説明

感染症に対する薬剤の製造方法

本発明は、HIV、エボラ病などの感染症に対する薬剤の製造方法に関し、抽出物として少なくとも1つの植物成分を含む溶液に、加圧された医療用酸素を吹き込むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HIV、エボラ病などの感染症に対する薬剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HIV感染者の治療は、最近の差し迫った課題である。今日まで、例えば性交時にコンドームを使用してHIVウィルスによる感染を防ぐことが唯一可能な対応であった。HIVウィルス感染した場合には、その活動又は拡大を抑制のみが可能であった。従って、新たな大いに期待される治療は、体組織中のウィルスの急速な増殖を抑制することに関連している。HIVプロテアーゼ抑止剤は、ウィルスの主要な酵素による新陳代謝を停止させることにより、ウィルスの影響が極めて縮小され、免疫系を絶えず破壊してその結果ヒトの健康への有害な作用が緩和される。
【0003】
文献から、注射によるHIV治療に用いられる多数の化学的薬剤が周知となっている。例えば、特許文献1に記載のβ−L−2′−ヌクレオチドのアジド誘導体である。特許文献2には、HIVの複製を抑制するN−アクリルメチルチオアミル誘導体が記載されている。特許文献3には、HIV抑制剤としての過硫化多糖類が記載されている。これらの化学的薬剤には、望ましくない副作用がある。
【0004】
特許文献4には、HIV陽性血清の個体の治療に、チーズ蛋白を用いることが記載されている。そこでは、変性されたチーズ蛋白の濃縮液より個体を治療する薬剤を製造することが記載されている。濃縮液は、HIV陽性血清中のT−促進細胞濃度及びT−促進細胞とT−抑制細胞との比率を高めるように調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許発明第69930378C2号明細書
【特許文献2】独国特許発明第60006706C2号明細書
【特許文献3】独国特許発明第60204967T2号明細書
【特許文献4】独国特許発明第69327236T2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、HIV、エボラ病などの感染症を撲滅する副作用の少ない方法及び薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
抽出物などの少なくとも1つの植物性成分を含む溶液に、加圧下で医療用酸素を吹き込むことにより上記課題が解決される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例えば人工呼吸及び吸入治療において医療用酸素が用いられる。酸素は、前処理として、特別に精製されその破壊的な作用が低下する。
【0009】
本発明の方法では、約2気圧の医療用酸素を約1時間溶液に吹き込んで酸素を溶液に溶解させた状態とする。
【0010】
溶液としては生理用リン酸マグネシウム溶液が好ましい。しかし、これは一例であり別の溶液でもよい。
【実施例1】
【0011】
本実施例では、溶液中にアファシミューネ(Afacimmune)からの抽出物を用いた。アファシミューネとは、ハラタケ(Agaricus Campestris)を意味し、無機物が添加された堆肥上で育成される。
【実施例2】
【0012】
本実施例では、溶液中に、にわとこの樹皮・花及び/又はアガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus Blazai Murill)からの抽出物を用いた。後者は、ブラジルの熱帯雨林を原産とするいわゆるアーモンドきのこである。このきのこは、アガリクスのように免疫系には効かない。その成分には、薬用きのこよりもβグルカンなどの多糖類が多く含まれている。このため、癌疾病に用いられる。更に、骨髄中の造血に必要な働きも知られている。これは、肝臓病を軽減するためにも用いられ、また脾臓の浄血及び拒絶作用を促進する。
【0013】
[その他の実施例]
別の実施例では、溶液中に、オトギリソウ(Johanniskraut)及び/又はパセリ汁からの抽出物が含まれている。ラン藻及び/又はキンポウゲからの抽出物も効果があるように思われる。ラン藻から抽出した乾燥物1グラムあたり、約80ミリグラムのリチウムが含まれている。
【0014】
乾燥したキンプウゲを熱水により3回抽出し、抽出物の全てを7分間加熱する。加熱の間に上述の医療用酸素を抽出物中に吹き込む。
【0015】
更に別の実施例では、アファシミューネ抽出物を含む溶液に糖を添加する。その場合、特別に処理した糖か、通常の結晶化された糖でもよい。
【0016】
いずれの抽出も熱水で3回行うことが好ましい。最近では、3回蒸留した高純度の水が用いられる。
上述の方法により製造した製品も保護される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HIV、エボラ病などの感染症に対する薬剤の製造方法であって、
抽出物として少なくとも1つの植物成分を含む溶液に、加圧された医療用酸素を吹き込むことを特徴とする薬剤の製造方法。
【請求項2】
2気圧の前記医療用酸素を1時間吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の薬剤の製造方法。
【請求項3】
前記溶液に生理用リン酸マグネシウムを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薬剤の製造方法。
【請求項4】
前記溶液の植物成分に、アファシミューネからの抽出物を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薬剤の抽出方法。
【請求項5】
前記溶液の植物成分に、にわとこの樹皮・花及び/又はアガリスク・ブラゼイ・ムリルからの抽出物を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薬剤の抽出方法。
【請求項6】
前記溶液の植物成分に、オトギリソウ及び/又はパセリ汁からの抽出物を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薬剤の抽出方法。
【請求項7】
前記溶液の植物成分に、ラン藻及び/又はキンポウゲからの抽出物を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薬剤の製造方法。
【請求項8】
前記ラン藻から抽出した乾燥物1グラムあたり80ミリグラムのリチウムが含まれていることを特徴とする請求項7に記載の薬剤の製造方法。
【請求項9】
乾燥したキンポウゲを熱水により3回抽出し、抽出物の全てを7分間加熱し、該抽出物に医療用酸素を吹き込むことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の薬剤の製造方法。
【請求項10】
前記溶液に糖を添加することを特徴とする請求項4ないし請求項9のいずれか1項に記載の薬剤の製造方法。
【請求項11】
前記抽出物を熱水により3回処理することを特徴とする請求項4ないし請求項10のいずれか1項に記載の薬剤の製造方法。
【請求項12】
HIV、エボラ病などの感染症に対する薬剤であって、
前記薬剤は、糖並びに熱水により3回処理したにわとこの樹皮・花及びアガリスク・ブラゼイ・ムリルからの抽出物を生理用リン酸マグネシウム溶液とし、該溶液に2気圧の医療用酸素を1時間吹き込んで製造されることを特徴とする薬剤。
【請求項13】
HIV、エボラ病などの感染症に対する薬剤であって、
前記薬剤は、アファシミューネからの抽出物を生理用リン酸マグネシウム溶液とし、該溶液に2気圧の医療用酸素を1時間吹き込んで製造されることを特徴とする薬剤。
【請求項14】
HIV、エボラ病などの感染症に対する薬剤であって、
前記薬剤は、糖並びに熱水により3回処理したパセリ汁及びオトギリソウからの抽出物を生理用リン酸マグネシウム溶液とし、該溶液に2気圧の医療用酸素を1時間吹き込んで製造されることを特徴とする薬剤。
【請求項15】
HIV、エボラ病などの感染症に対する薬剤であって、
前記薬剤は、糖並びに熱水により3回処理したラン藻及びキンポウゲからの抽出物を生理用リン酸マグネシウム溶液とし、該溶液に2気圧の医療用酸素を1時間吹き込んで製造されることを特徴とする薬剤。

【公表番号】特表2010−508367(P2010−508367A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535608(P2009−535608)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009490
【国際公開番号】WO2008/055620
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509127756)
【Fターム(参考)】