説明

感染の処置に全面的解決を与えるための抗生物質の組合せ

本発明は、新規な医薬組成物、感染を処置する方法、および組成物を製造する方法に関する。感染性合併症は、罹患率および死亡率の重要な原因である。院内感染肺炎(HAP)は、集中治療室内での最も重い病院内の感染症であり続けている。β−ラクタム単剤は、緑膿菌および/またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が病原もしくは共同病原と考えられるときは、常に、不適切であると見なされる。本発明は、すべての細菌感染を制御するための、所望される経験的治療法を提供する。本発明は、少なくとも2種類の異なる抗生物質を、アミカシンまたはその硫酸塩であるタンパク質合成阻害抗生物質、およびセフェピムまたはその塩酸塩である非タンパク質合成阻害抗生物質を含む、非経口的投与形態を用いて送達するための抗生物質併用製品を提供する。本発明は、多耐性緑膿菌もしくはアシネトバクター属の種、および/またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する全面的解決を与え、急性または重症の感染に罹患した入院患者向けの抗生物質として、筋内または静脈内投与に役立つ。本明細書に記載された医薬組成物は、通常、最低の腎毒性を有し、セフェピムにアミカシンを加える組合せの、より優れた薬効および安全性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる少なくとも2種類の抗生物質を送達するための抗生物質併用製品であって、ここで製品は、非経口的投与形態を含み、該異なる2種類の抗生物質は、少なくとも1種類のタンパク質合成阻害抗生物質、および少なくとも1種類の非タンパク質合成阻害抗生物質/細菌細胞壁合成阻害抗生物質を含み、ここで、第一の抗生物質中には、硫酸塩として存在するアミカシンが塩酸塩として存在するセフェピムと相乗的に作用して、多耐性の緑膿菌(P. aerginosa)もしくはアシネトバクター属の種、および/またはメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌(S. aureus)に対する全面的解決を与え、急性または重症の感染に罹患した入院患者向けの抗生物質として、筋内または静脈内投与に役立つ抗生物質併用製品に関する。本明細書に記載された医薬組成物は、通常、最低の腎毒性を有し、アミカシンおよびセフェピムの組合せの、より優れた薬効および安全性を有する。
【背景技術】
【0002】
セファロスポリンは、抗生物質療法の大黒柱の一つであり、第三世代セファロスポリンは、病院内に起源を有するものを含む、多種類の重い感染の処置のための第一線の薬剤である。セフォタキシム、セフォペラゾン、セフトリアキソンおよびセフタジジムのような現在入手可能な第三世代セファロスポリンの活性と、これらの薬剤のいくつかに対するグラム陰性菌、特に肺炎桿菌、緑膿菌およびエンテロバクター属の種の耐性に関する報告の増加との隔たりによって、新たな化合物を調査することが必要になっている。セフタジジムは、肺炎、尿路感染症、ならびに皮膚および皮膚組織感染症のような重い感染の経験的処置に用いられる、一般的に処方される第三世代セファロスポリンであるが、単独ではより効果が少なく、容易に耐性を生じさせることが見出されている。セフェピムは、腸内細菌科の多耐性株を含む、グラム陽性およびグラム陰性菌に対する広範囲の活性を有する、第四世代セファロスポリンであって、選ばれた薬物であるが、多耐性緑膿菌もしくはアシネトバクター属の種、および/またはメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌のために、使用が限られている。そのため、本発明のように、より低い毒性および最高の適合性を有する、第四世代セファロスポリンとアミノグリコシドとの併用が必要とされる。
【0003】
アミノグリコシド(特にゲンタマイシンおよびトブラマイシン)の腎毒性効果は、セファロスポリン(特にセファロチン[cefalotinまたはcephalothin]の同時使用によって増大しかねない。しかし、いくつかのセファロスポリン(セフロキシム、セフォタキシム、セフタジジムおよびセフェピム)は、不都合に作用し合うことがないようである[Plager, J.E., Cancer, 1976; 37: 1937-43]。本発明では、アミカシンをセフェピムと併用していて、他の組合せと比較すると、より腎毒性が少ない[Barbhaiya, R.H.ら、Antimicrob. Agents in Chemother., 1992; 36: 1382-6]。
【0004】
熱性好中球減少症は、抗癌化学療法の一般的な結果であって、好中球数が1立方mmあたり500未満になる[Hughesら、1997, level 2]。骨髄抑制化学療法を受ける癌患者は、重い好中球減少症を発症し、生命に関わる感染を発症する危険性が高い[Charnas, LuthiおよびRuch、1997, level 1;Comettaら、1996]。細菌感染は、好中球減少症の癌患者における罹患率および死亡率の一般的な原因であって[FreifeldおよびPizzo、1997, level 9]、発熱症状の微生物学的原因が、約40%の症例で立証されている[Charnas, LuthiおよびRuch、1997, level 1]。これらの患者には、腸内細菌科、肺炎桿菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌および緑色連鎖球菌感染の危険性がある[Charnas, LuthiおよびRuch、1997, level 1;Patrick、1997]。熱性好中球減少症の患者は、彼らが充分な炎症性応答に達することができないため、また現在の診断試験が、発熱症状の微生物学的原因を特定するか、または排除するのに充分なほど迅速、高感度もしくは特異的ではないため、経験的に処置されなければならない場合がある。熱性好中球減少症の患者に適切な抗生物質療法としての本発明の、血液培養の結果を24〜48時間待つことのない迅速な策定は、化学療法を受ける癌集団における感染関連の罹患率および死亡率を、劇的に低下させる。
【0005】
院内感染肺炎(HAP)は、集中治療室(ICU)内での最も重い病院内の感染症であり続けている。死亡率に影響を及ぼすいくつかの要因は、特定されている。発生因としての菌血症、および緑膿菌またはアシネトバクター属の種は、死亡率を上昇させる。β−ラクタム単剤は、緑膿菌および/またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が病原もしくは共同病原と考えられるときは、常に、不適切であると見なされた。
【0006】
病因および抗菌感受性を知る以前に設けられた処置は、経験的である。したがって、本発明は、HAP患者におけるこれらの細菌感染を制御するための、所望される経験的治療法を提供する。
【0007】
感染性合併症は、血液学的な悪性に対する集中的な化学療法後の深刻かつ長期的な好中球減少症を伴う癌の患者では特に、罹患率および死亡率の重要な原因である。そのため、癌の好中球減少症患者における発熱の開始時の、経験的な広域抗生物質の迅速な投与は、死亡率の低下を立証するSchimpffらによる1971年の報告[New England Journal of Medicin, 284, 1061-5]以来、標準的な看護となっている。抗プソイドモナス性β−ラクタムに加えてのアミノグリコシドによる併用療法は、このやり方が広域の網羅性、殺菌活性、および潜在的な相乗効果を与え、処置の間の耐性の発生を最小化することから、一般的に推奨されている。ピペラシリン−タゾバクタム(tazobactam)およびセフタジジムは、一定の症例では腎毒性、およびより少ない薬効を有する、ゲンタマイシンおよびトブラマイシンのようなアミノグリコシドと併用されている。本発明は、慣用の治療法に優る最先端を提供する[Cometta, A. Zinner, S., De Bock, R., Calandra, T., Gaya, H., Klastersky, J.ら(1995)、Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 39, 445-52]。
【0008】
Beaucaire, G.ら(1999)は、Ann. Fr. Anesth. Reanim; Feb.; 18(2):186-95で、院内肺炎に罹患した機械的換気下の患者におけるセフェピム(2gx2/日)+アミカシン(7.5mg/kgx2/日)(=cefe-ami)とセフタジジム(2gx3/日)+アミカシン(7.5mg/kgx2/日)(=cefta-ami)との比較を研究している。cefe-amiおよびcefta-ami併用の薬効率は、院内肺炎の機械的換気下にあるICU患者では同程度であった。しかし、cefe-ami連合は、細菌学的に立証された肺炎の集団の方が有意に有能であった。Chudanova, T.V.ら(2003)[Antibiot. Khimioter., 48(7):29-32]は、異なる形態の血芽球症の患者80名の処置で、アミカシンとのセフェピム(マキシピム(Maxipime))の組合せの結果をアミカシンとのセフトリアキソンの組合せと対比して研究し、提示した。彼らは、セフェピムおよびアミカシンによる処置の平均期間が13(8〜16)日に等しいことを見出した。セフェピム+アミカシンによる処置は、患者40名中38名で好成績であった(95%)。セフトリアキソンおよびアミカシンによる処置の平均期間は、14(7〜18)日に等しかった。セフトリアキソン+アミカシンによる処置の薬効は、60%(患者40名中24)。
【0009】
スペインのPETHENMA Group 2002を代表するMiguel A. Sanzら[J. Antimicrob. Chemother. Jul.; 50(1):79-88]。この将来性のある多センター試験で、984例の熱性好中球減少症の症状を有する患者969名を無作為抽出して、セフェピム(8時間ごとに2g)またはピペラシリン−タゾバクタム(6時間ごとに4g/500mg)のいずれかと組み合わせたアミカシン(24時間ごとに20mg/kg)を静脈内摂取させた。72時間および治療完了時に、臨床的応答を決定した。薬物関連の不都合な事象は、セフェピム+アミカシンでの10%に対して、ピペラシリン−タゾバクタム+アミカシンの患者での11%で報告された。感染による死亡率は、合計して患者10名に生じた(セフェピム2、ピペラシリン−タゾバクタム8)。
【0010】
同様に、Barbhaiya, R.H.らは、彼らの論文「Lack of pharmacokinetic interaction between Cefepime and Amikacin in Humans」[Antimicrobial Agents & Chemotherapy, July 1992, pp1382-6]中で、またSanz, Miguel, A.らは、彼らの論文「Cefepime plus amikacin versus piperacillin-tazobactam plus amikacin….」[Antimicrobial Agents & Chemotherapy, 2002, pp79-88]中で、セフェピムおよびアミカシン同時投与の使用について言及している。
【0011】
先行技術で言及されたような同時投与は、ここに述べられたような数多くの短所を有する:
(A)組合せとして言及された薬物は、逐次的に投与されている。
(B)これらの薬物は、予め混合された組合せでは利用できない。その上、薬物成分の一方は液体(直ちに使用できる)として、他方は注射用の乾燥粉末として利用できる。
(C)より多くの穿刺を必要とし、投与の時間も長いため、薬物の投与には複雑性を必然的に伴う。
(D)アミノグリコシドの過剰な投与の症例では、腎毒性の機会が増大する。
【0012】
先行技術でなされるようなアミカシンおよびセフェピムの個別投与または同時投与のその他いくつかの欠点は:
(a)これらの薬物の個別投与の場合は約20日まで、同時投与の場合は約13日まで、処置の時間が延長される。
(b)入院時間の増加のために、患者にかかるコストが相対的に高い。
(c)用量が一貫しないために、失敗率が相対的に高い。たとえば、Beaucaire, G.ら(1999)は、セフェピム(2gx2/日)+アミカシン(7.5mg/kgx2/日)を用い、Miguel, A. Sanzら(2002)によって、アミカシン(24時間ごとに20mg/kg)はやはりセフェピム(8時間ごとに2g)と併用された。
【0013】
先行技術に記載された薬物のアミカシンおよびセフェピムなる成分の個別投与は、以下の理由のために、処置の問題を満足に解決することができない。
(a)成分は、異なる用量で逐次的かつ個別的に投与される。
(b)成分は、等しい比率で投与されるか、または比率は、不明確であり、一定していない。
(c)そのような処置の成功率は、望みの水準どおりではない。
【0014】
また、適切な用量が患者にとって利用可能ではなく、先行技術の場合では、耐性発生の機会が上昇する。
【0015】
そのため、先行技術は、代表的な問題に対処しないことが提起されていて、その解決は、本発明によって提供される。
【0016】
その規定された処置時間での先行技術のアミカシンおよびセフェピムの個々の用量は、本発明の組合せより高価である。コストに対する成果の比較を、参考のために提供する。
【0017】
上記により、急性または重症の細菌感染を有する入院患者向けの筋内および/もしくは静脈内投与に役立つ、抗生物質の組成物の医薬組成物を提供することによって、特に多耐性緑膿菌もしくはアシネトバクター属の種、および/またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する全面的解決を与える必要が存在する。
【0018】
本発明の目的および利点
したがって、本発明の目的および利点を以下に記載する:
【0019】
本発明の目的は、急性/重症の細菌感染に対する効果的な抗生物質併用製品を提供することである。
【0020】
本発明のもう一つの目的は、良好な薬効および安全性を有する医薬組成物を提供することである。
【0021】
本発明の更に一つの目的は、最小の腎毒性を有する医薬組成物を提供することである。
【0022】
本発明の更にもう一つの目的は、急性または重症の感染を有する入院患者向けの筋内および/もしくは静脈内投与のための薬学的有効用量を提供することである。
【0023】
本発明のもう一つの目的は、入院の時間を短縮することである。
【0024】
本発明の更に一つの目的は、患者に対する処置のコストを削減することである。
【0025】
本発明のその他の目的および利点は、後述される本発明の詳細な説明から明らかになると思われる。
【0026】
発明の要約
本発明は、新規な医薬組成物、感染を処置する方法、および組成物を製造する方法に関するものである。感染性合併症は、罹患率および死亡率の重要な原因である。院内感染肺炎(HAP)は、集中治療室内での最も重い病院内の感染症であり続けている。β−ラクタム単剤は、緑膿菌および/またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が病原もしくは共同病原と考えられるときは、常に、不適切であると見なされる。本発明は、すべての細菌感染を制御するための、所望される経験的治療法を提供する。本発明は、少なくとも2種類の異なる抗生物質を、アミカシンまたはその硫酸塩であるタンパク質合成阻害抗生物質、およびセフェピムまたはその塩酸塩である非タンパク質合成阻害抗生物質を含む、非経口的投与形態を用いて送達するための抗生物質併用製品を提供する。本発明は、多耐性緑膿菌もしくはアシネトバクター属の種、および/またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する全面的解決を与え、急性または重症の感染に罹患した入院患者向けの抗生物質として、筋内または静脈内投与に役立つ。本明細書に記載された医薬組成物は、通常、最低の腎毒性を有し、アミカシンおよびセフェピムの組合せの、より優れた薬効および安全性を有する。
【0027】
発明の説明
本発明は、抗生物質組成物、およびその使用に関する。より詳しくは、本発明は、異なる2種類の抗生物質を非経口的に送達するための組成物、およびその組合せの使用に関する。
【0028】
多くの場合、細菌感染の処置には異なる2種類の抗生物質を用い、そのような抗生物質は、広域の網羅性、抗菌活性、および潜在的な相乗効果を促進する相補的な作用機序を有し、および重症または急性の細菌感染の処置の間の耐性の発生を最小化することが望ましい。
【0029】
用語「タンパク質合成阻害抗生物質」は、通常はポリペプチド鎖の開始および延長を達成する、細菌のリボソームサイクルを破壊する薬剤を意味する。リボソームサイクルには、これが起こり得る多数の個所が存在する。
【0030】
用語「非タンパク質合成阻害抗生物質」は、タンパク質合成阻害抗生物質以外の抗生物質を意味する。
【0031】
「タンパク質合成阻害抗生物質」の非限定的な代表例としては、ストレプトマイシン、アミカシン、ネチルマイシンおよびトブラマイシンのようなアミノグリコシド系;エリスロマイシンおよびリンコマイシンのようなマクロライド系;テトラサイクリン、ドキシサイクリン、クロルテトラサイクリンおよびミノサイクリンのようなテトラサイクリン系;リネゾリドのようなオキサゾリジノン系;フシジン酸;ならびにクロラムフェニコールが列挙され得る。
【0032】
「非タンパク質合成阻害抗生物質」の非限定的な代表例としては、ペニシリン、ジクロキサシリンおよびアンピシリンのようなβ−ラクタムペニシリン系;セフェピム、セフタジジム、セフォタキシム、セフロキシム、セファクロルおよびセフトリアキソンのようなβ−ラクタムセファロスポリン系;イミペネムおよびメロペネムのようなβ−ラクタムカルバペネム系;シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシンのようなキノロン系;スルファニルアミドおよびスルファメトキサゾールのようなスルホンアミド系;メトロニダゾール;リファンピン;バンコマイシン;ならびにニトロフラントインが列挙され得る。
【0033】
抗生物質は、薬学的に許容される塩の形態であってもよい。薬学的に許容される塩は、抗生物質の塩として製薬業界で一般的に用いることができるものを意味して、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの塩、およびプロカイン、ジベンジルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、メチルグルカミン、タウリンなどのようなアミン塩、ならびに塩酸塩および塩基性アミノ酸などのような酸付加塩を含む。
【0034】
以下、本発明の異なる実施態様を詳述する。
【0035】
本発明は、基本的には、感染の処置に全面的解決を与えるための、抗生物質の組合せであって、前記組合せは薬学的に許容され、
(a)第一の抗生物質および第二の抗生物質(前記第一の抗生物質はタンパク質合成阻害抗生物質であり、前記第二の抗生物質は非タンパク質合成阻害抗生物質である)と;
(b)更に安定剤を含む
を含む組合せを提供する。
【0036】
この抗生物質の組合せでは、前記第一の抗生物質は、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、アミカシンおよびトブラマイシンのようなアミノグリコシド系、ならびにエリスロマイシンおよびリンコマイシンのようなマクロライド系;テトラサイクリン、ドキシサイクリン、クロルテトラサイクリンおよびミノサイクリンのようなテトラサイクリン系;リネゾロイドのようなオキサリジノン系;ならびにフシジン酸;およびクロラムフェニコールからなる群から選ばれる。
【0037】
この抗生物質の組合せでは、前記第一の抗生物質は、好ましくは、ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシン、カナマイシンおよびネチルミシンからなる群から選ばれるアミノグリコシド、または薬学的に許容されるこれらのいずれかの塩、より好ましくは、アミカシンまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0038】
この抗生物質の組合せでは、前記薬学的に許容されるアミカシンの塩は、硫酸塩、すなわちアミカシン硫酸塩である。アミカシン硫酸塩は、カナマイシンから誘導される半合成アミノグリコシド系抗生物質であって、化学名D−ストレプトアミン,O−3−アミノ−3−デオキシ−α−d−グルコピラノシル(1→6)−O−[6−アミノ−6−デオキシ−α−D−グルコピラノシル(1→4)]−N1−(4−アミノ−2−ヒドロキシ−1−オキソブチル)−2−デオキシ−,(S)−,スルファート(1:2)(塩)を有し、781.76の分子量の分子式C2243513・2H2SO4を有する。
【0039】
この抗生物質の組合せでは、前記第二の抗生物質は、ペニシリン、ジクロキサシリンおよびアンピシリンのようなβ−ラクタムペニシリン系;セフェピム、セフタジジム、セフォタキシム、セフロキシム、セファクロルおよびセフトリアキソンのようなβ−ラクタムセファロスポリン系;イミペネムおよびメロペネムのようなβ−ラクタムカルバペネム系;シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシンのようなキノロン系;スルファニルイミドおよびスルファメトキサゾールのようなスルホンアミド系;メトロニダゾール;リファンピシン;バンコマイシン;ならびにニトロフラントインからなる群から選ばれる。
【0040】
この抗生物質の組合せでは、前記β−ラクタムセファロスポリンは、好ましくは、セフェピム、より好ましくは、セフェピムの塩酸塩のような、薬学的に許容されるセフェピムの塩、すなわち塩酸セフェピムである。塩酸セフェピムは、非経口投与のための半合成、広域のセファロスポリン抗生物質であり、化学名1−[[(6R,7R)−7−[2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−グリオキシルアミド]−2−カルボキシ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−3−イル]メチル]−1−メチルピロリジニウムクロリド、72−(Z)−(O−メチルオキシム)一塩酸塩一水和物を有し、571.5の分子量の分子式C1925ClN652・HCl・H2Oを有する、白色ないし淡黄色の粉末であり、水に非常に易溶性である。
【0041】
この前記抗生物質の組合せでは、前記第一の抗生物質対前記第二の抗生物質の重量比は、約1:5〜約5:1、好ましくは約1:4〜約4:1、より好ましくは約1:3〜約3:1の範囲内にある。
【0042】
本発明の抗生物質の組合せは、l−アルギニンのような安定剤を更に含んで、l−アルギニンの重量は、前記第一の抗生物質および第二の抗生物質の併せた重さの約35%〜約75%の範囲内にある。
【0043】
この抗生物質の組合せでは、投与形態は、非経口投与形態である。全ての前記投与量は、好ましくは、1日2回、患者の状態および感染の重篤度に応じて、1日の12時間を越えて拡張されて患者に投与される。
【0044】
この抗生物質の組合せでは、前記第一の抗生物質および前記第二の抗生物質は、前記非経口投与形態から放出されたとき、放出とほぼ同時に最高血清濃度に到達する。
【0045】
あるいは、この抗生物質の組合せでは、前記第一の抗生物質および前記第二の抗生物質は、前記非経口投与形態から放出されたとき、約30分〜約180分、好ましくは約30分〜約90分の時間の範囲内に最高血清濃度に到達する。
【0046】
本発明の実施態様は、
(a)前記第一の抗生物質がアミカシンまたは薬学的に許容されるその塩であって、アミカシンの遊離酸として算出して約50mg〜約75mgの範囲内の量で存在し、
(b)前記第二の抗生物質がセフェピムまたは薬学的に許容されるその塩であって、セフェピムの遊離酸として算出して約250mg〜約500mgの範囲内の量で存在し、
(c)前記組成物が、約75mg〜約150mgの範囲内の量で存在するl−アルギニンを安定剤として更に含み、前記抗生物質の組合せが水3mlを用いて注射用に再構成される
抗生物質の組合せを包含する。
【0047】
本発明のもう一つの実施態様は、
(a)前記第一の抗生物質がアミカシンまたは薬学的に許容されるその塩であって、アミカシンの遊離酸として算出して約100mg〜約150mgの範囲内の量で存在し、
(b)前記第二の抗生物質がセフェピムまたは薬学的に許容されるその塩であって、セフェピムの遊離酸として算出して約500mg〜約1gの範囲内の量で存在し、
(c)前記組成物が、約150mg〜約300mgの範囲内の量で存在するl−アルギニンを安定剤として更に含み、前記抗生物質の組合せが水5mlを用いて注射用に再構成される
抗生物質の組合せを包含する。
【0048】
本発明の更に一つの実施態様は、
(a)前記第一の抗生物質がアミカシンまたは薬学的に許容されるその塩であって、アミカシンの遊離酸として算出して約200mg〜約300mgの範囲内の量で存在し、
(b)前記第二の抗生物質がセフェピムまたは薬学的に許容されるその塩であって、セフェピムの遊離酸として算出して約1g〜約2gの範囲内の量で存在し、
(c)前記組成物が、約300mg〜約600mgの範囲内の量で存在するl−アルギニンを安定剤として更に含み、前記抗生物質の組合せが水10mlを用いて注射用に再構成される
抗生物質の組合せを包含する。
【0049】
本発明の更にもう一つの実施態様は、
(a)前記第一の抗生物質がアミカシンまたは薬学的に許容されるその塩であって、アミカシンの遊離酸として算出して約400mg〜600mgの量で存在し、
(b)前記第二の抗生物質がセフェピムまたは薬学的に許容されるその塩であって、セフェピムの遊離酸として算出して約2g〜4gの量で存在し、
(c)前記組成物が、約600mg〜1.2gの範囲内の量で存在するl−アルギニンを安定剤として更に含み、前記抗生物質の組合せが水20mlを用いて注射用に再構成される
抗生物質の組合せを包含する。
【0050】
本発明では、前記抗生物質の組合せの薬学的に有効な単位用量は、前記用量の濃縮物の形態で、バイアル、モノバイアル、アンプル、注射筒、小包、小袋およびオートインジェクターからなる群から選ばれる、密封された気密容器内に与えられて、前記容器は、前記抗生物質の組合せの適切な再構成された溶液の形態で単位/多重用量を形成するのに充分な、適切な量の水性溶媒を導入するのに充分なヘッドスペース容積を有する。
【0051】
本発明では、抗生物質の組合せは、乾燥した無菌粉末の形態で、密封された気密容器内に与えられて、急性または重症の細菌感染の処置のために筋内もしくは静脈内投与される前の再構成に必要とされる、薬学的に許容される一定した用量の組合せを形成する。再構成後の併用投与形態は、無菌、無色ないし淡黄色の溶液であって、構成された溶液のpHは、約3.5〜約6.5の範囲内にある。
【0052】
本発明では、抗生物質の組合せは、あるいは、適切なハロゲン化された栓およびシールで蓋をされた、透明なガラスバイアルのような、密封された容器内に与えられ、急性または重症の細菌感染の処置のために筋内もしくは静脈内投与されるための再構成に用いられる。
【0053】
密封された気密容器の充填容積については、本発明の抗生物質の組合せは、バイアル、モノバイアル、アンプル、注射筒、小包、小袋およびオートインジェクターからなる群から選ばれる、密封された気密容器内に再構成された形態で与えられて、前記容器の内部空間は、再構成された形態での前記組成物によって占有された充填容積、および不活性ガスで限定された微量大気によって無菌的に占有されたヘッドスペース容積を含み、前記微量大気は、希ガスおよび窒素、好ましくは窒素からなる群から選ばれる、基本的に1種類以上の不活性ガスを含み、前記窒素気体の量は、前記ヘッドスペース容積の5%以下であり、前記ヘッドスペース容積に対する前記充填容積の比は、1:1以上である。
【0054】
抗生物質の組合せの本発明では、前記アミカシンまたは前記薬学的に許容されるその塩、および前記セフェピムまたは前記薬学的に許容されるその塩は、不活性ガスの被覆下で無菌的に充填された前記密封された容器内に、一回分の単位/複数回分用量に相当する薬学的に有効な総量として存在する。
【0055】
状態または障害を有する対象者を処置する方法であって、処置がアミカシンまたは薬学的に許容されるその塩、およびセフェピムまたは薬学的に許容されるその塩による方法が示されて、方法は、治療有効量のこれら2種類の抗生物質の組合せを哺乳動物に非経口的に投与することを含む。
【0056】
本発明の実施態様は、急性または重症の細菌感染を処置するための全面的解決を与える抗生物質の組合せを調製する方法であって、
(a)第一および第二の活性成分を無菌充填/混合する工程(前記第一の活性成分は、アミカシンまたは薬学的に許容されるその塩、好ましくは硫酸塩である第一の抗生物質を含み;前記第二の成分は、セフェピムまたは薬学的に許容されるその塩、好ましくは塩酸セフェピムである第二の抗生物質である)、
(b)l−アルギニンのような安定剤を無菌添加/混合する工程(前記l−アルギニンの重量は、前記第一の抗生物質および前記第二の抗生物質の併せた重量の約35%〜約75%の範囲内にある)、
(c)前記無菌混合を約1時間〜約4時間にわたる期間継続する工程、
(d)工程(a)の無菌充填物/混合物を、約1:5〜約5:1、好ましくは約1:4〜約4:1、より好ましくは約1:3〜約3:1の範囲内にある前記第一の抗生物質対前記第二の抗生物質の重量比で、所望される薬学的有効用量を得るよう配分する工程、および
(e)不活性ガスの前後給気によって無菌的に塞栓する工程
を含む方法を包含する。
【0057】
本発明の一つの好適な実施態様によれば、アミカシンおよびセフェピムによる処置の平均期間は、9(8〜10)日に等しかった。アミカシンおよびセフェピムによる処置は、95%を越える患者で成功である。
【0058】
一般的には、本発明は、2種類以上の乾燥粉末を適切な溶媒を用いて注射の前に再構成する、無菌充填物/混合物として利用可能である。
【0059】
好適な実施態様では、抗生物質製品は、好ましくは、1日2回の製品であって、抗生物質製品の投与は、投与前に適切な輸液、たとえば0.9%塩化ナトリウム、5%デキストロース輸注液、0.5%もしくは1%の塩酸リドカイン、またはパラベンもしくはベンジルアルコールによる注射のための無菌の静菌性の水で希釈される、濃縮物である。好適な投与計画は、患者の状態および感染の重篤度に応じて、製品を12時間にわたって2回投与するというものである。
【0060】
本発明の重要な特徴の一つは、セフェピムおよびアミカシンの双方が、安定剤とともに乾燥粉末の形態で存在するということである。組合せは、2種類の異なる注射、すなわち、乾燥粉末の注射として利用できるセフェピム、および液体による直ちに使用できる注射として利用できるアミカシンの同時投与に関して既述された先行技術に匹敵するような、単一の製品であることである。
【0061】
本発明の新規な特徴は、初めて所定の比率として用いようとする、アミカシンおよびセフェピムの併用である。安定性については、結果が出ている。加速安定性の別個の報告を、参考までに添付する。
【0062】
本発明のもう一つの新規な特徴は、アミカシンおよびセフェピムを併用することによって、患者の処置の継続期間が短縮され、それによって、患者の入院期間を短縮することである。その上、より多くの数の患者を同じ継続期間中に処置することができるため、病院内の1床あたりの回転率を上昇させる。
【0063】
本発明者によって、本発明のアミカシンおよびセフェピムの組合せが、組合せの成分を個々に投与するより高い成功率を有することも観察されている。感受性の比較研究の結果を提供する。
【0064】
本発明者によって、本発明の用量の投与後に報告された器官の変形または毒性がないことが更に観察されている。参考データを提供する。
【実施例】
【0065】
細菌範囲のいくつかに対する良好な薬効を裏付けるため、製品開発データの一部を提供する。実験的研究の詳細を、表1〜12に本発明に関連させて示す。
【0066】
細菌感受性試験:
バッチ第RTA02号のアミカシンおよびセフェピムについて、細菌感受性試験を実施した。異なる微生物に対してアミカシンおよびセフェピムの組合せを用いて、薬物の個々の成分と比較した組合せの薬効を分析した。異なる濃度を、データ中に最高、高、低および最低と称して選んだ。帯域幅は、mmとして決定した。アミカシンおよびセフェピムの活性は、大腸菌、肺炎桿菌、肺炎連鎖球菌、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、緑膿菌、黄色ブドウ球菌で最も良く認められた。この組合せは、個々の成分より良好に作用することが見出された。
【0067】
比率決定試験:
バッチ第RTA02号のアミカシンおよびセフェピムについて、比率決定試験を実行した。異なる微生物に対して異なる比率のアミカシンおよびセフェピムを用いた。異なる比率に対する細菌の溶菌帯域を、mmとして決定した。アミカシンおよびセフェピムの量は、20μgになるようにした。溶菌帯域は、1:4の比としたアミカシン−セフェピムの組合せで最大と決定された。
【0068】
安定性試験:
6ヶ月の継続期間のアミカシンおよびセフェピムの組合せについて、加速安定性試験を実施した。組合せは、安定的であると判明した。
【0069】
毒性試験:
げっ歯類に対して、動物行動、急性および亜急性毒性試験を実施した。ヒトで提案される用量より30倍まで多い併用用量を、実験動物に与えた。提唱される用量での併用は、無害であると判明した。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
【表3】

【0073】
【表4】

【0074】
【表5】

【0075】
【表6】

【0076】
【表7】

【0077】
【表8】

【0078】
【表9】

【0079】
【表10】

【0080】
【表11】

【0081】
【表12】

【0082】
備考:
1.手順は、すべて、STPに従って実施した。
2.製品は、40℃/75%の室温/湿度で6ヶ月間安定的であるとした。
【0083】
上の説明は、多くの具体的事項を含むが、これらは、発明の範囲の限定ではなく、その実施態様の例示として解釈しなければならない。他の多くの変化形が可能である。したがって、本発明の範囲は、例示された実施態様によってではなく、付記されたクレーム、およびその法的な均等物によって決定されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトを含む哺乳動物に対する抗菌性の一定した用量の併用療法として用いるための非経口的注射に適切な医薬組成物であって、抗生物質の改良された薬効の組合せ、好ましくは相乗的組合せの、ある量の流体、好ましくは注射用の水による再構成後に準備される、注射用の乾燥粉末プレミックスを含み、更に、
(a)少なくとも1種類のタンパク質合成阻害抗生物質と、
(b)約1:5〜約5:1、好ましくは約1:4〜約4:1、より好ましくは約1:3〜約3:1の重量比で、タンパク質合成阻害抗生物質ではない、セフスロジンナトリウム以外の少なくとももう1種類の適合抗生物質と混合されていることと、
(c)1種類以上の、アルギニン、L−リシン、ヒスチジン、ロイシン、システインなどを含むアミノ酸を含む安定剤を添加すること
を含む医薬組成物。
【請求項2】
(a)前記タンパク質合成阻害抗生物質が、ネチルマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン、アミカシンおよびトブラマイシンを含むアミノグリコシド系;エリスロマイシンおよびリンコマイシンを含むマクロライド系;テトラサイクリン、ドキシサイクリン、クロルテトラサイクリンおよびミノサイクリンを含むテトラサイクリン系;リネゾロイドを含むオキサゾリジノン系;ならびにフシジン酸の群から選ばれ;
(b)タンパク質合成阻害抗生物質ではない前記もう1種類の適合抗生物質が、ペニシリン、ジクロキサシリンおよびアンピシリンを更に含むβ−ラクタムペニシリン系;セフェピム、セフタジジム、セフォタキシム、セフロキシム、セファクロルおよびセフトリアキソンを更に含むβ−ラクタムセファロスポリン系;イミペネムおよびメロペネムを更に含むβ−ラクタムカルバペネム系;シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシンを更に含むキノロン;スルファニルアミドおよびスルファメトキサゾールを更に含むスルホンアミドを含むβ−ラクタム抗生物質;;バンコマイシン;またはニトロフラントインから選ばれ;
(c)前記安定剤が、l−アルギニンであって、l−アルギニンの重量が、組成物中の抗生物質を併せた重量の約35%〜約75%である
請求項1記載の組成物。
【請求項3】
(a)好適なタンパク質合成阻害抗生物質が、好ましくはストレプトマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシン、カナマイシンおよびネチルマイシン、または薬学的に許容されるこれらのいずれかの塩を含むアミノグリコシド;より好ましくはアミカシンまたは薬学的に許容されるその塩、すなわち硫酸アミカシン(前記硫酸アミカシンは、カナマイシンから誘導される半合成アミノグリコシド系抗生物質であって、化学名D−ストレプトアミン,O−3−アミノ−3−デオキシ−a−b−グルコピラノシル(1>6)−O−[6−アミノ−6−デオキシ−a−D−グルコピラノシル(1>4)]−N1−(4−アミノ−2−ヒドロキシ−1−オキソブチル)−2−デオキシ−(S)−スルファート(1:2)(塩)を有し、781.75の分子量の分子式C2243513・2H2SO4を有する)であり、
(b)タンパク質合成阻害活性を保有しない好適な抗生物質が、β−ラクタムセファロスポリン、より好ましくはセフェピム、さらにより好ましくは薬学的に許容されるセフェピムの塩、すなわち塩酸セフェピム(前記塩酸セフェピムは、非経口投与のための半合成、広域のセファロスポリン抗生物質であり、化学名1−[[(6R,7R)−7−[2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−グリオキシルアミド]−2−カルボキシ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−3−イル]メチル]−1−メチルピロリジニウムクロリド、7−(Z)−(O−メチルオキシム)一塩酸塩一水和物を有し、571.5の分子量の分子式C1925ClN652・HCl・H2Oを有する、白色ないし淡黄色の粉末であり、水に非常に易溶性である)である
請求項2記載の組成物。
【請求項4】
(a)アミカシンまたは薬学的に許容されるその塩が、アミカシンの遊離酸として算出して約50mg〜約75mgの範囲内の量で存在し、
(b)セフェピムまたは薬学的に許容されるその塩が、セフェピムの遊離酸として算出して約250mg〜約500mgの範囲内の量で存在し、
(c)安定剤としてのl−アルギニンが、約75mg〜約150mgの範囲内の量で存在する
請求項3記載の一回分用量の組成物。
【請求項5】
(a)アミカシンまたは薬学的に許容されるその塩が、アミカシンの遊離酸として算出して約100mg〜約150mgの範囲内の量で存在し、
(b)セフェピムまたは薬学的に許容されるその塩が、セフェピムの遊離酸として算出して約500mg〜約1gの範囲内の量で存在し、
(c)安定剤としてのl−アルギニンが、約150mg〜約300mgの範囲内の量で存在する
請求項3記載の複数回分用量の組成物。
【請求項6】
(a)アミカシンまたは薬学的に許容されるその塩が、アミカシンの遊離酸として算出して約400mg〜約600mgの範囲内の量で存在し、
(b)セフェピムまたは薬学的に許容されるその塩が、セフェピムの遊離酸として算出して約2g〜約4gの範囲内の量で存在し、
(c)安定剤としてのl−アルギニンが、約600mg〜約1,200mgの範囲内の量で存在する
請求項3記載の複数回分用量の組成物。
【請求項7】
ヒトを含む哺乳動物における細菌感染を処置する方法であって、請求項1、2、3、4、5または6記載の組成物を、静脈内または筋内のいずれかで非経口的に注射することによって処置する方法。
【請求項8】
不活性ガスの被覆下で無菌容器内に包装かつ密封された、請求項1、2、3、4、5または6記載の組成物であって、前記容器が、一つ以上のバイアル、アンプル、注射筒、小包、小袋およびオートインジェクターであり、前記容器の内部空間が、再構成された形態での前記組成物によって占有された充填容積、および不活性ガスで限定された微量大気によって無菌的に占有されたヘッドスペース容積を含み、前記微量大気が、希ガスおよび窒素、好ましくは窒素からなる群から選ばれる、基本的に1種類以上の不活性ガスを含み、前記窒素気体の量が、前記ヘッドスペース容積の5%以下であり、前記ヘッドスペース容積に対する前記充填容積の比が、1:1以上である組成物。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5または6記載の予め混合された抗生物質の組合せを調製する方法であって、
(a)抗生物質成分または薬学的に許容されるその塩を無菌充填/混合する工程、
(b)l−アルギニンのような安定剤を無菌添加/混合する工程、
(c)前記無菌添加/充填/混合を約1時間〜約4時間にわたる期間継続する工程、
(d)前記無菌充填物/混合物を配分する工程、および
(e)不活性ガスの前後給気によって無菌的に塞栓する工程
を含む方法。

【公表番号】特表2008−524204(P2008−524204A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546307(P2007−546307)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/IN2005/000415
【国際公開番号】WO2006/064516
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507182520)ヴィーナス・レメディーズ・リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】VENUS REMEDIES LIMITED
【Fターム(参考)】