説明

感光性樹脂組成物、遮光性カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子

【課題】段差のある基板上に膜厚均一性に優れたパターンを形成できる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】チタンブラックと、光重合性化合物と、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂と、光重合開始剤と、溶剤と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、遮光性カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられるカラーフィルタには着色画素間の光を遮蔽し、コントラストを向上させる等の目的で、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜が備えられている。また、固体撮像素子においてもノイズ発生防止、画質の向上等を目的として遮光性カラーフィルタが設けられる。
液晶表示装置用のブラックマトリクスや固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタを形成するための組成物としては、カーボンブラックやチタンブラック等の黒色色材を含有する感光性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
一方、高感度であり、かつ、耐溶剤性及び密着性に優れた画素及びブラックマトリクスを形成できる着色感放射線性組成物として、N位−置換マレイミド由来の構造単位を含む共重合体を含む着色感放射線性組成物が知られている(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】特開平10−246955号公報
【特許文献2】特開平9−54431号公報
【特許文献3】特開平10−46042号公報
【特許文献4】特開2006−36750号公報
【特許文献5】特開2007−115921号公報
【特許文献6】特開2007−264377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、固体撮像素子用の遮光性感光性樹脂組成物は、イメージセンサー周辺部の遮光や、画素間の反射防止などを目的として、平坦な部分にパターンを形成する用途に用いられてきた。
しかし、近年では、固体撮像素子の小型化と共に塗布対象物の構造が複雑化し、段差のある基板上に膜厚均一性の良好なパターンを形成することが要求されるようになっている。このような状況下、上記従来の組成物では段差のある基板上にパターンを形成する場合の膜厚均一性が低下することがあり、改良が求められている。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、段差のある基板上に膜厚均一性に優れたパターンを形成できる感光性樹脂組成物を提供すること、遮光能の均一性に優れた遮光性カラーフィルタ及びその製造方法を提供すること、並びにノイズが少なく色再現性に優れた固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、感光性樹脂組成物の黒色顔料としてチタンブラックを用いた系では、樹脂成分としてN−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂を用いることで、形成されるパターンの膜厚均一性を向上できるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成した。
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<1> チタンブラックと、光重合性化合物と、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂と、光重合開始剤と、溶剤と、を含む感光性樹脂組成物である。
<2> 前記樹脂は、(a)N−置換マレイミドと、(b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、及び不飽和フェノール化合物からなる群から選択される少なくとも1種と、(c)テトラヒドロフラン骨格を有する不飽和化合物と、(d)前記(a)、前記(b)及び前記(c)以外の不飽和化合物と、の共重合体を含む<1>に記載の感光性樹脂組成物である。
【0007】
<3> 前記光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物である。
<4> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された遮光性カラーフィルタである。
【0008】
<5> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を有する遮光性カラーフィルタの製造方法である。
<6> <4>に記載の遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、段差のある基板上に膜厚均一性に優れたパターンを形成できる感光性樹脂組成物を提供すること、遮光能の均一性に優れた遮光性カラーフィルタ及びその製造方法を提供すること、並びにノイズが少なく色再現性に優れた固体撮像素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
≪感光性樹脂組成物≫
本発明の感光性樹脂組成物は、チタンブラックと、光重合性化合物と、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂と、光重合開始剤と、溶剤と、を含んで構成される。
感光性樹脂組成物を上記本発明の構成とすることにより、段差のある基板上に膜厚均一性に優れたパターンを形成できる。なお、段差のない基板上にも同様に膜厚均一性に優れたパターンを形成できる。
以下、感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
【0011】
<チタンブラック>
本発明の感光性樹脂組成物は、チタンブラックを含有する。
前記チタンブラックは、チタン原子を有する黒色粒子(黒色顔料)である。好ましくは低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。具体的には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質での処理も可能である。
また、前記チタンブラックは、分散性、着色性等を調整する目的でCu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料の少なくとも1種とともに含有してもよく、この場合、顔料の50質量%以上をチタンブラック粒子が占めることが好ましい。
また、所望とする波長の遮光性を制御する目的で、既存の赤、青、緑、黄色、シアン、マゼンタ、バイオレット、オレンジ等の顔料、或いは染料などの着色剤を添加することも可能である。
【0012】
前記チタンブラックの市販品の例としては、三菱マテリアル社製(株式会社ジェムコ製)チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、赤穂化成(株)ティラック(Tilack)Dなどが挙げられる。
本発明においてチタンブラックは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0013】
前記チタンブラックの製造方法としては、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気で加熱し還元する方法(特開昭49−5432号公報)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
前記チタンブラックの粒子の粒子径は特に制限は無いが、分散性、着色性の観点から、3〜2000nmであることが好ましく、10〜500nmであることがより好ましい。
【0015】
前記チタンブラックの比表面積は、特に限定がないが、かかるチタンブラックを撥水化剤で表面処理した後の撥水性が所定の性能となるために、BET法にて測定した値が通常5〜150m/g程度、中でも20〜100m/g程度が好ましい。
【0016】
また、上述のチタンブラックの分散には、酸価・アミン価を有する分散剤を用いることができ、具体的には、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース24000、ソルスパース33500、ビックケミージャパン(株)製のDisperbyk161等を使用することができる。ここで、「酸価・アミン価を有する」とは、酸価をもつ基を有するか、或いはアミン価をもつ基を有する場合、又は両方を有する分散剤のことを意味する。
【0017】
また、その他の分散剤として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、スチレン又はその誘導体等のモノマーを重合して得られたポリマー或いは上述のモノマーを共重合して得られる共重合ポリマーを分散剤として使用することができる。
前記モノマーとしてはスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メクリル酸ヒドロキシエチル、メクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の各種モノマーの単独あるいは共重合体が例示できる。このうち、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーが好ましい。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイル又はメタクリロイルを表し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを表す。
【0018】
また、その他の分散に使用出来る材料としては、ポリウレタンやポリイミドなどの樹脂や、特開2002−241616号公報や特開2002−234995号公報に記載のシロキサン系のポリマーも使用することができる。
また、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成する場合における膜厚均一性)をより向上させる観点等からは、チタンブラックの分散に用いる樹脂として、後述するN−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂を用いることが好ましい。
【0019】
分散剤として用いる樹脂は、分散性を確保できるかぎり分子量に制限は無いが、分散性の観点から好ましくは、重量平均分子量500〜200,000、好ましくは800〜50000、より好ましくは1000〜30000である。
【0020】
上記チタンブラック等の黒色色材を分散させる分散媒としては、分散用溶剤として機能し得る限りにおいて、水溶性または非水溶性の各種のものを使用することができ、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル等のグリコール又はその誘導体類;グリセロール、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のグリセロール又はその誘導体類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;
【0021】
流動パラフィン、デカン、デセン、メチルナフタレン、デカリン、ケロシン、ジフェニルメタン、トルエン、ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、シクロヘキサン、部分水添されたトリフェニル等の炭化水素類、ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン、フルオロシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフェニル、クロロジフェニルメタン等のハロゲン化炭化水素類、ダイルロル(ダイキン工業(株)製)、デムナム(ダイキン工業(株)製)等のふっ化物類、安息香酸エチル、安息香酸オクチル、フタル酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、セバシン酸ジブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化合物類、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒などが、適宜選択されて単独でもしくは複数組み合わせて使用される。
【0022】
本発明におけるチタンブラックの分散液を調製するにおいては、チタンブラック100質量部に対し、ポリマー成分5〜200質量部、より好ましくは10〜100質量部を添加することが好ましい。
ポリマー成分が5質量部以上であるとチタンブラックの表面性状をより良好に保つことができ、ポリマー成分が200質量部以下であると遮光性や着色性などといった本来的に要求されるチタンブラックの特性をより向上させることができる。
【0023】
感光性樹脂組成物中のチタンブラックの含有量は、特に限定されるものではないが、薄膜で高い光学濃度を得るためにはできるだけ高い方が好ましく、5〜98質量%が好ましく、10〜95質量%が更に好ましく、15〜95質量%が特に好ましい。
チタンブラックが5質量%以上であると、膜厚が薄い場合でもより高い光学濃度を得ることができ、98質量%以下であると、より効果的に光硬化を進め、膜の強度を向上させ、現像ラチチュードを広くすることができる。
【0024】
<その他の黒色色材等>
本発明の感光性樹脂組成物では、チタンブラックとともにその他の黒色色材を併用してもよい。
前記その他の黒色色材としては、各種公知の黒色顔料や黒色染料を用いることができるが、特に、少量で高い光学濃度を実現できる観点から、カーボンブラック、酸化鉄、酸化マンガン、グラファイト等が好ましく、中でも、カーボンブラックが好ましい。
【0025】
該その他の黒色色材の平均粒子径(平均一次粒子径)は、異物発生の観点、固体撮像素子の製造におけるその歩留まりへの影響の観点から、その平均一次粒子径は小さいことが好ましい。平均一次粒子径が100nm以下が好ましく、50nm以下がさらに好ましく、30nm以下が特に好ましい。
平均粒子径は、着色剤を適当な基板へ塗布し、走査型電子顕微鏡により観察することにより測定することができる。
【0026】
本発明において、チタンブラックに加えてその他の黒色色材を用いる場合、感光性樹脂組成物におけるチタンブラック及びその他の黒色色材の総含有量は、特に限定されるものではないが、光学濃度、膜強度、現像ラチチュード等の観点より、5〜98質量%が好ましく、10〜95質量%が更に好ましく、15〜95質量%が特に好ましい。
【0027】
前記カーボンブラックは、炭素の微粒子を含む黒色の微粒子であり、好ましい粒子は直径3〜1000nm程度の炭素の微粒子を含んでなるものである。また、該微粒子の表面には様々な炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン、無機原子などを含有する官能基を有することができる。
また、カーボンブラックは目的とする用途に応じて、粒子径(粒の大きさ)、ストラクチャー(粒子のつながり)、表面性状(官能基)をさまざまに変えることにより特性を変化させることができる。黒度や塗料との親和性を変えたり、導電性を持たせたることも可能である。
【0028】
前記カーボンブラックの具体例としては、例えば、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP。キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908、等;
【0029】
旭カーボン社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル、デグサ社製のカーボンブラックColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlack Fw18、ColorBlack S170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V、等;
【0030】
昭和キャボット製ショウブラックN134、ショウブラックN110、ショウブラックN234、ショウブラックN220、ショウブラックN219、ショウブラックN285、ショウブラックN339、ショウブラックN330、ショウブラックN326ショウブラックN351、ショウブラックN330T、ショウブラックIP200,ショウブラックIP300、ショウブラックMAF、ショウブラックN500、ショウブラックN762;
【0031】
新日化カーボン製ニテロン#300、ニテロン#200、ニテロン#200H、ニテロン#200IS、ニテロン#200L、等;東海カーボン製シースト9H、シースト9、シースト7HM、シースト6、シースト600、シースト5H、シーストKH,シースト3H、シースト3、シースト300、シーストNH、シーストN、シースト3M、シーストSVH、シースト116HM、シースト116、シーストSO、シーストF、シーストFM、シーストV、シーストS、等;Cabot製VULCAN10H、VULCAN9、VULCAN7H、VULCAN6、VULCAN6LM、REGAL300、VULCAN M、VULCAN 3H、VULCAN 4H、VULCAN J、VULCAN3、VULCANN299、STERLING−SO、STERLING V、STERLING VH、STERLING 142、STERLING−NS、REGAL−SRF、等;を挙げることができる。
また、その他にColumbian社製、Engineered Carbon社製、Sid Richardson社製等を挙げることができる。
【0032】
また、前記カーボンブラックは、絶縁性を有することが好ましいことがある。
絶縁性を有するカーボンブラックとは、下記のような方法で粉末としての体積抵抗を測定した場合、絶縁性を示すカーボンブラックのことであり、例えば、カーボンブラック粒子表面に、有機物が吸着、被覆または化学結合(グラフト化)しているなど、カーボンブラック粒子表面に有機化合物を有していることをいう。
即ち、カーボンブラックをベンジルメタクリレートとメタクリル酸がモル比で70:30の共重合体(質量平均分子量30,000)と20:80質量比となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテル中に分散し塗布液を調製し、厚さ1.1mm、10cm×10cmのクロム基板上に塗布して乾燥膜厚3μmの塗膜を作製し、さらにその塗膜をホットプレート中で220℃、約5分加熱処理した後に、JISK6911に準拠している三菱化学(株)製高抵抗率計、ハイレスターUP(MCP−HT450)で印加して、体積抵抗値を23℃相対湿度65%の環境下で測定する。そして、この体積抵抗値として、10Ω・cm以上、より好ましくは10Ω・cm以上、特により好ましくは10Ω・cm以上を示すカーボンブラックが好ましい。
【0033】
上述のようなカーボンブラックとして、例えば、特開平11−60988号公報、特開平11−60989号公報、特開平10−330643号公報、特開平11−80583号公報、特開平11−80584号公報、特開平9−124969号公報、特開平9−95625号公報で開示されている樹脂被覆カーボンブラックを使用することができる。
【0034】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、前述のチタンブラック及び必要に応じて用いられるその他の黒色色材に加え、所望とする波長の遮光性を制御する目的で、赤、青、緑、黄色、シアン、マゼンタ、バイオレット、オレンジ等の顔料又は染料などの公知の着色剤を添加することも可能である。
併用する着色剤(併用着色剤)は、前述のチタンブラック及び必要に応じて用いられるその他の黒色色材と併用着色剤との総和100質量部に対して、併用着色剤を2〜50質量部の範囲で用いると好ましく、より好ましくは併用着色剤が2〜30質量部であり、最も好ましくは併用着色剤が2〜10質量部である。
【0035】
<N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂>
本発明の感光性樹脂組成物は、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂を含有する。
ここで、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂は、モノマーとしてN−置換マレイミドを用いて作製された樹脂を指す。中でも、N−置換マレイミドと、その他のモノマー(1種のみでも2種以上でもよい)との共重合体を含むことが好ましい。
また、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂は、アルカリ現像液に対して可溶性を有する樹脂(即ち、アルカリ可溶性樹脂)であることが好ましい。
【0036】
本発明におけるN−置換マレイミドとしては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミド等を挙げることができる。
中でも、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成する場合における膜厚均一性)をより向上させる観点等からは、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が好ましく、特に、N−フェニルマレイミドが好ましい。
前記N−置換マレイミドは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
本発明において、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂は、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成する場合における膜厚均一性)をより向上させる観点等からは、(a)N−置換マレイミド(以下、「(a)成分」ともいう)と、(b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、及び不飽和フェノール化合物からなる群から選択される少なくとも1種(以下、「(b)成分」ともいう)と、(c)テトラヒドロフラン骨格を有する不飽和化合物(以下、「(c)成分」ともいう)と、(d)前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分以外の不飽和化合物(以下、「(d)成分」ともいう)と、の共重合体(以下、「共重合体A」ともいう)を含むことが好ましい。
【0038】
〜(a)成分〜
前記共重合体Aにおける(a)成分の具体例及び好ましい範囲は前述のとおりである。前記共重合体Aにおいて、(a)成分は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
【0039】
〜(b)成分〜
前記共重合体Aにおける(b)成分のうち、前記不飽和カルボン酸又は前記不飽和カルボン酸の酸無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類;等を挙げることができる。
前記不飽和カルボン酸又は前記不飽和カルボン酸の酸無水物のうち、こはく酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)及びフタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)はそれぞれ、ライトエステルHOA−MS及びライトエステルHOA−MPE(以上、共栄社化学(株)製)の商品名で市販されている。
【0040】
また、前記不飽和フェノール化合物としては、例えば、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、2−メチル−4−ビニルフェノール、3−メチル−4−ビニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール等の不飽和フェノール類;2−ビニル−1−ナフトール、3−ビニル−1−ナフトール、1−ビニル−2−ナフトール、3−ビニル−2−ナフトール、2−イソプロペニル−1−ナフトール、3−イソプロペニル−1−ナフトール等の不飽和ナフトール類;等を挙げることができる。
【0041】
前記共重合体Aにおいて、(b)成分としては、(メタ)アクリル酸、p−ビニルフェノール等が好ましく、特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記共重合体Aにおいて、(b)成分は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
【0042】
〜(c)成分〜
前記共重合体Aにおける(c)成分としては、例えば、テトラヒドロフラン−2−イル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン−3−イル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のテトラヒドロフランエステル類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(テトラヒドロフルフリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(3−テトラヒドロフルフリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のテトラヒドロフルフリル基含有エステル類;
【0043】
フタル酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフラン−2−イル)、フタル酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフラン−3−イル)、こはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフラン−2−イル)、こはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフラン−3−イル)等の2価カルボン酸の(メタ)アクリロイル基含有テトラヒドロフランエステル類;フタル酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフルフリル)、こはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフルフリル)等の2価カルボン酸の(メタ)アクリロイル基含有テトラヒドロフルフリルエステル類;
【0044】
2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸テトラヒドロフラン−2−イル、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸テトラヒドロフラン−3−イル等の2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸のテトラヒドロフランエステル類;2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸3−テトラヒドロフルフリル、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸2−(テトラヒドロフルフリルオキシ)エチル、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸2−(3−テトラヒドロフルフリルオキシ)エチル等の2−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸のテトラヒドロフルフリル基含有エステル類;
【0045】
(テトラヒドロフラン−2−イル)オキシ−p−ビニルベンゼン、テトラヒドロフルフリルオキシ−p−ビニルベンゼン、2−(テトラヒドロフルフリルオキシ)エトキシ−p−ビニルベンゼン等のビニルベンゼン誘導体類;(テトラヒドロフラン−2−イル)ビニルエーテル、(テトラヒドロフルフリル)ビニルエーテル、〔2−(テトラヒドロフルフリルオキシ)エチル〕ビニルエーテル等のビニルエーテル類;等を挙げることができる。
【0046】
本発明において、(c)成分としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、こはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフルフリル)等が好ましい。
本発明において、(c)成分は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
【0047】
〜(d)成分〜
前記(d)成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;
【0048】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;
【0049】
2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;等を挙げることができる。
本発明において、(d)成分は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
【0050】
次に、前記共重合体Aを作製するための前記(a)〜(d)成分についての好ましい組み合わせを説明する。
即ち、(a)成分が、N−シクロヘキシルマレイミド及び/又はN−フェニルマレイミドであって、(b)成分、が(メタ)アクリル酸を含む1種以上の不飽和化合物であって、(c)成分が、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及び/又はこはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフルフリル)であって、(d)成分が、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種である組み合わせが好ましい。
【0051】
以下、本発明における共重合体Aの具体例を例示するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
【0052】
前記共重合体Aとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
【0053】
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、
【0054】
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
【0055】
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、
【0056】
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
【0057】
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−シクロヘキシルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/アリル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−シクロヘキシルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−シクロヘキシルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/アリル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
【0058】
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−シクロヘキシルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/アリル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−シクロヘキシルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/アリル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
【0059】
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−シクロヘキシルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
が挙げられる。
【0060】
また、上記で列挙した共重合体中のテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートを、こはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(テトラヒドロフルフリル)に置き換えた共重合体等も挙げることができる。
【0061】
上記で例示した中でも、本発明における共重合体Aとしては、(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/こはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕テトラヒドロフルフリル/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/こはく酸〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕テトラヒドロフルフリル/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体等が好ましい。
【0062】
前記共重合体Aにおいて、(a)成分の共重合割合は、好ましくは1〜50質量%、特に好ましくは5〜40質量%であり、(b)成分の共重合割合は、好ましくは1〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%であり、(c)成分の共重合割合は、好ましくは1〜70質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。(d)成分の共重合割合は、好ましくは1〜80質量%、特に好ましくは5〜60質量%である。共重合割合を前記範囲とすることにより、感度や基板密着性、耐溶剤性をより向上させることができる。
【0063】
本発明の感光性樹脂組成物は、以上で説明した「N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂」以外にも、他の樹脂(好ましくはアルカリ可溶性樹脂)を含んでいてもよい。
前記他の樹脂としては特に限定はないが、例えば、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、具体的には、共重合体Aについて例示した、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸の酸無水物の群から選ばれる少なくとも1種と、前記N−置換マレイミド、及び前記(d)成分の群から選ばれる少なくとも1種と、の共重合体等が好ましい。
【0064】
前記他の樹脂として、より具体的には、(i)(メタ)アクリル酸を必須成分とする少なくとも1種の不飽和カルボン酸と、(ii)N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種との共重合体等を挙げることができる。
【0065】
本発明において、「N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂」(及び、必要に応じて用いられる他の樹脂)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)はそれぞれ、通常、2,000〜300,000、好ましくは3,000〜100,000である。
また、「N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂」(及び、必要に応じて用いられる他の樹脂)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)はそれぞれ、通常、3,000〜60,000、好ましくは5,000〜25,000である。
本発明においては、前記特定のMwおよびMnを有する共重合体Aを使用し、又は当該共重合体Aと前記特定のMwおよびMnを有する他の樹脂とを併用することによって、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成する場合における膜厚均一性)をより向上させることができる。更に、現像性をより向上させることができ、それにより、シャープなパターンエッジを有する画素およびブラックマトリックスを形成することができる。更に、現像時に未露光部の基板上および遮光層上の残渣、地汚れ、膜残り等をより効果的に抑制できる。
共重合体A(及び必要に応じて用いられる他の樹脂)の、MwとMnとの比(Mw/Mn)はそれぞれ、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4である。
【0066】
本発明の感光性樹脂組成物において、「N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂」は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。他の樹脂も同様である。
本発明の感光性樹脂組成物において、樹脂の合計量には特に限定はないが、チタンブラック100質量部に対して、10〜1000質量部が好ましく、好ましくは20〜500質量部より好ましい。前記合計量が10質量部以上であると、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成する場合における膜厚均一性)をより向上させることができる。更に、アルカリ現像性をより向上させることができ、未露光部の基板上又は遮光層上の地汚れや膜残りをより向上させることができる。また、1000質量部以下であると、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成する場合における膜厚均一性)をより向上させることができる。更に、色濃度をより向上させることができる。
また、樹脂中の共重合体Aの使用割合は、本発明による効果をより効果的に得る観点から、10〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましい。
【0067】
<光重合性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は光重合性化合物を含有する。
前記光重合性化合物としては、例えば、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を用いることができ、具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
【0068】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
【0069】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0070】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
【0071】
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0072】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
【0073】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0074】
CH=C(R)COOCHCH(R)OH … (A)
(ただし、一般式(A)中、R及びRは、それぞれ、H又はCHを示す。)
【0075】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0076】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0077】
これらの光重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、感光性樹脂組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、感光性樹脂組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、光重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
【0078】
本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中における光重合性化合物の含有量(2種以上の場合は総含有量)としては特に限定はないが、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、10〜80質量%が好ましく、15〜80質量%がより好ましく、20〜80質量%が特に好ましい。
【0079】
<光重合開始剤>
本発明の感光性樹脂組成物は光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、上記の光重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
【0080】
光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。
【0081】
ハロメチルオキサジアゾール化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、等が挙げられる。
【0082】
ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が挙げられる。
【0083】
具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0084】
2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0085】
4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0086】
4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0087】
4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0088】
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0089】
4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0090】
その他、みどり化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ(例えばダロキュア1173)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
【0091】
2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用に用いられる。
【0092】
前記オキシム系化合物(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう)としては特に限定はないが、例えば、特開2000−80068号公報、WO−02/100903A1、特開2001−233842号公報などに記載のオキシム系化合物を用いることができる。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロプル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されない。
【0093】
本発明において、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成したときの膜厚均一性)をより向上させる観点等からは、上述の光重合開始剤の中でもオキシム系光重合開始剤が好ましく、その中でも、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、が特に好ましい。このようなオキシム系光重合性開始剤としては、CGI−124、CGI−242(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
【0094】
また、オキシム系光重合開始剤としては、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成したときの膜厚均一性)をより向上させる観点等からは、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「新規オキシム化合物」ともいう)も好ましい。
【0095】
(新規オキシム化合物)
本発明における新規オキシム化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0096】
【化1】

【0097】
上記一般式(1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
【0098】
前記Rで表される一価の置換基としては、以下に示す一価の非金属原子団であることが好ましい。
Rで表される一価の非金属原子団としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
【0099】
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
【0100】
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
【0101】
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
【0102】
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
【0103】
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
【0104】
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
【0105】
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基等が挙げられる。
【0106】
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0107】
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
【0108】
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0109】
置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0110】
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
【0111】
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられる。
【0112】
置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基としては、例えば、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、トリフルオロメチルチオカルボニル基等が挙げられる。
【0113】
置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基としては、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、4−メトキシフェニルチオカルボニル基等が挙げられる。
【0114】
置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジメエルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
【0115】
置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基としては、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジプロピルアミノチオカルボニル基、ジブチルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
【0116】
中でも、高感度化の点から、Rとしてはアシル基がより好ましく、具体的には、アセチル基、エチロイル基、プロピオイル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
【0117】
前記Bで表される一価の置換基としては、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアリールカルボニル基、又は、置換基を有してもよい複素環カルボニル基を表す。中でも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、及びnは、それぞれ、後述する一般式(2)におけるY、X、及びnと同義であり、好ましい例も同様である。
【0118】
【化2】



【0119】
前記Aで表される二価の有機基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン、置換基を有してもよいシクロヘキシレン、置換基を有してもよいアルキニレンが挙げられる。
これらの基に導入しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
中でも、Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
【0120】
前記Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。
具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
【0121】
上記フェニル基が置換基を有している場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基、フェニルチオキシ基、p−トリルチオキシ基等のアリールチオオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
【0122】
一般式(1)においては、前記Arと隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。
【0123】
【化3】



【0124】
本発明における新規オキシム化合物は、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成したときの膜厚均一性)をより向上させる観点等からは、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【0125】
【化4】



【0126】
上記一般式(2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。
【0127】
一般式(2)におけるR、A、及びArは、前記一般式(1)におけるR、A、及びArと同義であり、好ましい例も同様である。
【0128】
前記Xで表される一価の置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、ハロゲン基等が挙げられる。
【0129】
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
【0130】
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
【0131】
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
【0132】
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
【0133】
置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
【0134】
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等がある。
【0135】
置換基を有してもよいアルキルチオキシ基としては、炭素数1〜30のチオアルコキシ基が好ましく、例えば、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、プロピルチオキシ基、イソプロピルチオキシ基、ブチルチオキシ基、イソブチルチオキシ基、sec−ブチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基、ペンチルチオキシ基、イソペンチルチオキシ基、ヘキシルチオキシキ、ヘプチルチオキシ基、オクチルチオキシ基、2−エチルヘキシルチオキシ基、デシルチオキシ基、ドデシルチオキシ基、オクタデシルチオキシ基、ベンジルチオキシ基等が挙げられる。
【0136】
置換基を有してもよいアリールチオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールチオキシ基が好ましく、例えば、フェニルチオキシ基、1−ナフチルチオキシ基、2−ナフチルチオキシ基、2−クロロフェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、2−メトキシフェニルチオキシ基、2−ブトキシフェニルチオキシ基、3−クロロフェニルチオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオキシ基、3−シアノフェニルチオキシ基、3−ニトロフェニルチオキシ基、4−フルオロフェニルチオキシ基、4−シアノフェニルチオキシ基、4−メトキシフェニルチオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルチオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルチオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルチオキシ基等がある。
【0137】
置換基を有してもよいアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0138】
置換基を有してもよいアルキルスルファニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、メトキシメチルスルファニル基等が挙げられる。
【0139】
置換基を有してもよいアリールスルファニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、例えば、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基等が挙げられる。
【0140】
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
【0141】
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
【0142】
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基等が挙げられる。
【0143】
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0144】
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
【0145】
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0146】
置換基を有してもよいカルバモイル基としては、総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
【0147】
置換基を有してもよいスルファモイル基としては、総炭素数0〜30のスルファモイル基が好ましく、例えば、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
【0148】
置換基を有してもよいアミノ基としては、総炭素数0〜50のアミノ基が好ましく、例えば、−NH、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N、N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−tert―ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基、N、N−ジブチルアミノ基、N、N−ジフェニルアミノ基、N、N−ジアセチルアミノ基、N、N−ジベンゾイルアミノ基、N、N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N、N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基、モルホリノ基、3,5−ジメチルモルホリノ基、カルバゾール基等が挙げられる。
【0149】
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
【0150】
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等がある。
【0151】
ハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等がある。
【0152】
更に、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよい複素環基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
【0153】
そのような置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
【0154】
これらの中でも、Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
また、一般式(2)におけるnは0〜5の整数を表すが、0〜2の整数が好ましい。
【0155】
前記Yで表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、「*」は、一般式(2)において、Yと隣接する炭素原子との結合位置を示す。
【0156】
【化5】



【0157】
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
【0158】
【化6】



【0159】
本発明における新規オキシム化合物は、膜厚均一性(特に、段差のある基板上にパターンを形成したときの膜厚均一性)をより向上させる観点等からは、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0160】
【化7】



【0161】
上記一般式(3)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。
【0162】
一般式(3)におけるR、X、A、Ar、及びnは、一般式(2)におけるR、X、A、Ar、及びnとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
【0163】
以下、本発明における新規オキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0164】
【化8】

【0165】
【化9】

【0166】
【化10】

【0167】
【化11】



【0168】
【化12】



【0169】
【化13】

【0170】
【化14】

【0171】
【化15】

【0172】
【化16】



【0173】
【化17】

【0174】
【化18】

【0175】
【化19】

【0176】
【化20】



【0177】
【化21】

【0178】
【化22】



【0179】
【化23】

【0180】
【化24】

【0181】
本発明における新規オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものである。より好ましくは、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものを挙げることができる。特に、365nm及び455nmの吸光度が高いものが好ましい。
このように、新規オキシム化合物は、従来のオキシム系の化合物に比して、長波長領域に吸収を有する。したがって、365nmや405nmの光源で露光した際に、優れた感度を示すことになる。
【0182】
本発明における新規オキシム化合物は、365nm、又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、10000〜300000であることが好ましく、15000〜300000であることがより好まく、20000〜200000であることが特に好ましい。
ここで、新規オキシム化合物のモル吸光係数は、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用いて0.01g/Lの濃度で測定した。
【0183】
本発明における新規オキシム化合物は、例えば、以下に示す方法により合成することができるが、この方法に限定されるものではない。
【0184】
【化25】

【0185】
本発明の感光性樹脂組成物における新規オキシム化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分中、0.1〜30質量%であり、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
新規オキシム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0186】
本発明における新規オキシム化合物は、光により分解し、光重合性化合物の重合を開始、促進する光重合開始剤としての機能を有する。特に、該新規オキシム化合物は365nmや405nmの光源に優れた感度を有する。
【0187】
これら光重合開始剤には、増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
【0188】
本発明の感光性樹脂組成物には、上述の光重合開始剤のほかに他の公知の開始剤を使用することができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
【0189】
本発明の感光性樹脂組成物は光重合開始剤を1種のみ含有しても2種以上を含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、3〜20質量%が好ましく、4〜19質量%がより好ましく、5〜18質量%が特に好ましい。
【0190】
<溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を含有する。
前記溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶剤は、単独或いは混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、溶剤に対する固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
【0191】
<その他の成分>
(増感剤)
本発明の感光性樹脂組成物は増感剤を含有してもよい。
前記増感剤としては、前述の光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
【0192】
前記増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ、300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
即ち、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
【0193】
本発明の感光性樹脂組成物が増感剤を含有する場合、感光性樹脂組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
【0194】
(共増感剤)
本発明の感光性樹脂組成物は共増感剤を含有してもよい。
前記共増感剤は、前記光重合開始剤や前記増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
【0195】
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
【0196】
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
【0197】
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
【0198】
本発明の感光性樹脂組成物が共増感剤を含有する場合、該共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
【0199】
(熱重合防止剤)
本発明の感光性樹脂組成物においては、組成物の製造中或いは保存中において、光重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することができる。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
【0200】
本発明の感光性樹脂組成物が熱重合防止剤を含有する場合、熱重合防止剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し約0.01〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で塗布膜の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5〜約10質量%が好ましい。
【0201】
(密着向上剤)
本発明の感光性樹脂組成物においては、支持体などの硬質表面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
【0202】
シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビスアリルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、フェニルトリメトキシシラン、N−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、(アクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、等が挙げられる。
中でも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
【0203】
本発明の感光性樹脂組成物が密着向上剤を含有する場合、密着向上剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分中0.5〜30質量%が好ましく、0.7〜20質量%がより好ましい。
【0204】
(その他の添加剤)
更に、本発明の感光性樹脂組成物に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、光重合性化合物と樹脂との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
【0205】
≪遮光性カラーフィルタ≫
本発明の遮光性カラーフィルタは、前述の本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
本発明の遮光性カラーフィルタは、段差のある基板上に膜厚均一性に優れたパターンを形成できる本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されるため、膜厚均一性に優れる。このため、遮光能の均一性(面内均一性)に優れる。また、該遮光性カラーフィルタが形成される下地とのパターン密着性も良好である。
【0206】
本発明において「遮光性カラーフィルタ」とは、黒色色材、光重合性化合物、樹脂、光重合開始剤及び溶剤を少なくとも含む感光性樹脂組成物を露光し、現像して得られた遮光性パターンをいう。本発明における「遮光性カラーフィルタ」の色は、黒、灰色等の無彩色であってもよいし、有彩色の色味が混ざった黒色、灰色等であってもよい。
なお、「遮光性カラーフィルタ」は、黒色色材、光重合性化合物、樹脂、光重合開始剤及び溶剤を少なくとも含む感光性樹脂組成物を露光し、現像して得られたものなので、遮光膜又は遮光性フィルタと言い換えてもよい。
遮光性カラーフィルタは、例えば、固体撮像素子において、受光素子形成面における受光部以外の部分を遮光する用途、受光素子形成面の反対側の面を遮光する用途、色調整用の画素(黒、灰色等の無彩色の画素であってもよいし、有彩色の色味が混ざった黒色、灰色等の画素であってもよい)としての用途、など種々の用途に好適に用いることができる。
【0207】
遮光性カラーフィルタの膜厚としては特に限定はないが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、0.1μm〜10μmが好ましく、0.3μm〜5.0μmがより好ましく、0.5μm〜3.0μmが特に好ましい。
遮光性カラーフィルタのパターンサイズとしては特に限定はないが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、300μm以下が特に好ましい。下限についても特に限定はないが1μmが好ましい。
【0208】
また、本発明の遮光性カラーフィルタの分光特性としては特に限定はないが、固体撮像素子用として求められることがある赤外域の遮光能を向上させる観点、可視域と赤外域との遮光能のバランスの観点、本発明の効果をより効果的に得る観点等から、波長1200nmにおける光学濃度(OD1200)と波長365nmにおける光学濃度(OD365)との比〔OD1200/OD365〕が、0.5以上3以下であることが好ましい。
【0209】
前記光学濃度(OD)は、(株)日立ハイテクノロジーズ製U−4100を用い、得られた膜の透過率測定を行い、得られた透過率(%T)を下記式1により変換しOD値とする。
【0210】
OD値=−Log(%T/100) … 式1
【0211】
本発明では、波長λnmにおける光学濃度を、「ODλ」と表記する。
更に、可視域と赤外域との遮光能のバランスの観点、及び本発明の効果をより効果的に得る観点より、遮光性カラーフィルタの光学濃度としては、以下の条件が好適である。
即ち、前記〔OD1200/OD365〕は、1.0以上2.5以下がより好ましく、1.3以上2.0以下が特に好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの波長1200nmにおける光学濃度(OD1200)は、2.5〜10であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの波長365nmにおける光学濃度(OD365)は、1〜7であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの、900nm〜1300nmの波長領域における光学濃度は、2以上10以下であることが好ましく、2以上9以下であることがより好ましく、3以上8以下であることが特に好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの比〔OD900/OD365〕は、1.0以上2.5以下であることが好ましく、1.3以上2.5以下であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの比〔OD1100/OD365〕は、1.0以上2.5以下であることが好ましく、1.3以上2.5以下であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの比〔OD1300/OD365〕は、1.0以上2.3以下であることが好ましく、1.1以上2.0以下であることがより好ましい。
【0212】
本発明の遮光性カラーフィルタは、黒色顔料としてチタンブラックを含有するため、上述の分光特性をより効果的に得ることができる。
本発明の遮光性カラーフィルタは、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に、100万画素を超えるようなCCDやCMOS等の固体撮像素子に好適である。
【0213】
≪遮光性カラーフィルタの製造方法≫
上記で説明した本発明の遮光性カラーフィルタを形成する方法については特に限定はないが、例えば、前述の本発明の感光性樹脂組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を有して構成される方法(以下、「本発明の遮光性カラーフィルタの製造方法」ともいう)が好適である。
即ち、本発明の遮光性カラーフィルタの製造方法は、支持体上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗布して感光層を形成する工程(以下、適宜「感光層形成工程」と略称する。)と、前記感光層をマスクを通して露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の前記感光層を現像してパターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含んで構成される。
以下、本発明の遮光性カラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
【0214】
<感光層形成工程>
感光層形成工程では、支持体上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗布して感光層を形成する。
【0215】
本工程に用いうる支持体としては、例えば、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
【0216】
支持体上への本発明の感光性樹脂組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
【0217】
遮光性カラーフィルタを製造する際には、感光性樹脂組成物の塗布膜厚(乾燥後)としては、解像度と現像性の観点から、0.35μm〜3.0μmが好ましく、0.50μm〜2.5μmがより好ましい。
【0218】
支持体上に塗布された感光性樹脂組成物は、通常、70℃〜130℃で2分〜4分程度の条件下で乾燥され、感光層が形成される。
【0219】
<露光工程>
露光工程では、前記感光層形成工程において形成された感光層を露光して硬化させる(マスクを介して露光する場合には、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる)。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ〜3000mJが好ましく10mJ〜2000mJがより好ましく、10mJ〜1000mJが最も好ましい。
【0220】
<現像工程>
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行ってもよい。
現像工程では、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
【0221】
現像液に用いるアルカリとしては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
【0222】
なお、本発明の遮光性カラーフィルタの製造方法においては、上述した、感光性層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成されたパターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
【0223】
≪固体撮像素子≫
本発明の固体撮像素子は既述の本発明の遮光性カラーフィルタを備えて構成される。
本発明の固体撮像素子は、遮光能の均一性に優れた本発明の遮光性カラーフィルタが備えられているため、ノイズを低減でき、色再現性を向上させることができる。
本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の遮光性カラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる受光素子を有し、支持体の受光素子形成面側(例えば、受光部以外の部分や色調整用画素部、等)又は該形成面の反対側に本発明の遮光性カラーフィルタが備えられた構成が挙げられる。
【実施例】
【0224】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
【0225】
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムとして、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー社製「polystyrene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
また、樹脂の酸価は、JIS K 5407(1990)の11.1項の方法より測定した。
【0226】
〔実施例1〕
≪アルカリ可溶性樹脂の合成≫
<樹脂A−1の合成>
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200部を仕込み、引き続きメタクリル酸15部、N−フェニルマレイミド15部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート30部、スチレン10部、n−ブチルメタクリレート30部、分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー3部を仕込んで、窒素置換したのち、ゆるやかに撹拌を始めて、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、樹脂A−1(N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂)の溶液を得た。
【0227】
≪感光性樹脂組成物の調製≫
<試料1(チタンブラック使用 感光性樹脂組成物)の作製>
(チタンブラック分散液の調製)
まず、下記組成に対し二本ロールで高粘度分散処理を施し、チタンブラック分散液1を得た。得られたチタンブラック分散液1の粘度は40000mPa・sであった。
なお高粘度分散処理の前にニーダーで30分混練しても良い。
【0228】
〜チタンブラック分散液1の組成〜
・株式会社ジェムコ製チタンブラック13M−T … 34部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のプロピレングリコールモノメチルアセテート溶液(BzMA/MAA=70/30、Mw:30000、固形分40質量%) … 2部
・ソルパース36000(日本ルーブリゾール 社製) … 4部
【0229】
得られたチタンブラック分散液1に下記成分(A)を添加し、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を0.3mmジルコニアビーズを用いた分散機(ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間分散処理を施してチタンブラック分散液2を得た。
このチタンブラック分散液2の粘度は6.0mPa・sであった。
【0230】
〜成分(A)〜
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のプロピレングリコールモノメチルアセテート溶液(BzMA/MAA=70/30、Mw:30000、固形分40質量%) … 10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 50部
【0231】
(感光性樹脂組成物の調製)
下記成分を混合し、感光性樹脂組成物(試料1)を得た。
〜感光性樹脂組成物(試料1)の組成〜
・アルカリ可溶性樹脂(前記樹脂A−1) … 5部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物;下記化合物T−1)
… 3部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(重合性化合物;下記化合物T−2) … 2部
・上記で調製したチタンブラック分散液2 … 45部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) … 7部
・エチル−3−エトキシプロピオネート … 3部
・オキシム系光重合開始剤(下記化合物K−1) … 2部
【0232】
【化26】

【0233】
<試料2の作製>
上記試料1の作製中、感光性樹脂組成物の調製において、樹脂A−1を同質量の下記樹脂J−1に変更した以外は試料1の作製と同様にして試料2を作製した。
【0234】
【化27】



【0235】
<試料3の作製>
上記試料1の作製中、チタンブラック分散液1及びチタンブラック分散液2の調製において、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(BzMA/MAA=70/30、Mw:30000)を、同質量の前記樹脂A−1に変更した以外は試料1の作製と同様にして試料3を作製した。
【0236】
<試料4の作製>
上記試料3の作製中、感光性樹脂組成物の調製において、樹脂A−1を同質量の前記樹脂J−1に変更した以外は試料1の作製と同様にして試料4を作製した。
【0237】
<試料5(カーボンブラック使用 感光性樹脂組成物)の作製>
(カーボンブラック分散液の調製)
まず、下記組成に対し二本ロールで高粘度分散処理を施し、カーボンブラック分散液1を得た。得られたカーボンブラック分散液1の粘度は70000mPa・sであった。
なお高粘度分散処理の前にニーダーで30分混練しても良い。
【0238】
〜カーボンブラック分散液1の組成〜
・平均一次粒径15nmカーボンブラック … 16部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のプロピレングリコールモノメチルアセテート溶液(BzMA/MAA=70/30、Mw:30000、固形分40質量%) … 3部
・ソルパース5000(日本ルーブリゾール社製) … 3部
【0239】
得られたカーボンブラック分散液1に、試料1で用いた成分(A)を添加し、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を0.3mmジルコニアビーズを用いた分散機(ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間分散処理を施してカーボンブラック分散液2を得た。
この分散液の粘度は25.0mPa・sであった。
【0240】
(感光性樹脂組成物の調製)
下記成分を混合し、感光性樹脂組成物(試料5)を得た。
〜感光性樹脂組成物(試料5)の組成〜
・アルカリ可溶性樹脂(前記樹脂A−1) … 5部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物;前記化合物T−1)
… 3部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(重合性化合物;前記化合物T−2) … 2部
・上記で調製したカーボンブラック分散液2 … 21部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) … 35部
・エチル−3−エトキシプロピオネート … 8部
・オキシム系光重合開始剤(前記化合物K−1) … 2部
【0241】
<試料6の作製>
上記試料5の作製中、感光性樹脂組成物の調製において、例示樹脂A−1を同質量の前記樹脂J−1に変更した以外は試料5の作製と同様にして試料6を作製した。
【0242】
<試料7の作製>
上記試料5の作製中、カーボンブラック分散液1及びカーボンブラック分散液2の調製において、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のプロピレングリコールモノメチルアセテート溶液(BzMA/MAA=70/30、Mw:30000、固形分40質量%)を、いずれも同質量の前記樹脂A−1に変更した以外は試料5の作製と同様にして試料7を作製した。
【0243】
<試料8の作製>
上記試料7の作製中、感光性樹脂組成物の調製において、樹脂A−1を同質量の前記樹脂J−1に変更した以外は試料7の作製と同様にして試料8を作製した。
【0244】
<試料9、試料10、試料11、及び試料12の作製>
試料1、試料4、試料8、及び試料5の作製において、オキシム系光重合開始剤(前記化合物K−1)を、それぞれ同質量のアミノアルキルフェノン系光重合開始剤(下記イルガキュア369)に変更した以外は試料1、試料4、試料8、及び試料5の作製と同様にして、試料9、試料10、試料11、及び試料12を作製した。
【0245】
【化28】



【0246】
≪遮光性カラーフィルタの作製≫
(段差のある基板1の作製)
市販品の6インチのシリコンウエハに、日立化成工業(株)製のソルダーレジストSR7200を塗布して塗布膜を形成し、得られた塗布膜をパターン露光し、現像することで、該シリコンウエハ上に深さ10μm、直径200μmの円柱状の段差を規則的に作製した。以上により段差のある基板1を得た。
【0247】
(遮光性カラーフィルタの作製)
上記で得られた段差のある基板1の段差形成面側に、前述の試料1(感光性樹脂組成物)をスピンコーターを用いて塗布し、100℃、120分間の条件でプリベークして感光層を形成した。
次いで、得られた感光層を、i線ステッパーを用い、3mm角のパターン(開口パターン)を有するフォトマスクを介して露光量500mJ/cmでパターン露光した。
前記露光後の感光性層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3%水溶液を用い、23℃60秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗し、パターン(遮光性カラーフィルタ)を得た。
【0248】
また、試料2〜試料12のそれぞれを用い、試料1を用いた場合と同様の方法により、遮光性カラーフィルタをそれぞれ作製した。
ウエハ中心部における遮光性カラーフィルタの厚さは、試料1〜試料12のいずれを用いた場合においても2.5μmであった。
【0249】
<膜厚均一性の評価>
上記で得られた遮光性カラーフィルタのそれぞれについて、ウエハ中心部における遮光性カラーフィルタの厚さ、及び、ウエハ周辺部における遮光性カラーフィルタの厚さを測定した。
厚さの測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてウエハの断面を観察することにより行った(倍率10000倍)。ここで、遮光性カラーフィルタの厚さは、段差の底部(シリコンウエハ表面)から遮光性カラーフィルタ表面までのウエハ法線方向についての距離を指す。
また、厚さの測定はウエハ中心部及びウエハ周辺部それぞれにおいて場所を変更して10箇所以上行った。得られた測定結果に基づき、ウエハ中心部10箇所以上の平均値及びウエハ周辺部10箇所以上の平均値をそれぞれ算出した。
【0250】
次に、ウエハ周辺部の厚さの平均値を中心部の厚さの平均値で除し、その値を100倍したものを膜厚均一性とした。
この実施例1の条件下では、膜厚均一性100±15以内の範囲であれば実用上の許容範囲内である。
【0251】
なお、ウエハ中心部とは、ウエハの中心点からウエハ半径の20%の半径を持つ円の内側の部分をいう。ウエハ周辺部とはウエハの中心点からウエハ半径の80%の半径を持つ円と、95%の半径を持つ円との間に挟まれた部分をいう。
【0252】
以上の結果を下記表1に示す。
【0253】
【表1】

【0254】
〜表1の説明〜
・「J−10」は、「ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(BzMA/MAA=70/30、Mw:30000)」を表す。
・「組成物調製時に用いた樹脂」とは、顔料分散液の調製後、調製された顔料分散液に光重合開始剤等の感光性成分を添加して感光性樹脂組成物を調製する段階で加えた樹脂を指す。
【0255】
表1に示すように、チタンブラックと、光重合性化合物と、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂と、光重合開始剤と、溶剤と、を含む試料1、試料3、試料4、試料9、及び試料10(特に、オキシム系光重合開始剤を用いた試料1、試料3、及び試料4)では、膜厚均一性に優れていた。このため、これらの試料を用いた遮光性カラーフィルタは遮光能の均一性に優れている。
【0256】
〔実施例2〕
次に、実施例1より厳しい条件(段差が大きい条件)下にて、オキシム系光重合開始剤の種類を変更した場合の膜厚均一性の評価を行った。詳細を以下に示す。
【0257】
<試料3>
実施例1と同様にして、試料3を準備した。
【0258】
<試料13、試料14、試料15、試料16>
試料3の作製中、光重合開始剤を、同質量の下記化合物K−2、下記化合物K−3、下記化合物K−4、下記化合物K−5にそれぞれ変更した以外は試料3の作製と同様にして、試料13、試料14、試料15、試料16をそれぞれ作製した。
なお、化合物K−3、化合物K−4、化合物K−5は、前述の一般式(1)で表される化合物である。
【0259】
【化29】



【0260】
≪評価≫
<評価用基板の作製>
実施例1の「段差のある基板1」の作製において、ソルダーレジストSR7200の塗布条件を変更することにより、段差の深さを15μmに変更した以外は実施例1の「段差のある基板1」の作製と同様にして、段差のある基板2を作製した。
段差のある基板2に対し、実施例1と同様の条件で、試料3、試料13、試料14、試料15、試料16をそれぞれ用いて遮光性カラーフィルタを作製した。ウエハ中心部における遮光性カラーフィルタの厚さは、いずれの試料を用いた場合においても2.5μmであった。
更に、実施例1と同様にして膜厚均一性の評価を行った。
【0261】
以上の結果を下記表2に示す。
【0262】
【表2】

【0263】
表2に示すように、前記一般式(1)で表されるオキシム系光重合開始剤を用いた試料14、試料15、試料16では、膜厚均一性が特に良好であった。このため、これらの試料を用いた遮光性カラーフィルタは遮光能の均一性に特に優れている。
【0264】
以上、チタンブラック、光重合性化合物、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂、光重合開始剤、及び溶剤として、特定の化合物を用いた場合の実施例について説明したが、上記以外の化合物を用いた場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
また、実施例1及び実施例2において、支持体として、フォトダイオード等の受光素子が形成された固体撮像素子用基板を用いることで、ノイズが少なく色再現性に優れた固体撮像素子を作製することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタンブラックと、光重合性化合物と、N−置換マレイミドに由来する構造単位を含む樹脂と、光重合開始剤と、溶剤と、を含む感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂は、(a)N−置換マレイミドと、(b)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、及び不飽和フェノール化合物からなる群から選択される少なくとも1種と、(c)テトラヒドロフラン骨格を有する不飽和化合物と、(d)前記(a)、前記(b)及び前記(c)以外の不飽和化合物と、の共重合体を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された遮光性カラーフィルタ。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を有する遮光性カラーフィルタの製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子。

【公開番号】特開2010−26383(P2010−26383A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189820(P2008−189820)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】