説明

感光性樹脂組成物

【課題】 優れた遮蔽部硬化性、高耐熱性、高密着性及び高透明性を発現する硬化膜を与える感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)、少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である(メタ)アクリル樹脂(C)及び重合開始剤(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線照射で硬化し、フラットパネルディスプレイの画像表示ユニットと前面板との間の緩衝層用、コーティング剤用、インキ用、塗料用、接着剤用、レジストパターン形成用又はセラミック電子部品製造用等として有用な活性エネルギー線硬化型感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)は、パソコンやテレビ、携帯電話まで多くの電子機器に不可欠なものとなっており、FPDを構成する数多くの光学用材料の需要も大きく伸びている。また、近年パネルサイズの大型化が進み、コントラスト、輝度、高耐熱性、高密着性及び高透明性の更なる向上が望まれている。
【0003】
一般に、コントラストや輝度の更なる向上の為に、画像表示ユニットと前面板との間を感光性樹脂で充填する事が提案されている(例えば特許文献1)。
【0004】
しかし、FPDの外枠筐体を装着してからの紫外線硬化となる為、上方からの紫外線照射では外枠筐体の裏側が硬化せず、熱硬化と併用、もしくは多方向からの紫外線照射が必要等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−186957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、優れた遮蔽部硬化性、高耐熱性、高密着性及び高透明性を発現する硬化膜を与える感光性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)、少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である(メタ)アクリル樹脂(C)及び重合開始剤(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型感光性樹脂組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の活性エネルギー線硬化型感光性樹脂組成物は、以下の効果を奏する。
(1)本発明の組成物が硬化されてなる硬化物は、遮蔽部硬化性を発現する。
(2)本発明の組成物が硬化されてなる硬化物は、高耐熱性を発現する。
(3)本発明の組成物が硬化されてなる硬化物は、各種基材への高密着性を発現する。
(4)本発明の組成物が硬化されてなる硬化物は、高透明性を発現する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の活性エネルギー線硬化型感光性樹脂組成物は、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)、少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である(メタ)アクリル樹脂(C)及び重合開始剤(D)を含有する。(A)、(B)及び(C)を全て含むことにより、上記の本発明の効果を奏する感光性樹脂組成物が得られる。
尚、上記及び以下において、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
【0010】
本発明の感光性樹脂組成物に用いる環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)としては、炭素数が6〜30である化合物が好ましく、環状エーテル骨格としては、例えばエポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環及びジオキサン環が挙げられる。
(A)の具体例として、エポキシ環を有する(メタ)アクリレート(A1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート;オキセタン環を有する(メタ)アクリレート(A2)としては、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフラン環を有する(メタ)アクリレート(A3)としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びγ−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;ジオキソラン環を有する(メタ)アクリレート(A4)としては、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート及び(2,2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート;ジオキサン環を有する(メタ)アクリレート(A5)としては、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート及び(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレート;が挙げられる。(A)はそれぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、耐熱性及び密着性の観点から好ましいものは、テトラヒドロフラン環を有する(メタ)アクリレート(A3)、ジオキソラン環を有する(メタ)アクリレート(A4)及びジオキサン環を有する(メタ)アクリレート(A5)であり、更に好ましいものは、テトラヒドロフラン環を有する(メタ)アクリレート(A3)及びジオキソラン環を有する(メタ)アクリレート(A4)である。
【0011】
本発明の感光性樹脂組成物中の環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)の含有量は、耐熱性及び密着性の観点から、感光性樹脂組成物の重量を基準として、好ましくは1〜90重量%、更に好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜75重量%である。
【0012】
本発明の感光性樹脂組成物に用いるアルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、i−デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、i−ミリスチル(メタ)アクリレート、セチルアクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、i−ステアリル(メタ)アクリレート、i−エイコシル(メタ)アクリレート、i−テトラエイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート及び2−デシルテトラデカニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(B)はそれぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、耐熱性及び密着性の観点から好ましいものは、アルキル基の炭素数が12〜24のアルキル(メタ)アクリレートである。
【0013】
本発明の感光性樹脂組成物中のアルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)の含有量は、耐熱性及び密着性の観点から、感光性樹脂組成物の重量を基準として、好ましくは1〜90重量%、更に好ましくは2〜80重量%、特に好ましくは5〜75重量%である。
【0014】
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(メタ)アクリル樹脂(C)は、耐熱性及び密着性の観点から、少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である必要があり、3種以上(特に3〜6種)のラジカル重合性モノマーの共重合体である事が好ましい。
【0015】
上記のラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜24であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン及び酢酸ビニル等が挙げられ、少なくとも2種のモノマーの内、1種がアルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレートであるのが好ましい。
上記アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、前記の(B)と同様のものが挙げられる。ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜24であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂(C)として更に好ましいものは、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレートと共に酢酸ビニル(好ましくは全ラジカル重合性モノマーの1〜40モル%)を含む少なくとも3種の上記ラジカル重合性モノマーの共重合体である(メタ)アクリル樹脂である。(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
(メタ)アクリル樹脂(C)の数平均分子量としては、1万〜100万である事が好ましく、更に好ましくは2万〜80万である。
本発明における数平均分子量とは、下記条件にて測定されるものである。
装置 : ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶媒 : テトラヒドロフラン
基準物質 : ポリスチレン
サンプル濃度 : 3mg/ml
カラム固定相 : PLgel MIXED−B
カラム温度 : 40℃
【0017】
本発明の感光性樹脂組成物中の(メタ)アクリル樹脂(C)の含有量は、耐熱性及び密着性の観点から、感光性樹脂組成物の重量を基準として、好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは2〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。
【0018】
本発明の感光性樹脂組成物に用いる重合開始剤(D)としては、例えばアシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(D1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(D3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(D5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(D6)、チタノセン誘導体系重合開始剤(D7)、有機過酸化物系重合開始剤(D8)、アゾ化合物系重合開始剤(D9)及びその他のラジカル開始剤(D10)が挙げられる。(D)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(D1)としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASF社製(LUCIRIN TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(イルガキュア 819)]が挙げられる。
【0020】
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D2)としては、例えば2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[BASF社製(イルガキュア 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[BASF社製(イルガキュア 379)]が挙げられる。
【0021】
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(D3)としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 651)]が挙げられる。
【0022】
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D4)としては、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASF社製(イルガキュア 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[BASF社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 2959)]及び2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[BASF社製(イルガキュア 127)]が挙げられる。
【0023】
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(D5)としては、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが挙げられる。
【0024】
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(D6)としては、例えば1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][BASF社製(イルガキュア OXE 01)]及びエタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)[BASF社製(イルガキュア OXE 02)]が挙げられる。
【0025】
チタノセン誘導体系重合開始剤(D7)としては、例えばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[BASF社製(イルガキュア 784)]が挙げられる。
【0026】
有機過酸化物系重合開始剤(D8)としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイドが挙げられる。
【0027】
アゾ化合物系重合開始剤(D9)としては、例えば1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)が挙げられる。
【0028】
その他の重合開始剤(D10)としては、例えばオキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルと2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物[BASF社製(イルガキュア 754)]及び2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
【0029】
これらの内、光硬化性の観点から好ましいのは、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(D1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(D3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(D5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(D6)、チタノセン誘導体系重合開始剤(D7)及びその他の重合開始剤(D10)の内のオキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルと2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物[BASF社製(イルガキュア 754)]であり、更に好ましいのはアシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(D1)である。
【0030】
本発明の感光性樹脂組成物中の重合開始剤(D)の含有量は、光硬化性の観点から、感光性樹脂組成物の重量を基準として、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜25重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
【0031】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要により、更に活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(E)を含有することができる。(E)を含有することにより遮蔽部硬化性が向上する。
活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(E)としては、例えばスルホニウム塩誘導体(E1)及びヨードニウム塩誘導体(E2)が挙げられる。(E)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
スルホニウム塩誘導体(E1)としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート[和光純薬工業(株)製「WPAG−281H」]、トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート[サンアプロ(株)製「CPI−100P」]及び[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスファート等が挙げられる。
【0033】
ヨードニウム塩誘導体(E2)としては、ヨードニウム(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}−ヘキサフルオロフォスフェート[BASF社製「IRGACURE 250」]、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヘキサフルオロフォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)][テトラキス(パーフルフェニル)]ボレート及び下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。
【0034】
【化1】

【0035】
これらの内、光硬化性の観点から、ヨードニウム塩誘導体(E2)が好ましく、化学式(1)で表される化合物が更に好ましい。
【0036】
酸発生剤(E)の含有量は、光硬化性の観点から、感光性樹脂組成物の重量を基準として好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0037】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要により(A)及び(B)以外のラジカル重合性化合物(H)を含有することができ、例えば、炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(H11)、(A)及び(B)以外の炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(H12)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(H13)、炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(H14)及びその他のラジカル重合性化合物(H15)が挙げられる。(H)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(H11)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイルモルホリンが挙げられる。
【0039】
炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(H12)としては、例えば以下の単官能〜六官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
尚、上記「単官能〜六官能の(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリロイル基の数が1〜6個の(メタ)アクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノビニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下、EOと記載)変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下、POと記載)変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0040】
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0041】
三官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0042】
四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0043】
五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0044】
六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0045】
炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(H13)としては、例えば、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−t−ブトキシスチレンが挙げられる。
【0046】
炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(H14)としては、例えば以下の単官能又は多官能ビニルエーテルが挙げられる。
尚、上記「単官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が1個の、「多官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が2個以上の、それぞれビニルエーテル化合物を意味する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが挙げられる。
【0047】
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル及びPO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルが挙げられる。
【0048】
その他のラジカル重合性化合物(H15)としては、例えば、アクリロニトリル、ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)が挙げられる。
【0049】
これらの内、硬化速度の観点から好ましいのは、炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(H11)、炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(H12)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(H13)及び炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(H14)であり、更に好ましいのは炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(H11)及び炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(H12)である。
【0050】
ラジカル重合性化合物(H)の含有量は特に限定されないが、本発明の感光性樹脂組成物中に0〜60重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0〜10重量%である。
【0051】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要により着色剤、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末を含有することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0052】
無機顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、アルミナ、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト及びチタンブラックが挙げられる。
【0053】
有機顔料としては、例えば、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシニンブルー、ハロゲン化銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、イソシンドリノン系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ペリノン系及びペリレン系等の多環式又は複素環式化合物が挙げられる。
【0054】
染料の具体例として、イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類若しくは開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、ベンジリデン染料及びモノメチンオキソノール染料等のメチン染料、ナフトキノン染料及びアントラキノン染料等のキノン系染料等、キノフタロン染料、ニトロ、ニトロソ染料、アクリジン染料並びにアクリジノン染料が挙げられる。
【0055】
マゼンタ染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類若しくはヘテロ環(ピロール、イミダゾール、チオフェン及びチアゾール誘導体等)を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分としてピラゾロン類又はピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料及びオキソノール染料等のメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、ナフトキノン、アントラキノン及びアントラピリドン等のキノン系染料並びにジオキサジン染料等の縮合多環系染料を挙げられる。
【0056】
シアン染料としては、例えば、インドアニリン染料及びインドフェノール染料等のアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料及びメロシアニン染料等のポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジノン若しくはピロロトリアジノン誘導体を有するアリール又はヘテリルアゾ染料(C.I.ダイレクトブルー14等)並びにインジゴ・チオインジゴ染料を挙げられる。
【0057】
金属酸化物粉末としては、例えば、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、酸化ニオブ及びチタン酸ジルコン酸鉛が挙げられる。
【0058】
金属粉末としては、例えば、パラジウム、ニッケル、銅、銀及び金が挙げられる。
【0059】
着色剤、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末の粒子径は、塗膜の鮮映性の観点から、体積平均粒子径として0.01μm〜2.0μmが好ましく、0.01μm〜1.0μmが更に好ましい。
【0060】
本発明の感光性樹脂組成物中の着色剤、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末の合計含有量は特に限定されないが、感光性樹脂組成物中に0〜60重量%の範囲で添加されることが好ましい。
【0061】
本発明の感光性樹脂組成物は、顔料、金属酸化物粉末及び/又は金属粉末を用いる場合その分散性及び感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加することが好ましい。
顔料分散剤としては、例えば、ビックケミー社製顔料分散剤(Anti−Terra−U、Disperbyk−101,103、106、110、161、162、164、166、167、168,170、174、182、184又は2020等)、味の素ファインテクノ社製顔料分散剤(アジスパーPB711、PB821、PB814、PN411及びPA111等)、ルーブリゾール社製顔料分散剤(ソルスパーズ5000、12000、32000、33000及び39000等)が挙げられる。これらの顔料分散剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。顔料分散剤の含有量は特に限定されるものではないが、感光性樹脂組成物中に0〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0062】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要により溶剤、増感剤、密着性付与剤(シランカップリング剤等)、レベリング剤及び重合禁止剤等を含有することができる。
【0063】
溶剤としては、グリコールエーテル(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)及びエーテル(テトラヒドロフラン及び1,8−シネオール等)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物の重量を基準として0〜96重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜95重量%、特に好ましくは5〜90重量%である。
【0064】
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン等が挙げられる。増感剤の含有量は、感光性樹脂組成物の重量を基準として0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
【0065】
密着性付与剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム及びアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、感光性樹脂組成物の重量を基準として0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
【0066】
レベリング剤としては、フッ素系のレベリング剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等)、シリコーン系のレベリング剤(アミノポリエーテル変性シリコーン、メトキシ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーン等)が挙げられる。レベリング剤の含有量は、感光性樹脂組成物の重量を基準として、添加効果及び透明性の観点から好ましくは2重量%以下、更に好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
【0067】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン及びメチルエーテルハイドロキノン類等が挙げられる。重合禁止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の重量を基準として0〜1重量%が好ましく、更に好ましくは0〜0.1重量%である。
【0068】
本発明の感光性樹脂組成物は、更に、使用目的に合わせて、無機微粒子、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を含有することができる。
【0069】
本発明の感光性樹脂組成物は、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)、少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である(メタ)アクリル樹脂(C)及び重合開始剤(D)、並びに必要により酸発生剤(E)、他のラジカル重合性化合物(H)及び溶剤その他の成分等とをディスパーサー等で混合攪拌することで得られる。混合攪拌温度は、通常10℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃である。
【0070】
本発明の感光性樹脂組成物の基材への塗布方法としては、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びに平版印刷、カルトン印刷、金属印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びグラビア印刷といった公知の印刷法を適用できる。また、微細液滴を連続して吐出するインクジェット方式の塗布も適用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
【0071】
本発明の感光性樹脂組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性及び外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
【0072】
本発明における活性エネルギー線としては、活性光線及び電子線等が挙げられる。
本発明において、活性光線とは360nm〜830nmの波長を有する光線を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物を光線照射で硬化させる際のエネルギー源としては、一般的に使用されている高圧水銀灯の他、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びハイパワーメタルハライドランプ等(UV・EB硬化技術の最新動向、ラドテック研究会編、シーエムシー出版、138頁、2006)が使用できる。また、LED光源を使用した照射装置も好適に使用できる。活性光線の照射時及び/又は照射後に光塩基発生剤から発生した塩基を拡散させる目的で、加熱を行ってもよい。加熱温度は、通常、30℃〜200℃であり、好ましくは35℃〜150℃、更に好ましくは40℃〜120℃である。
【0073】
本発明の感光性樹脂組成物を電子線照射で硬化させる際のエネルギー源としては、一般的に使用されている電子線照射装置を使用することができる。
電子線の照射量(Mrad)は、通常0.5〜20、感光性樹脂組成物の硬化性及び硬化物の可撓性、硬化膜及び基材の損傷を避けるとの観点から好ましくは1〜15である。
【実施例】
【0074】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
【0075】
製造例1
[酸発生剤(E2−1){化学式(1)で表される化合物}の合成]
【0076】
【化2】

【0077】
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下ポンプを備えたフラスコに、トルエン6.5部、イソプロピルベンゼン8.1部、ヨウ化カリウム5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とする酸発生剤(E2−1)(淡黄色固体)5.0部を得た。
【0078】
実施例1
テトラヒドロフルフリルアクリレート[日立化成(株)製「FA−THFA」](A−1)80部、n−ステアリルメタクリレート[共栄社化学(株)製「ライトエステルS」](B−1)20部、アクリル酸10部と2−エチルヘキシルアクリレート9部と酢酸ビニル2部の共重合体である(メタ)アクリル樹脂(数平均分子量:50万)(C−1)20部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASF社製「LUCIRIN TPO」](D1−1)5部、酸化防止剤としてイルガノックス1010[BASF社製]1部及び紫外線吸収剤としてチヌビン400[BASF社製]0.6部を一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合攪拌し、本発明の感光性樹脂組成物(Q−1)を得た。
【0079】
実施例2
酸発生剤(E2−1)0.5部を新たに追加する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−2)を得た。
【0080】
実施例3
テトラヒドロフルフリルアクリレート(A−1)を「80部」から「49部」に、「n−ステアリルメタクリレート(B−1)20部」を「イソステアリルアクリレート[大阪有機工業(株)製「ISTA」(B−2)20部]に、(メタ)アクリル樹脂(C−1)を「20部」から「22部」に変更する以外は、実施例2と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−3)を得た。
【0081】
実施例4
テトラヒドロフルフリルアクリレート(A−1)を「80部」から「15部」に、n−ステアリルメタクリレート(B−1)を「20部」を「75部」に、(メタ)アクリル樹脂(C−1)を「20部」から「10部」に変更する以外は、実施例2と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−4)を得た。
【0082】
実施例5
テトラヒドロフルフリルアクリレート(A−1)を(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート[大阪有機化学(株)製「MEDOL−10」](A−2)に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−5)を得た。
【0083】
実施例6
テトラヒドロフルフリルアクリレート(A−1)をγ−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルメタクリレート[日本化薬(株)製「カヤラッドT110S」](A−3)に変更する以外は、実施例2と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−6)を得た。
【0084】
実施例7
テトラヒドロフルフリルアクリレート(A−1)を(2,2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート[大阪有機化学(株)製「CHDOL−10」](A−4)に変更する以外は、実施例2と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−7)を得た。
【0085】
実施例8
テトラヒドロフルフリルアクリレート(A−1)を(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチルアクリレート[サートマ社製「SR−531」](A−5)に変更する以外は、実施例2と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−8)を得た。
【0086】
実施例9
n−ステアリルメタクリレート(B−1)を2−デシルテトラデカニルアクリレート[共栄社化学(株)製「DTD−A」](B−3)に変更する以外は、実施例2と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−9)を得た。
【0087】
実施例10
(メタ)アクリル樹脂(C−1)20部を、4−ヒドロキシブチルアクリレート24部とグリシジルメタクリレート24部とアクリルアミド12部の共重合体である(メタ)アクリル樹脂(数平均分子量:10万)(C−2)60部に変更する以外は、実施例2と同様にして本発明の感光性樹脂組成物(Q−10)を得た。
【0088】
実施例11
酸発生剤(E2−1)を、ヨードニウム(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}−ヘキサフルオロフォスフェート[BASF社製「イルガキュア 250」](E2−2)に変更する以外は、実施例2と同様にして、本発明の感光性樹脂組成物(Q−11)を得た。
【0089】
実施例12
酸発生剤(E2−1)を、[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート[サンアプロ(株)製「CPI−100P」](E1−1)に変更する以外は、実施例2と同様にして、本発明の感光性樹脂組成物(Q−12)を得た。
【0090】
実施例13
酸発生剤(E2−1)を、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート[和光純薬工業(株)製「WPAG−281H」](E1−2)に変更する以外は、実施例2と同様にして、本発明の感光性樹脂組成物(Q−13)を得た。
【0091】
実施例14
重合開始剤(D1−1)を、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASF社製「イルガキュア 651」](D3−1)に変更する以外は、実施例2と同様にして、本発明の感光性樹脂組成物(Q−14)を得た。
【0092】
実施例15
重合開始剤(D1−1)を、オキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルと2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物[BASF社製「イルガキュア 754」](D10−1)に変更する以外は、実施例2と同様にして、本発明の感光性樹脂組成物(Q−15)を得た。
【0093】
実施例16
酸発生剤(E2−1)を「0.5部」から「10部」に、重合開始剤(D1−1)を「5部」から「20部」に変更する以外は、実施例2と同様にして、本発明の感光性樹脂組成物(Q−16)を得た。
【0094】
比較例1
テトラヒドロフルフリルアクリレート(A−1)をイソボルニルメタクリレート[共栄社化学(株)「ライトアクリレートIB−XA」]に変更する以外は、実施例1と同様にして、比較用の感光性樹脂組成物(Q’−1)を得た。
【0095】
比較例2
(メタ)アクリル樹脂(C−1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較用の感光性樹脂組成物(Q’−2)を得た。
【0096】
比較例3
n−ステアリルメタクリレート(B−1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較用の感光性樹脂組成物(Q’−3)を得た。
【0097】
[遮蔽部硬化性の評価]
実施例1〜16及び比較例1〜3で得た各感光性樹脂組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布して、黒色のポリカーボネート板を塗工した塗膜上に載置し、ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス株式会社「ECS−151U」)を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cm2であった。
露光後、黒色のポリカーボネート板を外し、透過IR(日本文高株式会社製「FT/IR−460Plus」)にて、露光部・露光部から遮蔽部へ2cm奥の地点それぞれにおいて、1600cm-1における不飽和結合の消失度合いから、下記計算式にて反応率(%)を計算した。その結果を表1に示す。

反応率(%)=100×(露光前の吸光度−露光後の吸光度)/露光前の吸光度
【0098】
【表1】

【0099】
[硬化後塗膜の性能評価]
実施例1〜16及び比較例1〜3で得た各感光性樹脂組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]及び厚さ125μmのPMMA(ポリメチルメタクリレート)フィルム[三菱レイヨン(株)製アクリプレンHBS010P]に、アプリケーターを用いて各々膜厚20μmとなるように塗布して、ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス株式会社「ECS−151U」)を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cm2であった。
硬化後の塗膜について以下の方法で性能評価を行った結果を表2に示す。
【0100】
[性能評価方法]
(1)耐熱性試験
上記のPETフィルムに塗工した硬化後塗膜を、85℃の送風定温恒温器(DKN302:ヤマト科学(株)製)に入れ、100時間又は300時間温調した。温調後の樹脂フィルムを目視、及び形状測定顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550、キーエンス(株)製)を用いて50倍で観察し、以下の基準により評価した。
◎:温調前と外観変化が全く認められなず、かつ変色無し。
○:温調前と外観変化が全く認められないが、変色有り。
△:目視では変化がないが、顕微鏡にて温調前と変化が認められる。
×:目視で既に温調前と変化が認められる
(2)密着性
上記のPETフィルム及びPMMAフィルムに塗工した硬化後塗膜について、JIS K−5400に準拠し、碁盤目セロハンテープ剥離試験により密着性を評価した。
(3)透過率及びヘイズ(透明性)
上記のPETフィルムに塗工した硬化後塗膜について、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて透過率及びヘイズを測定した。いずれも単位は%である。
【0101】
【表2】

【0102】
本発明の感光性樹脂組成物は、遮蔽部硬化性、耐熱性、密着性、透明性の全てを満足することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化後の硬化膜が遮蔽部硬化性、高耐熱性、高密着性及び高透明性に優れている為、フラットパネルディスプレイの画像表示ユニットと前面板との間の緩衝層用、コーティング剤用、インキ用、塗料用、接着剤用、レジストパターン形成用又はセラミック電子部品製造用として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)、少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である(メタ)アクリル樹脂(C)及び重合開始剤(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)の炭素数が6〜30である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)の環状エーテル骨格が、エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環及びジオキサン環からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)が、グリシジル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、γ−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2,2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート及び(5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル樹脂(C)が、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜24であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン及び酢酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも2種のラジカル重合性モノマーの共重合体である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
【請求項6】
前記重合開始剤(D)が、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(D1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(D3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(D4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(D5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(D6)、チタノセン誘導体系重合開始剤(D7)及びオキシフェニル酢酸と2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルと2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤である請求項1〜5のいずれか記載の組成物。
【請求項7】
前記環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート(A)の含有量が1〜90重量%、前記アルキル基の炭素数が1〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(B)の含有量が1〜90重量%、前記(メタ)アクリル樹脂(C)の含有量が1〜80重量%及び前記重合開始剤(D)の含有量が0.05〜30重量%である請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
【請求項8】
更に活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(E)を含有する請求項1〜7のいずれか記載の組成物。
【請求項9】
前記活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(E)が、スルホニウム塩誘導体(E1)及び/又はヨードニウム塩誘導体(E2)である請求項8記載の組成物。
【請求項10】
フラットパネルディスプレイの画像表示ユニットと前面板との間の緩衝層用、コーティング剤用、インキ用、塗料用、接着剤用、レジストパターン形成用又はセラミック電子部品製造用である請求項1〜9のいずれか記載の組成物。

【公開番号】特開2013−36024(P2013−36024A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−68578(P2012−68578)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】