感圧センサ
【課題】ケーブル状の感圧センサの抵抗値を下げて感度を高めると共に、簡単な構成として細線化を図る。
【解決手段】中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブと、該導電性ゴムチューブの全外周面に接触配置する可撓性を有する金属被覆材を備え、該金属被覆材にリード線を接続し、外圧が付加された部位の前記金属被覆材と導電性ゴムチューブが撓み変形すると、前記絶縁材の隙間を通して中心導体と導電性ゴムチューブが接触し、該導電性ゴムチューブを介して前記中心導体と金属被覆材が通電される構成としている。
【解決手段】中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブと、該導電性ゴムチューブの全外周面に接触配置する可撓性を有する金属被覆材を備え、該金属被覆材にリード線を接続し、外圧が付加された部位の前記金属被覆材と導電性ゴムチューブが撓み変形すると、前記絶縁材の隙間を通して中心導体と導電性ゴムチューブが接触し、該導電性ゴムチューブを介して前記中心導体と金属被覆材が通電される構成としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感圧センサに関し、詳しくは自動車の電動スライドドアやパワーウインドにおける挟み込み検知、シートの着座検知等として好適に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
この種の挟み込み検知用の感圧センサとして、特開2011−58335号公報で図10に示す検知装置が提供されている。該検知装置はゴムチューブからなる保護管100に絶縁体からなる円筒状の本体部101を内嵌し、該本体部101の内周面に90度間隔をあけて棒状の内部導体102を備え、これら内部導体102は長手方向に螺旋状に配置している。
前記保護管100に外圧が付加されて、保護管が撓み変形すると内部導体102が接触し、内部導体102が接続されている電気回路の電気抵抗が変化し、変化した電気抵抗を検知することで挟み込みを検知している。
【0003】
また、本出願人は特開2003−50165号公報において、図11に示す感圧センサ200を提供している。該感圧センサ200は中心導体201の外周に金属線202aを絶縁層202bで被覆した絶縁線202を所定ピッチで隙間C1をあけて横巻きしている。該絶縁線202の外周面の絶縁層202bを剥離して金属線202aを露出させるとともに、該絶縁線202と隙間C2をあけて導電性ゴムチューブ203を外嵌している。
前記導電性ゴムチューブ203に外圧が作用して撓み変形すると、導電性ゴムチューブ203は絶縁線202の隙間C1を通して中心導体201と接触すると共に絶縁線202の露出させた金属線202aとも接触し、中心導体201と導電性ゴムチューブ203に電流が流れて外圧が付加されたことを検知できる構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−58335号公報
【特許文献2】特開2003−50165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の図10に示す感圧センサではゴムチューブからなる保護管100の内周面に90度間隔をあけて内部導体102が通常は接触しないように固着して配置する必要があり、製造工程が複雑になる問題がある。また、大径化すると共に屈曲性が悪い構造となり、配索上の制約を受ける問題もある。
【0006】
前記特許文献2の図11に示す感圧センサは特許文献1と比較して小径化できると共に曲げ易くすることができ、かつ、製造も容易となる。しかしながら、中心導体201と導電性ゴムチューブ203とを接触させ、導電性ゴムチューブ203の長さ方向の一端に接続するリード線を介して検知回路と接続されることになるため、導電性ゴムチューブ203を通る通電回路において抵抗値が大きくなり易い問題がある。
また、検知回路と導電性ゴムチューブとを電気接続するため、導電性ゴムチューブにリード線を接続する必要があるが、該接続は金属との架硫接着等の特殊技術が必要となり、製造工程が複雑となり、コスト高になる問題がある。
【0007】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、特許文献と同様に導電性ゴムチューブを用いながら抵抗値を小さくし、かつ、簡単な構造として容易に製造できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、第1の発明として、中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブと、該導電性ゴムチューブの全外周面に接触配置する可撓性を有する金属被覆材を備え、該金属被覆材にリード線を接続し、
外圧が付加された部位の前記金属被覆材と導電性ゴムチューブが撓み変形すると、前記絶縁材の隙間を通して中心導体と導電性ゴムチューブが接触し、該導電性ゴムチューブを介して前記中心導体と金属被覆材が通電される構成としていることを特徴とする感圧センサを提供している。
【0009】
前記構成からなる本発明のケーブル状の感圧センサでは、中心導体として、電線の芯線として汎用されている銅系金属からなる素線の撚線、横巻線または単芯線が好適に用いられる。なお、ニッケル系金属等でもよい。
前記絶縁材として、絶縁塗料が塗布されているエナメル線、芯線を絶縁樹脂で被覆した電線、絶縁樹脂材で形成した線材等からなる絶縁線材を用い、前記中心導体に隙間をあけて螺旋に巻き付けている。また、前記樹脂線材を隙間をあけて編成した樹脂糸編組チューブを中心導体に被せてもよい。
前記導電性ゴムチューブとしてカーボンブラック、金属粉等の導電性フィラーをシリコーンゴム、EPDM等のゴム成分に混合した導電性ゴムチューブが好適に用いられる。なお、導電性樹脂からなる可撓性を有するチューブとしてもよい。
前記金属被覆材として、従来シールド層の形成材として用いられている金属編組チューブが好適に用いられる。なお、シールド層の形成材として用いられる金属箔テープを導電性ゴムチューブの外周面に巻き付けて用いることもできる。
【0010】
導電性ゴムチューブとリード線との接続は金属との架硫接着等の特殊技術が必要となるが、シールド層の形成材となる金属編組チューブや金属箔テープとリード線との接続は、従来なされている金属編組チューブとアース線との接続と同様な接続形態として、圧着や半田を用いて容易に接続でき、よって、製造が容易となり、安価に製造できる。
【0011】
また、導電性ゴムチューブは電気抵抗値は大きいが、前記金属編組チューブ等からなる金属被覆材は電気抵抗値が小さく、中心導体と導電性ゴムチューブと金属被覆材とからなる通電回路全体の抵抗値を大幅に下げることができ、検知感度を高めることができる。
特に、通電回路は中心導体と金属編組チューブとの間で導電性ゴムチューブの厚み方向に導通回路が形成されるだけで、導電性ゴムチューブの長さ方向に導通回路が形成されないため、導電性ゴムチューブの厚みで抵抗が発生するだけであり、感圧センサの通電回路の抵抗を100Ω以下等と小さくできる。
【0012】
本発明のケーブル状の感圧センサは、前記中心導体として複数本の素線を撚った撚線を用い、前記絶縁材として1本のエナメル線等の絶縁線材を用い、該1本の絶縁線材を前記中心導体の外周面が露出するように一定ピッチで螺旋巻きし、
前記導電性ゴムチューブの外周面の全面に金属編組チューブを被せ、該金属編組チューブの一端にリード線を圧着接続または半田付けし、該リード線および前記中心導体に接続したリード線の他端をコネクタを介して検知回路を設けたECUに接続することが好ましい。
【0013】
前記のように、金属編組チューブを被せた導電性ゴムチューブ内に1本の絶縁線材を螺旋巻きした中心導体を挿通した構成であるため、該ケーブル状の感圧センサの直径を小さくでき細径化が図れると共に屈曲性を高めることができるため、感圧センサを狭い湾曲部に取り付けることができる等、設置部の制約が少なく、利用しやすい利点がある。
さらに、前記した簡単な構造であるため、絶縁線材を螺旋巻きした中心導体を連続的に押し出しながら導電性ゴムチューブを押し出し成形でき、かつ、前記金属編組チューブとリード線との接続も容易となることの相乗効果で製造コストを低下できる。
【0014】
第2の発明として、中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブを備えた一対の第1、第2検知線を備え、これら一対の第1、第2検知線を撚って互いに接触させたツイスト線とし、 外圧が付加された部位の前記第1、第2検知線の導電性ゴムチューブが撓み変形して中心導体とそれぞれ接触し、第1検知線の中心導体が第1、第2検知線の導電性ゴムチューブを介して第2検知線の中心導体と通電される構成としていることを特徴とする感圧センサを提供している。
【0015】
前記第1、第2検知線の中心導体の端末にそれぞれリード線を接続し、該リード線の端末に接続した端子はコネクタを介して検知回路を備えたECUと接続される。前記中心導体、絶縁材、導電性ゴムチューブとして前記第1の発明と同等のものが用いられる。
【0016】
前記第2の発明では、導電性ゴムチューブの電気抵抗値が大きくなるが、第1、第2検知線の中心導体がそれぞれ導電性ゴムチューブと接触した位置で、ツイストした第1、第2検知線の導電性ゴムチューブの厚さ方向の通電部位を介して第1、第2検知線の中心導体が短絡して導通されることになる。このように、抵抗値が大きい導電性ゴムチューブの通電路が厚さ方向だけとなるため全体的な回路抵抗を100Ω以下等と小さくでき、感度のよい感圧センサになる。
【0017】
第3の発明として、
1本の中心導体と、該中心導体の外周に周方向に間隔をあけて配置する3本以上の外部導体と、
前記中心導体および外部導体の外周面にそれぞれ配置すると共に隙間をあけて前記中心導体または外部導体を露出させる絶縁材と
内筒と外筒とを周方向に間隔をあけて径方向に設けた仕切壁で連続し、前記内筒に囲まれた中央空間と、前記内筒と外筒と仕切壁で囲まれた3以上の外部空間を設けた導電性ゴムチューブを備え、
前記導電性ゴムチューブの中央空間に前記中心導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、前記外部空間にそれぞれ1本の前記外部導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、
外圧が付加される部位の前記導電性ゴムチューブの外筒および内筒が撓み変形し、中心導体と内筒と外部導体とに通電回路が形成される構成としていることを特徴とする感圧センサを提供している。
【0018】
前記中心導体および複数の外部導体の端末にそれぞれ接続したリード線を介してコネクタ接続し、該コネクタは検知回路を備えたECUと接続される。
前記中心導体および外部導体は前記第1、第2の発明の中心導体と同様な素材で形成し、該中心導体および外部導体の外周面に配置する前記絶縁材は前記第1、第2の発明の絶縁材と同様な素材にすると共に同様な形態とし、前記導電性ゴムチューブは第1、第2の発明の導電性ゴムチューブと同様に導電性ゴムチューブとしている。
【0019】
前記第3の発明の感圧センサは中心導体の外周に周方向に間隔をあけて、3本以上、好ましくは3本以上8本以下の外部導体を配置し、外圧が付加される部位の外部導体が中心導体と導電性ゴムチューブの内筒を介して導通するため、外圧が付加される方向を検知でき、検知方向の指向性を緩和することができる。
【0020】
前記第1、第2、第3の本発明の感圧センサは自動車のスライドドア、パワーウインド等の挟み込みを検知する必要がある箇所、乗員の座席の着座センサ等として好適に用いられるが、自動車にかぎらず、店舗、事務所、住宅の周囲に敷設して防犯用としても好適に用いられる。
【発明の効果】
【0021】
前記第1、第2、第3の発明の感圧センサは、いずれも電気抵抗が大きくなる導電性ゴムチューブは、該チューブの長さ方向に通電回路を形成させず、チューブの厚さの径方向の通電路とし、その長さを短くしているため、全体の抵抗は大きくならず検知精度を高めることができる。
【0022】
前記第1の発明の感圧センサは、円筒状の導電性ゴムチューブの外周を金属被覆材で被覆し、中心導体と金属被覆材と導電性ゴムチューブとを厚さ方向の通電路としているため、前記のように検知精度を高めることができる。また、前記金属被覆材として、従来シールド線においてシールド層の形成材として汎用されている金属編組チューブを用いると、製造コストを下げることができる。さらに、導電性ゴムチューブにリード線を接続すると特殊技術を必要とするが、金属被覆材とリード線の接続は半田で行うことができるため容易に製造できる。
【0023】
前記第2の発明の感圧センサは、ツイスト線とした2本の中心導体を外圧が付加された位置で前記2本の導体の間に挟まれた導電性ゴムチューブの厚みを介して通電するため、前記のように、導電性ゴムチューブの通電路で生じる抵抗を下げることができる。また、絶縁線材を螺旋巻きした中心導体を導電性ゴムチューブにとおした簡単な検知線を2本設けてツイストすれば製造できるため、製造工程が簡単となり、安価に製造することができる。
【0024】
前記第3の発明の感圧センサは、導電性ゴムチューブの形状が複雑になるが、押出成形可能な形状であるためコスト高にならない。また、中心導体の外周に周方向に間隔をあけて3本以上の外部導体を配置し、外圧が付加された方向の外部導体を中心導体と導電性ゴムチューブの内筒の厚みを介して通電できるため、指向性を緩和でき、いずれの方向から外圧が付加されても精度よく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態の感圧センサの概略正面図である。
【図2】図1のI−I線断面図である。
【図3】外圧が付加されて検知がなされる状態を示し、(A)は図2と同様な断面図、(B)は軸線方向の断面図、(C)は通電回路を概略的に示す図面である。
【図4】第2実施形態の感圧センサの概略正面図である。
【図5】図4のII−II線断面図である。
【図6】外圧が付加されて検知がなされる状態を示し、(A)は図5と同様な断面図、(B)は通電回路を概略的に示す図面である。
【図7】第3実施形態の感圧センサの断面図である。
【図8】第3実施形態の感圧センサの一部断面正面図である。
【図9】第3実施形態の感圧センサの端子を示す概略図である。
【図10】本発明の従来例を示す断面図である。
【図11】他の従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の感圧センサの実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態の感圧センサは自動車の電動スライドドアの車体対向側端縁の上下に沿って取り付け、電動スライドドアと車体との間に乗員や荷物が挟み込まれたことを検出すると、電動スライドドアの閉動作を自動停止し、開動作に移行させて挟み込みを防止するものである。
【0027】
図1乃至図3に第1実施形態の感圧センサを示す。
第1実施形態の感圧センサ1は、中心導体2と、該中心導体2の外周面に一定ピッチで軸線方向に隙間をあけて巻き付ける1本の絶縁線材3と、該絶縁線材3の外周に外嵌する導電性ゴムチューブ4と、該導電性ゴムチューブ4の外周面の全長かつ全囲に被せる金属編組チューブ5と、該金属編組チューブ5の一端に軸線方向の切り込みを入れて直線状に撚った引出部5aに一端を圧着端子T1を用いて接続したリード線6Aを備え、該リード線6Aの先端に端子を圧着接続したケーブル状としている。
【0028】
前記中心導体2は銅系金属からなる複数の素線を撚った撚線とし、前記導電性ゴムチューブ4の一端から引き出した中心導体2の先端に圧着端子T2を介してリード線6Bを接続している。前記リード線6A、6Bの他端にそれぞれ端子を圧着接続してコネクタAに挿入係止している。コネクタAはコネクタBと嵌合し、コネクタBはリード線6Cを介して電動スライドドア用のECU9と接続される。前記ケーブル状の感圧センサ1で通電回路が形成されると、ECU9でスライドドアの挟み込みを検知し、スライドドア動作を反転や停止して制御するものとしている。
【0029】
前記中心導体2に巻き付ける1本の絶縁線材3として導線に絶縁塗料を塗布したエナメル線を用い、該絶縁線材3を中心導体2に所要ピッチで巻き付けている。これにより、絶縁線材3の間に中心導体2を周方向に連続して外部に露出する露出部2rを設けている。該中心導体2に絶縁線材3を螺旋巻きした状態で導電性ゴムチューブ4を外嵌するため、絶縁線材3の直径寸法分だけ中心導体2と導電性ゴムチューブ4との間に絶縁空間C1をあけている。絶縁線材3の直径およびピッチは導電性ゴムチューブ4に外圧が付加されない状態で絶縁空間C1を保持できる設定としている。
【0030】
前記導電性ゴムチューブ4は断面円形で外圧が付加された時に撓み変形する可撓性を持たせている。該導電性ゴムチューブ4は本実施形態ではカーボンブラックをシリコーンゴムに所要割合で配合し、体積固有抵抗値を2.5Ω・cm以下に設定している。該導電性ゴムチューブ4の肉厚を薄くすると、中心導体2と金属編組チューブ5との間で発生する回路抵抗を小さくすることができる。しかしながら、導電性ゴムチューブ4の肉厚を薄くすると撓みやすくなり、外圧が付加されない状態でも中心導体2と接触する恐れがある。よって、導電性ゴムチューブ4の肉厚および強度を外圧が付加されない限り中心導体2に接触しないものとしている。
【0031】
前記導電性ゴムチューブ4の外周面に取り付ける金属編組チューブ5は従来からシールド線のシールド層形成材として用いられている導電材であり、錫メッキ軟銅線を編成したチューブからなる。
なお、該金属編組チューブ5が金属性の外部干渉材と短絡しないようにすると共に保護するため、本感圧センサ1の設置部位に応じて絶縁製且つ柔軟性を有するゴムチューブまたは樹脂チューブで外装被覆することが好ましいが、外装保護材は外力が付加された時に金属編組チューブ5及び導電性ゴムチューブ4の撓み変形を妨げないものとしている。
【0032】
前記感圧センサ1において、車体と電動スライドドアとの間に乗員または荷物の挟み込みが発生すると、図3(A)〜(C)に示すように、外圧が負荷される部位で金属編組チューブ5及び導電性ゴムチューブ4に押圧力が作用して内方に撓み変形する。該撓み変形で導電性ゴムチューブ4は螺旋巻きした絶縁線材3の隙間に露出している中心導体2の露出部2rに押し付けられ、中心導体2と導電性ゴムチューブ4とは電気接触が発生する。該導電性ゴムチューブ4は金属編組チューブ5と導通しているため、中心導体2と金属編組チューブ5とは導電性ゴムチューブ4の撓み変形している部位の厚さ(t)の半径方向の短い通電路(S)を介して通電する。これにより、中心導体2と金属編組チューブ5との間に通電回路が形成でき、ECU9で挟み込みを検知できる。
【0033】
前記中心導体2→導電性ゴムチューブ4→金属編組チューブ5に形成される通電回路において、導電性ゴムチューブ4が最も抵抗値が大であるが、導電性ゴムチューブ4では前記のように通電路はチューブの長さ方向ではなく、半径方向の厚さ方向に形成されるため、前記通電回路の抵抗値は100Ω以下にでき、通電する電流値を上げて、検知感度を高めることができる。
該感圧センサ1では中心導体2に螺旋状に巻き付ける絶縁線材3で区画される全周方向の露出部2rの一部に導電性ゴムチューブ4が接触するため、該接触位置から外圧が負荷される方向を検知できる。
【0034】
また、撚線からなる1本の中心導体2の外周に1本の絶縁線材3を螺旋巻きして導電性ゴムチューブ4に通し、該導電性ゴムチューブ4の外周に金属編組チューブ5を被せたケーブル状であるため、該ケーブルを細く且つ屈曲しやすい形状とでき、所要位置に配索し易い。
さらに、導電性ゴムチューブ4にリード線6を直接接続する場合には架硫接着等の特殊技術が必要となるが、導電性ゴムチューブ4の外周を金属編組チューブ5で被覆し、該金属編組チューブ5にリード線6を接続するため圧着接続や半田接続ができる。かつ、絶縁線材3を巻き付けた中心導体2を連続引き出ししながら、その外周に導電性ゴムチューブ4を押出成形することができ、製造コストを低下できる。
【0035】
前記第1実施形態では中心導体2の外周にエナメル線からなる絶縁線材3を螺旋巻きしているが、エナメル線に変えて所要径の絶縁樹脂製糸を用いてもよい。また、絶縁樹脂製糸で編成したメッシュチューブを被せてもよい。すなわち、中心導体2と導電性ゴムチューブ4との間に絶縁空間を保持すると共に中心導体2を露出する隙間を備えた絶縁材であればよい。また、金属編組チューブ5に変えて金属箔テープを導電性ゴムチューブの外周に巻き付け、該導電性ゴムチューブと金属箔テープとの間にリード線を挿入して金属箔テープとリード線を電気接続してもよい。
【0036】
図4乃至図6に第2実施形態の感圧センサ10を示す。
該感圧センサ10は、第1実施形態の導電性ゴムチューブ4の外周に金属編組チューブ5を被せていない状態の2本の第1検知線11と第2検知線12を設け、該第1検知線11と第2検知線12を捩ってツイスト線13としている。第2実施形態の感圧センサ10は、金属編組チューブで導電性ゴムチューブを被覆する代わりに、2本の第1、第2検知線11、12をツイストしている。
【0037】
前記第1検知線11は中心導体2Aに絶縁線材3Aを螺旋巻きし、その外周に導電性ゴムチューブ4Aを被せている。第2検知線12は第1検知線11と同等な構成とし、中心導体2Bも絶縁線材3Bを螺旋巻きし、その外周に導電性ゴムチューブ4Bを被せている。第1実施形態と同様に、第1、第2検知線11、12は中心導体2A、2Bにそれぞれリード線6を接続し、該リード線6の他端に接続した端子をコネクタAに接続し、該コネクタAをコネクタBと嵌合し、コネクタBをリード線6Cを介してECU9に接続している。
【0038】
第1、第2検知線11、12の中心導体2A、2B、絶縁線材3A、3B、導電性ゴムチューブ4A、4Bは第1実施形態の中心導体2、絶縁線材3、導電性ゴムチューブ4と同等であるため説明を省略する。
【0039】
前記感圧センサ10において、車体と電動スライドドアとの間に乗員または荷物の挟み込みが発生すると、図6(A)(B)に示すように、外圧が負荷される部位で外側に位置する第1、第2検知線11と12のいずれか一方、例えば第1検知線11が内側に位置する第2検知線12側へと撓み変形する。これにより、第1検知線11の導電性ゴムチューブ4Aの外側部分4A−oが中心導体2Aを導電性ゴムチューブ4Aの内側部分4A−iに押し付け、中心導体2Aの露出部2rが導電性ゴムチューブ4Aの内側部分4A−iに接触する。
【0040】
さらに、第1検知線11とツイストした第2検知線12の導電性ゴムチューブ4Bが、内側に撓む第1検知線11の導電性ゴムチューブ4Aに押されて中心導体2Bの露出部2rに接触する。
これにより、外圧が負荷された部位で第1、第2検知線11、12の中心導体2Aと2Bとにツイストで接触された導電性ゴムチューブ4Aと4Bを介して短い通電路(S)が形成でき、中心導体2Aと2Bが通電され、ECU9で検知できる。
【0041】
中心導体2A→導電性ゴムチューブ4A→導電性ゴムチューブ4B→中心導体2Bに形成される通電回路において、導電性ゴムチューブ4A、4Bが最も抵抗値が大であるが、ツイストされた導電性ゴムチューブ4Aと4Bでは前記のように通電路はチューブの長さ方向ではなく、半径方向の厚さ方向に形成されるため、前記通電回路の抵抗値を100Ω以下に下げて通電する電流値を上げ、検知感度を高めることができる。
【0042】
前記第2実施形態の感圧センサ10は、導電性ゴムチューブに金属編組チューブを取り付け、該金属編組チューブにリード線を接続する必要はなく、同一形状の2本の検知線11、12を設けてツイストすれば良いだけであるため、製造を簡単にでき、コスト低下を図ることができる。他の作用効果は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0043】
図7乃至図9に第3実施形態の感圧センサ20を示す。
該第3実施形態の感圧センサ20は特に指向性を緩和したセンサとし、いずれの方向から外圧が負荷されても感度の良いセンサとし、かつ、外圧が負荷された方向を精度良く特定できるものとしている。
【0044】
感圧センサ20は、1本の中心導体2Cと、該中心導体2Cの外周に周方向に間隔をあけて配置する3本以上(本実施形態では4本)の外部導体2D〜2Gを備えている。前記中心導体2Cおよび外部導体2D〜2Gの外周面にそれぞれエナメル線材からなる絶縁線材3C〜3Gを螺旋巻きし、中心導体2C、外部導体2D〜2Gの一部を外部に露出している。
【0045】
第3実施形態の感圧センサ20は導電性ゴムチューブ22を、内筒22aと外筒22bとを周方向に間隔をあけて径方向に設けた仕切壁22cで連続し、内筒22aに囲まれた中央空間22−1と、内筒22aと外筒22bと仕切壁22cで囲まれた4個の外部空間22−2〜22−5を設けた形状としている。該形状は軸線方向に連続し、よって、導電性ゴムチューブ22は、前記絶線線材3C〜3Gをそれぞれ巻き付けた中心導体2C、外部導体2D〜2Gを互いに所定位置となるように引き出しながら押出成形している。
【0046】
導電性ゴムチューブ22の中央空間22−1に絶縁線材3Cを巻き付けた前記中心導体2Cを挿通し、各外部空間22−2〜22−5にそれぞれ1本の絶縁線材3D〜3Gを螺旋巻きした外部導体2D〜2Gを挿通している。即ち、導電性ゴムチューブ22の中央空間22−1および外部空間22−2〜22−5に中心導体2C、外部導体2D〜2Gをそれぞれ非接触で絶縁空間をあけて配置している。
【0047】
前記中心導体2C、4本の外部導体2D〜2Gにそれぞれリード線6を接続し、これらリード線の端末に接続した端子をコネクタAに接続している。該コネクタAは第1、第2実施形態と同様に、ECUにリード線を介して接続したコネクタと嵌合接続している。
本第3実施形態の感圧センサでは、外圧が負荷されると、前記外部導体2D〜2Gのいずれか1本が中心導体2Cと通電回路を形成して挟み込みを検知できるものとしている。
【0048】
前記中心導体2Cおよび外部導体2D〜2Gは前記第1、第2実施形態の中心導体と同様な素材で形成し、かつ、前記絶縁線材3C〜3Gおよび導電性ゴムチューブ22も第1、第2実施形態の絶縁線材および導電性ゴムチューブと同様な素材で形成している。
【0049】
前記感圧センサ20は中心導体2Cの外周に周方向に90度間隔をあけて4本の外部導体2D〜2Gを配置しているため、外圧が付加される部位の外部導体2D〜2Gのいずれか1本が中心導体2Cと導電性ゴムチューブ22の内筒22aを介して導通し、外圧を検知できる。かつ、中心導体2Cと通電する外部導体が特定されるため、外圧が負荷される方向を特定することができると共に、いずれの方向から外圧が負荷されても感度よく検知でき、指向性を緩和できる。
【0050】
また、感圧センサ20においても、導電性ゴムチューブ22で抵抗値が大となるが、中心導体2Cと外部導体2D〜2Gのいずれか1本は導電性ゴムチューブ22の内筒22aの厚さ方向で短絡して通電されるため、内筒22aを介した中心導体と外部導体との全体の抵抗値を100Ω以下と低減でき、感度のよい検知を行うことができる。
【0051】
前記感圧センサ20では外部導体は90度間隔をあけて4本配置しているが、120度間隔をあけて3本としてもよく、また、45度間隔をあけて8本としてもよい。外部導体を多数本とすると、指向性をより緩和できるが、大径化するため前記8本以下とすることが好ましい。
【符号の説明】
【0052】
1、10、20 感圧センサ
2、2A〜2C 中心導体
2D〜2G 外部導体
3、3A〜3G 絶縁線材
4、22 導電性ゴムチューブ
5 金属編組チューブ
6 リード線
9 ECU
A、B コネクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は感圧センサに関し、詳しくは自動車の電動スライドドアやパワーウインドにおける挟み込み検知、シートの着座検知等として好適に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
この種の挟み込み検知用の感圧センサとして、特開2011−58335号公報で図10に示す検知装置が提供されている。該検知装置はゴムチューブからなる保護管100に絶縁体からなる円筒状の本体部101を内嵌し、該本体部101の内周面に90度間隔をあけて棒状の内部導体102を備え、これら内部導体102は長手方向に螺旋状に配置している。
前記保護管100に外圧が付加されて、保護管が撓み変形すると内部導体102が接触し、内部導体102が接続されている電気回路の電気抵抗が変化し、変化した電気抵抗を検知することで挟み込みを検知している。
【0003】
また、本出願人は特開2003−50165号公報において、図11に示す感圧センサ200を提供している。該感圧センサ200は中心導体201の外周に金属線202aを絶縁層202bで被覆した絶縁線202を所定ピッチで隙間C1をあけて横巻きしている。該絶縁線202の外周面の絶縁層202bを剥離して金属線202aを露出させるとともに、該絶縁線202と隙間C2をあけて導電性ゴムチューブ203を外嵌している。
前記導電性ゴムチューブ203に外圧が作用して撓み変形すると、導電性ゴムチューブ203は絶縁線202の隙間C1を通して中心導体201と接触すると共に絶縁線202の露出させた金属線202aとも接触し、中心導体201と導電性ゴムチューブ203に電流が流れて外圧が付加されたことを検知できる構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−58335号公報
【特許文献2】特開2003−50165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の図10に示す感圧センサではゴムチューブからなる保護管100の内周面に90度間隔をあけて内部導体102が通常は接触しないように固着して配置する必要があり、製造工程が複雑になる問題がある。また、大径化すると共に屈曲性が悪い構造となり、配索上の制約を受ける問題もある。
【0006】
前記特許文献2の図11に示す感圧センサは特許文献1と比較して小径化できると共に曲げ易くすることができ、かつ、製造も容易となる。しかしながら、中心導体201と導電性ゴムチューブ203とを接触させ、導電性ゴムチューブ203の長さ方向の一端に接続するリード線を介して検知回路と接続されることになるため、導電性ゴムチューブ203を通る通電回路において抵抗値が大きくなり易い問題がある。
また、検知回路と導電性ゴムチューブとを電気接続するため、導電性ゴムチューブにリード線を接続する必要があるが、該接続は金属との架硫接着等の特殊技術が必要となり、製造工程が複雑となり、コスト高になる問題がある。
【0007】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、特許文献と同様に導電性ゴムチューブを用いながら抵抗値を小さくし、かつ、簡単な構造として容易に製造できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、第1の発明として、中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブと、該導電性ゴムチューブの全外周面に接触配置する可撓性を有する金属被覆材を備え、該金属被覆材にリード線を接続し、
外圧が付加された部位の前記金属被覆材と導電性ゴムチューブが撓み変形すると、前記絶縁材の隙間を通して中心導体と導電性ゴムチューブが接触し、該導電性ゴムチューブを介して前記中心導体と金属被覆材が通電される構成としていることを特徴とする感圧センサを提供している。
【0009】
前記構成からなる本発明のケーブル状の感圧センサでは、中心導体として、電線の芯線として汎用されている銅系金属からなる素線の撚線、横巻線または単芯線が好適に用いられる。なお、ニッケル系金属等でもよい。
前記絶縁材として、絶縁塗料が塗布されているエナメル線、芯線を絶縁樹脂で被覆した電線、絶縁樹脂材で形成した線材等からなる絶縁線材を用い、前記中心導体に隙間をあけて螺旋に巻き付けている。また、前記樹脂線材を隙間をあけて編成した樹脂糸編組チューブを中心導体に被せてもよい。
前記導電性ゴムチューブとしてカーボンブラック、金属粉等の導電性フィラーをシリコーンゴム、EPDM等のゴム成分に混合した導電性ゴムチューブが好適に用いられる。なお、導電性樹脂からなる可撓性を有するチューブとしてもよい。
前記金属被覆材として、従来シールド層の形成材として用いられている金属編組チューブが好適に用いられる。なお、シールド層の形成材として用いられる金属箔テープを導電性ゴムチューブの外周面に巻き付けて用いることもできる。
【0010】
導電性ゴムチューブとリード線との接続は金属との架硫接着等の特殊技術が必要となるが、シールド層の形成材となる金属編組チューブや金属箔テープとリード線との接続は、従来なされている金属編組チューブとアース線との接続と同様な接続形態として、圧着や半田を用いて容易に接続でき、よって、製造が容易となり、安価に製造できる。
【0011】
また、導電性ゴムチューブは電気抵抗値は大きいが、前記金属編組チューブ等からなる金属被覆材は電気抵抗値が小さく、中心導体と導電性ゴムチューブと金属被覆材とからなる通電回路全体の抵抗値を大幅に下げることができ、検知感度を高めることができる。
特に、通電回路は中心導体と金属編組チューブとの間で導電性ゴムチューブの厚み方向に導通回路が形成されるだけで、導電性ゴムチューブの長さ方向に導通回路が形成されないため、導電性ゴムチューブの厚みで抵抗が発生するだけであり、感圧センサの通電回路の抵抗を100Ω以下等と小さくできる。
【0012】
本発明のケーブル状の感圧センサは、前記中心導体として複数本の素線を撚った撚線を用い、前記絶縁材として1本のエナメル線等の絶縁線材を用い、該1本の絶縁線材を前記中心導体の外周面が露出するように一定ピッチで螺旋巻きし、
前記導電性ゴムチューブの外周面の全面に金属編組チューブを被せ、該金属編組チューブの一端にリード線を圧着接続または半田付けし、該リード線および前記中心導体に接続したリード線の他端をコネクタを介して検知回路を設けたECUに接続することが好ましい。
【0013】
前記のように、金属編組チューブを被せた導電性ゴムチューブ内に1本の絶縁線材を螺旋巻きした中心導体を挿通した構成であるため、該ケーブル状の感圧センサの直径を小さくでき細径化が図れると共に屈曲性を高めることができるため、感圧センサを狭い湾曲部に取り付けることができる等、設置部の制約が少なく、利用しやすい利点がある。
さらに、前記した簡単な構造であるため、絶縁線材を螺旋巻きした中心導体を連続的に押し出しながら導電性ゴムチューブを押し出し成形でき、かつ、前記金属編組チューブとリード線との接続も容易となることの相乗効果で製造コストを低下できる。
【0014】
第2の発明として、中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブを備えた一対の第1、第2検知線を備え、これら一対の第1、第2検知線を撚って互いに接触させたツイスト線とし、 外圧が付加された部位の前記第1、第2検知線の導電性ゴムチューブが撓み変形して中心導体とそれぞれ接触し、第1検知線の中心導体が第1、第2検知線の導電性ゴムチューブを介して第2検知線の中心導体と通電される構成としていることを特徴とする感圧センサを提供している。
【0015】
前記第1、第2検知線の中心導体の端末にそれぞれリード線を接続し、該リード線の端末に接続した端子はコネクタを介して検知回路を備えたECUと接続される。前記中心導体、絶縁材、導電性ゴムチューブとして前記第1の発明と同等のものが用いられる。
【0016】
前記第2の発明では、導電性ゴムチューブの電気抵抗値が大きくなるが、第1、第2検知線の中心導体がそれぞれ導電性ゴムチューブと接触した位置で、ツイストした第1、第2検知線の導電性ゴムチューブの厚さ方向の通電部位を介して第1、第2検知線の中心導体が短絡して導通されることになる。このように、抵抗値が大きい導電性ゴムチューブの通電路が厚さ方向だけとなるため全体的な回路抵抗を100Ω以下等と小さくでき、感度のよい感圧センサになる。
【0017】
第3の発明として、
1本の中心導体と、該中心導体の外周に周方向に間隔をあけて配置する3本以上の外部導体と、
前記中心導体および外部導体の外周面にそれぞれ配置すると共に隙間をあけて前記中心導体または外部導体を露出させる絶縁材と
内筒と外筒とを周方向に間隔をあけて径方向に設けた仕切壁で連続し、前記内筒に囲まれた中央空間と、前記内筒と外筒と仕切壁で囲まれた3以上の外部空間を設けた導電性ゴムチューブを備え、
前記導電性ゴムチューブの中央空間に前記中心導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、前記外部空間にそれぞれ1本の前記外部導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、
外圧が付加される部位の前記導電性ゴムチューブの外筒および内筒が撓み変形し、中心導体と内筒と外部導体とに通電回路が形成される構成としていることを特徴とする感圧センサを提供している。
【0018】
前記中心導体および複数の外部導体の端末にそれぞれ接続したリード線を介してコネクタ接続し、該コネクタは検知回路を備えたECUと接続される。
前記中心導体および外部導体は前記第1、第2の発明の中心導体と同様な素材で形成し、該中心導体および外部導体の外周面に配置する前記絶縁材は前記第1、第2の発明の絶縁材と同様な素材にすると共に同様な形態とし、前記導電性ゴムチューブは第1、第2の発明の導電性ゴムチューブと同様に導電性ゴムチューブとしている。
【0019】
前記第3の発明の感圧センサは中心導体の外周に周方向に間隔をあけて、3本以上、好ましくは3本以上8本以下の外部導体を配置し、外圧が付加される部位の外部導体が中心導体と導電性ゴムチューブの内筒を介して導通するため、外圧が付加される方向を検知でき、検知方向の指向性を緩和することができる。
【0020】
前記第1、第2、第3の本発明の感圧センサは自動車のスライドドア、パワーウインド等の挟み込みを検知する必要がある箇所、乗員の座席の着座センサ等として好適に用いられるが、自動車にかぎらず、店舗、事務所、住宅の周囲に敷設して防犯用としても好適に用いられる。
【発明の効果】
【0021】
前記第1、第2、第3の発明の感圧センサは、いずれも電気抵抗が大きくなる導電性ゴムチューブは、該チューブの長さ方向に通電回路を形成させず、チューブの厚さの径方向の通電路とし、その長さを短くしているため、全体の抵抗は大きくならず検知精度を高めることができる。
【0022】
前記第1の発明の感圧センサは、円筒状の導電性ゴムチューブの外周を金属被覆材で被覆し、中心導体と金属被覆材と導電性ゴムチューブとを厚さ方向の通電路としているため、前記のように検知精度を高めることができる。また、前記金属被覆材として、従来シールド線においてシールド層の形成材として汎用されている金属編組チューブを用いると、製造コストを下げることができる。さらに、導電性ゴムチューブにリード線を接続すると特殊技術を必要とするが、金属被覆材とリード線の接続は半田で行うことができるため容易に製造できる。
【0023】
前記第2の発明の感圧センサは、ツイスト線とした2本の中心導体を外圧が付加された位置で前記2本の導体の間に挟まれた導電性ゴムチューブの厚みを介して通電するため、前記のように、導電性ゴムチューブの通電路で生じる抵抗を下げることができる。また、絶縁線材を螺旋巻きした中心導体を導電性ゴムチューブにとおした簡単な検知線を2本設けてツイストすれば製造できるため、製造工程が簡単となり、安価に製造することができる。
【0024】
前記第3の発明の感圧センサは、導電性ゴムチューブの形状が複雑になるが、押出成形可能な形状であるためコスト高にならない。また、中心導体の外周に周方向に間隔をあけて3本以上の外部導体を配置し、外圧が付加された方向の外部導体を中心導体と導電性ゴムチューブの内筒の厚みを介して通電できるため、指向性を緩和でき、いずれの方向から外圧が付加されても精度よく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態の感圧センサの概略正面図である。
【図2】図1のI−I線断面図である。
【図3】外圧が付加されて検知がなされる状態を示し、(A)は図2と同様な断面図、(B)は軸線方向の断面図、(C)は通電回路を概略的に示す図面である。
【図4】第2実施形態の感圧センサの概略正面図である。
【図5】図4のII−II線断面図である。
【図6】外圧が付加されて検知がなされる状態を示し、(A)は図5と同様な断面図、(B)は通電回路を概略的に示す図面である。
【図7】第3実施形態の感圧センサの断面図である。
【図8】第3実施形態の感圧センサの一部断面正面図である。
【図9】第3実施形態の感圧センサの端子を示す概略図である。
【図10】本発明の従来例を示す断面図である。
【図11】他の従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の感圧センサの実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態の感圧センサは自動車の電動スライドドアの車体対向側端縁の上下に沿って取り付け、電動スライドドアと車体との間に乗員や荷物が挟み込まれたことを検出すると、電動スライドドアの閉動作を自動停止し、開動作に移行させて挟み込みを防止するものである。
【0027】
図1乃至図3に第1実施形態の感圧センサを示す。
第1実施形態の感圧センサ1は、中心導体2と、該中心導体2の外周面に一定ピッチで軸線方向に隙間をあけて巻き付ける1本の絶縁線材3と、該絶縁線材3の外周に外嵌する導電性ゴムチューブ4と、該導電性ゴムチューブ4の外周面の全長かつ全囲に被せる金属編組チューブ5と、該金属編組チューブ5の一端に軸線方向の切り込みを入れて直線状に撚った引出部5aに一端を圧着端子T1を用いて接続したリード線6Aを備え、該リード線6Aの先端に端子を圧着接続したケーブル状としている。
【0028】
前記中心導体2は銅系金属からなる複数の素線を撚った撚線とし、前記導電性ゴムチューブ4の一端から引き出した中心導体2の先端に圧着端子T2を介してリード線6Bを接続している。前記リード線6A、6Bの他端にそれぞれ端子を圧着接続してコネクタAに挿入係止している。コネクタAはコネクタBと嵌合し、コネクタBはリード線6Cを介して電動スライドドア用のECU9と接続される。前記ケーブル状の感圧センサ1で通電回路が形成されると、ECU9でスライドドアの挟み込みを検知し、スライドドア動作を反転や停止して制御するものとしている。
【0029】
前記中心導体2に巻き付ける1本の絶縁線材3として導線に絶縁塗料を塗布したエナメル線を用い、該絶縁線材3を中心導体2に所要ピッチで巻き付けている。これにより、絶縁線材3の間に中心導体2を周方向に連続して外部に露出する露出部2rを設けている。該中心導体2に絶縁線材3を螺旋巻きした状態で導電性ゴムチューブ4を外嵌するため、絶縁線材3の直径寸法分だけ中心導体2と導電性ゴムチューブ4との間に絶縁空間C1をあけている。絶縁線材3の直径およびピッチは導電性ゴムチューブ4に外圧が付加されない状態で絶縁空間C1を保持できる設定としている。
【0030】
前記導電性ゴムチューブ4は断面円形で外圧が付加された時に撓み変形する可撓性を持たせている。該導電性ゴムチューブ4は本実施形態ではカーボンブラックをシリコーンゴムに所要割合で配合し、体積固有抵抗値を2.5Ω・cm以下に設定している。該導電性ゴムチューブ4の肉厚を薄くすると、中心導体2と金属編組チューブ5との間で発生する回路抵抗を小さくすることができる。しかしながら、導電性ゴムチューブ4の肉厚を薄くすると撓みやすくなり、外圧が付加されない状態でも中心導体2と接触する恐れがある。よって、導電性ゴムチューブ4の肉厚および強度を外圧が付加されない限り中心導体2に接触しないものとしている。
【0031】
前記導電性ゴムチューブ4の外周面に取り付ける金属編組チューブ5は従来からシールド線のシールド層形成材として用いられている導電材であり、錫メッキ軟銅線を編成したチューブからなる。
なお、該金属編組チューブ5が金属性の外部干渉材と短絡しないようにすると共に保護するため、本感圧センサ1の設置部位に応じて絶縁製且つ柔軟性を有するゴムチューブまたは樹脂チューブで外装被覆することが好ましいが、外装保護材は外力が付加された時に金属編組チューブ5及び導電性ゴムチューブ4の撓み変形を妨げないものとしている。
【0032】
前記感圧センサ1において、車体と電動スライドドアとの間に乗員または荷物の挟み込みが発生すると、図3(A)〜(C)に示すように、外圧が負荷される部位で金属編組チューブ5及び導電性ゴムチューブ4に押圧力が作用して内方に撓み変形する。該撓み変形で導電性ゴムチューブ4は螺旋巻きした絶縁線材3の隙間に露出している中心導体2の露出部2rに押し付けられ、中心導体2と導電性ゴムチューブ4とは電気接触が発生する。該導電性ゴムチューブ4は金属編組チューブ5と導通しているため、中心導体2と金属編組チューブ5とは導電性ゴムチューブ4の撓み変形している部位の厚さ(t)の半径方向の短い通電路(S)を介して通電する。これにより、中心導体2と金属編組チューブ5との間に通電回路が形成でき、ECU9で挟み込みを検知できる。
【0033】
前記中心導体2→導電性ゴムチューブ4→金属編組チューブ5に形成される通電回路において、導電性ゴムチューブ4が最も抵抗値が大であるが、導電性ゴムチューブ4では前記のように通電路はチューブの長さ方向ではなく、半径方向の厚さ方向に形成されるため、前記通電回路の抵抗値は100Ω以下にでき、通電する電流値を上げて、検知感度を高めることができる。
該感圧センサ1では中心導体2に螺旋状に巻き付ける絶縁線材3で区画される全周方向の露出部2rの一部に導電性ゴムチューブ4が接触するため、該接触位置から外圧が負荷される方向を検知できる。
【0034】
また、撚線からなる1本の中心導体2の外周に1本の絶縁線材3を螺旋巻きして導電性ゴムチューブ4に通し、該導電性ゴムチューブ4の外周に金属編組チューブ5を被せたケーブル状であるため、該ケーブルを細く且つ屈曲しやすい形状とでき、所要位置に配索し易い。
さらに、導電性ゴムチューブ4にリード線6を直接接続する場合には架硫接着等の特殊技術が必要となるが、導電性ゴムチューブ4の外周を金属編組チューブ5で被覆し、該金属編組チューブ5にリード線6を接続するため圧着接続や半田接続ができる。かつ、絶縁線材3を巻き付けた中心導体2を連続引き出ししながら、その外周に導電性ゴムチューブ4を押出成形することができ、製造コストを低下できる。
【0035】
前記第1実施形態では中心導体2の外周にエナメル線からなる絶縁線材3を螺旋巻きしているが、エナメル線に変えて所要径の絶縁樹脂製糸を用いてもよい。また、絶縁樹脂製糸で編成したメッシュチューブを被せてもよい。すなわち、中心導体2と導電性ゴムチューブ4との間に絶縁空間を保持すると共に中心導体2を露出する隙間を備えた絶縁材であればよい。また、金属編組チューブ5に変えて金属箔テープを導電性ゴムチューブの外周に巻き付け、該導電性ゴムチューブと金属箔テープとの間にリード線を挿入して金属箔テープとリード線を電気接続してもよい。
【0036】
図4乃至図6に第2実施形態の感圧センサ10を示す。
該感圧センサ10は、第1実施形態の導電性ゴムチューブ4の外周に金属編組チューブ5を被せていない状態の2本の第1検知線11と第2検知線12を設け、該第1検知線11と第2検知線12を捩ってツイスト線13としている。第2実施形態の感圧センサ10は、金属編組チューブで導電性ゴムチューブを被覆する代わりに、2本の第1、第2検知線11、12をツイストしている。
【0037】
前記第1検知線11は中心導体2Aに絶縁線材3Aを螺旋巻きし、その外周に導電性ゴムチューブ4Aを被せている。第2検知線12は第1検知線11と同等な構成とし、中心導体2Bも絶縁線材3Bを螺旋巻きし、その外周に導電性ゴムチューブ4Bを被せている。第1実施形態と同様に、第1、第2検知線11、12は中心導体2A、2Bにそれぞれリード線6を接続し、該リード線6の他端に接続した端子をコネクタAに接続し、該コネクタAをコネクタBと嵌合し、コネクタBをリード線6Cを介してECU9に接続している。
【0038】
第1、第2検知線11、12の中心導体2A、2B、絶縁線材3A、3B、導電性ゴムチューブ4A、4Bは第1実施形態の中心導体2、絶縁線材3、導電性ゴムチューブ4と同等であるため説明を省略する。
【0039】
前記感圧センサ10において、車体と電動スライドドアとの間に乗員または荷物の挟み込みが発生すると、図6(A)(B)に示すように、外圧が負荷される部位で外側に位置する第1、第2検知線11と12のいずれか一方、例えば第1検知線11が内側に位置する第2検知線12側へと撓み変形する。これにより、第1検知線11の導電性ゴムチューブ4Aの外側部分4A−oが中心導体2Aを導電性ゴムチューブ4Aの内側部分4A−iに押し付け、中心導体2Aの露出部2rが導電性ゴムチューブ4Aの内側部分4A−iに接触する。
【0040】
さらに、第1検知線11とツイストした第2検知線12の導電性ゴムチューブ4Bが、内側に撓む第1検知線11の導電性ゴムチューブ4Aに押されて中心導体2Bの露出部2rに接触する。
これにより、外圧が負荷された部位で第1、第2検知線11、12の中心導体2Aと2Bとにツイストで接触された導電性ゴムチューブ4Aと4Bを介して短い通電路(S)が形成でき、中心導体2Aと2Bが通電され、ECU9で検知できる。
【0041】
中心導体2A→導電性ゴムチューブ4A→導電性ゴムチューブ4B→中心導体2Bに形成される通電回路において、導電性ゴムチューブ4A、4Bが最も抵抗値が大であるが、ツイストされた導電性ゴムチューブ4Aと4Bでは前記のように通電路はチューブの長さ方向ではなく、半径方向の厚さ方向に形成されるため、前記通電回路の抵抗値を100Ω以下に下げて通電する電流値を上げ、検知感度を高めることができる。
【0042】
前記第2実施形態の感圧センサ10は、導電性ゴムチューブに金属編組チューブを取り付け、該金属編組チューブにリード線を接続する必要はなく、同一形状の2本の検知線11、12を設けてツイストすれば良いだけであるため、製造を簡単にでき、コスト低下を図ることができる。他の作用効果は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0043】
図7乃至図9に第3実施形態の感圧センサ20を示す。
該第3実施形態の感圧センサ20は特に指向性を緩和したセンサとし、いずれの方向から外圧が負荷されても感度の良いセンサとし、かつ、外圧が負荷された方向を精度良く特定できるものとしている。
【0044】
感圧センサ20は、1本の中心導体2Cと、該中心導体2Cの外周に周方向に間隔をあけて配置する3本以上(本実施形態では4本)の外部導体2D〜2Gを備えている。前記中心導体2Cおよび外部導体2D〜2Gの外周面にそれぞれエナメル線材からなる絶縁線材3C〜3Gを螺旋巻きし、中心導体2C、外部導体2D〜2Gの一部を外部に露出している。
【0045】
第3実施形態の感圧センサ20は導電性ゴムチューブ22を、内筒22aと外筒22bとを周方向に間隔をあけて径方向に設けた仕切壁22cで連続し、内筒22aに囲まれた中央空間22−1と、内筒22aと外筒22bと仕切壁22cで囲まれた4個の外部空間22−2〜22−5を設けた形状としている。該形状は軸線方向に連続し、よって、導電性ゴムチューブ22は、前記絶線線材3C〜3Gをそれぞれ巻き付けた中心導体2C、外部導体2D〜2Gを互いに所定位置となるように引き出しながら押出成形している。
【0046】
導電性ゴムチューブ22の中央空間22−1に絶縁線材3Cを巻き付けた前記中心導体2Cを挿通し、各外部空間22−2〜22−5にそれぞれ1本の絶縁線材3D〜3Gを螺旋巻きした外部導体2D〜2Gを挿通している。即ち、導電性ゴムチューブ22の中央空間22−1および外部空間22−2〜22−5に中心導体2C、外部導体2D〜2Gをそれぞれ非接触で絶縁空間をあけて配置している。
【0047】
前記中心導体2C、4本の外部導体2D〜2Gにそれぞれリード線6を接続し、これらリード線の端末に接続した端子をコネクタAに接続している。該コネクタAは第1、第2実施形態と同様に、ECUにリード線を介して接続したコネクタと嵌合接続している。
本第3実施形態の感圧センサでは、外圧が負荷されると、前記外部導体2D〜2Gのいずれか1本が中心導体2Cと通電回路を形成して挟み込みを検知できるものとしている。
【0048】
前記中心導体2Cおよび外部導体2D〜2Gは前記第1、第2実施形態の中心導体と同様な素材で形成し、かつ、前記絶縁線材3C〜3Gおよび導電性ゴムチューブ22も第1、第2実施形態の絶縁線材および導電性ゴムチューブと同様な素材で形成している。
【0049】
前記感圧センサ20は中心導体2Cの外周に周方向に90度間隔をあけて4本の外部導体2D〜2Gを配置しているため、外圧が付加される部位の外部導体2D〜2Gのいずれか1本が中心導体2Cと導電性ゴムチューブ22の内筒22aを介して導通し、外圧を検知できる。かつ、中心導体2Cと通電する外部導体が特定されるため、外圧が負荷される方向を特定することができると共に、いずれの方向から外圧が負荷されても感度よく検知でき、指向性を緩和できる。
【0050】
また、感圧センサ20においても、導電性ゴムチューブ22で抵抗値が大となるが、中心導体2Cと外部導体2D〜2Gのいずれか1本は導電性ゴムチューブ22の内筒22aの厚さ方向で短絡して通電されるため、内筒22aを介した中心導体と外部導体との全体の抵抗値を100Ω以下と低減でき、感度のよい検知を行うことができる。
【0051】
前記感圧センサ20では外部導体は90度間隔をあけて4本配置しているが、120度間隔をあけて3本としてもよく、また、45度間隔をあけて8本としてもよい。外部導体を多数本とすると、指向性をより緩和できるが、大径化するため前記8本以下とすることが好ましい。
【符号の説明】
【0052】
1、10、20 感圧センサ
2、2A〜2C 中心導体
2D〜2G 外部導体
3、3A〜3G 絶縁線材
4、22 導電性ゴムチューブ
5 金属編組チューブ
6 リード線
9 ECU
A、B コネクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブと、該導電性ゴムチューブの全外周面に接触配置する可撓性を有する金属被覆材を備え、該金属被覆材にリード線を接続し、
外圧が付加された部位の前記金属被覆材と導電性ゴムチューブが撓み変形すると、前記絶縁材の隙間を通して中心導体と導電性ゴムチューブが接触し、該導電性ゴムチューブを介して前記中心導体と金属被覆材が通電される構成としていることを特徴とする感圧センサ。
【請求項2】
前記導電性ゴムチューブの外周面の全面に被せる金属被覆材として金属編組チューブを被せ、該金属編組チューブの一端にリード線を半田付けで接続している請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項3】
中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブを備えた一対の第1、第2検知線を備え、これら一対の第1、第2検知線を撚って互いに接触させたツイスト線とし、
外圧が付加された部位の前記第1、第2検知線の導電性ゴムチューブが撓み変形して中心導体とそれぞれ接触し、第1検知線の中心導体が第1、第2検知線の導電性ゴムチューブを介して第2検知線の中心導体と通電される構成としていることを特徴とする感圧センサ。
【請求項4】
1本の中心導体と、該中心導体の外周に周方向に間隔をあけて配置する3本以上の外部導体と、
前記中心導体および外部導体の外周面にそれぞれ配置すると共に隙間をあけて前記中心導体または外部導体を露出させる絶縁材と
内筒と外筒とを周方向に間隔をあけて径方向に設けた仕切壁で連続し、前記内筒に囲まれた中央空間と、前記内筒と外筒と仕切壁で囲まれた3以上の外部空間を設けた導電性ゴムチューブを備え、
前記導電性ゴムチューブの中央空間に前記中心導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、前記外部空間にそれぞれ1本の前記外部導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、
外圧が付加される部位の前記導電性ゴムチューブの外筒および内筒が撓み変形し、中心導体と内筒と外部導体とに通電回路が形成される構成としていることを特徴とする感圧センサ。
【請求項5】
前記中心導体として複数本の素線を撚った撚線を用い、前記絶縁材として1本のエナメル線等からなる絶縁線材を用い、該1本の絶縁線材を前記中心導体または/および外部導体の外周面が露出するように一定ピッチで螺旋巻きしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の感圧センサ。
【請求項1】
中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブと、該導電性ゴムチューブの全外周面に接触配置する可撓性を有する金属被覆材を備え、該金属被覆材にリード線を接続し、
外圧が付加された部位の前記金属被覆材と導電性ゴムチューブが撓み変形すると、前記絶縁材の隙間を通して中心導体と導電性ゴムチューブが接触し、該導電性ゴムチューブを介して前記中心導体と金属被覆材が通電される構成としていることを特徴とする感圧センサ。
【請求項2】
前記導電性ゴムチューブの外周面の全面に被せる金属被覆材として金属編組チューブを被せ、該金属編組チューブの一端にリード線を半田付けで接続している請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項3】
中心導体と、該中心導体の外周面に配置されると共に部分的にあけた隙間から中心導体を露出させる絶縁材と、該絶縁材の外周面に外嵌して前記中心導体の外周面に絶縁空間となる空隙をあけて配置する導電性ゴムチューブを備えた一対の第1、第2検知線を備え、これら一対の第1、第2検知線を撚って互いに接触させたツイスト線とし、
外圧が付加された部位の前記第1、第2検知線の導電性ゴムチューブが撓み変形して中心導体とそれぞれ接触し、第1検知線の中心導体が第1、第2検知線の導電性ゴムチューブを介して第2検知線の中心導体と通電される構成としていることを特徴とする感圧センサ。
【請求項4】
1本の中心導体と、該中心導体の外周に周方向に間隔をあけて配置する3本以上の外部導体と、
前記中心導体および外部導体の外周面にそれぞれ配置すると共に隙間をあけて前記中心導体または外部導体を露出させる絶縁材と
内筒と外筒とを周方向に間隔をあけて径方向に設けた仕切壁で連続し、前記内筒に囲まれた中央空間と、前記内筒と外筒と仕切壁で囲まれた3以上の外部空間を設けた導電性ゴムチューブを備え、
前記導電性ゴムチューブの中央空間に前記中心導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、前記外部空間にそれぞれ1本の前記外部導体を前記絶縁材を介在させて挿通し、
外圧が付加される部位の前記導電性ゴムチューブの外筒および内筒が撓み変形し、中心導体と内筒と外部導体とに通電回路が形成される構成としていることを特徴とする感圧センサ。
【請求項5】
前記中心導体として複数本の素線を撚った撚線を用い、前記絶縁材として1本のエナメル線等からなる絶縁線材を用い、該1本の絶縁線材を前記中心導体または/および外部導体の外周面が露出するように一定ピッチで螺旋巻きしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の感圧センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−113688(P2013−113688A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259601(P2011−259601)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
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