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感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体
説明

感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体

【課題】良好な耐薬品性、機械強度及び柔軟性を有する感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体の提供。
【解決手段】(A)アルカリ可溶性高分子:40〜80質量%、(B)光重合開始剤:0.1〜20質量%、及び(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物:0.1〜50質量%を含有する感光性樹脂組成物であって、該(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、分子内に少なくとも一つの炭素数が4以上のアルキレンオキサイド基と、少なくとも1つのウレタン結合を有する化合物:0.1〜32質量%を含有することを特徴とする前記感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント配線板又は金属の精密加工等はフォトリソグラフィー法によって製造されてきた。フォトリソグラフィー法とは、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、パターン露光して該感光性樹脂組成物の露光部を重合硬化させ、未露光部を現像液で除去して基板上にレジストパターンを形成し、エッチング又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、該レジストパターンを該基板上から剥離除去することによって、基板上に導体パターンを形成する方法をいう。
【0003】
フォトリソグラフィー法においては、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するにあたって、フォトレジスト溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、又は支持体、感光性樹脂組成物から成る層(以下、感光性樹脂層という。)及び必要により保護層を、順次積層した感光性樹脂積層体を基板に積層する方法のいずれかが使用されるが、プリント配線板の製造においては、後者が使用されることが多い。
【0004】
上記感光性樹脂積層体を用いてプリント配線板を製造する方法について以下に簡単に述べる。
先ず、感光性樹脂積層体からポリエチレンフィルム等の保護層を剥離する。次いで、ラミネーターを用いて銅張り積層板等の基板上に、該基板、感光性樹脂層、支持体の順序になるように、感光性樹脂層及び支持体を積層する。次いで、配線パターンを有するフォトマスクを介して、該感光性樹脂層を露光することによって、露光部分を重合硬化させる。次いで、ポリエチレンテレフタレート等から成る支持体を剥離する。次いで、弱アルカリ性を有する水溶液等の現像液により感光性樹脂層の未露光部分を溶解又は分散除去して、基板上にレジストパターンを形成させる。この現像液により未露光部分の感光性樹脂層を溶解又は分散除去する工程は、現像工程と呼ばれ、未露光部分の感光性樹脂層を溶解させるために要する最も短い時間が最小現像時間とされる。
【0005】
感光性樹脂組成物は、その全てが現像液に溶解するわけではなく、現像工程を重ねるごとに現像液分散性の悪い不溶解成分が増え、凝集物を発生させる。この凝集物は基板上に付着しショート不良の原因となる。
【0006】
次いで、形成されたレジストパターンを保護マスクとして、既知のエッチング処理又はパターンめっき処理を行う。最後に、該レジストパターンを基板から剥離して導体パターンを有する基板、すなわちプリント配線板を製造する。
【0007】
エッチング処理においては、レジストパターンの耐エッチング性が重要である。耐エッチング性が悪いと、エッチング時にエッチング液がレジストパターンと基板との隙間から染み込み、回路頂部の一部がエッチングされる。頂部方向からの表面外観は、染み込みによる変色、及び酸化が見られ、導体パターンの幅の再現性が一部で悪くなり、直線性が悪くガタつく。さらに、耐エッチング性が悪い場合には、導体パターンの欠け又は断線が起こる。これらの欠陥は、導体パターンが微細なほど顕著になる。上記の形成されたレジストパターンを保護マスクとして既知のエッチング処理を行なう工程は、エッチング工程と呼ばれる。エッチング工程には、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄、又は銅アンモニア錯体の溶液が用いられる。
【0008】
また、エッチングにより金属部分を除去する方法では、基板の貫通孔(スルーホール)に対して、硬化レジスト膜で覆うことにより貫通孔内の金属部分をエッチングさせないようにする。この工法は、テンティング法と呼ばれる。テンティング法に用いられるドライフィルムレジストは、現像時又はエッチング時に貫通孔を覆う硬化レジスト膜が破損しないことが求められるため、硬化レジスト膜の機械強度及び柔軟性が高いことが要求される。
【0009】
かかる状況の下、硬化レジストの耐薬品性、機械強度及び柔軟性を向上させるために、例えば特許文献1には、ポリブチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレートを用いる手段が報告されている。また、特許文献2にはエチレングリコール及びプロピレングリコールを骨格とする光重合性ウレタン化合物と、二種類以上のアルキレンオキサイド基を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いる手段が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭61−228007号公報
【特許文献2】特許第3859934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、良好な耐薬品性、機械強度及び柔軟性を有する感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を提供することである。これまで、硬化レジストの耐薬品性、機械強度及び柔軟性を向上させるために、ポリブチレングリコールジアクリレートを使用する手法が特開昭61−228007号公報に報告されているが、この手法は、硬化膜が脆くなる傾向があり、機械強度及び柔軟性の点で、なお改良の余地があった。
また、同様の目的で、ウレタン骨格を有する光重合性化合物と、二種類以上のアルキレンオキサイド基を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いる手段が特許第3859934号公報に報告されているが、文献中に具体的に記載されている、エチレンオキサイド基およびプロピレンオキサイド基を含有するウレタン化合物では硬化レジストの耐薬品性、機械強度、および柔軟性を十分に両立させる観点から、なお改良の余地を有していた。これは、エチレンオキサイド基がエッチング液などに対する耐薬品性を低下させ、プロピレンオキサイド基が硬化レジストの機械強度及び柔軟性を低下させる傾向があることに起因すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、以下の技術的手段によりかかる課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
【0013】
[1] (A)アルカリ可溶性高分子:40〜80質量%、(B)光重合開始剤:0.1〜20質量%、及び(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物:0.1〜50質量%を含有する感光性樹脂組成物であって、該(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、分子内に少なくとも一つの炭素数が4以上のアルキレンオキサイド基と、少なくとも1つのウレタン結合を有する化合物:0.1〜32質量%を含有することを特徴とする前記感光性樹脂組成物。
【0014】
[2] 前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(I):
【化1】

{式中、R1およびR2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Zは二価の有機基であり、Xはエチレンオキサイド基であり、Yは炭素数3〜8のアルキレンオキサイド基であり、Wは炭素数4以上のアルキレンオキサイド基であり、n1、n2、n3、n4、n6およびn7は、0〜20の整数であり、n5は、1〜100の整数であり、n8は、1〜50の整数であり、そしてX、Y、W、−(C24O)−及び−(C36O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムで構成されていてもよいし、ブロックで構成されていてもよいし、それらの組み合わせの構造でもよい。}で表される化合物を含有する、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
【0015】
[3] 前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマーと(b)ポリイソシアネートとの付加重合により得られるポリウレタンの末端イソシアネート基に対して(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーを含み、かつ前記(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマーとして、下記一般式(II):
【化2】

{式中、Wは、炭素数4以上のアルキレンオキサイド基を表し、n9およびn10は、0以上100以下の整数であり、n11は、1以上100以下の整数であり、そして−(C24O)−、−(C36O)−および−(W)−の繰り返し単位から成る構造は、ランダムで構成されていてもよいし、ブロックで構成されていてもよいし、それらの組み合わせの構造でもよい。}
で示される化合物を含む、[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
【0016】
[4] 前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(III):
【化3】

{式中、R3およびR4は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Zは二価の有機基であり、Vは炭素数1〜3のアルキレンオキサイド基であり、Wは炭素数4以上のアルキレンオキサイド基であり、n12およびn14は、0〜20の整数であり、n13およびn15は、1〜50の整数であり、VおよびWの繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックである場合、VおよびWのいずれがウレタン基側であってもよい。}で表される化合物を含有する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0017】
[5] 前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(IV):
【化4】

{式中、R5及びR6は、水素原子又はメチル基であり、n17及びn19は、0〜20の整数であり、かつn17+n19は、0〜20の整数であり、n16及びn18は、1〜20の整数であり、かつn16+n18は、2〜20の整数であり、そして−(C24O)−及び−(C36O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックである場合、−(C24O)−と−(C36O)−のいずれがビスフェノール基側であってもよい。}で表される化合物を含有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0018】
[6] 前記(A)アルカリ可溶性高分子は、その分子内に共重合物成分としてスチレン又はスチレン誘導体を20〜60質量%含有する、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0019】
[7] 前記一般式(I)で表される化合物の重量平均分子量が500〜30,000である、[2]〜[6]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0020】
[8] 前記一般式(I)において、Zはヘキシレン基またはイソホロン基である、[2]〜[7]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0021】
[9] 前記一般式(II)で表される化合物の分子量が500〜5,000である、[3]〜[8]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0022】
[10] 前記一般式(III)で表される化合物の分子量が500〜3,000である、[4]〜[9]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0023】
[11] 前記一般式(III)において、Zはヘキシレン基またはイソホロン基である、[4]〜[10]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0024】
[12] 前記一般式(I)において、Wが炭素数4以上かつ直鎖型のアルキレンオキサイド基である、[2]〜[11]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0025】
[13] 前記一般式(II)において、Wが炭素数4以上かつ直鎖型のアルキレンオキサイド基である、[3]〜[12]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0026】
[14] 前記一般式(III)において、Wが炭素数4以上かつ直鎖型のアルキレンオキサイド基である、[4]〜[13]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【0027】
[15] 支持フィルム上に、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層したことを特徴とする感光性樹脂積層体。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、良好な耐薬品性、機械強度及び柔軟性を有する感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0030】
<感光性樹脂組成物>
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性高分子:40〜80質量%、(B)光重合開始剤:0.1〜20質量%、及び(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物:0.1〜50質量%を含み、さらに感光性樹脂組成物は、該(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、分子内に少なくとも一つの炭素数が4以上のアルキレンオキサイド基と、少なくとも1つのウレタン結合を有する化合物:0.1〜32質量%を含む。
【0031】
<(A)アルカリ可溶性高分子>
(A)アルカリ可溶性高分子とは、カルボキル基を含有したビニル系樹脂のことであり、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の共重合体である。(A)アルカリ可溶性高分子は、カルボキシル基を含有し、酸当量が100〜600であることが好ましい。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子の質量をいう。酸当量を100以上にすることは、現像耐性、解像度及び密着性を向上させる観点から好ましく、一方で、酸当量を600以下にすることは、現像性及び剥離性を向上させる観点から好ましい。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。(A)アルカリ可溶性高分子の酸当量は、より好ましくは250〜450である。
【0032】
(A)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、5,000以上500,000以下であることが好ましい。重量平均分子量を5,000以上にすることは、現像凝集物の性状、感光性樹脂積層体とした場合のエッジフューズ性、カットチップ性などの未露光膜の性状の観点から好ましく、一方で、重量平均分子量を500,000以下にすることは、現像性を向上させる観点から好ましい。ここで、エッジフューズ性とは、感光性樹脂積層体としてロール状に巻き取った場合にロールの端面から感光性樹脂組成物層がはみ出す現象である。カットチップ性とは、未露光膜をカッターで切断した場合にチップが飛ぶ現象のことで、チップが感光性樹脂積層体の上面などに付着すると、後の露光行程などでマスクに転写し不良の原因となる。(A)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、より好ましくは、5,000以上300,000以下であり、さらに好ましくは10,000以上200,000以下である。
【0033】
(A)アルカリ可溶性高分子は、例えば、下記の2種類の単量体の中から、各々一種又はそれ以上の単量体を共重合させることにより得ることができる。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステルが挙げられる。とりわけ、(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0034】
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を少なくとも一個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルアルコールのエステル類、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体が挙げられる。とりわけ、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、スチレン誘導体、及びベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0035】
(A)アルカリ可溶性高分子中の共重合物成分としては、スチレン又はスチレン誘導体が好ましく、その共重合割合は、(A)アルカリ可溶性高分子の全固形分質量を基準として、20〜60質量%であることが好ましい。該共重合割合を20質量%以上にすることは、十分な凝集性、耐エッチング性等を提供するという観点から好ましく、該共重合割合を60質量%以下にすることは、適度な現像性及び硬化膜柔軟性を提供する観点から好ましい。該共重合割合は、より好ましくは20〜50質量%であり、さらに好ましくは20〜30質量%である。
【0036】
実施の形態では、スチレン誘導体としては、例えば、オキシスチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、アルキルスチレン、ハロゲノアルキルスチレンが挙げられる。
【0037】
さらに、(A)アルカリ可溶性高分子は、共重合物成分として、スチレン又はスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸を共重合したものが好ましい。また、上記とは別に優れた解像性を得るためには、スチレン又はスチレン誘導体の共重合割合は、(A)アルカリ可溶性高分子の全固形分質量を基準として、40〜60質量%であることが好ましく、さらに、共重合物成分として、スチレン又はスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸メチル、及び/又は(メタ)アクリル酸を共重合したものが好ましい。
【0038】
実施の形態では、感光性樹脂組成物中の(A)アルカリ可溶性高分子の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%とするとき、40〜80質量%の範囲であり、好ましくは50〜70質量%である。該配合量を40質量%以上にすることは、エッジフューズ性を制御する観点から好ましく、一方で、該配合量を80質量%以下にすることは、現像時間を制御する観点から好ましい。
【0039】
<(B)光重合開始剤>
実施の形態では、(B)光重合開始剤として、例えば、2,4,5,−トリアリールイミダゾール二量体又はアクリジン化合物を用いることができる。具体的には、2−(o―クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o―クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o―フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o―メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p―メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用しても2種類以上併用してもよい。
【0040】
感光性樹脂組成物にさらに含有してもよい光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラ―ケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノホルノフェニル)―ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用しても2種類以上併用してもよい。
【0041】
感光性樹脂組成物中の(B)光重合開始剤の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%とするとき、0.1〜20質量%である。該配合量を0.1質量%以上にすることは、充分な感度を得るという観点から好ましい。一方で、該配合量を20質量%以下にすることは、レジスト底面にまで光を充分に透過させ、良好な高解像性を得るという観点から好ましい。該配合量のより好ましい範囲は0.5〜10質量%である。
【0042】
<(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物>
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、分子内に少なくとも一つの炭素数が4以上のアルキレンオキサイド基と、少なくとも1つのウレタン結合とを有する化合物を含む。
ここで、上記組成によって硬化レジストの良好な耐薬品性、機械強度及び柔軟性が両立するメカニズムについては、本発明者は以下のように考えている。
一般的に、エチレンオキサイドを骨格とするモノマーを多く含有する硬化レジストは耐薬品性(例えばエッチング耐性)が低下し、プロピレンオキサイドを骨格とするモノマーの場合には耐薬品性が向上する傾向がある。ポリアルキレンオキサイドのようなポリエーテルは、酸開裂反応により分解することが知られているが、これはエーテル基の酸素が酸によってプロトン化され、その後アニオンによる求核攻撃を受けるために起こると考えられている。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをエーテル基で結合させた場合には、エチレンオキサイド側において優先的にアニオンによる開裂反応が起こるが、これはエーテル基の酸素に結合する炭素周囲の立体障害が少ないことに起因する。したがってエッチング耐性を向上させるためには、モノマーの単位長さあたりのエーテル基を減らすか、又は立体障害が大きい側鎖の多いアルキレンオキサイドを有するモノマーを使用することが有効であると考えられる。
一方、エチレンオキサイドを骨格とするモノマーを多く含有する硬化レジストはテンティング性が向上し、プロピレンオキサイドを骨格とするモノマーの場合にはテンティング性が低下する傾向がある。テンティング性を向上させるためには、硬化レジストのゴム弾性を発現させることが重要である。一般的に、ゴム弾性の発現には、自由な回転が可能な結合を有する長鎖の分子が必須である(例えば、Treloar,L.R.G.著、The Physics Of Rubber Elasticity、p.11)。プロピレンオキサイドは側鎖としてメチル基を有しており、炭素主鎖周りの自由な回転が阻害されるため、エチレンオキサイドと比較してテンティング性が低下すると考えられる。したがってテンティング性を向上させるためには、側鎖の少ない長鎖モノマーを使用することが有効であると考えられる。
さらに、ウレタン結合とポリアルキレンオキサイドを含む分子は、ウレタン部位を骨格とするハードセグメントと、アルキレンオキサイドを骨格とするソフトセグメントから成る高次構造を形成することが知られており、テンティング性に有効な高強度と高弾性を発現すると考えられる(例えば、Kawai,H.著、Macromolecules、1974年、7巻、3号、p.355)。また、ウレタン結合は耐薬品性にも優れており、ポリエステルにおける加水分解反応やポリエーテルにおける酸開裂反応のような分解反応が起こり難い。
以上のことから、良好なエッチング耐性とテンティング性を両立させるためには、「側鎖が少なく、単位長さあたりのエーテル基が少ない長鎖アルキレンオキサイド基とウレタン結合を有するモノマー」が有効であると考えられる。上記でいう長鎖アルキレンオキサイド基とは、炭素数が4以上のアルキレンオキサイド鎖であり、直鎖型であることがさらに好ましい。具体的には、n−ブチレンオキサイド基、n−ペンチレンオキサイド基、n−ヘキシレンオキサイド基、n−ヘプチレンオキサイド基、n−オクチレンオキサイド基、n−ノニレンオキサイド基、n−デシレンオキサイド基などが挙げられ、特にn−ブチレンオキサイド基が好ましい。
【0043】
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(I):
【化5】

{式中、R1およびR2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Zは二価の有機基であり、Xはエチレンオキサイド基であり、Yは炭素数3〜8のアルキレンオキサイド基であり、Wは炭素数4以上のアルキレンオキサイド基であり、n1、n2、n3、n4、n6およびn7は、0〜20の整数であり、n5は、1〜100の整数であり、n8は、1〜50の整数であり、そしてX、Y、W、−(C24O)−及び−(C36O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムで構成されていてもよいし、ブロックで構成されていてもよいし、それらの組み合わせの構造でもよい。}で表される化合物を含むことが好ましい。
【0044】
前記一般式(I)中、Zは、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソホロン基、トリレン基、ジフェニルメタン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基、α,α’−ジメチル−o−キシリレン基、α,α’−ジメチル−m−キシリレン基、α,α’−ジメチル−p−キシリレン基、α,α,α’−トリメチル−o−キシリレン基、α,α,α’−トリメチル−m−キシリレン基、α,α,α’−トリメチル−p−キシリレン基、α,α,α’,α’−テトラメチル−o−キシリレン基、α,α,α’,α’−テトラメチル−m−キシリレン基、α,α,α’,α’−テトラメチル−p−キシリレン基、シクロヘキシレン基およびその誘導体などが挙げられる。バインダーやモノマーとの相溶性の観点から、特にヘキシレン基またはイソホロン基が好ましい。
【0045】
前記一般式(I)で表される化合物の分子量は、テント性および現像性の観点から500〜30,000であることが好ましく、1000〜20,000であることがより好ましい。該分子量を500以上にすることはテント性を向上させるために好ましく、一方で、該分子量を30,000以下にすることは、現像液による硬化膜の膨潤を防ぐことができるので好ましい。
【0046】
実施の形態では、感光性樹脂組成物中の上記一般式(I)で表される化合物の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%とするとき、0.1〜32質量%であることが好ましい。テント性を得るという観点から、該配合量を5質量%以上にすることがより好ましく、一方で、解像性と密着性と耐エッチング性の観点から、該配合量を30質量%以下にすることがより好ましい。該配合量のさらに好ましい範囲は5〜25質量%であり、特に好ましい範囲は7〜20質量%である。
【0047】
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、
(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマーと、
(b)ポリイソシアネート、
との付加重合により得られるポリウレタンの末端イソシアネート基に対して、
(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物、
を反応させて得られるウレタンプレポリマーを含み、かつ
前記(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマーが、下記一般式(II):
【化6】

{式中、Wは炭素数4以上のアルキレンオキサイド基を表し、n9は1以上100以下の整数であり、n10およびn11は0以上100以下の整数であり、そして−(Y)−、−(C24O)−及び−(C36O)−の繰り返し単位から成る構造は、ランダムで構成されていてもよいし、ブロックで構成されていてもよいし、それらの組み合わせの構造でもよい。}
で示される化合物であることが好ましい。
【0048】
上記一般式(II)で示される化合物は、炭素数が4以上のアルキレンオキサイド基を繰り返し単位の一つとして有するポリアルキレングリコール化合物である。好ましい構造には、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)に代表される化合物が挙げられる。また、PTMGの末端水酸基を利用してブロック共重合またはランダム共重合によりプロピレンオキシド基を導入したグリコール化合物や、エチレングリコールやテトラメチレングリコールのランダム共重合体の両末端にポリエチレングリコールをブロック共重合することにより得られるグリコール化合物などのPTMG誘導体も挙げられる。
【0049】
上記一般式(II)において、n9は、2以上100以下の整数であり、4以上70以下が好ましく、より好ましくは6以上、55以下である。n10は、0以上100以下の整数であり、0以上10以下が好ましい。n11は、0以上100以下の整数であり、0以上10以下が好ましい。
【0050】
前記(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマー中に、上記一般式(II)で示される化合物を、50質量%以上100質量%以下含有することがレジストパターンの密着性を向上させる点から好ましい。より好ましくは70質量%以上100質量%以下である。更に好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
【0051】
前記(b)ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α,α’−ジメチル−o−キシリレンジイソシアネート、α,α’−ジメチル−m−キシリレンジイソシアネート、α,α’−ジメチル−p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’−トリメチル−o−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’−トリメチル−m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’−トリメチル−p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−o−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−p−キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。ジイソシアネート化合物の芳香環を水添化した化合物、例えばm−キシリレンジイソシアネートの水添化物(三井武田ケミカル製タケネート600)なども挙げられる。
【0052】
前記(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物の具体的な例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オリゴテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0053】
ポリウレタンプレポリマーのエチレン性不飽和結合濃度は、2×10-4mol/g以上10-2mol/g以下が好ましい。十分に架橋させてエッチング耐性を確保する点から2×10-4mol/g以上が好ましく、硬化膜を柔らかく保ちテンティング性を確保する点から10-2mol/g以下が好ましい。
ポリウレタンプレポリマーの重量平均分子量は1,500以上50,000以下が好ましい。テンティング性を維持する点から1,500以上が好ましく、エッチング耐性を維持する点から50,000以下が好ましい。より好ましくは5,000以上30,000以下である。更に好ましくは9,000以上25,000以下である。
【0054】
ポリウレタンプレポリマーの含有量は感光性樹脂組成物の全質量に対して10質量%以上70質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上65質量%以下、更に好ましくは25質量%以上60質量%以下である。十分なテンティング性を確保する点から10質量%以上であり、エッチング耐性を確保する点から70質量%以下が好ましい。ポリウレタンプレポリマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
前記ポリウレタンプレポリマーは、例えば特開平11−188631号公報の実施例に開示されている方法で作成することができる。具体的には、(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマー100重量部に対して(b)ポリイソシアネートを5〜50重量部付加重合させる。得られたポリウレタン100重量部に対して、(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物を5〜30重量部の割合で反応を行う。
【0056】
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(III):
【化7】

{式中、R3およびR4は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Zは二価の有機基であり、Vは炭素数1〜3のアルキレンオキサイド基であり、Wは炭素数4以上のアルキレンオキサイド基であり、n12およびn14は、0〜20の整数であり、n13およびn15は、1〜50の整数であり、VおよびWの繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックである場合、VおよびWのいずれがウレタン基側であってもよい。}で表される化合物を含むことが好ましい。
【0057】
前記一般式(III)中、Zは、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソホロン基、トリレン基、ジフェニルメタン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基、α,α’−ジメチル−o−キシリレン基、α,α’−ジメチル−m−キシリレン基、α,α’−ジメチル−p−キシリレン基、α,α,α’−トリメチル−o−キシリレン基、α,α,α’−トリメチル−m−キシリレン基、α,α,α’−トリメチル−p−キシリレン基、α,α,α’,α’−テトラメチル−o−キシリレン基、α,α,α’,α’−テトラメチル−m−キシリレン基、α,α,α’,α’−テトラメチル−p−キシリレン基、シクロヘキシレン基およびその誘導体などが挙げられる。バインダーやモノマーとの相溶性の観点から、特にヘキシレン基またはイソホロン基が好ましい。
【0058】
前記一般式(III)で表される化合物の分子量は、テント性および現像性の観点から500〜3,000であることが好ましく、1000〜2,500であることがより好ましい。該分子量を500以上にすることはテント性を向上させるために好ましく、一方で、該分子量を3,000以下にすることは、現像液による硬化膜の膨潤を防ぐことができるので好ましい。
【0059】
実施の形態では、感光性樹脂組成物中の上記一般式(III)で表される化合物の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%とするとき、0.1〜32質量%であることが好ましい。テント性を得るという観点から、該配合量を5質量%以上にすることがより好ましく、一方で、耐エッチング性の観点から、該配合量を30質量%以下にすることがより好ましい。該配合量のさらに好ましい範囲は5〜25質量%であり、特に好ましい範囲は7〜20質量%である。
【0060】
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(IV):
【化8】

{式中、R5及びR6は、水素原子又はメチル基であり、n17及びn19は、0〜20の整数であり、かつn17+n19は、0〜20の整数であり、n16及びn18は、1〜20の整数であり、かつn16+n18は、2〜20の整数であり、そして−(C24O)−及び−(C36O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックである場合、−(C24O)−と−(C36O)−のいずれがビスフェノール基側であってもよい。}で表される化合物をさらに含むことが好ましい。
【0061】
一般式(IV)中、n17及びn19は、0〜20の整数であり、かつn17+n19は、0〜20の整数であり、n16及びn18は、1〜20の整数であり、かつn16+n18は、2〜20の整数である。また、n16+n17+n18+n19の下限は2以上、上限は40以下であることが好ましい。n16+n17+n18+n19を2以上にすることは、硬化膜の柔軟性を得るという観点から好ましく、一方で、n16+n17+n18+n19を40以下にすることは、解像性を得るという観点から好ましい。さらに、エッチング耐性を得るために、n16+n17+n18+n19のより好ましい範囲の下限は4以上、上限は20以下であり、さらに好ましい範囲の下限は6以上、上限は12以下である。また、テント性を得るために、n16+n17+n18+n19のより好ましい範囲の下限は16以上、上限は40以下であり、さらに好ましい範囲の下限は30以上、上限は40以下である。n17+n19は、1〜20の整数であり、n16+n18は、2〜20の整数であることが、さらに好ましい。
【0062】
上記一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、例えば、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのエチレンオキサイドを付加したエチレングリコールのジメタクリレート又はビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均6モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したアルキレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端に平均15モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したアルキレングリコールのジメタクリレートを付加したアルキレングリコールのジメタクリレートなどが挙げられる。
【0063】
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、上記一般式(I)、(III)、および(IV)で表される化合物以外にも、下記に示す光重合可能なエチレン性不飽和化合物を併用することもできる。具体的には、例えば、ポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、2−ジ(P−ヒドロキシフェニル)プロパン(メタ)アクリレ−ト、グリセロ−ルトリ(メタ)アクリレ−トトリメチロールトリ(メタ)アクリレ−ト、ポリオキシプロピルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト、トリメチルプロパントリグリシジルエ−テルトリ(メタ)アクリレ−ト、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、ノニルフェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
【0064】
感光性樹脂組成物中の(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%としたとき、0.1〜50質量%である。該配合量を0.1質量%以上にすることは、感度、解像性及び密着性を向上させる観点から好ましい。一方で、該配合量を50質量%以下にすることは、コールドフロー、及び硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から好ましい。該配合量は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは25〜45質量%である。
【0065】
<ロイコ染料、フルオラン染料、着色物質>
前記感光性樹脂組成物は、ロイコ染料、又はフルオラン染料若しくは着色物質を含有してもよい。これらの染料を含有することにより露光部分が発色するので視認性の点で好ましく、また、検査機などが露光のための位置合わせマーカーを読み取る場合、露光部と未露光部のコントラストが大きい方が認識し易く有利である。
【0066】
ロイコ染料としては、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フェニルメタン[ロイコマラカイトグリーン]が挙げられる。とりわけ、コントラストが良好となる観点から、ロイコ染料としては、ロイコクリスタルバイオレットを用いることが好ましい。感光性樹脂組成物中のロイコ染料の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%としたとき、0.1〜10質量%であることが好ましい。当該含有量を0.1質量%以上にすることは、露光部分と未露光部分のコントラストを得るという観点から好ましく、一方で、当該含有量を10質量%以下にすることは、保存安定性を維持するという観点から好ましい。
【0067】
着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)が挙げられる。感光性樹脂組成物中の着色物質の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%としたとき、0.001質量%〜1質量%であることが好ましい。該含有量を0.001質量%以上にすることは、取扱い性を向上させるという観点から好ましく、一方で、該含有量を1質量%以下にすることは、保存安定性を維持するという観点から好ましい。
【0068】
<ハロゲン化合物>
また、感光性樹脂組成物中にロイコ染料と下記ハロゲン化合物を組み合わせて用いることは、密着性及びコントラストの観点から、好ましい態様である。
ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンジル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、クロル化トリアジン化合物などが挙げられ、とりわけトリブロモメチルフェニルスルフォンが好ましい。感光性樹脂組成物中のハロゲン化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%としたとき、0.01〜3質量%であることが感光層における色相の保存安定性を維持するという観点から好ましい。
【0069】
<ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類>
また、感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物は、ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類から成る群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物をさらに含有してもよい。
【0070】
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミンなどが挙げられる。
【0071】
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0072】
カルボキシベンゾトリアゾ−ル類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾ−ル、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾ−ル、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾ−ルなどが挙げられる。
【0073】
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾ−ル類、及びカルボキシベンゾトリアゾ−ル類の合計含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%としたとき、好ましくは0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。該含有量を0.01質量%以上にすることは、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から好ましく、一方で、該含有量を3質量%以下にすることは、感度を維持し染料の脱色を抑える観点から好ましい。
【0074】
<可塑剤>
感光性樹脂組成物は、必要に応じて可塑剤を含有してもよい。このような可塑剤として、例えば、ジエチルフレートなどのフタル酸エステル類、o−トルエンスルホン酸アミド、p−トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロプレンレングリコールアルキルエーテルなどが挙げられる。
【0075】
感光性樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分質量を100質量%としたとき、好ましくは、1〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%である。該含有量を1質量%以上にすることは、現像時間の遅延を抑え、硬化膜に柔軟性を付与するという観点から好ましく、一方で、該含有量を50質量%以下にすることは、硬化不足及びコールドフローを抑えるという観点から好ましい。
【0076】
<溶剤>
感光性樹脂組成物を溶解する溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、メタノール、エタノール又はイソプロパノールに代表されるアルコール類などが挙げられる。当該溶剤は、支持フィルム上に塗布する感光性樹脂組成物の溶液の粘度が25℃で500〜4000mPa・sとなるように、感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
【0077】
<感光性樹脂積層体>
感光性樹脂積層体は、支持フィルム上に上記感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層が積層されている。必要により、感光性樹脂積層体は、感光性樹脂層の支持フィルム側とは反対側の表面に保護層を有してもよい。
【0078】
支持フィルムとしては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じて延伸されたものも使用可能であり、ヘーズ5以下のものであることが好ましい。フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持するために10〜30μmのものが好ましく用いられる。
【0079】
感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について支持フィルムよりも保護層の方が充分小さく、容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが保護層として好ましく使用できる。また、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることもできる。保護層の膜厚は10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚さは、用途において異なるが、好ましくは5〜100μm、より好ましくは7〜60μmであり、薄いほど解像度は向上し、また厚いほど膜強度が向上する。
【0080】
<感光性樹脂積層体の作製方法>
支持フィルム、感光性樹脂層、及び必要により保護層を順次積層し感光性樹脂積層体を作製する方法としては、既知の方法を採用することができる。例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物をこれらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にし、まず支持フィルム上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布し、次いで乾燥して支持フィルム上に感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層することができる。次いで必要により、感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより感光性樹脂積層体を作製することができる。
【0081】
<プリント配線板の製造方法>
以下、上記感光性樹脂積層体を用いてプリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
感光性樹脂積層体を用いてプリント配線板を製造する方法は、以下の工程を含む。
(1)ラミネート工程
感光性樹脂組成物の保護層を剥がしながら、銅張積層板、フレキシブル基板等の基板上にホットロールラミネーターを用いて密着させる工程。
(2)露光工程
所望の配線パターンを有するマスクフィルムを支持体上に密着させて活性光源を用いて露光を施す、又は所望の配線パターンを直接描画によって露光を施す工程。
(3)現像工程
露光後、感光性樹脂層上の支持体を剥離し、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去してレジストパターンを基板上に形成する工程。
アルカリ水溶液としては、Na2CO3又はK2CO3の水溶液を用いる。アルカリ水溶液は、感光性樹脂層の特性に合わせて適宜選択されるが、約0.2〜2質量%の濃度、かつ約20〜40℃のNa2CO3水溶液が一般的である。
上記の各工程を経てレジストパターンを得ることができるが、場合により、さらに約100〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。加熱には熱風、赤外線、又は遠赤外線の方式の加熱炉を用いることができる。
(4)エッチング工程
形成されたレジストパターン上からエッチング液を吹き付けてレジストパターンによって覆われていない銅面をエッチングする工程。
エッチング工程は酸性エッチング、アルカリエッチングなど使用する感光性樹脂積層体に適した方法で行なわれる。
(5)剥離
その後、レジストパターンを現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離する。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、濃度約2〜5質量%、かつ温度約40〜70℃のNaOH又はKOHの水溶液が一般に用いられる。剥離液に、少量の水溶性溶媒を加えることもできる。
【0082】
上述した感光性樹脂組成物は、アルカリ性水溶液によって現像可能な感光性樹脂組成物として好適であり、該感光性樹脂組成物を支持体上に積層した感光性樹脂積層体、該感光性樹脂積層体を用いて基板上にレジストパターンを形成する方法、及び該レジストパターンの用途が提供される。さらに詳しくは、プリント配線板の製造、フレキシブルプリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、リードフレームという。)の製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、BGA(ボールグリッドアレイ)又はCSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージ製造、TAB(Tape Automated Bonding)又はCOF(Chip On Film:半導体ICをフィルム状の微細配線板上に搭載したもの)に代表されるテープ基板の製造、半導体バンプの製造、及びフラットパネルディスプレイ分野におけるITO電極、アドレス電極、電磁波シールドなどの部材の製造に好適なレジストパターンを与える感光性樹脂組成物が提供される。
【実施例】
【0083】
以下、実施例1〜15及び比較例1〜7により、本発明を具体的に説明する。
まず、実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法及びその評価結果を示す。
【0084】
<重量平均分子量の測定>
高分子の重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)によりポリスチレン換算として求められる。
【0085】
(1)評価用サンプルの作製方法
実施例及び比較例における評価用サンプルは以下のように作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1及び2に示す組成(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す。)の感光性樹脂組成物及び溶媒を十分に攪拌、混合して感光性樹脂組成物調合液とし、支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタラートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、GR―16)の表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して感光性樹脂組成層を形成した。感光性樹脂組成層の厚みは40μmであった。
次いで、感光性樹脂組成層のポリエチレンテレフタラートフィルムを積層していない表面上に、保護層として19μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、GF−18)を貼り合わせて感光性樹脂積層体を得た。以下の表3に、表1及び2中に略号で表した感光性樹脂組成物調合液中の材料成分の名称を示す。
【0086】
<基板整面>
現像性及び耐エッチング性の評価基板として、35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板を用いた。基板表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD♯600、2回通し)した。
【0087】
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、製面して60℃に予熱した銅張り積層板に、ホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−700)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
【0088】
<露光>
感光性樹脂組成層の評価に必要なマスクフィルムを支持体であるポリエチレンテレフタラ−トフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所社製、HMW―801)により60mJ/cm2の露光量で露光した。
【0089】
<現像>
現像性及び耐エッチング性の評価基板については、ポリエチレンテレフタラートフィルムを剥離した後、アルカリ現像機(フジ機工製、ドライフィルム用現像機)を用いて30℃の1質量%Na2CO3水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、最小現像時間の2倍の時間にて現像し、硬化レジストパターンを作製した。なお、最小現像時間とは、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間をいう。
【0090】
<エッチング>
現像によって、レジストパターンが形成された評価基板に、塩銅エッチング装置(東京化工機(株)社製、塩銅エッチング装置)を用いて塩化第二銅濃度250g/L、塩酸濃度3mol/Lである、50℃の塩化第二銅エッチング液を60秒間スプレーし、銅張積層板上のレジストパターンにより被覆されていない部分の銅箔を溶解除去した。
【0091】
<剥離>
エッチング後の評価基板に50℃に加温した3質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして、硬化したレジストを剥離した。
【0092】
(2)サンプルの評価方法
次に、サンプルの評価方法について説明する。
(i)解像度評価
ラミネート後15分経過した感度及び解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスクライン幅を解像度の値として以下のようにランク分けした。
○:解像度の値が25μm以下。
△:解像度の値が25μmを超え、30μm以下。
×:解像度の値が30μmを超える。
【0093】
(ii)密着性評価
ラミネート後15分経過した感度及び解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスクライン幅を密着性の値として以下のようにランク分けした。
○:密着性の値が25μm以下。
△:密着性の値が25μmを超え、30μm以下。
×:密着性の値が30μmを超える。
【0094】
(iii)エッチング耐性
上記(1)評価用サンプルの作製方法に従い、ラミネート後15分経過したエッチング耐性評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。さらに最小現像時間の2倍の時間で現像し、最小エッチング時間の2倍の時間でエッチングした。硬化レジストを水酸化ナトリウム水溶液にて剥離し、導体パターンを光学顕微鏡にて観察し、かかる観察結果に基づき、以下のようにランク分けした:
○:導体パターンが直線的に形成されており、エッチング液の染み込みが見られない。
△:導体パターンが直線的に形成されているが、エッチング液の染み込みが見られる。
×:導体パターンが直線的に形成されておらず、ガタツキが見られる。
【0095】
(iv)テンティング性評価
1.6mm厚の銅張り積層板に直径6mmの穴があいている基材に感光性樹脂層を両面ラミネート、露光し、最小現像時間の2倍の現像時間で現像した。そして膜破れ数を測定し、下記数式により膜破れ率を算出して以下のようにランク分けした。
テント膜破れ率(%)=[膜破れ数(個)/全テント膜数(個)]×100
○:テント膜破れ率が0%。
△:テント膜破れ率が0%を超え、0.5%以下。
×:テント膜破れ率が0.5%を超える。
【0096】
(3)評価結果
実施例及び比較例の評価結果を表1及び2に示す。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0100】
本実施形態の感光性樹脂組成物、並びにそれを用いて製造された感光性樹脂積層体及びレジストパターンは、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造、リードフレーム、メタルマスク、BGA又はCSP等の半導体パッケージ、TAB又はCOFなどのテープ基板、半導体バンプ、ITO電極、アドレス電極、電磁波シールドなどの製造に利用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アルカリ可溶性高分子:40〜80質量%、(B)光重合開始剤:0.1〜20質量%、及び(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物:0.1〜50質量%を含有する感光性樹脂組成物であって、該(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、分子内に少なくとも一つの炭素数が4以上のアルキレンオキサイド基と、少なくとも1つのウレタン結合を有する化合物:0.1〜32質量%を含有することを特徴とする前記感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(I):
【化1】

{式中、R1およびR2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Zは二価の有機基であり、Xはエチレンオキサイド基であり、Yは炭素数3〜8のアルキレンオキサイド基であり、Wは炭素数4以上のアルキレンオキサイド基であり、n1、n2、n3、n4、n6およびn7は、0〜20の整数であり、n5は、1〜100の整数であり、n8は、1〜50の整数であり、そしてX、Y、W、−(C24O)−及び−(C36O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムで構成されていてもよいし、ブロックで構成されていてもよいし、それらの組み合わせの構造でもよい。}で表される化合物を含有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマーと(b)ポリイソシアネートとの付加重合により得られるポリウレタンの末端イソシアネート基に対して(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーを含み、かつ前記(a)末端に水酸基を有するポリマーまたはモノマーとして、下記一般式(II):
【化2】

{式中、Wは、炭素数4以上のアルキレンオキサイド基を表し、n9およびn10は、0以上100以下の整数であり、n11は、1以上100以下の整数であり、そして−(C24O)−、−(C36O)−および−(W)−の繰り返し単位から成る構造は、ランダムで構成されていてもよいし、ブロックで構成されていてもよいし、それらの組み合わせの構造でもよい。}
で示される化合物を含む、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(III):
【化3】

{式中、R3およびR4は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Zは二価の有機基であり、Vは炭素数1〜3のアルキレンオキサイド基であり、Wは炭素数4以上のアルキレンオキサイド基であり、n12およびn14は、0〜20の整数であり、n13およびn15は、1〜50の整数であり、VおよびWの繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックである場合、VおよびWのいずれがウレタン基側であってもよい。}で表される化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(C)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、下記一般式(IV):
【化4】

{式中、R5及びR6は、水素原子又はメチル基であり、n17及びn19は、0〜20の整数であり、かつn17+n19は、0〜20の整数であり、n16及びn18は、1〜20の整数であり、かつn16+n18は、2〜20の整数であり、そして−(C24O)−及び−(C36O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックである場合、−(C24O)−と−(C36O)−のいずれがビスフェノール基側であってもよい。}で表される化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(A)アルカリ可溶性高分子は、その分子内に共重合物成分としてスチレン又はスチレン誘導体を20〜60質量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記一般式(I)で表される化合物の重量平均分子量が500〜30,000である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記一般式(I)において、Zはヘキシレン基またはイソホロン基である、請求項2〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記一般式(II)で表される化合物の分子量が500〜5,000である、請求項3〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記一般式(III)で表される化合物の分子量が500〜3,000である、請求項4〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
前記一般式(III)において、Zはヘキシレン基またはイソホロン基である、請求項4〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項12】
前記一般式(I)において、Wが炭素数4以上かつ直鎖型のアルキレンオキサイド基である、請求項2〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項13】
前記一般式(II)において、Wが炭素数4以上かつ直鎖型のアルキレンオキサイド基である、請求項3〜12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
前記一般式(III)において、Wが炭素数4以上かつ直鎖型のアルキレンオキサイド基である、請求項4〜13のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項15】
支持フィルム上に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層したことを特徴とする感光性樹脂積層体。

【公開番号】特開2013−83785(P2013−83785A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223482(P2011−223482)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】