説明

感光性樹脂組成物およびその硬化膜を用いたプリント配線板

【課題】プリント配線板の加工時に加わる外力による硬化膜のクラックを防止する。
【解決手段】1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、二官能のエポキシアクリレート(A1)及び/又は下記一般式(i)


で表される化合物(C1)を含有する感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物およびその硬化膜を用いたプリント配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けすることにより製造される。はんだ付けランドを除く回路部分は、通常、永久保護皮膜としてのソルダーレジスト膜で被覆されている。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのが防止されると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのが防止される。また、近年、プリント配線板は、LED等の光源の反射板としての目的でも使用されている。
【0003】
ソルダーレジスト膜を形成するためのソルダーレジスト組成物としては、例えば、特許文献1〜6に、位置精度、導体エッジ部の被覆性に優れる液状フォトソルダーレジスト法(写真現像法)用のソルダーレジスト組成物が開示されている。また、希アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型フォトソルダーレジスト組成物も提案されている(特許文献7参照)。
【0004】
さらに、特許文献8には、光による樹脂の劣化(黄変)を抑え、高反射率を長期に亘って維持することが出来るソルダーレジスト組成物として、芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂と、白色顔料として、ルチル型酸化チタンを含有するソルダーレジスト組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭50−144431号公報
【特許文献2】特開昭49−5923号公報
【特許文献3】特開昭61−243869号公報
【特許文献4】特開2001−233842号公報
【特許文献5】特開2001−302871号公報
【特許文献6】特開2003−280193号公報
【特許文献7】特開2006−259150号公報
【特許文献8】特許第4340272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、プリント配線板を適切な大きさに加工することを目的として、プリント配線板にプレス機による打ち抜き外形加工やドリル穴あけ加工が施される場合がある。この様な加工が施される場合、プリント配線板に加えられた外力を起因として、ソルダーレジスト硬化膜にクラックが生じることがある。
【0007】
特許文献1〜8に代表される従来技術においては、プリント配線板の加工時に加わる外力によるソルダーレジスト硬化膜のクラックの問題については何ら考慮されていない。
【0008】
そこで、本発明は、プレス機による打ち抜き外形加工やドリル穴あけ加工等によってソルダーレジスト硬化膜に生じるクラックを防止ないしは抑制することが可能な感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意研究した結果、活性エネルギー線硬化性樹脂として二官能のエポキシアクリレートを含む感光性樹脂組成物、又は、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂及び特定構造の化合物(希釈剤)を含有する感光性樹脂組成物を用いることにより、優れた打ち抜きクラック耐性及び耐カッピング性を有する硬化塗膜の形成が可能であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の(1)〜(10)に関する。
【0010】
(1)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、(A)成分として、二官能のエポキシ(メタ)アクリレート(A1)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
(2)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、(C)成分として、下記一般式(i)
【化1】

(式中、R〜Rは、それぞれ独立してメチル基又は水素原子を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、l、m及びnは、l+m+n≦15を満たす自然数である。)で表される化合物を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。
(3)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、(A)成分として、二官能のエポキシ(メタ)アクリレートを含有し、(C)成分として、下記一般式(i)
【化2】

(式中、R〜Rは、それぞれ独立してメチル基又は水素原子を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、l、m及びnは、l+m+n≦15を満たす自然数である。)で表される化合物を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。
(4)前記エポキシ(メタ)アクリレート(A1)を、(A)成分全量に対して4〜35質量%含有することを特徴とする、(1)又は(3)に記載の感光性樹脂組成物。
(5)前記一般式(i)で表される化合物を、(A)成分100質量部に対して、2〜100質量部含有することを特徴とする、(2)又は(3)に記載の感光性樹脂組成物。
(6)(A)成分として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルとの共重合樹脂のカルボキシル基に対して、エチレン性不飽和結合を有する脂環式エポキシを反応させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂(A2)を含有することを特徴とする、(1)〜(5)何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(7)(A)成分として、分子中にエポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシのエポキシ基の全部又は一部に、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて分子中に二個以上のエチレン性不飽和結合を導入し、さらに生成した水酸基に多塩基酸無水物を反応させることにより得られる活性エネルギー線硬化性樹脂(A3)を含有することを特徴とする、(1)〜(6)何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(8)前記2官能のエポキシ(メタ)アクリレートが、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート又は変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートである、(1)、(3)又は(4)に記載の感光性樹脂組成物。
(9)ソルダーレジスト用である、(1)〜(8)何れかに記載の感光性樹脂組成物。
(10)(9)に記載のソルダーレジスト組成物の硬化膜を有する、電子部品搭載前又は搭載後のプリント配線板。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、プリント配線板作製時にクラックが生じるのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。
[感光性樹脂組成物]
本発明に係る感光性樹脂組成物は、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、二官能のエポキシ(メタ)アクリレート(A1)及び/又は下記一般式(i)
【化3】

(式中、R〜Rは、それぞれ独立してメチル基又は水素原子を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、l、m及びnは、l+m+n≦15を満たす自然数である。)で表される化合物(C1)を含有することを特徴とする。以下、これら成分毎に詳細に説明する。
【0013】
(A)成分
(A1)
二官能のエポキシ(メタ)アクリレートは、分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物に対し、当該エポキシ基の開環反応を利用して(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上導入して得られる化合物であれば特に制限はなく、ポリエステル、ポリエーテル又はアミンにより変性されていても良い。この様な化合物としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート)、アミン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートなどがあげられる。二官能のエポキシ(メタ)アクリレートを用いることにより、基板作製時のクラック発生を防止することが可能になる。
【0014】
これらの二官能のエポキシ(メタ)アクリレートのうち、ビスフェノールA型エポキシアクリレートとして、リポキシSP−2600(昭和高分子製)、NKオリゴEA−1020、NKオリゴEA−6340(新中村化学製)、カラヤッドR−280、 カラヤッドR−190(日本化薬製)、Ebecryl600、Ebecryl3700(ダイセルサイテック)等が上市されている。また、変性ビスフェノールA型エポキシアクリレートについては、KRM7856、Ebecryl3604、Ebecryl3702、Ebecryl3703,Ebecryl3708(ダイセルサイテック)、LR9019(BASF)などが上市されている。これらの二官能のエポキシ(メタ)アクリレートは、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を混合して使用しても良い。
【0015】
二官能のエポキシ(メタ)アクリレートの配合量としては、特に制限されるものではないが、クラック発生の防止効果を十分奏するために、(A)成分全体に対して、4〜35質量%用いることが好ましい。さらに、良好なはんだ耐熱性を確保するためには、15〜25質量%の範囲が好ましい。
【0016】
(A2)
(A2)は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルとの共重合樹脂のカルボキシル基に対して、エチレン性不飽和結合を有する脂環式エポキシを反応させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂である。ここで、脂環式エポキシとは、エポキシ基を構成する炭素が、同時に脂環骨格をも構成している化合物をいう。エポキシ当量の制限は特にないが、通常1000以下、好ましくは100〜500のものが用いられる。
【0017】
(A2)の具体例としては、例えば、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルとの共重合樹脂のカルボキシル基に対して、エチレン性不飽和結合を有する脂環式エポキシとして、(3,4−エポキシシクロへキシル)メチルアクリレート及び/又は(3,4−エポキシシクロヘキセニル)メチルアクリレートを反応させて得られるエネルギー線硬化性樹脂があげられる。これらの樹脂には、サイクロマーPシリーズ(サイクロマーP(ACA)Z−251、サイクロマーP(ACA)Z−250、サイクロマーP(ACA)Z300等)として、ダイセル化学工業(株)から市販されているものを好適に使用することが出来る。
【0018】
(A3)
(A3)は、分子中にエポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシのエポキシ基の2個以上に、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させ、さらに生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させることにより得られる活性エネルギー線硬化性樹脂である。脂環式エポキシとしては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジエボキサイド、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。これらのうち、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物については、ダイセル化学工業製「EHPE−3150」として入手することが出来る。
【0019】
使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。脂環式エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に制限は無く、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応できる。
【0020】
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記脂環式エポキシとラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、遊離のカルボキシル基を持たせるものである。使用する多塩基酸又はその無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0021】
(A4)
(A4)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基の2個以上に、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させ、さらに生成した水酸基に多塩基酸無水物を反応させることにより得られる活性エネルギー線硬化性樹脂である。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂があげられる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸、多塩基酸及び多塩基酸無水物については、(A3)で述べたものと同様のものを使用することができる。
【0022】
(B)成分
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらを単独または組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の使用量は、少量の場合、作業中の露光時間を要し、多量の場合、熱硬化中の揮発分が多くなり、乾燥炉内を汚染するおそれがあることから、(A)成分100質量部に対して、5〜20質量部、さらには8〜15質量部が好ましい。
【0023】
(C)成分
(C1)
(C1)は、下記一般式(i)
【化4】

で表される化合物である。ここで、式(i)において、R〜Rは、それぞれ独立してメチル基又は水素原子を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、l、m及びnは、l+m+n≦15を満たす自然数である。炭素数2〜5のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基が好ましい。なお、炭素数2〜5のアルキレン基は、分岐状又は直鎖状のいずれでも良い。
【0024】
(C1)として、具体的には、サートマー社製SR454のようなエトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、同社製SR499のようなエトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、同社製CD501のようなプロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート及び同社製SR9035の様なエトキシ化(15)トリメチロールプロパントリアクリレートがあげられる(なお、括弧内の数字は、上記一般式(i)中のl、m及びnの合計数を意味している。)。
【0025】
(C1)の配合量としては、十分なクラック防止効果及び良好なフィルム張り付き性を両立するには、(A)成分100質量部に対して2〜100質量部、さらには、20〜40質量部の範囲が好ましい。
【0026】
上記(C1)以外の(C)成分としては、通常公知の希釈剤を使用することが可能である。代表的な希釈剤として、光重合性モノマーがあげられる。光重合性モノマーは、反応性希釈剤ともいわれるもので、これは上記(A)成分の感光性樹脂の光硬化を更に十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する塗膜を得るために使用するものである。反応性希釈剤は、1分子中に二重結合を少なくとも2個有する化合物が好ましく用いられる。
【0027】
光重合性モノマー(反応性希釈剤)の代表的なものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレートカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。アルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートにおけるオキシアルキレン基としては、例えば、炭素数2〜10(好ましくは2〜4)のオキシアルキレン基があげられる。この様なものとしては、例えばエチレンオキサイド変性トリメチロールプリパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0028】
また、反応性希釈剤として、下記一般式(ii)で表される化合物を用いることも可能である。
【0029】
【化5】

【0030】
上記式(ii)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を意味し、p及びqは、p+q≦10以下の自然数を意味する。
【0031】
上記(C1)以外の(C)成分の含有量としては、特に制限されないが、少量の場合、光硬化時間の短縮効果を奏せない一方、多量の場合、表面硬化が進み、本来目的とするクラック防止性が得られなくなるおそれがあることから、(A)成分100質量部に対して、2〜200質量部、さらには10〜50質量部が好ましい。
【0032】
(D)成分
酸化チタンとしては、ルチル結晶構造を有する酸化チタンを好適に使用することが出来る。酸化チタンを配合することにより、塗膜を白色化することが出来る。酸化チタンの平均粒径は、特に制限されないが、0.01〜1μmの範囲が好ましい。また、酸化チタンは、表面未処理のもの又は表面処理されたもののいずれを用いても良い。酸化チタンの配合量としては、(A)成分100質量部に対して10〜100質量部、さらには50〜100質量部の範囲が好ましい。酸化チタンの配合量が10質量部未満であると、白色度が十分ではなく、100質量部を超えると強度に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0033】
(E)成分
エポキシ系熱硬化性化合物は、感光性樹脂組成物の塗膜を露光し、現像した後のポストキュアによって、十分に強靭な塗膜(塗膜硬度、耐熱性、耐久性、耐薬品性、耐環境性など)を得るために加えられるものである。
【0034】
エポキシ系熱硬化性化合物の代表的なものとして、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(エポキシオリゴマーを含む)が好適であるがこれに限らない。例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとをアルカリの存在下に反応させて得られたビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAとホルマリンとを縮合反応させて得られた樹脂のエポキシ化物、これらの樹脂において、ビスフェノールAの代わりにブロム化ビスフェノールAを用いたもの、ノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させてグリシジルエーテル化したノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−ヒドロキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノールなどのグリシジルアミン系樹脂、(プロピレン、ポリプロピレン)グリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、(エチレン、プロピレン)グリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらエポキシ系熱硬化性樹脂化合物は、単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。これらエポキシ系熱硬化性樹脂化合物の配合量としては、硬化後に十分な塗膜硬度を得る観点から、(A)成分100質量部に対して、2〜20質量部、さらには5〜15質量部の範囲が好ましい。
【0035】
本発明の実施形態例に係るソルダーレジストには、上記成分の他に、必要に応じて、種々の添加成分、例えば、着色剤、消泡剤、各種添加剤、体質顔料、溶剤などを含有させることができる。
【0036】
着色剤には、公知の着色顔料を使用でき、例えば、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アントラキノン系、アゾ系等の有機顔料や酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることができる。また、消泡剤には、公知のものを使用でき、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。
【0037】
添加剤には、例えば、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤といった分散剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn及びアセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、イミダゾリウム塩並びにトリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤を挙げることができる。
【0038】
体質顔料は、塗工したソルダーレジスト膜の物理的強度を上げるためのものであり、例えば、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ等を挙げることができる。
【0039】
溶剤としては、有機溶剤が好適であり、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。有機溶媒を用いる場合には、その使用量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは10〜40質量部である。
【0040】
上記した本発明の実施形態例に係るソルダーレジスト組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて三本ロールにより混合分散させて製造することができる。
【0041】
本発明に係る感光性樹脂組成物においては、上で説明してきたとおり、プリント配線板製造時等における硬化塗膜のクラック発生を防止するために、上記(A1)及び/又は(C1)を用いることを特徴としている。本発明において、特に好ましい感光性樹脂組成物は以下の通りである。
・(A)成分が、(A1)と、(A2)及び/又は(A3)とからなる感光性樹脂組成物:(A1)と、(A2)及び/又は(A3)とを併用することにより、クラック発生防止効果に加えて、良好な耐変色性及び反射率が得られる。この際、クラック発生防止効果、耐変色性及び反射率のバランスの観点から、(A1)成分を(A)成分全体に対して4〜35質量%とし、且つ、残部を(A2)及び/又は(A3)とすることが好ましい。
・(A)成分が(A2)からなり、かつ、(C)成分が(C1)からなる感光性樹脂組成物:耐変色性、反射率、及び耐クラック性がバランス良く優れている。この場合、良好なフィルム張り付き性を確保する観点から、(C1)は、(A1)100質量部に対して20〜40質量部配合することが好ましい。
・(A)成分が、(A1)と、(A2)及び/又は(A3)とからなり、(C)成分が(C1)からなる感光性樹脂組成物:フィルム張り付き性、耐変色性、反射率及びはんだ耐熱性がバランス良く優れ、さらに耐クラック性(特に耐カッピング性)が最も優れている。この際、クラック発生防止効果、耐変色性及び反射率のバランスの観点から、(A1)成分を(A)成分全体に対して4〜35質量%とし、(C1)を(A1)100質量部に対して20〜40質量部配合することが好ましい。
【0042】
[プリント配線板]
本発明に係るプリント配線板は、本発明の感光性樹脂組成物の硬化膜を有するプリント配線板である。
【0043】
硬化膜を形成するには、上記のようにして得られた本発明の実施形態例に係るソルダーレジスト用感光性樹脂組成物を、例えば、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板上に、スクリーン印刷法等を用いて所望の厚さに塗布し、ソルダーレジスト組成物中の溶剤を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行う。その後、塗布したソルダーレジスト組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、プリント配線板上に目的とするソルダーレジスト膜を形成させることができる。
【0044】
このようにして得られたソルダーレジスト膜にて被覆されたプリント配線板に、噴流はんだ付け方法、リフローはんだ付け方法等により電子部品がはんだ付けされることで、電子回路ユニットが形成される。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、組成は重量比で表されている。
【0046】
(1)評価試料作製方法
表1に記載された組成比で、各配合物を3本ロール(井上製作所製、S16)を用いて、大気雰囲気及び室温下で、混合分散させることにより、各感光性組成物を調製した。次いで、各感光性組成物を用いて以下の条件で、評価基板試験片を作製した。
【0047】
<試験基板試験片作製方法>
プリント基板、即ち配線形成済みの銅張積層板(FR−4基材、銅厚み50μm、板厚1.6mm)の表面にバフ研磨を施し、続いて水洗後に乾燥を行うことにより表面処理を行った。その後、感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷法にてプリント基板に塗布し、塗膜を、熱風循環式乾燥炉(タバイエスペック製、(型番)PHH201)を用いて70℃20分間(炉内:25分)乾燥し、膜厚20〜23μmの乾燥塗膜を形成した。次いで、レジストパターンを有するネガフィルムを塗膜に密着させ、紫外線露光装置((株)オーク製作所製、型式HMW−680GW、メタルハライドランプ7kW使用)を用いて、紫外線(300〜450nm)を塗膜上に400mJ/cm照射(約40秒)し、その後、熱風循環式乾燥炉を用いて150℃で60分間(炉内:70分)加熱硬化を行ない、試験基板を作製した。
【0048】
(2)評価方法
(2−1)フィルム張り付き性
上記試験基板作製工程において、各基板をネガフィルムに接触させ、露光する際の張り付き性を、以下の基準により評価した。
○:張り付きなし、△:塗膜に張り付き跡が残存、×:フィルム引き剥がし後、フィルムインク付着
【0049】
(2−2)変色性評価(耐変色性)
各試験基板を、260℃で5分間加熱後、変色を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:変色なし、△:変色が若干認められる、×:黄変
【0050】
(2−3)反射率測定
(2−3−1)初期
各試験基板作製直後の硬化塗膜の450nmにおける反射率を、分光光度計U3410((株)日立製作所製、φ60mm積分球)を用いて測定した。
(2−3−2)UV照射後
各試験基板の硬化塗膜に対し、紫外線露光装置(アイグラフィックス社製、型式UE093)を用いてUV照射(300〜450nm)を50J/cm(約2分)行い、照射後の450nmにおける反射率を、(2−3−1)と同様に測定した。
(2−3−3)加熱後
各試験基板を、170℃で100時間加熱後、硬化塗膜の450nmにおける反射率を、(2−3−1)と同様に測定した。
【0051】
(2−4)はんだ耐熱性
はんだ耐熱性は、各試験基板の硬化塗膜を、JIS C−6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない。
○:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認められる。
△:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められる。
×:1サイクル繰り返し後の塗膜に剥離が認められる。
【0052】
(2−5)打ち抜きクラック耐性
銅箔上に上記試験基板作製工程と同様の方法で全面塗工した試験片(5x5cm)を評価基板とし、JIS K−5600−5−3に準拠してデュポン衝撃装置を用い、質量500g(打ち抜き部:半径6mm)のおもりを高さ50cmから各試験片上に落下させ、打ち抜き部分周辺の塗膜の割れ及び剥れを目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
○:塗膜の剥がれなし、△:若干塗膜の剥がれが認められる、×:塗膜の剥がれあり
【0053】
(2−6)耐カッピング性
ボンデ鋼板(10×10cm、厚さ0.8mm)の表面をキシレンにて洗浄して、油分を完全に除去したものを用い、上記試験基板作製工程における塗膜形成方法と同様に塗膜形成したものを評価基板とし、JIS K−5600−5−2に準拠してカッピング試験を行った。すなわち、各試験片の裏面から鋼球を押し出して試験片を変形させた際に、塗膜の割れ及び剥れが生じるまでの押し出し距離(mm)を測定した。
【0054】
(3)評価結果
評価結果を、以下の表1に示した。
【0055】
【表1】

【0056】
(備考)
(A)成分
・A1−1:アミン変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル化学工業製、EBECRYL3703)
・A1−2:変性エポキシアクリレート(ダイセル化学工業製、EBECRYL3708)
・A2:サイクロマーPシリーズ(サイクロマーP(ACA)Z−251)
・A3:エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、EHPE−3150 )270質量部を、セロソルブアセテート400質量部に溶解したものにアクリル酸( 不飽和基含有モノカルボン酸)110質量部を加え、80℃加熱還流条件下、8時間反応させ、この反応生成物に、テトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)160質量部を70℃4時間反応させて得た、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂。
・A4:エポキシ樹脂としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)JER157S70)220質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸72 質量部を加え80℃加熱還流条件下、8時間反応させ、続いて、テトラヒドロ無水フタル酸83質量部を70℃4時間反応させて得た、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂。
【0057】
(B)成分
・B1:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア819
・B2:2.4.6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、チバ・スペシャリティケミカルズ社製、DAROCURE TPO
【0058】
(C)成分
・希釈剤1:下記式(iii)で表されるカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−60)
【化6】

・希釈剤2:下記式(iv)で表される反応性希釈剤(日本化薬社製、KAYARAD HX−620、p+q=6)
【化7】

・希釈剤3(C1):エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー社製、SR454
・希釈剤4(C1):エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー社製、SR499
・希釈剤5(C1):プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー社製、CD501
・希釈剤6(C1):エトキシ化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー社製、SR9035
【0059】
(D)成分:酸化チタン、石原産業社製、R−680
(E)成分:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業社製、EPICLON860
消泡剤:信越化学工業社製、KS−66
タルク:富士タルク工業社製、LMS
添加剤1:シリカ、日本アエロジル社製、R−974
添加剤2:ジシアンジアミド、ジャパンエポキシレジン社製、DICY−7
添加剤3:ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノル)プロピオネート)、チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガノックス1010
添加剤4:メラミン
溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、三洋化成社製、EDGAC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、
(A)成分として、二官能のエポキシ(メタ)アクリレート(A1)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項2】
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、
(C)成分として、下記一般式(i)
【化1】

(式中、R〜Rは、それぞれ独立してメチル基又は水素原子を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、l、m及びnは、l+m+n≦15を満たす自然数である。)で表される化合物を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。
【請求項3】
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、酸化チタン(D)と、エポキシ系熱硬化性化合物(E)とを含有する感光性樹脂組成物であって、
(A)成分として、二官能のエポキシ(メタ)アクリレートを含有し、
(C)成分として、下記一般式(i)
【化2】

(式中、R〜Rは、それぞれ独立してメチル基又は水素原子を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、l、m及びnは、l+m+n≦15を満たす自然数である。)で表される化合物を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記エポキシ(メタ)アクリレート(A1)を、(A)成分全量に対して4〜35質量%含有することを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記一般式(i)で表される化合物を、(A)成分100質量部に対して、2〜100質量部含有することを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
(A)成分として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルとの共重合樹脂のカルボキシル基に対して、エチレン性不飽和結合を有する脂環式エポキシを反応させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂(A2)を含有することを特徴とする、請求項1〜5何れかに記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
(A)成分として、分子中にエポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂のエポキシ基の全部又は一部に、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて分子中に二個以上のエチレン性不飽和結合を導入し、さらに生成した水酸基に多塩基酸無水物を反応させることにより得られる活性エネルギー線硬化性樹脂(A3)を含有することを特徴とする、請求項1〜6何れかに記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記2官能のエポキシ(メタ)アクリレートが、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート又は変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートである、請求項1、請求項3又は請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
ソルダーレジスト用である、請求項1〜8何れかに記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項9に記載のソルダーレジスト組成物の硬化膜を有する、電子部品搭載前又は搭載後のプリント配線板。

【公開番号】特開2011−158628(P2011−158628A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19036(P2010−19036)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】