説明

感光性色素を含むキット

口腔用組成物に感光性色素として一般的に安全とみなされる(GRAS)色素を使用することによって、有効な抗菌性および抗炎症性を提供することができる。実施態様としては、感光性色素を含む口腔ケア組成物、本組成物の製造方法、本組成物の使用方法、および、本組成物と光照射装置とを含むキットが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2009年12月21日付けで出願された米国仮特許出願第61/288,360号の優先権を主張する(これは、参照により本明細書に組み入れられる)。
【背景技術】
【0002】
[0002]歯磨き剤組成物は、口内の健康状態を提供するために広く用いられる。練り歯磨き、マウスリンス、チューインガム、食用ストリップ、パウダー、フォームなどの形態の歯磨き剤が、使用者に多数の利点を提供する多種多様の活性物質と共に調合されている。このような利点としては、なかでも特に、抗菌性、抗炎症性および抗酸化特性が挙げられる。このような特性のために、歯磨き剤は、窩洞、歯肉炎、歯垢、歯石、歯周疾患などの様々な口内の健康状態を予防または治療するための有用な治療剤となる。
【0003】
[0003]歯磨き剤組成物で用いられる抗菌剤としては、典型的には、化学物質または天然抽出物が挙げられる。適切な抗菌剤を開発する際に克服しなければならない主な問題は、細菌細胞への薬物取り込みである。グラム陰性およびグラム陽性細菌はそれらの外面の組成の点で異なっており、さらに抗菌剤に対して特に取り込みの面で異なる応答を示す。グラム陰性細菌の表面は高い負電荷を帯びているため、それらは、最もよく用いられる光増感剤を含む、中性またはアニオン性の薬物に対する浸透性が比較的低い。
【0004】
[0004]ある種の有機化合物(「光増感剤」)は、酸素の存在下で光を吸収することによって細胞死を誘導できることが知られている。このような細胞毒性効果には、I型および/またはII型の光酸化がある。このような光増感剤は、癌およびその他の病気または感染の光を用いた治療(光線力学療法または「PDT」)、ならびに光誘起性の微生物破壊による表面および流体の滅菌(消毒を含む)における用途が見出されている。また、ある種の有色のフェノチアジニウム化合物(例えばメチレンブルー)はI型およびII型光酸化プロセスに関与する可能性があることも知られているが、これまでにこの種の化合物は光線力学療法のための増感剤としては不適切であるかまたは低い有効性しか有していないことが証明されており、または、光化学的な抗菌活性しか示されてこなかった。PDTにおいて適用する場合、優れた増感剤は、以下の特性のうち少なくともいくつか、好ましくは全てを有していなければならない。最も重要なことには、それが、光に晒された際に標的細胞(例えば腫瘍細胞または細菌細胞)の破壊を効率的に引き起こすべきことである、このような光増感剤を用いたPDT処理は、標的組織と正常な組織との間で高度な選択性を示さなければならない。このような増感剤は比較的低い暗所での毒性を有するべきであり、患者の皮膚における光線過敏症はほとんどまたは全く起こらないべきである。このような増感剤は、患者と病院にとっての利便性に加えて治療費を最小化するために、薬物処置と光線での処置との短いインターバルを有するべきである。
【0005】
[0005]多種多様の光増感剤が細菌において調査されている。その例としては、フェノチアジニウム化合物、フタロシアニン、クロリン、および、天然に存在する光増感剤が挙げられる。グラム陰性細菌に取り込ませるには、カチオン性誘導体が最も有効であるとみなされている。フェノチアジニウム化合物は青色の色素であり、600〜700nmの波長で最大吸収を示す。これらは非光線力学的な抗菌特性に関して研究されているが、メチレンブルーおよびトルイジンブルー以外に光線力学的に調査されているものはほとんどない。しかしながらメチレンブルーおよびトルイジンブルーは極めて高い毒性を有する。結果的に、口腔ケア用途で使用するにはより安全な代替の光増感剤が望ましいと思われる。
【0006】
[0006]様々な口内の障害(例えば歯垢など)は細菌によって引き起こされると考えられる。歯肉炎は、歯を支える歯肉および歯槽骨の炎症または感染である。歯肉炎は、一般的に、口内細菌(具体的には歯垢形成中に活性化する細菌)、および、細菌から副産物として形成された毒素によって引き起こされると考えられている。このような毒素は口内で口腔組織の炎症を惹起すると考えられる。歯肉炎は、歯肉が炎症を起こし歯から後退し始めてポケットが形成されることをいい、最終的には骨と歯根膜が破壊される可能性があるが、これと比較して歯周炎は、病気が徐々に悪化した状態のことである。歯列を支える構造の細菌感染としては歯肉炎や歯周炎があるが、さらに外科的介入の結果として起こる例えば下顎骨などの骨の感染等も挙げられる。さらに口腔組織の炎症は、外科手術、局所的な傷害、外傷、壊死、不適切な口腔内の衛生状態または様々な全身性の原因によって引き起こされる可能性もある。
【0007】
[0007]一般的には、これらの病気および状態に関連する細胞の構成要素としては上皮組織、歯肉線維芽細胞および循環白血球が挙げられ、これらはいずれも細菌によって生じた病原因子に対する宿主反応に寄与すると考えられる。このような口腔感染に関与する最も一般的な病原菌は、連鎖球菌属(例えばストレプトコッカス・ミュータンス)、ポルフィロモナス属、アクチノバチルス属、バクテロイド属、および、ブドウ球菌属、フゾバクテリウム・ヌクレアタム、ベイヨネラ・パルブラ、アクチノマイセス・ネスランディイ、および、ポルフィロモナス・ジンジバリスである。このような細菌感染がしばしばこれらの口腔病気の多くにおいて病因となる現象であるが、このような病気の病因は宿主反応の介在によるものである。感染部位で見られる活動過多の主な原因は、循環多形核好中球(PMN)である。典型的に言えば、PMNおよびその他の炎症の細胞性媒介物質は機能亢進状態になり、感染巣周辺の組織の破壊に部分的に関与する有毒化学物質を放出する。
【0008】
[0008]当業界において細菌感染に起因する口内の障害を予防および治療するための様々な組成物が説明されている。具体的には、アラキドン酸代謝産物によって引き起こされる歯周疾患や炎症性疾患に罹った患者を治療するため、アラキドン酸経路から誘導された炎症性メディエータの蓄積を防ぐために、非ステロイド系抗炎症薬(NSAlD)の利用が功を奏している。実験および臨床データから、インドメタシン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセンおよびメクロフェナミン酸は、歯科系病気モデルにおける歯槽骨減少ならびにプロスタグランジンおよびロイコトリエンの減少に対して有意な改善効果を有することが示されている。しかしながら、NSAID常用の主要な不利益の一つは、胸やけ、胃潰瘍、胃腸出血および毒性の発生が起こり得ることである。
【0009】
[0009]その他の治療方法としては、原因となる感染を除去するための抗菌性治療剤および抗生物質の使用が挙げられる。所定の抗生物質およびその他の抗菌性治療剤は、口腔粘膜の潰瘍形成、剥離性歯肉炎の誘導、変色、長期使用後の抗生物質耐性の可能性、加えて過敏による組織炎症の悪化を引き起こす可能性がある。
【0010】
[00010]歯を白色化したり、歯垢を処置したり、および/または、歯垢が集中している領域が使用者に見えるように照射の際に細菌に付着して細菌を明らかにしたりするための様々な波長および強度の光の使用が提唱されている。細菌を処置するために、光単独の使用、または、抗菌剤として光源と共にメチレンブルーまたはトルイジンブルーのような光増感剤を用いることによる光の使用が提唱されている。例えば米国特許第5,611,793号、6,616,451号、7,090,047号、7,354,448号、および、米国特許出願公開公報第2004/0091834号、2006/0281042号、2006/0093561号、および、2009/0285766号(これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,611,793号
【特許文献2】米国特許第6,616,451号
【特許文献3】米国特許第7,090,047号
【特許文献4】米国特許第7,354,448号
【特許文献5】米国特許出願公開公報第2004/0091834号
【特許文献6】米国特許出願公開公報第2006/0281042号
【特許文献7】米国特許出願公開公報第2006/0093561号
【特許文献8】米国特許出願公開公報第2009/0285766号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これらのシステムの多くは、レーザー光(これは、本質的に危険である)、または、使用者または口腔表面上のいずれかにとって望ましくない熱を発する波長および強度を有する光のいずれかを使用している。従って、安全で有効であり、使用中に使用者の手または口腔にダメージを与えない比較的低い強度の光源を利用する感光性組成物を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[00011]一般的に安全とみなされている(generally regarded as safe, GRAS)色素は、慣習的に着色剤として口腔ケア組成物に用いられているが、吸収性の可視光を照射すると強い抗菌活性を有すること、さらに、抗菌活性が極めて迅速に、好ましくは2分未満で付与されることが見出された。また発明者等はさらに、本明細書において説明されるGRAS色素は、照射がなされない状況下では活性化せず、抗菌活性をほとんど示さないかまったく示さないことも見出した。しかしながらそれらの抗菌特性は吸収性の可視光の存在下で活性化する。
【0014】
[00012]実施態様の特徴によれば、少なくとも1種の感光性色素、酸素発生剤または酸素キャリアー、および、口腔内で許容され視覚的に透明なキャリアーを含む視覚的に透明な口腔用組成物が提供される。その他の実施態様によれば、実質的に唾液と類似した屈折率を有する口腔用組成物を提供するために、口腔内で許容されるキャリアーは実質的に唾液と類似した屈折率を有する。
【0015】
[00013]本発明はまた、発明のいずれかの形態に係る視覚的に透明な口腔用組成物の、本被検体における微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するための医薬品の製造における使用も提供し、ここで本治療および/または予防は:a)視覚的に透明な口腔用組成物を投与すること;および、b)本組成物が投与される領域に、少なくとも1種の感光性色素に吸収される波長で光を照射すること、を含む。
【0016】
[00014]本組成物は、被検体の口腔内で微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防することにおいて有用である可能性がある。例えば本組成物は、歯根膜、歯肉および/または口臭の状態を治療および/または予防するのに有用である可能性がある。例えばこのような状態としては、これらに限定されないが、歯肉炎、歯垢形成、窩洞の形成、歯周炎、齲歯、歯根齲食、根管の感染、根尖性歯周炎などが挙げられる。また本組成物は、齲歯の病巣内部の深いところにある細菌を制御したり、または、細菌性バイオフィルムを除去したりするのにも有用である可能性がある。
【0017】
[00015]本発明の所定の実施態様はまた、被検体における微生物によって引き起こされる状態の治療および/または予防方法も含み、ここで本方法は、口腔の微生物を含む疑いのある領域に380nm〜780nmの波長で、1J/cm〜450J/cmの線量で、約1〜約500mW/cmの出力密度で、1秒〜120分間、可視光を照射することを含む。その他の実施態様は、口腔に感光性色素を投与すること、続いて色素が投与された領域に光を照射することを含む。従ってこの実施態様は、a)本発明のいずれかの形態の視覚的に透明な口腔ケア組成物を投与すること;および、b)本組成物が投与される領域に、少なくとも1種の感光性色素に吸収される波長で光を照射すること、を含む。いくつかの実施態様において、本方法は、炎症を起こしている組織または細菌を含む組織に、炎症を減少させるおよび/または細菌を減少または除去するのに十分な波長で単に光を照射することを包含する。
【0018】
[00016]本方法は、被検体の口腔内で微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するためのものであり得る。例えば、本方法は、歯根膜、歯肉および/または口臭の状態を治療および/または予防するためのものであり得る。例えばこのような状態としては、これらに限定されないが、歯肉炎、歯垢形成、窩洞の形成、歯周炎、齲歯、歯根齲食、根管の感染、根尖性歯周炎などが挙げられる。また本方法は、齲歯の病巣内部の深いところにある細菌を制御したり、または、細菌性バイオフィルムを除去したりするためのものであり得る。
【0019】
[00017]視覚的に透明な口腔ケア組成物中に、少なくとも1種の感光性色素が所定量で含まれていてもよい。照射の手順は、120分またはそれより短時間で行うことができる。照射は、例えば、1秒〜120分行ってもよいし、場合によっては2秒〜15分行ってもよい。照射を行う時間は、用いられる感光性色素のタイプ、および、用いられる光のタイプによって決められる。
【0020】
[00018]いくつかの実施態様において、照射プロセスにおいて用いられる光は、典型的には380nm〜1450nmの範囲内の波長、より好ましくは400nm〜780nmの範囲内の波長を有する。工程(b)において用いられる光の線量は、1〜500mW/cmの出力密度で1J/cm〜450J/cmの範囲であり得る。
【0021】
[00019]その他の実施態様によれば、本発明はまた、被検体における微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するためのキットも提供し、ここで本キットは、少なくとも1種の適切な容器中に配置された、本発明のいずれかの形態に係る視覚的に透明な口腔ケア組成物を含む。本キットは、光を適切な波長、適切な投与量および適切な出力で放出することができる光照射装置をさらに含んでいてもよい。このような光照射装置は、視覚的に透明な口腔ケア組成物を口腔に適用して、さらに本組成物が投与される領域に照射が可能なアプリケーター内に含まれていてもよい。本キットは、被検体の口腔内で微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するのに有用である可能性がある。例えば本キットは、歯根膜、歯肉および/または口臭の状態を治療および/または予防するのに有用である可能性がある。このような状態は、上述した状態に加えてそれに関連する状態も含むものであり、本キットは、齲歯の病巣内部の深いところにある細菌を制御したり、または、細菌性バイオフィルムを除去したりするために用いられる可能性がある。
【0022】
[00020]本発明の実施態様のその他の特徴によれば、本発明のいずれかの形態に係る視覚的に透明な口腔ケア組成物の製造方法が提供される。本方法は:a)構成要素を適切に分散して視覚的に透明なキャリアーが得られるような方法でキャリアーの構成要素を混合することによって、口腔内で許容され視覚的に透明なキャリアーを製造すること;および、b)a)の混合物に少なくとも1種の感光性色素を添加すること、を含んでいてもよい。
【0023】
[00021]これらの実施態様は、既知の抗菌剤治療を超える多数の利点を提供する。これらの実施態様は、毒性のまたは危険な光増感剤を利用しない。これらの実施態様はまた、レーザーまたはその他の高出力の光照射装置よりも安全な可視スペクトルのより低い出力の光を用いた有効な抗菌剤治療も提供する。加えて、歯周ポケットにおける活性成分(GRAS色素/光増感剤)の使用は、従来の抗菌剤を用いた場合に高濃度で何時間も要したのとは異なり、比較的低濃度でよい。これは、口腔ケアに抗菌剤を使用する従来技術(抗菌剤は時間経過に伴いほとんど枯渇する)との重要な差である。光増感剤は触媒のように繰り返し使用されて、抗菌性の利点をもたらすのに十分な量の一重項酸素またはその他のラジカル種を生産することができる。これらおよびその他の利点は、本明細書において説明される実施態様の使用によって得ることができる。
【0024】
[00022]以下に示す詳細な説明から、本発明を適用することができるさらなる分野が明らかになるであろう。当然のことながら、本発明の好ましい実施態様を示したが、詳細な説明および具体例は単に説明を目的としたものであり、本発明の範囲を限定することは目的としないこととする。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[00023]本明細書に示した発明の詳細な説明を参照する際に、以下の定義および非限定的なガイドラインを考慮に入れなければならない。本明細書において用いられる見出し(例えば「背景」および「要約」)および下位の見出し(例えば「組成物」および「方法」)は、単に発明の開示に記載されたトピックの一般的な構成を示すためのものであり、発明の開示またはそれらのあらゆる形態を限定することは目的としない。具体的に言えば、「背景」で開示された主題は、本発明の範囲内の技術の形態を含んでいてもよく、従来技術の詳述を構成していなくてもよい。「要約」で開示された主題は、本発明の全範囲のすべてまたはそれらのあらゆる実施態様を網羅した完全な開示ではない。例えば、具体的な有用性を有する(例えば「活性物質」または「キャリアー」成分である等)というような本明細書のセクション内の物質の分類または考察は便宜上なされたものであり、その材料が提示されたいずれかの組成物で用いられる場合、本明細書におけるその分類に従って必ずまたはもっぱら機能しなければならないという推論がなされるべきではない。
【0026】
[00024]本明細書において参考文献が引用されていても、これらの参考文献が従来技術であること、または、本明細書において開示された発明の特許性に何らかの関連性を有することを認めることにはならない。導入部に引用された参考文献の内容のあらゆる考察は、単に参考文献の著者によってなされた主張の概説を示すことを目的としており、このような参考文献の内容が正しいという自認を構成するものではない。
【0027】
[00025]詳細な説明および具体例は、本発明の実施態様を示すとともに単なる説明を目的としたものであり、本発明の範囲を限定することは目的としない。その上、述べられた特徴を有する複数の実施態様の詳述は、追加の特徴を有するその他の実施態様、または、述べられた特徴の異なる組み合わせを包含するその他の実施態様を排除することは目的としない。本発明の組成物および方法をどのように製造および使用するかを説明するために具体例を示したが、これは、特に他の規定がない限り、本発明の所定の実施態様がすでに製造または試験されているか、または未だされていないかを表示するものではない。
【0028】
[00026]本明細書で用いられるように、用語「好ましい」および「好ましくは」は、所定の環境下で所定の利点を提供する本発明の実施態様を意味する。しかしながら、同じ環境またはその他の環境下で、その他の実施態様が好ましい場合もある。さらにその上、1またはそれより多くの好ましい実施態様が詳述されているが、これは、それ以外の実施態様が有用ではないことを意味するものではなく、本発明の範囲からその他の実施態様を排除することは目的としない。加えて、本組成物および方法は、ここで説明される要素を含んでもよいし、実質的にそれらからなっていてもよいし、または、それらからなっていてもよい。
【0029】
[00027]全体で用いられているように、範囲は、その範囲内に含まれるそれぞれ個々の値を説明するための省略表現として用いられる。その範囲内のどの値を範囲の末端として選択してもよい。加えて、本明細書において引用された全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が本発明に組み入れられる。本発明の開示における定義と引用された参考文献における定義とで食い違いがある場合には、本発明の開示が優先する。
【0030】
[00028]特に他の規定がない限り、本章およびそれ以外の明細書中のあらゆる所に記載された全てのパーセンテージおよび量は、質量に基づくパーセンテージを意味するものと理解されることとする。示された量は、物質の有効な質量に基づく。構成要素のそれぞれの量について述べているのかまたは実施態様のその他の特徴について述べているのかに関わらず、本明細書における具体的な値の詳述は、測定中の誤差を考慮するために変動の程度をプラスまたはマイナスした値を示すこととする。例えば、10%で示される量には、当業界における通常の技術を有するものであれば認識し熟知していると予想される測定中の誤差の程度を考慮すれば、9.5%、または、10.5%が含まれていてもよい。
【0031】
[00029]本明細書で用いられる「抗菌活性」は、本明細書において、一般的に容認されたインビトロまたはインビボの抗菌分析または試験のいずれかによって決定された活性を意味する。「抗炎症活性」は、本明細書において、一般的に容認されたインビトロまたはインビボの分析または試験のいずれかによって決定された活性を意味し、このような分析または試験としては、例えばプロスタグランジン生産またはシクロオキシゲナーゼ活性の阻害に関する分析または試験が挙げられる。「抗酸化活性」は、本明細書において、一般的に容認されたインビトロまたはインビボの抗酸化剤分析または試験のいずれかによって決定された活性を意味する。
【0032】
[00030]「口腔表面」は、本明細書において、口内のあらゆる軟質または硬質の表面を包含し、例えば、舌の表面、硬口蓋および軟口蓋、頬粘膜、歯肉および歯の表面が挙げられる。「歯の表面」は、本明細書において、天然の歯の表面、または、クラウン、キャップ、充填材、ブリッジ、義歯、歯科用インプラントなどを含む人工的な歯の硬質の表面のことである。用語「〜を阻害すること」は、本明細書において例えば口腔組織における炎症のような状態に関して、上記状態の予防、抑制、程度または重症度の低減または改善を包含する。
【0033】
[00031]本発明の口腔ケア組成物は、口腔表面への適用に適していればどのような形態であってもよい。上述の様々な実施態様において、本組成物は、洗浄、リンスまたはスプレーするのに適した液状溶液;歯磨き剤、例えばパウダー、練り歯磨き、または、歯科用ゲル;歯根膜用ゲル;歯の表面を塗装するのに適した液体(例えば液状ホワイトニング剤);チューインガム;溶解性の、部分的に溶解可能な、または非溶解性のフィルムまたはストリップ(例えばホワイトニング用ストリップ);ビーズ(例えばゼラチンに封入された組成物)、ウエハー;ロゼンジ、拭き取り繊維、または、ウェットティッシュ;インプラント;マウスリンス、フォーム、デンタルフロスなどであり得る。本組成物は、上記で列挙したに加えて活性成分および/またはキャリアー成分を含んでいてもよい。
【0034】
[00032]好ましい口腔ケア組成物としては、歯磨き剤、口腔用リンス、口腔用ストリップ、ロゼンジ、ビーズ、リポソーム、ミセル、逆ミセル、マイクロまたはナノカプセル封入された容器、酵素、タンパク質、細菌を標的としたペプチド/低分子物質、ゲル、ゾル−ゲル、ヒドロゲル、シリカ、有機ゼオライト、無機シリカ、例えば歯磨き剤中に含まれる無機シリカ、ペイントオンタイプの組成物、口腔用パッチ、ポリマー、スプレー、煙吸引装置、フォーム、チューインガム、口腔内の衛生または効能のために用いられる歯ブラシのヘッドを行き来させるためのオイルまたはその他の製品から選択されるものが挙げられる。またこれらの製品は、口腔内を治療するための光吸収性の化学種を内因的に含むか、または、それらを混入させることができる食品、液体およびプロバイオティクスを含んでいてもよい。
【0035】
[00033]この説明全体にわたり、「視覚的に透明な」という表現は、組成物が有色である可能性があるとしても、透き通った材料または透明な材料に近いまたはそれと同程度の透明度を有する材料を意味する。透明度は、好ましくは、組成物の厚さ全体の光透過率および/またはヘイズ(透過した可視光、散乱した可視光の%)の測定によって決定される。全体の光透過率の範囲は、80〜100であり、特に88〜95であり、ヘイズの範囲は、<3.5%であり、特に<2.5%であることが好ましい。
【0036】
[00034]また本発明に係る視覚的に透明な組成物は、透明な器具(例えば透明なフィルムまたはガラス)を通過した光透過率と比較して、光密度を有意に減少させないものが好ましい、例えば、本口腔ケア組成物を透過した光量の減少は、透明なスライドガラスを透過した光量と比較して40%未満、好ましくは25%未満、より好ましくは10%未満であり得る。感光性色素を用いた場合の歯磨き剤スラリーを透過した光量の減少は、透明な器具を透過した光量と比較して20%未満、より好ましくは10%未満、最も好ましくは8%未満であり得る。いくつかの例において、感光性色素を用いた場合の歯磨き剤スラリーを透過した光が増加し、減少しない可能性もある。
【0037】
[00035]本明細書における活性物質またはキャリアー成分としての成分の分類は、明確化のためと、便宜上なされたものであり、組成物中で具体的な成分が本明細書におけるその分類に従って必ず機能するという推論がなされるべきではない。さらにある種の成分は複数の機能を果たす可能性があるため、1つの機能上の分類を例示しているような本明細書における成分の開示は、その成分が他の機能上の分類も示す可能性を排除するものではない。
【0038】
[00036]本明細書において説明される実施態様は、少なくとも1種の感光性色素、酸素発生剤または酸素キャリアー、および、口腔内で許容され視覚的に透明なキャリアーを含む視覚的に透明な口腔用組成物を含む。さらにある種の成分はその他の実施態様は、上述した通りの口腔用組成物であって、さらに口腔内で許容されるキャリアーを実質的に唾液と類似した屈折率にしたものであり、それによって実質的に唾液と類似した屈折率を有する口腔用組成物を提供することができる。
【0039】
[00037]本明細書において説明される口腔ケア組成物は、好ましくは、光散乱の量と程度を制限する成分で構成される。これは、抗菌作用または抗歯肉炎作用に要求される光線量を最小化し、それによって、本口腔用光照射装置で光を出力するのに必要な光学密度および全体的な電力消費を減少させると予想される。一実施態様において、例えば歯磨き剤は視覚的に透明であると予想され、その他の実施態様において、そのスラリー調合物の屈折率は、口腔内の唾液の屈折率と厳密に一致していると予想される。従って屈折率を一致させるのに使用できる成分は歯磨き剤において特に有益なものであると予想され、例えばソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)600が挙げられる。例えばシリカのような研磨剤および不透明な成分は、好ましくは最小限に(典型的には3質量%未満に)減少させるか、または、透明な研磨剤のヒドロゲルマイクロスフェアおよび/またはビーズのような比較的不透明ではないその他の研磨材で代用すべきである。このような歯磨き剤は、好ましくは、望ましい光の波長で光透過率を高める成分、および/または、光の透過を有意に減少させない成分で構成される。
【0040】
[00038]本口腔ケア組成物はまた、酸素発生剤または酸素キャリアーを含んでいてもよい。酸素発生剤は酸素を生産することができる化合物であり、酸素キャリアーは酸素を輸送することができる化合物であり、これらはいずれも酸素の利用率を高めるのに役立ち、従って一重項励起状態の収量も高める。適切な酸素発生剤または酸素キャリアーとしては、例えば、ハイドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボンまたはそれらの混合物が挙げられる。適切な化合物としては、これらに限定されないが、ペルフルオロデカヒドロナフタレン、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロヘキサン、オクタフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカン、ペルフルオロメチルデカリン、溶液状の次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素およびその他の過酸化物、DMSO、二酸化塩素、ならびにそれらの混合物が挙げられる。また本明細書において説明される組成物において有用な成分は、好ましくは、感光性色素の三重項状態の寿命、または、感光性色素の量子効率も高める。
【0041】
[00039]このような調合物は、好ましくは、所望の場所、すなわち、バイオフィルムを含む口腔の硬組織および/または軟組織のいずれかへの、感光性色素の結合および/または送達に役に立つと予想される成分を用いて製造される。例えば、細菌があるところに色素を輸送するには、細菌を標的とするタンパク質、ペプチドおよびその他の分子を用いてもよい。上記実施態様のこの形態は、細菌が口腔内の到達が困難な部位に存在するような場合に特に有用である。一実施態様において、このような感光性色素は食物またはガムに含ませてもよいし、または、このような色素を高濃度で含む食品を用いてもよい。光増感剤(例えば感光性色素)を含むことが知られている食材の例としては、これらに限定されないが、パセリ、アメリカボウフウ、トマト、および、ニンジンが挙げられる。
【0042】
[00040]また感光性色素は、水溶性で歯磨き剤全体に分散させてもよいし、または、ビーズ、ストリップまたは小型の容器中に含まれていてもよい。歯磨き剤のフレーバー成分としては、用いられる光の波長と光線の量に対して安定であり、さらに光増感剤に対して安定なものが使用できる。このようなフレーバーとしては、光の波長によって吸収されないものが好ましい。加えて歯磨き剤は、様々な消費者に許容される色を与えるために1種より多くの感光性色素または光増感剤を含んでいてもよい。GRAS色素の濃度を同様に保ちながら消費者にとって色の鮮明度が明るく見えるように、例えば酸化チタンが歯磨き剤調合物に含まれていてもよい。しかしながら、二酸化チタンが用いられる場合、組成物の光学的透明度が十分に維持されるような少ない量で使用されるものと予想される。
【0043】
[00041]本発明において有用な感光性色素は、好ましくは以下に示す特徴のうち1つまたはそれより多くを有する。好ましくは、上記色素は高い吸光係数を有する(>10Lmol−1cm−1)。例えばリボフラビンのモル吸光係数は約10,000である;および、ベータ−カロチンのモル吸光係数は180,000Lmol−1cm−1である。好ましくは、上記色素は、それらが三重項励起エネルギー状態にある場合、高い量子効率を有する(0.05、最大1.0)。加えて上記色素は、微生物の破壊に関して高い反応性を有する細胞毒性物質が生成されるように十分長い三重項エネルギーの寿命を有するべきである。最後に、上記色素は、一重項酸素、スーパーオキシドO、およびその他の破壊的なフリーラジカルまたは非ラジカル種に関して高い生成物収量を有することが好ましい。光増感剤の典型的な量子効率、項間交差の速度および収量、ならびに一重項酸素の形成は、“A compilation of singlet oxygen yields from biologically relevant molecules” Photochemistry & Photobiology, 1999, 70(4), 39 1-475で説明されている。
【0044】
[00042]感光性色素のその他の有用な特徴としては以下が挙げられる。上記色素は、光活性化されているときだけ毒性であり、暗所では最小限の毒性しか有さないべきである。上記色素の全身性の毒性は低く、選択的かつ迅速に局所化され、繰り返しの光照射サイクルの間、光退色することなく、標的微生物によってそこに保持されるべきである。このような色素による硬組織または軟組織の染色はわずかかほとんどなく、あらゆる副作用または望ましくない表面的な着色を避けるべきである。このような色素はまた、細胞内、口腔内または製品の調合物中でも、その他の化学種によって吸収されたり、失われたり(quenched)されないべきである。また、このような感光性色素が化学的に純粋であり、既知の組成を有することも好ましい。
【0045】
[00043]本発明の実施態様において、上記で特定した特徴の1つまたはそれより多くを有するあらゆる感光性色素が使用可能である。このような感光性色素は一般的に安全とみなされるもの(またはGRAS)であり、その結果としてメチレンブルーまたはトルイジンブルーのような一般的に毒性を有する色素は除外される。本発明で使用するための光増感剤は、380nm以上の最大吸収波長を有するものであり得る。また活性物質も蛍光性であってもよい。特に有益なものとしてリン光を示す可能性がある活性物質が挙げられるが、これは、それらの高い三重項エネルギー寿命が、そのエネルギーが基底状態の酸素に移動する際の効率が高く、それに相応して一重項酸素の収量も増加し、さらにそれにより光線療法の効率が高められると解釈できるためである。以下の表1に、本発明で使用するための代表的なGRAS化合物を示す。
【0046】
【表1】

【0047】
[00044]一般的な化合物群としてアントシアニンも光によって誘発される細菌の撲滅に利用できる可能性がある。多くのアントシアニンが食品添加剤として利用されている。実際に、例えば多くの様々な食用色素添加剤を含むクール・エイド(Kool AidTM)のような清涼飲料に使用される色素も、細菌を撲滅するために光と併用できる。従って、このような化合物を豊富に含むマウスリンスの使用は、光と併用することによって有効な口腔内の衛生状態を提供することができる。天然の食用色素、レーキ食用色素、合成食用色素はいずれも、特定の望ましい光の波長、光線の出力および照射時間の使用によって細菌を撲滅するのに利用することができる。
【0048】
[00045]光が介在する細菌の撲滅の効率と有効性を高めるために、細菌中に存在する内因性の発色団が、歯磨き剤かまたはマウスリンスかにかかわらず運搬手段に添加されていてもよい。例えばポルフィリンのような内因性の発色団としては、例えば、ウロポルフィリンオクタカルボキシル、ヘプタカルボキシルポルフィリン、ヘキサカルボキシルポルフィリン、ペンタカルボキシルポルフィリン、コポルフィリン、テトラカルボキシルポルフィリン、ヘルデロポルフィリン(Herderoporphyrin)、トリカルボキシルポルフィリン、プロトポルフィリン、ジカルボキシルポルフィリン、および、それらの混合物が挙げられる。
【0049】
[00046]微生物の撲滅での利用に関して、さらに新しい抗菌活性物質として機能する可能性がある追加の化合物(ただし全てが必しもGRASでなくてもよい)は、例えばPhotochemistry & Photobiology, 1999, 70(4), 391-475 “A compilation of singlet oxygen yields from biologically relevant molecules”に開示されている。以下の表2に、本発明において使用することができるいくつかの既知の光増感剤を列挙する。
【0050】
【表2】

【0051】
[00047]従って、感光性色素は、クロロフィリンナトリウム銅塩、タルトラジン(FD&C黄色5号)、クルクミン、リボフラビン5’−一リン酸ナトリウム塩、アルラレッドAC(FD&C赤色40号)、ニューコクシン(CI16255,食用赤色7号)、クロモトロープFB(CI14720,食用赤色3号)、インジゴカルミン、エリオグラウシン二ナトリウム塩(FD&C青色1号)、ファストグリーンFCF(FD&C緑色3号)、リサミングリーンB、ナフトールグリーンまたはアシッドグリーン、コチニール、カルモイシン/アゾルビン、アマランス、ブリリアントスカーレット4R、クロロフィルと銅の錯体、ブリリアントブラックBN(PN)、チョコレートブラウンHT、ベータ−カロチン、ビキシン、リコピン、ベタニン、リボフラビン、エリトロシンBナトリウム塩、TiO鋭錐石P25デグサ(Degussa)、アントシアニン、ウロポルフィリンオクタカルボキシル、ヘプタカルボキシルポルフィリン、ヘキサカルボキシルポルフィリン、ペンタカルボキシルポルフィリン、コポルフィリン、テトラカルボキシルポルフィリン、ヘルデロポルフィリン(Herderoporphyrin)、トリカルボキシルポルフィリン、プロトポルフィリン、ジカルボキシルポルフィリン、アクリジン、フェナジン、シアニン、フェノチアジニウム、ポルフィリン、フタロシアニン、および、それらの混合物からなる群より選択することができる。
【0052】
[00048]好ましくは、感光性色素は、クロロフィリンナトリウム銅塩、タルトラジン(FD&C黄色5号)、クルクミン、リボフラビン5’−一リン酸ナトリウム塩、アルラレッドAC(FD&C赤色40号)、ニューコクシン(CI16255,食用赤色7号)、クロモトロープFB(CI14720,食用赤色3号)、インジゴカルミン、エリオグラウシン二ナトリウム塩(FD&C青色1号)、ファストグリーンFCF(FD&C緑色3号)、リサミングリーンB、ナフトールグリーンまたはアシッドグリーン、コチニール、カルモイシン/アゾルビン、アマランス、ブリリアントスカーレット4R、クロロフィルと銅の錯体、ブリリアントブラックBN(PN)、チョコレートブラウンHT、ベータ−カロチン、ビキシン、リコピン、ベタニン、リボフラビン、エリトロシンBナトリウム塩、および、それらの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、感光性色素は、タルトラジン、クルクミン、アルラレッド、ファストグリーンFCF、および、それらの混合物から選択される。
【0053】
[00049]感光性色素は、適切な光の波長で、適度な時間および適切な投与量ならびに出力密度で照射された際に抗菌作用を提供するのに効果的な濃度で視覚的に透明な口腔ケア組成物中に存在していてもよい。好ましくは、このような色素は、組成物の総質量に基づいて0.0001〜2.0質量%の範囲の量で存在する。このような色素は、より好ましくは0.001〜1.0質量%の範囲の量で、さらにより好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲の量で存在する。
【0054】
[00050]照射の手順には適切なあらゆる光線が使用できる。例えば低出力の光源またはダイオードレーザー光源を使用することができる。例えば可視光または赤外線レーザーのようなあらゆる適切な光を使用することができる。また例えばタングステンハロゲンまたはキセノンアーク光源のような高エネルギーの非可視光も使用することができる。さらにLED光源も使用することができる。LED光源を用いる利点は、不快な熱が発生する可能性を減らすと予想されることであり、それによって被検体の不快感が少なくなる。照射の手順は、罹患した領域全体に施されてもよい。具体的には、照射は、好ましくは口の内部全体に施される。例えばこのような光源は、接近可能な内部表面が照射されるように操作することができる。あるいは、特定の領域だけが照射される。例えば領域内の個々のポケットが照射されてもよい。光源は、口腔の全領域、例えば舌の下、および、肉で覆われた舌、唇、口腔内前後の領域全体、ならびに歯の咬合面全体を照射するのに適したものでもよい。
【0055】
[00051]好ましくは、光源は、380nm〜1450nmの範囲内、より好ましくは400nm〜780nmの範囲内の波長(すなわち可視スペクトル)を有する光を放出する。工程(b)において用いられる光の線量は、1〜500mW/cmの出力密度で1J/cm〜450J/cmの範囲であり得る。好ましくは、光源が、感光性色素を活性化するのに十分であるが、処置される領域にダメージを与えるほど強力ではない程度の線量および出力密度を有する発光ダイオード(LED)の形態である。外部電源を用いてLEDへの電流を変化させることによって様々な光の波長(典型的には10nmごとに変化する)と様々な光線の出力を達成できることから、LEDが好ましい。
【0056】
[00052]用いられる光の波長は、感光性色素の最大吸収波長に応じて様々であると予想される。感光性色素が1つより多くの目立った吸収バンドを有するような場合において、このような色素はそれらの波長で、個々にまたは連続的に、それぞれの吸収波長が次々に、または、複数の波長が同時に励起される可能性がある。場合によっては、特に、高い線量で光を放出すると、酸素を補充するよりも速く酸素を枯渇させるような速度で一重項酸素を生成することにより一重項酸素またはその他の酸素依存性の反応性部分から得られる抗菌性の有効度を抑制してしまうような場合、光パルスを発生させることが好ましい場合もある。好ましくは、酸素発生剤または酸素キャリアーを使用することによって光を用いた抗菌作用が強化される。
【0057】
[00053]好ましくは、このような実施態様の組成物に適切な光の波長が120分またはそれより短時間で照射される。照射は、例えば、1秒〜120分行ってもよいし、場合によっては2秒〜15分行ってもよい。好ましくは、1〜450J/cm、より好ましくは1〜100J/cm、より好ましくは10〜50J/cm、最も好ましくは15〜45J/cmのエネルギー量で適切な光の波長が本組成物に照射される。好ましくは1〜500mW/cm、より好ましくは1〜400mW/cm、さらにより好ましくは1〜50mW/cm、最も好ましくは3〜15mW/cmの光線の出力密度を有する適切な光の波長が本組成物に照射される。
【0058】
[00054]上述した波長、エネルギー量および光線の出力で光を放出するのに適した、例えば歯ブラシ、小型の歯ブラシ、小さいペンシル型またはペン型の装置などのあらゆる装置を使用することができる。代替の光源としては、1回で口腔の大部分に照射が可能な光照射治療装置が挙げられ、例えば米国特許第5,487,662号、4,867,682号、5,316,473号、4,553,936号、および、米国特許出願公報第2006/0093561号、2006/0281042号、2004/0091834号、および、2009/0285766号(これらそれぞれの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)で説明されているものが挙げられる。手動で操作して口内の様々な領域に光を送達することができる使用可能なその他の光照射治療装置としては、光ファイバーのワンド;ガンもしくはライトガイド;石英ハロゲン、水銀キセノン、キセノン、金属ハロゲン化物、硫黄ベースまたはその他の発光ダイオード(LED)技術の形態で光照射手段を利用する遠隔操作の光エンジン;多数の個々に分かれた光ファイバー素子または液状ライトパイプで構成されるフレキシブルなライトパイプ;およびその他の発光ダイオードを含む歯科用印象用トレーが挙げられる。様々な光照射装置が使用できるが、当然のことながらこのような光照射装置は有効量の光を有効な波長で送達することができる。従って、強度が高い場合は、パルスによる光送達と組み合わせて用いてもよいし、または、強度が低い場合は連続した光送達と組み合わせて用いてもよい。光照射治療装置によって放出された光のスペクトルは、用いられる感光性色素の特定の吸収曲線と一致するように選択されるものと予想される。光増感剤によって吸収されない波長を除去するためにバンドパスフィルターを用いてもよい。
【0059】
[00055]好ましい光照射治療装置はLEDベースのものと予想され、このような装置は、患者にとって快適であり歯科医および/または歯科衛生士にとって適用が簡単であると予想される様々な形状に製造することができる。適切な光照射装置は、(当業界でよく知られているような)カプセル封入された散乱ゲル(scattering gel)を有する標準的な歯科用マウスプレートから製造することができると予想され、ここで上記ゲルは、装置使用中に歯肉に押し付けられる。LEDは、ゲルに直接埋め込まれて歯肉組織に面するように配置することができる。このような散乱媒体は、歯肉組織の表面に光が均一な断面で確実に送達されるようなものにすべきである。LEDへの電源接続は、口の前から出ている歯科用プレートに作りつけることができる。あるいは、光源は、LEDと併用される光ファイバーまたはその他のライトガイドの形態であって、それらの末端が散乱ゲル内にあるものも考えられる。
【0060】
[00056]本発明の所定の実施態様は、被検体における微生物によって引き起こされる状態の治療および/または予防方法を含み、ここで本方法は、:a)本明細書において説明されているような視覚的に透明な口腔ケア組成物を投与すること;および、b)本組成物が投与される領域に、少なくとも1種の感光性色素に吸収される波長で、有効な期間、適切な投与量および光線の出力密度で光を照射すること、を含む。
【0061】
[00057]本方法は、被検体の口腔内で微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するためのものであり得る。例えば、本方法は、歯根膜、歯肉および/または口臭の状態を治療および/または予防するためのものであり得る。例えばこのような状態としては、これらに限定されないが、歯肉炎、歯垢形成、窩洞の形成、歯周炎、齲歯、歯根齲食、根管の感染、根尖性歯周炎などが挙げられる。また本方法は、齲歯の病巣内部の深いところにある細菌を制御したり、または、細菌性バイオフィルムを除去したりするためのものであり得る。
【0062】
[00058]本明細書において説明される実施態様はまた、被検体における微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するためのキットも想定しており、本キットは、少なくとも1種の適切な容器中に配置された本明細書において説明されているような視覚的に透明な口腔ケア組成物を含む。本キットはさらに、適切な波長で、適切な投与量で、および、適切な光線の出力密度で光を放出することができる光照射装置を含んでいてもよい。このような光照射装置は、視覚的に透明な口腔ケア組成物を口腔に適用して、さらに本組成物が投与される領域に照射が可能なアプリケーター内に含まれていてもよい。本キットは、被検体の口腔内で微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するのに有用である可能性がある。例えば本キットは、歯根膜、歯肉および/または口臭の状態を治療および/または予防するのに有用である可能性がある。このような状態は、上述した状態に加えてそれに関連する状態も含むものであり、本キットは、齲歯の病巣内部の深いところにある細菌を制御したり、または、細菌性バイオフィルムを除去したりするために用いられる可能性がある。
【0063】
[00059]本発明の追加の特徴として、a)構成要素を適切に分散して視覚的に透明なキャリアーが得られるような方法でキャリアーの構成要素を混合することによって、口腔内で許容され視覚的に透明なキャリアーを製造すること;および、b)a)の混合物に少なくとも1種の感光性色素を添加することによる、視覚的に透明な口腔ケア組成物の製造方法も含まれる。
【0064】
[00060]様々な実施態様において、視覚的に透明な組成物は、例えば少なくとも1種の潤滑剤、少なくとも1種の研磨剤材料などの従来の歯磨き剤成分と共に配合されてもよい。様々な実施態様において、視覚的に透明な口腔ケア組成物は追加の抗菌剤を含まないが、それらの使用は任意である。追加の抗菌剤が用いられるような場合、本組成物は、天然抽出物、塩化セチルピリジニウム、ポリフェノール、フェノール化合物、第一スズイオン、亜鉛イオンなどからなる群より選択される抗菌剤をさらに含んでいてもよい。
【0065】
[00061]本明細書において説明される組成物は、任意のその他の成分が配合されてもよく、このような成分としては、これらに限定されないが、虫歯予防薬、歯石予防または歯石抑制剤、アニオン性カルボキシレートポリマー、粘度調整剤、界面活性剤、香味物質、顔料、シグナル(本組成物の有効性または有利な使用のシグナルとなる、フレーバー、色、光、熱、臭い、およびその他のシグナル)、ドライマウス治療剤などが挙げられる。任意の成分を添加した後も本組成物は視覚的に透明なままであるという前提のもとで、任意の成分は添加される。すなわちこのような成分は、組成物の光学的透明度に悪影響を与えないと予想される。本発明者等は、シリカ研磨材の量が6%より多いと本組成物の吸光度に悪影響を与えることを見出したため、結果として、好ましくは1〜6%のシリカ研磨剤、より好ましくは1〜4%のシリカ研磨剤、さらにより好ましくは1〜3%のシリカ研磨剤、最も好ましくは2%未満のシリカ研磨剤が使用される。
【0066】
[00062]様々な実施態様において、本組成物は、口腔内で許容されるフッ化物イオン源を含み、これは、虫歯予防薬として役立つ。このような源は、1種またはそれより多く存在していてもよい。適切なフッ化物イオン源としては、フッ化物、モノフルオロリン酸塩、および、フルオロケイ酸塩、加えてフッ化アミン、例えばオラフルール(olaflur)(N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−ジヒドロフルオリド)が挙げられる。
【0067】
[00063]任意に、虫歯予防薬として1種またはそれより多くのフッ化物を放出する塩が、合計で100〜20,000ppm、200〜5,000ppm、または、500〜2,500ppmのフッ化物イオンを提供するような量で存在していてもよい。フッ化ナトリウムとしてフッ化物を放出する塩のみが存在する場合、例えば質量に基づき0.01%〜5%、0.05%〜1%、または、0.1%〜0.5%の量のフッ化ナトリウムが本組成物中に存在していてもよい。その他の虫歯予防薬、例えばアルギニンおよびアルギニン誘導体(例えばエチルラウロイルアルギニン(ELAH))を使用してもよい。
【0068】
[00064]本明細書において有用なフェノール化合物としては、口腔において使用できるかどうかの決定によるが、例えば、Dewhirst(1980), Prostaglandins 20(2), 209-222によって抗炎症活性を有すると認められたものが挙げられる(ただしこれらに限定されない)。抗菌性のフェノール化合物の例としては、4−アリルカテコール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、例えばベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、2−ベンジルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、カプサイシン、カルバクロール、クレオソール、オイゲノール、グアヤコール、ハロゲン化ビスフェノール、例えばヘキサクロロフェンおよびブロモクロロフェン、4−ヘキシルレソルシノール、8−ヒドロキシキノリンおよびそれらの塩、サリチル酸エステル、例えばメンチルサリチル酸塩、サリチル酸メチルおよびフェニルサリチル酸塩、フェノール、ピロカテコール、サリチルアニリド、および、チモールが挙げられる。これらのフェノール化合物は、典型的には、上述の天然抽出物のうち1種またはそれより多くの中に存在する。
【0069】
[00065]このような少なくとも1種のフェノール化合物は、任意に、0.01%〜10質量%の総量で存在していてもよい。例として、このような少なくとも1種のフェノール化合物の本発明の練り歯磨きまたはゲル状歯磨き剤またはマウスリンス中の合計濃度は、0.01%〜5%であってもよく、例えば0.1%〜2%、0.2%〜1%または0.25%〜0.5%である。
【0070】
[00066]その他の適切な抗菌剤としては、これらに限定されないが、銅(II)化合物、例えば塩化銅(II)、フッ化銅(II)、硫酸銅(II)および水酸化銅(II)、亜鉛イオン源、例えば酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、亜鉛グリシネート、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、および、クエン酸亜鉛ナトリウム(sodium zinc citrate)、フタル酸およびそれらの塩、例えばフタル酸水素カリウムマグネシウム(magnesium monopotassium phthalate)、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、塩化ベンザルコニウム、臭化ドミフェン、塩化アルキルピリジニウム、例えば塩化セチルピリジニウム(CPC)(例えばCPCと亜鉛および/または酵素との組み合わせも含む)、塩化テトラデシルピリジニウム、および、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム塩化物、ヨウ素、スルホンアミド、ビスビグアニド、例えばアレキシジン、クロルヘキシジン、および、クロルヘキシジンジグルコン酸塩、ピペリジノ誘導体、例えばデルモピノール、および、オクタピノール、モクレン属の植物の抽出物、グレープシード抽出物、メントール、ゲラニオール、シトラール、オイカリプトール、抗生物質、例えばオーグメンチン、アモキシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール、ネオマイシン、カナマイシン、ならびにクリンダマイシンなどが挙げられる。有用な抗菌剤のさらなる例示の一覧は、Gaffar et al.の米国特許第5,776,435号(参照により本明細書に組み入れられる)に示される。これらの追加の抗菌剤が存在する場合、それらは抗菌作用を示すような総量で存在し、典型的には組成物の0.05質量%〜10質量%、例えば0.1質量%〜3質量%で存在する。
【0071】
[00067]その他の実施態様において、本組成物は、口腔内で許容される歯石防止剤を含む。このような物質は、1種またはそれより多く存在していてもよい。適切な歯石防止剤としては、これらに限定されないが、リン酸塩およびポリリン酸塩(例えばピロリン酸塩)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド、例えばポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸、ポリオレフィンスルホン酸塩、ポリオレフィンリン酸塩、ジホスホン酸塩、例えばアザシクロアルカン−2,2−ジホスホン酸塩(例えば、アザシクロヘプタン−2,2−ジホスホン酸)、N−メチルアザシクロペンタン−2,3−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸(EHDP)、および、エタン−1−アミノ−1,1−ジホスホン酸塩、ホスホノアルカンカルボン酸およびこれらの物質のいずれかの塩、例えばそれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩が挙げられる。有用な無機リン酸塩およびポリリン酸塩としては、例えば、一塩基性、二塩基性および三塩基性リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸三ナトリウムおよびピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸ニ水素二ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる(ここでナトリウムは、任意にカリウムまたはアンモニウムで置き換えることもできる)。その他の有用な歯石防止剤としては、アニオン性ポリカルボキシレートポリマーが挙げられる。アニオン性ポリカルボキシレートポリマーは、炭素主鎖にカルボキシル基を有し、さらにアクリル酸、無水メタクリル酸およびマレイン酸のポリマーまたはコポリマーを含む。非限定的な例としては、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVME/MA)コポリマー、例えばISP(ニュージャージー州ウェイン)製のガントレッズ(GantrezTM)というブランド名で販売されているものが挙げられる。さらにその他の有用な歯石防止剤としては、金属イオン封鎖剤、例えばクエン酸、フマル酸、リンゴ酸、グルタル酸およびシュウ酸などのヒドロキシカルボン酸ならびにそれらの塩、および、アミノポリカルボン酸、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられる。1種またはそれより多くの歯石防止剤は、本組成物中に、歯石予防に有効な総量で、典型的には0.01質量%〜50質量%、例えば0.05質量%〜25質量%、または、0.1質量%〜15質量%で任意に存在していてもよい。
【0072】
[00068]様々な実施態様において、歯石予防剤系は、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、および、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)の混合物を含む。様々な実施態様において、TSPPとSTPPとの比率は、1:2〜1:4の範囲である。好ましい実施態様において、第一の歯石予防の活性成分であるTSPPは、1〜2.5%で存在し、第二の歯石予防の活性成分であるSTPPは、1〜10%で存在する。
【0073】
[00069]一実施態様において、アニオン性ポリカルボキシレートポリマーは、0.1%〜5%で存在する。その他の実施態様において、アニオン性ポリカルボキシレートポリマーは、口腔ケア組成物の0.5%〜1.5%で、最も好ましくは1%で存在する。本発明に係る一実施態様において、歯石予防剤系は、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー、例えば上記で考察された製品のガントレッズS−97を含む。
【0074】
[00070]様々な実施態様において、TSPPとSTPPと合成アニオン性ポリカルボキシレートとの比率は、5:10:1〜5:20:10(または1:4:2)の範囲である。一実施態様において、口腔ケア組成物の歯石予防剤系は、TSPP、STPPおよびポリカルボキシレート(例えば無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー)を1:7:1の比率で含む。一実施態様において、これに限定されないが、歯石予防剤系は、実質的にTSPP(0.5%〜2.5%の存在率)、STPP(1%〜10%の存在率)および無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー(0.5%〜1.5%の存在率)からなる。
【0075】
[00071]その他の実施態様において、本組成物は、例えば歯肉炎、歯垢、歯石、虫歯または過敏症を低減するのに有用な口腔内で許容される第一スズイオン源を含む。このような源は、1種またはそれより多く存在していてもよい。適切な第一スズイオン源としては、これらに限定されないが、フッ化スズ、その他のハロゲン化スズ、例えば塩化第1スズ二水和物、ピロリン酸スズ、有機カルボン酸スズ、例えばギ酸スズ、酢酸スズ、グルコン酸スズ、乳酸スズ、酒石酸スズ、シュウ酸スズ、マロン酸スズおよびクエン酸スズ、スズエチレングリオキサイドなどが挙げられる。任意に1種またはそれより多くの第一スズイオン源が、例えば組成物の0.01質量%〜10質量%、例えば0.1質量%〜7質量%、または、1質量%〜5質量%の総量で存在していてもよい。
【0076】
[00072]その他の実施態様において、本組成物は、例えば抗菌剤、歯石予防剤または呼気をさわやかにする物質として有用な口腔内で許容される亜鉛イオン源を含む。このような源は、1種またはそれより多く存在していてもよい。適切な亜鉛イオン源としては、これらに限定されないが、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、亜鉛グリシネート、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、クエン酸亜鉛ナトリウムなどが挙げられる。任意に1種またはそれより多くの亜鉛イオン源が、例えば組成物の0.05質量%〜3質量%、例えば0.1質量%〜1質量%の総量で存在していてもよい。
【0077】
[00073]その他の実施態様において、本組成物は、口腔内で許容される呼気をさわやかにする物質を含む。このような物質は、呼気をさわやかにするのに有効な総量で、1種またはそれより多く存在していてもよい。適切な呼気をさわやかにする物質としては、これらに限定されないが、亜鉛塩、例えばグルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、および、亜塩素酸亜鉛、α−イオノンなどが挙げられる。
【0078】
[00074]その他の実施態様において、本組成物は、口腔内で許容される抗歯垢剤、例えば歯垢を崩壊させる物質等を含む。このような物質は、有効な抗歯垢作用を示す総量で、1種またはそれより多く存在していてもよい。適切な抗歯垢性の物質としては、これらに限定されないが、スズ塩、銅塩、マグネシウム塩およびストロンチウム塩、ジメチコンコポリオール、例えばセチルジメチコンコポリオール、パパイン、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、尿素、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ポリアクリル酸ストロンチウム、ならびに、キレート剤、例えばクエン酸および酒石酸ならびにそれらのアルカリ金属塩が挙げられる。
【0079】
[00075]その他の実施態様において、本組成物は、上述のローズマリー成分以外にも口腔内で許容される抗炎症薬を含む。このような物質は、有効な抗炎症性作用を示す総量で、1種またはそれより多く存在していてもよい。適切な抗炎症薬としては、これらに限定されないが、ステロイド剤、例えばフルオシノロンおよびヒドロコルチゾン、ならびに、非ステロイド剤(NSAID)、例えばケトロラック、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ピロキシカム、ナブメトン、アスピリン、ジフルニサル、メクロフェナメート、メフェナム酸、オキシフェンブタゾンおよびフェニルブタゾンが挙げられる。本組成物中に、1種またはそれより多くの抗炎症薬が有効な抗炎症性を示す量で任意に存在していてもよい。
【0080】
[00076]本発明の組成物は、任意に、例えば酵素ビタミン、および、粘着防止剤のようなその他の成分を含んでいてもよい。汚れ防止などの作用のために、例えばプロテアーゼのような酵素を添加してもよい。ビタミンの非限定的な例としては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB5、および、葉酸が挙げられる。様々な実施態様において、ビタミンは抗酸化特性を有する。粘着防止剤としては、エチルラウロイルアルギニン(ELAH)、ソルブロール、フィシン、シリコーンポリマーおよび誘導体、ならびにクオラムセンシング阻害剤が挙げられる。
【0081】
[00077]本発明の組成物中に任意に含まれていてもよい有用なキャリアーとしては、なかでも、希釈剤、研磨材、炭酸水素塩、pH調節剤、界面活性剤、フォーム調節因子、増粘剤、粘度調整剤、潤滑剤、甘味料、香味物質および着色剤が挙げられる。任意に、1種のキャリアー材料が存在していてもよいし、または、同一または異なるクラスの1種より多くのキャリアー材料が存在していてもよい。キャリアーは、相互の適合性と組成物の他の成分との適合性を考慮して選択されると予想される。
【0082】
[00078]水は好ましい希釈剤であり、例えば口内洗浄剤やホワイトニング液のようなある種の組成物においては、一般的にはアルコール、例えばエタノールも共に含む。口内洗浄用組成物中の水とアルコールとの質量比は、一般的に1:1〜20:1であり、例えば3:1〜20:1、または、4:1〜10:1である。ホワイトニング液において、水とアルコールとの質量比は、上記の範囲内かまたはそれ未満であってもよく、例えば1:10〜2:1である。
【0083】
[00079]一実施態様において、本発明の組成物は、例えば研磨成分として有用な少なくとも1種の研磨剤を含む。口腔内で許容されるあらゆる研磨剤を使用することができるが、研磨剤のタイプ、微粉度(粒度)および量は、組成物の通常の使用中に歯のエナメル質が過剰に磨り減らないように選択されるべきである。適切な研磨材としては、これらに限定されないが、シリカ、例えばシリカゲル、ケイ酸または沈降シリカの形態のもの、アルミナ、不溶性リン酸塩、炭酸カルシウム、樹脂研磨材、例えば尿素−ホルムアルデヒド縮合生成物などが挙げられる。研磨材として有用な不溶性リン酸塩としては、なかでも、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩、および、ピロリン酸塩が挙げられる。説明に役立つ実例は、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、β−ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム、および、不溶性ポリメタリン酸ナトリウムである。研磨剤中には任意に1種またはそれより多くの研磨材が有効な総量で存在していてもよく、典型的には組成物の5質量%〜70質量%、例えば10質量%〜50質量%、または、15質量%〜30質量%で存在していてもよい。研磨剤が存在する場合、研磨剤の平均粒度は、一般的に0.1〜30μmであり、例えば1〜20μm、または、5〜15μmである。研磨剤としてシリカが用いられる場合、用いられるシリカ研磨剤の量は6質量%未満であることが好ましく、より好ましくは4%未満のシリカ研磨剤、さらにより好ましくは3%未満のシリカ研磨剤、最も好ましくは2%未満のシリカ研磨剤である。
【0084】
[00080]さらなる実施態様において、本発明の組成物は、例えば発泡と二酸化炭素の放出によって歯と歯茎に「清潔感」を与えるのに有用な少なくとも1種の炭酸水素塩を含む。口腔内で許容されるあらゆる炭酸水素塩を使用することができ、このような炭酸水素塩としては、これらに限定されないが、アルカリ金属炭酸水素塩、例えばナトリウムおよび炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。任意に、1種またはそれより多くの炭酸水素塩が、組成物の0.1質量%〜50質量%の総量で存在していてもよく、例えば1質量%〜20質量%の総量で存在していてもよい。
【0085】
[00081]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも1種のpH調節剤を含む。このような物質としては、pHを低くする酸性化物質、pHを高める塩基性化剤、および、pHを望ましい範囲内に制御する緩衝剤が挙げられる。例えば酸性化剤、塩基性化剤および緩衝剤から選択される1種またはそれより多くの化合物は2〜10のpHが示されるように含まれていてもよいし、または、上述の様々な実施態様において、2〜8、3〜9、4〜8、5〜7、6〜10、7〜9などのpHが示されるように含まれていてもよい。口腔内で許容されるあらゆるpH調節剤を使用することができ、このようなpH調節剤としては、これらに限定されないが、カルボン酸、リン酸およびスルホン酸、酸性塩(例えばクエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、リンゴ酸一ナトリウムなど)、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素塩、セスキ炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩(例えばリン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸塩など)、イミダゾール等が挙げられる。任意に、1種またはそれより多くのpH調節剤が、組成物を口腔内で許容されるpHの範囲内に維持するのに有効な総量で存在していてもよい。
【0086】
[00082]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、例えば組成物中のその他の構成要素を相溶化させることによって強い安定性を付与する、その洗浄力によって歯の表面の清浄化に役立つ、および、撹拌によって(例えば本発明の歯磨き剤組成物と共にブラッシングする間に)泡立つようにするのに有用な少なくとも1種の界面活性剤を含む。口腔内で許容される界面活性剤のほとんどがアニオン性、非イオン性または両性であるが、これらはいずれも使用することができる。適切なアニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、C8〜20アルキル硫酸塩の水溶性塩、C8〜20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシン酸塩、タウリン塩などが挙げられる。これらおよびその他のクラスの説明に役立つ実例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウムモノグリセリドスルホン酸塩、サルコシン酸ラウリルナトリウム、ナトリウムラウリルイセチオネート、ナトリウムラウレスカルボキシレート、および、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートが挙げられる。適切な非イオン界面活性剤としては、これらに限定されないが、ポロキサマー、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三アミン酸化物、第三ホスフィン酸化物、ジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。適切な両性界面活性剤としては、これらに限定されないが、カルボン酸、硫酸、スルホン酸、リン酸またはホスホン酸基のようなアニオン性基を有するC8〜20脂肪族第二および第三アミンの誘導体が挙げられる。適切な例は、コカミドプロピルベタインである。任意に、1種またはそれより多くの界面活性剤が、組成物の0.01%〜10%の総量で存在していてもよく、例えば0.05%〜5%、または、0.1%〜2質量%の総量で存在していてもよい。
【0087】
[00083]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、例えば組成物を撹拌する際に生じる泡の量、濃さまたは安定性を向上するのに有用なフォーム調節因子を少なくとも1種含む。口腔内で許容されるあらゆるフォーム調節因子を使用することができ、このようなフォーム調節因子としては、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)が挙げられ、これはポリオキシエチレンとしても知られている。高分子量のPEGが適しており、このようなPEGとしては、200,000〜7,000,000の平均分子量を有するものが挙げられ、例えば500,000〜5,000,000、または、1,000,000〜2,500,000の平均分子量を有するものが挙げられる。任意に、1種またはそれより多くのPEGが、組成物の0.1質量%〜10質量%の総量で存在していてもよく、例えば0.2質量%〜5質量%、または、0.25質量%〜2質量%で存在していてもよい。
【0088】
[00084]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、例えば本組成物に望ましい粘稠度および/または口触りを付与するのに有用な増粘剤を少なくとも1種含む。口腔内で許容されるあらゆる増粘剤を使用することができ、このような増粘剤としては、これらに限定されないが、カルボマー(カルボキシビニルポリマーとしても知られている)、カラギーナン(アイリッシュ・モスとしても知られている)、より具体的にはi−カラギーナン(イオタカラギーナン)、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびそれらの塩、例えばCMCナトリウム、天然ゴム類、例えばカラヤ、キサンタン、アラビアゴムおよびトラガカント、コロイド状のケイ酸アルミニウムマグネシウム、コロイドシリカなどが挙げられる。増粘剤またはゲル化剤の好ましいクラスとしては、ペンタエリスリトールのアルキルエーテル、または、スクロースもしくはカルボマーのアルキルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマー類が挙げられる。カルボマーは、B.F.グッドリッチ(B. F. Goodrich)からカーボポール(Carbopol(R))シリーズとして市販されているものである。特に好ましいカーボポールとしては、カーボポール934、940、941、956、974Pおよびそれらの混合物が挙げられる。任意に、1種またはそれより多くの増粘剤が、組成物の0.01質量%〜15質量%の総量で存在していてもよく、例えば0.1質量%〜10質量%、または、0.2質量%〜5質量%で存在していてもよい。
【0089】
[00085]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、例えば成分の沈降または分離を抑制する、または、液状組成物を撹拌した際の再分散性を促進するのに有用な粘度調整剤を少なくとも1種含む。口腔内で許容されるあらゆる粘度調整剤を使用することができ、このような粘度調整剤としては、これらに限定されないが、ミネラルオイル、ワセリン、粘土、および、有機修飾粘土、シリカなどが挙げられる。任意に、1種またはそれより多くの粘度調整剤が、組成物の0.01%〜10%の総量で存在していてもよく、例えば0.1%〜5質量%で存在していてもよい。
【0090】
[00086]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、例えば歯磨きペーストが空気に晒されたときに硬化を防ぐのに有用な潤滑剤を少なくとも1種含む。口腔内で許容されるあらゆる潤滑剤を使用することができ、このような潤滑剤としては、これらに限定されないが、多価アルコール、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、または、低分子量のPEGが挙げられる。またほとんどの潤滑剤は、甘味料としても機能する。任意に、1種またはそれより多くの潤滑剤が、組成物の1質量%〜70質量%の総量で存在していてもよく、例えば1質量%〜50質量%、2質量%〜25質量%、または、5質量%〜15質量%で存在していてもよい。
【0091】
[00087]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、例えば組成物の味をよくするのに有用な少なくとも1種の甘味料を含む。口腔内で許容されるあらゆる天然または人工甘味料を使用することができ、このような天然または人工甘味料としては、これらに限定されないが、デキストロース、スクロース、マルトース、デキストリン、乾燥させた転化糖、マンノース、キシロース、リボース、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ(例えば、高フルクトースコーンシロップ、および、固形のコーンシロップを含む)、部分的に加水分解されたデンプン、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリンおよびそれらの塩、ジペプチドベースの強力甘味料、シクラマートなどが挙げられる。任意に、1種またはそれより多くの甘味料が存在していてもよく、その総量は、選択される具体的な甘味料によって強く影響を受けるが、典型的には組成物の0.005%〜5質量%である。
【0092】
[00088]さらにその他の実施態様において、本発明の組成物は、例えば組成物の味をよくするのに有用な少なくとも1種の香味物質を含む。口腔内で許容されるあらゆる天然または合成香味物質を使用することができ、このような天然または合成香味物質としては、これらに限定されないが、バニリン、セージ、マージョラム、パセリ油、スペアミント油、桂皮油、ウインターグリーン油(メチルサリチレート)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、柑橘類の油、果実油および精油、例えばレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、アンズ、バナナ、ブドウ、リンゴ、イチゴ、サクランボ、パイナップルなどから誘導された精油、豆類や木の実由来のフレーバー、例えばコーヒー、ココア、コーラ、落花生、アーモンドなど、吸着させてカプセル封入した香味物質などが挙げられる。また本明細書における香味物質としては、口内の芳香および/またはその他の感覚的な効果、例えば冷感または温感作用を提供する成分も包含される。このような成分としては、例えば、メントール、酢酸メンチル、乳酸メンチル、ショウノウ、ユーカリ油、オイカリプトール、アネトール、オイゲノール、カッシア、オキサノン(oxanone)、α−イリソン、プロペニルグアイエトール(propenyl guaiethol)、チモール、リナロール、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミン、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、3−(1−メントキシ)−プロパン−1,2−ジオール、シンナムアルデヒドグリセロールアセタール(GGA)、メントングリセロールアセタール(MGA)などが挙げられる。任意に、1種またはそれより多くの香味物質が、組成物の0.01質量%〜5質量%の総量で存在していてもよく、例えば0.1質量%〜2.5質量%で存在していてもよい。
【0093】
[00089]さらにその他の実施態様において、感光性色素が色を提供するのにも使用できる場合であっても、本発明の組成物は、感光性色素に加えて少なくとも1種の着色剤を含んでいてもよい。感光性色素によって審美的にきれいな適切な色が提供されないような場合、色を調節するのに追加の着色剤を用いてもよい。本明細書において、着色剤としては、顔料、色素、レーキ、および、例えば真珠箔のような独特な光沢または反射を付与する物質が挙げられる。着色剤は、例えば、歯の表面上に白色または淡い色のコーティングを提供する機能、本組成物と効果的に接触した歯の表面上の位置を示す指標として作用する機能、および/または、消費者を引きつける魅力を高めるために組成物の見た目、具体的には色および/または不透明度を改変する機能などの様々な機能を果たすことができる。口腔内で許容されるあらゆる着色剤を使用することができ、このような着色剤としては、これらに限定されないが、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、べんがら、鉄黄、褐色および黒色酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、雲母チタン、オキシ塩化ビスマスなどが挙げられる。任意に、1種またはそれより多くの着色剤が、組成物の0.001%〜20%、例えば0.01%〜10%、または、0.1%〜5質量%の総量で存在していてもよい。
【0094】
[00090]様々な実施態様において、本発明は、ガムベースと有効量の上記で考察された抽出物の組み合わせとを含むチューインガム組成物を提供する。それに加えてチューインガム調合物は、典型的には1種またはそれより多くの可塑剤、少なくとも1種の甘味剤、および、少なくとも1種の矯味矯臭剤を含む。チューインガム調合物は、好ましくは、視覚的に透明なチューインガム組成物を提供するために視覚的に透明なキャリアーを用いて製造される。
【0095】
[00091]ガムベース材料は当業界公知であり、例えば天然または合成ガムベース、または、それらの混合物が挙げられる。代表的な天然ゴム類またはエラストマーとしては、チクル、天然ゴム、ポンティアナクゴム、バラタ、グッタペルカ、レッチェカスピ(lechi caspi)、ソルバ、グッタカイ(guttakay)、クラウンゴム(crown gum)、および、ペリロ(perillo)が挙げられる。合成ゴムまたはエラストマーとしては、ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、および、イソブチレン−イソプレンコポリマーが挙げられる。このようなガムベースは、チューインガム製品中に10〜40%の濃度で、好ましくは20〜35%の濃度で包含される。
【0096】
[00092]その他の実施態様において、本口腔用組成物は、1種またはそれより多くの高分子フィルムを形成する物質と、有効量の上記で考察された抽出物の組み合わせとを含む食用の口腔用ストリップを含む。1種またはそれより多くの高分子フィルムを形成する物質は、口腔内で許容されるポリマー、例えばプルラン、セルロース誘導体、および、その他の可溶性ポリマー、例えば当業界公知のものからなる群より選択される。ここでもこのようなポリマーストリップは、好ましくは、視覚的に透明である。
【0097】
[00093]様々な実施態様において、本組成物は、例えば人工の口における歯垢抑制研究で示されたように、口腔細菌の組み合わせに効果を示す。様々な実施態様において、抗菌剤組成物を含まないネガティブコントロールと比較して歯垢増加を有意に低減させたことが観察された。
【0098】
[00094]様々な口腔微生物に対する最小阻止濃度(MIC)試験で示されるように、本発明の組成物は抗菌活性を示す。MIC試験は当業界公知であるため、ここではその手順について再度説明しないこととする。本発明の組成物において有用な感光性色素は、好ましくは0.00001%〜10%質量/体積(w/v)の範囲内のMICを有し、好ましくは0.00005%〜5%、さらにより好ましくは0.0001%〜1%質量/体積の範囲内のMICを有する。
【0099】
[00095]またこれらの実施態様において有用な感光性色素も抗炎症性作用を有する。本明細書において説明される感光性色素を用いて、例えばIL−6、IL−8およびTNF−αのような炎症性サイトカインを減少させることができる。
【0100】
[00096]ここで、以下の非限定的な実施例を参照しながら好ましい実施態様をより詳細に説明する。
【実施例】
【0101】
実施例1
[00097]MICは、微生物の増殖を阻害すると予想される抗菌剤の最低濃度と定義され、通常ppm(μg/mL)で示される。MICを液体培地を希釈する方法によって決定した。MICを決定するために、一連の培養試験管に抗菌剤の濃度を徐々に低くした増殖培地(液体培地)が含まれるようにそれぞれの培養試験管を調製した。続いてこれらの試験管に試験生物を植え付け37℃でインキュベートした。インキュベート後、試験管を目視観察して増殖を濁度で判断した。目視観察によって増殖が抑制された最低濃度を、MICとした。以下で説明される感光性色素のMICは、典型的には、0.0001%(質量/体積)〜1%(質量/体積)の範囲であった。
【0102】
[00098]細菌性バイオフィルム(24時間経過のもの)を、以下の表で説明される光増感剤または光誘発性活性物質でそれらの最小阻止濃度(MIC)未満の濃度で処理した。これらの活性物質を、2秒〜15分間、典型的には2分未満光に晒す前にプレインキュベートするか、または、バイオフィルムを光に晒すのと同時に投与した。細菌に、設定波長で1〜450J/cmのエネルギー量で2秒〜15分(典型的には2分未満)照射した。光線の出力密度は、典型的には1〜500mW/cmの範囲である。光パルスを発生させるか、または、1回で光を連続照射した。高出力の光エネルギー処理を行う場合、光パルス処理が好適であった。
【0103】
[00099]一実施態様において、光を口腔内の特定の領域に集中させたい場合のような部位特異的な標的化口腔ケア処理を提供するためには、LED光が単独で用いられる。その他の実施態様において、例えば青色光(450±10nm)で黒く沈着した細菌を同時かつ選択的に死滅させ、それとともに低出力の赤色光で軟組織の痛みの軽減や抗炎症作用を提供することといった口腔ケアの利点を複数提供するために、多光の波長が用いられた。
【0104】
光と併用するための典型的な口腔ケア調合物:
【0105】
【表3】

【0106】
【表4】

【0107】
[000100]光の存在下におけるA.ナエスルンディのバイオフィルムへの4種の「光増感剤」(0.1%濃度)の影響を評価した。MICは、典型的には0.0001%(質量/体積)〜1%(質量/体積)の範囲であった。以下にバイオフィルムの減少率(%)をまとめた。リボフラビン、アルラレッドタルトラジン、ファストグリーンおよびリサミングリーンは、光単独と比較して高いバイオフィルム減少率を示した。
【0108】
【表5】

【0109】
[000101]上記表中のデータから、上記波長、投与量および光学密度における光単独の使用はバイオフィルムの減少において有効であることは明らかであり、結果的に、口腔内の細菌および歯垢形成を低減させることにおいて有効であると思われる。さらに上記データは、ほとんどの感光性色素の場合において、色素の存在により、ただ光を単独で使用した場合と比較してバイオフィルムの減少率を劇的に高められたことも示す。
【0110】
実施例2
[000102]この実施例で用いられる細胞は、ヒト胚口蓋間充組織(HEPM)細胞および口腔ケラチノサイトOBA9細胞を含む。またこのような実施態様においては、ヒト歯肉線維芽細胞(HGF)のようなその他の細胞も使用できる。24ウェルプレートに細胞を植え付け、コンフルエントが80%を超えるまで培養した。コンフルエント段階の細胞をIL−1βのような刺激剤で処理し、続いて光照射を単独で行うか、または、GRAS感光性色素と組み合わせて光照射を行った。これらの細胞を光に曝露する前に感光性色素中でプレインキュベートするか、または、光への曝露と同時にそれらを投与した。これらの細胞を感光性色素中で様々な時間でインキュベートし、感光性色素の濃度を変化させて、以下で説明するように、1回の曝露あたり様々な時間で細胞に光を照射し、加えて1回または複数回照射した。照射後、細胞を37℃でインキュベートした。サイトカイン解析のために所定時間後に細胞培養培地を回収した。
【0111】
[000103]以下にまとめた結果から明らかなように、可視光(380〜700nmの様々な波長)単独と可視光(380〜700nmの様々な波長)の照射を伴う感光性色素とは、抗炎症性作用を有する。以下に示す結果から明らかなように、インビトロでの細胞培養において、1回毎に625nmで2分の光の曝露(投与量:9mW/cm、1.1J/cm)の一回の曝露または複数回の曝露によって炎症性サイトカインIL−6およびIL−8の濃度を減少させることができる。この結果はさらに、インビトロでの細胞培養において、感光性色素であるファストグリーン(1000ppm)と、625nmで2分間の光の曝露(投与量:9mW/cm、1.1J/cm)との組み合わせは、炎症性サイトカインTNF−α濃度を減少させることができることを示す。以下の表に結果を示す。
【0112】
【表6】

【0113】
[000104]表7に記載のコントロールは刺激されていないものであり、従って炎症もサイトカイン生産もなかった。IL−βでの刺激は、細胞中での炎症とその結果として起こるIL−6、IL−8およびTNF−α生産を模擬するためのものである。上記表7で示されるように、625nmでの光は、IL−1βで刺激された口腔ケラチノサイトOBA9細胞のIL−6濃度を減少させることができる。それぞれの光の曝露は2分であり、投与量は9mW/cm、1.1J/cmであった。また表7は、625nmでの光は、IL−1βで刺激された口腔ケラチノサイトOBA9細胞のIL−8の濃度を減少させることができることも示す。それぞれの光の曝露は2分であり、投与量は9mW/cm、1.1J/cmであった。最終的に、625nmでの光単独、および、光とファストグリーン(1000ppm)との組み合わせは、IL−1βで刺激されたHEPM細胞のTNF−αの濃度を減少させることができた。光の曝露は2分であり、投与量は9mW/cm、1.1J/cmであった。
【0114】
実施例3
[000105]この実施例は、所定の波長における、練り歯磨きペーストおよび練り歯磨きゲルを通過するLED光の伝達を評価するための一連の実験を含む。以下の組成物を試験した:
【0115】
【表7】

【0116】
[000106]ベースの歯磨き剤を以下のようにして調製した。PEG、ソルビトール、CMCナトリウム、COPカーボポール、水および安息香酸ナトリウムを添加し、その順番で一緒に混合した。最初にPEGおよびソルビトールを添加することによって、溶液中にCMCおよびカーボポールが分散できるようにした。ポリマーを分散させた後、安息香酸ナトリウムの前に水を添加して、保存剤が溶液に容易により速く分散されるようにした。上記のベース組成物の光学的透明度は、見た目では潤滑剤(ソルビトール+水)、および、3〜8%研磨剤またはシリカを含む組成物の光学的透明度と同等であった。しかしながら3%シリカを配合したタイプが見た目で最も透明であった。
【0117】
[000107]CMCとカーボポールとの組み合わせによって、典型的な歯磨き剤の粘度に関して、消費者にとって優れた粘稠度を示すようなものが提供された。またCMC/カーボポール/安息香酸塩0.5%によっても、好都合なマイクロレベルの構造安定性が提供された。15%の予備部分は、例えば潤滑剤、消臭成分、抗炎症性の活性物質、安定剤、結合剤、潤滑剤、甘味料、フレーバー、界面活性剤、フッ化物、アルギニン炭酸水素塩、研磨材、光学的な流体(optical fluid)、ストリップ、ビーズ、フォーム誘発剤などの異なる成分を調整するために使用することができる。
【0118】
【表8】

【0119】
[000108]GRAS色素のタルトラジンは0.001%〜1%で配合することができるが、典型的には0.01%で配合される。使用可能なその他のGRAS色素としては、アルラレッド、ファストグリーン、および、クルクミンが挙げられる。以下の表15において、アルラレッドおよびファストグリーン調合物は、タルトラジンをアルラレッド、または、ファストグリーンのいずれかで置き換えたことを除いては上記の調合物と同一とした。
【0120】
【表9】

【0121】
[000109]この調合物には追加の練り歯磨き成分(ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)およびフレーバー)が含まれており、その光学的な透過性を保持していたが、酸化チタンが含まれる場合、その歯磨き剤は不透明になった。酸化チタン含量がわずかかまたはまったく含まれていない練り歯磨きは、有効な抗菌性に必要な光線量がより少ないと思われる。従って、このような実施態様において、視覚的に透明な口腔ケア組成物を使用することが好ましい。TiOを含む歯磨き剤を以下の表10で示されるようにして調製した。
【0122】
【表10】

【0123】
[000110]その他の練り歯磨き調合物を以下の表で示されるようにして調製した。
【0124】
【表11】

【0125】
類似の練り歯磨きを調製したが、感光性色素は添加しなかった。
【0126】
【表12】

【0127】
類似の練り歯磨きを調製したが、感光性色素は添加しなかった。
【0128】
【表13】

【0129】
[000111]一例として、様々な歯磨き剤およびそれらのスラリーの425nmにおける光透過率に対する影響を示す。歯磨き剤またはそのスラリーによって透明なプラスチックの覆いを透過して放出されるLEDの光学密度が低くなるような場合、その歯磨き剤またはスラリーは光透過率に悪影響がある。様々な歯磨き剤調合物が有する光学的透明度または光透過率に対する作用を決定するために以下の実験を行った。
【0130】
[000112]425nmで光を放出するLEDを透明なプラスチックカバーで覆い、そのカバー上部に裏地を張った。裏地は、全てのサンプルに関してサンプルから等しい距離で光密度が測定できるようにするのに役立つ。口腔用組成物(ペースト、または、スラリー、または、ゲル)をまったく用いない場合のLEDの光密度を決定するために光密度を測定した。この光密度を、他の測定値を比較するための初期測定値とした。
【0131】
[000113]様々なペーストのLEDの光透過率への影響は、まず透明なカバーを横切るようにペーストまたはゲルサンプルを置き、次にキャスティングバーを用いてペーストまたはゲルの深さを透明なカバーの深さと釣り合うようにすることによって決定された。続いて上述した方法と同じようにしてペーストまたはゲルの光密度を測定し、これら二者間の差を用いて光透過率の減少率(%)を計算した。
【0132】
[000114]スラリーに関する光透過率の減少率(%)を評価するのに用いられる方法を、まずLEDを透明なカバーで覆い、続いてLEDの真上の透明なカバー上部に顕微鏡スライドを置くことによって実行した。上述のようにして光密度を測定し、他の測定値を比較するための初期測定値を得た。続いて透明なカバー上部の各ウェルにペーストまたはゲルと水との質量比が1:2のスラリー100μlを添加し、次にスラリーの上部に顕微鏡スライドを置いた。光密度を再度測定し、これら二者間の差を用いて光透過率の減少率(%)(または、場合によっては光透過率の増加率)を計算した。
【0133】
[000115]以下のサンプルを試験した:
【0134】
【表14】

【0135】
[000116]歯磨き剤を介した光透過率の程度の迅速な評価を得るために、十字で印をつけた透明な紙の上にリボン状に絞ったそれぞれの歯磨き剤を載せた。サンプルI(透明〜白色)、A(黄色)およびB(黄色)は、十字がはっきりと見えるようなゲルを提供した。サンプルE(黄色)でも十字が見えたが、サンプルI、AおよびBほどはっきりとしていなかった。サンプルF(黄色)、K(白色)、G(黄色)、L(白色)およびH(黄色)はいずれも、十字が見えないようなゲルを提供した。またサンプルJ(黄色)、C(青緑色)およびD(赤色)を介しても十字をはっきりと見ることができた。
【0136】
[000117]サンプルA〜L全てを、ペーストとして、または、スラリーとして(ペーストと水との質量比は1:2)光透過率の減少について試験した。以下の表に結果を示す。
【0137】
【表15】

【0138】
[000118]表16の結果から明らかなように、GRAS色素を含まない練り歯磨きを介して見た場合のLEDの光密度(ペーストなし)および光の強度は、実質的には同一である。すなわち、GRAS色素を含む歯磨き剤は、光透過率に対する悪影響が色素を含まない調合物と比較してわずかかまったくないように設計され製剤化されている。ベースの練り歯磨き調合物に0.01%タルトラジンを添加したところ光密度は減少し、さらに色素レベルを0.1%に増加させるとよりいっそう減少した(サンプルAとBとの間での透過率の減少を比較)。黄色のGRAS色素の代わりに緑色または赤色の色素を用いたところ、425nmにおける光密度はほぼ同じままであった。
【0139】
[000119]また表16から、ベース調合物にSLSおよびフレーバーを添加したところ、光密度はわずかに増加したことも観察することができる(サンプルEとIとを比較)。カーボポールベースの調合物にTiOを添加すると、光密度および透過率が大々的に減少した。市販されている現行製品のコルゲート(Colgate(R))(サンプルG(虫歯予防)およびH(歯石コントロール))からは、TiOを含む光調合物(サンプルF)と類似した光密度が得られた。
【0140】
[000120]光透過率を改善し視覚的に透明な口腔ケア組成物を提供するためには、本組成物が、TiOをほとんど含まないかまったく含まず、例えばタルトラジン、クルクミン、ファストグリーン、アルラレッドなどの感光性色素を含み、研磨剤として3%またはそれ未満のシリカを含む組成物であることが好ましいと予想される。
【0141】
[000121]本発明を上記で説明に役立つ実例を参照しながら説明したが、当然のことながら本発明は開示された実施態様に限定されない。当業者であれば本明細書を読むことにより想到し得る変更および改変も、添付の請求項で定義される本発明の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体における微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するためのキットであって、該キットは、感光性色素を含む口腔ケア組成物と、感光性色素を活性化して微生物によって引き起こされる状態を治療および/または予防するのに十分な波長および期間で光を放出することができる光照射装置とを含む、上記キット。
【請求項2】
前記口腔ケア組成物を口腔に適用することができるアプリケーターをさらに含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記アプリケーターはさらに光照射装置でもあり、前記アプリケーターを用いて前記組成物が投与される領域に照射することができる、請求項1または2に記載のキット。
【請求項4】
前記光照射装置は、380nm〜780nmの波長で、1J/cm〜450J/cmの線量で、約1〜約500mW/cmの出力密度で、1秒〜120分間光を放出することができる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のキット。
【請求項5】
前記光は、400〜780nmの波長を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
前記期間は、2秒〜15分である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
前記光は、15〜45J/cmの線量で放出される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
前記光は、175〜250mW/cmの出力密度で放出される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のキット。
【請求項9】
前記感光性色素は、クロロフィリンナトリウム銅塩、タルトラジン(FD&C黄色5号)、クルクミン、リボフラビン5’−一リン酸ナトリウム塩、アルラレッドAC(FD&C赤色40号)、ニューコクシン(CI16255,食用赤色7号)、クロモトロープFB(CI14720,食用赤色3号)、インジゴカルミン、エリオグラウシン二ナトリウム塩(FD&C青色1号)、ファストグリーンFCF(FD&C緑色3号)、リサミングリーンB、ナフトールグリーンまたはアシッドグリーン、コチニール、カルモイシンアゾルビン、アマランス、ブリリアントスカーレット4R、クロロフィルと銅の錯体、ブリリアントブラックBN(PN)、チョコレートブラウンHT、ベータ−カロチン、ビキシン、リコピン、ベタニン、リボフラビン、エリトロシンBナトリウム塩、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のキット。
【請求項10】
前記感光性色素は、タルトラジン、クルクミン、アルラレッド、ファストグリーンFCF、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
前記感光性色素は、約0.001〜約1質量%の範囲の量で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のキット。
【請求項12】
前記口腔ケア組成物は、ペルフルオロデカヒドロナフタレンをさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のキット。
【請求項13】
前記組成物は、洗浄、リンスまたはスプレーするのに適した液状溶液;パウダー、練り歯磨きまたは歯科用ゲルから選択される歯磨き剤;歯根膜用ゲル;歯の表面を塗装するのに適した液体;チューインガム;溶解性の、部分的に溶解可能な、または非溶解性のフィルムまたはストリップ;ビーズ;ウエハー;ロゼンジ;拭き取り繊維、または、ウェットティッシュ;インプラント;マウスリンス;フォーム;および、デンタルフロスからなる群より選択される形態である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のキット。
【請求項14】
前記組成物は、練り歯磨き、マウスリンス、または、歯科用ゲルである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のキット。
【請求項15】
前記口腔ケア組成物を適用し、光照射装置で口腔に照射することに関する説明書をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のキット。
【請求項16】
前記感光性色素はタルトラジンである、請求項1〜15のいずれか一項に記載のキット。
【請求項17】
前記感光性色素はクルクミンである、請求項1〜16のいずれか一項に記載のキット。
【請求項18】
前記感光性色素は、アルラレッド、または、ファストグリーンFCFである、請求項1〜17のいずれか一項に記載のキット。

【公表番号】特表2013−514867(P2013−514867A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546117(P2012−546117)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061329
【国際公開番号】WO2011/084746
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】