説明

感圧接着剤

【課題】被着体に貼り付ける際の初期密着性に優れるとともに、高温下に曝された後であっても高粘着性を維持し、貼り付け不良を抑制することができ、例えば、強粘着性を有する感圧接着剤として好適に使用することができる感圧接着剤を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリル系共重合体を幹ポリマーとし、(メタ)アクリル系マクロモノマーを枝ポリマーとする(メタ)アクリル系グラフト共重合体と架橋剤とを含有することを特徴とする感圧接着剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧接着剤に関する。さらに詳しくは、強粘着性を有する感圧接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤は、クラフトテープ、OPPテープ、布粘着テープなどの包装用テープ、軽包装用セロハン粘着テープ、仮止め用テープ、自動車用発泡テープ、制振シート、難燃接着テープ、再剥離両面テープ、住宅用養生テープ、防音シール、カーペット固定用両面テープ、仮止め用テープ、電気絶縁用ビニルテープ、屋外防食テープ、屋内表示用テープ、スリップ防止用テープ、各種マスキングテープ、各種表面保護用テープ、防水気密テープ、医療用救急絆創膏などの貼付基材、サージカルテープ、粘着包帯、電気・電子機器用テープ、光学用両面テープ、表面保護フィルム、半導体用ダイシングテープ、熱伝導テープ、耐熱テープ、導電性テープなどの幅広い用途に用いられている。従来、感圧接着剤の初期の粘着力を向上させるために、当該感圧接着剤に用いられる樹脂のガラス転移温度や酸価を高くすることが検討されている。
【0003】
しかし、樹脂のガラス転移温度や酸価を高くし、感圧接着剤の耐熱性を向上させることを目的として樹脂の架橋密度を高めると、粘着剤と被着体との界面で滑らかに剥離する部分と剥離しがたい部分とが生じる現象、すなわちスリップスティック(ジッピング)が生じ、接着不良の原因となる。
【0004】
再剥離性に優れた感圧接着剤として、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル系重合体を主鎖とし、重量平均分子量が1000以上で主鎖とのSP値の差が0.6以上である化合物を側鎖とするグラフト共重合体と、側鎖形成化合物とからなる感圧接着剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、前記感圧接着剤と同様に、グラフト共重合体が用いられた感圧接着剤として、ガラス転移温度が−10℃以下のアクリル系重合体を主鎖とし、重量平均分子量が1000以上でガラス転移温度が20℃未満の化合物を側鎖とするグラフト共重合体からなる感圧接着剤(例えば、特許文献2参照)、数平均分子量が1000〜100000でかつガラス転移温度が−20℃以下のマクロモノマー、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体、および他の単量体とをラジカル重合させることによって得られるグラフト共重合体からなり、幹ポリマーのガラス転移温度が枝ポリマーのガラス転移温度よりも高い粘着剤用樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)、ガラス転移温度が250°K以下のアクリル系重合体を主鎖とし、重量平均分子量が1000以上でガラス転移温度が250°K以下の化合物を側鎖とするグラフト共重合体からなる感圧接着剤(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
【0006】
しかし、前記感圧接着剤などは、いずれも耐熱性を付与するためにグラフト共重合体の架橋密度を高めると被着体に貼り付ける際の初期密着性に劣るため、接着不良を生じるおそれがある。
【0007】
したがって、近年、被着体に貼り付ける際の初期密着性に優れるとともに、高温下に曝された後であっても高粘着性を維持し、貼り付け不良を抑制することができる感圧接着剤の開発が待ち望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭63−260976号公報
【特許文献2】特開昭63−196676号公報
【特許文献3】特開平1−203412号公報
【特許文献4】特開平4−209685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、被着体に貼り付ける際の初期密着性に優れるとともに、高温下に曝された後であっても高粘着性を維持し、貼り付け不良を抑制することができる感圧接着剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(メタ)アクリル系共重合体を幹ポリマーとし、(メタ)アクリル系マクロモノマーを枝ポリマーとする(メタ)アクリル系グラフト共重合体と架橋剤とを含有することを特徴とする感圧接着剤に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の感圧接着剤は、被着体に貼り付ける際の初期密着性に優れるとともに、高温下に曝された後であっても高粘着性を維持し、貼り付け不良を抑制するという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の感圧接着剤は、前記したように、(メタ)アクリル系共重合体を幹ポリマーとし、(メタ)アクリル系マクロモノマーを枝ポリマーとする(メタ)アクリル系グラフト共重合体と架橋剤とを含有することを特徴とする。
【0013】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」または「メタクリ」を意味する。
【0014】
本発明の感圧接着剤に用いられる(メタ)アクリル系グラフト共重合体は、例えば、その枝ポリマーを構成する(メタ)アクリル系マクロモノマーを調製した後、当該(メタ)アクリル系マクロモノマーの存在下で、幹ポリマーを構成する(メタ)アクリル系共重合体を調製するためのモノマー成分を重合させることによって製造することができるが、本発明は、かかる製造方法のみによって限定されるものではない。
【0015】
以下、(メタ)アクリル系グラフト共重合体を、枝ポリマーを構成する(メタ)アクリル系マクロモノマーを調製した後、当該(メタ)アクリル系マクロモノマーの存在下で、幹ポリマーを構成する(メタ)アクリル系共重合体を調製するためのモノマー成分を重合させることによって製造する場合を例に取り上げて説明する。
【0016】
(メタ)アクリル系グラフト共重合体の枝ポリマーを構成する(メタ)アクリル系マクロモノマーの重量平均分子量は、初期密着性を向上させる観点から、好ましくは5万以上であり、初期密着性を向上させるとともに、高温下に曝された後であっても高粘着性を維持し、貼り付け不良を抑制する観点から、より好ましくは10万以上、さらに好ましくは15万以上、より一層好ましくは20万以上であり、幹ポリマーを構成する(メタ)アクリル系共重合体との共重合性を高める観点から、好ましくは50万以下、より好ましくは45万以下である。
【0017】
なお、本明細書において、(メタ)アクリル系マクロモノマーの重量平均分子量は、(メタ)アクリル系グラフト共重合体を調製する前の(メタ)アクリル系マクロモノマーについて、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の測定装置として、東ソー(株)製、品番:HLC−8220GPC、分離カラム:東ソー(株)製、品番:TSKgel Super HZM−Mを用い、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製〕による換算値である。
【0018】
また、枝ポリマーを構成する(メタ)アクリル系マクロモノマーのガラス転移温度は、感圧接着剤が高温下に曝された後であっても高粘着性を維持し、貼り付け不良が生じることを抑制する観点から、好ましくは−35℃以下、より好ましくは−40℃以下であり、感圧接着剤を被着体から剥離する際に凝集破壊が生じることを抑制する観点から、好ましくは−100℃以上、より好ましくは−90℃以上、さらに好ましくは−80℃以上である。
【0019】
(メタ)アクリル系マクロモノマーのガラス転移温度は、当該(メタ)アクリル系マクロモノマーを構成する単量体成分に使用されている単量体の単独重合体のガラス転移温度を用いて、式:
1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100
〔式中、Wmは重合体を構成する単量体成分における単量体mの含有率(重量%)、Tgmは単量体mの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度を意味する。
【0020】
(メタ)アクリル系マクロモノマーのガラス転移温度は、前記フォックス(Fox)の式に基づいて求められた値であるが、(メタ)アクリル系マクロモノマーのガラス転移温度の実測値は、前記フォックス(Fox)の式に基づいて求められた値と同じであることが好ましい。(メタ)アクリル系マクロモノマーのガラス転移温度の実測値は、例えば、その示差走査熱量の測定によって求めることができる。
【0021】
示差走査熱量の測定装置としては、例えば、セイコーインスツル(株)製、品番:DSC220Cなどが挙げられる。また、示差走査熱量を測定する際、示差走査熱量(DSC)曲線を描画する方法、示差走査熱量(DSC)曲線から一次微分曲線を得る方法、スムージング処理を行なう方法、目的のピーク温度を求める方法などには特に限定がない。例えば、前記測定装置を用いた場合には、当該測定装置を用いることによって得られたデータから作図すればよい。その際、数学的処理を行なうことができる解析ソフトウェアを用いることができる。当該解析ソフトウェアとしては、例えば、解析ソフトウェア〔セイコーインスツル(株)製、品番:EXSTAR6000〕などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、このようにして求められたピーク温度には、上下5℃程度の作図による誤差が含まれることがある。
【0022】
単独重合体のガラス転移温度の一例を挙げると、例えば、アクリル酸の単独重合体では106℃、メタクリル酸の単独重合体では130℃、メチルアクリレートの単独重合体では10℃、メチルメタクリレートの単独重合体では105℃、エチルアクリレートの単独重合体では−24℃、n−ブチルアクリレートの単独重合体では−54℃、n−ブチルメタクリレートの単独重合体では−20℃、n−オクチルアクリレートの単独重合体では−80℃、イソオクチルアクリレートの単独重合体では−58℃、2−エチルヘキシルアクリレートの単独重合体では−70℃、シクロへキシルアクリレートの単独重合体では16℃、シクロへキシルメタクリレートの単独重合体では83℃、イソボルニルメタクリレートの単独重合体では180℃、2−ヒドロキシエチルアクリレートの単独重合体では−15℃、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの単独重合体では85℃、4−ヒドロキシブチルアクリレートの単独重合体では−32℃、2−メトキシエチルアクリレートの単独重合体では−50℃、グリシジルメタクリレートの単独重合体では41℃などである。
【0023】
(メタ)アクリル系マクロモノマーのガラス転移温度は、当該(メタ)アクリル系マクロモノマーを調製する際に用いられる原料モノマーの種類およびその量を適宜調整することによって容易に調節することができる。
【0024】
(メタ)アクリル系マクロモノマーは、例えば、プレポリマーを調製した後、当該プレポリマーを重合させることによって調製することができる。
【0025】
プレポリマーは、(メタ)アクリル系マクロモノマーの原料モノマーを連鎖移動剤および重合開始剤の存在下で重合させることによって調製することができる。得られる(メタ)アクリル系マクロモノマーの分子量は、連鎖移動剤の量を調製することにより、容易に調節することができる。
【0026】
(メタ)アクリル系マクロモノマーの原料モノマーには、(メタ)アクリル系マクロモノマーに、前記した所望のガラス転移温度を与えるモノマーを用いることが好ましい。
【0027】
好適な(メタ)アクリル系マクロモノマーの原料モノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの原料モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
なお、原料モノマーには、本発明の目的が阻害されない範囲内で、例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート;エチレン、ブタジエンなどの脂肪族不飽和炭化水素化合物、塩化ビニルなどの脂肪族不飽和炭化水素化合物のハロゲン置換体;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族不飽和炭化水素化合物;酢酸ビニルなどのビニルエステル;ビニルエーテル;アクリロニトリルなどが含まれていてもよい。
【0029】
連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレートなどのチオール化合物;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタンなどのハロゲン化物;イソプロパノールなどの第2級アルコール;亜リン酸およびその塩、次亜リン酸およびその塩、亜硫酸およびその塩、亜硫酸水素およびその塩、亜二チオン酸およびその塩、メタ重亜硫酸およびその塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0030】
連鎖移動剤の量は、目的とする(メタ)アクリル系マクロモノマーの分子量によって異なるので一概には決定することができないことから、目的とする(メタ)アクリル系マクロモノマーの分子量に応じて適宜調整することが好ましい。
【0031】
重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用いてもよい。
【0032】
アゾ系重合開始剤としては、例えば、アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアゾ系重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用いてもよい。
【0033】
過酸化物系重合開始剤としては、例えば、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの過酸化物系重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用いてもよい。
【0034】
重合開始剤の量は、特に限定されないが、通常、(メタ)アクリル系マクロモノマーの原料モノマー100質量部あたり、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.01〜10質量部である。
【0035】
なお、(メタ)アクリル系マクロモノマーの原料モノマーを重合させる際には、溶媒を用いることができる。
【0036】
溶媒として、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタなどの脂肪族炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン;ジメチルホルムアミドなどのアミドなどの有機溶媒が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。溶媒のなかでは、人体に対する影響を小さくする観点から、脂肪族炭化水素化合物、アルコール、エーテル、エステル、ケトンおよびアミドが好ましく、脂肪族炭化水素化合物およびエステルがより好ましく、n−ヘキサンおよび酢酸エチルがさらに好ましい。
【0037】
溶媒の量は、重合条件、(メタ)アクリル系マクロモノマーに用いられる原料モノマーの種類およびその組成などに応じて適宜決定すればよい。
【0038】
原料モノマーの重合は、例えば、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。原料モノマーの重合温度は、重合率および生産効率を高める観点から、通常、30〜100℃程度であればよいが、好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜85℃である。重合時間は、重合温度、原料モノマーの種類およびその量などによって異なるので一概には決定することができないことから、これらに応じて適宜調整することが好ましいが、通常、0.5〜10時間程度である。
【0039】
以上のようにして得られたプレポリマーを用いてマクロモノマーを調製することができる。なお、マクロモノマーを調製する際、前記で得られたプレポリマーの反応溶液からプレポリマーを単離せずに、そのプレポリマーの反応溶液を用いてマクロモノマーを調製することができる。
【0040】
マクロモノマーは、プレポリマーと、当該プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物とを反応させ、ラジカル重合性二重結合を当該プレポリマーに導入することによって調製することができる。その際、プレポリマーの反応溶液にプレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物を添加することにより、プレポリマーと当該プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物とを反応させることができる。
【0041】
プレポリマーと反応し得る官能基を分子中に有する化合物は、前記プレポリマーに(メタ)アクリル系グラフト共重合体の幹ポリマーを構成する(メタ)アクリル系共重合体との反応点を形成させるために用いられる。前記プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシイソシアネート、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの官能基を有する化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物の量は、前記プレポリマーが有する反応点当量あたり、(メタ)アクリル系共重合体との反応点を十分に導入する観点から、好ましくは0.5当量以上、より好ましくは0.7当量以上であり、前記プレポリマーが架橋反応することを抑制する観点から、好ましくは4当量以下、より好ましくは2当量以下である。
【0043】
なお、プレポリマーと当該プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物とを反応させる際には、必要により、溶媒、重合禁止剤および反応触媒を適量で用いてもよい。
【0044】
溶媒としては、前記原料モノマーを重合させる際に用いられる溶媒と同様であればよい。溶媒の量は、重合条件、プレポリマーおよび当該プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物の量やその組成などに応じて適宜決定すればよい。
【0045】
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、メタキノン、tert−ブチルハイドロキノン、メトキノン、6−tert−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などのフェノール系禁止剤、有機酸銅塩やフェノチアジンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合禁止剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0046】
重合禁止剤の量は、プレポリマー100質量部あたり、通常、0.001〜1質量部程度であればよい。
【0047】
反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、ジアザビシクリウンデセン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、2−エチルヘキサノエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサノエート鉄、2−エチルヘキサノエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラn−ブチル錫などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの反応触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0048】
反応触媒の量は、プレポリマー100質量部あたり、通常、0.001〜1質量部程度であればよい。
【0049】
プレポリマーと当該プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物との反応は、例えば、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスと空気との混合気体中で行なうことが好ましい。反応温度は、反応率および生産効率を高める観点から、通常、30〜90℃程度であればよいが、好ましくは35〜85℃、より好ましくは40〜80℃である。反応時間は、プレポリマーおよび当該プレポリマーと反応し得る官能基を有する化合物の仕込み量や反応温度などによって異なるので一概には決定することができないことから、これらに応じて適宜調整することが好ましいが、通常、0.5〜10時間程度である。
【0050】
以上のようにしてマクロモノマーを調製することができる。なお、マクロモノマーを調製する際、前記で得られたプレポリマーの反応溶液からプレポリマーを単離せずに、そのプレポリマーの反応溶液を用いてマクロモノマーを調製することができる。
【0051】
次に、前記で得られたマクロモノマーを用いて(メタ)アクリル系グラフト共重合体を調製する。
【0052】
(メタ)アクリル系グラフト共重合体は、例えば、(メタ)アクリル系マクロモノマーの存在下で、幹ポリマーを構成する(メタ)アクリル系共重合体を調製するためのモノマー成分を重合させることによって製造することができる。したがって、前記で得られたマクロモノマーの反応溶液からマクロモノマーを単離せずに、そのマクロモノマーの反応溶液を用いて(メタ)アクリル系グラフト共重合体を調製することができる。
【0053】
(メタ)アクリル系グラフト共重合体の幹モノマーを構成する(メタ)アクリル系共重合体の原料として用いられるモノマー成分は、本発明の感圧接着剤を被着体に貼り付けた際の濡れ性を向上させ、さらに高温下に曝された場合であってもスリップスティックが生じないようにする観点から、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびカルボキシル基含有単量体を含有するモノマー成分であることが好ましい。
【0054】
アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのカルボキシル基含有単量体のなかでは、本発明の感圧接着剤を被着体に貼り付けた際の濡れ性を向上させ、さらに高温下に曝された場合であってもスリップスティックが生じないようにする観点から、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
【0056】
なお、モノマー成分には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシメタクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリルなどを含有させてもよい。
【0057】
モノマー成分におけるアルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、本発明の感圧接着剤を被着体と接着させた後、高温下に曝された場合であってもスリップスティックが生じないようにする観点から、好ましくは85質量%以上であり、本発明の感圧接着剤を被着体に接着するときの濡れ性を向上させる観点から、好ましくは95質量%以下である。
【0058】
また、モノマー成分におけるカルボキシル基含有単量体の含有量は、本発明の感圧接着剤を被着体に接着するときの濡れ性を向上させる観点から、好ましくは5質量%以上であり、本発明の感圧接着剤を被着体と接着させた後、高温下に曝された場合であってもスリップスティックが生じないようにする観点から、好ましくは15質量%以下である。
【0059】
以上のことから、モノマー成分におけるアルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、85〜95質量%であることが好ましく、モノマー成分におけるカルボキシル基含有単量体の含有量は、5〜15質量%であることが好ましい。
【0060】
マクロモノマーの量は、前記モノマー成分100質量部あたり、本発明の感圧接着剤を被着体と接着させた後、高温下に曝された場合であってもスリップスティックが生じないようにする観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、本発明の感圧接着剤を被着体に貼り付けた際の濡れ性を向上させる観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。したがって、マクロモノマーの量は、前記モノマー成分100質量部あたり1〜20質量部であることが好ましい。
【0061】
なお、(メタ)アクリル系マクロモノマーの存在下でモノマー成分を重合させる際には、必要により、溶媒および重合開始剤を用いることができる。
【0062】
溶媒としては、前記原料モノマーを重合させる際に用いられる溶媒と同様であればよい。溶媒の量は、重合条件、(メタ)アクリル系マクロモノマーおよびモノマー成分の量やそれらの組成などに応じて適宜決定すればよい。
【0063】
重合開始剤としては、前記原料モノマーを重合させる際に用いられる重合開始剤と同様であればよい。重合開始剤の量は、特に限定されないが、通常、(メタ)アクリル系マクロモノマーおよびモノマー成分の合計量100質量部あたり、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.01〜10質量部である。
【0064】
モノマー成分の重合は、例えば、前記で得られたマクロモノマーの反応溶液に、モノマー成分、必要により、溶媒および重合開始剤を添加することによって行なうことができる。
【0065】
モノマー成分の重合は、例えば、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。モノマー成分の重合温度は、重合率および生産効率の観点から、通常、30〜100℃程度であればよいが、好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜85℃である。重合時間は、重合温度、モノマー成分の種類およびその量などによって異なるので一概には決定することができないことから、これらに応じて適宜調整することが好ましいが、通常、0.5〜10時間程度である。
【0066】
以上のようにして(メタ)アクリル系グラフト共重合体を調製することができる。(メタ)アクリル系グラフト共重合体の重量平均分子量は、本発明の感圧接着剤に強粘着性を付与する観点から、好ましくは20万以上、より好ましくは30万以上であり、本発明の感圧接着剤を被着体に塗布するときの濡れ性を向上させる観点から、好ましくは200万以下、より好ましくは180万以下である。なお、重量平均分子量は、前記(メタ)アクリル系マクロモノマーの重量平均分子量の測定方法と同様の方法で測定したときの値である。
【0067】
なお、本発明においては、前記(メタ)アクリル系マクロモノマーの原料モノマーおよび幹ポリマーを構成する(メタ)アクリル系共重合体を調製するためのモノマー成分のいずれか一方または双方に、式(I):
CH2=CH−C(O)−R1 (I)
〔式中、R1は、エポキシ基または式:−Si(OR2)n (R3)3-n(式中、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数を示す)で表わされる基を示す〕
で表わされる化合物を含有させてもよい。式(I)で表わされる化合物を含有させた場合には、得られる(メタ)アクリル系グラフト共重合体の耐熱性を改善させることができる。また、本発明に用いられる(メタ)アクリル系グラフト共重合体に、式(II):
【0068】
【化2】

【0069】
で表わされる構造を有するエポキシ基含有化合物やジメチルシロキサンマクロモノマーを含有させることにより、(メタ)アクリル系グラフト共重合体をポリマーアロイとして用いた場合には、耐熱性を改善することができる。さらに、本発明に用いられる(メタ)アクリル系グラフト共重合体のグラフト側鎖をシリコーンで改質させた場合には、耐熱性を改善することができる。
【0070】
本発明の感圧接着剤は、前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体と架橋剤を含有する。架橋剤としては、(メタ)アクリル系グラフト共重合体が有する官能基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用いることができ、その例としては、ポリイソシアネート、多官能エポキシ化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0071】
ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、前記芳香族ポリイソシアネートの水素添加物などの脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの2量体または3量体、これらのポリイソシアネートとトリメチロールプロパンなどのポリオールとからなるアダクト体などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を併用することができる。
【0072】
ポリイソシアネートは、例えば、「コロネートL」、「コロネートL−55E」、「コロネートHX」、「コロネートHL」、「コロネートHL−S」、「コロネート2234」、「アクアネート200」、「アクアネート210」〔以上、日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネート」および「アクアネート」は登録商標〕、「デスモジュールN3400」〔住友バイエルウレタン(株)(現バイエルA.G.社)製、「デスモジュール」は登録商標)、「デュラネートD−201」、「デュラネートTSE−100」、「デュラネートTSS−100」、「デュラネート24A−100」、「デュラネートE−405−80T」〔以上、旭化成ケミカルズ(株)製、「デュラネート」は登録商標〕、「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートM−631N」、「MTERT−オレスターNP1200」〔以上、三井化学ポリウレタン(株)製、「タケネート」および「オレスター」は登録商標)などとして商業的に容易に入手することができる。これらのポリイソシアネートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0073】
多官能エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジンなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0074】
架橋剤のなかでは、ポリイソシアネートの2量体、ポリイソシアネートの3量体、ポリイソシアネートの2官能プレ重合体およびポリイソシアネートのアダクト体などが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(3量体)、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体などがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体がさらに好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体は、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:デュラネート(登録商標)TSE−100、商品名:デュラネート(登録商標)TSS−100などが挙げられる。
【0075】
架橋剤の量は、(メタ)アクリル系グラフト共重合体が有する官能基の合計量を1当量としたとき、好ましくは0.1〜2当量、より好ましくは0.3〜1.5当量である。
【0076】
また、本発明においては、架橋促進剤を適量で用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、2−エチルヘキサノエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサノエート鉄、2−エチルヘキサノエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラn−ブチル錫などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0077】
本発明の感圧接着剤における不揮発分量は、生産性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、塗工性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。感圧接着剤における不揮発分量は、感圧接着剤に含まれる溶媒量などを調整することによって調節することができる。溶媒としては、前記原料モノマーを重合させる際に用いられる溶媒と同様であればよい。
【0078】
なお、本発明においては、本発明の目的を阻害しない範囲内で、必要により、前記重合体には、その他の重合体を含有させてもよい。また、前記重合体には、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、カチオン性帯電防止剤、アニオン性帯電防止剤、両性帯電防止剤、ノニオン性帯電防止剤、イオン導電性重合体などの帯電防止剤、架橋促進剤、粘着付与剤、改質剤、顔料、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤などの添加剤を含有させてもよい。
【0079】
顔料または充填剤としては、例えば、酸化亜鉛粉、酸化チタン粉、アルミナ粉、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、炭酸カルシウム粉、マイカ粉、酸化マグネシウム粉、水酸化アルミニウム粉、水酸化カルシウム粉、水酸化マグネシウム粉、ホワイトカーボン、シリカ粉、金属粉、導電性粒子などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。

【0080】
本発明の感圧接着剤のゲル分率は、凝集力および耐熱性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、被着体への貼り付け性を向上させる観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
【0081】
本発明の感圧接着剤を基材に塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター、スロットダイコーター、リップコーター、ロールコーター、フローコーター、スプレーコーター、バーコーター、ディッピングなどの公知の方法が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。本発明の感圧接着剤を基材に塗布する際には、本発明の感圧接着剤を基材に直接塗布してもよく、あるいは離型紙などに塗布した後、この塗布物を基材上に転写させてもよい。このように本発明の感圧接着剤を塗布した後、乾燥させることにより、基材上に感圧接着剤層を形成させることができる。
【0082】
基材上に形成された感圧接着剤の表面には、例えば、離型紙を貼着してもよい。このように感圧接着剤の表面に離型紙を貼着した場合には、感圧接着剤層を好適に保護することができる。離型紙は、感圧接着剤を使用するときに感圧接着剤の表面から引き剥がされる。なお、シート状、テープ状などの形状を有する基材の片面に感圧接着剤層が形成されている場合には、この基材の背面に公知の離型剤を塗布し、離型剤層を形成しておけば、感圧接着剤層を内側にして感圧接着シートや感圧接着テープなどをロール状に巻くことにより、感圧接着剤層は、基材の背面の離型剤層と接触するので、感圧接着剤表面を保護したり、保存したりすることができる。
【0083】
基材としては、例えば、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙などの公知の紙類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、セロファンなどの樹脂からなる基材、織布、不織布、布帛などの繊維製品などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0084】
本発明の感圧接着剤を基材に塗布した後、乾燥させるが、その乾燥方法としては、例えば、熱風、遠赤外線照射などが挙げられる。
【0085】
本発明の感圧接着剤の乾燥後の塗膜の厚さは、特に限定されないが、通常、1μm〜5mm程度である。
【0086】
以上説明したように、本発明の感圧接着剤は、被着体に貼り付けた際の初期密着性に優れるとともに、本発明の感圧接着剤をシート化し、高温下に曝された場合であってもスリップスティックが生じがたいという性質を有することから、例えば、基材の片面または両面に感圧接着剤層を形成してもよく、基材を有しない感圧接着剤層のみを有する感圧接着剤製品などに好適に使用することができる。
【実施例】
【0087】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0088】
実施例1
(1)プレポリマーの調製
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2−メルカプトエタノール0.1部およびアゾイソブチロニトリル0.05部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、末端水酸基のプレポリマー溶液を得た(不揮発分量:50質量%)。
【0089】
(2)マクロモノマーの調製
前記で得られたプレポリマー溶液100部、メタクリロイルオキシイソシアネート0.1部、ハイドロキノン0.02部およびジブチル錫ラウレート0.02部を前記と同様の反応容器内に入れ、窒素ガスと空気との混合気体を吹き込みながら70℃で5時間反応させ、ガラス転移温度が−70℃のマクロモノマーを得た。得られたマクロモノマーの重量平均分子量を以下の方法にしたがって測定したところ、その重量平均分子量は20万であった。
【0090】
〔重量平均分子量の測定方法〕
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の測定装置として、東ソー(株)製、品番:HLC−8220GPCを用い、以下の測定条件で測定し、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製〕による換算値を重量平均分子量とした。
(測定条件)
・分離カラム:東ソー(株)製、品番:TSKgel Super HZM−M
・溶出溶媒:テトラヒドロフラン
・流量:0.35mL/min
・注入量:10μL/回
・試料濃度:0.2質量%
【0091】
(3)グラフト共重合体の調製
前記反応容器内に、アクリル酸メチル30部、アクリル酸2−エチルヘキシル60部、アクリル酸10部、前記で得られたマクロモノマー10部(不揮発分量)、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、枝ポリマーがアクリル酸2−エチルヘキシル系マクロモノマーであるグラフト共重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0092】
次に、前記で得られたグラフト共重合体100部に4官能エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)商品名:テトラッドC〕0.3部を添加することにより、感圧接着剤を得た。
【0093】
得られた感圧接着剤を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔東レ(株)製、商品名:ルミラー(登録商標)T−60〕の片面に、乾燥後の厚さが30μmとなるように均一に塗布し、80℃で5分間加熱乾燥処理を施すことにより、粘着テープを得た。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を以下の方法に基づいて調べた。その結果を表1に示す。
【0094】
(1)ゲル分率
前記で得られた粘着テープを25mm×25mmの大きさに裁断することにより、試験片を作製し、その試験片の質量(W1)を計測した後、室温下で酢酸エチル中に24時間浸漬し、不溶分を濾過によって取り出し、その不溶分を乾燥させた後、その不溶分の質量(W2)を測定した。
【0095】
感圧接着剤のゲル分率は、式:
〔ゲル分率〕=[〔試験片の質量(W1)〕÷〔不溶分の質量(W2)〕]×100
に基づいて求めた。
【0096】
(2)粘着性
前記で得られた粘着テープを用いてJIS Z 0237に準じて180°剥離における接着力を測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
〇:接着力が10N/25mm以上
△:接着力が5N/25mm以上10N/25mm未満
×:接着力が5N/25mm未満
【0097】
(3)高温加熱後の粘着性
前記で得られた粘着テープを内温が180℃のオーブン内に入れ、10分間加熱した後、前記「(2)粘着力」と同様にして接着力を測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
〇:接着力が10N/25mm以上
△:接着力が5N/25mm以上10N/25mm未満
×:接着力が5N/25mm未満
【0098】
(4)スリップスティック
前記「(2)粘着力」を調べるときに、スリップスティックの発生の有無を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
〇:スリップスティックなし
×:スリップスティックあり
【0099】
実施例2
(1)プレポリマーの調製
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2−メルカプトエタノール0.1部およびアゾイソブチロニトリル0.05部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、末端水酸基のプレポリマー溶液を得た(不揮発分量:50質量%)。
【0100】
(2)マクロモノマーの調製
前記で得られたプレポリマー溶液100部、メタクリロイルオキシイソシアネート0.1部、ハイドロキノン0.02部およびジブチル錫ラウレート0.02部を前記と同様の反応容器内に入れ、窒素ガスと空気との混合気体を吹き込みながら70℃で5時間反応させ、ガラス転移温度が−70℃のマクロモノマーを得た。得られたマクロモノマーの重量平均分子量を実施例1と同様にして測定したところ、その重量平均分子量は20万であった。
【0101】
(3)グラフト共重合体の調製
前記反応容器内に、アクリル酸メチル15部、アクリル酸ブチル75部、アクリル酸10部、前記で得られたマクロモノマー10部(不揮発分量)、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、枝ポリマーがアクリル酸2−エチルヘキシル系マクロモノマーであるグラフト共重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0102】
次に、前記で得られたグラフト共重合体100部に4官能エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)商品名:テトラッドC〕0.3部を添加することにより、感圧接着剤を得た。
【0103】
得られた感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして粘着テープを作製した。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0104】
比較例1
アクリル酸メチル30部、アクリル酸2−エチルヘキシル60部、アクリル酸10部、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られた重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0105】
次に、前記で得られた重合体100部に4官能エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)商品名:テトラッドC〕0.3部を添加することにより、感圧接着剤を得た。
【0106】
得られた感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして粘着テープを作製した。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0107】
比較例2
(1)プレポリマーの調製
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2−メルカプトエタノール0.1部およびアゾイソブチロニトリル0.05部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、末端水酸基のプレポリマー溶液を得た(不揮発分量:50質量%)。
【0108】
(2)マクロモノマーの調製
前記で得られたプレポリマー溶液100部、メタクリロイルオキシイソシアネート0.1部、ハイドロキノン0.02部およびジブチル錫ラウレート0.02部を前記と同様の反応容器内に入れ、窒素ガスと空気との混合気体を吹き込みながら70℃で5時間反応させ、ガラス転移温度が−70℃のマクロモノマーを得た。得られたマクロモノマーの重量平均分子量を実施例1と同様にして測定したところ、その重量平均分子量は5万であった。
【0109】
(3)グラフト共重合体の調製
前記反応容器内に、アクリル酸メチル30部、アクリル酸2−エチルヘキシル60部、アクリル酸10部、前記で得られたマクロモノマー10部(不揮発分量)、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、枝ポリマーがアクリル酸2−エチルヘキシル系マクロモノマーであるグラフト共重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0110】
次に、前記で得られたグラフト共重合体100部に4官能エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)商品名:テトラッドC〕0.3部を添加することにより、感圧接着剤を得た。
【0111】
得られた感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして粘着テープを作製した。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0112】
比較例3
(1)プレポリマーの調製
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、アクリル酸メチル100部、2−メルカプトエタノール0.1部およびアゾイソブチロニトリル0.05部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、末端水酸基のプレポリマー溶液を得た(不揮発分量:50質量%)。
【0113】
(2)マクロモノマーの調製
前記で得られたプレポリマー溶液100部、メタクリロイルオキシイソシアネート0.1部、ハイドロキノン0.02部およびジブチル錫ラウレート0.02部を前記と同様の反応容器内に入れ、窒素ガスと空気の混合気体を吹き込みながら70℃で5時間反応させ、ガラス転移温度が9℃のマクロモノマーを得た。得られたマクロモノマーの重量平均分子量を実施例1と同様にして測定したところ、その重量平均分子量は5万であった。
【0114】
(3)グラフト共重合体の調製
前記反応容器内に、アクリル酸ブチル90部、アクリル酸10部、前記で得られたマクロモノマー10部(不揮発分量)、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、枝ポリマーがアクリル酸メチル系マクロモノマーであるグラフト共重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0115】
次に、前記で得られたグラフト共重合体100部に4官能エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)商品名:テトラッドC〕0.3部を添加することにより、感圧接着剤を得た。
【0116】
得られた感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして粘着テープを作製した。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0117】
比較例4
特許文献3に記載の感圧接着剤を以下の方法にしたがって調製した。
(1)プレポリマーの調製
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2−メルカプトエタノール0.1部およびアゾイソブチロニトリル0.05部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、末端水酸基のプレポリマー溶液を得た(不揮発分量:50質量%)。
【0118】
(2)マクロモノマーの調製
前記で得られたプレポリマー溶液100部、メタクリロイルオキシイソシアネート0.1部、ハイドロキノン0.02部およびトリエチルアミン0.02部を前記と同様の反応容器内に入れ、窒素ガス雰囲気中にて70℃で5時間反応させ、ガラス転移温度が−70℃のマクロモノマーを得た。得られたマクロモノマーの数平均分子量を測定したところ、その数平均分子量は6300であった。
【0119】
(3)グラフト共重合体の調製
前記反応容器内に、アクリル酸エチル62部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1部、アクリル酸2部、前記で得られたマクロモノマー35部(不揮発分量)、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガスと空気の混合気体を吹き込みながら80℃で5時間反応させ、枝ポリマーがアクリル酸2−エチルへキシル系マクロモノマーであるグラフト共重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0120】
前記で得られたグラフト共重合体を感圧接着剤として用い、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0121】
比較例5
特許文献4に記載の感圧接着剤を以下の方法にしたがって調製した。
(1)プレポリマーの調製
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、アクリル酸2−エチルヘキシル85質量%とアクリル酸メチル15質量%部とからなる混合物5部、2−メルカプトエタノール0.1部およびアゾイソブチロニトリル0.05部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、末端水酸基のプレポリマー溶液を得た(不揮発分量:50質量%)。
【0122】
(2)マクロモノマーの調製
前記で得られたプレポリマー溶液100部、メタクリロイルオキシイソシアネート0.1部、ハイドロキノン0.02部およびジブチル錫ラウレート0.02部を前記と同様の反応容器内に入れ、窒素ガスと空気の混合気体を吹き込みながら70℃で5時間反応させ、ガラス転移温度が−61℃のマクロモノマーを得た。得られたマクロモノマーの重量平均分子量を実施例1と同様にして測定したところ、その重量平均分子量は1.3万であった。
【0123】
(3)グラフト共重合体の調製
前記反応容器内に、アクリル酸イソオクチル90質量%、酢酸ビニル6質量%およびアクリル酸4質量%からなる混合物0.01部、前記で得られたマクロモノマー5部(不揮発分量)0.01部、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、グラフト共重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0124】
次に、前記で得られたグラフト共重合体100部に4官能エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)商品名:テトラッドC〕0.3部を添加することにより、感圧接着剤を得た。
【0125】
得られた感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして粘着テープを作製した。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0126】
比較例6
特許文献2に記載の感圧接着剤を以下の方法にしたがって調製した。
(1)プレポリマーの調製
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2−メルカプトエタノール0.1部およびアゾイソブチロニトリル0.05部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、末端水酸基のプレポリマー溶液を得た(不揮発分量:50質量%)。
【0127】
(2)マクロモノマーの調製
前記で得られたプレポリマー溶液100部、メタクリロイルオキシイソシアネート0.1部、ハイドロキノン0.02部およびジブチル錫ラウレート0.02部を前記と同様の反応容器内に入れ、窒素ガスと空気の混合気体を吹き込みながら70℃で5時間反応させ、ガラス転移温度が−70℃のマクロモノマーを得た。得られたマクロモノマーの重量平均分子量を実施例1と同様にして測定したところ、その重量平均分子量は3.6万であった。
【0128】
(3)グラフト共重合体の調製
前記反応容器内に、アクリル酸2−エチルヘキシル60部、アクリル酸10部、前記で得られたマクロモノマー30部(不揮発分量)、アゾイソブチロニトリル0.05部および酢酸エチル100部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で5時間反応させ、枝ポリマーがアクリル酸2−エチルヘキシル系マクロモノマーであるグラフト共重合体を得た(不揮発分量:50質量%)。得られたグラフト共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
【0129】
次に、前記で得られたグラフト共重合体100部に4官能エポキシ系架橋剤〔三菱ガス化学(株)商品名:テトラッドC〕0.3部を添加することにより、感圧接着剤を得た。
【0130】
得られた感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして粘着テープを作製した。得られた粘着テープを40℃の雰囲気中で3日間放置した後、感圧接着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0131】
【表1】

【0132】
表1に示された結果から、各実施例で得られた感圧接着剤は、いずれも被着体に貼り付ける際の初期密着性に優れるとともに、高温下に曝された後であっても高粘着性を維持し、貼り付け不良を抑制するという優れた効果を奏するものであることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル系共重合体を幹ポリマーとし、(メタ)アクリル系マクロモノマーを枝ポリマーとする(メタ)アクリル系グラフト共重合体と架橋剤とを含有することを特徴とする感圧接着剤。

【公開番号】特開2011−213885(P2011−213885A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83966(P2010−83966)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】