説明

感光性樹脂組成物、その硬化皮膜およびプリント配線板

【課題】硬化皮膜の無電解金めっき耐性が良好で、はんだレベラー(予備はんだ工程)や無電解金めっき工程の際の白化現象の発生が抑制された感光性樹脂組成物、その硬化皮膜および該硬化皮膜を備えるプリント配線板を提供する。
【解決手段】(A)非感光性カルボン酸樹脂、(B)アルミニウム含有無機フィラー、(C)エポキシ樹脂、を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。さらに、感光性モノマーを含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、その硬化皮膜および該硬化皮膜を備えるプリント配線板に関し、詳しくは、硬化皮膜の無電解金めっき耐性が良好で、はんだレベラー(予備はんだ工程)や無電解金めっき工程の際の白化現象の発生が抑制された感光性樹脂組成物、その硬化皮膜および該硬化皮膜を備えるプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、民生用プリント配線板や、産業用プリント配線板のソルダーレジストにおいて、高精度、高密度の観点から、紫外線照射後、現像することにより画像形成し、熱及び光照射の少なくともいずれか一方で仕上げ硬化(本硬化)する液状現像型ソルダーレジストが使用されている。また、エレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度化に対応して、ソルダーレジストの作業性の向上や高性能化が要求されている。
【0003】
液状現像型ソルダーレジストの中でも、環境問題への配慮から、現像液としてアルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型のフォトソルダーレジストが主流になっている。このようなアルカリ現像型のフォトソルダーレジストとして、エポキシ樹脂の変性により誘導されたエポキシアクリレート変性樹脂が一般的に用いられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の反応生成物に酸無水物を付加した感光性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及びエポキシ化合物からなるソルダーレジスト組成物が開示されている。特許文献2には、サリチルアルデヒドと一価フェノールとの反応生成物にエピクロロヒドリンを反応させて得られたエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加し、さらに多塩基性カルボン酸又はその無水物を反応させて得られる感光性樹脂、光重合開始剤、有機溶剤などからなるソルダーレジスト組成物が開示されている。
【0005】
一方、最近、環境負荷低減の観点からプリント配線板のハロゲンフリー化が進められている。例えば、JPCA(日本電子回路工業会)規格(JPCA-ES01)にて、銅張積層板で、塩素(Cl)含有率:0.09wt%(900ppm)以下、臭素(Br)含有率:0.09wt%(900ppm)以下、塩素(Cl)及び臭素(Br)含有率総量:0.15wt%(1500ppm)以下のものをハロゲンフリー銅張積層板として規定している。このことから、プリント配線板における主要な構成材のひとつであるソルダーレジストに対しても、ハロゲン含有量の低減が求められている。
【0006】
ソルダーレジストに含まれる感光性カルボン酸樹脂のうち、エポキシ樹脂から誘導されるものは、エピクロルヒドリン由来の塩素イオンが含まれているため、ハロゲンフリー化という観点からは好ましくない。そこで、エポキシ樹脂由来でない非感光性カルボン酸樹脂又はエポキシ樹脂由来でない感光性カルボン酸樹脂を採用した樹脂組成物が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−243869号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平3−250012号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2010−237575号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような非感光性カルボン酸樹脂を使用した樹脂組成物は、露光後の硬化皮膜を備える基板をはんだレベラー(予備はんだ工程)や無電解金めっき工程に供すると、硬化皮膜表面が白濁(以下、白化)することがあるという問題があった。
【0009】
また、希アルカリによる良好な現像性を確保するために比較的酸価が高いカルボン酸樹脂を使用した樹脂組成物は、無電解金めっきを行う際にソルダーレジストの硬化物へのめっき液のしみ込み、硬化物の膨れ、剥がれなどが発生するおそれがあるという問題があった。
【0010】
そこで本発明の目的は、硬化皮膜の無電解金めっき耐性が良好で、はんだレベラー(予備はんだ工程)や無電解金めっき工程の際の白化現象の発生が抑制された感光性樹脂組成物、その硬化皮膜および該硬化皮膜を備えるプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、非感光性カルボン酸樹脂、アルミニウム含有無機フィラー、エポキシ樹脂、を含む感光性樹脂組成物とすることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)非感光性カルボン酸樹脂、(B)アルミニウム含有無機フィラー、(C)エポキシ樹脂を含むことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、感光性モノマーを含有することが好ましい。
【0014】
また、本発明の感光性樹脂組成物においては、前記(C)エポキシ樹脂が、2官能性エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0015】
また、本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、感光性カルボン酸樹脂を含有することが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物においては、感光性カルボン酸樹脂の含有量が全カルボン酸樹脂100質量部に対して90質量部以下の範囲が好ましい。
【0016】
また、本発明の感光性樹脂組成物は、塩素含有率が900ppm以下であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の感光性樹脂組成物は、ソルダーレジストとして用いられるものであることが好ましい。
【0018】
本発明の硬化皮膜は、上記いずれかの感光性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とするものである。
【0019】
本発明のプリント配線板は、上記の硬化皮膜を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、硬化皮膜の無電解金めっき耐性が良好で、はんだレベラー(予備はんだ工程)や無電解金めっき工程の際の白化現象の発生が抑制された感光性樹脂組成物、その硬化皮膜および該硬化皮膜を備えるプリント配線板を提供することが可能となる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、プリント配線板の永久皮膜として好適であり、中でもソルダーレジスト用材料、層間絶縁材料として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)非感光性カルボン酸樹脂、(B)アルミニウム含有無機フィラー、(C)エポキシ樹脂を含むことを特徴とするものである。(A)非感光性カルボン酸樹脂は、後述するようにエポキシ樹脂由来ではないため、エピクロルヒドリンによる塩素イオンの含有が少ない。その為、これを使用することにより、感光性樹脂組成物全体として、ハロゲン含有量を低減することができる。ハロゲンフリーの観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、塩素含有率が、900ppm以下であることが好ましい。
(B)アルミニウム含有無機フィラーを含有することにより、白化現象の発生を抑制することができる。
以下、各成分につき詳細に説明する。
【0022】
[(A)非感光性カルボン酸樹脂]
上記(A)非感光性カルボン酸樹脂は、分子内にカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合などの感光性基を有さない樹脂である。
【0023】
このような非感光性カルボン酸樹脂の具体例としては、例えば、以下に挙げる化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られる非感光性カルボン酸樹脂。なお、低級アルキルとは、炭素原子数1〜5のアルキル基を指す。
【0024】
本発明で用いる(A)非感光性カルボン酸樹脂の酸価は、120mgKOH/g以上であることが好ましく、140〜180mgKOH/gであることがより好ましい。(A)非感光性カルボン酸樹脂の酸価が120mgKOH/g未満であると、アルカリ現像が困難となる場合がある。
【0025】
本発明で用いる(A)非感光性カルボン酸樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に10,000以上30,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、指触乾燥性(タックフリー性能)が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く、現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が30,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがある。また、貯蔵安定性が劣ることがある。より好ましくは、10,000以上25,000以下である。
【0026】
(A)非感光性カルボン酸樹脂の配合量は、本発明の全カルボン酸樹脂100質量部中、10〜100質量部であることが好ましい。10質量部より少ない場合、指触乾燥性(タックフリー性能)が悪くなってしまう。より好ましくは、20〜50質量部である。
なお、全カルボン酸樹脂とは、(A)非感光性カルボン酸樹脂と、後述する感光性カルボン酸樹脂とを合わせたものである。
【0027】
[(B)アルミニウム含有無機フィラー]
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(B)アルミニウム含有無機フィラーを含有する。
(B)アルミニウム含有無機フィラーを用いると、用いる樹脂類と屈折率が近いため、金めっき白化やはんだレベラー白化が発生しにくいものと考えられる。また、塗膜の硬化収縮も低減するため、金めっき耐性が向上するものと考えられる。また、硫酸バリウム(比重:4.5)といった比重の大きいフィラーを用いると現像時に銅上にフィラーの残渣が確認される事があるのに対して、(B)アルミニウム含有無機フィラーは比重が小さく、塗膜の下部に集まりにくいため、現像時に銅上にフィラーの残渣が抑制されることが確認された。
さらに、上記のとおり(B)アルミニウム含有無機フィラーの比重が小さいことより、(B)アルミニウム含有無機フィラーを組成物中に高充填してもその組成物は、比重が大きいフィラーを充填した組成物に比べ、塗布面積の効率に優れることが確認された。なお、感光性樹脂組成物のうち、一般的なソルダーレジストインキの比重は1.3以上1.5以下である。1.5より大きいと塗布面積の効率が悪くなり、非経済的で好ましくない。以上より、インキの比重が上記範囲内に入るよう主に(B)アルミニウム含有無機フィラーの充填量にて調整することが好ましい。
上記(B)アルミニウム含有無機フィラーは、アルミニウムを含む無機フィラーであり、好適には含アルミニウム鉱物である。アルミニウム含有無機フィラーは、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、カオリン、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。アルミニウム含有無機フィラーの配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、50〜500質量部が好ましく、100〜400質量部がより好ましい。
【0028】
カオリンは、層状構造を持つ含水ケイ酸アルミニウムである。化学式(OH)8Si4Al4O10またはAl2O3・2SiO2・2H2Oで表される組成のものが好ましい。通常、天然に算出されるカオリンは、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトの3つのタイプがあるが、いずれも使用できる。粒径は特に限定されず、いずれのものも使用できる。また、シランカップリング剤などで表面処理されたものも使用可能である。
【0029】
カオリンとしては、例えば、(株)イメリス ミネラルズ・ジャパン製のSpeswhite、Stocklite、Devolite、Polwhite、白石カルシウム社(THIELE社)の(商品名)Kaofine90、Kaobrite90、Kaogloss90、Kaofine、Kaobrite、Kaogloss、竹原化学工業(株)製のユニオンクレーRC−1、J.M.Huber社製のHuber35、Huber35B、Huber80、Huber80B、Huber90、Huber90B、 HuberHG90、HuberTEK2001、Polygloss90、Lithosperse 7005CS、等を挙げることができる。
【0030】
ノイブルグ珪土粒子は、シリチン、シリコロイドと呼ばれる天然の結合物であり、球状のシリカと板状のカオリナイトが互いにゆるく結合した構造を有するものである。
【0031】
ノイブルグ珪土粒子としては、例えば、シリチンV85、シリチンV88、シリチンN82、シリチンN85、シリチンN87、シリチンZ86、シリチンZ89、シリコロイドP87、シリチンN85ピュリス、シリチンZ86ピュリス、シリチンZ89ピュリス、シリコロイドP87ピュリス、(いずれも商品名;ホフマンミネラル(Hoffmann-mineral社製)等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
表面処理が施されたノイブルグ珪土粒子としては、アクティジルVM56、アクティジルMAM、アクティジルMAM−R、アクティジルEM、アクティジルAM、アクティジルMM、アクティジルPF777(いずれも商品名;ホフマンミネラル(Hoffmann-mineral社製)等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
水酸化アルミニウムは、市販のものをいずれも使用可能である。水酸化アルミニウムとしては、ハイジライトシリーズ(H−21、H−31、H−32、H−42、H−42M、H−43、H−43M)(昭和電工社製)等を挙げることができる。
【0034】
さらに必要に応じて、アルミニウム含有無機フィラー以外のフィラーを配合することができる。このようなフィラーとして、公知の無機又は有機フィラーが使用でき、例えば、硫酸バリウム、球状シリカ又はタルクを用いることができる。また、白色の外観や難燃性を得るために酸化チタンや金属酸化物、金属水酸化物を体質顔料フィラーとしても使用することができる。
【0035】
[(C)エポキシ樹脂]
上記エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を多数有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられるが、金めっき耐性の向上に寄与しうる、という観点からは、2官能性エポキシ樹脂が好ましく、なかでも室温(25℃)で液状の2官能性エポキシ樹脂が好ましい。
【0036】
上記多官能エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、BASFジャパン社のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドGY250、アラルダイドGY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL903、DIC社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、BASFジャパン社製のアラルダイド8011、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER152、jER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、BASFジャパン社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299、アラルダイドXPY307、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、NC−3000、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299、新日鐵化学社製のYDCN−700−2、YDCN−700−3、YDCN−700−5,YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704 YDCN−704A、DIC社製のエピクロンN−680、N−690、N−695(いずれも商品名)等のノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製jER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、BASFジャパン社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER604、東都化成社製のエポトートYH−434、BASFジャパン社製のアラルダイドMY720、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;BASFジャパン社製のアラルダイドCY−350(商品名)等のヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、BASFジャパン社製のアラルダイドCY175、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、ADEKA社製EPX−30、DIC社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL−931、BASFジャパン社製のアラルダイド163等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;BASFジャパン社製のアラルダイドPT810、日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鐵化学社製ESN−190、ESN−360、DIC社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの中でも、特にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物が好ましい。
【0037】
上記2官能性エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2つ有する化合物であって、好ましくは室温(25℃)で液状のものである。2官能性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、水素添加された2官能エポキシ化合物であってもよい。
【0038】
上記のビスフェノール型等の2官能性エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノール類又はビフェノール類を、エピクロルヒドリン等によりエポキシ化することで得られる。ビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジシクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン等が挙げられる。
【0039】
水素添加された2官能エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学社製のエピコート828、エピコート834、エピコート 1001、エピコート1004、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、 D.E.R.661、D.E.R.664、BASFジャパン社のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドGY250、アラルダイドGY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製の A.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製のエピコート807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、BASFジャパン社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬社製のEBPS−200、ADEKA社製のEPX−30、DIC社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;のそれぞれの水素添加物が挙げられる。なかでも、水素添加されたビスフェノールA型エポキシ化合物が好ましく、具体的には、三菱化学社製の商品名「エピコートYL−6663」、東都化成社製の商品名「エポトートST−2004」「エポトートST−2007」「エポトートST−3000」等を挙げることができる。また、エポキシ化合物の水素添加率は0.1%〜100%であることが好ましく、部分的に水素添加されたエポキシ化合物、あるいは下記式(1)に示されるような完全に水素添加された化合物を使用することができる。

【0040】
その他の液状2官能性エポキシ樹脂としては、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0041】
上記2官能性エポキシ樹脂は、エポキシ当量が150〜500のものが好ましく、170〜300のものがより好ましい。
【0042】
上記エポキシ樹脂の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、10〜60質量部であることが好ましい。より好ましくは、20〜50質量部である。
【0043】
上記のエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
さらにエポキシ樹脂以外に、必要に応じて、熱硬化性成分を加えることができる。本発明に用いられる熱硬化性成分としては、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの中でも好ましい熱硬化性成分は、1分子中に複数の環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略称する)を有する熱硬化性成分である。これら環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、市販されている種類が多く、その構造によって多様な特性を付与することができる。
このような分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、分子中に3、4又は5員環の環状エーテル基、又は環状チオエーテル基のいずれか一方又は2種類の基を2個以上有する化合物であり、例えば、分子中に複数のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子中に複数のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂などが挙げられる。
【0045】
(エチレン性不飽和基を有する化合物(感光性モノマー))
本発明の感光性樹脂組成物は、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(感光性モノマー)を含有することが好ましい。特に、上記の感光性カルボン酸樹脂を実質的に含有しないか、または、含有量が少ない場合、樹脂組成物に十分な感光性を付与するために、感光性モノマーを多量に含有することが好ましい。
【0046】
上記感光性モノマーとして用いられる化合物としては、例えば、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類及びメラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などが挙げられる。
【0047】
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物などを感光性モノマーとして用いてもよい。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる
【0048】
上記の感光性モノマーとして用いられる分子中に複数のエチレン性不飽和基を有する化合物の配合量は、好ましくは全カルボン酸樹脂100質量部に対して、5〜100質量部、より好ましくは、5〜70質量部の割合である。前記配合量が、5質量部未満の場合、光硬化性が低下し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が困難となることがある。一方、100質量部を超えた場合、指触乾燥性(タックフリー性能)に劣り、解像度も低下することがある。
【0049】
(感光性カルボン酸樹脂)
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性カルボン酸樹脂を含有することが好ましい。
感光性カルボン酸樹脂は、カルボキシル基の他に、分子内にエチレン性不飽和結合を有するものである。エチレン性不飽和二重結合としては、アクリル酸もしくはメタアクリル酸又はそれらの誘導体由来のものが好ましい。
また、エポキシ樹脂を出発原料として使用していない感光性カルボン酸樹脂が好ましい。エポキシ樹脂を出発原料として使用していないカルボキシル基含有樹脂は、ハロゲン化物イオン含有量が非常に少なく、環境への影響、硬化皮膜の絶縁信頼性の劣化を抑えることができる。
【0050】
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる感光性カルボン酸樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。なお、環境への影響、硬化皮膜の絶縁信頼性の劣化を抑えるという観点から、ハロゲン量が増えないよう感光性樹脂組成物の添加量を調整することが好ましい。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物、および、後述するような感光性モノマーとの共重合により得られる感光性カルボン酸樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物及びポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した感光性カルボン酸樹脂(感光性カルボキル基含有ポリウレタン樹脂)。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した感光性カルボン酸樹脂(感光性カルボキル基含有ポリウレタン樹脂)。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応による感光性カルボン酸樹脂(感光性カルボキル基含有ポリウレタン樹脂)。
(5)上記(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した感光性カルボン酸樹脂(感光性カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂)。
(6)上記(2)又は(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した感光性カルボン酸樹脂(感光性カルボキル基含有ポリウレタン樹脂)。
(7)後述するような多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボン酸樹脂。
(8)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(9)後述するような2官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボン酸樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られる感光性カルボン酸樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られる感光性カルボン酸樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られる感光性カルボン酸樹脂。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかの樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなる感光性カルボン酸樹脂。
【0051】
上記の感光性カルボン酸樹脂のうち、イソシアネート基を有する成分(ジイソシアネートも含む)のイソシアネート基が直接ベンゼン環に結合していないジイソシアネートからなるカルボキシル基含有ウレタン樹脂は、黄変が抑制され、隠蔽に有効で、かつ紫外線吸収が少ないため、アルカリ現像性組成物とした際の解像性、低反り性に優れる特徴がある。
【0052】
なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、以下他の類似の表現についても同様である。
【0053】
上記したような感光性カルボン酸樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、アルカリ水溶液による現像が可能である。
【0054】
また、上記感光性カルボン酸樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲である。感光性カルボン酸樹脂の酸価が20mgKOH/g未満であると、塗膜の密着性が得られなかったり、アルカリ現像が困難となることがある。一方、酸価が200mgKOH/gを超えた場合には、現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となることがある。
【0055】
上記感光性カルボン酸樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000であることが好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、タックフリー性能が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く、現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがある。また、貯蔵安定性が劣ることがある。より好ましくは、5,000〜100,000である。
【0056】
前記したような感光性カルボン酸樹脂の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部中、90質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、50〜80質量部である。
【0057】
(光重合開始剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、公知のいずれのものも用いることができるが、中でも、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0058】
オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュア(登録商標)OXE01、イルガキュアOXE02、アデカ社製N−1919、アデカアークルズ(登録商標)NCI−831などが挙げられる。
【0059】
また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができ、具体的には、下記一般式(2)で表されるカルバゾール構造を有するオキシムエステル化合物が挙げられる。

(式中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルを表し、nは0又は1の整数である)
【0060】
特に、上記式中、X、Yが、それぞれ、メチル基又はエチル基であり、Zがメチル又はフェニルであり、nが0であり、Arが、フェニレン、ナフチレン、チオフェン又はチエニレンであるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
【0061】
オキシムエステル系光重合開始剤を使用する場合の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部とすることが好ましい。0.01質量部未満であると、銅上での光硬化性が不足し、塗膜が剥離するとともに、耐薬品性などの塗膜特性が低下することがある。一方、5質量部を超えると、ソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは、全カルボン酸樹脂100質量部に対して0.5〜3質量部である。
【0062】
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379などが挙げられる。
【0063】
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のルシリン(登録商標)TPO、BASFジャパン社製のイルガキュア819などが挙げられる。
【0064】
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤またはアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いる場合のそれぞれの配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましい。0.01質量部未満であると、同様に銅上での光硬化性が不足し、塗膜が剥離するとともに、耐薬品性などの塗膜特性が低下することがある。一方、15質量部を超えると、十分なアウトガスの低減効果が得られず、さらに塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは全カルボン酸樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部である。
【0065】
(光開始助剤または増感剤)
上記光重合開始剤の他、本発明の感光性樹脂組成物においては、光開始助剤または増感剤を好適に用いることができる。光開始助剤または増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、及びキサントン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、光重合開始剤として用いることができる場合もあるが、光重合開始剤と併用して用いることが好ましい。また、光開始助剤または増感剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】
ベンゾイン化合物としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
【0067】
アセトフェノン化合物としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。
【0068】
アントラキノン化合物としては、例えば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどが挙げられる。
【0069】
チオキサントン化合物としては、例えば2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
【0070】
ケタール化合物としては、例えばアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0071】
ベンゾフェノン化合物としては、例えばベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
【0072】
3級アミン化合物としては、例えばエタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、市販品では、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達(株)製ニッソキュアー(登録商標)MABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学(株)製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)などのジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬(株)製カヤキュアー(登録商標)EPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセティクス社製QuantacureDMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製QuantacureBEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬(株)製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(VanDyk社製Esolol507)などが挙げられる。3級アミン化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、最大吸収波長が350〜450nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物及びケトクマリン類が特に好ましい。
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンが毒性が低いことから好ましい。ジアルキルアミノ基含有クマリン化合物は、最大吸収波長が350〜410nmと紫外線領域にあるため、着色が少なく、無色透明な感光性組成物はもとより、着色顔料を用い、着色顔料自体の色を反映した着色ソルダーレジスト膜を得ることが可能となる。特に、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オンが、波長400〜410nmのレーザー光に対して優れた増感効果を示すことから好ましい。
【0073】
これらのうち、チオキサントン化合物及び3級アミン化合物が好ましい。特に、チオキサントン化合物が含まれることにより、深部硬化性を向上させることができる。
【0074】
光開始助剤または増感剤を用いる場合の配合量としては、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。光開始助剤または増感剤の配合量が0.1質量部未満であると、十分な増感効果を得ることができない傾向にある。一方、20質量部を超えると、3級アミン化合物による塗膜の表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは、全カルボン酸樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部である。
【0075】
光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤の総量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して35質量部以下であることが好ましい。35質量部を超えると、これらの光吸収により深部硬化性が低下する傾向にある。
【0076】
なお、これら光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤は、特定の波長を吸収するため、場合によっては感度が低くなり、紫外線吸収剤として働くことがある。しかしながら、これらは組成物の感度を向上させることだけの目的に用いられるものではない。必要に応じて特定の波長の光を吸収させて、表面の光反応性を高め、レジストのライン形状及び開口を垂直、テーパー状、逆テーパー状に変化させるとともに、ライン幅や開口径の加工精度を向上させることができる。
【0077】
(連鎖移動剤)
本発明の感光性樹脂組成物には、感度を向上するために連鎖移動剤として公知慣用のNフェニルグリシン類、フェノキシ酢酸類、チオフェノキシ酢酸類、メルカプトチアゾール等を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト琥珀酸、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メチオニン、システイン、チオサリチル酸及びその誘導体等のカルボキシル基を有する連鎖移動剤;メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトプロパンジオール、メルカプトブタンジオール、ヒドロキシベンゼンチオール及びその誘導体等の水酸基を有する連鎖移動剤;1−ブタンチオール、ブチル−3−メルカプトプロピオネート、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2,2−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、エタンチオール、4−メチルベンゼンチオール、ドデシルメルカプタン、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、1−オクタンチオール、シクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール、チオグリセロール、4,4−チオビスベンゼンチオール等が挙げられる。
【0078】
また、連鎖移動剤として多官能性メルカプタン系化合物も用いることができる。多官能性メルカプタン系化合物としては、例えば、ヘキサン−1,6−ジチオール、デカン−1,10−ジチオール、ジメルカプトジエチルエーテル、ジメルカプトジエチルスルフィド等の脂肪族チオール類、キシリレンジメルカプタン、4,4′−ジメルカプトジフェニルスルフィド、1,4−ベンゼンジチオール等の芳香族チオール類;エチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、ポリエチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、プロピレングリコールビス(メルカプトアセテート)、グリセリントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(メルカプトアセテート)等の多価アルコールのポリ(メルカプトアセテート)類;エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、グリセリントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等の多価アルコールのポリ(3−メルカプトプロピオネート)類;1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリリトールテトラキス(3−メルタプトブチレート)等のポリ(メルカプトブチレート)類等が挙げられる。
これらの市販品としては、例えばBMPA、MPM、EHMP、NOMP、MBMP、STMP、TMMP、PEMP、DPMP、及びTEMPIC(以上、堺化学工業(株)製)、カレンズMT−PE1、カレンズMT−BD1、及びカレンズ−NR1(以上、昭和電工(株)製)等を挙げることができる。
【0079】
また、連鎖移動剤としてメルカプト基を有する複素環化合物も用いることができる。メルカプト基を有する複素環化合物としては、例えば、メルカプト−4−ブチロラクトン(別名:2−メルカプト−4−ブタノリド)、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−メトキシ−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−エトキシ−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−メチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−(2−メトキシ)エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、N−(2−エトキシ)エチル−2−メルカプト−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−5−バレロラクトン、2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−メチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−(2−メトキシ)エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、N−(2−エトキシ)エチル−2−メルカプト−5−バレロラクタム、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、2−メルカプト−6−ヘキサノラクタム、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットF)、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットDB)、及び2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン(三協化成株式会社製:商品名 ジスネットAF)等が挙げられる。
【0080】
特に、感光性樹脂組成物の現像性を損なうことがないことから、メルカプトベンゾチアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾールが好ましい。これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0081】
(イソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物)
また、本発明の感光性樹脂組成物には、組成物の硬化性及び得られる硬化膜の強靭性を向上させるために1分子中に複数のイソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物を加えることができる。このような1分子中に複数のイソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物は、1分子中に複数のイソシアネート基を有する化合物、すなわちポリイソシアネート化合物、又は1分子中に複数のブロック化イソシアネート基を有する化合物、すなわちブロックイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0082】
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが用いられる。芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート及び2,4−トリレンダイマーが挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)及びイソホロンジイソシアネートが挙げられる。脂環式ポリイソシアネートの具体例としてはビシクロヘプタントリイソシアネートが挙げられる。並びに先に挙げられたイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体が挙げられる。
【0083】
ブロックイソシアネート化合物に含まれるブロック化イソシアネート基は、イソシアネート基がブロック剤との反応により保護されて一時的に不活性化された基である。所定温度に加熱されたときにそのブロック剤が解離してイソシアネート基が生成する。
【0084】
ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いられる。ブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、イソシアヌレート型、ビウレット型、アダクト型等が挙げられる。このイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが用いられる。芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、先に例示したような化合物が挙げられる。
【0085】
イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール及びエチルフェノール等のフェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−パレロラクタム、γ−ブチロラクタム及びβ−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤;アセト酢酸エチル及びアセチルアセトンなどの活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルエーテル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル及び乳酸エチル等のアルコール系ブロック剤;ホルムアルデヒドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド及びマレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアミン系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤;メチレンイミン及びプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤等が挙げられる。
【0086】
ブロックイソシアネート化合物は市販のものであってもよく、例えば、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(以上、日本ポリウレタン工業社製、商品名)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(以上、三井武田ケミカル社製、商品名)、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80T(以上、旭化成ケミカルズ社製、商品名)等が挙げられる。なお、スミジュールBL−3175、BL−4265はブロック剤としてメチルエチルオキシムを用いて得られるものである。
【0087】
上記の1分子中に複数のイソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような1分子中に複数のイソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、1〜100質量部、より好ましくは、2〜70質量部である。前記配合量が、1質量部未満の場合、十分な塗膜の強靭性が得られないことがある。一方、100質量部を超えた場合、保存安定性が低下することがある。
【0088】
(ウレタン化触媒)
本発明の感光性樹脂組成物には、水酸基やカルボキシル基とイソシアネート基との硬化反応を促進させるためにウレタン化触媒を加えることができる。ウレタン化触媒としては錫系触媒、金属塩化物、金属アセチルアセトネート塩、金属硫酸塩、アミン化合物、及びアミン塩よりなる群から選択される1種以上のウレタン化触媒を使用することが好ましい。
【0089】
前記錫系触媒としては、例えばスタナスオクトエート、ジブチルすずジラウレートなどの有機すず化合物、無機すず化合物などが挙げられる。
【0090】
前記金属塩化物としては、Cr、Mn、Co、Ni、Fe、Cu又はAlからなる金属の塩化物で、例えば、塩化第二コバルト、塩化第一ニッケル、塩化第二鉄などが挙げられる。
【0091】
前記金属アセチルアセトネート塩としては、Cr、Mn、Co、Ni、Fe、Cu又はAlからなる金属のアセチルアセトネート塩であり、例えば、コバルトアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネートなどが挙げられる。
【0092】
前記金属硫酸塩としては、Cr、Mn、Co、Ni、Fe、Cu又はAlからなる金属の硫酸塩で、例えば、硫酸銅などが挙げられる。
【0093】
前記アミン化合物としては、例えば、従来公知のトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジモルホリノジエチルエーテル、N−メチルイミダゾール、ジメチルアミノピリジン、トリアジン、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ビス(N,N−ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(N,N−ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、2−アミノキヌクリジン、3−アミノキヌクリジン、4−アミノキヌクリジン、2−キヌクリジオール、3−キヌクリジノール、4−キヌクリジノール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(3’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N,N−ジメチルアミノエチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジメチルアミノエチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、メラミン又は/及びベンゾグアナミンなどが挙げられる。
【0094】
前記アミン塩としては、例えば、DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)の有機酸塩系のアミン塩などが挙げられる。
【0095】
前記ウレタン化触媒の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜10.0質量部である。
【0096】
(熱硬化性成分)
本発明の感光性樹脂組成物には、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体といったアミノ樹脂等の熱硬化成分を用いることができる。そのような熱硬化成分としては、例えばメチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物、メチロール尿素化合物、アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物、アルコキシメチル化尿素化合物などが挙げられる。上記アルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等とすることができる。特に人体や環境に優しいホルマリン濃度が0.2%以下のメラミン誘導体が好ましい。上記熱硬化成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0097】
これらの熱硬化成分の市販品としては、例えばサイメル300、同301、同303、同370、同325、同327、同701、同266、同267、同238、同1141、同272、同202、同1156、同1158、同1123、同1170、同1174、同UFR65、同300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMx−750、同Mx−032、同Mx−270、同Mx−280、同Mx−290、同Mx−706、同Mx−708、同Mx−40、同Mx−31、同Ms−11、同Mw−30、同Mw−30HM、同Mw−390、同Mw−100LM、同Mw−750LM、(以上、(株)三和ケミカル製)等を挙げることができる。
【0098】
(熱硬化触媒)
上記分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分を使用する場合、熱硬化触媒を含有することが好ましい。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。また、市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT(登録商標)3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)などが挙げられる。特に、これらに限られるものではなく、エポキシ樹脂やオキセタン化合物の熱硬化触媒、もしくはエポキシ基及び/又はオキセタニル基とカルボキシル基の反応を促進するものであればよく、単独で又は2種以上を混合して使用してもかまわない。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を前記熱硬化触媒と併用する。
【0099】
これら熱硬化触媒の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
【0100】
(密着促進剤)
本発明の感光性樹脂組成物には、層間の密着性、又は感光性樹脂層と基材との密着性を向上させるために密着促進剤を用いることができる。密着促進剤としては、例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール(商品名:川口化学工業(株)製アクセルM)、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
【0101】
(着色剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤を含有することができる。使用する着色剤としては、赤、青、緑、黄、白などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体例として、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。但し、塩素化フタロシアニングリーンといったハロゲンを含有する緑の着色剤を加えると隠蔽性、耐熱性といった点で好ましい。
【0102】
赤色着色剤:
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には以下のものが挙げられる。
モノアゾ系:Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15,16, 17, 21, 22, 23, 31,32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193,210, 245, 253, 258, 266, 267,268, 269。
ジスアゾ系:Pigment Red 37,38, 41。
モノアゾレーキ系:Pigment Red48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1,49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4,63:1, 63:2, 64:1,68。
ベンズイミダゾロン系:PigmentRed 171、PigmentRed 175、PigmentRed 176、PigmentRed 185、PigmentRed 208。
ぺリレン系:Solvent Red 135、SolventRed 179、Pigment Red 123、PigmentRed 149、Pigment Red 166、PigmentRed 178、Pigment Red 179、PigmentRed 190、Pigment Red 194、PigmentRed 224。
ジケトピロロピロール系:PigmentRed 254、PigmentRed 255、PigmentRed 264、PigmentRed 270、PigmentRed 272。
縮合アゾ系:Pigment Red 220、PigmentRed 144、Pigment Red 166、PigmentRed 214、Pigment Red 220、PigmentRed 221、Pigment Red 242。
アンスラキノン系:Pigment Red168、PigmentRed 177、Pigment Red216、SolventRed 149、Solvent Red150、SolventRed 52、Solvent Red207。
キナクリドン系:Pigment Red122、PigmentRed 202、Pigment Red206、PigmentRed 207、Pigment Red209。
【0103】
青色着色剤:
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には:Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60。
染料系としては、Solvent Blue35、SolventBlue 63、Solvent Blue68、SolventBlue 70、Solvent Blue83、SolventBlue 87、Solvent Blue94、SolventBlue 97、Solvent Blue122、SolventBlue 136、SolventBlue 67、SolventBlue 70等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
【0104】
緑色着色剤:
緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系があり、具体的にはPigmentGreen 7、Pigment Green 36、SolventGreen 3、Solvent Green 5、SolventGreen 20、Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
【0105】
黄色着色剤:
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下のものが挙げられる。
アントラキノン系:SolventYellow 163、PigmentYellow 24、PigmentYellow 108、PigmentYellow 193、PigmentYellow 147、PigmentYellow 199、PigmentYellow 202。
イソインドリノン系:PigmentYellow 110、PigmentYellow 109、PigmentYellow 139、PigmentYellow 179、PigmentYellow 185。
縮合アゾ系:Pigment Yellow93、PigmentYellow 94、PigmentYellow 95、PigmentYellow 128、PigmentYellow 155、PigmentYellow 166、PigmentYellow 180。
ベンズイミダゾロン系:PigmentYellow 120、PigmentYellow 151、PigmentYellow 154、PigmentYellow 156、PigmentYellow 175、PigmentYellow 181。
モノアゾ系:Pigment Yellow 1,2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61,62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104, 105, 111,116, 167, 168, 169, 182, 183。
ジスアゾ系:Pigment Yellow 12,13, 14, 16, 17, 55, 63, 81,83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 198。
【0106】
その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色、黒などの着色剤を加えてもよい。
具体的に例示すれば、PigmentViolet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet13、36、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等がある。
【0107】
着色剤の配合量は、特に制限はないが、前記全カルボン酸樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、特に好ましくは0.1〜5質量部である。
【0108】
(有機溶剤)
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、前記非感光性カルボン酸樹脂の合成や組成物の調整のため、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0109】
(酸化防止剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化を防ぐために、発生したラジカルを無効化するようなラジカル捕捉剤や、発生した過酸化物を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする過酸化物分解剤などの酸化防止剤を含有することができる。本発明で用いられる酸化防止剤は、樹脂等の酸化劣化を防止し、黄変を抑制することができる。さらに、酸化防止剤の添加により、上記記載の効果のほかに、感光性樹脂組成物の光硬化反応によるハレーションの防止、開口形状の安定化など、感光性樹脂組成物作製にあたるプロセスマージンを向上させることが可能となる。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0110】
ラジカル捕捉剤として働く酸化防止剤としては、例えば、ヒドロキノン、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン等のフェノール系化合物、メタキノン、ベンゾキノン等のキノン系化合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、フェノチアジン等のアミン系化合物などが挙げられる。市販品としては、例えば、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−20、アデカスタブLA−77、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−68、アデカスタブLA−87(以上、旭電化社製、商品名)、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1135、TINUVIN 111FDL、TINUVIN 123、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 5100(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)などが挙げられる。
【0111】
過酸化物分解剤として働く酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト等のリン系化合物、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート等の硫黄系化合物などが挙げられる。市販品としては、例えば、アデカスタブTPP(旭電化社製、商品名)、マークAO−412S(アデカ・アーガス化学社製、商品名)、スミライザーTPS(住友化学社製、商品名)などが挙げられる。
【0112】
上記酸化防止剤を用いる場合の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。酸化防止剤の配合量が0.01質量部未満の場合、前記した酸化防止剤添加の効果が得られなくなることがある。一方、10質量部を超えて多量に配合すると、光反応の阻害、アルカリ水溶液に対する現像不良、タック性の悪化、塗膜物性の低下の恐れがあるため好ましくない。
【0113】
また、前記した酸化防止剤、特にフェノール系酸化防止剤は、耐熱安定剤と併用することにより、さらなる効果を発揮する場合があるため、本発明の感光性樹脂組成物に、耐熱安定剤を配合してもよい。
【0114】
耐熱安定剤としては、リン系、ヒドロキシルアミン系、イオウ系耐熱安定剤などを挙げることができる。これら耐熱安定剤の市販品としては、IRGAFOX168、IRGAFOX12、IRGAFOX38、IRGASTAB PUR68、IRGASTAB PVC76、IRGASTAB FS301FF、IRGASTAB FS110、IRGASTAB FS210FF、IRGASTAB FS410FF、IRGANOX PS800FD、IRGANOX PS802FD、RECYCLOSTAB 411、RECYCLOSTAB 451AR、RECYCLOSSORB 550、RECYCLOBLEND 660(以上、BASFジャパン社製、商品名)などが挙げられる。上記耐熱安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0115】
耐熱安定剤を用いる場合の配合量は、全カルボン酸樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
【0116】
(紫外線吸収剤)
一般に、高分子材料は光を吸収し、それにより分解・劣化を起こすことから、本発明の感光性樹脂組成物には、紫外線に対する安定化対策を行うために、上記酸化防止剤の他に、紫外線吸収剤を使用することができる。
【0117】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、シンナメート誘導体、アントラニレート誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体などが挙げられる。ベンゾフェノン誘導体の具体的な例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾエート誘導体の具体的な例としては、2−エチルヘキシルサリチレート、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート及びヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール誘導体の具体的な例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)べンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。トリアジン誘導体の具体的な例としては、ヒドロキシフェニルトリアジン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンなどが挙げられる。
【0118】
紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、TINUVIN PS、TINUVIN 99−2、TINUVIN 109、TINUVIN 384−2、TINUVIN 900、TINUVIN 928、TINUVIN 1130、TINUVIN 400、TINUVIN 405、TINUVIN 460、TINUVIN 479(以上、BASFジャパン社製、商品名)などが挙げられる。
上記の紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記酸化防止剤と併用することで本発明の感光性樹脂組成物より得られる硬化物の安定化が図れる。
【0119】
(添加剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどのチキソ化剤を添加することができる。チキソ化剤としては、有機ベントナイト、ハイドロタルサイトが経時安定性に優れるので好ましく、特にハイドロタルサイトは電気特性に優れている為好ましい。また、熱重合禁止剤や、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、防錆剤、さらにはビスフェノール系、トリアジンチオール系などの銅害防止剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0120】
前記熱重合禁止剤は、前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために用いることができる。熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレートなどが挙げられる。
【0121】
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば前記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により感光性樹脂組成物層が基材と接触するように基材上に張り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂絶縁層を形成できる。
【0122】
その後、接触式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光もしくはレーザーダイレクト露光機により直接パターン露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3wt%炭酸ソーダ水溶液)により現像してレジストパターンが形成される。さらに熱硬化性成分を含有している組成物の場合、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、前記カルボン酸樹脂のカルボキシル基と、熱硬化性成分が反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性などの諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。尚、熱硬化性成分を含有していない場合でも、熱処理することにより、露光時に未反応の状態で残ったエチレン性不飽和結合が熱ラジカル重合し、塗膜特性が向上するため、目的・用途により、熱処理(熱硬化)してもよい。
【0123】
上記基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素・ポリエチレン・PPO・シアネートエステル等を用いた高周波回路用銅張積層版等の材質を用いたもので全てのグレード(FR−4等)の銅張積層版、その他ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
【0124】
本発明の感光性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法及びノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
感光性樹脂組成物は、塗布し、溶剤を揮発乾燥した後に得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行うことにより、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。
【0125】
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光を用いていればガスレーザー、固体レーザーどちらでもよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には20〜800mJ/cm、好ましくは20〜600mJ/cmの範囲内とすることができる。
【0126】
前記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
【実施例】
【0127】
以下、実施例及び比較例を示して、本発明について具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
【0128】
<非感光性カルボン酸樹脂の合成>
攪拌機と冷却管を備えた2000mlのフラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル431gを入れ、窒素気流下で90℃に加熱した。
スチレン104.2g、メタクリル酸296.6g、ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製:V−601)23.9gを混合溶解したものを、4時間かけてフラスコに滴下した。
このようにして、非感光性カルボン酸樹脂Aを得た。このAは、固形分酸価が140mgKOH/g、固形分が50%である。
【0129】
(実施例1〜6及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物の調製)
下記表1に示す化合物を、表中に記載の割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、感光性樹脂組成物を調製した。
【0130】
【表1】

*1:上記で合成した非感光性カルボン酸樹脂A。カッコ内の数値は固形分の値。
*2:カオリン・・・Kaofine90(白石カルシウム社製)
*3:シリチン・・・シリチンP87(Hoffmann-mineral社製)
*4:水酸化アルミニウム・・・ハイジライトH-42M(昭和電工社製)
*5:828・・・液状2官能エポキシ樹脂 エピコート828(三菱化学社製)
*6:N-695・・・ノボラック型エポキシ樹脂 エピクロンN-695(DIC社製)
*7:M−350・・・エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンのアクリル酸エステル(東亜合成社製)
*8:R-2000・・・感光性カルボン酸樹脂ユニディックR-2000(固形分65%)(DIC社製)
カッコ内の数値は固形分の値。
*9:有機顔料・・・PigmenBlue15:3+Pigment Green7+PigmentYellow147=1:1:2
*10:イルガキュア907・・・α-アミノアセトフェノン系光重合開始剤(BASFジャパン社製)
*11:DETX−S・・・2,4-ジエチルチオキサントン(日本化薬社製)
*12:DICY・・・ジシアンジアミド
*13:KS−66・・・シリコーン系消泡剤(信越化学工業社製)
*14:DPM・・・ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0131】
(評価方法)
各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上に、乾燥膜厚が20μmになるようにスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分間乾燥し、室温まで放冷した。この基板に高圧水銀灯を搭載した露光装置を用いて、最適露光量でパターンを露光した後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液により、スプレー圧0.2MPaの条件で、60秒間現像を行い、パターンを得た。
【0132】
この基板を、150℃・60分でポストキュアを行い、硬化物パターンの形成された評価基板を得た。
【0133】
得られた評価基板を用いて、各特性について、以下のように評価した。
【0134】
<はんだ耐熱性>
上記150℃・60分のポストキュア後の基板に水溶性フラックス(W−2704、メック社製)を塗布し、288℃のはんだ槽へ15秒間基板を浸漬した。次に、約60℃の水中へ基板を投入し10分間放置した(フラックス除去工程)。基板を水中から取り出し、基板表面の水分をよく拭き取った。
得られた評価基板を用いて、テープピーリングによりレジスト層の剥がれの有無を評価した。それぞれの判定基準は以下のとおりである。得られた結果を下記表2に示す。
◎:30秒間×2回浸漬後において、剥がれが全く認められない。
○:30秒間×1回浸漬後において、剥がれが認められない。
×:30秒間×1回浸漬後において、レジスト層に膨れ、剥がれがある。
【0135】
<無電解金めっき耐性>
評価基板について、市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、80〜90℃で、ニッケル5μm、金0.05μmの条件でめっきを行った。メッキされた評価基板において、目視にてめっきのしみ込みの有無を評価した後、テープピーリングによりレジスト層の剥がれの有無を評価した。それぞれの判定基準は以下のとおりである。得られた結果を下記表2に示す。
【0136】
◎:めっき後にしみ込みが全く見られず、テープピーリング後に剥がれはない。
○:めっき後にしみ込みが僅かに見られるが、テープピーリング後に剥がれはない。
△:めっき後に僅かなしみ込みが確認され、テープピーリング後に僅かに剥がれる。
×:めっき後にしみ込みが確認され、テープピーリング後に剥がれも見られる。
【0137】
<めっき白化、レベラー白化>
上記無電解金めっき耐性、はんだ耐熱性評価後、硬化皮膜表面の白濁の具合を目視にて評価した。それぞれの判定基準は以下のとおりである。得られた結果を下記表2に示す。
◎:硬化皮膜に変色が全く見られない。
○:硬化皮膜に軽微な変色が見られるが、外観上問題ないレベルである。
△:硬化皮膜が部分的に白濁変色している。
×:硬化皮膜全体が白濁している。
【0138】
<ハロゲン量>
通常工程にて作製した硬化塗膜試料として採取した。その試料を900℃にて燃焼処理し発生したガスを過酸化水素水にて捕集した。ガス捕集後の液をイオンクロマトグラフにて定性、定量した。
【0139】
【表2】

【0140】
表2より、アルミニウム含有フィラーを用いていない比較例1、2、及び3は、めっき白化試験、レベラー白化試験何れにおいても硬化皮膜が白濁することが確認された。非感光性カルボン酸樹脂を用いていない比較例4も、条件の厳しいレベラー白化試験において白濁が確認された。それに対し、アルミニウム含有フィラーを用いている実施例は何れも硬化皮膜に変色が見られず、良好な結果であった。
また、全カルボン酸樹脂中、非感光性カルボン酸樹脂を用いず、エポキシ樹脂由来である感光性カルボン酸樹脂のみを用いている比較例4、及び5は塩素含有率900ppm以上であり、ハロゲン量が多いことが確認された。それに対し、非感光性カルボン酸樹脂、及び上記感光性カルボン酸樹脂を併用する実施例は何れも塩素含有率900ppm以下であり、ハロゲン量が少ないことが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)非感光性カルボン酸樹脂、
(B)アルミニウム含有無機フィラー、
(C)エポキシ樹脂、
を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項2】
さらに、感光性モノマーを含有する請求項1記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)エポキシ樹脂が、2官能性エポキシ樹脂である請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、感光性カルボン酸樹脂を含む請求項1から3までのいずれか一項記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
塩素含有率が900ppm以下である請求項1から4までのいずれか一項記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
ソルダーレジストである請求項1から5までのいずれか一項記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項記載の感光性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化皮膜。
【請求項8】
請求項7記載の硬化皮膜を備えることを特徴とするプリント配線板。

【公開番号】特開2013−83961(P2013−83961A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210196(P2012−210196)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【出願人】(310024066)太陽インキ製造株式会社 (16)
【Fターム(参考)】