説明

感光性樹脂組成物

【課題】感度が高く、特性のバラツキが少なく、製造工程が単純で、製造コストの低廉な感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】一般式(1)で示される置換基が、一般式(2)で示される置換基を1つ以上有するコア分子の炭素−炭素二重結合に付加した化合物を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインク、コーティング、塗料などのビヒクル用材料、接着剤、レジスト材料、光学材料などの電子・光機能材料などに利用できる、感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
光ラジカル反応によって重合する感光性樹脂組成物は、硬化速度、作業性、多様な硬化膜特性、光重合開始剤の選択に基づく幅広い感光波長の選択などの特徴を有することから、各種コーティング、印刷、接着剤、レジストなど様々な分野で用いられている。これらの感光性組成物は、主として重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマー及びオリゴマーから構成されており、重合性炭素−炭素二重結合の具体例としては、アクリレート基あるいはメタクリレート基(以下、(メタ)アクリレートと表す)が挙げられる。
【0003】
上記感光性樹脂組成物の成分のうち、重合性を有するモノマーは比較的分子量が低く、反応性希釈剤としての役割を持つことが多い。
一方、上記感光性樹脂組成物の成分のうち、重合性を有するオリゴマーは、硬化膜あるいは硬化物に所望の諸物性を付与したり、硬化速度を一段と向上させたりするために加えられるものであり、このため、分子量が比較的大きく、かつ、(メタ)アクリレート基を有するオリゴマーが用いられる。このようなオリゴマーとしては、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル等が挙げられ、これらオリゴマーの中から、硬化膜の要求性能等に応じて適宜選択される。
【0004】
そして、従来から、これら重合性のモノマー及び重合性のオリゴマーの種類や配合組成等を選択することにより、様々な要求特性を満たす感光性樹脂組成物が開発されている。
【0005】
一方、光ラジカル反応によって重合する感光性樹脂組成物は、パターン形成材料としても好適であり、印刷製版材料、レジスト材料、光造形用樹脂、各種フィラーを含有するフォトポリマー等に用いられている。感光性樹脂組成物をパターン形成材料として用いる場合には、露光後に光の当たらなかった部分を洗い流す必要があるため、アルカリ水溶液に可溶なバインダーポリマーに重合性炭素−炭素二重結合を配合した感光性樹脂組成物が用いられている。
【0006】
こうした、(メタ)アクリレート系の感光性樹脂組成物の応用分野拡大に伴い、硬化速度や感光速度、さらには、硬化物の特性、物性の向上が求められている。しかしながら、光重合開始剤から発生するラジカル種の発生量子収率は1を超えることができないため、硬化速度あるいは感光速度を向上させるための方策としては、(メタ)アクリレート基を多数有する多官能性(メタ)アクリレートを用いる必要がある。こうした、多官能性(メタ)アクリレートを用いれば、単位体積あたりの(メタ)アクリレート基濃度が高まるために、重合速度が増大して硬化が効率よく進む。
【0007】
しかしながら、一般的に、モノマーとしての(メタ)アクリレートは、官能基数が多くなるほど重合収縮率が増大し、また、柔軟性に欠けた過度に高硬度で脆い塗膜となることが知られている。また、用途によっては、重合後に残存する未反応(メタ)アクリレート基が問題を生じることがある。これに対して、(メタ)アクリレートオリゴマーはある程度の分子量を有し、また、(メタ)アクリレート基1つあたりの分子量が比較的大きいので、重合収縮率を低減することができる。しかしながら、(メタ)アクリレートオリゴマー単独での感光速度はモノマーとしての(メタ)アクリレートと比較して遅くなってしまう。
【0008】
こうした2律背反の問題を解決すべく、モノマーとして高い反応性と、(メタ)アクリレートオリゴマーの相対的に低い重合収縮率とを併せ持つ化合物として、分子鎖末端に多数の(メタ)アクリレート基が導入された多分岐型化合物が提案されている(特許文献1〜10)。これらの多分岐化合物は、コア分子から樹状に(すなわちデンドリティックに)分子鎖が発達し、その分子鎖末端に(メタ)アクリレート基が結合した構造をもつ。この種の多分岐化合物では、分子内での分子鎖絡み合いによって(メタ)アクリレート基はオリゴマー分子表面に局在すると考えられる。このため、(メタ)アクリレート当量が増大しても硬化速度は低下することなく、重合収縮の程度が軽減されることが期待される。
【0009】
なお、本発明に関係する化合物として、特許文献11に記載の化合物が知られている。例えば下記化合物化1や化2である。これらの化合物は、アクリレート基を有するコア分子の該アクリレート基を基点として、水酸基を有するチオールのマイケル付加と、アクリレート基を有するイソシアネートによるウレタン結合の生成とが交互になされた構造を有しており、重合可能なアクリレート基を多数有するデンドリマーである。
【0010】
【化1】

【0011】
【化2】

【0012】
【特許文献1】特開平11−193317号公報
【特許文献2】特開平11−193318号公報
【特許文献3】特開2003−327645号公報
【特許文献4】特開2005−36105号公報
【特許文献5】特開2005−76005号公報
【特許文献6】特開2005−134893号公報
【特許文献7】特開2006−282764号公報
【特許文献8】特開2005−255681号公報
【特許文献9】特開2007−16154号公報
【特許文献10】特開2007−121769号公報
【特許文献11】特開2008−174518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、多分岐化合物は、化学構造が一義的で分子量の揃ったデンドリマーと称される化合物と、分岐構造を持つモノマーが重合して生成するハイパーブランチポリマー(あるいはハイパーブランチオリゴマー)と称される化合物の、2種類に分類される。
【0014】
このうち、デンドリマーは逐次的に合成されるので、それぞれの部位に任意の化学構造を導入することができ、分子構造が一義的に決まるため、特性のバラツキが少なくなるという利点を有する。しかしながら、デンドリマーは製造工程が複雑となり、ひいては製造コストが高くなるという問題がある。
【0015】
一方、ハイパーブランチポリマーやハイパーブランチオリゴマーは、モノマーから一挙に製造されるために製造工程が単純で、製造コストが低廉となるが、その分子構造や分子量分布は均一ではなく、特性にバラツキを生じやすいという問題を本質的に有している。
【0016】
上記従来の感光性樹脂組成物においても、デンドリマーあるいはハイパーブランチオリゴマーを用いており、上記のような問題点を有していた。
【0017】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、感度が高く、重合時の収縮率が低く、特性のバラツキが少なく、製造工程が単純で、製造コストの低廉な感光性樹脂組成物を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、上記特許文献11に記載されているデンドリマーが、感光性樹脂組成物に用いることができないかと考えた。このデンドリマーは、アクリル基への水酸基を有するチオール化合物のマイケル付加反応と、そのマイケル付加反応によって導入される水酸基へのウレタン形成反応とを組み合わせることにより、容易かつ安価に製造することができる。また、デンドリマーであることから、高感度かつ重合時の収縮率が低くなることが期待され、特性のバラツキも少なくできると期待される。
【0019】
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、光重合性樹脂及び光重合開始剤を必須の成分として含有する感光性樹脂組成物であって、前記光重合性樹脂は、一般式(1)で示される置換基が、一般式(2)で示される置換基を1つ以上有するコア分子の炭素−炭素二重結合に付加した化合物であることを特徴とする。
【化3】

(式(1)中、R、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及び置換アルキル基のいずれかを示し、Xは隣接するカルボニル基と結合するn個の酸素原子を有する有機残基を示し、m及びnは1〜3の整数のいずれかを示す。但しm=2の場合はR4は存在せず、m=3の場合はR3及びR4ともに存在しない。)
【化4】

(式(2)中、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及び置換アルキル基のいずれかを示す。)
【0020】
本発明の感光性樹脂組成物の必須成分である光重合性樹脂は、コア分子から分子鎖が発達し、その分子鎖末端に重合性の炭素−炭素二重結合を有するため、分子内での分子鎖絡み合いの結果アクリル基はこのオリゴマー分子表面に局在すると考えられる。このため重合性の炭素−炭素二重結合の当量が増大しても硬化速度は低下することなく、重合収縮の程度が軽減されると考えられる。また、上記感光性樹脂組成物が、高感度かつ重合収縮の程度が軽減されると考えられる。
【0021】
また、本発明の原料となる光重合性樹脂は、重合性の炭素−炭素二重結合を有するコア分子の炭素−炭素二重結合を基点として、水酸基を有するチオールのマイケル付加と、重合性の炭素−炭素二重結合を有するイソシアネートによるウレタン結合の生成とを交互に行うことにより、容易かつ安価に製造することができる。
【0022】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物では、重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマー、重合性炭素−炭素二重結合を有するオリゴマー及び重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーの少なくとも1つを含有させてもよい。こうであれば、重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマー、重合性炭素−炭素二重結合を有するオリゴマー及び重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーの種類や含有量を適宜調整することにより、組成物の粘度、硬化速度や感光速度、さらには、硬化物の特性、物性の向上、光硬化特性や硬化膜の物性を制御することができる。こうした、重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマーとしては、(メタ)アクリレート基、ビニル基、アリル基等を有するモノマーが挙げられる。また、重合性炭素−炭素二重結合を有するオリゴマーとしては、これらの置換基を有するオリゴマー等が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の感光性樹脂組成物は、光重合性樹脂及び光重合開始剤を必須の成分とする。以下に、本発明に用いることのできる光重合性樹脂及び光重合開始剤等について説明する。
【0024】
<光重合性樹脂>
本発明に用いられる光重合性樹脂の具体的な例として、例えば下記化5に示す化合物が挙げられる。
【0025】
【化5】

【0026】
これらの化合物は、重合性の炭素−炭素二重結合を有するコア分子の該炭素−炭素二重結合を基点として、水酸基を有するチオールのマイケル付加(下記反応式化6の反応1)と、重合性の炭素−炭素二重結合を有するイソシアネートによるウレタン結合の生成(下記反応式化6の反応2)とを交互に行うことにより、容易かつ安価に製造することができる。例えば、(メタ)アクリレート基を有するコア分子の該(メタ)アクリレート基を基点として、水酸基を有するチオールのマイケル付加と、(メタ)アクリレート基を有するイソシアネートによるウレタン結合の生成とを交互に行うことにより、容易かつ安価に製造することができる。
【0027】
【化6】

【0028】
この製造方法に用いられる(メタ)アクリレート基を有するコア分子、水酸基を有するチオール化合物、及び(メタ)アクリレート基を有するイソシアネートについて以下に説明する。
【0029】
<(メタ)アクリレート基を有するコア分子>
(メタ)アクリレート基を有するコア分子としては、(メタ)アクリレート基を有する化合物を用いることができる。例えば、「光硬化技術ハンドブック 材料編」(テクノネット社、2000年)、20〜42ページ、及び60〜68ページに記載の多官能性(メタ)アクリレートモノマー、あるいは、84〜118ページに記載の(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることができる。さらに具体的には、エチレンジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアクリロイル化イソシアヌレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリエステル系アクリレートオリゴマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、およびこれらの誘導体が挙げられる。また、2,2−ジメチロールプロピオン酸の脱水縮合反応によって得られるハイパーブランチポリエステルポリオールから得られる多分岐アクリレートを用いることもできる。これらは単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
【0030】
<チオール化合物>
また、チオール化合物としては、1つのメルカプト基と少なくとも1つの水酸基を有する化合物を用いることができる。具体的には、メルカプトエタノール、1‐メルカプトプロパン−2,3−ジオール、2‐メルカプトプロパン−1,3−ジオール、N,N−ビス(2―ヒドロキシエチル)メルカプトアセトアミドなどを挙げることができる。
【0031】
<(メタ)アクリレート基を有するイソシアネート>
さらに、(メタ)アクリレート基を有するイソシアネートとしては、例えば、2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工製カレンズAOI)、1,1−( ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工製カレンズBEI)等を挙げることができる。
【0032】
水酸基を有するチオール化合物のアクリル基へのマイケル付加反応では、反応を促進させるために塩基性触媒を用いることが好ましい。このための触媒としては3級アミンが好適に用いられる。たとえば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ「2.2.2」オクタン、1.8−ジアザビシクロ「5.4.0」ウンデセン−7、1,5,7−トリアザビシクロ「4,4,0」デセン−6などを挙げることができるが、塩基性イオン交換樹脂も用いることができる。これらの3級アミンはつぎのウレタン生成反応の触媒として機能するし、また、本発明の感光性樹脂組成物中に混在しても硬化特性を劣化させることはないので、特別の場合以外にはこれを除去する必要がない。
【0033】
つぎの(メタ)アクリレート基とイソシアネート化合物との反応では、反応を促進するためにジ−n−ブチルチンジラウレートなどの触媒を用いてもよい。この触媒が共存しても本発明の感光性樹脂組成物の硬化特性は影響を受けないので、特別の場合以外には反応後に除去する必要はない。また、重合反応を抑制するために重合禁止剤を添加することが好ましい。
【0034】
<光重合開始剤>
また、本発明に用いられる光重合開始剤としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、イルガキュアー369(Ir-369)等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、p,p−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アントラキノン、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。それぞれに対応する増感剤を配合することができる。
【0035】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物では、光重合させたときの各種の物性を所望の値とすべく、重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマー、重合性炭素−炭素二重結合を有するオリゴマー及び重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーの少なくとも1つを含有させてもよい。こうであれば、硬化速度や感光速度、さらには、硬化物の特性、物性の向上、光硬化特性や硬化膜の物性を制御することができる。
【0036】
このために用いられる重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマーとして、(メタ)アクリレート基を1分子中に1つだけ有する単官能モノマーを用いることができる。例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。また、他の重合性炭素−炭素二重結合、例えばビニル基を有するモノマーであるスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、マレイミド、N−置換マレイミド、フマレート等を用いることができる。
【0037】
また、(メタ)アクリレートモノマーとして、(メタ)アクリレート基を1分子中に2つ以上有する多官能性モノマーを用いることもできる。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビス(メタクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0038】
さらには、 (メタ)アクリレートオリゴマーとして「光硬化技術ハンドブック 材料編」(テクノネット社、2000年)の84〜119ページに記載のポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートを用いることができる。さらには、側鎖に(メタ)アクリレート基を導入したバインダーポリマーや重合性炭素−炭素二重結合を有するバインダーポリマー等を用いることができる。
【0039】
本発明の感光性樹脂組成物は感光速度が高いので、各種フィラー、たとえば、有機顔料、無機顔料、金属超微粒子、蛍光体微粒子などを添加することができる。
【実施例】
【0040】
以下、本発明の多分岐化合物をさらに具体化した実施例について述べる。
なお、以下の実施例において用いられたペンタエリスリトールテトラアクリレート(以下「PETA」という)は日本化薬社製のものを、2-メルカプトエタノール(ME)は東京化成社製のものを、1,1−( ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(以下「BEI」という)、昭和電工社製のものをそれぞれ使用した。
【0041】
(実施例1)
実施例1では下記化学式(化7)に示すように、PETAにMEをマイケル付加させ、さらにBEIをウレタン結合させ、末端に8個のアクリレート基を有するデンドリマー8Acを得た。
【0042】
【化7】

【0043】
すなわち、18.9g(53.6mmol)のPETAと触媒量のトリエチルアミン(1.52 g,
15mmol)を含むTHF溶液(120mL)を調製し、0℃で30分間攪拌した。その後、16.8g(215mmol)のMEを含むTHF溶液(50mL)を、反応溶液の温度を5℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴下後、0℃で2時間攪拌を続けた後、室温でさらに24時間攪拌した。溶媒を留去し、50度で減圧乾燥することにより、末端に4個の水酸基を有するデンドリマー4OHを得た。つぎに、2.3g(3.2mmol)の4OH、触媒量のジ−n−ブチルチンジラウレート(0.16g,0.26mmol)、および重合禁止剤(クペロンAl塩、0.026g,0.06
mmol)を含有するTHF溶液(40mL)を調製し、還流下でBEI(3.1g,12.8 mmol)のTHF溶液(20mL)をゆっくり滴下した。その後、7時間還流を続け、室温に冷却した後、溶媒を留去した。減圧下で乾燥を行うことにより、実施例1のデンドリマー8Acを得た。
【0044】
(実施例2)
実施例2では、実施例1のデンドリマー8AcにMEをマイケル付加させ、さらにBEIをウレタン結合させて、末端に16個のアクリレート基を有するデンドリマー16Acを得た(下記化学式(化8)参照)。
【0045】
【化8】

【0046】
すなわち、デンドリマー8Ac(6.11g,3.2mmol)と、触媒量のトリエチルアミン(0.35g, 3.5
mmol)とを含むTHF溶液(60mL)を調製し、0℃で30分間攪拌した後、ME(2.0g,25.6mmol)を含むTHF溶液(20mL)を、反応溶液の温度を5℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了後、0℃で2時間攪拌を続けた後、室温でさらに3日間攪拌した。その後、トリエチルアミン0.18g(1.8mmol)を追加投入して、さらに2日間還流した。そして溶媒を留去し、減圧乾燥することにより、末端に8個の水酸基を有するデンドリマー8OHを得た。つぎに、こうして得たデンドリマー8OH(3.59g,1.6mmol)と、触媒量のジ−n−ブチルチンジラウレート(0.32g,0.52mmol)と、重合禁止剤(クペロンAl塩、0.033g,0.076mmol)とを含有するTHF溶液(30mL)を調製し、還流下でBEI(3.06 g, 12.8
mmol)のTHF溶液(15mL)をゆっくり滴下した。その後、2日間還流を続け、室温に冷却した後、溶媒を留去した。減圧下で乾燥を行うことにより16Acを得た。
【0047】
<感光性樹脂組成物の調製>
実施例1のデンドリマー8Ac100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを300重量部加えた溶液を調製し、これを実施例1の感光性樹脂組成物とした。また、実施例2のデンドリマー16Ac100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを300重量部加えた溶液を調製し、これを実施例2の感光性樹脂組成物とした。
【0048】
(比較例1)
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを300重量部加えた溶液を調製し、これを比較例1の感光性樹脂組成物とした。
【0049】
−評 価−
<酸素存在条件下での紫外線硬化試験>
上記のようにして調製した実施例1、実施例2及び比較例1の感光性樹脂組成物を用い、大気雰囲気下で紫外線硬化試験を行なった。すなわち、No.60のバーコーターを用いて感光性樹脂組成物を清浄なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、室温で約1時間自然乾燥させた後、水銀キセノンランプ(30W)により365nmの紫外単色光(29mW/cm)を照射した。その後、塗膜の硬化を鉛筆硬度測定により評価した。なお、紫外線照射強度は紫外線強度計を用いて測定した。
【0050】
その結果、デンドリマー8Acを用いた実施例1の感光性樹脂組成物では、おおよそ500mJcm-2の紫外光照射で、B〜HB程度の硬度が得られ、2H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは3000mJcm-2であった。また、デンドリマー16Acを用いた実施例2の感光性樹脂組成物では、おおよそ300mJcm-2の紫外光照射で、B程度の硬度が得られ、2H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは3750mJcm-2であった。これらの結果から、酸素の存在下においても、高硬度の皮膜が得られることが分かった。
【0051】
これに対して、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)を用いた比較例1では、6000mJcm-2の紫外光を照射しても、硬化することなく液体状態のままであった。これは、酸素阻害による影響が大きく、硬化反応が進まなかったためであると推定される。
【0052】
以上のように、実施例1及び実施例2の感光性樹脂組成物は、デンドリティックな構造を有する8Acおよび16Acを用いているため、酸素による重合阻害を受け難く、酸素存在下でも充分硬化することが分かった。
【0053】
<酸素バリア膜存在条件下での紫外線硬化試験>
同様の試験を酸素バリア膜が存在する条件下で行なった。すなわち、No.60のバーコーターを用いて感光性樹脂組成物を清浄なPETフィルム上に塗布し、室温で約1時間自然乾燥させた。こうして得られた感光性薄膜上にポリビニルアルコール(PVA)水溶液(10重量%)を1000rpm、30秒でスピンキャストし100℃で1分間乾燥させ、PVAからなる酸素バリア膜を形成させた(ただし、比較例1では、PVA水溶液のスピンキャストのかわりに、感光性薄膜上にPETフィルムを重ね、これを酸素バリア膜とした)。その後、水銀キセノンランプ(30W)により365nmの紫外単色光(28mW/cm)を照射してから、PVAコーティングを水洗で取り除き、塗膜の硬度を鉛筆硬度測定により評価した。なお、紫外線照射強度は紫外線強度計を用いて測定した。また、PETフィルムの365nmの光の透過率は62%であったことから、照射エネルギーに補正値(0.62)を掛け、補正を行った。
【0054】
その結果、デンドリマー8Acを用いた実施例1の感光性樹脂組成物では、おおよそ20mJcm-2の紫外光照射で、B〜HB程度の硬度が得られ、2H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは85mJcm-2であった。
また、デンドリマー16Acを用いた実施例2の感光性樹脂組成物では、おおよそ20mJcm-2の紫外光照射で、B〜HB程度の硬度が得られ、2H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは75mJcm-2であった。
【0055】
さらに、PETAを用いた比較例1では、おおよそ6〜9mJcm-2の紫外光照射で、HB〜F程度の硬度が得られ、3H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは12mJcm-2であった。
【0056】
PVA膜が存在しない条件下での紫外線硬化試験と比較して、少ない紫外線照射量で硬い皮膜が得られたのは、PVA膜が酸素透過のバリアとなり、ラジカル重合におけるラジカルを失活させる酸素の供給が制限されたためであると考えられる。
【0057】
<光重合性樹脂とアクリルモノマー又はポリアクリレートとを混合した感光性樹脂組成物>
上記のようにして調製した実施例1、実施例2のデンドリマーと、アクリルモノマー又はポリアクリレートとを混合した感光性樹脂組成物を調製し、その光重合特性を調べた。
【0058】
(実施例3及び実施例4)
汎用のアクリルモノマーである2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを100重量部加えた溶液を調製し、更に実施例1のデンドリマー8Acを10重量部加え、これを実施例3の感光性樹脂組成物(HEA-8Ac)とした。また、HEA100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを100重量部加えた溶液を調製し、更に実施例2のデンドリマー16Acを10重量部加え、これを実施例4の感光性樹脂組成物(HEA-16Ac)とした。
【0059】
(比較例2)
汎用のアクリルモノマーであるHEA100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを100重量部加えた溶液を調製し、これを比較例2の感光性樹脂組成物(HEA)とした。
【0060】
(実施例5及び実施例6)
汎用のポリアクリレートであるトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)
100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを100重量部加えた溶液を調製し、更に実施例1のデンドリマー8Acを10重量部加え、これを実施例5の感光性樹脂組成物(TMPTA-8Ac)とした。また、TMPTA100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを100重量部加えた溶液を調製し、更に実施例2のデンドリマー16Acを10重量部加え、これを実施例6の感光性樹脂組成物(TMPTA-16Ac)とした。
【0061】
(比較例3)
汎用のポリアクリレートであるTMPTA100重量部に光重合開始剤(Ir―369)を2.5重量部、THFを100重量部加えた溶液を調製し、これを比較例3の感光性樹脂組成物TMPTAとした。
【0062】
(実施例7及び実施例8)
汎用の感光性樹脂A(光重合開始剤入り) 100重量部に実施例1のデンドリマー8Acを10重量部加え、よく混合し、これを実施例7の感光性樹脂組成物(A-8Ac)とした。また、感光性樹脂A(光重合開始剤入り) 100重量部に実施例2のデンドリマー16Acを10重量部加え、よく混合し、これを実施例8の感光性樹脂組成物(A-16Ac)とした。
【0063】
(比較例4)
汎用の感光性樹脂A(光重合開始剤入り)を溶媒などで希釈することなく、そのまま比較例4の感光性樹脂組成物Aとした。
【0064】
<紫外線硬化試験>
上記のようにして調製した実施例3〜8の感光性樹脂組成物(HEA-8Ac、HEA-16Ac、TMPTA-8Ac、TMPTA-16Ac、A-8Ac、A-16Ac)と、比較例2〜4の感光性樹脂組成物(HEA、TMPTA、A)を用い、紫外線硬化試験を行なった。
すなわち、No.60のバーコーターを用いて感光性樹脂組成物を清浄なPETフィルム上に塗布し、室温で約1時間自然乾燥させた。こうして得られた感光性薄膜上にPETフィルムを重ね、これを酸素バリア膜とした。その後、水銀キセノンランプ(30W)により365nmの紫外単色光(23mW/cm)を照射してから、PETフィルムを取り除き、塗膜の硬度を鉛筆硬度測定により評価した。なお、紫外線照射強度は紫外線強度計を用いてによって照射量を測定した。また、PETフィルムの365nmの光の透過率は62%であったことから、照射エネルギーに補正値(0.62)を掛け、補正を行った。
【0065】
試験の結果を表1に示す。この表で、斜線は該当する鉛筆硬度に至らなかったことを意味する。
【表1】

【0066】
その結果、実施例3の感光性樹脂組成物(HEA-8Ac)および実施例4の感光性樹脂組成物(HEA-16Ac)では、2H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは427mJcm-2および427mJcm-2であったが、HEAのみの比較例2では、6000mJcm-2の紫外光を照射しても、6B以下の硬度しか得られなかった。
【0067】
また、実施例5の感光性樹脂組成物(TMPTA-8Ac)では、28mJcm-2の紫外光照射で3H程度の硬度が得られ、4H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは71mJcm-2であり、実施例6の感光性樹脂組成物(TMPTA-16Ac)では、28mJcm-2の紫外光照射で3H程度の硬度が得られ、4H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは43mJcm-2であった。これに対して、汎用のポリアクリレートであるTMPTAのみの比較例3では、114mJcm-2の紫外光照射で3H程度の硬度が得られ、4H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは1425mJcm-2であった。
【0068】
これらの結果より、デンドリマー8Acを添加することによって、3Hまで硬化する速度をおおよそ4倍、4Hまで硬化する速度をおおよそ20倍速くできることが分かった。また、実施例2のデンドリマー16Acを添加した場合、3Hまで硬化する速度はおおよそ4倍、4Hまで硬化する速度はおおよそ33倍向上した。
【0069】
一方、汎用の感光性樹脂組成物Aのみの比較例4では、3H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーは1140mJcm-2であったが、実施例7の感光性樹脂組成物(A-8Ac)及び実施例8の感光性樹脂組成物(A-16Ac)では、3H程度の硬度を得るために必要な最低露光エネルギーはそれぞれ、712mJcm-2及び712mJcm-2であった。
【0070】
これらの結果より、実施例1及び実施例2のデンドリマーを汎用の感光性樹脂組成物である感光性樹脂組成物Aに添加することにより、2Hや3H程度の硬度を得るための硬化速度を1.6倍速くすることができた。
【0071】
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の重合性多分岐化合物及びその製造方法は、インク、コーティング、塗料などのビヒクル用材料、接着剤、レジスト材料(例えばフォトリソグラフィ用レジスト、光ナノインプリント用レジスト)、光造形樹脂の添加剤、光学材料などの電子・光機能材料などに利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合性樹脂及び光重合開始剤を必須の成分として含有する感光性樹脂組成物であって、
前記光重合性樹脂は、一般式(1)で示される置換基が、一般式(2)で示される置換基を1つ以上有するコア分子の炭素−炭素二重結合に付加した化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物。

(式(1)中、R、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及び置換アルキル基のいずれかを示し、Xは隣接するカルボニル基と結合するn個の酸素原子を有する有機残基を示し、m及びnは1〜3の整数のいずれかを示す。但しm=2の場合にはR4は存在せず、m=3の場合はR3及びR4ともに存在しない。)

(式(2)中、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及び置換アルキル基のいずれかを示す。)
【請求項2】
前記光重合性樹脂は、(メタ)アクリレート基を有するコア分子の該(メタ)アクリレート基を基点として、水酸基を有するチオールのマイケル付加と、(メタ)アクリレート基を有するイソシアネートによるウレタン結合の生成とが交互になされていることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマー、重合性炭素−炭素二重結合を有するオリゴマー及び重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーの少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマーは(メタ)アクリレートを有するモノマーであり、前記重合性炭素−炭素二重結合を有するオリゴマーは(メタ)アクリレートオリゴマーであり、前記重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーは(メタ)アクリレートポリマーであることを特徴とする請求項3記載の感光性樹脂組成物。

【公開番号】特開2010−126569(P2010−126569A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300474(P2008−300474)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000234166)伯東株式会社 (135)
【出願人】(599055382)学校法人東邦大学 (18)
【Fターム(参考)】