説明

感圧接着剤用組成物および、それを用いて製造される創傷被覆材、絆創膏、皮膚保護材。

【課題】ポリオキシアルキレン重合体を主成分とする付加硬化型硬化組成物、及び1種類以上の水溶性または水膨潤性の親水性コロイドを用いた医療用途、特に皮膚貼付用途において、粘着力と柔軟性のバランスに優れた感圧接着剤が求められていた。
【解決手段】1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体、1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、ヒドロシリル化触媒からなる付加硬化型硬化組成物において、少なくとも2種類以上ポリオキシアルキレン重合体を用いることで、上記目的を達成するに至った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感圧接着剤用組成物に関する。更に詳しくは、様々な医療用途に適した皮膚への接着、とりわけ創傷被覆材分野に適した感圧接着剤用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶性または水膨潤性の親水性コロイドを含有する接着性組成物は、多年にわたり用いられているものの、種々の課題が残されている。
【0003】
たとえば、米国特許第3339546号公報に、ポリイソブチレンのようなゴムエラストマー及びペクチン、ゼラチン更にカルボキシメチルセルロースの粉末混合物のような水溶性または水膨潤性の親水性コロイドを含有する接着性組成物を開示している。
【0004】
この親水性コロイド含有接着性組成物においては、ゴムエラストマーや粘着付与剤が接着性を提供し、親水性ロイド粉末が創傷からの滲出液や体液を吸収する機能を提供する。
【0005】
かかる親水性コロイド含有接着性組成物は、皮膚に対して所望の接着力を付与しうる利点を有し、同時に、経表皮水分喪失(すなわち、発汗)または創傷滲出液を含む他の体液を吸収することができる。親水性コロイド含有接着性組成物の用途として、オストミー器具や創傷被覆材が知られている。しかしながら、現存の親水性コロイド含有接着性組成物は、不透明であり、迅速な初期粘着力がなく、かつ過度に水分吸収すると崩壊する傾向にある点で、一定の限界がある。さらに、親水性コロイド含有接着性組成物は、皮膚上での柔軟性および追従性などの皮膚へのなじみがない。加えて、該接着性組成物は、皮膚上に望ましくない残留物を残すことがたびたびである。
【0006】
例えば、上記親水性コロイド含有接着性組成物は、多量の水分を吸収した場合、接着性組成物が崩壊し、例えば、接着物を皮膚から剥離するとき残留物が皮膚に残るなどの問題が生じる。そこで、複数の親水性コロイドを含有せしめたり(特許文献1)、金属塩を混入する方法が選択されてきた(特許文献2)。
【0007】
また、上記親水性コロイド含有接着性組成物はゴムエラストマーよりなり、皮膚からの発汗による水分の蒸散を妨げるため、カバー領域の下に水分を閉じ込め皮膚浸軟や皮膚障害を起こすことが少なくない。
【0008】
これらの問題点を解決するため、ゴム状成分としてポリオキシアルキレン系重合体およびヒドロシリル基を有する化合物からなる感圧接着剤を用いることが提案されている(特許文献3)。
【0009】
このような創傷被覆材分野に適した感圧接着剤に求められる性能として、肘や膝などの屈曲性の高い部位への適応のため、柔軟性が求められる。しかしながら、上記ポリオキシアルキレン系重合体からなる感圧接着剤においては、硬度を下げると粘着力の上昇を伴い、皮膚から剥離する際の物理的刺激が強くなることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2002−528620
【特許文献2】特許第3195420号
【特許文献3】特開2005−110875
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、皮膚へのなじみがよく、柔軟性と粘着力のバランスに優れた皮膚貼付用の感圧接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題に鑑み鋭意検討の結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は(A)1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体、(B)1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)吸水性高分子からなる感圧接着剤用組成物において、ポリオキシアルキレン重合体(A)が少なくとも2種類以上の重合体より構成されることを特徴とする感圧接着剤用組成物に関する。
【0013】
また本発明は、ポリオキシアルキレン重合体(A)のアルケニル基が分子末端に存在することを特徴とする前記感圧接着剤用組成物に関する。
【0014】
また本発明は、ポリオキシアルキレン重合体(A)の数平均分子量が1000〜50000の範囲内である前記感圧接着剤用組成物に関する。
【0015】
また本発明は、ポリオキシアルキレン重合体(A)が少なくとも2種類の数平均分子量が異なる重合体より構成されることを特徴とする前記感圧接着剤用組成物に関する。
【0016】
また本発明は、ポリオキシアルキレン重合体(A)の主鎖がポリオキシプロピレンであることを特徴とする感圧接着剤用組成物に関する。
【0017】
また本発明は、ヒドロシリル基を含有する化合物(B)のヒドロシリル基の総量が、ポリオキシアルキレン重合体(A)のアルケニル基の総量1モルあたり0.3〜1.5モルであることを特徴とする前記感圧接着剤用組成物に関する。
【0018】
また本発明は、吸水性高分子(D)が、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギナート、ゼラチン、キサンタン、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種である前記感圧接着剤用組成物に関する。
【0019】
また本発明は、吸水性高分子(D)を5〜50%含むことを特徴とする前記感圧接着剤用組成物に関する。
【0020】
まは本発明は、基材上に前記感圧接着剤用組成物を積層して硬化させて得られる感圧接着剤層を形成してなる創傷被覆材、絆創膏、皮膚保護材に関する。
【0021】
また本発明は、前記感圧接着剤層の、アスカーC硬度が70°以下であることを特徴とする創傷被覆材、絆創膏、皮膚保護材に関する。
【0022】
また本発明は、(A)1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体、(B)1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)吸水性高分子からなる感圧接着剤用組成物を硬化してなる感圧接着剤において、ポリオキシアルキレン重合体(A)が少なくとも2種類以上の重合体より構成されることを特徴とする感圧接着剤の硬度の調整方法に関する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、皮膚へのなじみがよく、柔軟性と粘着力のバランスに優れた皮膚貼付用の感圧接着剤を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明について詳細に説明する。
【0025】
本発明に用いられる感圧接着剤用組成物は(A)1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体、(B)1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)吸水性高分子からなり、ポリオキシアルキレン重合体(A)が少なくとも2種類以上のポリオキシアルキレン重合体からなることを特徴とする。
【0026】
重合体(A)は、末端に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体である。アルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素二重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、炭素数が好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜4個の脂肪族不飽和炭化水素基(例:ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等)、炭素数が好ましくは3〜20個、より好ましくは3〜6個の環式不飽和炭化水素基(例:シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等)、メタクリル基等が挙げられる。
【0027】
合成反応上、容易に行える点から、好ましいアルケニル基には、以下の(1)、(2)
が挙げられる。下記式において、R1は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。
(1)H2C=C(R1)−
(2)HC(R1)=CH−
重合体(A)は、1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個のアルケニル基を有する。重合体(A)1分子中のアルケニル基の数が平均して1個未満では硬化性が不十分になり、また1分子中に含まれるアルケニル基の数が多すぎると網目構造が密になるため、粘着特性が低下する傾向にある。
【0028】
重合体(A)の基本骨格たるポリオキシアルキレン重合体の典型例としては、一般式(−R2−O−)で表される繰り返し単位からなるポリオキシアルキレン系重合体が挙げられる。ここで、−R2−は、2価のアルキレン基である。粘着特性、皮膚刺激性、皮膚への濡れ性から、好ましい重合体(A)の主鎖はポリオキシプロピレンである(すなわち、上記−R2−が−CH2CH(CH3)−である)。また、入手上、作業性の点からも好ましい。上記ポリオキシアルキレン重合体は、1種類の繰り返し単位からなるものであっても、複数の繰り返し単位からなるものであってもよい。上記ポリオキシアルキレン重合体は、直鎖状の重合体であってもよいし、分岐を有する重合体であってもよい。
【0029】
重合体(A)のアルケニル基以外の部分はすべてポリオキシアルキレン骨格からなることが好ましいが、それ以外の構造単位を含んでいてもよい。その場合、重合体(A)に占めるオキシアルキレン単位の総和は好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。
【0030】
室温での作業性がよく、良好な粘着特性が得られる点から、重合体(A)の分子量は、数平均で3000〜50000が好ましく、6000〜50000がより好ましく、6000〜30000が特に好ましい。数平均分子量が3000未満のものでは、得られる硬化物が脆くなる傾向があり、逆に数平均分子量が50000を超えると、高粘度になって作業性が低下する傾向にある。上記分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算数平均分子量である。アルケニル基のポリオキシアルキレン重合体への結合様式は特に限定はなく、アルケニル基の直接結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合等が例示される。
【0031】
本発明に用いる2種類以上の重合体(A)は、分子量が異なってもよいし、直鎖状からなるものと分岐鎖からなるものを混合してもよいし、アルケニル基数が異なるものであってよい。特に好ましいものは、分子量が異なるものを2種類以上用いることであり、それぞれの数平均分子量が5000以上異なる重合体(A)を用いることが好ましい。これにより、感圧接着剤用組成物を硬化させた感圧接着剤の硬度の調整が制御しやすくなる。また、重合体(A)を単独で使用する場合と比較して、同程度の粘着力においても、より硬度が低くなる感圧接着剤の調整が可能となる。これにより、高い柔軟性と皮膚から剥離する際の物理的刺激の低減を両立した感圧接着剤の設計が可能となる。
【0032】
重合体(A)の製造方法は特に限定なく、例えば、ポリオキシアルキレン重合体を得た後にアルケニル基を導入する方法が例示される。この場合、ポリオキシアルキレン重合体は種々の公知の製造法を適用することができ、さらに市販のポリオキシアルキレン重合体を用いてもよい。また、ポリオキシアルキレン重合体にアルケニル基を導入する方法もまた公知であり、例えば、アルケニル基を有するモノマー(例:アリルグリシジルエーテル)とポリオキシアルキレン重合体を合成するためのモノマーとを共重合させる方法や、官能基(例:水酸基、アルコキシド基)を所望の部分(主鎖の末端等)に予め導入しておいたポリオキシアルキレン重合体に、当該官能基に対して反応性を有する官能基とアルケニル基とを両方有する化合物(例:アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリル酸クロライド等)を反応させる方法等が挙げられる。
【0033】
化合物(B)は、1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物である。ヒドロシリル基とはSi−H結合を有する基を意味する。本発明においては、同一ケイ素原子(Si)に水素原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基2個と計算する。化合物(B)の、ヒドロシリル基以外の化学構造は特に限定はない。滴定によって得られるSiH基価から算出される化合物(B)の数平均分子量は、好ましくは400〜3000であり、より好ましくは500〜1000である。数平均分子量が低すぎると加熱硬化時に揮発し易く、十分な硬化物が得られ難い傾向にあり、高すぎると硬化速度が遅くなる傾向にあるためである。
【0034】
化合物(B)に含まれるヒドロシリル基が2個以上であれば、硬化の際に複数の重合体(A)分子を架橋することができ、好ましい粘着力や凝集力を発現し、皮膚に長時間貼付することや、皮膚へ貼付して剥離した時に糊残り等が起こり難くなる。但し、ヒドロシリル基の数が多すぎると、架橋が密になりすぎて、皮膚貼付用感圧接着剤として皮膚粘着力、タック感等の粘着物性が低下しやすく、さらには化合物(B)の安定性が悪くなり、そのうえ硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、皮膚刺激やボイドの原因となりやすい。なお、架橋の粗密は、重合体(A)の主鎖たるポリエーテル部同士間の粗密に影響し、さらには感圧接着剤全体の透湿性にも影響を及ぼす。よって、粘着特性とのバランスを考慮して化合物(B)のヒドロシリル基の数を選択すべきである。また化合物(B)は単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。化合物(B)は、重合体(A)と良好に相溶するものが好ましい。原材料の入手のし易さや、重合体(A)への相溶性の面から、好適な化合物(B)として、有機基で変性されたオルガノハイドロジェンシロキサンが例示される。オルガノハイドロジェンシロキサンの典型例は、下記(3)で表される化合物である。
【0035】
【化1】

【0036】
上記(3)のaの値が分子中のヒドロシリル基の数の数と一致する。a+bの値は特に限定はないが好ましくは2〜50である。R3は主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基である。上記(3)の化合物は、未変性のメチルハイドロジェンシリコーンを変性してR3を導入することにより得ることができる。未変性のメチルハイドロジェンシリコーンとは、上記(3)においてR3が全てHである化合物に相当し、株式会社シーエムシー発行(1990.1.31)の「シリコーンの市場展望−メーカー戦略と応用展開−」にも記載されているように、各種変性シリコーンの原料として用いられている。R3の導入のための有機化合物としては、α−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン、アリルアルキルエーテル、アリルアルキルエステル、アリルフェニルエーテル、アリルフェニルエステル等が挙げられる。変性のために加える上述の有機化合物の量によって、変性後の分子中のヒドロシリル基の数を調節することができる。
【0037】
本発明の感圧接着剤は、主に上述した重合体(A)と化合物(B)が硬化してなるものである。ここで、硬化とは、加熱により重合体(A)と化合物(B)とでヒドロシリル化反応を行わせることをいう。硬化条件としては、40〜180℃で1〜60分間放置することが例示される。硬化をより完全にしたい場合には、さらに40〜80℃にて数日間放置しておいてもよい。
【0038】
感圧接着剤を形成する重合体(A)と化合物(B)の量の比は、重合体(A)に由来するアルケニル基の総量に対する、化合物(B)に由来するヒドロシリル基の総量によって表現される。感圧接着剤中のアルケニル基の総量1モルあたりのヒドロシリル基の総量の大小によって、硬化後の架橋密度の高低がきまる。適度な粘着性付与と糊残りの減少等とのバランスを考慮すると、アルケニル基の総量1モルあたりのヒドロシリル基の総量は、好ましくは0.3〜2.0モルであり、より好ましくは0.3〜1.5モルである。
【0039】
触媒(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては特に限定されず、ヒドロシリル化反応を促進するものであれば任意のものを使用できる。具体的には、塩化白金酸、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン錯体や白金−1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体)、白金−オレフィン錯体(例えば、Ptx(ViMe2SiOSiMe2Vi)y、Pt[(MeViSiO)4]z(但し、x、y、zは正の整数を示す))等が例示される。これらのうちでも、触媒の活性の点からは、強酸の共役塩基を配位子として含まない白金錯体触媒が好ましく、白金−ビニルシロキサン錯体がより好ましく、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン錯体または白金−1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体が特に好ましい。
【0040】
触媒(C)の量は特に制限はないが、重合体(A)によるアルケニル基の総量1モルに対して、好ましくは10-8〜10-1モルであり、より好ましくは10-6〜10-2モルである。上記範囲内であれば、適切な硬化速度、安定な硬化性、必要なポットライフの確保等が達成し易くなる。
【0041】
本発明に用いる吸水性高分子(D)の物理的形態は比較的粗い不規則な、典型的には約10〜100μm程度の粒子であり、通常は乾燥パウダーの形態で供給される。
【0042】
本発明の吸水性高分子(D)は、天然産生親水性コロイド、半合成親水性コロイドおよび合成親水性コロイドより選択される。本発明の範囲内の様々な親水性コロイドとしては、単一もしくは複数種のモノマーより調製された合成高分子、天然産生の親水性高分子または化学的に改質された天然産生の親水性高分子が含まれる。親水性高分子は線状でも又は架橋されてもよい。
【0043】
より詳細には、グアーガム、キトサン、ローカストビーンガム(LBG)、ペクチン、アルギネート、ゼラチン、キサンタンおよび/またはガムカラヤ、セルロース誘導体( 例えば、カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなその塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)および/またはスターチグリコレート・ナトリウムおよび/ またはポリビニルアルコールおよび/ またはポリエチレングリコール、ポリヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホネート、が含まれる。このうち、カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなその塩が入手性および吸水性能の点からより好ましい。
【0044】
本発明の感圧接着剤用組成物における、吸水性高分子(D)の含有量としては、5〜50%含むことが好ましい。含有する吸水性高分子(D)の量が5%を下回ると良好な吸水性能を達成することが難しく、50%を超えると作業性の低下や吸水による感圧接着剤用組成物の崩壊等の懸念が生じる恐れがある。
【0045】
本発明の感圧接着剤用組成物には、上記(A)〜(D)以外の成分を含んでいてもよい。それらの成分としては、粘着付与剤、化合物(B)のための貯蔵安定剤、可塑剤、さらにその他の成分が挙げられる。
【0046】
粘着付与剤としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フェノール−変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、テルペン樹脂などが挙げられる。粘着特性を良好にするためにこれらを用いる場合には、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら粘着付与剤を用いる場合の使用量は、重合体(A)と化合物(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは15〜100重量部である。使用量が多すぎると、感圧接着剤の透湿性が低下するので好ましくない。
【0047】
化合物(B)のための貯蔵安定剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、錫系化合物、有機過酸化物などが例示される。具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。貯蔵安定剤は、化合物(B)および化合物(C)におけるヒドロシリル基(Si−H基)のSi−OH基への転化(長時間の放置や湿分の混入に起因する)を抑制し、塗工のポットライフを向上させることができる。貯蔵安定剤の配合量は、化合物(B)および化合物(C)に起因して感圧接着剤に含まれるヒドロシリル基の総量1モルに対して、好ましくは10-6〜10-1モルである。
【0048】
可塑剤としては、特に限定するものではないが、各成分と相溶性を有し、感圧接着剤中に均一に溶解分散できるものが好ましい。具体的には、鉱油、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ココナッツ油、オリーブ油、つばき油、大豆油、ひまし油、ラノリンなどの油脂類、オレイルアルコール、ステアリルアルコールル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、トリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、流動パラフィン、スクワラン、スクワレンなどの炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソオクチル、アジピン酸ジブチル、およびセバシン酸ジブチルなどの脂肪酸エステルが挙げられる。粘着特性を良好にするためにこれらを用いる場合には、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら可塑剤の使用量は、重合体(A)と化合物(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。使用量が多すぎると、感圧接着剤用組成物の凝集性を低下させるので好ましくない。
【0049】
また、本発明の感圧接着剤用組成物には、上記以外の、充填剤、顔料、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗生物質などを配合してもよい。
【0050】
本発明の感圧接着剤用組成物は、加熱硬化し感圧接着剤として創傷部位等の人体の適用部位に貼付し用いられる。その際、適当な支持体上に積層し用いることが作業性および、感圧接着剤の形状保持の面から好ましい。
【0051】
支持体の材質としては特に限定されるものではなく、創傷被覆材等に用いられている通常の材料が用いられるが、具体的にはポリエーテルウレタン等のウレタン系高分子、ポリエーテルアミド等のアミド系高分子、ポリアクリレート等のアクリル系高分子、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系高分子、ポリエーテルポリエステル等のエステル系高分子、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアルコール等のフィルム、不織布、金属箔などが例示出来る。これらは一種又は二種以上が組み合わせて用いられるが、透湿性を有するポリウレタンフィルム、不織布が好適に用いられる。支持体の厚みは皮膚への刺激性や耐久性から5〜200μmが好ましく、より好ましくは5〜100μmの範囲である。支持体の厚みが200μmよりも厚いと皮膚に対する追従性が低下して剥がれやすくなったり、皮膚への物理的刺激になるなどして好ましくない。支持体の厚みが5μmよりも薄いと耐久性の観点から好ましくない。
【0052】
本発明の創傷被覆材、絆創膏および皮膚保護材は、支持体上に感圧接着剤層を積層することで製造される。支持体への感圧接着剤層の積層方法は特に限定されず、例えば、支持体の一方の面に上記感圧接着剤用組成物を塗工した後に上述の条件で硬化させる方法や、予め離型剤を施したシート(剥離シート)に上記感圧接着剤用組成物を塗工して硬化し、感圧接着剤層を形成した後に支持体を貼りあわせる方法が挙げられる。離型剤としてはシリコーン系、オレフィン系、フッ素系等の各種離型剤が公知であり、適宜使用することができる。中でも、コストや剥離性確保の面からオレフィン系や無溶剤付加硬化型シリコーン系の離型剤が好ましい。
【0053】
感圧接着剤層の厚さは特に限定なく、例えば10〜5000μmでもよい。
【0054】
本発明の感圧接着剤用組成物を加熱硬化した感圧接着剤層を、厚み換算400μm、温度40℃、相対湿度30%の条件下で測定した時の透湿度は、好ましくは50〜2000g/m2・24時間以上であり、より好ましくは100〜1500g/m2・24時間である。該感圧接着剤層の透湿度がこの範囲にあれば、皮膚に長時間貼付しても蒸れやかぶれを防ぐことができるからである。創傷被覆材等の皮膚貼付粘着製品の透湿度は、当然、支持体の材質・構造等にも依存するが、上述した感圧接着剤層の使用により、上記好ましい透湿度を得ることができる支持体の選択の幅が広がる。
本発明の感圧接着剤用組成物を加熱硬化した感圧接着剤は、水分を吸収することができる。該感圧接着剤における生理食塩水の吸水量は、その厚みに依存するが、厚み400μmの条件下においては、250〜3000g/m2・24時間であるが好ましい。250g/m2・24時間以下である場合は、例えば、創傷被覆材として用いる場合には、創傷からの滲出液を吸収するに十分ではない。また、3000g/m2・24時間以上である場合は、水分の過剰な吸収により、形が変形したり、破壊してしまう恐れがある。この吸水量の具体的な測定手順は後述する。
本発明の感圧接着剤用組成物を加熱硬化した感圧接着剤は、適当な支持体の上に積層し、被着体に貼付して使用する。この際、求められる粘着力としては、ステンレス板に貼付し、1時間後に300mm/分の剥離速度で、180度の剥離角度で剥離した際の剥離応力が2.0〜6.0N/25mmであることが好ましい。6.0N/25mmより剥離応力が強いと強いと、実際に皮膚に貼付した際に痛みを生じる恐れがある。また、2.0N/25mmより弱いとしっかり固定することができない恐れがある。このため、皮膚貼付用感圧接着剤としては、適度な粘着力が求められる。
本発明に用いる感圧接着剤用組成物を加熱硬化した感圧接着剤のアスカーC硬度は70度以下であることが好ましく、50度以下であることがより好ましい。アスカーC硬度が70度以上の場合は、感圧接着剤が固く柔軟性が低くなるため、皮膚への追従性が低下し、張り心地等に影響するため好ましくない。
【0055】
本発明の感圧接着剤用組成物を加熱硬化した感圧接着剤は、特に限定なく皮膚貼付用途として使用することができるが、好ましくは、創傷被覆材、絆創膏、皮膚保護用粘着シート、創傷保護材、創傷予防材として好適に使用できる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例を示すことで、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
A:末端に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体
A−1:アリル基末端ポリオキシアルキレン(下記合成例参照、アルケニル基0.12mmol/g含有)
A−2:アリル基末端ポリオキシアルキレン(下記合成例参照、アルケニル基0.22mmol/g含有)
A−3:アリル基末端ポリオキシアルキレン(下記合成例参照、アルケニル基0.24mmol/g含有)
B:1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物
B−1:シリコンオイル(ヒドロシリル基3.2mmol/g含有)
C:ヒドロシリル化触媒
C−1:白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(3重量%白金イソプロパノール溶液)
D:吸水性高分子
D−1:カルボキシメチルセルロースナトリウム(日本製紙ケミカル MAC10H)
(重合体(A−1)の合成)
苛性アルカリを用いた重合法により、数平均分子量3000のオキシプロピレン重合体グリコールを得た。特開平5−117521号公報の合成例1の方法に準じ、そのオキシプロピレン重合体グリコールを開始剤として複合金属シアン化物錯体触媒(亜鉛ヘキサシアノコバルテート)を用いてプロピレンオキシドを重合し、数平均分子量28000の重合物を得た。この重合物に対して、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液と塩化アリルを使用して末端をアリル基に変換した後、脱塩精製して、1分子中に概ね2個のアリル基末端を有するポリオキシアルキレン重合体(重合体(A))を得た。得られた重合体のアリル末端基量は0.12mmol/gであった。
(重合体(A−2)の合成)
苛性アルカリを用いた重合法により、数平均分子量3000のオキシプロピレン重合体グリコールを得た。特開平5−117521号公報の合成例1の方法に準じ、そのオキシプロピレン重合体グリコールを開始剤として複合金属シアン化物錯体触媒(亜鉛ヘキサシアノコバルテート)を用いてプロピレンオキシドを重合し、数平均分子量13800の重合物を得た。この重合物に対して、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液と塩化アリルを使用して末端をアリル基に変換した後、脱塩精製して、1分子中に概ね2個のアリル基末端を有するポリオキシアルキレン化合物(化合物A−2)を得た。得られた重合体のアリル末端基量は0.22mmol/gであった。
(重合体(A−3)の合成)
特開平5−117521号公報、比較合成例1の方法に準じて苛性アルカリを触媒に用いて重合した数平均分子量が3000のオキシプロピレン重合体グリコールとアルカリとジハロメタンを反応させ分子鎖延長反応させ、塩化アリルにより末端をアリル基に変換した後、脱塩精製することで、GPCによる数平均分子量13800分子中に概ね2個のアリル末端を有するポリオキシアルキレン重合体(A−3)を得た。得られたアリル末端を有するポリオキシアルキレン系重合体のアリル末端基量は0.24mmol/gであった。
【0057】
(化合物(B−1)の合成)
下記式(4)で表されるメチルハイドロジェンシリコーン(式中、cは平均5である)に白金触媒存在下、全ヒドロシリル基量の0.5当量のα−メチルスチレンを添加し、1分子中に平均2.5個のヒドロシリル基を有する化合物(化合物(B−1))を得た。この化合物のヒドロシリル基含有量は3.2mmol/gであった。
【0058】
【化2】

【0059】
(実施例1)
重合体(A−1)50重量部、重合体(A−2)50重量部に対して、化合物(B−1)を3.0重量部、ヒドロシリル化触媒(C−1)0.1重量部、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.03重量部、吸水性高分子(D−1)50重量部を十分に混合して感圧接着剤用組成物を得た。該感圧接着剤用組成物をシリコーン剥離処理を施した剥離紙の処理面上に、硬化後の厚みが400μmになるように塗工して、130℃で3分間硬化させて感圧接着剤層を形成した。
【0060】
(実施例2)
重合体(A−1)50重量部、重合体(A−2)50重量部に対して、化合物(B−1)を3.5重量部、ヒドロシリル化触媒(C−1)0.1重量部、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.03重量部、吸水性高分子(D−1)を50重量部を十分に混合して感圧接着剤用組成物を得た。該感圧接着剤用組成物をシリコーン剥離処理を施した剥離紙の処理面上に、硬化後の厚みが400μmになるように塗工して、130℃で3分間硬化させて感圧接着剤層を形成した。
【0061】
(実施例3)
重合体(A−1)50重量部、重合体(A−3)50重量部に対して、化合物(B−1)を3.8重量部、ヒドロシリル化触媒(C−1)0.1重量部、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.03重量部、吸水性高分子(D−1)50重量部を十分に混合して感圧接着剤用組成物を得た。該感圧接着剤用組成物をシリコーン剥離処理を施した剥離紙の処理面上に、硬化後の厚みが400μmになるように塗工して、130℃で3分間硬化させて感圧接着剤層を形成した。
【0062】
(比較例1)
重合体(A−1)100重量部に対して、化合物(B−1)を2.2重量部、ヒドロシリル化触媒(C−1)0.1重量部、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.03重量部、吸水性高分子(D−1)50重量部を十分に混合して感圧接着剤用組成物を得た。該感圧接着剤用組成物をシリコーン剥離処理を施した剥離紙の処理面上に、硬化後の厚みが400μmになるように塗工して、130℃で3分間硬化させて感圧接着剤層を形成した。
(比較例2)
重合体(A−1)100重量部に対して、化合物(B−1)を2.6重量部、ヒドロシリル化触媒(C−1)0.1重量部、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.03重量部、吸水性高分子(D−1)50重量部を十分に混合して感圧接着剤用組成物を得た。該感圧接着剤用組成物をシリコーン剥離処理を施した剥離紙の処理面上に、硬化後の厚みが400μmになるように塗工して、130℃で3分間硬化させて感圧接着剤層を形成した。
【0063】
(比較例3)
重合体(A−2)100重量部に対して、化合物(B−1)を4.0重量部、ヒドロシリル化触媒(C−1)0.1重量部、2−メチル−3−ブチン−2−オール0.03重量部、吸水性高分子(D−1)50重量部を十分に混合して感圧接着剤用組成物を得た。該感圧接着剤用組成物をシリコーン剥離処理を施した剥離紙の処理面上に、硬化後の厚みが400μmになるように塗工して、130℃で3分間硬化させて感圧接着剤層を形成した。

(粘着力)
上記実施例において得た感圧接着剤層を、支持体としてポリエステルフィルム(東レ ルミラーフィルム 厚さ25μm)を速度2m/minの条件にて重さ2kgのゴムローラーを用いてラミネートし、粘着シートを得た。幅25mmに切断し、重さ2kgのゴムローラーを速度2m/minの条件でSUS304の板に貼付し、1時間放置した。各テープをSUS304板から300mm/minの速度にて180°の角度で剥がす際の応力を粘着力の測定値とした。
【0064】
(吸水量)
上記実施例において得た感圧接着剤層を、支持体としてポリエステルフィルム(東レ ルミラーフィルム 厚さ25μm)を速度2m/minの条件にて重さ2kgのゴムローラーを用いてラミネートし、粘着シートを得た。2cm角に切断し、重量(w1)を測定した。この試験片を、下記組成からなる生理食塩水100mlに24時間浸した後の重量(w2)を測定した。下記式より吸水量を求めた。
【0065】
生理食塩水組成 NaCl8.298g CaCl20.323g/1lイオン交換水
吸水量(g/24h m2)=(w2−w1)×2500
(アスカーC硬度)
上記実施例に従い作成した試験片を重ね、厚みをおおよそ4mmとしたものを作成し、アスカーC硬度計を用い、JIS K6301に準ずる方法で測定した。
(モジュラス)
上記実施例に従い作成した試験片を用い、JIS K6251に準ずる方法で測定した。試料は、ダンベル状3号の試験片に打ち抜いて用いた。100%伸びおよび300%伸び時の引張応力を測定した。測定装置は、EZ−TEST(島津製作所)を用いた。
【0066】
【表1】

【0067】
上記結果より、本発明の感圧接着剤用組成物が、吸水性を示し、柔軟性と粘着力のバランスに優れた創傷被覆材、絆創膏、皮膚保護材用の感圧接着剤として好適に使用できることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体、(B)1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)吸水性高分子からなる感圧接着剤用組成物において、ポリオキシアルキレン重合体(A)が少なくとも2種類以上の重合体より構成されることを特徴とする感圧接着剤用組成物。
【請求項2】
ポリオキシアルキレン重合体(A)のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が分子末端に含有されてなる請求項1に記載の感圧接着剤用組成物。
【請求項3】
ポリオキシアルキレン重合体(A)の数平均分子量が1000〜50000の範囲内である請求項1または2に記載の感圧接着剤用組成物。
【請求項4】
ポリオキシアルキレン重合体(A)が少なくとも2種類の数平均分子量が異なる重合体より構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物。
【請求項5】
ポリオキシアルキレン重合体(A)の主鎖がポリオキシプロピレンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物。
【請求項6】
ヒドロシリル基を含有する化合物(B)のヒドロシリル基の総量が、ポリオキシアルキレン重合体(A)のアルケニル基の総量1モルあたり0.3〜1.5モルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物。
【請求項7】
吸水性高分子(D)が、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギナート、ゼラチン、キサンタン、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物。
【請求項8】
吸水性高分子(D)を5〜50%含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物。
【請求項9】
基材上に、請求項1〜8のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物を積層して硬化させて得られる感圧接着剤層を形成してなる創傷被覆材。
【請求項10】
基材上に、請求項1〜8のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物を積層して硬化させて得られる感圧接着剤層を形成してなる絆創膏。
【請求項11】
基材上に、請求項1〜8のいずれかに記載の感圧接着剤用組成物を積層して硬化させて得られる感圧接着剤層を形成してなる皮膚保護材。
【請求項12】
感圧接着剤層の、アスカーC硬度が70°以下であることを特徴とする請求項9記載の創傷被覆材。
【請求項13】
感圧接着剤層の、アスカーC硬度が70°以下であることを特徴とする請求項10記載の絆創膏。
【請求項14】
感圧接着剤層の、アスカーC硬度が70°以下であることを特徴とする請求項11記載の皮膚保護材。
【請求項15】
(A)1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体、(B)1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)吸水性高分子からなる感圧接着剤用組成物を硬化してなる感圧接着剤において、ポリオキシアルキレン重合体(A)が少なくとも2種類以上の重合体より構成されることを特徴とする感圧接着剤の硬度の調整方法。

【公開番号】特開2011−72437(P2011−72437A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225625(P2009−225625)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】