感光性積層体の製造装置及び製造方法
【課題】長尺状感光性ウエブに形成された加工部位の位置を簡易な構成で高精度に検出することができるとともに、高品質な感光性積層体を効率的に製造することのできる感光性積層体の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】ロータリエンコーダ51によってカウントされたパルス数が所定の規定パルス数となった時点でCCDカメラ72を駆動してハーフカット部位34aの画像を撮影し、位置ずれ量算出部128において、基準位置に対するハーフカット部位34aの位置ずれ量を算出する。制御パルス補正部132は、前記位置ずれ量に従って基板間送り量を補正し、貼り付け機構における長尺状感光性ウエブの基板間送り量を調整した後、貼り付け機構にガラス基板を搬入してラミネート処理を行う。
【解決手段】ロータリエンコーダ51によってカウントされたパルス数が所定の規定パルス数となった時点でCCDカメラ72を駆動してハーフカット部位34aの画像を撮影し、位置ずれ量算出部128において、基準位置に対するハーフカット部位34aの位置ずれ量を算出する。制御パルス補正部132は、前記位置ずれ量に従って基板間送り量を補正し、貼り付け機構における長尺状感光性ウエブの基板間送り量を調整した後、貼り付け機構にガラス基板を搬入してラミネート処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と、支持体上に感光材料層が設けられた長尺状感光性ウエブとを一対の圧着ローラ間に送り出し、前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶パネル用基板、プリント配線用基板、PDPパネル用基板は、感光性樹脂層(感光材料層)を有する感光性シート体(感光性ウエブ)を基板表面に貼り付けて構成される。感光性シート体は、例えば、可撓性プラスチック支持体上に感光性樹脂層と保護フイルムとが順に積層されている。
【0003】
この種の感光性シート体の貼り付けに使用される製造装置は、通常、ガラス基板や樹脂基板等の基板を所定の間隔ずつ離間させてラミネーションローラ間に搬送するとともに、前記基板に貼り付けられる感光性樹脂層の範囲に対応する保護フイルムを剥離した感光性シート体を前記ラミネーションローラ間に搬送する方式が採用されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている製造装置では、図11に示すように、フイルムロール1から繰り出される積層体フイルム(感光性シート体)1aは、ガイドローラ2a、2bに巻き付けられて水平のフイルム搬送面に沿って延在している。このガイドローラ2bには、積層体フイルム1aの送り量に応じた数のパルス信号を出力するロータリエンコーダ3が取り付けられている。
【0005】
水平のフイルム搬送面に沿って延在する積層体フイルム1aは、サクションローラ4に巻き掛けられるとともに、前記ガイドローラ2bと前記サクションローラ4との間には、ハーフカッタ装置5とカバーフイルム剥離装置6とが設けられている。
【0006】
ハーフカッタ装置5は、積層体フイルム1aの搬送方向に所定間隔離間する一対のディスクカッタ5a、5bを備えている。ディスクカッタ5a、5bは、積層体フイルム1aのフイルム幅方向に沿って移動することにより、図12に示すように、前記積層体フイルム1aのカバーフイルム(図示せず)における剥離部分Aと残存部分Bとの間の2個所の境界部分14a、14bを、支持フイルムを残した状態で感光性樹脂層(図示せず)とともに切断する。
【0007】
カバーフイルム剥離装置6は、粘着テープロール7から繰り出される粘着テープ7aを押圧ローラ8a、8b間でカバーフイルムの剥離部分Aに強く圧着させた後、巻き取りロール9によって巻き取る。これにより、カバーフイルムの剥離部分Aは、感光性樹脂層から剥離されて粘着テープ7aと共に巻き取りロール9に巻き取られる。
【0008】
サクションローラ4の下流には、基板搬送装置10によって所定の間隔で搬送される複数の基板11の上面に、カバーフイルムの剥離された積層体フイルム1aの剥離部分Aを重ねて圧着する一対のラミネーションローラ12a、12bが配設されている。このラミネーションローラ12a、12bの下流側には、支持フイルム巻き取りロール13が配置されている。感光性樹脂層に貼り付けられている支持フイルム(図示せず)は、基板11に感光性樹脂層を残存させた状態でカバーフイルムの残存部分Bとともに支持フイルム巻き取りロール13に巻き取られる。
【0009】
ところで、カバーフイルムの剥離された積層体フイルム1aの剥離部分Aを基板11の所望の範囲に正確に貼り付けるためには、例えば、カバーフイルムの剥離部分Aと残存部分Bとの境界部分14aが基板11の先端部から距離Kとなる所定位置に設定されるように、積層体フイルム1aをラミネーションローラ12a、12b間に高精度に送り出す必要がある。
【0010】
この場合、従来の製造装置では、ロータリエンコーダ3から出力されるパルス信号のパルス数をカウントし、ハーフカッタ装置5によって形成された境界部分14aがラミネーションローラ12a、12bに到達するまでの規定のパルス数となった時点で、基板11に対する積層体フイルム1aの剥離部分Aの圧着を開始するようにしている。
【0011】
【特許文献1】特開平11−34280号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、積層体フイルム1aは、可撓性の支持フイルム上に感光性樹脂層を形成したものであり、テンションを付与した状態で搬送されるため、搬送中に積層体フイルム1aが延びることにより、基板11に貼り付けられる前記境界部分14aの位置がずれてしまうおそれがある。特に、ラミネーションローラ12a、12bは、積層体フイルム1aと基板11とを加熱した状態で貼り付けるため、ラミネーションローラ12a、12bの近傍での積層体フイルム1aの延びが大きい。
【0013】
従って、基板11に対する貼り付け処理を連続的に行うと、貼り付け位置のずれが累積されて許容範囲を超えてしまう。そのため、所定枚数の貼り付け処理を行った後、基板11に対する積層体フイルム1aの貼り付け位置のずれ量を計測し、そのずれを補正すべくハーフカッタ装置5による境界部分14a、14bの形成位置を修正する必要がある。この場合、連続的に処理できる感光性積層体の枚数が制約されるため、生産効率が著しく低下してしまう。
【0014】
本発明は、長尺状感光性ウエブに形成された加工部位の位置を簡易な構成で高精度に検出することができるとともに、高品質な感光性積層体を効率的に製造することのできる感光性積層体の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造装置において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測する送り量計測部と、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中に配置され、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得する位置ずれ情報取得部と、
前記位置ずれ情報を取得するため、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で前記位置ずれ情報取得部を付勢する付勢部と、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正する送り量補正部と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造方法において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測するステップと、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中において、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得するステップと、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正するステップと、
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、長尺状感光性ウエブに形成された加工部位の位置を簡易な構成で高精度に検出することができる。また、検出された前記加工部位の位置の基準位置に対する位置ずれ情報を取得して、長尺状感光性ウエブの送り量を補正することにより、高品質な感光性積層体を効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る感光性積層体の製造装置20の概略構成図であり、この製造装置20は、液晶又は有機EL用カラーフィルタ等の製作工程で、所定の幅寸法からなる長尺状感光性ウエブ22の感光性樹脂層28(後述する)をガラス基板24に熱転写(ラミネート)する作業を行う。
【0019】
図2は、製造装置20に使用される長尺状感光性ウエブ22の断面図である。この長尺状感光性ウエブ22は、可撓性ベースフイルム(支持体)26と、感光性樹脂層(感光材料層)28と、保護フイルム30とを積層して構成される。
【0020】
図1に示すように、製造装置20は、長尺状感光性ウエブ22をロール状に巻回した感光性ウエブロール23を収容し、感光性ウエブロール23から前記長尺状感光性ウエブ22を送り出し可能なウエブ送り出し機構32と、送り出された長尺状感光性ウエブ22の保護フイルム30及び感光性樹脂層28の幅方向に切断可能な2個所の境界部分であるハーフカット部位(加工部位)34a、34b(図2参照)を形成する加工機構36(加工部)と、一部に非接着部38aを有する接着ラベル38(図3参照)を保護フイルム30に接着させるラベル接着機構40とを備える。
【0021】
ラベル接着機構40の下流には、長尺状感光性ウエブ22をタクト送りから連続送りに変更するためのリザーバ機構42と、長尺状感光性ウエブ22から保護フイルム30を所定の長さ間隔で剥離させる剥離機構44と、ガラス基板24を所定の温度に加熱した状態で貼り付け位置に供給する基板供給機構45と、前記保護フイルム30の剥離により露出した感光性樹脂層28を前記ガラス基板24に一体的に貼り付ける貼り付け機構46とが配設される。
【0022】
貼り付け機構46における貼り付け位置の上流近傍には、ハーフカット部位34aを含む長尺状感光性ウエブ22の画像を撮影する撮影部47が配設される。
【0023】
ウエブ送り出し機構32の下流近傍には、略使用済みの長尺状感光性ウエブ22の後端と、新たに使用される長尺状感光性ウエブ22の先端とを貼り付ける貼り付け台49が配設される。貼り付け台49の下流には、感光性ウエブロール23の巻きずれによる幅方向のずれを制御するために、フイルム端末位置検出器53が配設される。ここで、フイルム端末位置調整は、ウエブ送り出し機構32を幅方向に移動させて行うが、ローラを組み合わせた位置調整機構を付設して行ってもよい。
【0024】
加工機構36は、ウエブ送り出し機構32に収容巻回されている感光性ウエブロール23のロール径を算出するためのローラ対50の下流に配置される。このローラ対50には、長尺状感光性ウエブ22の送り量を計測するロータリエンコーダ(送り量計測部)51が連結される。加工機構36は、距離Mだけ離間した一対の丸刃52a、52bを備える。丸刃52a、52bは、長尺状感光性ウエブ22の幅方向に走行して、保護フイルム30の残存部分Bを挟んだ所定の2個所の位置にハーフカット部位34a、34bを形成する(図2参照)。
【0025】
図2に示すように、ハーフカット部位34a、34bは、少なくとも保護フイルム30及び感光性樹脂層28を切断する必要があり、実際上、可撓性ベースフイルム26まで切り込むように丸刃52a、52bの切り込み深さが設定される。丸刃52a、52bは、回転することなく固定された状態で、長尺状感光性ウエブ22の幅方向に移動してハーフカット部位34a、34bを形成する方式や、前記長尺状感光性ウエブ22上を滑ることなく回転しながら前記幅方向に移動して前記ハーフカット部位34a、34bを形成する方式が採用される。このハーフカット部位34a、34bは、丸刃52a、52bに代替して、例えば、レーザ光や超音波を用いたカット方式の他、ナイフ刃、押し切り刃(トムソン刃)等で形成する方式を採用してもよい。
【0026】
ハーフカット部位34a、34bは、感光性樹脂層28をガラス基板24に貼り付けた際、例えば、前記ガラス基板24の両端部からそれぞれ10mmずつ内側に入り込んだ位置となるように設定される(図12における距離Kに対応)。なお、ガラス基板24間の保護フイルム30の残存部分Bは、後述する貼り付け機構46において感光性樹脂層28を前記ガラス基板24に額縁状に貼り付ける際のマスクとして機能するものである。
【0027】
ラベル接着機構40は、ガラス基板24間に対応して保護フイルム30の残存部分Bを残すため、ハーフカット部位34b側の剥離部分Aとハーフカット部位34a側の剥離部分Aとを連結する接着ラベル38を供給する。
【0028】
図3に示すように、接着ラベル38は、短冊状に構成されており、例えば、保護フイルム30と同一の樹脂材で形成される。接着ラベル38は、中央部に粘着剤が塗布されない非接着部(微粘着を含む)38aを有するとともに、この非接着部38aの両側、すなわち、前記接着ラベル38の長手方向両端部に、前方の剥離部分Aに接着される第1接着部38bと、後方の剥離部分Aに接着される第2接着部38cとを有する。
【0029】
図1に示すように、ラベル接着機構40は、最大7枚の接着ラベル38を所定間隔ずつ離間して貼り付け可能な吸着パッド54a〜54gを備えるとともに、前記吸着パッド54a〜54gによる前記接着ラベル38の貼り付け位置には、長尺状感光性ウエブ22を下方から保持するための受け台56が昇降自在に配置される。
【0030】
リザーバ機構42は、上流側の長尺状感光性ウエブ22のタクト搬送と、下流側の前記長尺状感光性ウエブ22の連続搬送との速度差を吸収するために、矢印方向に揺動自在なダンサーローラ60を備える。
【0031】
リザーバ機構42の下流に配置される剥離機構44は、長尺状感光性ウエブ22の送り出し側のテンション変動を遮断し、ラミネート時のテンションを安定化させるためのサクションドラム62を備える。サクションドラム62の近傍には、剥離ローラ63が配置されるとともに、この剥離ローラ63を介して長尺状感光性ウエブ22から鋭角の剥離角で剥離される保護フイルム30は、残存部分Bを除いて保護フイルム巻き取り部64に巻き取られる。
【0032】
剥離機構44の下流側には、長尺状感光性ウエブ22にテンションを付与可能なテンション制御機構66が配設される。テンション制御機構66は、シリンダ68の駆動作用下にテンションダンサー70が揺動変位することにより、長尺状感光性ウエブ22のテンションが調整可能である。なお、テンション制御機構66は、必要に応じて使用すればよく、削除することもできる。
【0033】
一方のハーフカット部位34aの位置を検出する撮影部47は、図4に示すように、搬送ローラ71と搬送ローラ73との間の長尺状感光性ウエブ22が直線状となる部分に配設されており、長尺状感光性ウエブ22の搬送方向に延在する撮影域を有する二次元センサである、例えば、CCDカメラ72と、長尺状感光性ウエブ22を介してCCDカメラ72に対向配置され、照明光を長尺状感光性ウエブ22に照射する二次元光源69とを備える。
【0034】
CCDカメラ72は、長尺状感光性ウエブ22の搬送方向に対するハーフカット部位34aの位置を検出できるものであればよく、例えば、複数の検出画素が前記搬送方向に配列された一次元CCDカメラで構成することもできる。また、二次元光源69から出力される照明光は、感光性樹脂層28を感光することのない波長からなる光、例えば、赤色光とする。CCDカメラ72の撮影域には、基準位置を規定する基準片67が配設される。なお、基準片67を使用する代わりに、CCDカメラ72を構成する検出画素を特定し、その検出画素の位置を基準位置としてもよい。
【0035】
基板供給機構45は、ガラス基板24を挟持するように配設される基板加熱部(例えば、ヒータ)74と、このガラス基板24を矢印Y方向に搬送する搬送部76と、ガラス基板24の後端部の停止位置を検出する停止位置検出センサ78とを備える。基板加熱部74では、ガラス基板24の温度を常時監視し、異常時には、搬送部76の停止や警報を発生するとともに、異常情報を発信して異常なガラス基板24を後工程でNG排出、品質管理又は生産管理等に活用することができる。搬送部76には、図示しないエア浮上プレートが配設され、ガラス基板24が浮上されて矢印Y方向に搬送される。ガラス基板24の搬送は、ローラコンベアでも行える。
【0036】
ガラス基板24の温度測定は、基板加熱部74内又は貼り付け位置直前で行うことが好ましい。測定方法としては、接触式(例えば、熱電対)の他、非接触式であってもよい。
【0037】
貼り付け機構46は、上下に配設されるとともに、所定温度に加熱されるゴムローラ(圧着ローラ)80a、80bを備える。ゴムローラ80a、80bには、バックアップローラ82a、82bが摺接する。一方のバックアップローラ82bは、ローラクランプ部83を構成する加圧シリンダ84によりゴムローラ80b側に押圧される。
【0038】
ガラス基板24は、貼り付け機構46から矢印Y方向に延在する搬送路88を介して搬送される。この搬送路88には、フイルム搬送ローラ90a、90b及び基板搬送ローラ92が配設される。ゴムローラ80a、80bと基板搬送ローラ92との間隔は、ガラス基板24の一枚分の長さ以下に設定されることが好ましい。
【0039】
また、基板搬送ローラ92の下流側の所定位置には、ガラス基板24間の長尺状感光性ウエブ22を切断して感光性積層体100とするためのカッタ機構48が配設される。
【0040】
なお、以上のように構成される製造装置20では、ウエブ送り出し機構32、加工機構36、ラベル接着機構40、リザーバ機構42、剥離機構44、テンション制御機構66並びに撮影部47が、貼り付け機構46の上方に配置されているが、これとは逆に、前記ウエブ送り出し機構32から前記撮影部47までを前記貼り付け機構46の下方に配置し、長尺状感光性ウエブ22の上下が逆になって感光性樹脂層28をガラス基板24の下側に貼り付ける構成であってもよく、また、長尺状感光性ウエブ22の搬送路を直線状に構成してもよい。
【0041】
製造装置20内は、仕切り壁110を介して第1クリーンルーム112aと第2クリーンルーム112bとに仕切られる。第1クリーンルーム112aには、ウエブ送り出し機構32からテンション制御機構66までが収容され、第2クリーンルーム112bには、撮影部47以降の機構が収容される。第1クリーンルーム112aと第2クリーンルーム112bとは、貫通部114を介して連通する。
【0042】
図5は、製造装置20の制御回路ブロック図を示す。製造装置20の制御回路は、撮影部47を構成するCCDカメラ72によって取得したハーフカット部位34aを含む長尺状感光性ウエブ22の画像情報に基づいてハーフカット部位34aの位置ずれ情報を取得する画像検査制御盤120(位置ずれ情報取得部)と、画像検査制御盤120で取得した前記位置ずれ情報に従い、貼り付け機構46を制御して長尺状感光性ウエブ22の送り量を補正し、ハーフカット部位34aの位置調整を行うラミネータ制御盤122とを備える。
【0043】
画像検査制御盤120は、CCDカメラ72による画像の撮影タイミングを制御するシャッタ信号をCCDカメラ72に出力するシャッタ制御部124(付勢部)と、CCDカメラ72によって撮影されたハーフカット部位34a及び基準片67の画像情報を処理する画像処理部126と、処理された画像情報に基づき、基準片67の位置で決まる基準位置に対するハーフカット部位34aの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部128とを有する。
【0044】
シャッタ制御部124には、ローラ対50による長尺状感光性ウエブ22の送り量をパルス数としてカウントするロータリエンコーダ51と、加工機構36を制御してハーフカット部位34a、34bを加工するハーフカット制御部130とが接続される。ハーフカット制御部130は、ロータリエンコーダ51に対して、ハーフカット部位34a、34bの加工時に対応してパルスカウント開始信号を出力するとともに、シャッタ制御部124に対して、長尺状感光性ウエブ22のハーフカット部位34aが撮影部47に設定した基準位置に到達するまでの規定送り量に対応する規定パルス数をシャッタ制御部124に出力する。シャッタ制御部124は、ロータリエンコーダ51から供給されるパルス数のカウント値と、ハーフカット制御部130から供給される規定パルス数とを比較し、これらが一致した時点で、CCDカメラ72にシャッタ信号を出力する。
【0045】
ラミネータ制御盤122は、位置ずれ量算出部128で算出されたハーフカット部位34aの位置ずれ量に基づき、貼り付け機構46による長尺状感光性ウエブ22の搬送を制御する制御パルスを補正する制御パルス補正部132(送り量補正部)と、制御パルス補正部132による補正条件を設定するための操作表示部134(補正条件設定部)と、制御パルス補正部132によって補正された制御パルスに基づき、貼り付け機構46を制御するラミネータ制御部136とを備える。ラミネータ制御部136は、モータ制御部138を介してゴムローラ80a、80bを駆動する駆動モータ140を制御する。なお、補正条件とは、例えば、制御パルス補正部132においてハーフカット部位34aの位置を補正する感光性積層体100の枚数である補正頻度、制御パルスを補正するための位置ずれ量の処理方法等の条件である。
【0046】
次に、以上のように構成される製造装置20の動作について、本発明に係る製造方法との関連で説明する。
【0047】
先ず、ウエブ送り出し機構32に取り付けられている感光性ウエブロール23から長尺状感光性ウエブ22が送り出される。長尺状感光性ウエブ22は、加工機構36に搬送される。
【0048】
加工機構36では、丸刃52a、52bが長尺状感光性ウエブ22の幅方向に移動して、前記長尺状感光性ウエブ22を保護フイルム30から感光性樹脂層28乃至可撓性ベースフイルム26まで切り込み、保護フイルム30の残存部分Bの幅Mだけ離間するハーフカット部位34a、34bを形成する(図2参照)。これにより、長尺状感光性ウエブ22には、残存部分Bを挟んで前方の剥離部分Aと後方の剥離部分Aとが設けられる(図2参照)。
【0049】
なお、残存部分Bの幅Mは、長尺状感光性ウエブ22が延びないことを前提として、貼り付け機構46のゴムローラ80a、80b間に供給されるガラス基板24間の距離を基準として設定されるものとする。また、幅Mで形成される一組のハーフカット部位34a、34bは、ガラス基板24に貼り付けられる感光性樹脂層28の基準長さの間隔で長尺状感光性ウエブ22に形成される。
【0050】
次いで、長尺状感光性ウエブ22は、ラベル接着機構40に搬送されて、保護フイルム30の所定の貼り付け部位が受け台56上に配置される。ラベル接着機構40では、所定枚数の接着ラベル38が吸着パッド54b〜54gにより吸着保持され、各接着ラベル38が保護フイルム30の残存部分Bを跨いで、前方の剥離部分Aと後方の剥離部分Aとに一体的に接着される(図3参照)。
【0051】
例えば、7枚の接着ラベル38が接着された長尺状感光性ウエブ22は、図1に示すように、リザーバ機構42を介して送り出し側のテンション変動を防いだ後、剥離機構44に連続的に搬送される。剥離機構44では、長尺状感光性ウエブ22の可撓性ベースフイルム26がサクションドラム62に吸着保持されるとともに、保護フイルム30が残存部分Bを残して前記長尺状感光性ウエブ22から剥離される。この保護フイルム30は、剥離ローラ63を介して剥離されて保護フイルム巻き取り部64に巻き取られる(図1参照)。
【0052】
剥離機構44の作用下に、保護フイルム30が残存部分Bを残して可撓性ベースフイルム26から剥離された後、長尺状感光性ウエブ22は、テンション制御機構66によってテンション調整が行われ、次いで、撮影部47において、所定の撮影タイミングでハーフカット部位34a及び基準片67を含む長尺状感光性ウエブ22の画像が撮影される。
【0053】
撮影部47によって取得した画像情報は、画像検査制御盤120において、ハーフカット部位34aの位置ずれ量が算出され、次いで、ラミネータ制御盤122において、長尺状感光性ウエブ22の送り量の補正処理が行われる。なお、画像検査制御盤120及びラミネータ制御盤122における補正処理の詳細については、後述する。
【0054】
撮影部47を通過した長尺状感光性ウエブ22は、貼り付け機構46に搬送されることで、ガラス基板24に対する感光性樹脂層28の転写処理(ラミネート)が行われる。
【0055】
貼り付け機構46では、当初、ゴムローラ80a、80bが離間した状態に設定されており、ゴムローラ80a、80b間の所定位置に長尺状感光性ウエブ22のハーフカット部位34aが位置決めされた状態において、長尺状感光性ウエブ22の搬送が一旦停止される。この状態において、基板供給機構45を構成する基板加熱部74によって所定温度に加熱されたガラス基板24の先端部が搬送部76によってゴムローラ80a、80b間に搬入されると、加圧シリンダ84の作用下にバックアップローラ82b及びゴムローラ80bが上昇し、ゴムローラ80a、80b間にガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22が所定のプレス圧力で挟み込まれる。なお、ゴムローラ80a、80bは、所定のラミネート温度に加熱されている。
【0056】
次いで、ラミネータ制御部136の制御下にモータ制御部138を介して駆動モータ140が駆動されることでゴムローラ80a、80bが回転し、ガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22が矢印Y方向に搬送される。この結果、感光性樹脂層28が加熱溶融されてガラス基板24に転写(ラミネート)される。
【0057】
なお、ラミネート条件としては、速度が1.0m/min〜10.0m/min、ゴムローラ80a、80bの温度が80℃〜140℃、前記ゴムローラ80a、80bのゴム硬度が40度〜90度、該ゴムローラ80a、80bのプレス圧(線圧)が50N/cm〜400N/cmである。
【0058】
ガラス基板24に対して長尺状感光性ウエブ22の一枚分のラミネートが終了すると、ゴムローラ80a、80bの回転が停止される一方、長尺状感光性ウエブ22がラミネートされたガラス基板24である感光性積層体100の先端部が基板搬送ローラ92によりクランプされる。このとき、ゴムローラ80a、80b間の所定位置には、ハーフカット部位34bが配置される。
【0059】
そして、ゴムローラ80bが、ゴムローラ80aから離間する方向に退避してクランプが解除されるとともに、基板搬送ローラ92の回転が低速で再び開始され、感光性積層体100が矢印Y方向に保護フイルム30の残存部分Bの幅Mに対応する距離だけ搬送され、次のハーフカット部位34aがゴムローラ80aの下方付近の所定位置に搬送された後、ゴムローラ80a、80bの回転が停止される。なお、長尺状感光性ウエブ22をハーフカット部位34a、34b間だけ搬送する処理を、以下において「基板間送り」という。
【0060】
一方、前記の状態において、基板供給機構45を介して次なるガラス基板24が貼り付け位置に向かって搬送される。以上の動作が繰り返されることにより、感光性積層体100が連続的に製造される。
【0061】
その際、感光性積層体100は、図4に示すように、それぞれの端部同士が保護フイルム30の残存部分Bによって覆われている。従って、感光性樹脂層28がガラス基板24に転写される際、ゴムローラ80a、80bが前記感光性樹脂層28により汚れることがない。
【0062】
貼り付け機構46でラミネートされた感光性積層体100は、カッタ機構48によってガラス基板24間の長尺状感光性ウエブ22が切断されることで分離される。なお、分離された感光性積層体100には、可撓性ベースフイルム26が装着されており、この可撓性ベースフイルム26がガラス基板24間の保護フイルム30とともに剥離された後、次の処理工程に供給される。
【0063】
次に、図6に示すフローチャートに従い、長尺状感光性ウエブ22の送り量の補正処理について説明する。
【0064】
先ず、オペレータは、タッチパネル等からなる操作表示部134を用いて補正条件を指定する(ステップS1)。
【0065】
この場合、操作表示部134では、補正条件として、例えば、感光性積層体100の枚数を指定し、指定された枚数以降の感光性積層体100から補正処理を開始するようにラミネータ制御盤122に指示することができる。この補正条件を指定することにより、製造装置20が高精度に調整されている製造開始当初において、補正を行うことなく感光性積層体100を効率的に製造することが可能となる。
【0066】
また、補正条件として、補正処理を行う頻度を指定することができる。例えば、画像検査制御盤120によって算出されたハーフカット部位34aの位置ずれ量を毎回ラミネータ制御盤122にフィードバックして補正処理を行うのか、算出された位置ずれ量の平均値を求め、その平均値を用いて何回かに1回の補正処理を行うのか、あるいは、位置ずれ量を何回かに1回算出して補正処理を行うのか、といった補正処理の頻度を指定することができる。
【0067】
また、補正条件として、算出された位置ずれ量に許容範囲を設定し、位置ずれ量が許容範囲内にあるときのみ補正処理を行い、許容範囲外の場合には、例えば、操作表示部134により警告等を行い、製造装置20の動作を一旦停止させるような指定を行うことができる。
【0068】
補正条件が指定された後、ハーフカット制御部130は、画像検査制御盤120のシャッタ制御部124に対して、加工機構36によって長尺状感光性ウエブ22に形成されたハーフカット部位34aが撮影部47の基準位置に到達するまでの規定送り量に対応する規定パルス数を設定する(ステップS2)。この場合、規定パルス数は、例えば、ハーフカット部位34a、34bが加工機構36から撮影部47の基準位置まで移動する間に長尺状感光性ウエブ22が延び縮みしないことを条件として、先行するハーフカット部位34aの位置に次のハーフカット部位34aが到達するまでの間にロータリエンコーダ51から出力されるパルス信号のパルス数として設定することができる。
【0069】
そこで、ハーフカット制御部130は、加工機構36を制御して長尺状感光性ウエブ22にハーフカット部位34a、34bが形成すると同時に(ステップS3)、ロータリエンコーダ51に対してパルスカウント開始信号を出力し、ロータリエンコーダ51がパルス数のカウントを開始する(ステップS4)。
【0070】
次いで、ハーフカット部位34a、34bの形成された長尺状感光性ウエブ22が搬送され、ハーフカット部位34aが撮影部47の撮影領域142(図7、図8参照)に到達し、ロータリエンコーダ51によりカウントされたパルス数が、ステップS2で設定した規定パルス数に一致したとき(ステップS5)、シャッタ制御部124は、CCDカメラ72に対してシャッタ信号を出力する。
【0071】
このとき、二次元光源69が駆動されて照明光が長尺状感光性ウエブ22に照射され、基準片67及びハーフカット部位34aを撮影領域142に含む長尺状感光性ウエブ22の画像がCCDカメラ72によって撮影される(ステップS6)。CCDカメラ72によって撮影された画像は、画像情報として画像処理部126に送信され、所定の画像処理が施されることにより、基準片67及びハーフカット部位34aの位置情報が取得される(ステップS7)。取得された位置情報は、位置ずれ量算出部128に送信され、基準片67を基準として設定された基準位置に対するハーフカット部位34aの位置の位置ずれ量ΔKが算出される(ステップS8、図7、図8参照)。
【0072】
算出されたハーフカット部位34aの位置ずれ量ΔKは、制御パルス補正部132に送信された後、操作表示部134で指定された補正条件に従って基板間送りパルス数の補正が行われる(ステップS9、S10)。なお、ハーフカット部位34aを毎回検出して補正処理を行わない場合には、補正処理をスキップする回数に従ってステップS3〜S9の処理を繰り返すことになる。
【0073】
制御パルス補正部132によって補正された基板間送りパルス数は、ラミネータ制御部136に送信される。ラミネータ制御部136は、送信された基板間送りパルス数に基づき、モータ制御部138を介して駆動モータ140を制御し(ステップS11)、基板間送り量を調整する。
【0074】
図9は、長尺状感光性ウエブ22のラミネート制御、及び、補正された基板間送りパルス数に基づく基板間送り制御の説明図である。
【0075】
ラミネータ制御部136は、ガラス基板24の先端部に対して、図12に示す距離Kだけずらせた位置に長尺状感光性ウエブ22のハーフカット部位34aを合わせた状態でラミネートを行った後(ラミネート1)、長尺状感光性ウエブ22の搬送を一旦停止させる。次いで、補正された基板間送りパルス数に従い、低速で長尺状感光性ウエブ22を基板間送りすることにより、次のハーフカット部位34aがゴムローラ80a、80b間の所定位置となるように設定した後、ゴムローラ80a、80b間にガラス基板24を供給し、再びガラス基板24に長尺状感光性ウエブ22をラミネートする(ステップS12、ラミネート2)。
【0076】
ここで、基板間送り処理を行う際、図7に示すように、ハーフカット部位34aの位置が加工機構36側に位置ずれ量ΔKだけずれている場合には、位置ずれ量ΔKに従って基板間送りパルス数を増やし、図9のパターン144aで基板間送り制御を行う。また、図8に示すように、ハーフカット部位34aの位置がゴムローラ80a、80b側に位置ずれ量ΔKだけずれている場合には、位置ずれ量ΔKに従って基板間送りパルス数を減らし、図9のパターン144bで基板間送り制御を行う。
【0077】
このようにして基板間送り制御を行うことにより、ガラス基板24に対するハーフカット部位34aの位置を所望の位置に調整し、高品質な感光性積層体100を製造することができる。また、ガラス基板24に対する長尺状感光性ウエブ22の貼り付け位置の調整処理は、製造装置20の動作を停止させることなく行うことができるため、感光性積層体100を効率的に製造することができる。さらに、撮影部47の位置は、ハーフカット部位34a、34bの設定送り量に対応する基板間送りパルス数を調整することで、加工機構36と貼り付け機構46との間の任意の位置に設定することができる。
【0078】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る感光性積層体の製造装置200の概略構成図である。なお、第1の実施形態に係る感光性積層体の製造装置20と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0079】
製造装置200は、ガラス基板24に貼り付けられた長尺状感光性ウエブ22から残存する可撓性ベースフイルム26を連続的に剥離するように構成されたものであり、貼り付け機構46の下流側には、搬送路88に沿って、ラミネートされたガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22を冷却する冷却機構202と、可撓性ベースフイルム26を感光性樹脂層28から連続的に剥離するベース剥離機構204とが順に配設される。
【0080】
ベース剥離機構204は、プレ剥離部206と、小径な剥離ローラ208と、巻き取り軸210と、自動貼り付け機212とを備える。巻き取り軸210は、駆動時にトルク制御して可撓性ベースフイルム26に張力を付与する一方、例えば、剥離ローラ208に張力検出器(図示せず)を設けることにより、張力のフィードバック制御を行うことが好ましい。プレ剥離部206は、ガラス基板24間で昇降可能な剥離バー214を備える。
【0081】
貼り付け機構46においてラミネートされたガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22は、冷却機構202によって冷却された後、ガラス基板24間の長尺状感光性ウエブ22がプレ剥離部206を構成する剥離バー214によって上方に押し上げられ、これによって可撓性ベースフイルム26の一部が感光性樹脂層28より剥離される。次いで、感光性樹脂層28の貼り付けられたガラス基板24が矢印Y方向に搬送される一方、可撓性ベースフイルム26が剥離ローラ208を介して巻き取り軸210に巻き取られることにより、可撓性ベースフイルム26が感光性樹脂層28から連続的に剥離されてガラス基板24間が分離され、感光性積層体100が製造される。
【0082】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、1本の感光性ウエブロール23から供給される長尺状感光性ウエブ22をガラス基板24に貼り付けることにより、いわゆる、一丁張りの感光性積層体100を製造するように構成しているが、例えば、2本の感光性ウエブロールや、3本以上の感光性ウエブロールから長尺状感光性ウエブ22を供給してガラス基板24に貼り付け、いわゆる、2丁張り、3丁張り等の感光性積層体を製造するように構成してもよい。
【0083】
また、長尺状感光性ウエブ22の送り量を検出するロータリエンコーダ51は、加工機構36の前段のローラ対50に連結しているが、撮影部47の上流側の所望の位置、例えば、サクションドラム62に連結し、サクションドラム62の回転量を検出するように構成してもよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、一方のハーフカット部位34aの位置ずれ情報を取得して基板間送り量を補正するようにしているが、他方のハーフカット部位34bの位置ずれ情報を取得して基板間送り量を補正することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る製造装置の概略構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る製造装置に使用される長尺状感光性ウエブの断面図である。
【図3】長尺状感光性ウエブに接着ラベルが接着された状態の説明図である。
【図4】ハーフカット部位を形成する加工機構、ハーフカット部位の位置ずれ情報を取得する撮影部、及び、貼り付け機構の配置関係説明図である。
【図5】ハーフカット部位の位置ずれ情報に基づき、基板間送り制御の補正処理を行う回路構成ブロック図である。
【図6】ハーフカット部位の位置ずれ情報に基づき、基板間送り制御の補正処理を行うフローチャートである。
【図7】撮影部によって取得されるハーフカット部位の位置ずれ情報の説明図である。
【図8】撮影部によって取得されるハーフカット部位の位置ずれ情報の説明図である。
【図9】長尺状感光性ウエブのラミネート制御及び基板間送り制御の説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る製造装置の概略構成図である。
【図11】従来技術に係る製造装置の概略構成図である。
【図12】長尺状感光性ウエブに形成されたハーフカット部位と、長尺状感光性ウエブが貼り付けられる基板との位置関係説明図である。
【符号の説明】
【0086】
20、200…製造装置
22…長尺状感光性ウエブ
24…ガラス基板
26…可撓性ベースフイルム
28…感光性樹脂層
30…保護フイルム
34a、34b…ハーフカット部位
36…加工機構
45…基板供給機構
46…貼り付け機構
47…撮影部
51…ロータリエンコーダ
69…二次元光源
72…CCDカメラ
80a、80b…ゴムローラ
100…感光性積層体
120…画像検査制御盤
122…ラミネータ制御盤
124…シャッタ制御部
126…画像処理部
128…位置ずれ量算出部
130…ハーフカット制御部
132…制御パルス補正部
134…操作表示部
136…ラミネータ制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と、支持体上に感光材料層が設けられた長尺状感光性ウエブとを一対の圧着ローラ間に送り出し、前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶パネル用基板、プリント配線用基板、PDPパネル用基板は、感光性樹脂層(感光材料層)を有する感光性シート体(感光性ウエブ)を基板表面に貼り付けて構成される。感光性シート体は、例えば、可撓性プラスチック支持体上に感光性樹脂層と保護フイルムとが順に積層されている。
【0003】
この種の感光性シート体の貼り付けに使用される製造装置は、通常、ガラス基板や樹脂基板等の基板を所定の間隔ずつ離間させてラミネーションローラ間に搬送するとともに、前記基板に貼り付けられる感光性樹脂層の範囲に対応する保護フイルムを剥離した感光性シート体を前記ラミネーションローラ間に搬送する方式が採用されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている製造装置では、図11に示すように、フイルムロール1から繰り出される積層体フイルム(感光性シート体)1aは、ガイドローラ2a、2bに巻き付けられて水平のフイルム搬送面に沿って延在している。このガイドローラ2bには、積層体フイルム1aの送り量に応じた数のパルス信号を出力するロータリエンコーダ3が取り付けられている。
【0005】
水平のフイルム搬送面に沿って延在する積層体フイルム1aは、サクションローラ4に巻き掛けられるとともに、前記ガイドローラ2bと前記サクションローラ4との間には、ハーフカッタ装置5とカバーフイルム剥離装置6とが設けられている。
【0006】
ハーフカッタ装置5は、積層体フイルム1aの搬送方向に所定間隔離間する一対のディスクカッタ5a、5bを備えている。ディスクカッタ5a、5bは、積層体フイルム1aのフイルム幅方向に沿って移動することにより、図12に示すように、前記積層体フイルム1aのカバーフイルム(図示せず)における剥離部分Aと残存部分Bとの間の2個所の境界部分14a、14bを、支持フイルムを残した状態で感光性樹脂層(図示せず)とともに切断する。
【0007】
カバーフイルム剥離装置6は、粘着テープロール7から繰り出される粘着テープ7aを押圧ローラ8a、8b間でカバーフイルムの剥離部分Aに強く圧着させた後、巻き取りロール9によって巻き取る。これにより、カバーフイルムの剥離部分Aは、感光性樹脂層から剥離されて粘着テープ7aと共に巻き取りロール9に巻き取られる。
【0008】
サクションローラ4の下流には、基板搬送装置10によって所定の間隔で搬送される複数の基板11の上面に、カバーフイルムの剥離された積層体フイルム1aの剥離部分Aを重ねて圧着する一対のラミネーションローラ12a、12bが配設されている。このラミネーションローラ12a、12bの下流側には、支持フイルム巻き取りロール13が配置されている。感光性樹脂層に貼り付けられている支持フイルム(図示せず)は、基板11に感光性樹脂層を残存させた状態でカバーフイルムの残存部分Bとともに支持フイルム巻き取りロール13に巻き取られる。
【0009】
ところで、カバーフイルムの剥離された積層体フイルム1aの剥離部分Aを基板11の所望の範囲に正確に貼り付けるためには、例えば、カバーフイルムの剥離部分Aと残存部分Bとの境界部分14aが基板11の先端部から距離Kとなる所定位置に設定されるように、積層体フイルム1aをラミネーションローラ12a、12b間に高精度に送り出す必要がある。
【0010】
この場合、従来の製造装置では、ロータリエンコーダ3から出力されるパルス信号のパルス数をカウントし、ハーフカッタ装置5によって形成された境界部分14aがラミネーションローラ12a、12bに到達するまでの規定のパルス数となった時点で、基板11に対する積層体フイルム1aの剥離部分Aの圧着を開始するようにしている。
【0011】
【特許文献1】特開平11−34280号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、積層体フイルム1aは、可撓性の支持フイルム上に感光性樹脂層を形成したものであり、テンションを付与した状態で搬送されるため、搬送中に積層体フイルム1aが延びることにより、基板11に貼り付けられる前記境界部分14aの位置がずれてしまうおそれがある。特に、ラミネーションローラ12a、12bは、積層体フイルム1aと基板11とを加熱した状態で貼り付けるため、ラミネーションローラ12a、12bの近傍での積層体フイルム1aの延びが大きい。
【0013】
従って、基板11に対する貼り付け処理を連続的に行うと、貼り付け位置のずれが累積されて許容範囲を超えてしまう。そのため、所定枚数の貼り付け処理を行った後、基板11に対する積層体フイルム1aの貼り付け位置のずれ量を計測し、そのずれを補正すべくハーフカッタ装置5による境界部分14a、14bの形成位置を修正する必要がある。この場合、連続的に処理できる感光性積層体の枚数が制約されるため、生産効率が著しく低下してしまう。
【0014】
本発明は、長尺状感光性ウエブに形成された加工部位の位置を簡易な構成で高精度に検出することができるとともに、高品質な感光性積層体を効率的に製造することのできる感光性積層体の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造装置において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測する送り量計測部と、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中に配置され、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得する位置ずれ情報取得部と、
前記位置ずれ情報を取得するため、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で前記位置ずれ情報取得部を付勢する付勢部と、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正する送り量補正部と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造方法において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測するステップと、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中において、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得するステップと、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正するステップと、
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、長尺状感光性ウエブに形成された加工部位の位置を簡易な構成で高精度に検出することができる。また、検出された前記加工部位の位置の基準位置に対する位置ずれ情報を取得して、長尺状感光性ウエブの送り量を補正することにより、高品質な感光性積層体を効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る感光性積層体の製造装置20の概略構成図であり、この製造装置20は、液晶又は有機EL用カラーフィルタ等の製作工程で、所定の幅寸法からなる長尺状感光性ウエブ22の感光性樹脂層28(後述する)をガラス基板24に熱転写(ラミネート)する作業を行う。
【0019】
図2は、製造装置20に使用される長尺状感光性ウエブ22の断面図である。この長尺状感光性ウエブ22は、可撓性ベースフイルム(支持体)26と、感光性樹脂層(感光材料層)28と、保護フイルム30とを積層して構成される。
【0020】
図1に示すように、製造装置20は、長尺状感光性ウエブ22をロール状に巻回した感光性ウエブロール23を収容し、感光性ウエブロール23から前記長尺状感光性ウエブ22を送り出し可能なウエブ送り出し機構32と、送り出された長尺状感光性ウエブ22の保護フイルム30及び感光性樹脂層28の幅方向に切断可能な2個所の境界部分であるハーフカット部位(加工部位)34a、34b(図2参照)を形成する加工機構36(加工部)と、一部に非接着部38aを有する接着ラベル38(図3参照)を保護フイルム30に接着させるラベル接着機構40とを備える。
【0021】
ラベル接着機構40の下流には、長尺状感光性ウエブ22をタクト送りから連続送りに変更するためのリザーバ機構42と、長尺状感光性ウエブ22から保護フイルム30を所定の長さ間隔で剥離させる剥離機構44と、ガラス基板24を所定の温度に加熱した状態で貼り付け位置に供給する基板供給機構45と、前記保護フイルム30の剥離により露出した感光性樹脂層28を前記ガラス基板24に一体的に貼り付ける貼り付け機構46とが配設される。
【0022】
貼り付け機構46における貼り付け位置の上流近傍には、ハーフカット部位34aを含む長尺状感光性ウエブ22の画像を撮影する撮影部47が配設される。
【0023】
ウエブ送り出し機構32の下流近傍には、略使用済みの長尺状感光性ウエブ22の後端と、新たに使用される長尺状感光性ウエブ22の先端とを貼り付ける貼り付け台49が配設される。貼り付け台49の下流には、感光性ウエブロール23の巻きずれによる幅方向のずれを制御するために、フイルム端末位置検出器53が配設される。ここで、フイルム端末位置調整は、ウエブ送り出し機構32を幅方向に移動させて行うが、ローラを組み合わせた位置調整機構を付設して行ってもよい。
【0024】
加工機構36は、ウエブ送り出し機構32に収容巻回されている感光性ウエブロール23のロール径を算出するためのローラ対50の下流に配置される。このローラ対50には、長尺状感光性ウエブ22の送り量を計測するロータリエンコーダ(送り量計測部)51が連結される。加工機構36は、距離Mだけ離間した一対の丸刃52a、52bを備える。丸刃52a、52bは、長尺状感光性ウエブ22の幅方向に走行して、保護フイルム30の残存部分Bを挟んだ所定の2個所の位置にハーフカット部位34a、34bを形成する(図2参照)。
【0025】
図2に示すように、ハーフカット部位34a、34bは、少なくとも保護フイルム30及び感光性樹脂層28を切断する必要があり、実際上、可撓性ベースフイルム26まで切り込むように丸刃52a、52bの切り込み深さが設定される。丸刃52a、52bは、回転することなく固定された状態で、長尺状感光性ウエブ22の幅方向に移動してハーフカット部位34a、34bを形成する方式や、前記長尺状感光性ウエブ22上を滑ることなく回転しながら前記幅方向に移動して前記ハーフカット部位34a、34bを形成する方式が採用される。このハーフカット部位34a、34bは、丸刃52a、52bに代替して、例えば、レーザ光や超音波を用いたカット方式の他、ナイフ刃、押し切り刃(トムソン刃)等で形成する方式を採用してもよい。
【0026】
ハーフカット部位34a、34bは、感光性樹脂層28をガラス基板24に貼り付けた際、例えば、前記ガラス基板24の両端部からそれぞれ10mmずつ内側に入り込んだ位置となるように設定される(図12における距離Kに対応)。なお、ガラス基板24間の保護フイルム30の残存部分Bは、後述する貼り付け機構46において感光性樹脂層28を前記ガラス基板24に額縁状に貼り付ける際のマスクとして機能するものである。
【0027】
ラベル接着機構40は、ガラス基板24間に対応して保護フイルム30の残存部分Bを残すため、ハーフカット部位34b側の剥離部分Aとハーフカット部位34a側の剥離部分Aとを連結する接着ラベル38を供給する。
【0028】
図3に示すように、接着ラベル38は、短冊状に構成されており、例えば、保護フイルム30と同一の樹脂材で形成される。接着ラベル38は、中央部に粘着剤が塗布されない非接着部(微粘着を含む)38aを有するとともに、この非接着部38aの両側、すなわち、前記接着ラベル38の長手方向両端部に、前方の剥離部分Aに接着される第1接着部38bと、後方の剥離部分Aに接着される第2接着部38cとを有する。
【0029】
図1に示すように、ラベル接着機構40は、最大7枚の接着ラベル38を所定間隔ずつ離間して貼り付け可能な吸着パッド54a〜54gを備えるとともに、前記吸着パッド54a〜54gによる前記接着ラベル38の貼り付け位置には、長尺状感光性ウエブ22を下方から保持するための受け台56が昇降自在に配置される。
【0030】
リザーバ機構42は、上流側の長尺状感光性ウエブ22のタクト搬送と、下流側の前記長尺状感光性ウエブ22の連続搬送との速度差を吸収するために、矢印方向に揺動自在なダンサーローラ60を備える。
【0031】
リザーバ機構42の下流に配置される剥離機構44は、長尺状感光性ウエブ22の送り出し側のテンション変動を遮断し、ラミネート時のテンションを安定化させるためのサクションドラム62を備える。サクションドラム62の近傍には、剥離ローラ63が配置されるとともに、この剥離ローラ63を介して長尺状感光性ウエブ22から鋭角の剥離角で剥離される保護フイルム30は、残存部分Bを除いて保護フイルム巻き取り部64に巻き取られる。
【0032】
剥離機構44の下流側には、長尺状感光性ウエブ22にテンションを付与可能なテンション制御機構66が配設される。テンション制御機構66は、シリンダ68の駆動作用下にテンションダンサー70が揺動変位することにより、長尺状感光性ウエブ22のテンションが調整可能である。なお、テンション制御機構66は、必要に応じて使用すればよく、削除することもできる。
【0033】
一方のハーフカット部位34aの位置を検出する撮影部47は、図4に示すように、搬送ローラ71と搬送ローラ73との間の長尺状感光性ウエブ22が直線状となる部分に配設されており、長尺状感光性ウエブ22の搬送方向に延在する撮影域を有する二次元センサである、例えば、CCDカメラ72と、長尺状感光性ウエブ22を介してCCDカメラ72に対向配置され、照明光を長尺状感光性ウエブ22に照射する二次元光源69とを備える。
【0034】
CCDカメラ72は、長尺状感光性ウエブ22の搬送方向に対するハーフカット部位34aの位置を検出できるものであればよく、例えば、複数の検出画素が前記搬送方向に配列された一次元CCDカメラで構成することもできる。また、二次元光源69から出力される照明光は、感光性樹脂層28を感光することのない波長からなる光、例えば、赤色光とする。CCDカメラ72の撮影域には、基準位置を規定する基準片67が配設される。なお、基準片67を使用する代わりに、CCDカメラ72を構成する検出画素を特定し、その検出画素の位置を基準位置としてもよい。
【0035】
基板供給機構45は、ガラス基板24を挟持するように配設される基板加熱部(例えば、ヒータ)74と、このガラス基板24を矢印Y方向に搬送する搬送部76と、ガラス基板24の後端部の停止位置を検出する停止位置検出センサ78とを備える。基板加熱部74では、ガラス基板24の温度を常時監視し、異常時には、搬送部76の停止や警報を発生するとともに、異常情報を発信して異常なガラス基板24を後工程でNG排出、品質管理又は生産管理等に活用することができる。搬送部76には、図示しないエア浮上プレートが配設され、ガラス基板24が浮上されて矢印Y方向に搬送される。ガラス基板24の搬送は、ローラコンベアでも行える。
【0036】
ガラス基板24の温度測定は、基板加熱部74内又は貼り付け位置直前で行うことが好ましい。測定方法としては、接触式(例えば、熱電対)の他、非接触式であってもよい。
【0037】
貼り付け機構46は、上下に配設されるとともに、所定温度に加熱されるゴムローラ(圧着ローラ)80a、80bを備える。ゴムローラ80a、80bには、バックアップローラ82a、82bが摺接する。一方のバックアップローラ82bは、ローラクランプ部83を構成する加圧シリンダ84によりゴムローラ80b側に押圧される。
【0038】
ガラス基板24は、貼り付け機構46から矢印Y方向に延在する搬送路88を介して搬送される。この搬送路88には、フイルム搬送ローラ90a、90b及び基板搬送ローラ92が配設される。ゴムローラ80a、80bと基板搬送ローラ92との間隔は、ガラス基板24の一枚分の長さ以下に設定されることが好ましい。
【0039】
また、基板搬送ローラ92の下流側の所定位置には、ガラス基板24間の長尺状感光性ウエブ22を切断して感光性積層体100とするためのカッタ機構48が配設される。
【0040】
なお、以上のように構成される製造装置20では、ウエブ送り出し機構32、加工機構36、ラベル接着機構40、リザーバ機構42、剥離機構44、テンション制御機構66並びに撮影部47が、貼り付け機構46の上方に配置されているが、これとは逆に、前記ウエブ送り出し機構32から前記撮影部47までを前記貼り付け機構46の下方に配置し、長尺状感光性ウエブ22の上下が逆になって感光性樹脂層28をガラス基板24の下側に貼り付ける構成であってもよく、また、長尺状感光性ウエブ22の搬送路を直線状に構成してもよい。
【0041】
製造装置20内は、仕切り壁110を介して第1クリーンルーム112aと第2クリーンルーム112bとに仕切られる。第1クリーンルーム112aには、ウエブ送り出し機構32からテンション制御機構66までが収容され、第2クリーンルーム112bには、撮影部47以降の機構が収容される。第1クリーンルーム112aと第2クリーンルーム112bとは、貫通部114を介して連通する。
【0042】
図5は、製造装置20の制御回路ブロック図を示す。製造装置20の制御回路は、撮影部47を構成するCCDカメラ72によって取得したハーフカット部位34aを含む長尺状感光性ウエブ22の画像情報に基づいてハーフカット部位34aの位置ずれ情報を取得する画像検査制御盤120(位置ずれ情報取得部)と、画像検査制御盤120で取得した前記位置ずれ情報に従い、貼り付け機構46を制御して長尺状感光性ウエブ22の送り量を補正し、ハーフカット部位34aの位置調整を行うラミネータ制御盤122とを備える。
【0043】
画像検査制御盤120は、CCDカメラ72による画像の撮影タイミングを制御するシャッタ信号をCCDカメラ72に出力するシャッタ制御部124(付勢部)と、CCDカメラ72によって撮影されたハーフカット部位34a及び基準片67の画像情報を処理する画像処理部126と、処理された画像情報に基づき、基準片67の位置で決まる基準位置に対するハーフカット部位34aの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部128とを有する。
【0044】
シャッタ制御部124には、ローラ対50による長尺状感光性ウエブ22の送り量をパルス数としてカウントするロータリエンコーダ51と、加工機構36を制御してハーフカット部位34a、34bを加工するハーフカット制御部130とが接続される。ハーフカット制御部130は、ロータリエンコーダ51に対して、ハーフカット部位34a、34bの加工時に対応してパルスカウント開始信号を出力するとともに、シャッタ制御部124に対して、長尺状感光性ウエブ22のハーフカット部位34aが撮影部47に設定した基準位置に到達するまでの規定送り量に対応する規定パルス数をシャッタ制御部124に出力する。シャッタ制御部124は、ロータリエンコーダ51から供給されるパルス数のカウント値と、ハーフカット制御部130から供給される規定パルス数とを比較し、これらが一致した時点で、CCDカメラ72にシャッタ信号を出力する。
【0045】
ラミネータ制御盤122は、位置ずれ量算出部128で算出されたハーフカット部位34aの位置ずれ量に基づき、貼り付け機構46による長尺状感光性ウエブ22の搬送を制御する制御パルスを補正する制御パルス補正部132(送り量補正部)と、制御パルス補正部132による補正条件を設定するための操作表示部134(補正条件設定部)と、制御パルス補正部132によって補正された制御パルスに基づき、貼り付け機構46を制御するラミネータ制御部136とを備える。ラミネータ制御部136は、モータ制御部138を介してゴムローラ80a、80bを駆動する駆動モータ140を制御する。なお、補正条件とは、例えば、制御パルス補正部132においてハーフカット部位34aの位置を補正する感光性積層体100の枚数である補正頻度、制御パルスを補正するための位置ずれ量の処理方法等の条件である。
【0046】
次に、以上のように構成される製造装置20の動作について、本発明に係る製造方法との関連で説明する。
【0047】
先ず、ウエブ送り出し機構32に取り付けられている感光性ウエブロール23から長尺状感光性ウエブ22が送り出される。長尺状感光性ウエブ22は、加工機構36に搬送される。
【0048】
加工機構36では、丸刃52a、52bが長尺状感光性ウエブ22の幅方向に移動して、前記長尺状感光性ウエブ22を保護フイルム30から感光性樹脂層28乃至可撓性ベースフイルム26まで切り込み、保護フイルム30の残存部分Bの幅Mだけ離間するハーフカット部位34a、34bを形成する(図2参照)。これにより、長尺状感光性ウエブ22には、残存部分Bを挟んで前方の剥離部分Aと後方の剥離部分Aとが設けられる(図2参照)。
【0049】
なお、残存部分Bの幅Mは、長尺状感光性ウエブ22が延びないことを前提として、貼り付け機構46のゴムローラ80a、80b間に供給されるガラス基板24間の距離を基準として設定されるものとする。また、幅Mで形成される一組のハーフカット部位34a、34bは、ガラス基板24に貼り付けられる感光性樹脂層28の基準長さの間隔で長尺状感光性ウエブ22に形成される。
【0050】
次いで、長尺状感光性ウエブ22は、ラベル接着機構40に搬送されて、保護フイルム30の所定の貼り付け部位が受け台56上に配置される。ラベル接着機構40では、所定枚数の接着ラベル38が吸着パッド54b〜54gにより吸着保持され、各接着ラベル38が保護フイルム30の残存部分Bを跨いで、前方の剥離部分Aと後方の剥離部分Aとに一体的に接着される(図3参照)。
【0051】
例えば、7枚の接着ラベル38が接着された長尺状感光性ウエブ22は、図1に示すように、リザーバ機構42を介して送り出し側のテンション変動を防いだ後、剥離機構44に連続的に搬送される。剥離機構44では、長尺状感光性ウエブ22の可撓性ベースフイルム26がサクションドラム62に吸着保持されるとともに、保護フイルム30が残存部分Bを残して前記長尺状感光性ウエブ22から剥離される。この保護フイルム30は、剥離ローラ63を介して剥離されて保護フイルム巻き取り部64に巻き取られる(図1参照)。
【0052】
剥離機構44の作用下に、保護フイルム30が残存部分Bを残して可撓性ベースフイルム26から剥離された後、長尺状感光性ウエブ22は、テンション制御機構66によってテンション調整が行われ、次いで、撮影部47において、所定の撮影タイミングでハーフカット部位34a及び基準片67を含む長尺状感光性ウエブ22の画像が撮影される。
【0053】
撮影部47によって取得した画像情報は、画像検査制御盤120において、ハーフカット部位34aの位置ずれ量が算出され、次いで、ラミネータ制御盤122において、長尺状感光性ウエブ22の送り量の補正処理が行われる。なお、画像検査制御盤120及びラミネータ制御盤122における補正処理の詳細については、後述する。
【0054】
撮影部47を通過した長尺状感光性ウエブ22は、貼り付け機構46に搬送されることで、ガラス基板24に対する感光性樹脂層28の転写処理(ラミネート)が行われる。
【0055】
貼り付け機構46では、当初、ゴムローラ80a、80bが離間した状態に設定されており、ゴムローラ80a、80b間の所定位置に長尺状感光性ウエブ22のハーフカット部位34aが位置決めされた状態において、長尺状感光性ウエブ22の搬送が一旦停止される。この状態において、基板供給機構45を構成する基板加熱部74によって所定温度に加熱されたガラス基板24の先端部が搬送部76によってゴムローラ80a、80b間に搬入されると、加圧シリンダ84の作用下にバックアップローラ82b及びゴムローラ80bが上昇し、ゴムローラ80a、80b間にガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22が所定のプレス圧力で挟み込まれる。なお、ゴムローラ80a、80bは、所定のラミネート温度に加熱されている。
【0056】
次いで、ラミネータ制御部136の制御下にモータ制御部138を介して駆動モータ140が駆動されることでゴムローラ80a、80bが回転し、ガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22が矢印Y方向に搬送される。この結果、感光性樹脂層28が加熱溶融されてガラス基板24に転写(ラミネート)される。
【0057】
なお、ラミネート条件としては、速度が1.0m/min〜10.0m/min、ゴムローラ80a、80bの温度が80℃〜140℃、前記ゴムローラ80a、80bのゴム硬度が40度〜90度、該ゴムローラ80a、80bのプレス圧(線圧)が50N/cm〜400N/cmである。
【0058】
ガラス基板24に対して長尺状感光性ウエブ22の一枚分のラミネートが終了すると、ゴムローラ80a、80bの回転が停止される一方、長尺状感光性ウエブ22がラミネートされたガラス基板24である感光性積層体100の先端部が基板搬送ローラ92によりクランプされる。このとき、ゴムローラ80a、80b間の所定位置には、ハーフカット部位34bが配置される。
【0059】
そして、ゴムローラ80bが、ゴムローラ80aから離間する方向に退避してクランプが解除されるとともに、基板搬送ローラ92の回転が低速で再び開始され、感光性積層体100が矢印Y方向に保護フイルム30の残存部分Bの幅Mに対応する距離だけ搬送され、次のハーフカット部位34aがゴムローラ80aの下方付近の所定位置に搬送された後、ゴムローラ80a、80bの回転が停止される。なお、長尺状感光性ウエブ22をハーフカット部位34a、34b間だけ搬送する処理を、以下において「基板間送り」という。
【0060】
一方、前記の状態において、基板供給機構45を介して次なるガラス基板24が貼り付け位置に向かって搬送される。以上の動作が繰り返されることにより、感光性積層体100が連続的に製造される。
【0061】
その際、感光性積層体100は、図4に示すように、それぞれの端部同士が保護フイルム30の残存部分Bによって覆われている。従って、感光性樹脂層28がガラス基板24に転写される際、ゴムローラ80a、80bが前記感光性樹脂層28により汚れることがない。
【0062】
貼り付け機構46でラミネートされた感光性積層体100は、カッタ機構48によってガラス基板24間の長尺状感光性ウエブ22が切断されることで分離される。なお、分離された感光性積層体100には、可撓性ベースフイルム26が装着されており、この可撓性ベースフイルム26がガラス基板24間の保護フイルム30とともに剥離された後、次の処理工程に供給される。
【0063】
次に、図6に示すフローチャートに従い、長尺状感光性ウエブ22の送り量の補正処理について説明する。
【0064】
先ず、オペレータは、タッチパネル等からなる操作表示部134を用いて補正条件を指定する(ステップS1)。
【0065】
この場合、操作表示部134では、補正条件として、例えば、感光性積層体100の枚数を指定し、指定された枚数以降の感光性積層体100から補正処理を開始するようにラミネータ制御盤122に指示することができる。この補正条件を指定することにより、製造装置20が高精度に調整されている製造開始当初において、補正を行うことなく感光性積層体100を効率的に製造することが可能となる。
【0066】
また、補正条件として、補正処理を行う頻度を指定することができる。例えば、画像検査制御盤120によって算出されたハーフカット部位34aの位置ずれ量を毎回ラミネータ制御盤122にフィードバックして補正処理を行うのか、算出された位置ずれ量の平均値を求め、その平均値を用いて何回かに1回の補正処理を行うのか、あるいは、位置ずれ量を何回かに1回算出して補正処理を行うのか、といった補正処理の頻度を指定することができる。
【0067】
また、補正条件として、算出された位置ずれ量に許容範囲を設定し、位置ずれ量が許容範囲内にあるときのみ補正処理を行い、許容範囲外の場合には、例えば、操作表示部134により警告等を行い、製造装置20の動作を一旦停止させるような指定を行うことができる。
【0068】
補正条件が指定された後、ハーフカット制御部130は、画像検査制御盤120のシャッタ制御部124に対して、加工機構36によって長尺状感光性ウエブ22に形成されたハーフカット部位34aが撮影部47の基準位置に到達するまでの規定送り量に対応する規定パルス数を設定する(ステップS2)。この場合、規定パルス数は、例えば、ハーフカット部位34a、34bが加工機構36から撮影部47の基準位置まで移動する間に長尺状感光性ウエブ22が延び縮みしないことを条件として、先行するハーフカット部位34aの位置に次のハーフカット部位34aが到達するまでの間にロータリエンコーダ51から出力されるパルス信号のパルス数として設定することができる。
【0069】
そこで、ハーフカット制御部130は、加工機構36を制御して長尺状感光性ウエブ22にハーフカット部位34a、34bが形成すると同時に(ステップS3)、ロータリエンコーダ51に対してパルスカウント開始信号を出力し、ロータリエンコーダ51がパルス数のカウントを開始する(ステップS4)。
【0070】
次いで、ハーフカット部位34a、34bの形成された長尺状感光性ウエブ22が搬送され、ハーフカット部位34aが撮影部47の撮影領域142(図7、図8参照)に到達し、ロータリエンコーダ51によりカウントされたパルス数が、ステップS2で設定した規定パルス数に一致したとき(ステップS5)、シャッタ制御部124は、CCDカメラ72に対してシャッタ信号を出力する。
【0071】
このとき、二次元光源69が駆動されて照明光が長尺状感光性ウエブ22に照射され、基準片67及びハーフカット部位34aを撮影領域142に含む長尺状感光性ウエブ22の画像がCCDカメラ72によって撮影される(ステップS6)。CCDカメラ72によって撮影された画像は、画像情報として画像処理部126に送信され、所定の画像処理が施されることにより、基準片67及びハーフカット部位34aの位置情報が取得される(ステップS7)。取得された位置情報は、位置ずれ量算出部128に送信され、基準片67を基準として設定された基準位置に対するハーフカット部位34aの位置の位置ずれ量ΔKが算出される(ステップS8、図7、図8参照)。
【0072】
算出されたハーフカット部位34aの位置ずれ量ΔKは、制御パルス補正部132に送信された後、操作表示部134で指定された補正条件に従って基板間送りパルス数の補正が行われる(ステップS9、S10)。なお、ハーフカット部位34aを毎回検出して補正処理を行わない場合には、補正処理をスキップする回数に従ってステップS3〜S9の処理を繰り返すことになる。
【0073】
制御パルス補正部132によって補正された基板間送りパルス数は、ラミネータ制御部136に送信される。ラミネータ制御部136は、送信された基板間送りパルス数に基づき、モータ制御部138を介して駆動モータ140を制御し(ステップS11)、基板間送り量を調整する。
【0074】
図9は、長尺状感光性ウエブ22のラミネート制御、及び、補正された基板間送りパルス数に基づく基板間送り制御の説明図である。
【0075】
ラミネータ制御部136は、ガラス基板24の先端部に対して、図12に示す距離Kだけずらせた位置に長尺状感光性ウエブ22のハーフカット部位34aを合わせた状態でラミネートを行った後(ラミネート1)、長尺状感光性ウエブ22の搬送を一旦停止させる。次いで、補正された基板間送りパルス数に従い、低速で長尺状感光性ウエブ22を基板間送りすることにより、次のハーフカット部位34aがゴムローラ80a、80b間の所定位置となるように設定した後、ゴムローラ80a、80b間にガラス基板24を供給し、再びガラス基板24に長尺状感光性ウエブ22をラミネートする(ステップS12、ラミネート2)。
【0076】
ここで、基板間送り処理を行う際、図7に示すように、ハーフカット部位34aの位置が加工機構36側に位置ずれ量ΔKだけずれている場合には、位置ずれ量ΔKに従って基板間送りパルス数を増やし、図9のパターン144aで基板間送り制御を行う。また、図8に示すように、ハーフカット部位34aの位置がゴムローラ80a、80b側に位置ずれ量ΔKだけずれている場合には、位置ずれ量ΔKに従って基板間送りパルス数を減らし、図9のパターン144bで基板間送り制御を行う。
【0077】
このようにして基板間送り制御を行うことにより、ガラス基板24に対するハーフカット部位34aの位置を所望の位置に調整し、高品質な感光性積層体100を製造することができる。また、ガラス基板24に対する長尺状感光性ウエブ22の貼り付け位置の調整処理は、製造装置20の動作を停止させることなく行うことができるため、感光性積層体100を効率的に製造することができる。さらに、撮影部47の位置は、ハーフカット部位34a、34bの設定送り量に対応する基板間送りパルス数を調整することで、加工機構36と貼り付け機構46との間の任意の位置に設定することができる。
【0078】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る感光性積層体の製造装置200の概略構成図である。なお、第1の実施形態に係る感光性積層体の製造装置20と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0079】
製造装置200は、ガラス基板24に貼り付けられた長尺状感光性ウエブ22から残存する可撓性ベースフイルム26を連続的に剥離するように構成されたものであり、貼り付け機構46の下流側には、搬送路88に沿って、ラミネートされたガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22を冷却する冷却機構202と、可撓性ベースフイルム26を感光性樹脂層28から連続的に剥離するベース剥離機構204とが順に配設される。
【0080】
ベース剥離機構204は、プレ剥離部206と、小径な剥離ローラ208と、巻き取り軸210と、自動貼り付け機212とを備える。巻き取り軸210は、駆動時にトルク制御して可撓性ベースフイルム26に張力を付与する一方、例えば、剥離ローラ208に張力検出器(図示せず)を設けることにより、張力のフィードバック制御を行うことが好ましい。プレ剥離部206は、ガラス基板24間で昇降可能な剥離バー214を備える。
【0081】
貼り付け機構46においてラミネートされたガラス基板24及び長尺状感光性ウエブ22は、冷却機構202によって冷却された後、ガラス基板24間の長尺状感光性ウエブ22がプレ剥離部206を構成する剥離バー214によって上方に押し上げられ、これによって可撓性ベースフイルム26の一部が感光性樹脂層28より剥離される。次いで、感光性樹脂層28の貼り付けられたガラス基板24が矢印Y方向に搬送される一方、可撓性ベースフイルム26が剥離ローラ208を介して巻き取り軸210に巻き取られることにより、可撓性ベースフイルム26が感光性樹脂層28から連続的に剥離されてガラス基板24間が分離され、感光性積層体100が製造される。
【0082】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、1本の感光性ウエブロール23から供給される長尺状感光性ウエブ22をガラス基板24に貼り付けることにより、いわゆる、一丁張りの感光性積層体100を製造するように構成しているが、例えば、2本の感光性ウエブロールや、3本以上の感光性ウエブロールから長尺状感光性ウエブ22を供給してガラス基板24に貼り付け、いわゆる、2丁張り、3丁張り等の感光性積層体を製造するように構成してもよい。
【0083】
また、長尺状感光性ウエブ22の送り量を検出するロータリエンコーダ51は、加工機構36の前段のローラ対50に連結しているが、撮影部47の上流側の所望の位置、例えば、サクションドラム62に連結し、サクションドラム62の回転量を検出するように構成してもよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、一方のハーフカット部位34aの位置ずれ情報を取得して基板間送り量を補正するようにしているが、他方のハーフカット部位34bの位置ずれ情報を取得して基板間送り量を補正することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る製造装置の概略構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る製造装置に使用される長尺状感光性ウエブの断面図である。
【図3】長尺状感光性ウエブに接着ラベルが接着された状態の説明図である。
【図4】ハーフカット部位を形成する加工機構、ハーフカット部位の位置ずれ情報を取得する撮影部、及び、貼り付け機構の配置関係説明図である。
【図5】ハーフカット部位の位置ずれ情報に基づき、基板間送り制御の補正処理を行う回路構成ブロック図である。
【図6】ハーフカット部位の位置ずれ情報に基づき、基板間送り制御の補正処理を行うフローチャートである。
【図7】撮影部によって取得されるハーフカット部位の位置ずれ情報の説明図である。
【図8】撮影部によって取得されるハーフカット部位の位置ずれ情報の説明図である。
【図9】長尺状感光性ウエブのラミネート制御及び基板間送り制御の説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る製造装置の概略構成図である。
【図11】従来技術に係る製造装置の概略構成図である。
【図12】長尺状感光性ウエブに形成されたハーフカット部位と、長尺状感光性ウエブが貼り付けられる基板との位置関係説明図である。
【符号の説明】
【0086】
20、200…製造装置
22…長尺状感光性ウエブ
24…ガラス基板
26…可撓性ベースフイルム
28…感光性樹脂層
30…保護フイルム
34a、34b…ハーフカット部位
36…加工機構
45…基板供給機構
46…貼り付け機構
47…撮影部
51…ロータリエンコーダ
69…二次元光源
72…CCDカメラ
80a、80b…ゴムローラ
100…感光性積層体
120…画像検査制御盤
122…ラミネータ制御盤
124…シャッタ制御部
126…画像処理部
128…位置ずれ量算出部
130…ハーフカット制御部
132…制御パルス補正部
134…操作表示部
136…ラミネータ制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造装置において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測する送り量計測部と、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中に配置され、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得する位置ずれ情報取得部と、
前記位置ずれ情報を取得するため、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で前記位置ずれ情報取得部を付勢する付勢部と、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正する送り量補正部と、
を備えることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の製造装置において、
前記位置ずれ情報取得部は、前記加工部位を含む前記長尺状感光性ウエブの画像を撮影するカメラを備えることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項3】
請求項2記載の製造装置において、
前記付勢部は、前記カメラのシャッタを制御するシャッタ制御部からなることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項4】
請求項2記載の製造装置において、
前記カメラと前記長尺状感光性ウエブとの間に、前記基準位置を規定する基準片を配設し、前記カメラは、前記加工部位及び前記基準片を含む画像を撮影することを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項5】
請求項1記載の製造装置において、
前記送り量補正部による補正条件を設定する補正条件設定部を備えることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項6】
支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造方法において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測するステップと、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中において、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得するステップと、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正するステップと、
からなることを特徴とする感光性積層体の製造方法。
【請求項1】
支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造装置において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測する送り量計測部と、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中に配置され、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得する位置ずれ情報取得部と、
前記位置ずれ情報を取得するため、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で前記位置ずれ情報取得部を付勢する付勢部と、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正する送り量補正部と、
を備えることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の製造装置において、
前記位置ずれ情報取得部は、前記加工部位を含む前記長尺状感光性ウエブの画像を撮影するカメラを備えることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項3】
請求項2記載の製造装置において、
前記付勢部は、前記カメラのシャッタを制御するシャッタ制御部からなることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項4】
請求項2記載の製造装置において、
前記カメラと前記長尺状感光性ウエブとの間に、前記基準位置を規定する基準片を配設し、前記カメラは、前記加工部位及び前記基準片を含む画像を撮影することを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項5】
請求項1記載の製造装置において、
前記送り量補正部による補正条件を設定する補正条件設定部を備えることを特徴とする感光性積層体の製造装置。
【請求項6】
支持体上に感光材料層と保護フイルムとが順に積層されてなる長尺状感光性ウエブを送り出し、前記保護フイルムの剥離部分と残存部分との境界位置に対応する加工部位を、前記保護フイルムから前記感光材料層に至る部分に形成し、前記保護フイルムの前記剥離部分を剥離した後、所定の間隔で供給される基板とともに前記長尺状感光性ウエブを加熱された一対の圧着ローラ間に連続的に送り出し、前記基板間に前記保護フイルムの前記残存部分を配置するとともに、露出した前記感光材料層を前記基板に貼り付けることで感光性積層体を製造する感光性積層体の製造方法において、
前記加工部位が形成された前記長尺状感光性ウエブの送り量を計測するステップと、
前記加工部位を形成する加工部と前記圧着ローラとの間における前記長尺状感光性ウエブの搬送路中において、計測された前記送り量が所定の設定送り量となった時点で、基準位置に対する前記加工部位の位置ずれ情報を取得するステップと、
取得した前記位置ずれ情報に基づき、前記長尺状感光性ウエブの前記圧着ローラに対する送り量を補正するステップと、
からなることを特徴とする感光性積層体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−213150(P2008−213150A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49509(P2007−49509)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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