説明

感圧式接着剤組成物、及びそれを用いてなる感圧式接着剤フィルム

【課題】制電性能を有し、さらに良好なリワーク性、透明性、耐湿熱性を有する感圧式接着フィルムを得ることができる感圧式接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】官能基として水酸基及び/又はカルボキシル基を有し、更に側鎖にカルボニル基、及びエステル基の双方を有するガラス転移温度が−60〜0℃の共重合体(A)、共重合体(A)中の官能基と反応し得る官能基を有する架橋剤(B)、特定構造を有するアンモニウム塩または金属塩系化合物であるイオン性化合物(C)を含有することを特徴とする感圧式接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な制電性能を有する感圧式接着剤組成物と、その感圧式接着剤を用いてなる光学用感圧式接着フィルム及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のエレクトロニクスの飛躍的な進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、リアプロジェクションディスプレイ(RPJ)、ELディスプレイ、発光ダイオ−ドディスプレイなどの様々なフラットパネルディスプレイ(FPD)が、様々な分野で表示装置として使用されるようになってきた。例えば、これらFPDは、パーソナルコンピューターのディスプレイや液晶テレビをはじめ屋内で使用されるばかりでなく、カーナビゲーション用ディスプレイ等のように車両に搭載して使用される。
【0003】
このような表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途に応じて様々なフィルムが使用されており、例えば、LCDを構成する液晶セル用部材においては、偏光フィルムや位相差フィルムが積層されている。
また、FPDは、表示装置として利用するだけではなく、その表面にタッチパネルの機能を設けて、入力装置として利用されることもある。タッチパネルにも、保護フィルム、反射防止フィルムやITO蒸着樹脂フィルムなどが使用されている。
このようなフィルムは、感圧式接着剤を介して被着体に貼着して表示装置に使用されている。表示装置に用いられる感圧式接着剤は、まず透明性に優れることが要求されるので、アクリル系樹脂を主剤とする感圧式接着剤が一般に使用されている。
【0004】
ところで、前記した種々のフィルムのうち、偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系やシクロオレフィン系の保護フィルムで挟んだ3層構造が一般的である。このため、偏光フィルムでは、各層を構成する材料の寸法変化特性が異なるため、温度や湿度の変化に伴う寸法変化によるソリが生じやすい。
【0005】
一方、例えばLCD製造工程での、液晶セル用のガラス面に偏光フィルムを貼り付けた積層体の検品工程においては、積層時のエアーや粉塵の巻き込み等があるものについて、偏光フィルム等を剥がして新しい偏光フィルム等が貼り直される。この貼り直しを「リワーク」ともいう。
しかし、貼着後の積層体は、一般に、接着性向上のために高温下で一定時間保管した後に検査されるので、その間に剥離強度が高くなって偏光フィルムを剥ぎ取り難くなるばかりでなく、偏光フィルムの再剥離性が低下して剥がした後、ガラス面に糊残りや曇り等の汚染が生じる場合があった。
【0006】
また、高温下または高温高湿条件下では、偏光フィルム中のポリビニルアルコールフィルムは寸法変化が大きいため、例えば偏光フィルム/接着層/ガラスからなる積層体が、高温下または高温高湿条件下に置かれ、偏光フィルムの寸法が変化すると、接着層とガラスとの界面に気泡が生じたり(発泡現象)、偏光フィルムがガラスから浮き上がり、剥がれたりする場合がある(浮き・剥がれ現象)。
そこで感圧式接着剤の分子量や感圧式接着剤の架橋度を調整し、接着力を高くすることによって、偏光フィルムの寸法変化に抗して、過酷な環境下でも発泡、浮き、剥がれが生じないようにする試みがなされた。
【0007】
しかし、単に接着力を高くすることによって、偏光フィルムの寸法変化に抗しようとすると、高温下または高温高湿条件下で生じる偏光フィルムの寸法変化に起因する応力分布が不均一となり、応力が偏光フィルムの四隅や周端部に集中してしまう。その結果、偏光フィルムが用いられる表示装置において、表示装置の周端部から光が漏れる、いわゆる白抜けが発生するという問題が生じた。
【0008】
また、一般的に、感圧式接着フィルムは、接着層の保護を目的として、剥離フィルムが接着層に貼り合わされており、使用に際しては、剥離フィルムを剥離して被着体に貼り付けられる。しかし、剥離フィルムを剥離する際の静電気によりに感圧式接着剤シートが帯電し、ほこりやゴミが付着し外観不良が発生する等が問題となっていた。さらに、例えばLCD製造工程では、上記のようにリワークも行われる。
しかし、リワークする際に生じる静電気により液晶や電子回路にトラブルを起こす場合がある。また、上記のように剥離フィルムを剥離する際に生じる静電気により、偏光フィルムが帯電し液晶セル用のガラス面に貼り付ける場合にも、同様なトラブルが発生することが指摘されている。さらには、静電気の存在は、埃やクズを吸引してしまい、異物による欠点を引き起こす問題も有しており、早期の解決が望まれていた。
【0009】
これに対して様々な感圧式接着剤が提案されてきた。
例えば、積層される部材に対して制電性能を付与するためには、樹脂には制電剤による処理が行われていることが多い。制電剤の利用のされ方によって、表面処理と内部処理に大別される。
【0010】
表面処理とは、樹脂成形品の表面に対して、塗布・浸漬・吹きつけなどの手法を用いて帯電防止剤を処理するものである。水溶性界面活性剤等がその代表であるが、時間がたつとともにその制電性能が低下するといった欠点を持つ。
【0011】
内部処理とは、樹脂成形時に高分子中に制電剤を添加する手法である。この手法における代表的な制電剤としては、導電性微粒子や界面活性剤があげられる。
【0012】
導電性微粒子としては、金属粉、ITOやATOといった金属酸化物微粒子、さらにはカーボン等が例示されている(特許文献1〜3)が、これらの材料を用いて制電性能を付与するには、かなりの量を添加する必要があり、更にはそれらを均一に分散させる高度な技術が必要になる。また、その添加量の多さゆえ、本来の物性に大きな影響を与え、透明性も失われてしまう。
【0013】
界面活性剤としては、アニオン系・カチオン系・ノニオン系などのものがあり、安価なため様々な用途で利用されている(特許文献4)。しかし、それらが接着層表面からブリードを起こし、他を汚染するといった問題も抱えている。加えて、アニオン系では、樹脂に対しての相溶性に欠け、均一分散が困難であり耐熱性も低い、カチオン系では、制電性能は問題ないが、熱的安定性が低い、ノニオン系では、高分子への相溶性が低いなど問題があった。
【0014】
このように、これら界面活性剤を含有した感圧式接着剤は、湿度の影響を大きく受けやすく、高湿度下においては、水分の影響で凝集力が低下し、リワーク時に被着体に接着層が残りやすい(いわゆる「糊残り」し易い)といった問題を抱えている。さらに、これら界面活性剤や導電性微粒子を有する感圧式接着剤は、相溶性が良好ではないため、塗膜の透明性を損なったり、着色が見られた。また界面活性剤や導電性微粒子が被着体界面への移行(いわゆる「ブリード」ともいう)が起こり接着力等の感圧式接着剤本来の性能を低下させる問題もあった。
【0015】
また、その他にも、それぞれエレクトロニクス用テープ用途、保護フィルム用途、偏光板固定用途において使用される、アクリル酸系樹脂に制電剤としてアルカリ金属塩を含有する制電性感圧式接着剤が開示されている(特許文献5、6)。しかし、電気製品や電子部品に使用される材料に、金属イオンを含有する制電性感圧式接着剤を用いることは、金属イオンのブリードに伴う汚染の懸念があり、さらには接着剤フィルムとしての耐湿熱性が低下する。
【0016】
また、アクリル酸系樹脂と架橋剤とを含有するアクリル酸系感圧式接着剤にポリエーテルポリオール(特許文献7)やポリカプロラクトンポリオール(特許文献8)を配合してなる感圧式接着剤が知られている。
【0017】
しかし、特許文献7、8に記載される感圧式接着剤を用いた感圧式接着剤フィルムは、被着体に貼着後、高温下または高温高湿条件下に長期間曝されると、含有しているポリオールが高水酸基価のために吸湿しやすく、光学フィルムの周辺端部に極めて小さい気泡がスジ状に連なった状態で発生してしまう。スジ状に連なった極めて小さい気泡が一種のヒビのように見えることから、この現象は「クラック」と呼ばれる。
また、電子顕微鏡でなければ確認できない10μm以下の気泡が、中央部に1m2あたり10個程度発生してしまう。
さらに、20インチ以上の表示装置では、見やすさの観点から光源の輝度を高く設定しなければならない。特許文献7に記載される感圧式接着剤を用いてなる感圧式接着光学フィルムは、20インチ未満の表示装置では白抜けは問題視されなかった。しかし、20インチ以上で使用される高輝度の光源を用いた表示装置では白抜けが目立ってしまうという問題も生じた。
【0018】
一方、制電性能の向上のため、アルキレンオキサイドの付加したアクリル酸系単量体を共重合した感圧式接着剤(特許文献9、10)が知られている。
また、耐熱性向上のため、アセトアセチル基を有する単量体を共重合した感圧式接着剤(特許文献11)が知られている。
【0019】
しかし、特許文献9、10に記載される感圧式接着剤を製造する際に、使用される開始剤から発生するラジカルにより、エーテル結合が分解するなど、重合が安定に行われないため、安定した共重合体を作成するためには、アルキレンオキサイドの付加したアクリル酸系単量体は極めて少量しか導入することが困難である。
従って、一般的な感圧式接着剤を提供する際には、制電性能の補助効果を示すものの、特許文献9、10に記載される感圧式接着剤を用いた感圧式接着光学フィルムは、被着体に貼着後、高温下または高温高湿条件下、低温から高温までのヒートサイクル等に長期間曝されたり、重合中、分解で生じたりした、ポリエーテル系オリゴマーにより、ポリエーテルポリオール(特許文献7)を配合した場合と同様、光学フィルムの周辺端部に極めて小さい気泡がスジ状に連なった状態で発生してしまう。
さらに、アルキレンオキサイドの付加したアクリル酸系単量体を共重合しただけでは、制電効果を得ることは出来ない。そのため、このようなアルキレンオキサイドの付加したアクリル酸系共重合体に制電剤を加える場合がある。この場合、制電剤が被着体側の界面に移行して、感圧式接着光学フィルムを剥離した際には制電性能の向上は認められるが、被着体に貼着後、高温下または高温高湿条件下では、制電剤の界面移行により、浮き・ハガレが起こるなど、耐熱、耐湿熱性が著しく低下することが知られている。
【0020】
また、特許文献11に示される感圧式接着剤にアセトアセチル基だけを有しただけでは、効果的な制電効果を得ることは出来ない。さらに制電剤を含有した場合、感圧式接着剤中のアセトアセチル基により、制電剤が捕捉され、被着体界面に移行しにくくなるため、制電効果はほとんど得ることができない。
【0021】
このような状況に鑑み、永久制電効果の存在による感圧式接着剤物性及び光学特性等の低下が抑制され、フィルムラベル用途から電気、光学用途に至るまで使用可能な、汎用性の高い制電性感圧式接着剤が望まれていた。
さらには、制電性能のみならず、透明性や樹脂、溶剤への溶解性(相溶性)、並びに耐湿熱性を併せ持つ感圧式接着剤が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平01−221481号公報
【特許文献2】特開平05−070760号公報
【特許文献3】特開2005−330409号公報
【特許文献4】特開平04−007350号公報
【特許文献5】特表平10−511726号公報
【特許文献6】特開2006−199873号公報
【特許文献7】特開平06−128539号公報
【特許文献8】特開2002−053835号公報
【特許文献9】特開平11−185524号公報
【特許文献10】特開平12−008013号公報
【特許文献11】特開2009−029947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、制電性能を有し、さらに良好なリワーク性、透明性、耐湿熱性を有する感圧式接着フィルムを得ることができる感圧式接着剤組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に達した。
すなわち、第1の発明は、官能基として水酸基及び/又はカルボキシル基を有し、更に側鎖にカルボニル基、及びエステル基の双方を有するガラス転移温度が−60〜0℃の共重合体(A)、共重合体(A)中の官能基と反応し得る官能基を有する架橋剤(B)、下記一般式(1)、(2)または(3)で表されるイオン性化合物(C)を含有することを特徴とする感圧式接着剤組成物に関する。
【0025】
一般式(1)
【0026】
【化1】

【0027】
〔一般式(1)中R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、R5〜R8は、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。〕
【0028】
一般式(2)
【0029】
【化2】

【0030】
〔一般式(2)中R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、A+は、アルカリ金属イオンを表す。〕
【0031】
一般式(3)
【0032】
【化3】

【0033】
〔一般式(3)中R5〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。
9は、置換基を有してもよいアルキレン結合基、置換基と二重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基と三重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基を有してもよいアリーレン結合基、置換基を有してもよい複素環結合基、又は、エーテル結合基、エステル結合基、チオエーテル結合基、ジチオール結合基、カルボニル結合基、スルフィニル結合基、スルホニル結合基、ホスホニル結合基、アミノ結合基、イミノ結合基、もしくはシリル結合基を表す。
10は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、ハロゲン基を表す。
11は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、−R910を表す。〕
【0034】
また、第2の発明は、共重合体(A)の主鎖は、カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体(a3)を1〜40重量%含有する単量体を共重合してなることを特徴とする、第1の発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0035】
また、第3の発明は、共重合体(A)の主鎖は、エステル基含有エチレン性不飽和単量体(a4)を1〜40重量%含有する単量体を共重合してなることを特徴とする、第1または第2の発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0036】
また、第4の発明は、共重合体(A)の側鎖のエステル基は、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する、共重合体(A)の前駆体(AP)中の水酸基及び/又はカルボキシル基と、環状エステル(f)との反応により生成するものであることを特徴とする、第1〜第3いずれかの発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0037】
また、第5の発明は、環状エステル(f)が、オキシ酸縮合物(f−1)であることを特徴とする第4の発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0038】
また、第6の発明は、オキシ酸縮合物(f−1)が、ラクトン類であることを特徴とする第5の発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0039】
また、第7の発明は、共重合体(A)が、共重合体(A)の前駆体(AP)100重量部に対して、環状エステル(f)1〜150重量部を用いてなることを特徴とする第4〜第6いずれかの発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0040】
また、第8の発明は、共重合体(A)100重量部に対して、イオン性化合物(C)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする第1〜第7いずれかの発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0041】
また、第9の発明は、架橋剤(B)がポリイソシアネート化合物(b1)であることを特徴とする第1〜第8いずれかの発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0042】
また、第10の発明は、架橋剤(B)がエポキシ化合物(b2)、アジリジン化合物(b3)、カルボジイミド化合物(b4)、オキサゾリン化合物(b5)、もしくは金属キレート化合物(b6)のいずれかであることを特徴とする第1〜第8いずれかの発明の感圧式接着剤組成物に関する。
【0043】
さらに、第11の発明は、第1〜第10いずれかの発明の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体に関する。
【0044】
さらにまた、第12の発明は、液晶セル用ガラス部材、第1〜第10いずれかの発明の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層、及び光学部材が順次積層されてなる液晶セル用部材に関する。
【発明の効果】
【0045】
本発明により、制電性能を有し、さらに良好なリワーク性、透明性、耐湿熱性を得ることができる感圧式接着フィルムに用いる感圧式接着剤組成物を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に以下に述べる。
本発明に用いられる感圧式接着剤組成物は、官能基として水酸基及び/又はカルボキシル基を有し、更に側鎖にカルボニル基、およびエステル基の双方を有するガラス転移温度が−60〜0℃の共重合体(A)、共重合体(A)中の官能基と反応し得る官能基を有する架橋剤(B)、及びイオン性化合物(C)を含有することを特徴とする感圧式接着剤組成物である。
【0047】
本発明に用いられる官能基として水酸基及び/又はカルボキシル基を有し、更に側鎖にカルボニル基およびエステル基の双方を有する共重合体(A)は、官能基として水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)及び/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)、カルボルニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)、エステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)、更に必要に応じて(a1)〜(a4)以外のエチレン性不飽和単量体(a5)を共重合して得られる共重合体であるか、
(a1)及び/又は(a2)、(a3)、及び必要に応じて(a5)で示されるエチレン性不飽和単量体を共重合して得られた共重合体(A)の前駆体(AP)中の水酸基及び/又はカルボキシル基と、環状エステル(f)との反応により得られる共重合体のいずれかである。
【0048】
官能基として水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)としては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル〔アクリル酸2−ヒドロキシエチルとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを併せて「(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル」と表記する。以下同様。〕、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸エチル−α−(ヒドロキシメチル)、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、あるいは(メタ)アクリル酸グリシジルラウリン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルオレイン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルステアリン酸エステル等の脂肪酸エステル系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルホスフェート等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル類;
【0049】
例えば、(メタ)アクリル酸1,2−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸フェニルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸モノヒドロキシエチルフタレート、(メタ)アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン等の水酸基含有の脂環あるいは芳香族(メタ)アクリル酸エステル類;
【0050】
例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとを併せて「2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール」と表記する。以下同様。〕、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2 H−ベンゾトリアゾール等の水酸基含有ベンゾトリアゾール系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0051】
例えば、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}ブトキシベンゾフェノン、2, 2'−ジヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン等の水酸基含有ベンゾフェノン系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0052】
例えば、2, 4−ジフェニル−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ} ]−S−トリアジン、2, 4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−エトキシフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジメチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジエトキシルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジエチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ})] −S−トリアジン等の水酸基含有トリアジン系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0053】
例えば、(メタ)アクリル酸グリコシルメチル、(メタ)アクリル酸グリコシルエチル、(メタ)アクリル酸グリコシルプロピル、(メタ)アクリル酸グリコシルブチル等のグルコース環系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0054】
例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシオクチルビニルエーテル、ヒドロキシデシルビニルエーテル、ヒドロキシドデシルビニルエーテル、ヒドロキシオクタデシルビニルエーテル、グリセリルビニルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系ビニルエーテル等の水酸基含有の脂肪族ビニルエーテル類;
【0055】
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノビニルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノビニルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有するビニルエーテル類;
【0056】
例えば、2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン等の水酸基含有の芳香族ビニル化合物類;
【0057】
例えば、(メタ)アリルアルコール〔アリルアルコールとメタリルアルコールとを併せて「(メタ)アリルアルコール」と表記する。以下同様。〕、イソプロペニルアルコール、ジメチル(メタ)アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシヘキシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシドデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクタデシル(メタ)アリルエーテル、グリセリル(メタ)アリルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アリルアルコール類ないしは(メタ)アリルエーテル類;
【0058】
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、o−(メタ)アリルフェノール、m−(メタ)アリルフェノール、p−(メタ)アリルフェノール、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノ(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有する(メタ)アリルエーテル類;
【0059】
例えば、プロペンジオール、ブテンジオール、ヘプテンジオール、オクテンジオール、ジ(メタ)アクリル酸グルセロール、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールA等の複数の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体類;
【0060】
例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド〔N−ヒドロキシエチルアクリルアミドとN−ヒドロキシエチルメタクリルアミドとを併せて「N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド」と表記する。以下同様。〕、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0061】
例えば、ヒドロキシスチレン、ビニルアルコール等の水酸基とアルケニル基を有する単量体類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0062】
官能基としてカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)としては、その構造中にカルボキシル基を有するものであれば、特に制限はなく、より具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸ダイマー、マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、アコニチン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、α−クロロソルビン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、セネシオ酸、クロトン酸、イソククロトン酸、ムコブロム酸、ムコクロル酸、ソルビン酸、ムコン酸、アコニット酸、ペニシル酸、ゲラン酸、シトロネル酸、4−アクリルアミドブタン酸、6−アクリルアミドヘキサン酸、あるいはω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のラクトン環の開環付加により末端にカルボキシル基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有の脂肪族系のエチレン性不飽和カルボン酸類;
【0063】
例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシオクチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシデシルフタレート、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸、桂皮酸、7−アミノ−3−ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸等のカルボキシル基含有の脂環や芳香環を有するエチレン性不飽和カルボン酸類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0064】
本発明のカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)は、(メタ)アクリロイル基中の炭素−酸素二重結合を除いた、一つ以上のカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体であり、より具体的に、例えば、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)デシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)ブチル等のカルボニル基を1つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0065】
例えば、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)プロピル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)オクチル等のカルボニル基を2つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0066】
例えば、(メタ)アクリル酸−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−10−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イル等のカルボニル基を有する(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0067】
例えば、N−(2−オキソブタノイルエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルオクチル)(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミド類;
【0068】
例えば、アセト酢酸ビニル、アセトプロピオン酸ビニル、アセトイソ酪酸ビニル、アセト酪酸ビニル、アセトバレリン酸ビニル、アセトヘキサン酸ビニル、アセト2−エチルヘキサン酸ビニル、アセトn−オクタン酸ビニル、アセトデカン酸ビニル、アセトドデカン酸ビニル、アセトオクタデカン酸ビニル、アセトピバリン酸ビニル、アセトカプリン酸ビニル、アセトクロトン酸ビニル、アセトソルビン酸ビニル、プロパノイル酢酸ビニル、ブチリル酢酸ビニル、イソブチリル酢酸ビニル、パルミトイル酢酸ビニル、ステアロイル酢酸ビニル、ピルボイル酢酸ビニル、プロパノイルバレリン酸ビニル、ブチリルバレリン酸ビニル、イソブチリルバレリン酸ビニル、パルミトイルバレリン酸ビニル、ステアロイルバレリン酸ビニル、ピルボイルバレリン酸ビニル、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシブチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシヘキシルビニルエーテル、2−アセトアセトキシオクチルビニルエーテル等のアシル基を有する脂肪族系のビニル化合物類;
【0069】
例えば、ベンゾイル蟻酸ビニル、ベンゾイル酢酸ビニル、ベンゾイルプロピオン酸ビニル、ベンゾイル酪酸ビニル、ベンゾイルバレリン酸ビニル、ベンゾイルヘキサン酸ビニル、ベンゾイルドデカン酸ビニル、1−ナフトイル酢酸ビニル、1−ナフトイルプロピオン酸ビニル、1−ナフトイル酪酸ビニル、1−ナフトイルバレリン酸ビニル、1−ナフトイルヘキサン酸ビニル、2−ナフトイル酢酸ビニル、2−ナフトイルプロピオン酸ビニル、2−ナフトイル酪酸ビニル、2−ナフトイルバレリン酸ビニル、2−ナフトイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイル酢酸ビニル、ニコチノイルプロピオン酸ビニル、ニコチノイル酪酸ビニル、ニコチノイルバレリン酸ビニル、ニコチノイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイルデカン酸ビニル、ニコチノイルドデカン酸ビニル、イソニコチノイル酢酸ビニル、イソニコチノイルプロピオン酸ビニル、イソニコチノイル酪酸ビニル、イソニコチノイルバレリン酸ビニル、イソニコチノイルヘキサン酸ビニル、イソニコチノイルデカン酸ビニル、イソニコチノイルドデカン酸ビニル、2−フロイル酢酸ビニル、2−フロイルプロピオン酸ビニル、2−フロイル酪酸ビニル、2−フロイルバレリン酸ビニル、2−フロイルヘキサン酸ビニル、2−フロイルデカン酸ビニル、2−フロイルドデカン酸ビニル、3−フロイル酢酸ビニル、3−フロイルプロピオン酸ビニル、3−フロイル酪酸ビニル、3−フロイルバレリン酸ビニル、3−フロイルヘキサン酸ビニル、3−フロイルデカン酸ビニル、3−フロイルドデカン酸ビニル、アントラニロイル酢酸ビニル、アントラニロイルプロピオン酸ビニル、アントラニロイル酪酸ビニル、アントラニロイルバレリン酸ビニル、アントラニロイルヘキサン酸ビニル、アントラニロイルデカン酸ビニル、アントラニロイルドデカン酸ビニル、4−(2−t−エトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルプロピルオキシ)スチレン等のアシル基を有する芳香族系のビニル化合物類;
【0070】
例えば、アセト酢酸(メタ)アリル、アセトプロピオン酸(メタ)アリル、アセトイソ酪酸(メタ)アリル、アセト酪酸(メタ)アリル、アセトバレリン酸(メタ)アリル、アセトヘキサン酸(メタ)アリル、アセト2−エチルヘキサン酸(メタ)アリル、アセトn−オクタン酸(メタ)アリル、アセトデカン酸(メタ)アリル、アセトドデカン酸(メタ)アリル、アセトオクタデカン酸(メタ)アリル、アセトピバリン酸(メタ)アリル、アセトカプリン酸(メタ)アリル、アセトクロトン酸(メタ)アリル、アセトソルビン酸(メタ)アリル、プロパノイル酢酸(メタ)アリル、ブチリル酢酸(メタ)アリル、イソブチリル酢酸(メタ)アリル、パルミトイル酢酸(メタ)アリル、ステアロイル酢酸(メタ)アリル、(メタ)アリルアルデヒド等のアシル基を有する脂肪族系の(メタ)アリル化合物類;
【0071】
例えば、ベンゾイル蟻酸(メタ)アリル、ベンゾイル酢酸(メタ)アリル、ベンゾイルプロピオン酸(メタ)アリル、ベンゾイル酪酸(メタ)アリル、ベンゾイルバレリン酸(メタ)アリル、ベンゾイルヘキサン酸(メタ)アリル、ベンゾイルドデカン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、1−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、1−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、1−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、2−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、2−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、2−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル等のアシル基を有する芳香族系の(メタ)アリル化合物類等のカルボニル基含有のエチレン性不飽和単量体類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0072】
上述のように、本発明の共重合体(A)には、側鎖にカルボニル基を有することが好ましく、カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)を共重合することにより、共重合体(A)に導入することができる。このようにカルボニル基を有することで、後述のイオン性化合物(C)を含有した場合には、カルボニル基と疑似配位構造を形成するため、本接着剤組成物を使用した接着剤フィルムを被着体に貼着して加熱、加湿熱条件下に長期間曝露しても、イオン性化合物(C)が被着体との界面に移行しにくく、イオン性化合物(C)等の制電剤のブリードに伴う発泡や浮き・ハガレに伴う劣化が著しく抑制されるという利点がある。
【0073】
本発明におけるカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)は、共重合体(A)の主鎖を構成する全エチレン性不飽和単量体100重量%中、1〜40重量%含有して共重合することが好ましい。より好ましくは、2〜30重量%である。(a3)が1重量%未満であると、イオン性化合物(C)等の制電剤が効果的に捕捉できないため、熱時や湿熱時に制電剤が被着体界面に移行しやすく発泡や浮き・ハガレが起こりやすくなる場合がある。一方、40重量%を超えると、ガラス転移温度が向上するため、接着力が低下したり、制電効果が低下したりする場合がある。
【0074】
本発明のエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)としては、(メタ)アクリロイル基に由来するエステル基以外に一つ以上のエステル基を有するエチレン性不飽和単量体であれば、特に制限はなく、上述の水酸基を有するチレン性不飽和単量体(a1)及び/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)に、環状エステル(f)を開環付加してエステル基を導入したエチレン性不飽和単量体である。
【0075】
そして、環状エステル(f)の開環付加は、1分子のみの単独付加でも良いし、側鎖の末端に生成する水酸基及び/又はカルボキシル基へ、環状エステル(f)がさらに開環付加するなど、多重に開環付加してもよい。このように開環付加が多重化すると側鎖をよりに長鎖にすることができる。これにより側鎖はより柔軟な動きが可能になるため、その末端に有する水酸基及び/又はカルボキシル基は後述の架橋剤(B)とより効率良い反応が可能となる。また、側鎖がエステル結合を複数有することになるため、被着体との親和性がより高くなり、さらに制電剤の移動が容易になるため、制電効果が向上するという利点がある。
【0076】
本発明のエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を形成する環状エステル(f)としては、ヒドロキシカルボン酸の水酸基とカルボン酸とが分子内又は分子間で脱水縮合して環構造を形成したオキシ酸縮合物(f−1)であることが好ましく、その二量体又は三量体以上の多量体であってもよい。そして前記ヒドロキシカルボン酸は脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環式の化合物を用いることができる。
【0077】
脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、ヒドロキシプロペン酸、α−オキシブタン酸、α−ヒドロキシイソブタン酸、ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘキサン酸、δ−ヒドロキシヘキサン酸、2,3−ジヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、ヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシ(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラアコンタン酸、ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸、ヒドロキシプロパン酸、6−ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、10−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシテトラデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミテトラデカン酸、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸等が挙げられる。
【0078】
脂環式、芳香族及び複素環式ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−フェニル安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸、4’−ヒドロキシ−4−カルボキシビフェニル、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、5−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。
【0079】
これらのヒドロキシカルボン酸は、1分子内にカルボン酸と水酸基とを有する有機化合物であればよく、上記の例示に限定されるものではない。
【0080】
上記のオキシ酸縮合物の中でも、反応性の観点から、ラクトン類が好ましい。具体的には、例えばβ-プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−オクタノラクトン、δ−ノナラクトン、ε−カプロラクトングリコリド、ピバロラクトン、7−ヘプタノリド、8−オクトノリド、11−ウンデカノリド、12−ドデカノリド、15−ペンタデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、2−ノネン−4−オリド、16−ヘキサドデカノリド、7−デセン−4−オリド、9−デセン−5−オリド、2−デセン−5−オリド、7−デセン−5−オリド、6−デセン−4−オリド、8−デセン−5−オリド、8−ウンデセン−5−オリド、4−メチル−cis−7−デセン−4−オリド、2−ブテン−4−オリド、2−メチル−4−ブタノリド、3−メチル−4−オクタノリド、3−メチル−4−ノナノリド、4−メチル−4−デカノリド、シクロペンタデカリド、2,4−デカジエン−5−オリド、4−メチル−5−ヘキセン−4−オリド、ペンタノ−4−ラクトン、4−エテニル−γ−バレロラクトン、グルクロノラクトン、ジャスモラクトン、アッソイラクトン、メントンラクトン、ミントラクトン、マソイアラクトン、ワインラクトン、パントラクトン、ホモセリンラクトン、メバロノラクトン、グルコノデルタラクトン、ベルガプテン、アンブレトリド、スクラレオリド、α−アンゲリカラクトン、β−アンゲリカラクトン、7−デセン−1,4−ラクトン、9−デセン−5−オリド、2,3−ジメチル−2,4−ノナジエン−4−オリド、ジヒドロキシアクチニジオリド、5−ヒドロキシ−8−ウンデネセノイックアシッド−δ−ラクトン、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−4−ブタノリド、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンα−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−α−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、D−グルコノ−1,5−ラクトン、4−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン−2−オン、フェナントレン−1,10:9,8−ジカルボラクトン、3α−ヒドロキシ−5α−コラノ−24,17−ラクトン等が挙げられる。
【0081】
また本発明で環状エステル(f)として使用可能なヒドロキシカルボン酸の環状二量体としては、乳酸による3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、グリコール酸による1,4−ジオキサン−2,5−ジオン等が挙げられる。
【0082】
上記ラクトン類のなかでも、開環により形成される側鎖長さや、水酸基及び/又はカルボキシル基との反応性の面から、エステル環を構成する炭素数が4〜18の範囲であるものが好ましく、具体的にはブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンが特に好ましい。
【0083】
本発明におけるエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)は、共重合体(A)の主鎖を構成する全エチレン性不飽和単量体100重量%中、1〜40重量%含有して共重合することが好ましい。より好ましくは、2〜30重量%である。(a4)が1重量%未満であると、イオン性化合物(C)等の制電剤が移動しにくいため、効果的な制電性能が得られず、好ましくない。一方、40重量%を超えると、凝集力の低下を招くため、熱時や湿熱時に発泡やクラックが起こりやすくなり、好ましくない。
【0084】
本発明において必要に応じて用いられる、(a1)〜(a4)以外のエチレン性不飽和単量体(a5)としては、エチレン性不飽和単量体であれば、特に制限はなく使用することができ、例えば、 アクリル酸誘導体、あるいはメタクリル酸誘導体類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸1−プロピル、(メタ)アクリル酸2−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸iso−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸iso−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリルiso−ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
【0085】
例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロオクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸iso−ボニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチルメチル、(メタ)アクリル酸1−アントリル、(メタ)アクリル酸2−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリルメチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イル、、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イル等の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0086】
例えば、(メタ)アクリル酸(メタ)アリル、(メタ)アクリル酸1−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−ブテニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3−メチル−3−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−クロル2−プロペニル、(メタ)アクリル酸3−クロル2−プロペニル、(メタ)アクリル酸−o−2−プロペニルフェニル、(メタ)アクリル酸2−(2−プロペニルオキシ)エチル、((メタ)アクリル酸2−プロペニルラクチル、(メタ)アクリル酸3,7−ジメチルオクタ−6−エン−1−イル、(メタ)アクリル酸(E)−3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−イル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸ビニル等のさらに不飽和基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0087】
例えば、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸トリパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリルプロペン酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステル類;
【0088】
例えば、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−トリブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ペンタメチルピペリジニル、(メタ)アクリルプロペン酸テトラメチルピペリジニル、2,4−ジアミノ−6,2−メチルプロペノイルオキシエチル−s−トリアジンなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0089】
例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル等の酸素原子含有複素環含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0090】
例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリブトキシシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルブチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン
等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0091】
例えば、(メタ)アクリル酸スルホメチル、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸2−スルホブチル、(メタ)アクリル酸4−スルホブチル、(メタ)アクリル酸2−スルホブチル、(メタ)アクリル酸6−スルホヘキシル、(メタ)アクリル酸スルホオクチル、(メタ)アクリル酸スルホデシル、(メタ)アクリル酸スルホラウリル、(メタ)アクリル酸スルホステアリル等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
【0092】
(メタ)アクリル酸スルホフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸スルホシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸スルホベンジル等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0093】
また、(メタ)アクリロイルオキシジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムサルフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸エステル類の金属塩やアンモニウム塩;
【0094】
例えば、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシブチル、フェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチレンオキサイド(エチレンオキサイド付加モル数:4〜10)、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピレンオキサイド(プロピレンオキサイド付加モル数:4〜10)等のホスホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0095】
例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ブトキシエチル等のアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0096】
例えば、(メタ)アクリル酸のアルキレンオキサイド付加物などのアルキレンオキサイド含有(メタ)アクリル酸誘導体類;
【0097】
例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸プロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ブテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ペンテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート(通称マンダ)、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,5−ヘキサンジオールジ、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,7−ヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオールジ、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,12−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,14−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2,4−トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジメチロールオクタン、ジ(メタ)アクリル酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2-メチル−1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−ブチル−2−エチル−1,3-プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,7−ヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,12−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,14−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2,4−ペンタン、ジ(メタ)アクリル酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジメチロールオクタン、ジ(メタ)アクリル酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−ブチル−2-エチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−アダマンタンジオール、 ジ(メタ)アクリル酸1,3−アダマンタンジオール、 ジ(メタ)アクリル酸1,4−アダマンタンジオール、 ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカニルジメチロール、ジ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチル、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチルジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−4,4’−スルフォニルジフェノールのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(2−メチル)プロペン酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート等の2官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0098】
例えば、トリ(メタ)アクリル酸1,2,3−プロパントリオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリカプロラクトネート、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールヘキサン、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールオクタン、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン、トリ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等の3官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0099】
例えば、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸エトキシ化ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールプロパン、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ1,2,3−プロパントリオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールブタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールヘキサン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールオクタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、オクタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールポリアルキレンオキサイド等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。
【0100】
アルケニル基含有化合物としては、例えば、エチルビニルエーテル、1−プロピルビニルエーテル、2−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−アミルビニルエーテル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、iso−オクチルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、iso−ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル類;
【0101】
例えば、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウム等の環状構造を有するビニルエーテル類;
【0102】
例えば、パーフルオロビニル、パーフルオロプロペン、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有ビニル系単量体;
【0103】
例えば、(メタ)アリルクロロシラン、(メタ)アリルトリメトキシシラン、(メタ)アリルトリエトキシシラン、(メタ)アリルアミノトリメチルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体類;
【0104】
例えば、ビニルスルホン酸、2−プロペニルスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸、ビニル硫酸等のアルケニル基含有スルホン酸類;
【0105】
例えば、ビニルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸カリウム、ナトリウムビニルアルキルスルホサクシネート等の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
【0106】
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、1−クロロ−4−イソプロペニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体;
【0107】
例えば、ビニルフェニルペンチルエーテル、ビニルフェニルヘキシルエーテル、ビニルフェニルヘプチルエーテル、ビニルフェニルオクチルエーテル、ビニルフェニルノニルエーテル、ビニルフェニルデシルエーテル、ビニルフェニルウンデシルエーテル、ビニルフェニルドデシルエーテル、ビニルフェニルトリデシルエーテル、ビニルフェニルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルノナデシルエーテル、ビニルフェニルエイコシルエーテル、ビニルフェニルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルドコシルエーテル、ビニルフェニルメチルブチルエーテル、ビニルフェニルメチルペンチルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプチルエーテル、ビニルフェニルメチルオクチルエーテル、ビニルフェニルメチルノニルエーテル、ビニルフェニルメチルデシルエーテル、ビニルフェニルメチルウンデシルエーテル、ビニルフェニルメチルドデシルエーテル、ビニルフェニルメチルトリデシルエーテル、ビニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルノナデシルエーテル、ビニルフェニルメチルエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有する芳香族ビニルエーテル系単量体;
【0108】
例えば、イソプロペニルフェニルメチルブチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチル オクチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノニルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルウンデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルトリデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノナデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有するイソプロペニルフェニル系単量体;
【0109】
4−ビニル安息香酸ヘキシル、4−ビニル安息香酸オクチル、4−ビニル安息香酸ノニル、4−ビニル安息香酸デシル、4−ビニル安息香酸ドデシル、4−ビニル安息香酸テトラデシル、4−ビニル安息香酸ヘキサデシル、4−ビニル安息香酸オクタデシル、4−ビニル安息香酸エイコシル、4−ビニル安息香酸ドコシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキシル、4−イソプロペニル安息香酸オクチル、4−イソプロペニル安息香酸ノニル、4−イソプロペニル安息香酸デシル、4−イソプロペニル安息香酸ドデシル、4−イソプロペニル安息香酸テトラデシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキサデシル、4−イソプロペニル安息香酸オクタデシル、4−イソプロペニル安息香酸エイコシル、4−イソプロペニル安息香酸ドコシルなどの長鎖アルキル基を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体;
【0110】
例えば、テトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロピルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、テトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロポキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンタキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロペンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルビニルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、ポリ(オキシプロピレン) ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテルなどの長鎖ポリアルキレンオキサイド部位を有するビニルフェニルエーテル系単量体;
【0111】
例えば、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロペンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテルなどのポリアルキレンオキサイド部位を有するイソプロペニル系単量体;
【0112】
例えば、コハク酸ビニルフェニルノニル、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルデシル、テレフタル酸ビニルフェニルエチルドデシルなどのジカルボン酸のモノ長鎖アルキルエステル系単量体;
【0113】
例えば、コハク酸ビニルフェニルポリ(エチレンオキサイド)、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルポリ(エチレンオキサイド)、テレフタル酸ビニルフェニルエチルポリ(エチレンオキサイド)などのジカルボン酸のモノポリアルキレンオキサイドエステル;
4−ビニル安息香酸メチルポリ(エチレンオキサイド)、4−ビニル安息香酸エチルポリ(エチレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸メチルポリ(プロピレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸エチルポリ(プロピレンオキサイド)などのポリアルキレンオキサイド部位を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体;
【0114】
例えば、スチレンスルホン酸、2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸等のアルケニル基含有スルホン酸類;
【0115】
例えば、エスチレンスルホン酸アンモニウム、スチレンスルホン酸モノメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジメチルアンモニウム、スチレンゼンスルホン酸トリメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラメチルアンモニム、スチレンスルホン酸エチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸プロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ブチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ペンチルアンモニウムまたはスチレンスルホン酸ヘキシルアンモニウム等のスチレンスルホン酸のアンモニウム塩類;
スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸マグネシウム、スチレンスルホン酸亜鉛、スチレンスルホン酸鉄等のスチレンスルホン酸の金属塩類;
ビニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等のアルケニル基含有ビニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
【0116】
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ノニル(メタ)アクリルアミド、N−トリコシル(メタ)アクリルアミド、N−ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N−ドコシル(メタ)アクリルアミド、N−メチレン(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−(4−カルバモイルフェニル)(メタ)アクリルアミド、β−(2−フリル)(メタ)アクリルアミド、2,3−ビス(2−フリル)アクリルアミド、N−(9H−フルオレン−2−イル)(メタ)アクリルアミド、2,3,3−トリクロロ(メタ)アクリルアミド、N−[(R)−1−フェニルエチル] (メタ)アクリルアミド、N−[(S)−1−フェニルエチル] (メタ)アクリルアミド、N−(5,5−ジメチルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、(Z)−N−メチル−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、(Z)−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル−3−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−[2−(1H−イミダゾール−5−イル)エチル] (メタ)アクリルアミド、(Z)−N,N−ジメチル−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、3−フェニル−2−プロペンアミド、2−メチルプロパ−2−エノイルアミン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル−(メタ)アクリルアミド、N−[3−(N’,N’−ジメチルアミノ)プロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−(ジブチルアミノメチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルメタンアミド、N−ビニルアセトアミドなどの脂肪族系、あるいは芳香族系の(メタ)アクリルアミド類;
【0117】
例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシドデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−(ペントキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−2−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−3−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシ基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0118】
例えば、(メタ)アクリルアミドスルホン酸、tert−ブチル−(メタ)アクリルアミドスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸等のスルホン酸含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0119】
例えば、4−アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタムなどの環状アミド基含有(メタ)アクリルアミド類類;
【0120】
例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、2−プロペンニトリル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチルなどのニトリル基含有エチレン性不飽和単量体類;
【0121】
例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピペラジン、N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピペラジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンなどの窒素原子含有複素環ビニル系単量体;
【0122】
例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド誘導体類;
【0123】
例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル類;
【0124】
例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、酪酸(メタ)アリル、カプリン酸(メタ)アリル、ラウリン酸(メタ)アリル、オクチル酸アリル、ヤシ油脂肪酸、ピバリン酸ビニル等の飽和カルボン酸の(メタ)アリルエステル類;
【0125】
例えば、グリシジルシンナマート、アリルグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンモノオキシラン、1,3−ブタジエンモノオキシラン等のグリシジル基含有ビニルエステル類;
【0126】
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、アリルアルコール等のビニルエステル類;
【0127】
例えば、アレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどのジエン類;
【0128】
例えば、cis−コハク酸ジアリル、2−メチリデンコハク酸ジアリル、(E)−ブタ−2−エン酸ビニル、(Z)−オクタデカ−9−エン酸ビニル、(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15−トリエン酸ビニル等の多官能の不飽和結合を含有するエチレン性不飽和単量体類;
【0129】
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチルプロペン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラコンテン等ならびにその混合物やポリブテン−1,ポリペンテン−1,ポリ4−メチルペンテン−1等などのアルケン類などが挙げられる。
【0130】
また、例えば、上述のグリシジル基含有エテニルエステル類と脂肪酸とを反応させて得られた共重合可能なエチレン性不飽和単量体、上述のハロゲン化アルキルスチレン類と長鎖アルコール、ポリ(エチレンオキサイド)、およびポリ(エチレンオキサイド)モノアルキルエーテルより選ばれる少なくとも一種のアルコール性水酸基含有化合物を反応させて得られた共重合可能なエチレン性不飽和単量体等も、前記した(a5)のエチレン性不飽和単量体に含まれる。さらに、重量平均分子量(Mw)200〜2,000,000の重合体部位及びエチレン性不飽和二重結合を有する高分子量のエチレン性不飽和単量体、いわゆるマクロモノマーであっても良い。特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0131】
本発明において、水酸基を有するチレン性不飽和単量体(a1)及び/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)、カルボルニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)、エステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)、更に必要に応じて(a1)〜(a4)以外のエチレン性不飽和単量体(a5)を共重合することにより得られる共重合体(A)、あるいは、
(a1)及び/又は(a2)、(a3)、及び必要に応じて(a5)で示されるエチレン性不飽和単量体を共重合することにより得られる、共重合体(A)の前駆体(AP)は、定法に従い、重合開始剤を用いて、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの方法により合成される。好ましくは溶液重合で合成される。
【0132】
重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)や2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などのアゾ系化合物が挙げられる。
【0133】
また、過酸化ベンゾイルやtert−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエートやtert−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0134】
また合成時には、ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、リモネン等の連鎖移動剤を使用しても良い。
【0135】
本発明において、(a1)及び/又は(a2)、(a3)、及び必要に応じて(a5)で示されるエチレン性不飽和単量体を共重合することにより得られる、共重合体(A)の前駆体(AP)中の水酸基及び/又はカルボキシル基に、上述の環状エステル(f)を開環付加反応することによっても、側鎖にエステル基を有した共重合体(A)を得ることができる。
【0136】
そして、環状エステル(f)の開環付加は、上述したように1分子のみの単独付加でも良いし、側鎖の末端に生成する水酸基及び/又はカルボキシル基へ、環状エステル(f)がさらに開環付加するなど、多重に開環付加してもよい。このように開環付加が多重化すると側鎖をよりに長鎖にすることができる。これにより側鎖は上述したように被着体との親和性が高まり、かつ効果的な導電パスとなりうる。
【0137】
上記、環状エステル(f)の中でもオキシ酸縮合物(f−1)が好ましく、ラクトン類が特に好ましい。上記ラクトン類のなかでも、上記同様、具体的にはブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンが特に好ましい。
【0138】
本発明の環状エステル(f)は、共重合体(A)の前駆体(AP)100重量部に対して、1〜150重量部を用いてなることが好ましい。環状エステル(f)が1重量部未満であると、イオン性化合物(C)等の制電剤が移動しにくいため、効果的な制電性能が得られない場合がある。一方、150重量部を超えると、凝集力の低下を招くため、熱時や湿熱時に発泡やクラックが起こりやすくなる場合がある。
【0139】
本発明において、側鎖にエステル基を導入するには、
[製造法1]
あらかじめ、水酸基を有するチレン性不飽和単量体(a1)及び/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)に、環状エステル(f)を開環付加させてエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を作成した(工程1)のち、水酸基を有するチレン性不飽和単量体(a1)及び/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)、カルボルニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)、エステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)、更に必要に応じて(a1)〜(a4)以外のエチレン性不飽和単量体(a5)を共重合することによって共重合体(A)を得る(工程2)方法と、
[製造法2]
あるいは、予め(a1)及び/又は(a2)、(a3)、及び必要に応じて(a5)で示されるエチレン性不飽和単量体を共重合することにより共重合体(A)の前駆体(AP)を得た(工程3)のち、前駆体(AP)に含有されている水酸基及び/又はカルボキシル基に、環状エステル(f)を開環付加反応させることにより共重合体(A)を得る(工程4)方法、
[製造法3]
あるいは、予め(a1)及び/又は(a2)、(a3)、及び必要に応じて(a5)で示されるエチレン性不飽和単量体に環状エステル(f)を共存させて、エチレン性不飽和単量体を共重合するとともに、環状エステル(f)の開環付加反応を同時におこなうことにより、共重合体(A)を得る(工程6)方法、
のいずれかの方法により、共重合体(A)にエステル基を導入することができる。
【0140】
本発明において、共重合体(A)の側鎖にエステル基を導入する方法は、上述のとおり、三つの方法が示されるが、重合安定性や、制電性能の点で[製造法2]及び[製造法3]でエステル基を導入する方法が好ましい。
【0141】
また、環状エステル(f)の開環付加反応は後述の触媒によって、アシル炭素原子への求核攻撃によりアシル−酸素間結合が切断し、共重合体(A)中の水酸基が開始点となって開環付加し、末端に新たな水酸基を生成する。その後、同様にして環状エステル(f)が開環付加してアニオン重合することが一般的である。従って、共重合体(A)の水酸基あるいはカルボキシル基への開環付加の反応性は、水酸基への反応性の方が著しく速いため、水酸基とカルボキシル基が共存している場合には、環状エステル(f)ほとんどは、水酸基に優先的に反応し、カルボキシル基にはほとんど開環付加しないため、注意が必要である。
【0142】
また、共重合体(A)中の官能基がカルボキシル基のみの場合における開環付加反応は、後述の触媒によって、環状エステルの酸素原子に求電子付加してアシルカチオンが生成し、共重合体(A)中のカルボキシル基が開始点となって開環付加し、末端に新たなカルボキシル基を生成する。同様にして環状エステル(f)が開環付加してカチオン重合するが、分子量の増加は期待できないことが一般的である。
【0143】
環状エステル(f)は、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)及び/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)1モルに対し、0.2〜100モル反応させることが好ましく、0.5〜80モル反応させることがより好ましく、0.8〜60モル反応させることがさらに好ましく、1.5〜40モル反応させることが特に好ましい。上記範囲を逸脱すると、感圧式接着剤に用いた場合にタック及び凝集力を共に満足できない恐れがある。
【0144】
本発明において側鎖にエステル基を導入する反応において、触媒を適宜使用することもできる。触媒としては、アンモニア、アミン類、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ土類金属水酸化物類、トシル酸類、ルイス酸類、錫,鉛,チタン,鉄,亜鉛,ジルコニウム,コバルト等を含有した有機金属化合物類、金属ハロゲン化物類等が挙げられる。
【0145】
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、フェニルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルオキサゾリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等を挙げることができる。
【0146】
4級アンモニウム塩類としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウムヒドロゲンフタレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドペンタヒドレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムニトレート、テトラメチルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムトリブロマイド、フェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムパークロレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムパークロレート、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラ−n−プロピルアンモニウムパールテネート(VII)、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムトリブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンサルフェート、テトラブチルアンモニウムニトレート、テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムシアノトリヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルスタンネート、テトラブチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラブチルアンモニウムテトラチオフェネート(IV)、テトラブチルアンモニウムフルオライドヒドレイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムジヒドロゲントリフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルアンモニウムビス(2,3−ジメルカプト−2−ブテンジニトリレート−S,S’)ニコレート、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムパークロレート、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラオクタデシルアンモニウムブロマイド等を挙げることができる。
【0147】
4級ホスホニウム塩類としては、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラブチルホスホニウムビス(1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4−メチル−1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4,5−メルカプト−1,3−ジチオール−2−チオネート−S、S)ニコレート(III)等を挙げることができる。
【0148】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物類;
を挙げることができる。
【0149】
有機錫化合物類としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
【0150】
有機ジルコニウム化合物類としては、例えば、酢酸ジルコニウム、安息香酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等を挙げることができる。
【0151】
有機チタン化合物類としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等を挙げることができる。
【0152】
有機鉛化合物類としては、例えば、酢酸鉛、(Z)−オクタデカ−9−エン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などを挙げることができる。
【0153】
有機鉄化合物類としては、例えば、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどを挙げることができる。
【0154】
有機コバルト化合物類としては、例えば、酢酸コバルト、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等を挙げることができる。
【0155】
有機亜鉛化合物類としては、例えば、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等を挙げることができる。
【0156】
金属ハロゲン化物類としては、例えば、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を挙げることができる。
【0157】
トシル酸類としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸等が挙げられ、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、及び水和物も含まれる。
【0158】
さらには、三フッ化ホウ素、酢酸マンガン、酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化チタン等のルイス酸類が挙げられる。これらの触媒は一種のみを用いても、又は二種以上を併用しても良い。触媒の使用量としては、環状エステル化合物(f)100重量部に対して0.0001〜20重量部用いることが好ましく、0.0001〜10重量部の範囲がより好ましい。20重量部を超える量を用いると、生成物が着色したり、失活していない触媒が接着物性に悪影響を与えるなどの恐れがある。
【0159】
本発明における共重合体(A)中の水酸基及び/又はカルボキシル基は、前述したように、官能基として水酸基を有するチレン性不飽和単量体(a1)、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)、エステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)に由来するものであるか、あるいは環状エステル(f)を開環付加反応させて生成した側鎖末端の水酸基、あるいはカルボキシル基である。
【0160】
本発明において、共重合体(A)の官能基が水酸基の場合、その水酸基価は、0.01〜50mgKOH/gが好ましく、0.1〜30mgKOH/gがより好ましい。そして共重合体(A)にカルボキシル基と水酸基を有する場合であって、カルボキシル基と反応しうる架橋剤(B)を用いた場合は0.1〜10mgKOH/gが好ましく、0.1〜8mgKOH/gがより好ましい。
一方、共重合体(A)の官能基がカルボキシル基の場合、その酸価は0.01〜50mgKOH/gが好ましく、0.1〜30mgKOH/gがより好ましい。そして水酸基と反応しうる架橋剤(B)を用いた場合は0.1〜10mgKOH/gが好ましい。上記それぞれの数値範囲外のときは、感圧式接着剤として用いた場合の耐湿熱性が低下する恐れがある。
【0161】
水酸基価や酸価が0.01mgKOH/gよりも低いと、水酸基又はカルボキシル基に対する架橋剤(B)の反応性が劣り、硬化した樹脂の凝集力が不足する恐れがある。また、水酸基価又は酸価が50mgKOH/gよりも高くなると、架橋剤(B)を配合した感圧式接着剤組成物のポットライフが短くなる恐れがある。しかし、求める物性によっては側鎖の末端は、水酸基とカルボキシル基以外の官能基を有しても良い。
【0162】
本発明において、共重合体(A)の水酸基価、あるいは酸価の調節には、新たに封止化合物(D)で共重合体(A)中の水酸基及び/又はカルボキシル基と封止反応させて水酸基価、あるいは酸価を調整することが可能である。封止化合物(D)は、共重合体(A)中の水酸基及び/又はカルボキシル基と反応しうる官能基を有することが必要である。具体的には、シラン化合物(d1)、酸無水物基含有化合物(d2)、モノイソシアネート化合物(d3)およびアミン化合物(d4)等を挙げることができる。また封止化合物(D)は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0163】
本発明で用いられるシラン化合物(d1)としては、例えば、ヒドロシラン類、アルコキシシラン類、クロロシラン類、シラノール類、シリルアミン類あるいはこれらの環状化合物が挙げられる。
ヒドロシラン類としては、例えば、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリブチルシラン、トリヘキシルシラン、ジエチルメチルシラン、ブチルジメチルシラン、ジメチルフェニルシラン、トリフェニルシラン、メチルフェニルエテニルシラン、ペンタメチルジシロキサン、アリルジメチルシラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,3,5,7,9−オクタフェニルシクロテトラシロキサン等の単官能のSi−H基を有するヒドロシラン類が挙げられる。
【0164】
アルコキシシラン類としては、例えば、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、メトキシジメチルエチニルシラン、ジメチルエトキシエチニルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、エトキシジメチルエテニルシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、1−メチルプロポキシトリメチルシラン、ブトキシトリメチルシラン、イソブトキシトリメチルシラン、t−ブトキシトリメチルシラン、ヘキシルオキシトリメチルシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、テトラヒドロフルフリロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、シクロヘキシルオキシトリメチルシラン、1−シクロヘキセニルオキシトリメチルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ベンジルオキシトリメチルシラン、メトキシトリプロピルシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、2−エチルヘキシルオキシトリメチルシラン、オクチルオキシトリメチルシラン、ドデシルオキシトリメチルシラン等の単官能のアルコキシ基を有するアルコキシシラン類が挙げられる。
【0165】
クロロシラン類としては、例えば、トリメチルクロロシラン、ジメチルエテニルクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ジメチルプロピルクロロシラン、ジメチルイソプロピルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルフェニルエテニルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、ジメチルオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニルエテニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、トリベンジルクロロシラン等の単官能のクロロシリル基を有するクロロシラン類が挙げられる。
【0166】
シラノール類としては、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール等の単官能のシラノール基を有するシラノール化合物が挙げられる。
【0167】
シリルアミン類としては、例えば、トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン、ジメチルアミノトリメチルシラン、アリルアミノトリメチルシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、アニリノトリメチルシラン、1−トリメチルシリルピロール、1−トリメチルシリルピロリドン、1−トリメチルシリルイミダゾール、1−トリメチルシリル−1,2,4−トリアゾール等の単官能のシリルアミノ基を保有するシリルアミン類;1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)−N−フェニルウレア等の2官能のシリルアミノ基を保有するシリルアミン類;1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザン等の3官能以上の環状シリルアミノ基を保有するシリルアミン類等が挙げられる。
【0168】
酸無水物基含有化合物(d2)としては、例えば、分子量90〜500程度の公知のジカルボン酸類化合物の無水物及び誘導体、3官能以上のポリカルボン酸類の酸無水物環を有するものが含まれ、脂肪族化合物、芳香族化合物及び脂環式化合物の何れであっても良い。
【0169】
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、クロロ(Z)−ブタ−2−エン二酸、(E)−ブタ−2−エン二酸、ドデカン二酸、ヘプタン二酸、2−メチル−(Z)−ブタ−2−エン二酸、ペンタン二酸、2−メチリデンブタン二酸、テトラヒドロフラン−2,5−ジオン、2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン等が挙げられ、これらの脂肪族ジカルボン酸の無水物が利用できる。又、
テトラヒドロフラン−2,5−ジオンの誘導体(メチルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、2,2−ジメチルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、ブチルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、イソブチルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、ヘキシル無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデセニルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン、フェニルテトラヒドロフラン−2,5−ジオン等)、テトラヒドロピラン−2,6−ジオンの誘導体(テトラヒドロピラン−2,6−ジオン、3−アリルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン、2,4−ジメチルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン、2,4−ジエチルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン、ブチルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン、ヘキシルテトラヒドロピラン−2,6−ジオン等)、2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオンの誘導体(2−メチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、2,3−ジメチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、ブチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、ペンチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、ヘキシル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、オクチル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、デシル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、ドデシル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、2,3−ジクロロ2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、フェニル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン、2,3−ジフェニル2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン等)などの無水物誘導体も利用できる。
【0170】
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5−ジメチルベンゼン−1,4−ジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エンジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸、フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−インデンジカルボン酸等が挙げられ、これらの芳香族ジカルボン酸の無水物が利用できる。又、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、4−メチル−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン等が挙げられ、又、ヘキサヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオンの誘導体((3−メチル−ヘキサヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、4−メチル−ヘキサヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン)、テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオンの誘導体(1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、メチルブテニル−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン等)などの1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン誘導体も利用できる。
【0171】
脂環族ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、1,3−シクロヘキシルジカルボン酸、1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等が挙げられ、これらの脂環族ジカルボン酸の無水物等が利用できる。
【0172】
さらに、4,5,6,7,8,8−ヘキサクロロ−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノイソベンゾフラン−1,3−ジオン、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビフェニルジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−1,3−ジオキソ−4,5−イソベンゾフランジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0173】
3官能以上のポリカルボン酸類の無水物環を有するものとしては、例えば、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸が挙げられる。また、無水物環を二つ以上有する3官能以上のポリカルボン酸類としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチルエタン酸二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシシクロヘキサン二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシノルボルナン二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−エタン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、 無水ピロメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、エテンオキサイドジ−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸エステル、プロペンオキサイドジ−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸エステル、ブテンオキサイドジ−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルベンゼンジカルボン酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルベンゼンジカルボン酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン無水物、エチレンオキサイドビス(アンヒドロトリメリテート)、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンブタン二酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンブタン二酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル無水ナジック酸、アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メタリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メタリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0174】
これらの酸無水物は、各々、単独又は2種以上を組み合わせて酸無水物基含有化合物(d2)として使用できる。無水物環を一つ保有している環状無水物基含有化合物を用いると、接着性、耐熱性、耐湿熱性及び透明性に優れた感圧接着剤組成物を得ることができるので好ましい。
【0175】
本発明で用いられるモノイソシアネート化合物(d3)としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、デシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、2,4−ジクロロフェニルイソシアネート、3−クロロ−4−メチルフェニルイソシアネート、トリクロロアセチルイソシアネート、クロロスルホニルイソシアネート、(R)−(+)−α−メチルベンジルイソシアネート、(S)−(−)−α−メチルベンジルイソシアネート、(R)−(−)−1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート、(R)−(+)−1−フェニルエチルイソシアネート、(S)−(−)−1−フェニルエチルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
【0176】
本発明に用いられる、モノイソシアネート化合物(d3)は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0177】
本発明で用いられるアミン化合物(d4)としては、公知の1級アミノ基を含有する化合物が使用できる。例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミン、ドコシルアミン、アミルアミン,2−メチル−3−ペンチルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン,3−ブトキシプロピルアミン,3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−デシルオキシプロピルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ココナットアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ミリスチルオキシプロピルアミン、牛脂アミン、ポリオキシプロペンアミン、ポリオキシエテンアミン、2−アミノエタノール、6−アミノカプロニトリル、ロジンアミン等の脂肪族アミン類;
【0178】
例えば、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、p−メトキシフェネチルアミン、1−フェニルエチルアミン、1−(4−メチルフェニル)エチルアミン、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン、2−(フェニルメトキシ)シクロペンタンアミン、1−(1−ナフチル)エチルアミン、1−(2−ナフチル)エチルアミン、5−アミノインダン、1−アミノテトラリン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール、o−トルイジン、2−エチルアニリン、2−フルオロアニリン、o−アニシジン、m−トルイジン、m−アニシジン、m−フェネチジン、p−トルイジン、2,3−ジメチルアニリン、1−アミノピペリジン、N−アミノ−4−ピペコリン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−2−ピペコリン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノブチルピペリジン、4−アミノメチル−1−ブチルピペリジン、N−アミノヘキシルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノブチルモルホリン、N−アミノヘキシルモルホリン、3−アミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−2−メチル−3−アミノピロリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、フルフリルアミン、アミノピラジン、2−アミノメチルピラジン、2−アミノエチルピラジン、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−アミノ−3,5−ジブロモピラジン、ピコリンアミド、イソニコチンアミド、2−アミノニコチン酸、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノメチルピリジン、3−アミノメチルピリジン、4−アミノメチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、2−アミノ−4−エチルピリジン、2−アミノ−4−プロピルピリジン、2−アミノ−3−ニトロピリジン、2−アミノ−5−ニトロピリジン、3−アミノ−2−クロロピリジン、4−アミノ−2−クロロピリジン、2−アミノ−5−クロロピリジン、2−アミノ−3,5−ジクロロピリジン、3−アミノ−2,6−ジクロロピリジン、3−アミノ−2−クロロ−4−ピコリン、2−アミノ−3,5−ジクロロ−6−メチルピリジン、2−アミノ−5−クロロ−3−メチルピリジン、3−アミノ−3,5−ジクロロ−4−メチルピリジン、4−アミノ−3,5−ジクロロ−4,6−ジメチルピリジン、3−アミノエチル−6−クロロピリジン等の脂環、芳香環あるいはヘテロ環の環状構造を保有するアミン類が挙げられる。
【0179】
本発明では、水酸基価、あるいは酸価の調整は、共重合体(A)の官能基が水酸基の場合、封止化合物(D)は、シラン化合物(d1)又はモノイソシアネート化合物(d3)を用いることが好ましく、単官能のものを用いることが好ましい。また、酸無水物基含有化合物(d2)を用いる場合は、水酸基からカルボキシル基への変更が可能となるだけでなく、新たにエステル結合が形成されるため、制電性能向上のため、好ましい。
また共重合体(A)の官能基がカルボキシル基の場合、封止化合物(D)は、アミン化合物(d4)を用いることが好ましい。
【0180】
本発明では、用いる封止化合物(D)の種類により共重合体(A)の側鎖末端の構造を変えることで、感圧式接着剤組成物に用いた場合に様々な機能を付与することができる。例えば、シラン化合物を用いた場合には、ガラスへの接着力が向上するなど密着性を改善できる。また、モノイソシアネート化合物を用いた場合には、形成するウレタン結合により耐熱や耐湿熱性が向上する。さらにアミン化合物を用いた場合には、形成するアミド結合や酸塩基結合により、制電性能を向上させることができる。
【0181】
本発明で、水酸基価、あるいは酸価を調整する封止反応において、触媒を適宜使用することもできる。触媒としては、上述したアンモニア、アミン類、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ土類金属水酸化物類、ルイス酸類、錫,鉛,チタン,鉄,亜鉛,ジルコニウム,コバルト等を含有した有機金属化合物類、金属ハロゲン化物類等が挙げられる。
【0182】
本発明における共重合体(A)において、良好な粘着特性(タック、接着力、凝集力)を示すためには、ガラス転移温度(Tg)が−60〜0℃であることが必要である。Tgが−60℃よりも低い場合は凝集力が低下し、耐久性が低下する可能性がある。一方、Tgが0℃を超えると、タックが発現しなくなり、付着性が落ちるため好ましくない。
【0183】
本発明の共重合体(A)において、それぞれの樹脂の構成成分である各エチレン性不飽和単量体や環状エステル(f)から形成され得る単独重合体のTgが既知であれば、各単独重合体のTgとエチレン性不飽和単量体や環状エステル(f)の構成比とに基づいて、共重合体(A)のTgを理論的に求めることができ、ひいては架橋された感圧式接着剤組成物のTgを求めることが可能である。
【0184】
ところで、感圧式接着剤の場合、主成分たる共重合体(A)に対し、後述の架橋剤(B)は、少量配合することが一般的である。このような感圧式接着剤から形成される接着剤層は、架橋状態が緩い(換言すると疎)なので、緻密に架橋される硬化塗膜とは異なり、接着剤層のTgは、架橋前の共重合体(A)のTgにほぼ等しい。従って、感圧式接着剤から形成される感圧式接着剤層のTgが0℃以下、好ましくは−5℃以下となるように、各種エチレン性不飽和単量体や、あるいは環状エステル(f)の種類、量を選択すればよい。
一方、共重合体(A)に対し、後述の架橋剤(B)を多量配合して得られる、いわゆる架橋性IPN構造を形成した接着剤層は、架橋後のTgが架橋前と大幅に異なるため、DSC測定(示差走査熱量測定)や動的粘弾性測定により求めることが好ましい。
【0185】
本発明における共重合体(A)において、良好な耐久性(耐熱性、耐湿熱性)、リワーク性を維持するためには重量平均分子量(Mw)が、500,000〜2,000,000の範囲であることが必要である。共重合体(A)のMwが2,000,000を越えると流動性が低下するだけでなく、後述のイオン性化合物(C)との相溶性も低下するため、感圧式接着剤組成物の塗工性が低下したり、浮き、ハガレ等の耐久性が低下したり、塗膜が白化したりする場合がある。
共重合体(A)のMwが500,000未満の場合は、光学用感圧式接着フィルムをガラス等の液晶用セル部材に貼着した後、感圧式接着剤層の凝集破壊が起こりやすくなる場合がある。
【0186】
次に、架橋剤(B)について説明する。
本発明において、共重合体(A)に架橋剤(B)を含有させることで、感圧式接着剤が得られる。
本発明の架橋剤(B)とは、上述したように、感圧式接着剤組成物の架橋構造を形成するため、さらに架橋構造に加えて架橋性IPN構造を形成するために使用され、より具体的には、共重合体(A)の水酸基及び/又はカルボキシル基と反応しうる化合物である。
共重合体(A)中の官能基がカルボキシル基の場合、架橋剤(B)の官能基としてはイソシアネート基、オキシラン基、アミノ基、アジリジル基、オキサゾリン基、金属キレート基が挙げられ、共重合体(A)中の官能基が水酸基の場合は、架橋剤(B)の官能基としてはイソシアネート基、N−ヒドロキシメチル基が挙げられる。
特に、イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(b1)は、架橋反応後の感圧式接着剤の接着性や被覆層への密着性に優れていることから好ましく用いられる。
【0187】
例えば、イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(b1)としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0188】
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
【0189】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0190】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0191】
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
【0192】
また一部上記ポリイソシアネートの2−メチルペンタン−2,4−ジオールアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。ポリフェニルメタンポリイソシアネート(別名:PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートの反応物もポリイソシアネートとして使用することができる。
【0193】
これらポリイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジイソシネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添MDI)等の無黄変型または難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いると耐候性の点から、特に好ましい。
【0194】
架橋剤(B)としてポリイソシアネート化合物(b1)を使用する場合、反応促進のため、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。例えば三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられ、単独でもあるいは複数を使用することもできる。
【0195】
3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)等が挙げられ、場合によっては単独、もしくは併用することもできる。
【0196】
有機金属系化合物としては、錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄2,4−ペンタジオネートなどの鉄系、安息香酸酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。
【0197】
また、エポキシ化合物(b2)の例としては、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン・2−クロロメチルオキシラン型のオキシラン系樹脂や2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン型、4,4’−スルフォニルジフェノール型、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エテン型、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン型、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン型、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)プロパン型及びこれらの共重合型のオキシラン系樹脂、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、パラターシャリーブチルフェノールノボラック型、パラオクチルフェノールノボラック型、ノニルフェノールノボラック型及びこれらの共縮合型のオキシラン樹脂、エチレンオキサイドジグリシジルエーテル、ポリエチレンオキサイドジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0198】
アジリジン化合物(b3)の例としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、2−メチルペンタン−2,4−ジオール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−アジリジニル)ブチレート]、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニル)プロピオネート]、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−4,4−ビス−N,N’−エチレンウレア、1,6−ヘキサメチレンビス−N,N’−エチレンウレア、2,4,6−(トリエチレンイミノ)−Syn−トリアジン、ビス[1−(2−エチル)アジリジニル]ベンゼン−1,3−カルボン酸アミド等が挙げられる。
【0199】
カルボジイミド化合物(b4)としては、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられ、公知のポリカルボジイミドを用いることができる。また、カルボジイミド化合物(b4)としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用できる。
このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させたものが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、またはこれらの混合物を使用することができる。
【0200】
カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシドを利用することができる。
【0201】
このような高分子量ポリカルボジイミドとしては日清紡績株式会社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01,03,05,07,09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
【0202】
オキサゾリン化合物(b5)としては、分子内にオキサゾリン基を2個以上有する化合物が好ましく用いられ、具体的には、2’−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エテンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エテンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロペンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。または、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリンなどのビニル系単量体とこれらのビニル系単量体と共重合し得る他の単量体との共重合体でもよい。
【0203】
金属キレート化合物(b6)の例としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属が2,4−ペンタンジオンやアセト酢酸エチルに配位した化合物を挙げられる。
【0204】
次に、イオン性化合物(C)について説明する。
本発明に用いられる下記一般式(1)で表されるアンモニウム塩系の化合物(C1)、下記一般式(2)で表されるアルカリ金属塩系の化合物(C2)、及び下記一般式(3)で表されるアンモニウム塩系の化合物(C3)について説明する。
【0205】
一般式(1)
【0206】
【化4】

【0207】
〔一般式(1)中R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、R5〜R8は、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。〕
【0208】
一般式(2)
【0209】
【化5】

【0210】
〔一般式(2)中R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、A+は、アルカリ金属イオンを表す。〕
【0211】
一般式(3)
【0212】
【化6】

【0213】
〔一般式(3)中R5〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。
9は、置換基を有してもよいアルキレン結合基、置換基と二重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基と三重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基を有してもよいアリーレン結合基、置換基を有してもよい複素環結合基、又は、エーテル結合基、エステル結合基、チオエーテル結合基、ジチオール結合基、カルボニル結合基、スルフィニル結合基、スルホニル結合基、ホスホニル結合基、アミノ結合基、イミノ結合基、もしくはシリル結合基を表す。
10は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、ハロゲン基を表す。
11は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、−R910を表す。〕
【0214】
アンモニウム塩系の化合物(C1)、又は(C3)は、カチオン部がN+5678であり、アニオン部も含め、構成部がすべて有機物となることから、上記感圧式接着剤や溶剤への相溶性が高いという特徴を持つ。又、アンモニウム塩系の化合物(C1)、または(C3)を用いた場合、制電性能が環境湿度の影響を受けにくい。
【0215】
又、アルカリ金属塩系の化合物(C2)は、カチオン部がアルカリ金属イオンであるので、製造工程が短縮でき安価で製造することができるといった特徴を持つ。しかし、アルカリ金属塩系の化合物(C2)を用いた場合、電子部品、例えば、内装回路、トランジスタ、IC、CPUを汚染する可能性があり、これらが汚染されると動作異常の発生が懸念される。又、アルカリ金属塩系の化合物(C2)を用いた場合、被着体がアルミニウム等であると、高温多湿の環境で浮きが発生し易い。更に、アルカリ金属塩系の化合物(C2)を用いた場合、制電性能が環境湿度の影響を受けやすい。
【0216】
よって、本発明においては、上記一般式(1)、又は(3)で表されるアンモニウム塩系の化合物(C1)、又は(C3)を用いることがより好ましい。
【0217】
置換基を有してもよいアルキル基、としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
【0218】
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
【0219】
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
【0220】
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
【0221】
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族あるいは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられる。
【0222】
ハロゲン基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が挙げられる。
【0223】
置換基を有してもよいアルキレン結合基、としては、炭素数1〜30のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレン結合基、エチレン結合基、プロピレン結合基、ブチレン結合基、ヘキシレン結合基、オクチレン結合基、デシレン結合基、ドデシレン結合基、オクダデシレン結合基、イソプロピレン結合基、イソブチレン結合基、sec−ブチレン結合基、tert−ブチレン結合基、1−エチルペンチレン結合基、シクロペンチレン結合基、シクロヘキシレン結合基、トリフルオロメチレン結合基、2−エチルヘキシルレン結合基、フェナシレン結合基、1−ナフトイルメチレン結合基、2−ナフトイルメチレン結合基、4−メチルスルファニルフェナシレン結合基、4−フェニルスルファニルフェナシレン結合基、4−ジメチルアミノフェナシレン結合基、4−シアノフェナシレン結合基4−メチルフェナシレン結合基、2−メチルフェナシレン結合基、3−フルオロフェナシレン結合基、3−トリフルオロメチルフェナシレン結合基、3−ニトロフェナシレン結合基等が挙げられる。
【0224】
置換基と二重結合を有してもよいアルキレン結合基としては、1つ以上の二重結合を有する炭素数2〜10のアルキレン結合基が挙げられる。
【0225】
置換基と三重結合を有してもよいアルキレン結合基としては、1つ以上の三重結合を有する炭素数2〜10のアルキレン結合基が挙げられる。
【0226】
置換基を有してもよいアリーレン結合基としては、炭素数6〜30のアリーレン結合基が好ましく、フェニレン結合基、ビフェニレン結合基、ナフチレン結合基、9−アンスリレン結合基、フェナントリレン結合基、ピレニルレン結合基、ナフタセニレン結合基、インデニレン結合基、アズレニレン結合基、フルオレニレン結合基、ターフェニレン結合基、クオーターフェニレン結合基、トリレン結合基、キシリレン結合基、クメニレン結合基、メシチレン結合基、ペンタレニレン結合基、ビナフタレニレン結合基、ターナフタレニレン結合基、クオーターナフタレニレン結合基、ヘプタレニレン結合基、ビフェニレニレン結合基、インダセニレン結合基、フルオランテニレン結合基、アセナフチレニレン結合基、アセアントリレニレン結合基、フェナレニレン結合基、フルオレニレン結合基、アントリレン結合基、ビアントラセニレン結合基、ターアントラセニレン結合基、クオーターアントラセニレン結合基、アントラキノリレン結合基、フェナントリレン結合基、トリフェニレニレン結合基、ピレニレン結合基、クリセニレン結合基、ナフタセニレン結合基、プレイアデニレン結合基、ピセニレン結合基、ペリレニレン結合基、ペンタフェニレン結合基、ペンタセニレン結合基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニレン結合基、ヘキサセニレン結合基、ルビセニレン結合基、コロネニレン結合基、トリナフチレニレン結合基、ヘプタフェニレン結合基、ヘプタセニレン結合基、ピラントレニレン結合基、オバレニレン結合基等が挙げられる。
【0227】
置換基を有してもよい複素環結合基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族あるいは脂肪族の複素環結合基が好ましい。例えば、チエニリレン結合基、ベンゾ[b]チエニリレン結合基、ナフト[2,3−b]チエニリレン結合基、チアントレニリレン結合基、フリリレン結合基、ピラニリレン結合基、イソベンゾフラニリレン結合基、クロメニリレン結合基、キサンテニリレン結合基、フェノキサチイニリレン結合基、2H−ピロリリレン結合基、ピロリリレン結合基、イミダゾリレン結合基、ピラゾリレン結合基、ピリジリレン結合基、ピラジニリレン結合基、ピリミジニリレン結合基、ピリダジニリレン結合基、インドリジニリレン結合基、イソインドリレン結合基、3H−インドリレン結合基、インドリレン結合基、1H−インダゾリレン結合基、プリニリレン結合基、4H−キノリジニリレン結合基、イソキノリレン結合基、キノリレン結合基、フタラジニリレン結合基、ナフチリジニリレン結合基、キノキサニリレン結合基、キナゾリニリレン結合基、シンノリニリレン結合基、プテリジニリレン結合基、4aH−カルバゾリレン結合基、カルバゾリレン結合基、β−カルボリニリレン結合基、フェナントリジニリレン結合基、アクリジニリレン結合基、ペリミジニリレン結合基、フェナントロリニリレン結合基、フェナジニリレン結合基、フェナルサジニリレン結合基、イソチアゾリリレン結合基、フェノチアジニリレン結合基、イソキサゾリレン結合基、フラザニリレン結合基、フェノキサジニリレン結合基、イソクロマニリレン結合基、クロマニリレン結合基、ピロリジニリレン結合基、ピロリニリレン結合基、イミダゾリジニリレン結合基、イミダゾリニリレン結合基、ピラゾリジニリレン結合基、ピラゾリニリレン結合基、ピペリジリレン結合基、ピペラジニリレン結合基、インドリニリレン結合基、イソインドリニリレン結合基、キヌクリジニリレン結合基、モルホリニリレン結合基、チオキサントリリレン結合基等が挙げられる。
【0228】
他の結合基としては、エーテル結合基、エステル結合基、チオエーテル結合基、ジチオール結合基、カルボニル結合基、スルフィニル結合基、スルホニル結合基、ホスホニル結合基、アミノ結合基、イミノ結合基、又は、シリル結合基等、それぞれ酸素原子、窒素原子、燐原子、又は硫黄原子を含む結合基を表す。
【0229】
更に、前述した置換基を有してもよいアルキル基、又はアルキレン結合基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基と二重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基と三重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基を有してもよいアリール基、又はアリーレン結合基及び置換基を有してもよい複素環基、又は複素環結合基の水素原子は更に他の置換基で置換されていても良い。
【0230】
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロアルキル基、トリクロロメチル基、ペルクロロアルキル基、トリブロモメチル基等のハロゲン化アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホンアミド基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
【0231】
このような置換基のうち、好ましい置換基として電子求引性の置換基が挙げられる。電子求引性の置換基が置換することにより、一般的にイオン性化合物は解離しやすくなり、制電性能は高くなる。
【0232】
このような、電子求引性の置換基とは、共鳴効果や誘起効果によって相手から電子をひきつける置換基の総称であり、その多くは、ハメット則において、置換基定数σが正の値で示される。これらの置換基としては、特に制限はないが、具体的には、Chemical Review Vol.91、第165−195項1991年発行に記載のσpが0より大きなものが挙げられ、より具体的には、ハロゲン基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、アミド基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキルチオ基、ペルフルオロアルキルカルボニル基、スルホンアミド基、4−シアノフェニル基等があげられる。
【0233】
また、上記、置換基と同様、好ましい結合基として電子求引性の結合基が挙げられる。電子求引性の結合基が存在することにより、イオン性化合物は解離しやすくなり、制電性能は高くなるため好ましい。このような結合基としては、カルボニル結合基、スルホニル結合基等が好ましく使用される。
【0234】
1〜R4は、化合物の安定性面から考慮して、好ましくは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であり、より好ましくは、置換基を有してもよいアリール基である。
【0235】
5〜R8は、化合物の安定性面から考慮して、置換基を有してもよいアルキル基が好ましい。
【0236】
9は、化合物の安定性面から考慮して、スルホニル結合基が好ましく、R10は、ハロゲン基が好ましい。また、R11は、R9、及びR10と同様に、スルホニル結合基とハロゲン基、又はハロゲン化アルキル基の組み合わせが好ましい。
【0237】
本発明において一般式(1)で表されるアンモニウム塩系化合物(C1)の代表例を、例示化合物(C1−1)〜(C1−92)として以下の表1〜6に、又、一般式(2)で表されるアルカリ金属塩系化合物(C2)の代表例を、例示化合物(C2−1)〜(C2−10)として以下の表7に、又、一般式(3)で表されるアンモニウム塩系化合物(C3)の代表例を、例示化合物(C3−1)〜(C3−106)として以下の表8〜14に、それぞれ具体的に例示するが、これらに限られるものではない。尚、例示化合物中のMeはメチル基、Etはエチル基、Buはノルマルブチル基、Prはノルマルプロピル基、i−Prはイソプロピル基、Hexはヘキシル基、Octはオクチル基、c−Hexはシクロヘキシル基、Decはデシル基、Cetはセチル(ヘキサデシルとも言う)基、Phはフェニル基を示す。
【0238】
【表1】

【0239】
【表2】

【0240】
【表3】

【0241】
【表4】

【0242】
【表5】

【0243】
【表6】

【0244】
【表7】

【0245】
【表8】

【0246】
【表9】

【0247】
【表10】

【0248】
【表11】

【0249】
【表12】

【0250】
【表13】

【0251】
【表14】

【0252】
又、本発明の感圧式接着剤組成物は、上記アンモニウム塩系の化合物(C1)、アルカリ金属塩系化合物(C2)、又はアンモニウム塩系の化合物(C3)と併用してそれ以外の制電剤を使用してもよい。併用する化合物としては、特に限定されないが公知の界面活性剤やアルカリ金属の有機塩が挙げられ、これらは単独で又は複数を併用することができる。
【0253】
又、本発明の感圧式接着剤組成物は、上記、アルカリ金属塩系化合物(C2)、又はアンモニウム塩系の化合物(C3)であるイオン化合物(C)を共重合体(A)100重量部に対して0.01〜10重量部含むことが好ましく、0.3〜3.0重量部含むことがさらに好ましい。0.01重量部未満であると十分な制電性能が得られない場合があり、10重量部以上添加してもそれ以上の制電性能を得るのは困難である場合があり、さらに耐熱性の不良を生じる場合がある。
【0254】
本発明の感圧式接着剤組成物は、有機溶剤を含有することが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、シランカップリング剤、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、タッキファイヤ、可塑剤、充填剤および老化防止剤等を配合しても良い。
例えば、アセトン、酢酸チル、酢酸エチル、シクロヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、その他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒や、水をさらに添加して、感圧式接着剤組成物の粘度を調整することもできるし、感圧式接着剤組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。
【0255】
本発明の感圧式接着剤組成物は、共重合体(A)の側鎖に、カルボニル基と多数のエステル基を有するため、耐熱、耐湿熱等の耐久性と効果的な制電性能のバランスが良い。つまり、本発明の感圧式接着剤組成物から得られた感圧式接着剤フィルムの接着剤層では、カルボニル基とイオン性化合物(C)が疑似配位結合による固定化をしているため、被着体に貼着後、高温下または高温高湿条件下に長期間曝されても、イオン性化合物(C)等の制電剤が被着体界面に移行し難く、いわゆる制電剤のブリードに伴う、発泡や浮き、ハガレが発生しない。
さらに、多数のエステル基が存在しているため、このエステル結合の不対電子も多数存在したペンダントしたような状態を呈し、液晶セル用ガラス等の被着体界面近傍の配向するため、不対電子間の距離が短くなり、この不対電子を通してネットワークを形成し、導電パスが形成される。
ここで、感圧式接着剤フィルムに積層されている剥離フィルムを剥がして被着体の貼着する場合や、一度貼着された偏光フィルム等を被着体から剥がしたり、また新しい偏光フィルム等が貼り直されたりするリワークの場合に帯電するが、これらの剥離や貼着に伴う圧力変化のため、上記のイオン性化合物(C)等の制電剤とカルボニル基との疑似配位結合が壊れ、被着体界面付近のエステル基に由来する導電パス上で速やかにイオン伝導が起こりやすくなるため、帯電防止性能が向上する。また以上の理由により、従来よりも過酷な条件下における耐熱性及び耐湿熱性をも向上することができるため、光学部材用として好ましく使用することができる。
【0256】
本発明の感圧式接着剤組成物は、さらに光学用感圧式接着剤組成物として好適である。即ち、フィルム状基材である光学フィルムと該光学フィルムの少なくとも一方の面に位置する接着層とを具備する積層体の形成に使用されることが好ましい。
本発明の光学用感圧式接着剤フィルムは、以下のようにして得ることができる。
剥離性フィルムの剥離処理面に感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、フィルム状基材である光学フィルムを感圧式接着剤層の表面に積層したり、フィルム状基材である光学フィルムに感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、感圧式接着剤層の表面に剥離性フィルムの剥離処理面を積層したりすることによって、光学用感圧式接着剤フィルムを得ることができる。共重合体(A)と架橋剤(B)との架橋反応は、感圧式接着剤組成物の乾燥時、及び形成された感圧式接着剤層表面にフィルム状の光学フィルムや剥離性フィルムを積層する際、さらには積層した後に進行する。
【0257】
ここで、感圧式接着剤組成物及び感圧式接着剤フィルムについて一般的な説明をする。
感圧式接着剤組成物は、感圧式接着剤フィルムを形成するために用いられる。
感圧式接着剤フィルムの基本的積層構成は、フィルム状基材/感圧式接着剤層/剥離性フィルムのような片面感圧式接着剤フィルム、あるいは剥離性フィルム/感圧式接着剤層/フィルム状基材/感圧式接着剤層/剥離性フィルムのような両面感圧式接着剤フィルムである。使用時に、剥離性フィルムが剥がされ、感圧式接着剤層が被着体に貼付される。感圧式接着剤組成物は、貼着の際、被着体に感圧式接着剤層が触れるその瞬間に感圧式接着剤層がタックを有すのみならず、感圧式接着剤組成物以外の接着剤(以下、単に接着剤という)とは異なり、貼着中も完全に固化することなく、タックと適度な固さを有しつつ、貼着状態を維持するための凝集力を有することが必要である。凝集力は分子量に大きく依存する。
【0258】
剥離性フィルムとしては、セロハン、各種プラスチックフィルム、紙等のフィルム状基材の表面を剥離処理したものが挙げられる。また、フィルム状基材としては、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。
【0259】
フィルム状基材や剥離性フィルムで使用される各種プラスチックフィルムとしては、各種プラスチックシートともいわれ、例えば、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル酸系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルムなどが挙げられる。
【0260】
本発明における光学部材としては、上記各種プラスチックフィルムのうち、主に光学用途にて用いられる光学フィルムが好適に使用される。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
【0261】
偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、ポリビニルアルコール系偏光子の両面を2枚のトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)や2枚のシクロオレフィ系フィルムで挟んだ多層構造フィルムである。
【0262】
常法にしたがって適当な方法で剥離性フィルムや光学フィルムに感圧式接着剤組成物を塗工した後、感圧式接着剤組成物が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、加熱等の方法により液状媒体を除去したり、感圧式接着剤組成物が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある樹脂層を冷却して固化したりして、剥離性フィルムや光学フィルムの上に感圧式接着剤層を形成することができる。
感圧式接着剤層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、0.1μm〜100μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な接着力が得られないことがあり、200μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
【0263】
本発明の感圧式接着剤組成物を剥離性フィルム等に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられる。
乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては感圧式接着剤組成物の架橋形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
【0264】
本発明の感圧式接着剤組成物を使用した感圧式接着剤フィルムは、液晶セルやPDPモジュール等のガラス板や上記の各種プラスチックフィルムに貼着して積層体として使用されることが好ましい。
【0265】
本発明の積層体と液晶セル用部材について説明する。
本発明の積層体は、例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等の各種光学特性を持つ、いわゆるシート(フィルムともいう)状の光学部材の片方の面に、本発明の感圧式接着剤から形成される感圧式接着剤層を積層し、さらに、その上層に剥離性フィルムを積層して、まず、上述の光学用感圧式接着剤フィルムを形成する。
上記、光学用感圧式接着剤フィルムは、
(ア)剥離性フィルムの剥離処理面に感圧式接着剤を塗工、乾燥し、フィルム状の光学部材を接着層の表面に積層したり、
(イ)フィルム状の光学部材に、直接、感圧式接着剤を塗工、乾燥し、接着層の表面に剥離性フィルムの剥離処理面を積層したりすることによって得ることができる。
共重合体(A)と架橋剤(B)との反応は、感圧式接着剤組成物を乾燥する際、及び感圧式接着剤層表面にフィルム状の光学部材や剥離性フィルムを積層する際及び積層した後に進行する。
【0266】
なお、本発明の光学用感圧式接着剤フィルムは、上記態様に限定されるものではなく、光学部材の両方の面に感圧式接着剤層が設けられていてもよい。
また、必ずしも剥離性フィルムを使用する必要はない。
そして、光学用感圧式接着剤フィルムの接着剤層の表面を覆っていた剥離性フィルムを剥がし、フィルム部材やガラス部材に貼着することによって光学用途に使用可能な積層体として使用することができる。
特に、本発明の光学用感圧式接着剤フィルムを液晶セル用ガラス部材に貼着することによって、光学部材/感圧式接着剤層/ガラス部材という構成の光学用ガラス積層体を得たものを液晶セル用部材という。
【実施例】
【0267】
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0268】
<エステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)の製造(工程1)>
(合成例1)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、空気導入管を備えた重合反応装置の反応槽に、下記、エチレン性不飽和単量体、環状エステル(f)、触媒及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
【0269】
[反応槽]
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1) 49.3部
ε−カプロラクトン(f) 48.5部
ハイドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤) 0.02部
p−トルエンスルホン酸一水塩(触媒) 9部
【0270】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら空気雰囲気下中、80℃まで昇温し、攪拌しながら6時間反応した後、トルエン(以下、Tolと称する。)100部を加えて室温まで冷却し、50部の水を加え2回水洗した。その後、トルエンを80℃で減圧下に留去して1molのエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を得た。得られた生成物の収率は分子量測定により85%であった。
【0271】
(合成例2)
合成例1で用いた環状エステル(f)48.5部を145.5部、触媒9部を15部に変更した以外は合成例1と同様にして反応を行って、3molのエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を得た。得られた生成物の収率は分子量測定により82%であった。
【0272】
(合成例3)
合成例1で用いた環状エステル(f)48.5部を242.5部、触媒9部を35部に変更した以外は合成例1と同様にして反応を行って、5molのエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を得た。得られた生成物の収率は分子量測定により80%であった。
【0273】
(合成例4)
合成例1で用いたアクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1)49.3部をメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1)165.8部、環状エステル(f)48.5部を145.5部、触媒9部を15部にそれぞれ変更した以外は合成例1と同様にして反応を行って、3molのエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を得た。得られた生成物の収率は分子量測定により82%であった。
【0274】
(合成例5)
合成例1で用いたアクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1)49.3部をアクリル酸(a2)91.8部、環状エステル(f)48.5部を145.5部、触媒9部を15部にそれぞれ変更した以外は合成例1と同様にして反応を行って、3molのエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を得た。得られた生成物の収率は分子量測定により70%であった。
【0275】
<共重合体(A)の製造(工程2)>
(合成例6)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、空気導入管を備えた重合反応装置の反応槽及び滴下装置に、下記、エチレン性不飽和単量体、開始剤及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
【0276】
[反応槽]
アクリル酸n−ブチル(a5) 29部
アクリル酸(メトキシカルボニル)エチル(a3) 20部
アクリル酸(a2) 1部
酢酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル(a5) 29部
アクリル酸(a2) 1部
合成例1で作成したエチレン性不飽和単量体(a4) 20部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
【0277】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、90℃まで昇温した。次に滴下装置からエチレン性不飽和単量体、開始剤、及び有機溶剤の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら6時間反応した後、酢酸エチル(以下、EAcと称する。)50部を加えて室温まで冷却し、濃度約40%の透明な溶液を得た。
【0278】
(合成例7〜10)
合成例7で用いたエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を合成例2〜5で得られたエチレン性不飽和単量体(a4)にそれぞれ変更した以外は合成例6と同様にして反応を行って、EAcで濃度を約40%に調整し、透明な溶液を得た。
【0279】
(合成例11〜13)
合成例6で用いたカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体アクリル酸(メトキシカルボニル)エチル(a3)をメタクリル酸2−オキソブタノイル(合成例11)、ダイアセトンアクリルアミド(合成例12)、アセトプロピオン酸ビニル(合成例13)にそれぞれ変更した以外は合成例6と同様にして反応を行って、EAcで濃度を約40%に調整し、透明な溶液を得た。
【0280】
<その他の共重合体(W)の製造>
(合成例14)
合成例6で用いたカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)を使用せずに、反応槽のアクリル酸n−ブチル(a5)29部を49部に変更した以外は合成例6と同様にして反応を行って、EAcで濃度を約40%に調整し、透明な溶液を得た。
【0281】
(合成例15)
合成例6で用いたカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)、及びエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)を使用せずに、反応槽、及び滴下装置のアクリル酸n−ブチル(a5)29部をそれぞれ49部に変更した以外は合成例6と同様にして反応を行って、EAcで濃度を約40%に調整し、透明な溶液を得た。
【0282】
<共重合体(A)の前駆体(AP)製造(工程3)>
(合成例16)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、空気導入管を備えた重合反応装置の反応槽及び滴下装置に、下記、エチレン性不飽和単量体、開始剤及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
【0283】
[反応槽]
アクリル酸n−ブチル(a5) 29部
メタクリル酸2−オキソブタノイル(a3) 20部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1) 10部
アクリル酸(a2) 1部
酢酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル(a5) 29部
アクリル酸(a2) 1部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1) 10部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
【0284】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、90℃まで昇温して、合成例6と同様に反応を行い、反応終了後に酢酸エチルで約40%に調整して、透明な溶液を得た。
【0285】
(合成例17)
合成例16で用いたエチレン性不飽和単量体を下記のように変更して仕込んだ。
【0286】
[反応槽]
アクリル酸n−ブチル(a5) 23部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1) 10部
メタクリル酸2−オキソブタノイル(a3) 20部
アクリル酸メチル(a5) 5部
メタクリル酸メチル(a5) 2部
酢酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル(a5) 30部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1) 10部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
【0287】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、90℃まで昇温して、合成例6と同様に反応を行い、反応終了後に酢酸エチルで約40%に調整して、透明な溶液を得た。
【0288】
(合成例18)
合成例16で用いたエチレン性不飽和単量体を下記のように変更して仕込んだ。
【0289】
[反応槽]
アクリル酸n−ブチル(a5) 20部
アクリル酸(a2) 5部
メタクリル酸2−オキソブタノイル(a3) 20部
アクリル酸メチル(a5) 5部
酢酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル(a5) 45部
アクリル酸(a2) 5部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
【0290】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、90℃まで昇温して、合成例6と同様に反応を行い、反応終了後に酢酸エチルで約40%に調整して、透明な溶液を得た。
【0291】
<環状エステル(f)の開環付加による共重合体(A)の製造(工程4)>
(合成例19)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を取り付けた重合反応装置を用意し、反応槽及び滴下装置に、前駆体(AP)溶液、環状エステル(f)、触媒及び有機溶剤を各々下記の比率で仕込んだ。
【0292】
[反応槽]
合成例16で得られた前駆体(AP)溶液 200部
[滴下装置]
ε−カプロラクトン(f) 57部
テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート(触媒) 0.5部
酢酸エチル 30部
【0293】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、樹脂溶液を攪拌し、溶剤を系外に脱離しながら1時間で100℃に昇温した。
次いで、これに滴下装置より環状エステル(f)混合物を1時間かけて等速で滴下した。さらに、攪拌しながら12時間反応・熟成した後、酢酸エチル加えて室温まで冷却して反応を終了し、共重合体(A)を含む透明な溶液を得た。
【0294】
(合成例20、21)
合成例18で用いた環状エステルε−カプロラクトン(f)57部を、δ−バレロラクトン51部(合成例20)、γ−ブチロラクトン44部(合成例21)にそれぞれ変更した以外は合成例19と同様にして反応を行って、EAcで濃度を約40%に調整し、透明な溶液を得た。
【0295】
(合成例22、23)
合成例18で用いた前駆体(AP)溶液200部を、合成例17で得られた前駆体(AP)溶液(合成例22)、合成例18で得られた前駆体(AP)溶液(合成例23)にそれぞれ変更した以外は合成例19と同様にして反応を行って、EAcで濃度を約40%に調整し、透明な溶液を得た。
【0296】
<共重合体(A)の封止剤(D)による封止反応(工程5)>
(合成例24)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を取り付けた反応装置を用意し、反応槽及び滴下装置に、合成例22で得た共重合体(A)を含む樹脂溶液、モノイソシアネート化合物(d3)及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
【0297】
[反応槽]
合成例22で得た共重合体(A)溶液 200部
[滴下装置]
p−トルエンスルホニルイソシアネート(d3) 3部
酢酸エチル 10部
【0298】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、溶液を攪拌しながら90℃に昇温した。次いで、攪拌中の溶液に滴下装置より上記モノイソシアネート化合物(d3)混合物を1時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら6時間熟成した後、酢酸エチルを加えて室温まで冷却し、水酸基価を調整した共重合体(A’)を含む、濃度約40%の透明な溶液を得た。
【0299】
(合成例25)
合成例24において用いたモノイソシアネート化合物(d3)をシラン化合物(d1)としてトリメチルシラノール2部に変更したこと以外は合成例24と同様にして酢酸エチルを加えて調製を行って、水酸基価を調整した共重合体(A’)を含む、濃度約40%の透明な溶液を得た。
【0300】
(合成例26)
合成例24において用いたモノイソシアネート化合物(d3)を酸無水物基含有化合物(d2)として無水マレイン酸2.5部に変更したこと以外は合成例24と同様にして酢酸エチルを加えて調製を行って、水酸基価を調整した共重合体(A’)を含む、濃度約40%の透明な溶液を得た。
【0301】
(合成例27)
合成例23で得られた樹脂溶液にアミン化合物(d4)としてエチルアミン3部を加えて、合成例24と同様にして反応を行って、酢酸エチルを加えて調製を行って、酸価を調整した共重合体(A’)を含む、濃度約40%の透明な溶液を得た。
【0302】
<開環付加反応を同時におこなう共重合体(A)の製造(工程6)>
(合成例28)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、空気導入管を備えた重合反応装置の反応槽及び滴下装置に、下記、エチレン性不飽和単量体、環状エステル、開始剤、触媒及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
【0303】
[反応槽]
アクリル酸n−ブチル(a5) 29部
メタクリル酸2−オキソブタノイル(a3) 20部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1) 10部
アクリル酸(a2) 1部
酢酸メチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル(a5) 29部
アクリル酸(a2) 1部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(a1) 10部
酢酸エチル 43部
ε−カプロラクトン(f) 72部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.1部
テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート(触媒) 0.6部
【0304】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、90℃まで昇温した。
次いで、これに滴下装置より環状エステル(f)を含む混合物を2時間かけて等速で滴下した。さらに、攪拌しながら15時間反応・熟成した後、酢酸エチルで約40%に調整して、室温まで冷却して反応を終了し、共重合体(A)を含む透明な溶液を得た。
【0305】
<共重合体(A)の封止剤(D)による封止反応(工程5)>
(合成例29)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を取り付けた反応装置を用意し、反応槽及び滴下装置に、合成例28で得た共重合体(A)を含む樹脂溶液、モノイソシアネート化合物(d3)及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で
仕込んだ。
【0306】
[反応槽]
合成例22で得た共重合体(A)溶液 200部
[滴下装置]
フェニルイソシアネート (d3) 3部
酢酸エチル 10部
【0307】
反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、溶液を攪拌しながら90℃に昇温した。次いで、攪拌中の溶液に滴下装置より上記モノイソシアネート化合物(d3)混合物を1時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら6時間熟成した後、酢酸エチルを加えて室温まで冷却し、水酸基価を調整した共重合体(A’)を含む、濃度約40%の透明な溶液を得た。
【0308】
<アンモニウム塩系の化合物(C1)の製造>
(合成例30〜121)
特開2009−84541号公報に従って表1〜6記載のアンモニウム塩系の化合物(C1−1)〜(C1−92)を合成した。
【0309】
<金属塩系の化合物(C2)の製造>
(合成例122〜131)
定法に従い、表7記載のアンモニウム塩系の化合物(C2−1)〜(C2−10)を合成した。
【0310】
<アンモニウム塩系の化合物(C3)の製造>
(合成例132〜237)
米国特許第6,372,829号明細書に従って表8〜14記載のアンモニウム塩系の化合物(C3−1)〜(C3−106)を合成した。
【0311】
合成例1〜5で得られたエステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)について、外観、收率、及び酸価を以下の方法に従って求め、結果を表15に示した。
【0312】
《外観》
エステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)の外観を目視にて評価した。
【0313】
《収率》
エステル基を有するエチレン性不飽和単量体(a4)の重量平均分子量(Mw)の測定で収率を確認した。Mwは昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
【0314】
《酸価(AV)の測定》
共栓三角フラスコ中に試料をそれぞれ精密に約1g量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。酸価(mgKOH/g)は次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
【0315】
【表15】

【0316】
表15で示した記号は以下の通りである。
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、AA:アクリル酸、CL:ε−カプロラクタム、ND:検出せず。
【0317】
合成例6〜29で得られた共重合体(A)の溶液、及び水酸基価を調整した共重合体(A’)の溶液について、溶液外観、不揮発分濃度(TS、%)、溶液粘度(Vis、mPa・s)、酸価(AV、mgKOH/g)、水酸基価(OHV、mgKOH/g)、重量平均分子量(Mw)、及びガラス転移温度(Tg、℃)を以下の方法に従って求め、結果を表16に示した。
【0318】
《溶液外観》
共重合体(A)の溶液、及び水酸基価を調整した共重合体(A’)の溶液の外観を目視にて評価した。
【0319】
《不揮発分濃度(NV)の測定》
共重合体(A)の溶液の溶液、及び水酸基価を調整した共重合体(A’)の溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(%)とした。
【0320】
《溶液粘度(Vis)の測定》
共重合体(A)の溶液、及び水酸基価を調整した共重合体(A’)の溶液を23℃の雰囲気下でB型粘度計(東京計器社製)にて、#3のローターを使用して12rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
【0321】
《重量平均分子量(Mw)の測定》
共重合体(A)、及び水酸基価を調整した共重合体(A’)の重量平均分子量(Mw)の測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
【0322】
《酸価(AV)の測定》
共栓三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
【0323】
《水酸基価(OHV)の測定》
共栓三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水エタン酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
【0324】
《ガラス転移温度(Tg)の測定》
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。
各合成例で得られた共重合体(A)の溶液、及び水酸基価を調整した共重合体(A’)の溶液を、剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工・乾燥し、乾燥した樹脂を約10mgかきとり、試料としてアルミニウムパンに入れ、秤量して示差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスとして、100℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、昇温中に得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg、単位:℃)を決定した。
【0325】
【表16】

【0326】
表16で示した記号は以下の通りである。
BA:アクリル酸n−ブチル、MA:アクリル酸メチル、AA:アクリル酸、HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、MMA:メタクリル酸メチル、MCEA:アクリル酸(メトキシカルボニル)エチル、OBMA:メタクリル酸2−オキソブタノイル、DAAM:ダイアセトンアクリルアミド、VAP:アセトプロピオン酸ビニル、PTSI:p−トルエンスルホニルイソシアネート、PhNCO:フェニルイソシアネート、TMS:トリメチルシラノール、EA:エチルアミン、MAnh:無水マレイン酸、CL:ε−カプロラクトン、VL:δ−バレロラクトン、BL:γ−ブチロラクトン、EAc:酢酸エチル、AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、TBAB:テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート。
【0327】
(実施例1)
合成例6で得られた共重合体(A)の溶液100部に対して、アンモニウム塩系の化合物(C1)を0.5部、更に架橋剤(B)として、TDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)5部、および塗工粘度が2000〜3000mPa・sとなるようにTolを加え加えてよく撹拌して、感圧式接着剤組成物を得た。
これを剥離処理されたポリエステルフィルム(以下、「剥離性フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、感圧式接着剤層を形成した。
乾燥後、感圧式接着剤層に、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をトリアセチルセルロース(TAC)系保護フィルムで挟んだ多層構造の偏光フィルムの片面を貼り合せ、「剥離性フィルム/感圧式接着剤層/TACフィルム/PVA/TACフィルム」なる構成の積層フィルムを得た。
次いで、得られた積層フィルムを温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、感圧式接着剤層の反応を進行させ、光学用感圧式接着剤フィルムを得た。
【0328】
(比較例1〜5)
実施例1で使用した、合成例6で得られた共重合体(A)溶液の代わりに、合成例14〜18で作成した樹脂溶液を使用したこと以外は実施例1と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを得た。
【0329】
(実施例2〜8)
実施例1で使用した、合成例6で作成した共重合体(A)の溶液の代わりに、合成例7〜13で得られた共重合体(A)の溶液をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。
【0330】
(実施例9〜11)
実施例1で使用したイオン性化合物(C)の代わりに、(C1−26)(実施例9)、(C1−64)(実施例10)、(C−89)(実施例11)をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。
【0331】
(実施例12〜14)
実施例1で使用したイオン性化合物(C)の代わりに、合成例133〜139で得られた(C3−39)(実施例12)、(C3−83)(実施例13)、(C3−84)(実施例14)をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。
【0332】
(実施例15〜16)
実施例1で使用した架橋剤(B)のTDI/TMPの代わりに、実施例15ではXDI/TMP(キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)を、実施例16ではHMDI/ビュレット(ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレットアダクト体)を、それぞれ5部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着剤フィルムを作製した。
【0333】
(実施例17〜20)
実施例1で使用した架橋剤(B)のTDI/TMPの代わりに、、実施例17ではHBAP(2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート])0.1部、実施例18ではTGMXDA(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン)5部、実施例19ではV−05(カルボジイミド化合物である「カルボジライトV−05」:日清紡績株式会社製)5部、実施例20ではAlキレート(アルミニウムトリス(2,4−ペンタジオネート))1部を、それぞれ1部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。尚、実施例20では溶剤をメチルエチルケトンからイソプロピルアルコール(IPA)に変更して使用した。
【0334】
(実施例21〜25)
実施例1で使用した、合成例6で作成した共重合体(A)の溶液の代わりに、合成例19〜23で得られた共重合体(A)の溶液をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。
【0335】
(実施例26、27)
実施例21で使用した架橋剤(B)のTDI/TMPの代わりに、実施例26ではXDI/TMP(キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)を、実施例27ではHMDI/ビュレット(ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレットアダクト体)を、それぞれ5部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着剤フィルムを作製した。
【0336】
(実施例28〜31)
実施例21で使用した架橋剤(B)のTDI/TMPの代わりに、、実施例28ではHBAP(2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート])0.1部、実施例29ではTGMXDA(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン)5部、実施例30ではV−05(カルボジイミド化合物である「カルボジライトV−05」:日清紡績株式会社製)5部、実施例31ではAlキレート(アルミニウムトリス(2,4−ペンタジオネート))1部を、それぞれ1部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、光学用感圧式接着剤フィルムを作製した。尚、実施例31では溶剤をメチルエチルケトンからイソプロピルアルコール(IPA)に変更して使用した。
【0337】
(実施例32〜37)
実施例24で使用した、合成例22で作成した共重合体(A)の溶液の代わりに、合成例24〜27、29で得られた水酸基価を調整した共重合体(A’)の溶液を、及び、合成例28で得られた開環付加反応を同時におこなった共重合体(A)の溶液をそれぞれ使用した以外は実施例24と同様にして、光学用感圧式接着剤フィルムを作製した。
【0338】
(実施例38〜128)
実施例32で使用したイオン性化合物(C)の代わりに、(C1−1)〜(C1−3)および(C1−5)〜(C1−92)をそれぞれ使用した以外は実施例32と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。
【0339】
(実施例129〜138)
実施例32で使用したイオン性化合物(C)の代わりに、(C2−1)〜(C2−10)をそれぞれ使用した以外は実施例32と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。
【0340】
(実施例139〜244)
実施例32で使用したイオン性化合物(C)の代わりに、(C3−1)〜(C3−106)をそれぞれ使用した以外は実施例32と同様にして、光学用感圧式接着フィルムを作製した。
【0341】
各実施例および各比較例で得られた感圧式接着剤組成物のポットライフ、塗工性について以下の方法で評価した。また同様にして得られた光学用感圧式接着剤フィルムについて、各種性能を以下の方法で評価した。それぞれの結果を表17〜23に示す。
【0342】
《ポットライフの評価方法》
得られた感圧式接着剤組成物について、架橋剤(B)添加後、25℃における粘度を1時間おきに10時間後まで、B型粘度計(東京計器社製)を用い、12rpm、1分間回転の条件で測定し、可使時間(ポットライフ)を3段階で評価した。
○:「8時間までの粘度上昇率が2倍未満。全く問題なし。」
△:「5時間までの粘度上昇率が2倍未満。実用上使用可。」
×:「5時間未満でゲル化。実用上問題あり。」
【0343】
《塗工性の評価方法》
得られた感圧式接着剤組成物を、剥離性フィルムにコンマコーターにて速度2m/minで塗工し、100℃オーブンにて乾燥し、厚みが25μmの感圧式接着剤層を形成し、接着剤層の表面に厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼り合わせ、感圧式接着剤フィルムを作製した。そして剥離フィルムを剥がした後の接着剤層表面(塗工面)の状態について目視にて観察し、3段階で評価した。
○:「平滑な塗工面が得られた。全く問題なし。」
△:「塗工面の端部に若干のハジキや発泡が認められるが、実用上問題無し。」
×:「塗工面にハジキ、発泡やスジ引きが認められ、実用上問題あり。」
【0344】
《光学特性の評価方法》
各実施例、比較例で得られた感圧式接着剤組成物を、剥離性フィルムにコンマコーターにて速度2m/minで塗工し、100℃オーブンにて乾燥し、厚みが25μmの感圧式接着剤層を形成し、接着剤層の表面に剥離性フィルムを貼り合わせ、剥離性フィルムに狭持された感圧式接着剤フィルムを作製した。
これを温度23℃、相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後、両方の剥離性フィルムを取り除き、感圧式接着剤層単体の外観を目視判定するとともに、HAZEを「NDH−300A」[日本電色工業(株)社製]で測定した。
○:実用上全く問題がなく、非常に良好である。HAZE:0.5未満。
△:曇り等は認められない、かつHAZE:0.5以上2未満、実用上問題無く使用できる。
×:若干曇りが認められる、またはHAZE:2以上。実用上問題がある。
【0345】
《再剥離性(リワーク性)の評価方法》
各実施例、比較例で得られた光学用感圧式接着剤フィルムを25mm×150mmの大きさに裁断し、剥離性フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板にラミネータを用いて貼り付け、50℃で5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、偏光フィルムとガラス板との積層体を得た。
この積層体を23℃、相対湿度50%で1週間放置した後に、180度方向に300mm/分の速度で引き剥がし、剥離後のガラス表面の曇りを目視で観察し、3段階で評価した。
○:曇りがなく、実用上全く問題がない、非常に良好である。
△:若干曇りが認められるが、実用上問題なく、良好である。
×:全面的に感圧式接着剤組成物の転着が認められ、実用不可である。
【0346】
《耐久性(耐熱性、耐湿熱性)の評価方法》
各実施例、比較例で得られた光学用感圧式接着剤フィルムを150mm×80mmの大きさに裁断し、剥離性フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面に、それぞれの偏光フィルムの吸収軸が直交するようにラミネータを用いて貼着した。続いて、この偏光フィルムが貼り付けられたガラス板を50℃で5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、偏光フィルムとガラス板との積層体の液晶セル用部材を得た。
耐熱性の評価として、上記積層物を95℃で1000時間放置した後の浮きハガレ、および積層物に光を透過させたときの光漏れ(白抜け)を目視で観察した。
また、耐湿熱性の評価として、上記積層体を80℃、相対湿度90%で1000時間放置した後の浮きハガレ、および積層体に光を透過させたときの光漏れ(白抜け)を目視で観察した。
耐熱性、耐湿熱性について、下記の4段階の評価基準に基づいて評価をおこなった。
◎:浮きハガレ・発泡・白ぬけ・ズレが全く認められず、実用上全く問題なし、非常に良好である。
○:浮きハガレ・発泡・白ぬけが全く認められず、ズレが0.2mm未満で、実用上全く問題なし。
△:若干浮きハガレ・発泡・白ぬけが認められるが、ズレが0.2〜0.5mm未満で、実用上問題がなく、良好である
×:全面的に浮きハガレ・発泡・白ぬけがあり、実用不可である。
【0347】
《制電性能の評価方法(表面抵抗値:SR)》
感圧式接着剤フィルムの剥離フィルムを剥がし、露出した接着剤層表面の表面抵抗値を、23℃−35、45、55%RHの各条件下で、表面抵抗値測定装置(三菱化学株式会社製:MCT−HT450)を用いて測定し(単位:Ω/□)、初期値と経時値の制電性能評価とした。
(初期値評価)
剥離性フィルムにコンマコーターにて速度2m/minで塗工し、100℃オーブンにて乾燥し、厚みが25μmの感圧式接着剤層を形成し、接着剤層の表面に厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼り合わせ、感圧式接着剤フィルムを作製した。温度23℃、相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後に上記の方法にて制電性能を評価し、初期値とした。
(経時値評価)
上記、1週間熟成させた感圧式接着剤フィルムを温度60℃、相対湿度95%の条件下で7日間放置し、次に温度23℃、相対湿度50%の条件下で24時間おいて、上記の方法にて制電性能を評価し、経時値とした。
【0348】
○:「表面抵抗値が1.0×1010未満。」
△:「表面抵抗値が1.0×1010以上、1.0×1011未満。」
×:「表面抵抗値が2.0×1011以上。」
【0349】
《制電性能の評価方法(剥離耐電圧:EV)》
感圧式接着剤フィルムの剥離フィルムを剥がし、露出した接着剤層をテフロン(登録商標)のシート(厚さ1mm)に温度23℃、相対湿度50%の条件にて貼着し、ハンドロールで圧着した。圧着から24時間経過後、ガラス板上で、静電気除去機(キーエンス社製「SJ−F010」)で除電した後に、感圧式接着剤フィルムをテフロン(登録商標)のシートから剥離して、テフロン(登録商標)のシート表面の静電気を静電気測定器(シシド静電気株式会社製「STATION DZ3」)で10箇所測定して絶対値が最大の値を剥離帯電(単位:kV)とした。
○:「剥離耐電圧が±0.1kV未満。」
△:「剥離耐電圧が±0.1kV以上、±0.5kV未満。」
×:「剥離耐電圧が±0.5kV以上。」
【0350】
【表17】

【0351】
【表18】

【0352】
【表19】

【0353】
【表20】

【0354】
【表21】

【0355】
【表22】

【0356】
【表23】

【0357】
表17〜23で示した記号は以下の通りである。
TDI/TMP:トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体、XDI/TMP:キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体、HMDI/ビュレット:ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレットアダクト体、HBAP:2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、TGMXDA:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、V−05:カルボジイミド化合物である「カルボジライトV−05」、Alキレート:アルミニウムトリス(2,4−ペンタジオネート)、IPA:イソプロピルアルコール、Tol:トルエン。
【0358】
以上のように、本発明の感圧式接着剤組成物は、耐熱性、耐湿熱性、光学特性、リワーク性、及び制電性能に優れていることが分かる。
これに対して、カルボニル基とエステル基の双方を有しない比較例2では、制電性と耐久性の双方に劣ることが認められ、さらに、カルボニル基を含まない比較例1では、初期の制電性能は維持するが経時で不良となり、ガラス板に貼着後、高温下にもしくは高温高湿度下に長期間おかれると、制電剤のマイグレーションと思われる発泡や浮き剥がれ等が発生し、耐久性に劣ることが認められ、また、エステル基を含まない比較例3〜5は、制電性を示さず、更にリワーク性に劣ることが認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
官能基として水酸基及び/又はカルボキシル基を有し、更に側鎖にカルボニル基、及びエステル基の双方を有するガラス転移温度が−60〜0℃の共重合体(A)、共重合体(A)中の官能基と反応し得る官能基を有する架橋剤(B)、下記一般式(1)、(2)または(3)で表されるイオン性化合物(C)を含有することを特徴とする感圧式接着剤組成物。
一般式(1)
【化1】


〔一般式(1)中R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、R5〜R8は、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。〕
一般式(2)
【化2】


〔一般式(2)中R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、A+は、アルカリ金属イオンを表す。〕
一般式(3)
【化3】


〔一般式(3)中R5〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、置換基を有してもよい複素環基を表し、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。
9は、置換基を有してもよいアルキレン結合基、置換基と二重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基と三重結合を有してもよいアルキレン結合基、置換基を有してもよいアリーレン結合基、置換基を有してもよい複素環結合基、又は、エーテル結合基、エステル結合基、チオエーテル結合基、ジチオール結合基、カルボニル結合基、スルフィニル結合基、スルホニル結合基、ホスホニル結合基、アミノ結合基、イミノ結合基、もしくはシリル結合基を表す。
10は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、ハロゲン基を表す。
11は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は、−R910を表す。〕
【請求項2】
共重合体(A)の主鎖は、カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体(a3)を1〜40重量%含有する単量体を共重合してなることを特徴とする、請求項1記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項3】
共重合体(A)の主鎖は、エステル基含有エチレン性不飽和単量体(a4)を1〜40重量%含有する単量体を共重合してなることを特徴とする、請求項1または2記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項4】
共重合体(A)の側鎖のエステル基は、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する、共重合体(A)の前駆体(AP)中の水酸基及び/又はカルボキシル基と、環状エステル(f)との反応により生成するものであることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項5】
環状エステル(f)が、オキシ酸縮合物(f−1)であることを特徴とする請求項4記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項6】
オキシ酸縮合物(f−1)が、ラクトン類であることを特徴とする請求項5記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項7】
共重合体(A)が、共重合体(A)の前駆体(AP)100重量部に対して、環状エステル(f)1〜150重量部を用いてなることを特徴とする請求項4〜6いずれか記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項8】
共重合体(A)100重量部に対して、イオン性化合物(C)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項9】
架橋剤(B)がポリイソシアネート化合物(b1)であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項10】
架橋剤(B)がエポキシ化合物(b2)、アジリジン化合物(b3)、カルボジイミド化合物(b4)、オキサゾリン化合物(b5)、もしくは金属キレート化合物(b6)のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の感圧式接着剤組成物。
【請求項11】
請求項1〜10いずれかに記載の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体。
【請求項12】
液晶セル用ガラス部材、請求項1〜10いずれかに記載の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層、及び光学部材が順次積層されてなる液晶セル用部材。

【公開番号】特開2012−126877(P2012−126877A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41166(P2011−41166)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】