物から選択される。
【0058】
場合によって、感光性物質(複数可)はさらに、本明細書中で前記した1種または複数の重合性基を含む。重合性基を感光性物質に結合させるための様々な方法が、当業者に公知である。例えば、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,113,814号の第8欄42行から第22欄7行を参照されたい。使用され得るさらなる方法は、米国特許第5,919,846号の第2欄35行から第4欄42行に記載されている方法などの非感光性物質に官能基を結合させるための方法である。感光性物質は、重合性成分の鎖様のポリマー物質に少なくとも部分的に結合され得る。
【0059】
当業者に公知であるとおり、蛍光およびリン光性染料は、原子または分子が高い電子状態から低い電子状態へと経過するときに、可視光を放射する。二つの染料の間の差違は、蛍光染料からの放射に対する曝露後の発光の放射がリン光染料からの放射よりも早く生じることにある。
【0060】
当業者に公知である蛍光染料を、本発明の感光性物質として使用することができる。Haugland, R.P.(1996年)、Molecular Probes Handbook for Fluorescent Probes and Research Chemicals、第6版を参照されたい。蛍光染料の例には、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ローダミン、ベンゾフェノン、クマリン、フルオレセイン、ペリレンおよびそれらの混合物が包含される。
【0061】
当業者に公知のリン光染料を、本発明における感光性物質として使用することができる。リン光染料の例には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム[Ir(ppy)3];2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)[PtOEP]などの金属リガンド錯体およびエオシン(2’,4’,5’,7’−テトラブロモフルオレセイン)、2,2’−ビピリジンおよびエリスロシン(2’,4’,5’,7’−テトラヨードフルオレセイン)などの有機染料が包含される。
【0062】
非線形光学物質(NLO)は、電磁放射線に関して光学的に異方性であるが、また非晶質、例えば、ガリウム砒素、さらにdisperse red1[2873−52−8]4−(N−エチル−N−2−ヒドロキシエチル)アミノ−4’−ニトロアゾベンゼンなどの様々な発色団を組み込んだポリマーであってもよい明確な結晶構造を有し得る。本明細書で使用される場合、「異方性」という用語は、少なくとも一つの異なる向きで測定した場合に値の異なる少なくとも一つの特性を有することを意味する。したがって、「光学的に異方性の物質」は、少なくとも一つの異なる向きで測定する場合に値の異なる少なくとも一つの光学特性を有する物質である。NLO物質の異方性の性質に基づき、当業者に公知であるとおり、物質の秩序付けまたは整列は、これらの物質の非線形挙動を十分に利用するために使用される。一部のNLO物質は、それらを通過する光を、向き、温度、波長などに応じて変化させる。NLO物質のこの特性の一例は、低波長の赤色光がリン酸二水素アンモニウムの結晶に入り、高エネルギーを蓄積した光子を放出し、より高い波長の青色光として出ることである。その開示が参照によって本明細書に組み込まれるD. Arivuoli、「Fundamentals of nonlinear optical materials」、PRAMANA−journal of physics、57巻、5号および6号、2001年11月および12月、871〜883頁を参照されたい。
【0063】
当業者に公知のNLO物質が、本発明において感光性物質として使用され得る。Nalwa, H.S.およびMiyata, S編、Nonlinear Optics of Organic Molecules and Polymers、CRC、1997年を参照されたい。上述の物質に加えて、NLO物質の例には、4−ジメチルアミン−4−ニトロスチルベン;4−[4−(フェニルアゾ)−1−ナフチルアゾ]フェノール;N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−ニトロフェニルアゾ)アニリン;および(S)−(−)−1−(4−ニトロフェニル)−2−ピロリジンメタノールが包含される。
【0064】
フォトクロミック物質は、少なくとも2つの状態を有し、第一の状態は、第一の吸収スペクトルを有し、第二の状態は、第一の吸収スペクトルとは異なる第二の吸収スペクトルを有し、少なくとも二つの異なる波長の少なくとも化学線に応答して、二つの状態を切り替え得る。例えば、第一の吸収スペクトルにおけるフォトクロミック物質の異性体A、例えば、「透明」状態は、第一の波長の光に曝露され、第二の吸収スペクトルにおける異性体B、例えば、「着色」状態に異性化し、これは、第二の異なる波長の光に曝露されると、または第一の波長の光に曝露されると、異性化を中断して異性体Aに戻る。典型的には、透明状態のフォトクロミック物質は、「非活性化」と考えられ、着色状態のフォトクロミック物質は、「活性化」であると考えられる。フォトクロミック物質の種類には、熱可逆的なフォトクロミック物質および非熱可逆的なフォトクロミック物質が存在する。熱可逆的なフォトクロミック物質は、少なくとも化学線に応答して第一の状態と第二の状態とを切り替え、熱エネルギー、例えば、任意の形態の熱または活性化放射の除去に応答して第一の状態に戻り得る。非熱可逆的(または光可逆的)フォトクロミック物質は、化学線に応答して状態を切り替えるのに適しているが、熱エネルギーに応答して状態を切り替えるのには適さない。
【0065】
熱可逆的なフォトクロミック物質および非熱可逆的なフォトクロミック物質は両方とも、適切な条件下で、フォトクロミック特性および二色性特性、例えば、少なくとも部分的に直線的な偏光の両方を示すのに適し得、これはフォトクロミック−二色性物質と称される。本明細書で使用される場合、「少なくとも部分的に直線的な偏光」は、光波の電場ベクトルの一部から全部の振動を1方向または1平面に限定することを意味する。下記でより詳細に検討されているとおり、非線形性の光学物質および/またはフォトクロミック−二色性物質などの光学的に異方性の物質を含む感光性物品は、少なくとも部分的に整列され得る。
【0066】
フォトクロミック物質には、本発明において感光性物質として使用され得る様々な広範なフォトクロミック物質が包含され得る。例えば、フォトクロミック物質は、無機フォトクロミック物質、有機フォトクロミック物質またはそれらの混合物から選択され得る。
【0067】
無機フォトクロミック物質は、銀ハライド、カドミウムハライドおよび/または銅ハライドの結晶を含み得る。他の無機フォトクロミック物質は、例えば、ユーロピウム(II)および/またはセリウム(III)をソーダ−石英ガラスなどの無機ガラスに加えることによって調製され得る。無機フォトクロミック物質を融解ガラスに加えて、本発明の水性組成物に組み込まれる粒子を形成し、そのような粒子を含む微粒子を形成することができる。ガラス粒子は、当分野で公知のいくつかの様々な方法のうちのいずれかによって形成され得る。無機フォトクロミック物質はさらに、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、4版、6巻、322〜325頁に記載されている。
【0068】
フォトクロミック物質は多くの場合に、当業者に公知のとおり300から1000ナノメートルの範囲に少なくとも1つの活性化吸収極大を含む少なくとも1つの有機フォトクロミック物質である。ある種の実施形態では、有機フォトクロミック物質は、(a)400から550ナノメートル未満の可視ラムダ極大を有する少なくとも1種の有機フォトクロミック物質と、(b)550から700ナノメートルの可視ラムダ極大を有する少なくとも1種の有機フォトクロミック物質の混合物を含む。
【0069】
フォトクロミック物質は、次の群の物質を包含し得る:ピラン、オキサジン、フルギド、フルギミド(fulgimide)、ジアリールエテンまたはそれらの混合物。フォトクロミック物質(複数可)は、熱可逆的なフォトクロミック物質および/または非熱可逆的なフォトクロミック物質であってよい。例えば、フォトクロミック物質(複数可)は、熱可逆的なピラン、熱可逆的なオキサジン、熱可逆的なフルギド、熱可逆的なフルギミドまたはそれらの混合物から選択され得る。また、フォトクロミック物質(複数可)は、非熱可逆的なフルギド、非熱可逆的なフルギミド、非熱可逆的なジアリールエテンまたはそれらの混合物であってよい。フォトクロミック物質はまた、フォトクロミック−二色性物質であってよい。
【0070】
本発明において使用され得るフォトクロミックピランの例には、ベンゾピランおよびナフトピラン、例えば、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピランならびにその開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,645,767号の第2欄16行から第12欄57行に開示されているものなどのインデノ縮合ナフトピランおよび米国特許第5,723,072号の第2欄27行から第15欄55行、米国特許第5,698,141号の第2欄11行から第19欄45行、米国特許第6,153,126号の第2欄26行から第8欄60行および米国特許第6,022,497号の第2欄21行から第11欄46行に開示されているものなどの複素環式縮合ナフトピランならびにスピロ−9−フルオレノ[1,2−b]ピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン;フルオロアンテノピランおよびスピロピラン、例えば、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)キノリノピランおよびスピロ(インドリン)ピランが包含される。ナフトピランおよび相補的な有機フォトクロミック物質のより具体的な例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,658,501号の第1欄64行から第13欄17行に記載されている。スピロ(インドリン)ピランはまた、これも参照によって本明細書に組み込まれるテキストTechniques in Chemistry、III巻、「Photochromism」、3章、Glenn H. Brown編、John Wiley and Sons, Inc.、New York、1971年に記載されている。
【0071】
本明細書中に開示されている様々な実施形態と組み合わせて使用され得るフォトクロミックオキサジンの例には、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジンおよびスピロオキサジン、例えば、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオロアンテノオキサジンおよびスピロ(インドリン)キノキサジンが包含される。
【0072】
本明細書に開示されている様々な実施形態と組み合わせて使用され得る熱可逆的なフォトクロミックフルギドまたはフルギミドの例には、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,685,783号の第1欄57行から第5欄27行に開示されているフルギドおよびフルギミドならびに前述のフォトクロミック物質/化合物の任意の混合物が包含される。
【0073】
フォトクロミック物質が少なくとも2種のフォトクロミック化合物を含む場合、それらのフォトクロミック化合物は、個々のフォトクロミック化合物上の結合基置換基を介して互いに結合していてよい。例えば、フォトクロミック物質は、重合性フォトクロミック化合物またはホスト物質と相溶性であるように適合されているフォトクロミック化合物(「適合化されたフォトクロミック物質」)であってよい。本明細書に開示されている様々な実施形態と組み合わせて使用され得る重合性フォトクロミック物質の例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,113,814号の第2欄23行から第23欄29行に開示されている。本明細書において使用され得る適合化フォトクロミック物質の例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,555,028号の第2欄40行から第25欄26行に開示されている。実質的に親水性である重合性フォトクロミック物質は、重合性成分中で実質的に親水性のモノマーとして使用され得る。別法では、実質的に疎水性である重合性フォトクロミック物質は、重合性成分中で実質的に疎水性のモノマーとして使用され得る。
【0074】
他の適切なフォトクロミック基および相補的なフォトクロミック基は、米国特許第6,080,338号の第2欄21行から第14欄43行、米国特許第6,136,968号の第2欄43行から第20欄67行、米国特許第6,296,785号の第2欄47行から第31欄5行、米国特許第6,348,604号の第3欄26行から第17欄15行、米国特許第6,353,102号の第1欄62行から第11欄64行および米国特許第6,630,597号の第2欄16行から第16欄23行に記載されている。上述の特許の上記開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0075】
なおさらに適したフォトクロミック物質には、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20050004361号(現在の米国特許第7,342,112号)の段落[0024]から[00157]に開示されている物質などのフォトクロミック−二色性物質が包含される。そのような物質は、本明細書中、下記に記載されているとおり、少なくとも部分的に整列されている微粒子に偏光特性を与えるために使用され得る。そのようなフォトクロミック−二色性化合物の例には、下記が包含される:
(1)3−フェニル−3−(4−(4−(3−ピペリジン−4−イル−プロピル)ピペリジノ)フェニル)−13,13−ジメチル−インデノ[2’,3’:3,4]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(2)3−フェニル−3−(4−(4−(3−(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)ピペリジノ)フェニル)−13,13−ジメチル−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(3)3−フェニル−3−(4−(4−(4−ブチル−フェニルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(4)3−フェニル−3−(4−([1,4’]ビピペリジニル−1’−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−([1,4’]ビピペリジニル−1’−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(5)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)−ピペリジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;または
(6)そのようなピランの混合物。
【0076】
上述のフォトクロミック物質に加えて、熱不可逆性ジアリールエテンフォトクロミック物質の例が、米国特許出願第2003/0174560号の段落[0025]から段落[0086]に記載されており、熱不可逆性フルギドまたはフンギミドは米国特許第5,631,382号の第2欄35行から第12欄8行に記載されており、それらの開示は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0077】
ある種の実施形態では、感光性物質は、下記から選択されるピランを含むフォトクロミック物質である:
(a)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(b)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(c)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(d)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(e)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;または
(f)そのようなピランの混合物。
【0078】
少なくとも一個の重合性基を有する、および有さないフォトクロミック物質を製造するする方法は、当業者に周知である。例えば、限定ではないが、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(フォトクロミック物質A)は、米国特許第6,113,814号の実施例8(この実施例は、参照によって本明細書に援用される)のプロセスに従うことによって調製され得るが、但し、このプロセスのステップ7において、ジエチレングリコールの代わりにトリエチレングリコールを使用する。
【0079】
(b)3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(フォトクロミック物質B)などのフォトクロミック物質は、当業者に公知の手順を使用して7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレンを1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールと反応させることによって調製され得る。
【0080】
(c)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(フォトクロミック物質C)などのフォトクロミック物質は、米国特許出願公開第2008/0103301号の実施例1(この実施例は、参照によって本明細書に組み込まれる)手順に従って調製され得るが、但し、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールを、ステップ6において、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールの代わりに使用するはずである)。
【0081】
(d)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(フォトクロミック物質D)などのフォトクロミック物質は、フォトクロミック物質Aに関して上記されたのと同じ方法を使用することによって調製することができるが、但し、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ブチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランおよびエチレングリコールを米国特許第6,113,814号の実施例8のステップ7において一緒に反応させる。
【0082】
(e)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(フォトクロミック物質E)などのフォトクロミック物質は、米国特許第7,556,751B2号の実施例1(この実施例は、参照によって本明細書に組み込まれる)の手順に従うことによって調製することができるが、但し、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールをステップ5において、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールの代わりに使用するであろう。
【0083】
3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランなどのフォトクロミック物質は、2−モルホリノ−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−7−エチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン(これは、適切に置換された出発物質を使用して、米国特許第6,296,785号の実施例9(この実施例は、参照によって本明細書に組み込まれる)のステップ2に従うことによって調製され得る)と1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オール(これは、当業者に公知の手順を使用して、米国特許第5,458,814号の実施例1(この実施例は、参照によって本明細書に組み込まれる)のステップ1の方法に従うことによって調製され得る)とを反応させることによって調製され得る。
【0084】
同様に、3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランなどのフォトクロミック物質は、フォトクロミック物質Aのために使用された方法に従うことによって調製され得るが、但し、3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランおよびジエチレングリコールを方法において使用する。
【0085】
3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−ヒドロキシ−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランなどのフォトクロミック物質は、米国特許第5,645,767号の実施例5(この実施例は、参照によって本明細書に組み込まれる)の方法に従うことによって調製され得る。
【0086】
本明細書に記載されている感光性物質は、様々な物質から選択され得る。例には、単一の感光性化合物;感光性化合物の混合物;ポリマー樹脂または有機モノマーの溶液などの少なくとも1種の感光性化合物を含む物質;少なくとも1種の感光性化合物が化学結合されたモノマーもしくはポリマーなどの物質;感光性ポリマー、例えば、一緒に結合したフォトクロミック化合物を含むフォトクロミックポリマー;またはそれらの混合物が包含される。
【0087】
感光性物質が少なくとも1個の重合性基を含む有機フォトクロミック物質であり、共重合性物質が存在する場合、重合性成分は典型的には、重合性成分の固形物総重量が100パーセントであることに基づき、2から25重量パーセントの実質的に親水性のプレポリマー、2から25重量パーセントの実質的に疎水性のプレポリマー、1から45重量パーセントのフォトクロミック物質および5から95重量パーセントの1種または複数の共重合性モノマーを含む。より詳細には、重合性成分は、10から25重量パーセントの実質的に親水性のプレポリマー、10から25重量パーセントの実質的に疎水性のプレポリマー、5から15重量パーセントのフォトクロミック物質および35から75重量パーセントの1種または複数の共重合性モノマーを含んでよい。重合性成分の個々の成分はそれぞれ、上述の範囲を含めたその個々の範囲の任意の組み合わせ間の全ての数量に及び得る。ある種の実施形態では、有機フォトクロミックは、重合性成分の固形物総重量のうちの50重量パーセントまでの量で存在する。
【0088】
本発明のさらなる例には、一体型表面およびドメインと内部ドメインとを含む少なくとも部分的に重合した成分を含む少なくとも部分的に架橋された感光性ポリマー微粒子が包含され、前記表面ドメインは少なくとも1つの実質的に親水性のドメインを含み、前記内部ドメインは少なくとも1つの実質的に疎水性のドメインを含み、前記表面ドメインおよび/またはこの内部ドメインの少なくとも一方は感光性である。ある種の場合には、感光性である表面ドメインおよび/または内部ドメインは、蛍光物質、リン光物質、非線形光学物質、フォトクロミック物質またはそれらの混合物から選択される有効量の少なくとも1種の感光性物質を含む。多くの場合に、内部ドメインが、感光性であるように適合されている。感光性物質は実質的に抽出不可能であり、特定の場合には、感光性物質はフォトクロミック物質である。
【0089】
少なくとも部分的に架橋されたポリマー微粒子は、水性環境における重合性成分の自己集合および部分的な重合によって形成される。微粒子の自己集合の間、実質的に親水性の領域は外部に配向して表面ドメインを形成し、実質的に疎水性の領域は内部に配向して内部ドメインを形成する。本明細書で使用される場合、「表面ドメイン」という用語は、微粒子の外部の連続的な領域(シェル)を意味し、「内部ドメイン」は、微粒子の内部の連続的な領域(コア)を含み、これらのドメインは全て、一体化している。
【0090】
少なくとも1種の感光性物質は多くの場合に、実質的に抽出不可能であるように適合されている。抽出不可能な感光性物質はまた多くの場合に、フォトクロミック物質である。フォトクロミック物質は典型的には、有機フォトクロミック物質であり、少なくとも1個の重合性基で置換されていてよい。実質的に抽出不可能とは、実質的に抽出不可能な感光性物質の微粒子が、抽出を防止する手段、例えば、感光性物質に、本明細書中で後記される重合性成分と反応し得る少なくとも1個の重合性基を与えるステップが行われなかったために実質的に抽出可能である同一の感光性物質の微粒子よりも、少ない感光性物質を放出することを意味する。
【0091】
感光性ポリマー微粒子からの感光性物質(例として、有機フォトクロミック物質を使用)の相対的な抽出性は、本明細書中で前記されているフォトクロミックA(重合性成分と反応し得る少なくとも1個の重合性基を有する)などの実質的に抽出不可能なフォトクロミック物質の有効量のフォトクロミックポリマー微粒子をこの例で使用されるフィルム形成性のコーティング組成物の一方の部分に包含させ、本明細書中で前記されているフォトクロミックF(重合性成分と反応し得る重合性基を有さない)などの実質的に抽出可能なフォトクロミック物質の有効量のフォトクロミックポリマー微粒子をこのコーティング組成物のもう一方の部分に包含させることによって試験され得る。この説明における「有効量」という用語は、活性化すると裸眼で識別可能なフォトクロミック効果を生じさせるのに十分な量のフォトクロミックポリマー微粒子が使用されることを意味する。各種のフォトクロミックポリマー微粒子を含有するコーティング組成物は、少なくとも部分的なコーティングとしてレンズに塗布され、本明細書中の実施例に記載されているとおり少なくとも部分的に硬化される。少なくとも部分的に硬化したコーティングされたレンズおよび同一の物質からなるコーティングされていないレンズを、適切な波長、例えば、390ナノメートル(nm)でのその吸光度についてそれぞれ測定し、フォトクロミック物質の初期量およびレンズ物質の吸光度を測定する。コーティングされていないレンズの吸光度を、それぞれのコーティングされたレンズの吸光度から差し引き、そのようなレンズ物質中に典型的には存在する紫外線安定剤を計上する。コーティングされたレンズおよびコーティングされていないレンズを、別々の容器の等量の溶媒に浸漬するが、感光性物質は、23℃、例えば室温に維持されているテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒に少なくとも部分的に溶け出し得る。30分間隔で、レンズをそれぞれ取り出し、乾燥させて、390nmでのそれらの吸光度について試験し、コーティングされていないレンズの吸光度を少なくとも部分的にコーティングされたレンズのそれぞれの吸光度から差し引く。これを、コーティングされたレンズについての吸光度の読みが有意に変化しなくなるまで続けるが、このことは、抽出可能な量のフォトクロミック物質が抽出されたことを意味する。
【0092】
本発明の感光性ポリマー微粒子に関して、感光性ポリマー微粒子から放出される抽出可能な感光性物質の量と比較した場合の、感光性ポリマー微粒子から放出される実質的に抽出不可能な感光性物質の量は、わずかに少ないからかなり少ないまで変動し得る。言い換えると、実質的に抽出不可能な感光性物質を含む微粒子は、抽出可能なフォトクロミック物質を含有する微粒子より10%から100%少ない感光性物質を放出し得る。
【0093】
感光性物質のサイズの結果として、少なくとも部分的に架橋されたポリマー微粒子の、生じたポリマーネットワーク内に捕捉されることによる捕捉によって、感光性物質は実質的に抽出不可能になり得る。例えば、微粒子感光性物質、例えば、無機フォトクロミック物質またはフォトクロミックオリゴマーもしくはフォトクロミックポリマーを含むガラス微粒子は、サイズによって捕捉されることが予測される数平均分子量および/または立体配置を有する。別法では、感光性物質は、共有結合によって、例えば、表面ドメインおよび/または内部ドメインと反応性の少なくとも1個の官能基によって、ポリマーネットワークに少なくとも部分的に結合し得る。感光性物質はまた、物理的なサイズ、水素結合および共有結合を包含する要因の組み合わせによって保持され得る。
【0094】
実質的に抽出不可能な有機感光性物質、例えば、有機フォトクロミック物質は、それが加えられた物理的相に残ることが観察されている。例えば、内部ドメインの実質的に疎水性の領域と会合する実質的に抽出不可能な有機フォトクロミック物質は、表面ドメインの実質的に親水性の領域に移動し、結晶化する傾向を示さない。
【0095】
本発明の感光性ポリマー微粒子のサイズは、広範に変動し得る。例えば、本発明の微粒子のサイズは、10から10,000ナノメートル(nm)、または20から5000nm、または30から1500nm、または40から1000nm、または50から500nm、または60から200nmの平均粒径、例えば、各粒子が球状の形状を有すると仮定して粒子のサイズを測定し、粒子を完全に囲む最小の球体の直径を指す「粒径」を得るレーザー回折粒径装置によって決定される体積平均粒径の範囲に及び得る。感光性ポリマー微粒子の平均粒径は、示されている値を包括する任意の上述の値の間で変動する範囲、例えば、40から120nmを有する。
【0096】
感光性ポリマー微粒子の平均粒径が50nm未満である場合、このサイズは、紫外線もしくはX線レーザー散乱法、原子間力顕微鏡、中性子散乱または当業者に公知の他の方法により決定され得る。平均粒径が50ナノメートルより大きくかつ1000nmまでである場合、平均粒径は、公知の可視レーザー散乱技術にしたがって測定され得るか、またはこれは、透過型電子顕微鏡(「TEM」)像の電子顕微鏡写真を視覚的に調べ、この像における粒子の直径を測定し、そしてTEM像の倍率に基づいて平均粒径を計算することにより決定され得る。平均粒径が1000nmより大きい場合、このサイズは、当業者に公知の光学顕微鏡法を使用することによって測定され得る。
【0097】
上述の感光性ポリマー微粒子は、架橋物質と反応し得る官能基を含み得る。そのような官能基によっても、感光性ポリマー微粒子はホスト物質、例えば、ポリマー有機物質の成分と反応することが可能となり、感光性ポリマー微粒子はホストとより相溶性になる。「より相溶性」という用語は、感光性ポリマー微粒子とホスト物質との組み合わせが、相溶性の欠如の典型的な指標である曇りまたはヘーズを示す可能性がより低いことを意味する。本発明の一例では、反応するように適合された官能基の少なくとも一部は、親水性であり、例えば、ヒドロキシルおよびカルボキシル官能基である。官能基の例には、ヒドロキシル、カルボキシル、エポキシ、カルバメート、アミノ、メルカプト、アミドおよび/または尿素基が包含される。
【0098】
架橋物質に関して、架橋物質は多くの場合に:反応性不飽和である2つ以上の部位を含む物質;2つ以上の上述の官能基を含む物質;反応性不飽和である1つまたは複数の部位と1つまたは複数の上述の官能基とを含む物質:またはそのような架橋物質の混合物から選択される。ヒドロキシル、カルボキシル、アミドおよびカルバメート官能基含有物質のための架橋物質の例には、アミノプラスト樹脂、フェノプラスト樹脂またはそれらの混合物が包含される。アミノプラスト樹脂の例は、商標CYMEL、例えば、CYMEL(登録商標)327、328、345、350、370および385の名称でCYTEC Industries,Inc.から、かつ商標RESIMENEでMonsanto Chemical Co.から市販されている。
【0099】
ポリイソシアネートおよびブロックされたポリイソシアネートならびにポリアジリジンは、ヒドロキシルならびに第一級および/または第二級アミノ基含有物質のための架橋物質として使用され得る。本発明の感光性微粒子のための架橋剤として使用するのに適したポリイソシアネートおよびブロックされたイソシアネートの例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,546,045号の第5欄16行から38行および米国特許第5,468,802号の第3欄48行から60行に記載されているものである。
【0100】
ヒドロキシル基ならびに第一級および/または第二級アミノ基のための架橋物質の例には、当分野で周知の無水物が包含される。架橋物質として使用するのに適した無水物の例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,798,746号の第10欄16行から50行および米国特許第4,732,790号の第3欄41行から57行に記載されているものである。
【0101】
カルボキシル官能基のための架橋物質の例には、日本のNisshinbo Industries,Incにより製造され、商標CARBODILITEで販売されている物質などのポリエポキシドおよびカルボジイミドが包含される。
【0102】
エポキシ官能基含有物質のための架橋物質の例は、当分野で周知のポリ酸である。架橋物質として使用するのに適したポリ酸の例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,681,811号の第6欄45行から第9欄54行に記載されているものである。
【0103】
カーボネートおよび非障害エステルのための架橋物質の例には、当分野で周知のポリアミンが包含される。本発明の感光性ポリマー微粒子のための架橋物質として使用するのに適したポリアミンの例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,046,729号の第6欄61行から第7欄26行に記載されているものである。
【0104】
ヒドロキシル官能基含有物質のための架橋物質の例には、シロキサン、シランおよび/またはそれぞれの加水分解産物が包含されるが、これらは、PPG Industries,Inc.によって販売されているHi−Gard(登録商標)コーティング溶液などのハードコートを生成するコーティング溶液の代表的な成分である。さらなる例には、トリス[3(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートなどの当分野で周知のシリル置換物質が包含される。
【0105】
望ましく、かつ適切な場合、上述の架橋物質の混合物が使用され得る。
【0106】
一連のさらなる実施形態において、架橋物質との反応性および本明細書中で後記されるものなどの追加的な物理的な特性は、本発明の感光性ポリマー微粒子に関連し得る。微粒子は、重合性成分の形成の間および/または少なくとも部分的に架橋された感光性ポリマー微粒子の形成後に、そのような特性を付与する物質を取り込むことによって、これらの特性を有するように適合され得る。
【0107】
感光性ポリマー微粒子は、微粒子の調製の間および/またはその後に、磁性物質および/または磁気応答性金属酸化物を導入することによって磁性または磁気応答性であるようにされる。そのような物質の例には、当業者に公知であるとおり、超常磁性金属酸化物、常磁性金属酸化物、強磁性金属酸化物、例えば、フェライトまたはこれらの混合物が包含される。磁性粒子は、Dynal Biotechから市販されているか、または例えば、それらの開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,358,388号の第1欄42行から第7欄39行および同第5,356,713号の第1欄47行から第5欄12行に開示されている方法などの当分野で認識されている方法を使用して調製され得る。
【0108】
感光性ポリマー微粒子は、感光性ポリマー微粒子に導電性物質を取り込むことによって導電性であり得る。炭素充填剤、カーボンブラックまたは金属ファイバーなどの導電性充填剤は、微粒子の調製の間および/またはその後に取り込まれ得る。添加される導電性物質の量は、浸透閾値、例えば、微粒子が電流を伝導する充填剤の濃度に合致するか、またはそれを超える条件で広範に変動し得る。導電性ポリマーはまた、重合性成分中にそのようなポリマーのモノマーが包含されることによって、微粒子に取り込まれ得る。導電性ポリマーの例には:ポリアニリンベースのポリマー、ポリピロールベースのポリマー、ポリチオフェンベースのポリマー、ポリエチレンオキシドベースのポリマーまたはそれらのコポリマーが包含される。導電性物質の調製および使用は、当業者に周知の技術を使用して達成され得る。その開示が参照によって本明細書に組み込まれるKirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第9巻、「Electrically Conductive Polymers」、61〜88頁を参照されたい。
【0109】
重合性成分および/または微粒子に非感光性染料および/または色素を導入することによって、呈色が感光性ポリマー微粒子内に取り込まれ得、微粒子を有色にし得る。非感光性染料および色素の例には、当業者に公知の広範な種類の有機物質または無機物質が包含される。非感光性染料の例には、可溶性および分散性のチントなどの固定チントが包含される。色素の例には、有機金属酸化物ならびに動物性、植物性または合成色素などの粉末および有機色素が包含される。上述の非感光性有機染料および色素はまた、本明細書中下記で例として二色性物質を使用して検討されているとおり、重合性であってよい。
【0110】
有機色素の例には、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリン、アントラピリミジン、アンタントロン、フラバントロン、ペリノン(perinone)、ピラントロン(pyranthrone)、それらの置換誘導体およびそれらの混合物が包含される。無機色素の例には、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、カーボンブラックまたはそれらの混合物が包含される。
【0111】
本発明の感光性ポリマー微粒子は、既に記載されたフォトクロミック−二色性物質および/または従来の二色性物質を取り込み、これらを少なくとも部分的に整列させることによって、少なくとも部分的に偏光性になり得る。二色性物質は、伝搬光の2つの直交平面の偏光成分のうちの一方を、他方に比べてより強力に吸収し得る。したがって、二色性物質は、伝搬光を少なくとも部分的に線形に偏光し得る。しかしながら、二色性物質は伝搬光の2つの直交する平面の偏光成分の一方を優先的に吸収し得るが、二色性化合物の分子が適切に配置または整列されない場合、伝搬光の正味の線形偏光は達成されない。すなわち、二色性物質の分子の無作為な配置によって、個々の分子による選択的な吸収は互いに打ち消しあい、その結果、正味または全体的な線形偏光効果は達成されない。そのため、従来の線形偏光素子を形成するためには、二色性物質の分子を他方の物質中に適切に配置または配列させる、例えば、少なくとも部分的に整列させることが一般に必要である。例えば、当業者に公知であるように、ポリマーシートを延伸して、二色性物質を整列させることによって、サングラス用の線形偏光フィルターまたはレンズを製造する。
【0112】
適切な従来の二色性物質の例には、アゾメチン、インジゴイド、チオインジゴイド、メロシアニン、インダン、キノフタロニック(quinophthalonic)染料、ペリレン、フタロペリン、トリフェノジオキサジン、インドロキノキサリン、イミダゾ−トリアジン、テトラジン、アゾおよび(ポリ)アゾ染料、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントロキノン(anthroquinone)および(ポリ)アントロキノン、アントロピリミジノン(anthropyrimidinone)、ヨウ素およびヨウ素酸塩が包含される。二色性物質は重合性二色性物質であってよい。すなわち、二色性物質は、少なくとも1個の重合性基を含み得る。例えば、本明細書における限定ではないが、少なくとも1種の二色性物質は、少なくとも1個の重合性基で終了している少なくとも1個のアルコキシ、ポリアルコキシ、アルキルまたはポリアルキル置換基を有し得る。
【0113】
感光性微粒子の非水性分散液を生成する様々な方法において述べられているとおり、「微粒子を少なくとも部分的に形成するのに十分な条件に物質を供する」という語句は、物質を高剪断応力条件に供して、物質を微粒子へ粒子化することを包含する。高剪断応力は、当業者に公知である任意の高剪断応力技術によって達成され得る。
【0114】
本明細書で使用される場合、「高剪断応力条件」という用語は、下記で詳細に検討される液体−液体衝突技術などの高剪断応力技術だけでなく、機械的手段による高速剪断も包含することも意味する。所望の場合には、微粒子を形成するための水性組成物の粒子化を達成するのに十分な応力が適用される限り、水性組成物へ応力を適用する任意の様式が利用され得ることは理解すべきである。
【0115】
水性組成物を、Microfluidics Corporation(Newton、Massachusetts)から入手可能なMICROFLUIDIZER(登録商標)乳化機を使用することによって、適切な剪断ストレス条件に供し得る。MICROFLUIDIZER(登録商標)高圧衝突乳化機は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,533,254号に詳細に記載されている。この装置は、高圧(最大約1.4×10kPa(20,000psi))ポンプおよび乳化が行われる相互作用チャンバーから構成される。一例では、混合物のプレエマルジョンが調製され、その後、これが高剪断応力に供される。ポンプは、混合物をチャンバーに押し込み、このチャンバーで、混合物は少なくとも2つの流れに分割されて非常な高速で少なくとも2つのスリットを通過し、衝突して、小さな粒子の形成をもたらし、例えば、混合物が「粒子化される」。
【0116】
水性組成物は典型的には、約3.5×10kPaと約1×10kPa(5,000psiと15,000psi)との間の圧力で複数回、または少なくとも部分的に形成された微粒子が製造されるまで、乳化機に通される。この乳化機内の各水性組成物の複数回の通過は、より小さい平均粒径およびより狭い範囲の粒径分布を有する微粒子をもたらし得る。上述のMICROFLUIDIZER(登録商標)乳化機を使用する場合、応力は、液体と液体との衝突によって適用される。上記で述べたとおり、複数回の通過によってさらにサイズを低下させ得る少なくとも部分的に形成された微粒子を達成するのに充分な応力が適用される限り、乳化前の混合物に応力を適用する他のモードが利用され得る。例えば、高い剪断応力条件を適用する別の方法は、超音波エネルギー、ホモジナイザー、ローター/ステーターミキサーおよび/またはジェット分散器の使用である。
【0117】
少なくとも部分的に形成された感光性ポリマー微粒子の重合性成分の重合は、その組成物に開始量の放射線を照射すること、および/またはその組成物に、フリーラジカル重合、熱重合、光重合またはそれらの組み合わせなどの方法によって重合を起こさせ得る開始量の開始剤などの物質を加えることによって達成され得る。本発明の感光性ポリマー微粒子を調製するために使用される物質を重合させる方法は、当業者に周知であり、それらの周知の技術のうちのいずれかが使用され得る。
【0118】
例えば、重合性成分は、例えば、22℃から150℃の範囲の温度での熱重合によって、光重合によって、またはこれらの2つの方法の組み合わせによって、少なくとも部分的に重合され得る。温度の範囲は、少なくとも部分的に形成された微粒子中の重合性成分の熱重合について記載されているが、本明細書中に開示されている温度以外の温度が使用されてもよいことは、当業者によって認められるであろう。
【0119】
照射によって重合を開始させるための方法には、重合性成分の重合反応を開始させるための、紫外放射線、可視放射線、赤外放射線、マイクロ波放射線、ガンマ線放射線または電子線放射線の使用が包含される。その後に、あらゆる未反応の重合性物質を硬化させるための熱によるステップが続き得る。
【0120】
重合性成分の重合は、水性組成物中に、有機ペルオキシ化合物またはアゾビス(オルガノニトリル)化合物、例えば、開始剤などのフリーラジカルを発生させ得る物質の開始量を包含させることによって行われ得る。熱重合開始剤として使用され得る適切な有機ペルオキシ化合物の例には:t−ブチルヒドロペルオキシド、炭酸第三級ブチルペルオキシイソプロピルなどのペルオキシ一炭酸エステル;ペルオキシ二炭酸ジ(2−エチルヘキシル)、ペルオキシ二炭酸ジ(第二級ブチル)およびペルオキシ二炭酸ジイソプロピルなどのペルオキシ二炭酸エステル;2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド;t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシオクチレートおよびt−ブチルペルオキシイソブチレートなどのペルオキシエステル;メチルエチルケトンペルオキシドならびにアセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシドが包含される。熱開始剤は好ましくは当業者に公知であるとおり、生じたポリマー微粒子を退色させず、さらなる熱を必要としない酸化還元開始剤系に関与し得るものである。例えば、その開示が参照によって本明細書に組み込まれるG.S.Misraによる「Redox Polymerization」、Prog.Polym.Sci.、第8巻、61〜131頁、1982年を参照されたい。
【0121】
熱重合開始剤として使用され得る適切なアゾビス(オルガノニトリル)化合物の例には、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソブチロニトリルまたはそれらの混合物が包含される。
【0122】
重合性成分を開始させ、重合させるために使用される熱重合開始剤の量は、変動し得、使用される特定の開始剤に左右される。重合反応を開始させ、その重合反応を維持するために必要とされる量のみが、必要とされる。アゾビス(オルガノニトリル)化合物では、1つの非限定的な実施形態において、重合性成分100部あたり0.01部から5.0部の間の開始剤(phm)が、使用され得る。典型的には、熱硬化サイクルは、重合性成分を開始剤の存在下で、室温から125℃までの範囲の温度に、20分から2時間にわたって加熱するステップを伴う。時間の範囲は、少なくとも部分的に形成された微粒子中の重合性成分の熱重合について記載されているが、本明細書に開示されている以外の時間間隔が使用され得ることは、当業者によって認められるであろう。
【0123】
重合性成分の光重合は、光開始剤の存在下で、紫外光および/または可視光を使用して、実施され得る。本発明において使用され得る光開始剤の例には、切断型の光開始剤および引抜型の光開始剤が包含される。
【0124】
切断型の光開始剤の例には、アセトフェノン、α−アミノアルキルフェノン、ベンゾインエーテル、ベンゾイルオキシム、アシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシドまたはそのような開始剤の混合物が包含される。そのような光開始剤の市販の例は、Ciba Chemicals,Inc.から入手可能なDAROCURE(登録商標)4265である。引抜型の光開始剤の例には、ベンゾフェノン、マイケルケトン、チオキサントン、アントラキノン、カンファーキノン、フルオロン、ケトクマリンまたはそのような開始剤の混合物が包含される。
【0125】
引抜型の光開始剤は典型的には、引き抜きのために不安定な水素原子を提供するために加えられるアミンおよび他の水素供与物質のような物質の存在下で、より良好に機能する。代表的な水素供与体は、酸素または窒素に対してアルファ位に活性水素を有する(例えば、アルコール、エーテルおよび第三級アミン)か、または硫黄に直接結合している活性水素(例えば、チオール)を有する。そのような添加物質の不在下でも、光開始は、その系内のモノマー、オリゴマーまたは他の成分からの水素の引き抜きを介して依然として起こり得る。
【0126】
カチオン性光開始剤もまた、上述の光開始剤と組み合わせて使用され得る。引抜型の光開始剤と共に使用されるカチオン性開始剤の例は、ブチリルコリントリフェニルブチルボレートまたはそのような物質の組み合わせなどの水素供与物質である。カチオン性光開始剤のさらなる例は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,639,802号の第8欄第59行から第10欄第46行に記載されているオニウム塩である。
【0127】
少なくとも部分的に形成された微粒子の重合性成分を開始させ、重合させるために使用される光重合開始剤の量は、変動し得、使用される特定の開始剤に左右される。重合反応を開始させ、維持するために必要とされる量のみが、必要とされる。光重合開始剤は、重合性成分の重量に基づいて、0.01重量%から5重量%の量で使用され得る。
【0128】
光重合のために使用される光源は、紫外光および/または可視光を発光するものから選択される。この光源は、水銀灯、FeI3および/またはGaI3をドープされた水銀灯、殺菌灯、キセノンランプ、タングステンランプ、金属ハロゲン化物ランプまたはそのようなランプの組み合わせであってよい。典型的には、光開始剤または光開始剤の組み合わせの吸収スペクトルは、最高の硬化効率のために、電球、例えば、H電球、D電球、Q電球および/またはV電球のスペクトル出力と一致する。露光時間は、光源の波長および強度、光開始剤ならびに重合性成分に応じて変動し得る。少なくとも部分的に形成された微粒子はまた、開始剤の存在を必要としない電子線プロセスを使用することによって、少なくとも部分的に重合され得る。
【0129】
感光性微粒子中の重合性成分を、熱および/または光重合方法を使用して重合させるための開始剤および方法のさらなる記載は、それらの開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,602,603号の第11欄1行から第13欄36行および米国特許第7,001,952号の第11欄15行から50行に開示されている。
【0130】
本発明はまた、(a)反応性官能基を有する少なくとも1つの物質を含むフィルム形成性成分と、(b)上記のもののうちのいずれかなどの感光性ポリマー微粒子の非水性分散液とから調製される硬化性感光性フィルム形成性組成物を提供する。そのようなフィルム形成性組成物は多くの場合に溶媒媒性であり;適切な溶媒には、コーティング配合物の分野で公知のもの、例えば、ブタノールなどのアルコール;メチルアミルケトンなどのケトン;キシレン、AROMATIC/SOLVESSO 100、Exxon Mobil Chemicalsから入手可能な芳香族溶媒のブレンドなどの芳香族炭化水素;およびアルキレングリコールモノアルキルまたはジアルキルエーテルなどのグリコールエーテル;アルコキシアルキルアセテート酢酸エステルなどのエステル;ならびに上記のいずれかからなる混合物が包含される。
【0131】
フィルム形成性成分(a)は、一般式RM(OR’)z−xのアルコキシドを含んでよい[式中、Rは有機基であり、Mはケイ素、アルミニウムチタンおよび/またはジルコニウムであり、R’はそれぞれ独立に、アルキル基であり、zはMの原子価であり、xは、z未満の数であり、0に等しくてもよい]。そのようなアルコキシドは、ゾル−ゲル、即ち、溶液ゲル化コーティングを調製する際に有用である。適切な有機基の例には、これらに限られないが、アルキル、ビニル、メトキシアルキル、フェニル、3−グリシドキシプロピルおよび3−メタクリルオキシプロピルが包含される。アルコキシドは、当分野で公知の他の化合物および/またはポリマーとさらに混合または反応し得る。特に適しているのは、オルガノアルコキシシランを少なくとも部分的に加水分解することから形成されるシロキサンを含む組成物である。適切なアルコキシド含有化合物およびそれらを製造する方法の例は、米国特許第6,355,189号;米国特許第6,264,859号;米国特許第6,469,119号;米国特許第6,180,248号;米国特許第5,916,686号;米国特許第5,401,579号;米国特許第4,799,963号;米国特許第5,344,712号;米国特許第4,731,264号;米国特許第4,753,827号;米国特許第4,754,012号;米国特許第4,814,017号;米国特許第5,115,023号;米国特許第5,035,745号;米国特許第5,231,156号;米国特許第5,199,979号;および米国特許第6,106,605号に記載されている。そのようなアルコキシドおよびその調製は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20060246305号の段落[0015]から[0023]に詳細に記載されている。そのようなアルコキシドを使用することによって、低い干渉と、特に基材が下記で検討されているとおり高屈折率光学グレードの基材である場合には、フィルム形成性組成物と基材との間での屈折率の最小の差違が可能になる。
【0132】
加えて、または別法では、フィルム形成性成分(a)は、自己縮合性アミノプラストを包含するアミノプラストなどの上記で列挙した架橋性物質のいずれかを含んでよい。
【0133】
フィルム形成性成分(a)は、熱硬化性ポリマー物質、熱可塑性ポリマー物質またはそのようなポリマー物質の混合物を含んでよい。例えば、フィルム形成性成分(a)は、ポリウレタン、キャップされたもしくは遊離のポリイソシアネートと組み合わせたポリオール、ポリ(尿素−ウレタン)、アミノプラスト樹脂、ポリシロキサン、ポリ無水物、ポリアクリルアミド、エポキシ樹脂またはポリ(メタ)アクリレート、例えば、ポリメタクリレート、ポリアクリレートまたはそれらの混合物から選択される熱可塑性ポリマー物質を含んでよい。フィルム形成性成分(a)は別法では、UV放射線などの化学線を使用して硬化可能な1種または複数の異なるエチレン系不飽和モノマーを含んでよい。
【0134】
フィルム形成性成分(a)がキャップされたもしくは遊離のポリイソシアネートと組み合わされたポリオールを含む場合、有用なポリイソシアネートは、多数あり、幅広く変動する。例には、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート(イソシアナト基の1個または複数が脂環式環に直接結合している)、脂環式ポリイソシアネート(イソシアナト基の1個または複数が脂環式環に直接結合していない)、芳香族ポリイソシアネート(イソシアナト基の1個または複数が芳香環に直接結合している)および芳香族ポリイソシアネート(イソシアナト基の1個または複数が芳香環に直接結合していない)ならびにそれらの混合物が包含され得る。芳香族ポリイソシアネートが使用される場合、一般に、ポリウレタンの含有が着色(例えば、黄色)の原因とならない物質を選択するように配慮すべきである。
【0135】
ポリイソシアネートには、脂肪族または脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、それらの環式ダイマーおよび環式トリマーならびにそれらの混合物が包含され得る。適切なポリイソシアネートの例には、Bayerから市販されているDesmodur N 3300(ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー);Desmodur N 3400(60%ヘキサメチレンジイソシアネートダイマーおよび40%ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー)が包含され得る。また、Baxenden Chemicals, Ltd.から入手可能なTrixene BL 7960、ブロックドイソシアネートも適している。ポリイソシアネートには、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびそれらの異性体混合物が包含され得る。本明細書および請求の範囲で使用される場合、「異性体混合物」という用語は、ポリイソシアネートのシス−シス、トランス−トランスおよび/またはシス−トランス異性体の混合物を指す。本発明で使用するための異性体混合物の例には、後記では「PICM」(パライソシアナトシクロヘキシルメタン)と称される4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)のトランス−トランス異性体、PICMのシス−トランス異性体、PICMのシス−シス異性体およびそれらの混合物が包含され得る。
【0136】
本発明で使用するための適切な異性体には、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の下式の3種の異性体が包含される
【0137】
【化1】

【0138】
PICMは、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第2,644,007号;米国特許第2,680,127号および米国特許第2,908,703号に開示されている手順などの当分野で周知の手順によって、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(PACM)をホスゲン化することによって調製され得る。PACM異性体混合物は、ホスゲン化すると、室温で液相、部分的に液相、または固相のPICMをもたらし得る。別法では、PACM異性体混合物は、メチレンジアニリンの水素化および/または水ならびにメタノールおよびエタノールなどのアルコールの存在下でのPACM異性体混合物の分別結晶化によって得られ得る。
【0139】
使用され得る追加の脂肪族および脂環式ジイソシアネートには、Arco Chemicalから市販されている3−イソシアナト−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−イソシアネート(「IPDI」)およびCytec Industries Inc.から商品名TMXDI(登録商標)(メタ)脂肪族イソシアネートで市販されているメタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)−ベンゼン)が包含される。
【0140】
本明細書および請求の範囲で使用される場合、「脂肪族および脂環式ジイソシアネート」という用語は、2個のジイソシアネート反応性末端基を有する直鎖または環化で結合されている6から100個の炭素原子を指す。本発明で使用するための脂肪族および脂環式ジイソシアネートには、TMXDIおよび式R−(NCO)の化合物[式中、Rは脂肪族基または脂環式基を表す]が包含され得る。
【0141】
フィルム形成性成分(a)中のポリオールは、OH基を含む少なくとも2個の活性水素基を有する化合物を含んでよく、加えて、第一級アミン基、第二級アミン基、チオール基および/またはそれらの組み合わせを包含し得る。OH基のみを有する単一の多官能性化合物が典型的には使用される;同様に、混合官能基を有する単一の多官能性化合物が使用され得る。
【0142】
フィルム形成性成分中のポリウレタン物質を調製する際に本発明で使用するための適切なOH含有物質には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびそれらの混合物が包含され得る。
【0143】
ポリエーテルポリオールの例は、下記の構造式を有するものを包含するポリアルキレンエーテルポリオールである:
【0144】
【化2】

【0145】
[式中、置換基R1は、水素または混合置換基を包含する1から5個の炭素原子を含有する低級アルキルであり、nは典型的には、2から6であり、mは8〜100以上である]。ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシテトラエチレン)グリコール、ポリ(オキシ−1,2−プロピレン)グリコールおよびポリ(オキシ−1,2−ブチレン)グリコールが包含される。アルキレンオキシドの例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、これらに限られないが、スチレンオキシドなどのアラルキレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物が包含され得る。ポリオキシアルキレンポリオールは、アルキレンオキシドの混合物を用いて、ランダムまたはステップ方式のオキシアルキル化を使用して調製され得る。
【0146】
様々なポリオール、例えば、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールおよびビスフェノールAなどのジオールまたはトリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールなどの他のより高級なポリオールのオキシアルキル化から形成されるポリエーテルポリオールもまた有用である。示されているとおり利用することができるより高級な官能性のポリオールは、例えば、スクロースまたはソルビトールなどの化合物のオキシアルキル化によって製造され得る。1つの一般的に利用されるオキシアルキル化方法は、酸触媒または塩基触媒の存在下でポリオールをアルキレンオキシド、例えば、プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドと反応させることである。特定のポリエーテルには、E.I.Du Pont de Nemours and Company,Inc.から入手可能なTERATHANEおよびTERACOLの名称で販売されているものならびにQ O Chemicals,Inc.(Great Lakes Chemical Corp.の子会社)から入手可能なPOLYMEGが包含される。
【0147】
本発明で使用するためのポリエーテルグリコールには、これに限られないが、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが包含され得る。
【0148】
ポリエーテル含有ポリオールは、エチレンオキシド−プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシド−ブチレンオキシドのブロックを包含するブロックコポリマーを含み得る。BASFから市販されているPluronic R、Pluronic L62D、Tetronic RおよびTetronicが、ポリエーテル含有ポリオール物質として本発明では使用され得る。
【0149】
適切なポリエステルグリコールには、アジピン酸、コハク酸またはセバシン酸などの1種または複数の4から10個の炭素原子を有する二カルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,10−デカンジオールなどの1種または複数の2から10個の炭素原子を有する低分子量グリコールとのエステル化生成物が包含され得る。ポリエステルグリコールは、アジピン酸と、2から10個の炭素原子のグリコールとのエステル化生成物であってよい。
【0150】
本発明で使用するのに適したポリカプロラクトングリコールには、E−カプロラクトンと1種または複数の上記で列挙された低分子量グリコールとの反応生成物が包含され得る。ポリカプロラクトンは、水または少なくとも1種の上記で列挙された低分子量グリコールなどの二官能性活性水素化合物の存在下でカプロラクトンを縮合させることによって調製され得る。ポリカプロラクトングリコールの特定の例には、Solvay CorpからCAPA(登録商標)2047およびCAPA(登録商標)2077として入手可能なポリカプロラクトンポリエステルジオールが包含される。
【0151】
ポリカーボネートポリオールは、当分野で公知であり、Ravecarb(商標)107(Enichem S.p.A.)などとして市販されている。ポリカーボネートポリオールは、米国特許第4,160,853号などに記載されているとおり、ジオールなどの有機グリコールおよびジアルキルカーボネートを反応させることによって製造され得る。ポリオールには、様々な重合度を有するポリヘキサメチルカーボネートが包含され得る。
【0152】
グリコール物質は、500未満の分子量を有するポリオールなどの低分子量ポリオールおよびその相溶性の混合物を含み得る。本明細書で使用される場合、「相溶性の」という用語は、それらのグリコールが、互いに可溶性で、単一相を形成することを意味する。これらのポリオールの例には、低分子量ジオールおよびトリオールが包含され得る。使用される場合、トリオールの量は、ポリウレタンにおいて高い架橋度を回避するように選択する。高い架橋度は、中程度の熱および圧力によっては成形不可能な硬化性ポリウレタンをもたらし得る。有機グリコールは典型的には、2から16個または2から6個または2から10個の炭素原子を含有する。そのようなグリコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−、2,4−および1,5−ペンタンジオール、2,5−および1,6−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン、グリセリン、これらに限られないが、ペンタエリトリトールなどのテトラメチロールメタン、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパン;ならびにそれらの異性体が包含され得る。
【0153】
OH含有物質は、例えば、少なくとも60または少なくとも90または少なくとも200の重量平均分子量を有し得る。加えて、OH含有物質は、例えば、10,000未満または7000未満または5000未満または2000未満の重量平均分子量を有し得る。
【0154】
本発明で使用するためのOH含有物質には、アジピン酸などの少なくとも1種の低分子量ジカルボン酸から生じるテルエステル(terester)が包含され得る。
【0155】
本発明で使用するためのポリエステルグリコールおよびポリカプロラクトングリコールは、例えば、論文D. M. Young、F. Hostettlerら、「Polyesters from Lactone」、Union Carbide F−40、147頁に記載されている公知のエステル化またはエステル交換手順を使用して調製され得る。
【0156】
ポリエステルグリコールはまた、1,6−ヘキサンジオールおよびアジピン酸;1,10−デカンジオールおよびアジピン酸;または1,10−デカンジオールおよびカプロラクトンの反応から調製され得る。
【0157】
本発明で使用するためのポリオールは、(a)アジピン酸と、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールまたは1,10−デカンジオールから選択される少なくとも1種のジオールとのエステル化生成物;(b)E−カプロラクトンと、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールまたは1,10−デカンジオールから選択される少なくとも1種のジオールとの反応生成物;(c)ポリテトラメチレングリコール;(d)脂肪族ポリカーボネートグリコールおよび(e)それらの混合物から選択され得る。
【0158】
多くの場合に本発明のフィルム形成性組成物では、感光性ポリマー微粒子は、フィルム形成性成分(a)中の物質中の反応性官能基と反応性で、微粒子を組成物と一体化させる官能基を含有する。そのような官能基は、上記で検討されたもののいずれかであってよい。
【0159】
本発明のフィルム形成性組成物は、基材をコーティングし、感光性コーティングされた物品を調製するために使用され得る。そのような基材は、光学メモリ素子、ディスプレイ素子、眼用素子、窓用素子またはミラー素子などの光学素子であってよい。
【0160】
基材に塗布し、硬化させると、本発明の硬化性フィルム形成性組成物は多くの場合に、1.5を超える、多くの場合に1.55から1.65、より多くの場合に1.58から1.60の屈折率を示す。
【0161】
基材は、熱硬化性ポリマー有機物質、熱可塑性ポリマー有機物質またはそのようなポリマー有機物質の混合物から選択される少なくとも部分的に硬化されたポリマー有機物質を含み得る。本発明の他の実施形態では、ポリマー有機物質ポリマー有機物質は、ポリ(C1〜C12アルキルメタクリレート)、ポリ(オキシアルキレンジメタクリレート)、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリスルフィチオウレタン(polysulfithiourethane)、ポリ(尿素−ウレタン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(アルファメチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラールまたはビス(アリルカーボネート)モノマー、多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールポリアクリレートモノマー、スチレンモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、グリシジルアクリレートモノマー、グリシジルメタクリレートモノマー、ジアリリデンペンタエリトリトールモノマーもしくはそのようなモノマーの混合物から調製されるポリマーから選択される。
【0162】
本発明の光学素子を調製する際に使用するのに適した基材は、少なくとも1.55の屈折率を示し、ガラスなどの非プラスチック基材を包含する。より多くの場合に、光学用途で一般に使用される基材が使用され、それらには、ポリオール(アリルカーボネート)モノマー、例えば、PPG Industries, Incによって商標CR−39で販売されているジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)などのアリルジグリコールカーボネート;例えば、ポリウレタンプレポリマーおよびジアミン硬化剤の反応によって調製されるポリ尿素−ポリウレタン(ポリ尿素ウレタン)ポリマー(ここで、1種のそのようなポリマーのための組成物は、商標TRIVEXでPPG Industries,Incによって販売されている);末端にカーボネートモノマーを有するポリオール(メタ)アクリロイル;ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー;エトキシル化フェノールメタクリレートモノマー;ジイソプロペニルベンゼンモノマー;エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー;エチレングリコールビスメタクリレートモノマー;ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー;ウレタンアクリレートモノマー;ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(塩化ビニル);ポリ(塩化ビニリデン);ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリウレタン;ポリチオウレタン;ビスフェノールAおよびホスゲンに由来するカーボネート架橋樹脂などの熱可塑性ポリカーボネート(1種のそのような物質は、商標LEXANで販売されている);商標MYLARで販売されている物質などのポリエステル;ポリ(エチレンテレフタレート);ポリビニルブチラール;商標PLEXIGLASで販売されている物質などのポリ(メタクリル酸メチル)ならびにポリチオール、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートおよび場合によって、エチレン系不飽和モノマーまたはハロゲン化芳香族含有ビニルモノマーでホモ重合または共重合および/または三元重合されている、多官能性イソシアネートとポリチオールもしくはポリエピスルフィドモノマーとを反応させることによって調製されるポリマーが包含される。また、例えば、相互侵入ネットワーク生成物を形成するためのそのようなモノマーのコポリマーならびに前記ポリマーおよびコポリマーと他のポリマーとのブレンドも企図される。典型的には、基材の屈折率は、1.55から1.67、多くの場合に1.55から1.65の間である。チオウレタン、ポリカーボネートおよび/またはチオベースのポリウレタン尿素が最も一般的に使用される基材である。
【0163】
光学素子には、光学メモリおよび画像処理のためのデバイスなどの光学メモリ素子;矯正レンズ、非矯正レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、保護レンズおよびバイザなどの眼用素子;建造物、自動車、オートバイおよび航空機の透明部品、フィルター、シャッターおよび光学スイッチなどの窓用素子;ミラー素子;ならびにスクリーン、モニタ、液晶セル、有機発光デバイスおよびセキュリティー素子などのディスプレイ素子が包含される。
【0164】
本明細書で使用される場合、「光学」という用語は、光および/または映像に関係することまたは関連することを意味する。光学メモリ素子には、画像処理デバイスおよび光学データ格納デバイスが包含され得る。そのような光学メモリ素子において、そのデバイスと光信号との相互作用は、画像の形態の変化が処理もしくは維持されるまで、または情報の形態の変化がさらに変化もしくは消去されるまで維持されるまでの時間にわたって、これらのデバイスの光学メモリの変化を引き起こす。本明細書において使用される場合、「眼用」という用語は、眼および視力に関係することまたは関連することを意味する。眼用素子の例には、セグメント化されているか、またはセグメント化されていないマルチビジョンレンズ(これらに限定されないが、二焦点レンズ、三焦点レンズおよび累進レンズなど)であってよい単一視レンズまたはマルチビジョンレンズが包含される矯正レンズおよび非矯正レンズ、さらに、限定ではないが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズおよび保護レンズまたはバイザが包含される視力を(美的に、またはその他で)矯正するか、保護するか、または増強するために使用される他の素子が包含される。
【0165】
本明細書で使用される場合、「窓」という用語は、それを通って放射線が透過することを可能にするように適合された開口部分を意味する。窓の例には、建造物、自動車および航空機の透明部品、フィルター、シャッターならびに光学スイッチが包含される。本明細書で使用される場合、「ミラー素子」という用語は、入射光の大部分を鏡のように反射させる表面を意味する。本発明において、反射光は、このミラー素子に連結された感光性ポリマー微粒子の種類によって改変され得る。
【0166】
本明細書で使用される場合、「ディスプレイ」という用語は、単語、数字、記号、図案または図の形態での情報の可視か、または機械読み取り可能な表現を意味する。ディスプレイ素子およびデバイスの例には、スクリーン、モニタ、液晶セル、有機発光デバイスおよびセキュリティー素子が包含される。本明細書で使用される場合、「液晶セル」という用語は、秩序付けられ得る異方性物質である液晶物質を含有する構造体を指す。能動液晶セルは、液晶物質が、電場または磁場などの外力の付与によって、秩序付けられた状態と秩序付けられていない状態との間で切り替えられ得るセル、または2つの秩序付けられた状態の間で切り替えられ得るセルである。受動液晶セルは、液晶物質が、1つの秩序付けられた状態に維持されるセルである。能動液晶セル素子またはデバイスの一例は、液晶ディスプレイである。
【0167】
本明細書で使用される場合、「秩序付ける(order)」という用語は、別の構造体もしくは物質と整列させることなどによって、または他の何らかの力もしくは影響によって、適切な配置または位置にすることを意味する。したがって、本明細書で使用される場合、「秩序付ける」という用語は、別の構造体または物質と整列させることなどの物質を秩序付けるための接触方法と、外力または影響への曝露などによって、物質を秩序付けるための非接触方法との両方を包含する。「秩序付ける」という用語はまた、接触方法と非接触方法との組み合わせを包含する。
【0168】
液晶物質、さらに非線形光学物質、フォトクロミック−二色性物質、さらに二色性染料などの他の異方性物質を、少なくとも部分的に秩序付ける方法の例には、液晶物質を例として使用する本明細書中に開示されている様々な実施形態に従うと、その液晶物質の少なくとも一部を、磁場、電場、線形に偏光した赤外放射線、線形に偏光した紫外放射線、線形に偏光した可視放射線および剪断力のうちの少なくとも1つに曝露するステップが包含される。
【0169】
液晶物質を少なくとも部分的に秩序付ける上述の方法に加えて、液晶物質は、その液晶物質の少なくとも一部を、配向設備などの別の物質または構造体と整列させることによって、少なくとも部分的に秩序付けられ得る。本明細書で使用される場合、「配向設備」という用語は、その設備の少なくとも一部に直接および/または間接的に曝露される1つまたは複数の他の構造体の位置決めを容易にし得る機構を意味する。配向設備に関するさらなる情報は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる2004年5月17日に出願された、米国特許出願P−108,935の段落[0153]から[0288]に開示されている。
【0170】
光学素子は多くの場合に、光学メモリ素子、ディスプレイ素子、眼用素子、窓用素子またはミラー素子から選択される。ディスプレイ素子は多くの場合に、スクリーン、モニタ、液晶セル、有機発光デバイスまたはセキュリティー素子から選択される。具体的な実施形態において、光学素子は、有機発光デバイス「OLED」であり、ここで、第一の表面はアノードであり、第二の表面はカソードであり、そしてこれらの表面の間に位置する物質は発光物質であり、前記発光物質は、前記アノードおよび前記カソードと電気的に接触している。
【0171】
電流がOLEDに印加されると、有効量の本発明の感光性ポリマー微粒子を含む発光物質中に、アノードは、正孔を注入し、カソードは電子を注入する。注入された正孔および電子はそれぞれ、逆に荷電した電極の方へと移動する。電子およびホールが同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在した電子−正孔対である「励起子」が形成される。この励起が、当業者に公知であるような光電子放出機構を介して緩和する場合に、光が発光する。例えば、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,687,266号の第2欄47行から第18欄59行を参照されたい。これらの場合、少なくとも部分的に架橋された感光性ポリマー微粒子は典型的には、蛍光物質、リン光物質またはそれらの混合物から選択される有効量の感光性物質を含む。
【0172】
セキュリティー素子の例には、有効量の本発明の少なくとも部分的に架橋された感光性ポリマー微粒子がその物品の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に組み込まれており、かつ/または結合されている物品が包含される。感光性ポリマー微粒子の有効量は、その物品の証明を可能にするような微粒子の量である。有効量の感光性微粒子は、証明マーク中に局在し得る。そのようなセキュリティー素子の例には、限定ではないが、アクセスカードおよび許可証、例えば、切符、バッジ、識別カードまたは会員カード、デビットカードなど;譲渡可能な文書および譲渡不可能な文書、例えば、為替、小切手、証文、紙幣、預金の証明書、株式証明書など;政府の公文書、例えば、通貨、免許証、身分証明書、給付金カード、ビザ、パスポート、公式の証明書、証書など;消費材、例えば、ソフトウェア、コンパクトディスク(「CD」)、デジタルビデオディスク(「DVD」)、器具、消費者電気機器、スポーツ用品、車など;クレジットカード;または商品タグ、ラベルおよびパッケージが包含される。
【0173】
セキュリティー素子は、透明基材および反射性基材から選択される基材の少なくとも一部に結合され得る。別法では、反射性基材が必要とされる場合、その基材が反射性ではないか、または意図された用途のために充分には反射性でなければ、反射性物質が、この基材の少なくとも一部にまず施与され、その後、証明マークがそこに施与されてよい。例えば、少なくとも部分的に反射性であるアルミニウムコーティングが、この基材の少なくとも一部に塗布され、その後、その上にセキュリティー素子が形成されてよい。なおさらに、セキュリティー素子(複数可)は、着色されていない基材、着色された基材、フォトクロミック基材、着色されたフォトクロミック基材、少なくとも部分的に線形偏光する基材、少なくとも部分的に円偏光する基材および少なくとも部分的に楕円偏光する基材から選択される基材の少なくとも一部に結合され得る。ある種の場合には、セキュリティー素子は、少なくとも部分的に線形偏向するセキュリティー素子である。
【0174】
さらに、セキュリティー素子は、1つまたは複数の他のコーティングまたはシートをさらに含み、本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第6,641,874号の第1欄6行から第13欄28行に記載されているとおりの観察角度に依存する特徴を有する多層反射性セキュリティー素子を形成し得る。
【0175】
本明細書で使用される場合、コーティングまたは基材に関して、「少なくとも部分的に線形偏向する」という用語は、放射線を線形偏光させる(例えば、光波の電場ベクトルの振動の一部から全部を一方向に制限する)ように適合されたコーティングまたは基材をさす。本明細書で使用される場合、コーティングまたは基材に関して、「少なくとも部分的に円偏光する」という用語は、放射線の一部から全部を円偏光させるように適合されたコーティングまたは基材をさす。本明細書で使用される場合、コーティングまたは基材に関して、「少なくとも部分的に楕円偏向する」という用語は、放射線の一部から全部を楕円偏光させるように適合されたコーティングまたは基材をさす。本明細書で使用される場合、コーティングまたは基材に関して、「フォトクロミック」という用語は、少なくとも化学線放射に応答して変化する可視放射線についての吸収スペクトルを有するコーティングまたは基材をさす。さらに、基材に関して本明細書で使用される場合、「着色されたフォトクロミック」という用語は、着色剤およびフォトクロミック物質を含有し、少なくとも化学線に応答して変化する可視放射線、紫外放射線および/または赤外放射線についての吸収スペクトルを有する基材を意味する。したがって、例えば、着色されたフォトクロミック基材は、化学線放射線に曝露される場合に、着色剤の第一の色特徴および着色剤とフォトクロミック物質との組み合わせの第二の色特徴を有し得る。
【0176】
本発明のフィルム形成性組成物を塗布する方法には、スピンコーティング、スプレーコーティング、スプレーおよびスピンコーティング、カーテンコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、射出成型、キャスティング、ロールコーティング、ワイヤコーティングおよびオーバーモールディングなどのコーティングを塗布するために当業者に公知の方法が包含される。一例では、感光性ポリマー微粒子を含む少なくとも部分的なコーティングが、型に塗布され、基材は、このコーティングの上部に形成されるか、または予め形成された基材が、例えばオーバーモールディングによって、このコーティングの上部に配置され、そしてそのコーティングが、少なくとも部分的に硬化される。この場合には、コーティングは、感光性ポリマー微粒子を含む液体または粉末コーティングとして塗布され得る。本明細書中で以下に記載されているポリマーシートを包含するフォトクロミック物品もまた、オーバーモールディングプロセスを使用して調製され得る。
【0177】
コーティングされた基材は、プライマーコーティング、耐摩耗性コーティング、抗反射性コーティング、感光性コーティングと耐摩耗性コーティングとの間に介在する移行コーティングなどの追加コーティング層;少なくとも部分的に偏光するポリマーフィルムまたはコーティングおよびそれらの組み合わせをさらに含んでよい。
【0178】
上記で特記されているとおり、場合によって、プライマーコーティングは、硬化性フィルム形成性組成物を塗布する前に基材表面に塗布される。プライマーコーティングは、基材と硬化性フィルム形成性組成物との間に介在し、ポリマーコーティング成分と基材およびその逆の相互作用を防止するバリアコーティングとして、かつ/または硬化性フィルム形成性組成物の基材表面への付着を促進する粘着層として働く。プライマーは、任意の公知の方法、例えば、スプレー、スピン、スプレッド、カーテン、ロールまたはディップコーティングによって基材に塗布され得;清浄化され未処理か、または清浄化され処理された、例えば、化学的に処理されているか、またはプラズマ処理されている基材表面に塗布され得る。プライマーコーティングは当業者に周知である。適切なプライマーコーティングの選択は、使用される基材に左右される、即ち、プライマーコーティングは、基材および硬化性フィルム形成性組成物の表面と化学的および物理的に相溶性でなければならず、一方で、所望の官能性の利益を、プライマーコーティング、即ち、バリアおよび粘着特性に与える。
【0179】
プライマーコーティングは、1つまたは複数の単分子層厚であってよく、0.1から10ミクロン、より一般には0.1から2または3ミクロンの範囲であってよい。プライマーの厚さは、列挙した値を包含する上述の値の任意の組み合わせの間で変動し得る。その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,150,430号に記載されているとおり、適切なプライマーコーティングの企図される一実施形態は、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどの有機官能性シラン、化学線に曝露されると酸を発生させる物質の触媒、例えば、オニウム塩およびジグリムまたはイソプロピルアルコールなどの有機溶媒を含む。
【0180】
プライマーコーティングのさらなる例は、米国特許第6,025,026号に記載されており、これは、実質的にオルガノシロキサン不含有であり、少なくとも1個のエチレン系結合を有する有機無水物およびイソシアネート含有物質を含む組成物を記載している。そのような開示も、参照によって本明細書に組み込まれる。プライマーを塗布した後に、基材を2−プロパノールなどのアルコール、次いで水ですすぎ、60℃から80℃で半時間まで乾燥させることができる。
【0181】
上述のコーティングは基材の同じ表面の少なくとも一部に、基材から以下の順序で連結され得る:プライマー、感光性、移行、耐摩耗性、偏光フィルムもしくはコーティング、抗反射性および耐摩耗性;またはプライマー、感光性、移行、耐摩耗性および抗反射性;または感光性、移行および偏光;またはプライマー、感光性および偏光;またはプライマー、感光性および抗反射性。当業者に公知であるとおり、上述のコーティングの多数の異なる組み合わせが可能である。上述のコーティングは全て、基材の1つまたは複数の表面、例えば、光学基材の両面に塗布され得る。感光性コーティングは典型的には、1つの表面に塗布される。基材は、本明細書中で基材として記載される任意の種類の物質であってよい。一例では、基材は光学素子である。特定の例では、光学素子は、眼用素子である。
【0182】
本明細書で使用され得るプライマーコーティングの例には、カップリング剤、カップリング剤の少なくとも部分的な加水分解物およびそれらの混合物を含むコーティングが包含される。本明細書で使用される場合、「カップリング剤」は、少なくとも1つの表面上の基と反応、結合および/または会合し得る少なくとも1個の基を有する物質を意味する。カップリング剤は、類似の表面であっても類似していない表面であってもよい少なくとも2つの表面の界面における分子架橋として働き得る。カップリング剤は、モノマー、プレポリマーおよび/またはポリマーであってよい。そのような物質には、シラン、チタネート、ジルコネート、アルミネート、ジルコニウムアルミネート、それらの加水分解物およびこれらの混合物などの有機金属が包含される。本明細書で使用される場合、「カップリング剤の少なくとも部分的な加水分解物」という語句は、カップリング剤の加水分解可能な基のうちの少なくとも一部から全部が加水分解されていることを意味する。使用するのに適したプライマーコーティングの他の例には、それらの開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,025,026号の第3欄3行から第11欄40行および米国特許第6,150,430号の第2欄39行から第7欄58行に記載されているプライマーコーティングが包含される。
【0183】
本明細書で使用される場合、「移行コーティング」という用語は、2つのコーティングの間に特性の勾配を生じさせる際に助けとなるコーティングを意味する。例えば、移行コーティングは、比較的硬いコーティングと比較的軟らかいコーティングとの間に硬さの勾配を生じさせる際に助けとなり得る。移行コーティングの例には、米国特許第7,452,611号(このコーティングの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている放射線で硬化するアクリレートベースの薄膜が包含される。
【0184】
少なくとも部分的な耐摩耗性または他の保護コーティングの例には、オルガノシラン、オルガノシロキサンを含む耐摩耗性コーティング、シリカ、チタニアおよび/またはジルコニアなどの無機物質をベースとする耐摩耗性コーティング、紫外線で硬化可能な種類の有機耐摩耗性コーティング、感光性物質の耐疲労性を改良する酸素バリアコーティング、UV遮断コーティングおよびそれらの組み合わせが包含される。
【0185】
「少なくとも部分的に耐摩耗性のコーティングまたはシート」という語句は、ASTM F−735 Standard Test Method for Abrasion Resistance of Transparent Plastics and Coatings Using the Oscillating Sand Methodに比較可能な方法で試験した場合に、標準的な参照物質、例えば、PPG Industries,Incから入手可能なCR−39(登録商標)モノマーから製造されるポリマーよりも大きい、磨耗に対する耐性を示す保護的なポリマー物質のコーティングまたは少なくとも部分的なシートをさす。
【0186】
「少なくとも部分的に抗反射性のコーティング」という語句は、基材の表面によって反射されるまぶしい光の量を減少させることによって、そして透明な基材については、コーティングされていない基材と比較した場合の透過率の百分率を増加させることによって、コーティングが塗布されている基材の抗反射特性を少なくとも部分的に改良するコーティングをさす。抗反射コーティングの例には、真空蒸着、スパッタリングまたは他の何らかの方法によって、本発明の物品上に堆積され得る金属酸化物、金属フッ化物または他のそのような物質の単層または多層が包含される。
【0187】
少なくとも部分的に線形偏光するコーティングの例には、これらに限られないが、既に検討されたものなどの従来の二色性化合物を含むコーティングが、これらに限られないが包含される。
【0188】
本発明を、下記の実施例においてより詳細に記載するが、これは、説明としてのみ意図されている。それというのも、その多数の変更形態および変形形態が当業者には明らかであろうためである。
【実施例】
【0189】
セクションIにおいて、成分AからTは、フォトクロミック微粒子の非水性分散液の実施例1から14ならびにフォトクロミック微粒子の水性分散液の比較例1および2を生じさせるために混合されて、反応する物質を示す。セクションIIには、セクションIのフォトクロミック微粒子を取り込んでいるコーティング組成物、さらに、コーティングされたレンズの調製およびコーティングされたレンズで行われる物理的試験が記載されている。セクションIIIには、選択されたコーティングされたレンズで行われたフォトクロミック性能試験が記載されている。
【0190】
実施例および比較例で使用された水は全て、脱イオン水であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、ポリスチレン標準を使用して行われ、分子量はグラム/モルでの平均分子量(Mn)、グラム/モルでの重量平均分子量(Mw)および多分散性指数(PDI)の数値で報告された。音波処理は、Fischer Scientific Model FS30D音波発生装置を42KHzの出力周波数で使用して、示されている期間行われた。固形物パーセント試験は、既知の量の物質をアルミニウムパンに加え、アセトンをパンの上に均等に分布させて加え、120℃のオーブンで1時間加熱し、初期重量からの重量差を決定し、パーセンテージを算出することによって行われた。水分パーセント分析は、Karl Fischer滴定によって、Metrohm 758 KFD Titrino自動滴定システムおよびHYDRANAL(登録商標)Composite 5K試薬を使用して行われた。
【0191】
セクションI 物質および方法
成分A 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、電気温度プローブ、機械式撹拌機、コンデンサーおよび加熱マントルを備えた4つ口丸底フラスコなどの適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0192】
【化3】

【0193】
(1) Sartomer Company, Inc.から市販されているカプロラクトンアクリレートであると報告されている。
【0194】
チャージAを、全ての固形物が溶けるまで100℃の温度でフラスコ中で撹拌した。チャージBを加え、その混合物を80℃に再加熱した。チャージCを15分間にわたって加え、生じた混合物を80℃で3時間維持し、50℃未満に冷却した。チャージDを加え、生じた混合物を65℃未満、室温まで冷却して30分間撹拌した。最終生成物は、非常に粘性のある透明で黄色の溶液であった。
【0195】
成分B 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0196】
【化4】

【0197】
(2) Bayer Materials Science LLCから入手可能な多官能性脂肪族ポリイソシアネート樹脂であると報告されている。
【0198】
チャージAをフラスコ中、55℃の温度で撹拌すると、濁った溶液になった。チャージBを加え、混合物を55℃で維持した。チャージCを15分間かけて加え、生じた混合物を55℃で1時間保持した。混合物を60℃に加熱し、この温度で3時間維持し、その後、加熱浴を外した。チャージDを加え、生じた混合物を75分間撹拌し、50℃未満に冷却した。最終生成物は、透明な粘稠性の溶液であった。固形物パーセントは、63.32と決定された。
【0199】
成分C 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0200】
【化5】

【0201】
チャージAをフラスコ中、50℃の温度で撹拌すると、濁った溶液になった。チャージBを加え、混合物を50℃で維持した。チャージCを15分間かけて加え、生じた混合物を50℃で2.5時間保持すると、混合物は粘稠性で透明になった。加熱浴を外し、混合物を室温に冷却した。チャージDを加え、生じた混合物を30分間撹拌した。最終生成物は、透明な粘稠性の溶液であった。固形物パーセントは、62.39と決定された。
【0202】
成分D 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0203】
【化6】

【0204】
チャージAを撹拌しながら、反応フラスコに加えた。生じた混合物を還流加熱し(80℃)、混合物が透明な溶液になるまで、この温度で20分間維持した。混合物を65℃に冷却し、チャージBを、滴下漏斗を使用して滴下して加えた。チャージCを使用して、滴下漏斗をすすいだ。混合物を75℃に加熱し、この温度で4時間保持した。生じた混合物を60℃未満に冷却し、チャージDを加えた。混合物を30分間撹拌した。生じた例の赤外スペクトルは、測定可能なイソシアネートを示さなかった。固形物パーセントは、53.51であった。
【0205】
成分E 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0206】
【化7】

【0207】
(3) Bayer Materials Science LLCから市販されているビス(4−イソシアナトシクロヘキシル(isocyanotocyclohxyl))メタンであると報告されている。
【0208】
チャージA、BおよびCを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに順次加えた。生じた混合物を80℃に加熱し、この温度で5時間維持した。生じた混合物を60℃に冷却し、チャージBを加えた。反応混合物を冷却し、チャージCを加えた。最終生成物は、樹脂固形物100重量パーセントで51の酸価、50%の固形物含有率およびゲル浸透クロマトグラフィーによって測定して1620のMnを有する。
【0209】
成分F 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0210】
【化8】

【0211】
チャージAおよびBを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに順次加えた。生じた混合物を60℃に加熱し、チャージCを15分間かけて加えた。生じた混合物を80℃に加熱し、この温度で5時間維持した。生じた混合物を60℃に冷却し、チャージDを加え、反応混合物を67℃に発熱させた。反応混合物を冷却し、チャージEを加えた。最終生成物は、固形物樹脂100重量パーセントで27の酸価、50%の固形分およびゲル浸透クロマトグラフィーによって測定して2290のMnを有する。
【0212】
成分G 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0213】
【化9】

【0214】
チャージAを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに順次加えた。生じた混合物を100℃に加熱し、チャージBを加えた。反応混合物を80℃に冷却し、反応混合物を80℃で維持しながら、チャージCを徐々に3時間で加えた。チャージD、続いてチャージEを加えた。
【0215】
成分H 親水性ウレタンプレポリマー
ステップ1 ポリカーボネートアクリレートオリゴマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0216】
【化10】

【0217】
混合物を120℃で20時間加熱し、次いで冷却した。最終生成物は、93.7%の固形分、ゲルクロマトグラフィーによって測定して1601のMnおよび2127のMwを有した。
【0218】
ステップ2 親水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0219】
【化11】

【0220】
チャージAを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに加えた。混合物を90℃に5分間加熱し、50℃に冷却した。チャージBを10分間かけて加え、続いてチャージCを滴下漏斗のすすぎとして加えた。反応混合物を80℃に加熱し、その温度で2時間維持した。チャージDを他の適切に装備された反応フラスコ中で60℃に加熱し、チャージA〜Cから生じた混合物を加え、続いて、チャージEを反応フラスコのすすぎとして加えた。反応物を冷却し、チャージFを加えた。最終生成物は、13.7の酸価数、25.0の固形物パーセント、7.68のpHおよび50rpmでスピンドル#3を使用して1240cpsのブルックフィールド粘度を有した。
【0221】
成分I フォトクロミック疎水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0222】
【化12】

【0223】
(4)Cognisから入手可能な脂肪族ジイソシアネートであると報告されている。
(5)フォトクロミックAは3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランである。
【0224】
チャージAを適切に装備された反応フラスコに加えた。チャージBを加え、混合物を撹拌し、90℃に加熱した。90℃に達した後に、チャージCを滴下漏斗を介して加え、チャージDを滴下漏斗をすすぐために使用した。添加が完了したら、生じた混合物を90℃で1.5時間維持した。混合物を80℃に冷却した。チャージEを空気気泡と共に、ニードルを介して混合物に加えた。生じた混合物を80℃に1時間加熱した。冷却後に、最終生成物をガラスジャーに移した。4つのバッチでの固形物パーセントの算術平均は51.1%であった。
【0225】
成分J フォトクロミック疎水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0226】
【化13】

【0227】
チャージAを適切に装備された反応フラスコに加え、混合物を撹拌し、90℃に加熱した。90℃に達した後に、チャージBを少量ずつ30分間かけて加え、添加が完了したら、生じた混合物を90℃で2時間維持した。混合物を80℃に冷却した。チャージCを15分間かけて加え、温度を80℃で3時間維持した。冷却後に、チャージDを加えた。固形物パーセントは50.0%であった。
【0228】
成分K 疎水性ウレタンプレポリマー
ステップ1 p−カプロラクトンで増量された染料
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0229】
【化14】

【0230】
(6)フォトクロミックBは、3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランである。
【0231】
チャージAを適切に装備された反応フラスコに加え、混合物を室温で10分間音波処理することによって溶かした。生じた反応混合物を窒素下に置き、チャージBを加え、反応混合物を32℃で7時間撹拌した。反応溶液をチャージCでクエンチした。チャージDを加え、生じた混合物を32℃で30分間撹拌した。反応混合物を分離し、有機層を回収し、ブライン(25グラム)で洗浄し、乾燥させ、重炭酸ナトリウム(0.5グラム)、中性アルミナ(3グラム)および硫酸マグネシウムで中和した。生じた有機層を濾紙で濾過し、溶媒を真空下で除去した。最終生成物は、90+%の固形物パーセント、ゲルクロマトグラフィーによって測定して1920グラム/モルのMnおよび1.30のPDIを有する暗紫色/赤色の油状物であった。
【0232】
ステップ2 疎水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0233】
【化15】

【0234】
チャージAを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに加えた。混合物を90℃に加熱し、チャージBを少量ずつ20分間かけて加えた。生じた混合物を維持し、90℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を80℃に冷却し、チャージCを加えた。生じた混合物を80℃で空気雰囲気下で維持し、室温に冷却した。最終生成物は、50.0の固形物パーセント、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定して2510のMnおよび1.42のPDIを有する暗紫色/赤色の粘稠性溶液であった。
【0235】
成分L 疎水性ウレタンプレポリマー
ステップ1 p−カプロラクトンで増量された染料
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0236】
【化16】

【0237】
(7)フォトクロミックCは、3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−11−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランである。
【0238】
チャージAを適切に装備された反応フラスコに加え、混合物を室温で10分間音波処理することによって溶かした。生じた反応混合物を窒素下に置き、チャージBを加え、反応混合物を32℃で7時間撹拌した。反応溶液をチャージCでクエンチした。チャージDを加え、生じた混合物を32℃で30分間撹拌した。反応混合物を分離し、有機層を回収し、ブライン(50グラム)で洗浄し、乾燥させ、重炭酸ナトリウム(0.5グラム)、中性アルミナ(5.0グラム)および硫酸マグネシウムで中和した。生じた有機層を濾紙で濾過し、溶媒を真空下で除去した。最終生成物は、90+%の固形物パーセント、ゲルクロマトグラフィーによって測定して1950グラム/モルのMnおよび1.29のPDIを有する暗緑色の油状物であった。
【0239】
ステップ2 疎水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0240】
【化17】

【0241】
チャージAを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに加えた。混合物を90℃に加熱し、チャージBを少量ずつ20分間かけて加えた。生じた混合物を維持し、90℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を80℃に冷却し、チャージCを加えた。生じた混合物を80℃で空気雰囲気下で維持し、室温に冷却した。最終生成物は、50.0の固形物パーセント、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定して2100のMnおよび1.49のPDIを有する暗緑色の粘稠性溶液であった。
【0242】
成分M 疎水性ウレタンプレポリマー
ステップ1 p−カプロラクトンで増量された染料
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0243】
【化18】

【0244】
(8)フォトクロミックDは、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランである。
【0245】
チャージAを適切に装備された反応フラスコに加え、混合物を室温で10分間音波処理することによって溶かした。生じた反応混合物を窒素下に置き、チャージBを加え、反応混合物を32℃で7時間撹拌した。反応溶液をチャージCでクエンチした。チャージDを加え、生じた混合物を32℃で30分間撹拌した。反応混合物は分離し、有機層を回収し、ブライン(15グラム)で洗浄し、乾燥させ、重炭酸ナトリウム(0.5グラム)、中性アルミナ(5.0グラム)および硫酸マグネシウムで中和した。生じた有機層を濾紙で濾過し、溶媒を真空下で除去した。最終生成物は、90+%の固形物パーセント、ゲルクロマトグラフィーによって測定して1430グラム/モルのMnおよび1.81のPDIを有する明緑色の油状物であった。
【0246】
ステップ2 疎水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0247】
【化19】

【0248】
チャージAを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに加えた。混合物を90℃に加熱し、チャージBを少量ずつ20分間かけて加えた。生じた混合物を維持し、90℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を80℃に冷却し、チャージCを加えた。生じた混合物を80℃で空気雰囲気下で1時間維持し、室温に冷却した。最終生成物は、50.0の固形物パーセント、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定して2440のMnおよび1.55のPDIを有する暗緑色のやや粘稠性の溶液であった。
【0249】
成分N 疎水性ウレタンプレポリマー
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0250】
【化20】

【0251】
(9)フォトクロミックEは、3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランであった。
【0252】
チャージAを撹拌しながら、適切に装備された反応フラスコに加えた。混合物を90℃に加熱し、チャージBを少量ずつ20分間かけて加えた。生じた混合物を維持し、90℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を80℃に冷却し、チャージCを加えた。生じた混合物を80℃で空気雰囲気下で1時間維持し、室温に冷却した。最終生成物は、45.0の固形物パーセントを有する暗紫色のやや粘稠性の溶液であった。
【0253】
成分O 疎水性ウレタンプレポリマー
ステップ1
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0254】
【化21】

【0255】
チャージAを適切に装備された反応フラスコに加えた。反応混合物を窒素雰囲気下で48時間撹拌した。その後、生じた混合物を希塩酸、10重量パーセント重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾過した後に、生じた溶液を90℃で1時間真空乾燥させた。チャージBを加え、混合物を撹拌した。チャージCを加え、生じた混合物を76℃、窒素雰囲気下で3時間維持した。
【0256】
成分P 疎水性ウレタンプレポリマー
成分Oを生じさせるために使用された手順に従ったが、但し、フォトクロミックA53.6グラムを112.0グラムの代わりに使用した。
【0257】
成分Q フォトクロミック疎水性ウレタンメタクリレート
1リットルの適切に装備された反応フラスコに、下記の物質を加えた:
【0258】
【化22】

【0259】
チャージAを加え、反応フラスコを窒素でパージし、ゴムセプタムで封をし、混合しながら35℃に加熱し、その温度で3.5時間維持した。生じた暗紫色の溶液をクロロホルム(200mL)および塩酸溶液(水200グラム中の濃HCl8グラム)で洗浄した。水性相が分離し、それを除去し、有機相を10重量パーセント重炭酸ナトリウム水溶液200mLで洗浄した。生じた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発フラスコに加えた。90℃で1時間の回転蒸発の後に、チャージBを暗紫色の油状物に加え、次いで、チャージCを加えた。生じた混合物を76℃に加熱し、窒素でパージし、ゴムセプタムで封をし、76℃で3時間撹拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、約12時間撹拌した。
【0260】
成分R
下記の物質を記載されている順序で、適切に装備された反応フラスコに加えた。
【0261】
【化23】

【0262】
チャージAを適切に装備された反応フラスコに加え、混合物を撹拌し、90℃に加熱した。90℃に達した後に、チャージBを20分間かけて少量ずつ加え、添加が完了したら、生じた混合物を90℃で1.5時間維持した。混合物を80℃に冷却した。チャージCを15分間かけて加え、温度を80℃、空気雰囲気中で1時間維持した。固形物パーセントは50.0であった。
【0263】
成分S
成分Rを調製するための手順に従い、下記に列挙されている物質を使用して、固形物50%を有する最終生成物を生じさせた。
【0264】
【化24】

【0265】
成分T
成分Rを調製するための手順に従い、下記に列挙されている物質を使用して、固形物50%を有する最終生成物を生じさせた。
【0266】
【化25】

【0267】
(実施例1)
下記の物質を以下に記載されている順序で加えた。
【0268】
【化26】

【0269】
チャージAをガラスビーカー中で撹拌することによって、プレエマルジョンを調製した。このプレエマルジョンを室温で10分間音波処理した。プレエマルジョンをMicrofluidizer(登録商標)M−110Pで、12,500psiで8回循環させた。Microfluidizer(登録商標)M−110Pは、MFIC Corporation(Newton、MA)のMicrofluidics(商標)部門から入手可能である。冷却水を、プレエマルジョンを再循環させている間は使用しなかった。生じたプレエマルジョンの温度は約20〜27℃であった。チャージBを10分間かけて加え、続いて、チャージCを加えた。生じた乳状の紫色の分散液を回転蒸発フラスコに移し、チャージDを加えた。水がもはや回収されなくなり、一定重量が得られるまで、生じた分散液を蒸発させた。固形物は、29.22%であると決定された。
【0270】
(実施例2)
実施例1の手順に従ったが、但し、プレエマルジョンを8回の代わりに4回循環させ、下記に列挙された物質を使用して、30.14%の固形物レベルを有する乳状の紫色の分散液を生じさせた。
【0271】
【化27】

【0272】
(実施例3)
実施例1の手順に従ったが、但し、プレエマルジョンを10分の代わりに5分音波処理し、8回の代わりに6回循環させ、冷却水を外側浴に加えて、プレエマルジョン温度を20〜27℃に維持し、下記に挙げられた物質を使用して、31.55%の固形物レベルおよび9.79%の水分パーセントを有する乳状の紫色の分散液を生じさせた。
【0273】
【化28】

【0274】
(実施例4)
実施例1の手順に従ったが、但し、プレエマルジョンを10分の代わりに5分音波処理し、8回の代わりに6回循環させ、冷却水を外側浴に加えて、プレエマルジョン温度を20〜27℃に維持し、下記に挙げられた物質を使用して、33.81%の固形物レベルおよび3.60%の水分パーセントを有する乳状の紫色の分散液を生じさせた。
【0275】
【化29】

【0276】
(実施例5)
下記の物質を以下に記載されている順序で加えた。
【0277】
【化30】

【0278】
プレエマルジョンを、チャージAをNalgeneボトルに加え、続いて、撹拌することによって調製し、チャージBを撹拌しながら加えた。このプレエマルジョンを室温で5分間音波処理した。プレエマルジョンをMicrofluidizer(登録商標)M−110Pに12,000psiで6回循環させた。Microfluidizer(登録商標)M−110Pは、MFIC Corporation(Newton、MA)のMicrofluidics(商標)部門から入手可能である。生じた混合物を35℃に加熱し、チャージCの内容を撹拌しながら加えた。チャージDの内容物を10分間かけて加えた。添加が完了した後に、生じた混合物を55℃に30分間加熱した。チャージEを加え、生じた乳状の紫色の分散液を、最大55℃で操作される回転蒸発フラスコに移した。水がもはや回収されなくなり、一定重量が得られるまで、生じた分散液を蒸発させた。固形物は、36.0%であると決定され、水分パーセントは1.6であった。
【0279】
(実施例6)
実施例5の手順に従ったが、但し、下記に挙げられた物質を使用して、35.5%の固形物レベルを有する乳状の紫色の分散液を生じさせ、水分パーセントは2.0であった。
【0280】
【化31】

【0281】
(実施例7)
実施例5の手順に従ったが、但し、下記に挙げられた物質を使用して、36.0%の固形物レベルを有する乳状の紫色の非水性分散液を生じさせた。
【0282】
【化32】

【0283】
(実施例8)
実施例5の手順に従ったが、但し、下記に挙げられた物質を使用して、36.0%の固形物レベルを有する乳状の紫色の非水性分散液を生じさせた。
【0284】
【化33】

【0285】
(実施例9)
下記の物質を記載されている順序で加えた。
【0286】
【化34】

【0287】
プレエマルジョンを、チャージAをガラスビーカー中で15分間撹拌することによって調製した。プレエマルジョン(155.0グラム)を、Microfluidizer(登録商標)M−110Pのレザバーに加えた。循環を開始させた後に、チャージBを加えた。生じた混合物を、混合物の温度が60℃に達するまで循環させ、次いで冷却水をオンにして、温度を30℃に下げた。再循環を15分間続けた。チャージCを10分間かけて加え、続いて、チャージDを加えた。生じた乳状の紫色の分散液を回転蒸発フラスコに移し、チャージEを加えた。水がもはや回収されなくなり、一定重量が得られるまで、生じた分散液を蒸発させた。固形物レベルは、28.2%であると決定された。
【0288】
(実施例10)
実施例9の手順に従ったが、但し、チャージA162.7グラムをMicrofluidizerのレザバーに投入し、下記の物質を使用して、28.7%の固形物レベルを有する生成物を生じさせた。
【0289】
【化35】

【0290】
(実施例11)
実施例9の手順に従ったが、但し、チャージA145.93グラムをMicrofluidizerのレザバーに投入し、下記の物質を使用して、30.6%の固形物レベルを有する生成物を生じさせた。
【0291】
【化36】

【0292】
(実施例12)
実施例5の手順に従ったが、但し、下記に列挙されている物質を使用し、チャージEを、チャージDの添加から生じた生成物144グラムに加えて、32.8%の固形物レベルを有する最終生成物を生じさせた。
【0293】
【化37】

【0294】
(実施例13)
実施例5の手順に従ったが、但し、下記に列挙されている物質を使用し、チャージEを、チャージDの添加から生じた生成物138グラムに加えて、34.1%の固形物レベルを有する最終生成物を生じさせた。
【0295】
【化38】

【0296】
(実施例14)
実施例5の手順に従ったが、但し、下記に列挙されている物質を使用し、チャージEを、チャージDの添加から生じた生成物150グラムに加えて、31.1%の固形物レベルを有する最終生成物を生じさせた。
【0297】
【化39】

【0298】
(比較例1)
実施例5の手順に従ったが、但し、下記に列挙されている物質を使用して、30.0%の固形物レベルを有する乳状の紫色の非水性分散液を生じさせた。
【0299】
【化40】

【0300】
(比較例2)
下記の物質を記載されている順序で加えた。
【0301】
【化41】

【0302】
プレエマルジョンを、チャージAをガラスビーカー中で撹拌することによって調製した。プレエマルジョン(84.63グラム)を、Microfluidizer(登録商標)M−110Tのレザバーに加えた。循環を開始させた後に、チャージBを加えた。生じた混合物をさらに10分間再循環させた。生じた混合物を適切に装備された反応フラスコに加えた。チャージCをMicrofluidizerをすすぐために使用し、反応フラスコに加えた。チャージDを反応混合物に加え、続いて、チャージEを10分間かけて加えた。チャージEを加えている間に、反応混合物の温度が19℃から23℃に上昇した。生じた乳状の紫色の分散液を回転蒸発に移した。溶媒および水が除去され、一定重量が得られるまで、生じた分散液を蒸発させた。水性分散液70グラムの全てを、39.7%の固形物レベルおよび7.88のpHで回収した。
【0303】
セクションII コーティング組成物の調製、コーティングされたレンズおよびその物理的試験
パートA メラミンコーティング配合物
グラム量で列挙されている下記の物質を列挙されている順序で、1液量オンスのサイズのガラスジャーに加えたが、各添加の後に十分に混合して物質を均一に分散させた。添加が完了した後に、混合物をそれぞれ、最大ダイアル設定でWheaton Bench Top Rollerで、室温で少なくとも4時間、ローラーに供した。
【0304】
【表1】

【0305】
(10)Gelestから入手可能なウレイドプロピルトリエトキシシランであると報告されている。
(11)Cytecから入手可能なメラミンホルムアルデヒドであると報告されている。
(12)Ciba Specialty Chemicalsから入手可能なヒンダードアミン系光安定剤であると報告されている。
【0306】
パートB コーティングの塗布
76ミリメートルの直径を有するPDQ(登録商標)コーティングされたGentex(登録商標)ポリカーボネート平レンズを、供給されたままで使用した。実施例1A、2A、3A、3B、3Cおよび4Aのレンズを、流速100ミリリットル(mL)/分の酸素で、100ワットの電力で1分間、酸素プラズマで処理した。レンズをスピンコーティングプロセスを介して実施例1A、2A、3A、3B、3Cおよび4Aの溶液でコーティングした。各実施例の溶液約1〜2mLを、レンズ上に施し、そのレンズを765rpmで8秒間回転させた。コーティングされたレンズを、下記の硬化サイクルによって強制空気オーブンにおいて硬化させた:80℃で5分間、140℃で1時間、それから室温に冷却。コーティングされたレンズを、記載されているとおりに酸素プラズマで処理し、PPG Industries,Incから市販されているゾルゲルハードコードを生成するコーティング溶液であるHI−GARD(登録商標)1080コーティング溶液をスピンコーティングプロセスによってコーティングした。HI−GARD 1080約1〜2mLをレンズに施し、そのレンズを1067rpmで8秒間回転させた。その後、HI−GARD(登録商標)1080コーティング溶液でコーティングされたレンズを120℃で3時間硬化させた。実施例1Aでコーティングされた追加のレンズは、HI−GARD(登録商標)1080コーティング溶液でコーティングせず、実施例1Bと名付け、本明細書中の下記で記載されている耐アルカリ性について試験した。実施例1A、2Aおよび4AのレンズをセクションIIIに記載されているとおり、フォトクロミック試験に供した。
【0307】
パートC 物理的試験
パートBで調製されたコーティングされたレンズを、一次接着試験および二次接着試験に供した。実施例3Cおよび4Aでコーティングされたレンズをヘーズについて試験し、実施例1Bと名付けられたレンズを、苛性アルカリ溶液に対する耐性について試験した。
【0308】
一次および二次接着試験を、テープ試験方法Bによって接着を測定するためのASTM D−3539標準試験方法の変更形態である手順を使用することによって行った。一次接着について試験されたのと同じ試料の異なる部分を、その試料を沸騰水中に30分間保持した後に(その後に二次接着試験を行う)再試験することを包含するように、標準方法を変更した。結果を、試験後の残存パーセントとして報告する。使用されるテープは、3M #600クリアテープまたはTESA 4651テープのいずれかであった。結果は、レンズ全てが100パーセントの残存を示した。
【0309】
ヘーズ試験を、実施例3Cおよび4Aでコーティングされたレンズで行った。各レンズのヘーズを、脱イオン沸騰水中に30分間沈めた後に測定した。レンズを拭いて乾燥させ、試験の前に室温に冷却した。Hunter Lab UltraScan XE装置を使用して、ヘーズを測定した。実施例3Cでコーティングされたレンズのヘーズは0.92であり、実施例4Aでコーティングされたレンズのヘーズは25.9であった。より低い数値によって示されるより低い量のヘーズが望ましい結果である。
【0310】
苛性アルカリ試験を、実施例1Bの溶液でコーティングされたレンズで行った。レンズを、音波水浴中、60℃に加熱された水酸化ナトリウム15重量%、Dowanol PM 5重量%および脱イオン水80重量%からなる苛性アルカリ溶液中に沈めた。レンズを除去したら、脱イオン水ですすぎ、あらゆるコーティング損失について試験した。レンズの端から5.0mmを超えるコーティング損失を、不良とみなした。実施例1Bの溶液でコーティングされたレンズは、試験に合格した。
【0311】
パートD 溶媒相溶性の試験
実施例5および比較例1の物質を、下記に列挙されている様々な溶媒中で視覚的に観察することによって決定される相溶性について試験した。実施例5の物質(0.5グラム)およびCE−1(0.5グラム)をそれぞれ、一連の20mLガラスバイアルに加えた。下記に列挙されている異なる溶媒を個別にバイアルに、10グラム量で加えた。下記の表2に列挙されている結果を、加えた直後に決定し、溶解性に基づいて1から5まで等級付けた。等級1は、非常に低い可溶性応答に対応し(例えば、水中の塩化銀)、等級5は、可溶性、即ち、完全な混和性に対応する。
【0312】
【表2】

【0313】
パートE ポリウレタンコーティング配合物
ステップ1 アクリルポリオールの調製
下記の物質を記載されている順序で加えた。
【0314】
【化42】

【0315】
(13)は、Dow Chemical Companyから入手可能なプロピレングリコールメチルエーテルであると報告されている。
【0316】
チャージAを、1ガロンのステンレス鋼圧力反応器に撹拌しながら加え、反応器を大気圧下で99℃に加熱した。99℃に達した後に、反応器を密閉し、165℃にさらに加熱した。反応器が39psiで165℃に達したら、チャージBおよびCを3時間かけて間隔をあけながら加えた。チャージBおよびCの添加が完了し、62psiで165℃に達した後に、チャージDを1時間かけて加えた。チャージDの完了の後に、反応器温度を165℃、大気圧で1時間維持した。反応混合物を90℃に冷却し、10μmフィルターバッグを介して注いだ。反応によって、78.5%の固形分を有する樹脂3,500グラムが得られた。
【0317】
ステップ2 ポリウレタンコーティング組成物AおよびBの調製
コーティング組成物A
下記の物質を、混合しながら記載されている順序で加えた。
【0318】
【化43】

【0319】
(14)BYK USAから入手可能なポリエーテル改変ポリジメチルシロキサンであることが報告されている。
(15)HALS−1は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,198,334号の第14欄59行から第21欄29行に記載されているとおりに調製されるフェニル−(3,5−ジ−tert.ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−マロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジニル)エステルである。
(16)Ciba Specialty Chemicalsから入手可能な立体障害フェノール系抗酸化剤であると報告されている。
(17)Baxenden Chemicals Limitedから入手可能な3,5−ジメチルピラゾールでブロックされているIPDI種のイソシアネートであると報告されている。
【0320】
コーティング組成物B
下記の物質を、混合しながら記載されている順序で加えた。
【0321】
【化44】

【0322】
(18)GE Silicones−OSi Specialtiesから入手可能なメタノール中のガンマ−ウレイドプロピルトリアルコキシシランであると報告されている。
【0323】
パートF ポリウレタンコーティングの塗布
70ミリメートルの直径を有するPDQ(登録商標)コーティングされたGentex(登録商標)ポリカーボネート平レンズを、供給されたままで使用した。実施例6、7および8を含有するコーティング組成物Aでコーティングされたレンズならびに実施例12、13および14を含有するコーティング組成物Bでコーティングされたレンズを、各レンズを約200rpmで回転しているコロナ源の約1インチ(2.54cm)下に約3から4秒置くことによって、3DT MultiDyne 1システムでのコロナ処理に供した。レンズを、スピンコーティングプロセスによってコーティング組成物AおよびBの溶液でコーティングした。各実施例の溶液約1〜2mLをレンズ上に施し、そのレンズを1,400rpmで5秒間、次いで2,000rpmで1秒回転させた。コーティングされたレンズを、強制空気オーブン中、125℃で1時間硬化させ、室温に冷却した。レンズをセクションIIIに記載されているとおり、フォトクロミック試験に供した。
【0324】
パートG UV硬化性アクリレートのコーティング組成物
下記の物質を、記載されている順序で加えた。
【0325】
【化45】

【0326】
(19)SARTOMERから入手可能なプロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレートであることが報告されている。
(20)CYTEC Industries Inc.から入手可能な六官能性脂肪族ウレタンアクリレートであることが報告されている。
(21)CYTEC Industries Inc.から入手可能な四官能性脂肪族ウレタンアクリレートであることが報告されている。
(22)GELEST Inc.から入手可能なn−メチルアミノプロピルトリメトキシシランであることが報告されている。
(23)Dow Chemical Inc.から入手可能なジプロピレングリコールジメチルエーテルであることが報告されている。
(24)NMPは、Aldrich Chemicalから入手可能なN−メチルピロリジオン(バイオテクニカルグレード)である。
【0327】
チャージAを、撹拌機を備えた適切な容器に加え、混合した。チャージBを加え、生じた混合物を2から5分間撹拌した。チャージCを加え、混合物を60℃に加熱し、物質が全て溶けるまで混合した。撹拌を止め、混合物を60℃で30から60分間維持した。室温に冷却した後に、コーティング溶液をそれぞれ使用して、パートHに記載されているとおりにレンズをコーティングした。
【0328】
パートH コーティング塗布
パートGで調製されたレンズを強制空気オーブン中、80℃オーブンで15分間加熱し、次いで、スピンコーティングプロセスによって実施例9Aおよび9Bの溶液でコーティングした。各実施例の溶液約1〜2mLを、レンズ上に施し、9A−1および9B−1と識別されたレンズを1,400rpmで7秒間回転させ、9A−2および9B−2と識別されたレンズを1,400rpmで10秒間回転させた。コーティングされたレンズを、2つのV電球(160W/m)を有するEYE UV硬化ステーションで、5ft/分(152.4cm/分)の速度で硬化させた。レンズを硬化させた後に、これらを、パートGに記載されているコロナ源で再処理し、その後、自社所有のシランベースのゾルゲルハードコートを各レンズに、1,400rpmの速度で12秒間塗布した。次いで、コーティングされたレンズを強制空気オーブン中、105℃で3時間硬化させた。レンズをセクションIIIに記載されているとおり、フォトクロミック試験に供した。
【0329】
パートI 市販のゾル−ゲル製品を含むコーティング組成物の調製
グラム量で列挙された下記の物質を列挙されている順序で、適切な容器に加えた。チャージBをチャージAに加えた後に、容器を最低5秒間振盪して、コーティング溶液が十分に混合されていることを保証した。その後、溶液を最低10分間静止させたままにして、形成した気泡を全て散逸させた。
【0330】
【表3】

【0331】
(25)PPG Industries,Inc.から入手可能なゾル−ゲルハードコート溶液であると報告されている。
【0332】
表2のコーティング溶液を製造している数分の間に、比較例2Aおよび2Bのコーティングは凝集した。実施例10Aおよび10Bのコーティングを、パートBのコーティングの塗布の手順に従ってレンズに塗布したが、但し、コーティングの前に、レンズを、100ワットの電力で1分間の代わりに、120ワットの電力で3分間、酸素プラズマで処理し;実施例10Aの溶液でコーティングされたレンズを、765rpmの代わりに463rpmのスピン速度でコーティングした;コーティングされたレンズを80℃で、5分の代わりに10分間乾燥させ;HI−GARD(登録商標)1080コーティング溶液の後続のコーティングを塗布しなかった。コーティングされたレンズを、パートCの物理的試験に記載されている一次および二次接着試験に供した。結果は、レンズの両方のセットが、一次および二次接着試験の両方について残存100パーセントを示した。レンズをセクションIIIに記載されているとおり、フォトクロミック試験に供した。
【0333】
パートJ 市販の高指数ゾル−ゲル製品を含むコーティング組成物の調製
パートIの手順に従、表4に列挙されている物質を使用して、市販の製品のみを含有する対照(パートJ)、11A、11Bおよび11Cのコーティング組成物を形成した。
【0334】
【表4】

【0335】
(26)PPG Industries, Inc.から入手可能な高指数ゾル−ゲルハードコート溶液であると報告されている。
【0336】
パートJに記載されているレンズにコーティング溶液を塗布する手順に従ったが、但し、スピン速度は次のとおりであった:対照(パートJ)は463rpmであり;11Aは493rpmであり;11Bは614rpmであり;11Cは704rpmであった。実施例11の固形物含有率は、固形物の総重量に対してコーティング溶液11Aでは10.7%であり;11Bでは21.6%であり;11Cでは42.3%であった。Polarized Light Microscopy、Walter C.McCroneら、126頁、第10刷、1997年、著作権1984年、McCrone Research Institute(2820 South Michigan Avenue、Chicago、IL 60616−3292)に記載されているBecke試験に従って、屈折率を、コーティングされたレンズそれぞれについて測定した。
【0337】
振動砂法を使用する透明プラスチックおよびコーティングの耐摩耗性についてのASTM F735−81標準試験方法を使用して、対照、11A、11Bおよび11Cの溶液でコーティングされたレンズの耐摩耗性を決定した。試験試料を、アランダム500グラムを使用するASTM試験方法において揺動300サイクルに曝露した。単一の試料について表1に列挙されたBayer摩耗抵抗指数(BARI)は、CR−39(登録商標)モノマーから調製されたホモポリマーから製造された未コーティングの試験試料のヘーズパーセントをコーティングされた試験試料のヘーズパーセントで割ることによって算出した。生じた数値は、CR−39(登録商標)モノマーから製造された未コーティングの試験試料と比較した場合に、コーティングされた試験試料がどの程度、耐摩耗性が高いかの指標である。摩耗試験前後のヘーズおよび透過結果は、BYK HAZEGARD(登録商標)Plus装置で測定した。コーティングされたレンズの屈折率およびBARI結果を表5に列挙する。
【0338】
【表5】

【0339】
パートK 市販のゾル−ゲル製品を含むコーティング組成物の調製
パートIの手順に従い、表6に列挙されている物質を使用して、市販の製品のみを含有する対照(パートK)、10C、10B、10D、10E、10F、10G、10H、10Iのコーティング組成物を形成した。
【0340】
【表6】

【0341】
パートJに記載されているレンズにコーティング溶液を塗布する手順に従ったが、但し、スピン速度は、表7に列挙されているとおりであった。
【0342】
【表7】

【0343】
コーティングされたレンズを、パートCの物理的試験に記載された一次および二次接着試験に供した。結果は、レンズのいずれもが、一次および二次接着試験の両方について残存100パーセントを示した。Bayer摩耗抵抗指数を、パートJに記載されているとおりに決定し、結果および初期ヘーズ測定を下記の表8に列挙する。
【0344】
【表8】

【0345】
セクションIII コーティングされたレンズのフォトクロミック性能試験
表9に列挙されたコーティングされたレンズのフォトクロミック性能を下記のとおり決定した。セクションIIで調製されたコーティングされたレンズをフォトクロミック応答について、Essilor, Ltd.(フランス)によって製造されたフォトクロミック測定用ベンチ(Bench for Measuring Photochromics、「BMP」)の光学ベンチで試験した。光学ベンチは試験の間、23℃(73.4°F)の一定温度に維持した。
【0346】
光学ベンチで試験する前に、コーティングされたレンズをそれぞれ、365ナノメートル紫外光に約10分間、約14センチメートルの距離で曝露して、フォトクロミック物質を活性化させた。レンズでのUVA(315から380nm)放射照度をLicor Model Li−1800分光測光器で測定すると、1平方メートル当たり22.2ワットであることが見出された。次いで、レンズを500ワット、高光度ハロゲンランプ下に約10分間、約36センチメートルの距離において、フォトクロミック物質を退色(不活性化)させた。レンズでの照度をLicor分光測光器で測定すると、21.4Kluxであることが見出された。次いで、レンズを暗環境中、室温で(21℃から24℃または70°Fから75°F)少なくとも1時間維持し、その後、光学ベンチで試験した。光学ベンチ測定の前に、レンズを390および405nmでの紫外線吸光度について測定した。
【0347】
BMP光学ベンチに、2個の150ワットORIEL(登録商標)Model #66057キセノンアークランプを互いに直角に備え付けた。ランプ1からの光路を3mm SCHOTT(登録商標)KG−2帯域通過フィルターならびに必要なUVおよび部分的な可視光放射照度レベルに寄与する適切な中性密度フィルターを通して向けた。ランプ2からの光路は、3mm SCHOTT(登録商標)KG−2帯域通過フィルター、SCHOTT(登録商標)短帯域400nmカットオフフィルターおよび適切な中性密度フィルターを通して向けて、補足可視光照度を改良した。各ランプに対して45°で5.1cm×5.1cm(2インチ×2インチ)50%ポルカドットビームスプリッターを使用して、2つのビームを混合する。中性密度フィルターとキセノンアークランプの電圧制御の組み合わせを使用して、放射照度の強度を調節した。自社所有のソフトウェアをBMPで使用して、タイミング、放射照度、空気電池および試料温度、型枠、フィルター選択および応答測定を制御した。レンズを介して光を送達するためのファイバー光ケーブルを備えたZEISS(登録商標)分光光度計Model MCS 501を応答および色測定のために使用した。明順応応答測定を、組成物AおよびB中のフォトクロミック物質の混合物を含有するレンズで行い、565から570nmでの応答測定を、フォトクロミックAを包含する残りのレンズで行った。
【0348】
光学ベンチの電力出力、即ち、レンズが曝露される光の線量を、315〜380nmを合わせて6.7ワット/平方メートル(W/m)UVAおよび照度50Klux(380〜780nmを合わせて)に調節した。電力出力の測定は、オプトメーターおよびBMP内に含まれるソフトウェアを使用して行った。
【0349】
不活性化または退色状態から活性化または着色状態への光学密度(ΔOD)の変化に関して、初期不活性化透過率を確立し、キセノンランプ(複数可)からのシャッターを開き、選択された時間間隔で活性化を介しての透過率を測定することによって、応答測定を決定した。光学密度の変化を式:ΔOD=log10(%Tb/%Ta)に従って決定した[式中、%Tbは、退色状態での透過率パーセントであり、%Taは、活性化状態での透過率パーセントである]。
【0350】
この試験結果を下記の表9に示すが、コーティングされたレンズの390nmでの吸光度、さらに、コーティング中の活性化形態のフォトクロミック物質のΔODが、活性化光源を外した後に、23℃(73.4°F)で15分ΔODの1/2に達するまでの時間間隔(秒)である第1退色半減期(「T1/2」)値。第2退色半減期(「2T1/2」)値は、コーティング中の活性化形態のフォトクロミック物質のΔODが、活性化光源を外した後に、23℃(73.4°F)で15分ΔODの1/4に達するまでの時間間隔(秒)である。第3半減期(「3T1/2」)値は、コーティング中の活性化形態のフォトクロミック物質のΔODが、活性化光源を外した後に、23℃(73.4°F)で15分ΔODの1/8に達するまでの時間間隔(秒)である。
【0351】
【表9】

【0352】
本発明を、その特定の実施形態の具体的な詳細を参照して記載した。そのような詳細が、添付の特許請求の範囲に包含されるものを除いて、本発明の範囲についての限定とみなされることは意図されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)有機溶媒を含む有機連続相;および
b)前記有機連続相に分散している感光性ポリマー微粒子
を含む感光性ポリマー微粒子の非水性分散液であって、
前記微粒子は、一体型表面および内部ドメインを有する少なくとも部分的に重合している成分を含み、前記表面ドメインは、前記有機溶媒によって可溶化されるポリマー物質を含み、前記内部ドメインは、前記有機溶媒に不溶性であるポリマー物質を含み、前記表面ドメインおよび/または内部ドメインは感光性である、非水性分散液。
【請求項2】
前記有機溶媒が、アルコール、ジオール、グリコール、エーテル、アミド、ニトリル、エステル、ケトンおよび/またはラクタムを含む極性溶媒である、請求項1に記載の非水性分散液。
【請求項3】
感光性物質が、前記感光性ポリマー微粒子から実質的に抽出不可能である、請求項1に記載の非水性分散液。
【請求項4】
前記感光性ポリマー微粒子が、磁性、磁気応答性、導電性、二色性、着色性および/または架橋物質と化学反応性である、請求項1に記載の非水性分散液。
【請求項5】
ナノ色素および/または非感光性染料をさらに含む、請求項1に記載の非水性分散液。
【請求項6】
a)感光性物質および重合性成分の水性分散液を調製するステップであって、前記重合性成分は、少なくとも1個の親水性官能基および少なくとも1個の疎水性官能基を含むステップと;
b)a)の分散液を、微粒子を形成するのに十分な条件に供するステップと;
c)前記重合性成分を少なくとも部分的に重合させるステップと;
d)前記分散液を、有機溶媒を含む有機連続相と合わせるステップと;
e)前記非水性分散液の最終水含有率が30重量パーセント未満となるように前記分散液から水を除去するステップとを含み、e)はd)の前または後に行う、
感光性微粒子の非水性分散液を生成する方法。
【請求項7】
前記有機溶媒が、アルコール、ジオール、グリコール、エーテル、アミド、ニトリル、エステル、ケトンおよび/またはラクタムを含む極性溶媒である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記親水性官能基が、実質的に親水性のモノマーによって提供され、前記疎水性官能基が、実質的に疎水性のモノマーによって提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記実質的に親水性のモノマーが、トリイソシアネートおよび/または1,6−ヘキサンジオールとホスゲンまたは炭酸ジメチルとの反応から調製されるポリカーボネート官能性ジオールから調製される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記重合性成分が、前記実質的に親水性のモノマーまたは前記実質的に疎水性のモノマーとは異なる少なくとも1種の共重合性物質をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
b)が、a)の分散液を高剪断応力条件に供することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
a)実質的に親水性のプレポリマー成分の水性分散液を調製するステップと;
b)実質的に疎水性のプレポリマー成分の水性分散液を調製するステップであって、a)および/またはb)の分散液は感光性物質をさらに含むステップと;
c)a)およびb)の分散液を合わせて混合物を形成し、前記混合物を、微粒子を形成するのに十分な条件に供するステップと;
d)前記混合物中の前記プレポリマー成分を重合させるステップと;
e)前記混合物を、有機溶媒を含む有機連続相と合わせるステップと;
f)最終水含有率が30重量パーセント未満であるように水を前記混合物から除去するステップとを含み、f)はe)の前または後に行う、
感光性微粒子の非水性分散液を生成する方法。
【請求項13】
前記感光性物質が、a)および/またはb)の前記プレポリマー成分と重合性である少なくとも1個の官能基を有する有機フォトクロミック物質である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ステップc)が、前記混合物を高剪断応力条件に供することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記感光性物質が、蛍光物質、リン光物質、非線形光学物質、フォトクロミック物質またはそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記有機溶媒が、アルコール、ジオール、グリコール、エーテル、アミド、ニトリル、エステル、ケトンおよび/またはラクタムを含む極性溶媒である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
(a)反応性官能基を有する少なくとも1種の物質を含むフィルム形成性成分;ならびに
(b)i)有機溶媒を含む有機連続相;および
ii)前記有機連続相に分散している感光性ポリマー微粒子を含む感光性ポリマー微粒子の非水性分散液
から調製される硬化性感光性フィルム形成性組成物であって、
前記微粒子は、一体型表面および内部ドメインを有する少なくとも部分的に重合している成分を含み、前記表面ドメインは、少なくとも1つの実質的に親水性の領域を含み、前記内部ドメインは、少なくとも1つの実質的に疎水性の領域を含み、前記表面ドメインおよび/または内部ドメインは感光性である、硬化性感光性フィルム形成性組成物。
【請求項18】
前記フィルム形成性成分(a)が、一般式RM(OR’)z−xのアルコキシドを含む[式中、Rは有機基であり、Mはケイ素、アルミニウム、チタンおよび/またはジルコニウムであり、R’はそれぞれ独立に、アルキル基であり、zはMの原子価であり、xは、z未満の数である]、請求項17に記載のフィルム形成性組成物。
【請求項19】
前記有機溶媒が、アルコール、ジオール、グリコール、エーテル、アミド、ニトリル、エステル、ケトンおよび/またはラクタムを含む極性溶媒である、請求項17に記載のフィルム形成性組成物。
【請求項20】
請求項17に記載の硬化性フィルム形成性組成物でコーティングされた基材。
【請求項21】
前記基材が、矯正レンズ、非矯正レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、保護レンズおよびバイザからなる群から選択される眼用素子であり、硬化後に、前記フィルム形成性組成物が1.5を超える屈折率を示す、請求項20に記載のコーティングされた基材。
【請求項22】
前記フィルム形成性成分(a)中の反応性官能基を有する前記物質が、アミノプラスト、キャップされたもしくは遊離のポリイソシアネートおよび/またはエチレン系不飽和化合物を含む、請求項17に記載のフィルム形成性組成物。
【請求項23】
前記フィルム形成性成分(a)中の反応性官能基を有する前記物質が、アミノプラストを含み、前記微粒子の前記表面ドメインの前記実質的に親水性の領域がイソシアヌレートから調製される、請求項22に記載のフィルム形成性組成物。
【請求項24】
前記感光性ポリマー微粒子が、フィルム形成性成分(a)中の前記物質中の前記反応性官能基と反応性である官能基を含有する、請求項17に記載のフィルム形成性組成物。
【請求項25】
前記感光性ポリマー微粒子がフォトクロミックである、請求項17に記載のフィルム形成性組成物。

【公表番号】特表2013−521399(P2013−521399A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−557061(P2012−557061)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/025008
【国際公開番号】WO2011/112325
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(504175051)トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】