説明

感光性樹脂組成物および積層体

【課題】ドライフィルム作成時の相溶性が良好で、i線、h線の両方のタイプの露光機で露光した場合に同等の感度を示し、かつ解像度、及び密着性に優れ、アルカリ性水溶液によって現像し得る感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5,000〜500,000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び(d)特定のピラゾリン化合物:0.001〜10質量%、を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが、特定の付加重合性モノマーを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ性水溶液によって現像可能な感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を支持体上に積層した感光性樹脂積層体、該感光性樹脂積層体を用いた基板上へのレジストパターンの形成方法、及び該レジストパターンの用途に関する。さらに詳しくは、プリント配線板の製造、フレキシブルプリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、リードフレームという)の製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、及びBGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージ製造、TAB(Tape Automated Bonding)やCOF(Chip On Film:半導体ICをフィルム状の微細配線板上に搭載したもの)に代表されるテープ基板の製造、半導体バンプの製造、フラットパネルディスプレイ分野におけるITO電極、アドレス電極、または電磁波シールドなどの部材の製造、およびサンドブラスト工法によって基材を加工する際の保護マスク部材として好適なレジストパターンを与える感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント配線板はフォトリソグラフィー法によって製造されている。フォトリソグラフィー法とは、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、パターン露光して該感光性樹脂組成物の露光部を重合硬化させ、未露光部を現像液で除去して基板上にレジストパターンを形成し、エッチング又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、該レジストパターンを該基板上から剥離除去することによって、基板上に導体パターンを形成する方法を言う。
上記のフォトリソグラフィー法においては、感光性樹脂組成物からなる層(以下、「感光性樹脂層」という。)を基板上に積層するにあたって、フォトレジスト溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、または支持体、感光性樹脂層、及び必要によっては保護層を順次積層した感光性樹脂積層体(以下、「ドライフィルムレジスト」という。)を基板にラミネートする方法のいずれかが使用される。そして、プリント配線板の製造においては、後者のドライフィルムレジストが使用されることが多い。
【0003】
上記のドライフィルムレジストを用いてプリント配線板を製造する方法について、以下に簡単に述べる。
まず、ポリエチレンフィルム等の保護層がある場合には、感光性樹脂層からこれを剥離する。次いで、ラミネーターを用いて銅張積層板等の基板上に、基板、感光性樹脂層、支持体の順序になるよう、感光性樹脂層及び支持体を積層する。次いで、配線パターンを有するフォトマスクを介して、該感光性樹脂層を超高圧水銀灯が発するi線(365nm)等の紫外線で露光することによって、露光部分を重合硬化させる。次いでポリエチレンテレフタレート等からなる支持体を剥離する。次いで、弱アルカリ性を有する水溶液等の現像液により感光性樹脂層の未露光部分を溶解又は分散除去して、基板上にレジストパターンを形成させる。次いで、形成されたレジストパターンを保護マスクとして公知のエッチング処理、又はパターンめっき処理を行う。最後に、該レジストパターンを基板から剥離して導体パターンを有する基板、すなわちプリント配線板を製造する。
【0004】
近年のプリント配線板における配線間隔の微細化に伴い、ドライフィルムレジストには高解像性の要求が増してきている。また生産性向上の観点から高感度化も求められている。一方で、露光方式も用途に応じ多様化しており、レーザーによる直接描画等のフォトマスクを不要とするマスクレス露光が急激な広がりを見せている。マスクレス露光の光源としてはi線(365nm)を用いたものと、h線(405nm)を用いたものに大別され、それぞれの長所を活かして用途別に使い分けられている。ドライフィルムレジストに対しては、これら「両方」のタイプの露光機に対して同一の条件で使用可能であるというニーズ、つまり、「両方」のタイプの露光機に対してほぼ同等の感度を示し、かつ高感度、高解像度、高密着性のレジストパターンを形成できることが重要視されている。
【0005】
ドライフィルムレジスト用の感光性樹脂組成物において、光重合開始剤として従来から用いられてきたベンゾフェノン及びミヒラーズケトン、並びにそれらの誘導体は、波長360nm付近に吸収域が局在している。従って、該光重合開始剤を使用したドライフィルムレジストは、露光光源の波長が可視領域に近づくにつれ感度が低下し、400nm以上の光源に対しては十分な解像度・密着性を得ることが困難である。
また、別の光重合開始剤であるチオキサントン及びその誘導体は、適当な増感剤を選ぶことにより波長380nm付近の露光光源に対して高い感度を示す組合せとすることができる。しかしながら、該組合せを使用しても形成されたレジストパターンにおいて充分な解像度が得られない場合も多く、また波長400nm以上の露光光源に対しては、やはり感度の低下が伴う。
【0006】
特許文献1には、感光性が高く画像の再現性が良好な光反応開始剤として、ヘキサアリールビスイミダゾールと1,3−ジアリール−ピラゾリンまたは1−アリール−3−アラルケニル−ピラゾリンが開示されており、ドライフィルムレジストを作製した実施例も記載されている。しかしながら、本発明者が、特許文献1に具体的に記載された化合物である1,5−ジフェニル−3−スチリル−ピラゾリン、及び1−フェニル−3−(4−メチル−スチリル)−5−(4−メチル−フェニル)−ピラゾリンを含む感光性樹脂層を有するドライフィルムフォトレジストを作製したところ、該化合物が感光性樹脂層中に未溶解物として残り、ドライフィルムレジストとして用いることはできなかった。
特許文献2及び特許文献3には、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(p−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリンを用いた例が開示されているが、波長405nmのh線タイプの露光機で露光した場合には高感度性を示すものの、i線タイプの露光機で露光した場合には、h線タイプの露光機で露光した場合と同等の感度を得ることはできなかった。
このような理由から、ドライフィルムレジスト用の感光性樹脂組成物として良好な相溶性を示し、i線、h線の両方タイプの露光機に対して同等の感度を有し、かつ良好な感度、並びに解像度、及び密着性を示す感光性樹脂組成物が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】特開平04−223470号公報
【特許文献2】特開2005−215142号公報
【特許文献3】特開2007−004138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ドライフィルム作成時の相溶性が良好で(即ち、未溶解物の析出がない)、i線、h線の両方のタイプの露光機で露光した場合に同等の感度を示し、かつ解像度、及び密着性に優れ、アルカリ性水溶液によって現像し得る感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂積層体、該感光性樹脂積層体を用いて基板上へのレジストパターンの形成方法、及び該レジストパターンの用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、上記目的は本発明の次の構成によって達成することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は以下に示す通りである。
1.(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5,000〜500,000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び(d)下記一般式(I)で示されるピラゾリン化合物:0.001〜10質量%、を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが、下記一般式(II)で表される群より選ばれる少なくとも一種の付加重合性モノマーを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【化1】


(式中、Rは炭素数4以上12以下の直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。)
【化2】


(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。A及びBは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。m1、m2、m3及びm4は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜40である。Rは、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、nは0〜14である。)
【0010】
2.上記(d)ピラゾリン化合物が、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、及び1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする上記1に記載の感光性樹脂組成物。
3.上記(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする上記1または2に記載の感光性樹脂組成物。
【化3】


(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、D及びEは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(D−O)−及び−(E−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。a1〜a6は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜50である。)
【化4】


(式中、R、R、R10、及びR11は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、X及びYは、炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(X−O)−及び−(Y−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。b1〜b8は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜60である。)
【0011】
4.上記1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体。
5.基板上に、上記4記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成する積層工程、活性光を露光する露光工程、感光性樹脂層の未露光部を分散除去する現像工程を順に含む、レジストパターン形成方法。
6.前記露光工程において、直接描画して露光することを特徴とする上記5に記載のレジストパターン形成方法。
7.上記5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含むプリント配線板の製造方法。
8.上記5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含むリードフレームの製造方法。
9.上記5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含む半導体パッケージの製造方法。
10.上記5又は6記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、サンドブラストする工程を含む凹凸基板の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の感光性樹脂組成物は、ドライフィルム作成時の相溶性が良好で、i線、h線の両方のタイプの露光機で露光した場合に同等の感度を示し、かつ解像度、及び密着性に優れ、アルカリ性水溶液によって現像し得るものである。本発明のレジストパターン形成方法は、感度、解像性、及び密着性に優れるレジストパターンを提供し、プリント配線板の製造、リードフレームの製造、半導体パッケージの製造、平面ディスプレイの製造に好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5,000〜500,000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び(d)下記一般式(I)で示されるピラゾリン化合物:0.001〜10質量%、を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが下記一般式(II)で表される群より選ばれる少なくとも一種の付加重合性モノマーを必須成分として含むものである。
【化5】


(式中、Rは炭素数4以上12以下の直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。)
【化6】


(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。A及びBは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。m1、m2、m3及びm4は、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜40である。Rは、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、nは0〜14である。)
【0014】
(a)熱可塑性共重合体
本発明の感光性樹脂組成物において、(a)熱可塑性共重合体としては、α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量が100〜600、重量平均分子量が5,000〜500,000のものが用いられる。
熱可塑性共重合体中のカルボキシル基は、感光性樹脂組成物がアルカリ水溶液からなる現像液や剥離液に対して、現像性や剥離性を有するために必要である。
酸当量は、100〜600が好ましく、より好ましくは250〜450である。塗工溶媒又は組成物中の他の成分や、後述する(b)付加重合性モノマーとの相溶性を確保するという観点から100以上であり、また、現像性や剥離性を維持するという観点から600以下である。ここで、酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する熱可塑性共重合体の質量(グラム)をいう。なお、酸当量の測定は、平沼レポーティングタイトレーター(COM−555)を用い、0.1mol/lのNaOH水溶液での電位差滴定法により行われる。
【0015】
重量平均分子量は、5,000〜500,000であることが好ましい。ドライフィルムレジストの厚みを均一に維持し、現像液に対する耐性を得るという観点から5,000以上であり、また、現像性を維持するという観点から500,000以下である。より好ましくは、重量平均分子量は、20,000から100,000である。
この場合の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)の検量線を用いて測定した重量平均分子量のことである。該重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して、以下の条件で測定することができる。
示差屈折率計:RI−1530、
ポンプ:PU−1580、
デガッサー:DG−980−50、
カラムオーブン:CO−1560、
カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807、
溶離液:THF
【0016】
熱可塑性共重合体は、後述する第一の単量体少なくとも1種以上からなる共重合体であるか、該第一の単量体少なくとも1種以上と後述する第二の単量体少なくとも一種以上からなる共重合体であることが好ましい。
第一の単量体は、分子中にα,β−不飽和カルボキシル基を含有する単量体である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルが挙げられる。中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを示す。以下同様である。
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を少なくとも一個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ビニルアルコールのエステル類、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体が挙げられる。中でも、特にメチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレンが好ましい。
感光性樹脂組成物中に含有される熱可塑性重合体の量は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは、25〜70質量%の範囲である。この量は、アルカリ現像性を維持するという観点から20質量%以上であり、また、露光によって形成されるレジストパターンがレジストとしての性能を十分に発揮するという観点から90質量%以下である。
【0017】
(b)付加重合性モノマー
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(b)付加重合性モノマーは、解像性および密着性の観点から下記一般式(II)で示される化合物を必須成分として含む。
【化7】


(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。A及びBは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。m1、m2、m3及びm4は、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜40である。R4は、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、nは0〜14である。)
【0018】
上記式(II)で表される化合物の具体例としては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルA−DCP)及びトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルDCPが挙げられる。
これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる、上記式(II)で表される化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中に5〜40質量%含まれることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。この量は、高解像度、高密着性を発現するという観点から5質量%以上が好ましく、また、コールドフロー、及び硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から40質量%以下が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(b)付加重合性モノマーとしては、上記以外にも少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する公知の化合物を使用できる。
【0019】
例えば、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物(日本触媒化学製、商品名:OE−A200)、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリオキシアルキレングリコールフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリオキシアルキレングリコールシクロヘキシル)プロパン、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、またポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えば、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートとノナプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物、及びイソシアヌル酸エステル化合物の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
【0020】
中でも、解像性及び密着性の観点から下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することが望ましい。
【化8】


(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、D及びEは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(D−O)−及び−(E−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。a1〜a6は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜50である。)
【0021】
上記一般式(III)で示される化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。これらの中でも、トリエトキシトリメチロールプロパントリアクリレートが最も好ましい。
【化9】


(式中、R、R、R10、及びR11は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、X及びYは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(X−O)−及び−(Y−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。b1〜b8は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜60である。)
【0022】
上記一般式(IV)で示される化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシ化テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。これらの中でも、ペンタエリスリトールエトキシ化テトラアクリレートが最も好ましい。
上記一般式(III)で表される化合物及び上記一般式(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物を含有する場合、感光性樹脂組成物に含まれる量は、感光性樹脂組成物中に1〜40質量%含まれることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。この量は、高解像度、高密着性を発現するという観点から1質量%以上が好ましく、また、コールドフロー、及び硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から40質量%以下が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中に含有される(b)付加重合性モノマーの量は、5〜75質量%の範囲であり、より好ましい範囲は15〜60質量%である。この量は、硬化不良、及び現像時間の遅延を抑えるという観点から5質量%以上であり、また、コールドフロー、及び硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から75質量%以下である。
【0023】
(c)光重合開始剤
本発明の感光性樹脂組成物には、(c)光重合開始剤が含まれ、トリアリールイミダゾリル二量体を必須成分とする。
上述のトリアリールイミダゾリル二量体の例としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、
【0024】
2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、
【0025】
2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、及び2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体が挙げられる。特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は解像性や硬化膜の強度に対して高い効果を有する光重合開始剤であり、好ましく用いられる。これらは単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物に含有されるトリアリールイミダゾリル二量体の量は、0.01〜30質量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜10質量%であり、最も好ましくは0.1〜5質量%である。この量は、十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上が必要であり、また、高解像性を維持するという観点から30質量%以下である。
【0026】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、トリアリールイミダゾリル二量体以外の光重合開始剤を併用することも可能である。
このような光重合開始剤としては、キノン類、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、
芳香族ケトン類、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾイン、
ベンゾインエーテル類、例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、
【0027】
N−フェニルグリシン類、例えば、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン、
チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、例えば、エチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、イソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、
オキシムエステル類、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾインオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、
【0028】
アクリジン類、例えば、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン(旭電化工業(株)製、N−1717)、9−フェニルアクリジン、
チオキサントン類、例えば、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロルチオキサントン、
ジアルキルアミノ安息香酸エステル類、例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジエチルアミノ安息香酸エチル、が挙げられる。
この中でも、ミヒラーズケトンまたは4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンがとくに好ましい。
【0029】
(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤の含有量は、0.01〜30質量%の範囲である。好ましい含有量は、0.05〜10質量%であり、最も好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。この量は、十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上が必要であり、また、高解像性を維持するという観点から30質量%以下である。
【0030】
(d)ピラゾリン化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(d)ピラゾリン化合物としては、下記式(I)で示されるピラゾリン化合物を必須成分とする。
【化10】


(式中、Rは炭素数4〜12の直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。)
【0031】
上記式(I)で示される化合物としては、例えば、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−n−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−イソブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−n−ペンチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−イソペンチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ネオペンチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ヘキシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ヘプチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−n−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ノニル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−デシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ウンデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリンなどが挙げられる。
【0032】
上記一般式(I)で示される化合物の中でも、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン及び1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリンが好ましい。
前述の一般式(I)で示される化合物は、本発明の感光性樹脂組成物中に1種以上含まれていれば良く、その総量は、0.001〜10質量%の範囲であり、より好ましい範囲は0.005〜5質量%であり、最も好ましい範囲は0.05〜2質量%である。この量は、感度及び解像性が向上するという観点から0.001質量%以上であり、また、熱可塑性重合体及び末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーへの相溶性及び分散性を向上させ、ドライフィルムフォトレジストとしての効果を発揮させるという観点から10質量%以下である。
本発明において、(d)ピラゾリン化合物は、前述した(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤と併用することによって、増感剤としての効果を発揮する。
【0033】
(e)その他の成分
本発明の感光性樹脂組成物においては、前述した成分に加えて、染料、顔料に代表される着色物質を採用することができる。このような着色物質としては、例えば、フタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーンなどが挙げられる。
また、露光により可視像を与えることができるように、本発明の感光性樹脂組成物中にロイコ染料を添加してもよい。このようなロイコ染料としては、ロイコクリスタルバイオレット及びフルオラン染料が挙げられる。中でも、ロイコクリスタルバイオレットを用いた場合、コントラストが良好であり好ましい。フルオラン染料としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ブロモ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−N,N−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アミノフルオランなどが挙げられる。
【0034】
感光性樹脂組成物中に、ロイコ染料とハロゲン化合物を組み合わせて用いることは、密着性及びコントラストの観点から、本発明の好ましい実施形態である。
ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、ハロゲン化トリアジン化合物などが挙げられる。
ハロゲン化合物を含有する場合の感光性樹脂組成物中のハロゲン化合物の含有量は、0.01〜5質量%の範囲が好ましい。
着色物質及びロイコ染料の含有量は、感光性樹脂組成物中において、夫々0.01〜10質量%の範囲が好ましい。充分な着色性(発色性)が認識できる点から0.01質量%以上が好ましく、露光部と未露光部のコントラストを有する点と、保存安定性維持の観点から10質量%以下が好ましい。
【0035】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類を含有させることは好ましいことである。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミンなどが挙げられる。
【0036】
また、ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。また、カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0037】
ラジカル重合禁止剤及びベンゾトリアゾール類の合計添加量は、好ましくは0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%の範囲である。この量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.01質量%以上が好ましく、また、光感度を維持するという観点から3質量%以下が好ましい。
これらラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類化合物は単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤を含有させても良い。このような可塑剤としては、例えば、グリコール・エステル類;例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、フタル酸エステル類;例えば、ジエチルフタレート、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチルが挙げられる。
【0038】
可塑剤の含有量としては、感光性樹脂組成物中に、5〜50質量%含むことが好ましく、より好ましくは5〜30質量%の範囲である。現像時間の遅延を抑えたり、硬化膜に柔軟性を付与するという観点から5質量%以上が好ましく、また、硬化不足やコールドフローを抑えるという観点から50質量%以下が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(a)〜(e)を均一に溶解した調合液とするために、溶媒を含有してもよい。用いられる溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。感光性樹脂組成物の調合液の粘度が25℃で500〜4000mPa・secとなるように溶媒を調製することが好ましい。
【0039】
<感光性樹脂積層体>
本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂層とその層を支持する支持体からなるが、必要により、感光性樹脂層の支持体と反対側の表面に保護層を有していても良い。
ここで用いられる支持体としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。ヘーズは5以下のものが好ましい。フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要等から、10〜30μmの範囲のものが好ましく用いられる。
【0040】
また、感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持体よりも保護層の方が充分小さく容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が保護層として好ましく使用できる。また、特開昭59−202457号公報に開示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。
保護層の膜厚は、10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
本発明の感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、用途において異なるが、好ましくは5〜100μm、より好ましくは7〜60μmの範囲であり、薄いほど解像度は向上し、また、厚いほど膜強度が向上する。
支持体、感光性樹脂層、及び必要により、保護層を順次積層して、本発明の感光性樹脂積層体を作成する方法は、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にしておき、まず支持体上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥し、支持体上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する。
次いで、必要により、感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより感光性樹脂積層体を作成することができる。
【0041】
<レジストパターン形成方法>
本発明の感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンは、積層工程、活性光を露光する露光工程、及び感光性樹脂層の未露光部を分散除去する現像工程を含む工程によって形成することができる。
具体的な方法の一例を示すと、まず、ラミネーターを用いて積層工程を行う。感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着し積層する。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけに積層しても良いし、両面に積層しても良い。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また、該加熱圧着は二回以上行うことにより密着性及び耐薬品性が向上する。この時、圧着は二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用しても良いし、何回か繰り返してロールに通し圧着しても良い。
次に、露光機を用いて活性光を露光する露光工程を行う。必要ならば支持体を剥離しフォトマスクを通して活性光により露光する。露光量は、光源照度及び露光時間より決定される。光量計を用いて測定しても良い。
露光工程において、マスクレス露光方法を用いてもよい。マスクレス露光はフォトマスクを使用せず基板上に直接描画して露光する。光源としては波長350〜410nmの半導体レーザーや超高圧水銀灯などが用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、光源照度および基板の移動速度によって決定される。
【0042】
次に、現像装置を用いて感光性樹脂層の未露光部を分散除去する現像工程を行う。露光後、感光性樹脂層上に支持体がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液である現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、NaCO、KCO等の水溶液を用いる。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2〜2質量%の濃度、20〜40℃のNaCO水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤などを混入させてもよい。
上述の工程によってレジストパターンが得られるが、場合によっては、さらに100〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。加熱には、熱風、赤外線、遠赤外線等の方式からなる加熱炉を用いることができる。
【0043】
<プリント配線板の製造方法>
本発明のプリント配線板の製造方法は、基板として銅張り積層板やフレキシブル基板を用いた上述のレジストパターン形成方法に続いて、以下の工程を経ることで行われる。
まず現像により露出した基板の銅面をエッチング法、またはめっき法等の既知の方法を用いて導体パターンを形成する。
その後、レジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により、基板から剥離して所望のプリント配線板を得る。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)についても特に制限はないが、2〜5質量%の濃度、40〜70℃のNaOH、KOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液にも、少量の水溶性溶媒を加えることが可能である。
【0044】
<リードフレームの製造方法>
本発明のリードフレームの製造方法は、基板として銅、銅合金、鉄系合金等の金属板を用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることにより行われる。
まず、現像により露出した基板をエッチングして導体パターンを形成する。
その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離して、所望のリードフレームを得る。
【0045】
<半導体パッケージの製造方法>
本発明の半導体パッケージを製造方法は、基板としてLSIとしての回路形成が終了したウェハを用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることにより行われる。
現像により露出した開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施して、導体パターンを形成する。
その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離し、更に、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去することにより、所望の半導体パッケージを得る。
【0046】
<凹凸基板の製造方法>
本発明の感光性樹脂積層体をドライフィルムレジストとして用いてサンドブラスト工法により基材に加工を施す場合には、基材上に前記した方法と同様な方法で、感光性樹脂積層体をラミネートし、露光、現像を施す。更に形成されたレジストパターン上からブラスト材を吹き付け目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、基材上に残存した樹脂部分をアルカリ剥離液等で基材から除去する剥離工程を経て、基材上に凹凸パターンを有する基材、即ち凹凸基板を得ることができる。上前記サンドブラスト処理工程に用いるブラスト材としては公知のものが用いられ、例えば、SiC,SiO、Al、CaCO、ZrO、ガラス、ステンレス等の2〜100μm程度の微粒子が用いられる。凹凸基板は、例えば平面ディスプレイ用の背面板として好適に使用することができる。
【実施例】
【0047】
以下に実施例などにより本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
初めに実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法およびその評価結果を示す。
[実施例1〜8、比較例1〜8]
1.評価用サンプルの作製
実施例1〜8及び比較例1〜8における感光性樹脂積層体は次の様にして作製した。
【0048】
<感光性樹脂積層体の作製>
表1に示す組成の感光性樹脂組成物(但し、P−1〜P−3の質量部はメチルエチルケトンを含む値である。)に、固形分が50質量%となるように溶媒を添加して、よく攪拌、混合し、支持体として19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは25μmであった。
次いで、感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として23μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
表1における略号で表わした感光性樹脂組成物中の材料成分の名称を表2に示す。
なお、比較例1〜5は、本発明に用いられる(d)成分(A−7〜A−8)を含まない組成物である。また、比較例6は、本発明に用いられるトリアリールイミダゾリル二量体(A−2)を含まない組成物であり、比較例7及び比較例8は、本発明に用いられる一般式(II)で表される群より選ばれる少なくとも一種の付加重合性モノマー(M−1〜M−2)を含まない組成物である。
【0049】
<基板整面>
感度、解像度評価用基板は、スプレー圧0.20MPaでジェットスクラブ研磨(日本カーリット(株)製、サクランダムR(登録商標)#220)したものを用意した。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成エンジニアリング(株)製、AL−70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
【0050】
<露光>
i線タイプの直接描画式露光装置(オルボテック(株)製、DI露光機Paragon−9000、光源:コヒレント社製UV半導体励起個体レーザー、主波長355±3nm)と、h線タイプの直接描画式露光装置(オーク(株)製、DI露光機DI−2080、光源:GaN青紫ダイオード、主波長407±3nm)により下記の感度評価によってステップタブレット段数が8となる露光量で露光した。
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1質量%のNaCO水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
【0051】
2.評価方法
(1)相溶性試験
表1に示す組成の感光性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、支持体として19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。その後、塗布表面を目視により観察し、次の様にランク分けした。
○:塗工面が均一
×:塗工面上に未溶解物が析出
(2)感度評価
ラミネート後15分経過した感度、解像度評価用基板を、透明から黒色に21段階に明度が変化しているストーファー製21段ステップタブレットを用いて露光した。露光後、最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、レジスト膜が完全に残存しているステップタブレット段数が8である露光量により、次の様にランク分けした。
◎:露光量が20mJ/cm以下。
○:露光量が20mJ/cmを超え、30mJ/cm以下。
△:露光量が30mJ/cmを超え、50mJ/cm以下。
×:露光量が50mJ/cmを超える。
【0052】
(3)光源選択性
i線タイプの露光機(オルボテック(株)製、DI露光機Paragon−9000)とh線タイプの露光機(オーク(株)製、DI露光機DI−2080)を用いた際に、同一の露光量で使用できることを光源選択性と定義し、次の様にランク分けした。
○:ステップタブレットが8となる露光量の差が5mJ/cm未満
×:ステップタブレットが8となる露光量の差が5mJ/cm以上
(4)解像度評価
ラミネート後15分経過した感度、解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスクライン幅を解像度の値とした。
◎:解像度の値が15μm以下。
○:解像度の値が15μmを超え、20μm以下。
△:解像度の値が20μmを超え、25μm以下。
×:解像度の値が25μmを超える。
【0053】
(5)密着性評価
ラミネート後15分経過した感度、解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:100の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を密着性の値とした。
◎:密着性の値が15μm以下。
○:密着性の値が15μmを超え、20μm以下。
△:密着性の値が20μmを超え、25μm以下。
×:密着性の値が25μmを超える。
【0054】
3.評価結果
実施例及び比較例の評価結果は表1に示した。
この表1の結果によると、
1)請求項1の要件を満足する実施例1〜8は、上記相溶性、光源選択性、i線露光及びh線露光に対する感度、解像度、密着性の評価の全てにおいて優れているのに対し、
2)上記一般式(I)のピラゾリン化合物(d)(A−7〜A−8)を含まない比較例1〜5においては、比較例1、3〜5が共通して光源選択性に劣り、且つi線露光又はh線露光に対する感度、解像度、密着性の一種以上において劣り、比較例2はピラゾリン化合物(A−3)の相溶性が極めて悪くレジスト表面に未溶解物が析出し(そのため他の評価は不能)、
3)トリアリールイミダゾリル二量体(c)(A−2)を含まない比較例6は、レジストが十分光硬化せずレジストラインが形成されず(そのため他の評価は不能)、
4)上記一般式(II)の付加重合性モノマー(M−1〜M−2)を含有しない比較例7及び比較例8においては、比較例7はi線露光及びh線露光に対する解像度、密着性において劣り、そして比較例8はi線露光及びh線露光に対する解像度が劣ることが分かる。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、及びBGA、CSP等のパッケージの製造、COFやTABなどテープ基板の製造、半導体バンプの製造、ITO電極やアドレス電極、電磁波シールドなどフラットパネルディスプレイの隔壁の製造、およびサンドブラスト工法によって基材を加工する方法等に利用することができる。
サンドブラスト工法による加工としては、有機ELのガラスキャップ加工、シリコンウエハーの穴開け加工、セラミックのピン立て加工が挙げられる。
更に、本発明のサンドブラスト工程による加工は、強誘電体膜および貴金属、貴金属合金、高融点金属、および高融点金属化合物からなる群から選ばれる金属材料層の電極の製造に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が5,000〜500,000の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び(d)下記一般式(I)で示されるピラゾリン化合物:0.001〜10質量%、を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが、下記一般式(II)で表される群より選ばれる少なくとも一種の付加重合性モノマーを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【化1】


(式中、Rは炭素数4以上12以下の直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。)
【化2】


(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。A及びBは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。m1、m2、m3及びm4は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜40である。Rは、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、nは0〜14である。)
【請求項2】
上記(d)ピラゾリン化合物が、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、及び1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
上記(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
【化3】


(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、D及びEは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(D−O)−及び−(E−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。a1〜a6は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜50である。)
【化4】


(式中、R、R、R10、及びR11は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、X及びYは、炭素数2〜6のアルキレン基を示し、これらは同一であっても相違していてもよく、異なっている場合、−(X−O)−及び−(Y−O)−の繰り返し単位は、ブロック構造でもランダム構造でもよい。b1〜b8は、それぞれ独立に、0又は正の整数であり、これらの合計は0〜60である。)
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体。
【請求項5】
基板上に、請求項4記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成する積層工程、活性光を露光する露光工程、感光性樹脂層の未露光部を分散除去する現像工程を順に含む、レジストパターン形成方法。
【請求項6】
前記露光工程において、直接描画して露光することを特徴とする請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含むプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングする工程を含むリードフレームの製造方法。
【請求項9】
請求項5又は6に記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含む半導体パッケージの製造方法。
【請求項10】
請求項5又は6記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、サンドブラストする工程を含む凹凸基板の製造方法。

【公開番号】特開2009−229657(P2009−229657A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73125(P2008−73125)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】