説明

感湿層中の水分量を低減する感湿層及び構造用方法及び構成

第1感湿層の交互層は第2乾燥剤含有層と共に形成される。乾燥剤含有層は第1感湿層から水分を除去し、第1層を相対的な乾燥状態に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年6月16日提出の米国暫定的出願第61/187,448号に記載された全ての内容の利益を請求する。
【0002】
本発明は、感湿層の改良に係り、特にポリビニルブチラール(PVB)フィルム又はシート製品に関するものであり、さらには、Bykerらの特許文献1〜4に記載されたようなサーモクロミックPVB製品の改良に関するものである。
【背景技術】
【0003】
PVBは、時々ポリ(ビニルブチラール−コ−ビニルアルコール−コ−ビニルアセテート)とも示される共重合体である。PVBは、自動車のフロントガラス用の安全ガラス積層体及び建築用安全ガラスに幅広く用いられている。
【0004】
PVBフィルムを含む様々なフィルム及び層は高い吸水特性を有している。これらのフィルム又はシートの製造の際に、製造環境中を低い相対湿度に保持し、耐湿包装においてフィルム又はシートのロールを慎重に包装することは一般的な方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,538,931号
【特許文献2】米国特許出願第2008/0105851号
【特許文献3】米国特許第7,525,717号
【特許文献4】米国特許第7,542,931号
【特許文献5】米国特許出願第2008/0185301号
【特許文献6】米国特許出願第2008/0012172号
【特許文献7】米国特許出願第2007/0160789号
【特許文献8】米国特許出願第2006/0269708号
【特許文献9】米国特許出願第2004/0131805号
【特許文献10】米国特許出願第2003/0235664号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Bykerらにより開示されたサーモクロミックPVBフィルム又はシートは、吸湿性がより高く、吸湿に対してより敏感であるため、乾燥剤存在下の真空状態においてサーモクロミックPVBフィルム又はシートのロールを保管するのは一般的でない。Bykerらにより開示されたPVBフィルム又はシート中の水分は、フィルム中のサーモクロミック機構の性能を低下させ、フィルムの耐久性を低下させる有害な反応を引き起こすため、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、一般にPVBフィルム又はシートを含む感湿層及び上記のサーモクロミックフィルム製品のようなPVBフィルム又はシート製品が組み立てられ又はMericalの特許文献5〜10に記載されたフィルム及び/又は層に類似する乾燥剤含有フィルムに並置される。多くの場合、ガラスシート間に積層させてフィルム又はシート中の水分を捕らえる傾向を低減することで、より容易にフィルムを積層することができる程度に、この構成がフィルム中の水分量を低レベルに低減及び/又は保持することを見出した。
【0008】
本発明の一態様によれば、PVBフィルムが乾燥剤含有フィルムと共に組み立てられる。本発明の他の態様によれば、PVBフィルムの積層前に乾燥剤含有フィルムが取り除かれる。さらに本発明の他の態様によれば、Bykerらの出願に記載されたサーモクロミックフィルムが乾燥剤含有フィルムと共に組み立てられる。また、さらなる本発明の他の態様によれば、その積層前にサーモクロミックフィルムから乾燥剤含有フィルムが取り除かれる。
【0009】
本発明の他の態様によれば、乾燥剤含有フィルムをサーモクロミックフィルムに挟み込むことにより上記のサーモクロミックフィルムが供給され、ガラスパネルに又はBykerらの上記出願に記載されているようなガラスシート間にサーモクロミックフィルムを積層する前に乾燥剤含有フィルムが取り除かれる。
【0010】
本発明の他の態様によれば、本発明は、感湿フィルム又はシート及び乾燥剤充填吸水フィルム又はシートの交互層のスタック又はロールである。
【0011】
本発明の他の態様によれば、本発明は、吸水乾燥剤を含む又は備える第1重合材料及び第2重合材料の交互層のスタック又はロールである。
【0012】
本発明の他の態様によれば、本発明は、乾燥剤を含む又は備える第1重合材料及び第2重合材料の交互層のスタック又はロールである。
【0013】
本発明の他の態様においては、乾燥剤含有フィルムは、酸化カルシウム粒子が分散されたポリエチレンフィルムであり、特に上記のMericalの出願に記載された量及び様式で酸化カルシウム粒子が分散されたポリエチレンフィルムである。一実施形態においては、酸化カルシウム粒子が分散されたポリエチレンフィルムは、乾燥剤を含有しない透湿低密度ポリエチレンで片面又は両面を上塗りされる。この挟み込みフィルムの2層又は3層構成は、乾燥剤とPVBフィルム又はシートを含む感湿層との間の接触を最小化又は防止しつつ、乾燥剤含有層により水分を吸収する。
【0014】
一実施形態においては、サーモクロミックフィルムは、乾燥剤含有フィルムと並置され、ロール状に巻かれ、保管され、出荷され、その後、解かれ、乾燥剤含有フィルムから離され、Bykerらの公報に記載されているように、エンドユーザーにより使用される。
【0015】
他の一実施形態においては、複数のサーモクロミックフィルムが複数の乾燥剤含有フィルムに挟み込まれる。エンドユーザーは、乾燥剤含有フィルムを取り除いた後、例えばエンドユーザーの用途に適したガラスシート間に積層することによりサーモクロミックフィルムを使用する。
【0016】
本発明は特にPVBフィルムに適しているが、この開示は、吸水特性及び水分の存在に敏感な点に関してPVBフィルムに類似した他のフィルムに適用することも可能である。挟み込みロール内の第1層を形成する他の感湿フィルム又はシートとしては、織物、様々なタイプの紙、エチレンビニルアセテート、ナイロン及びポリエチレンテレフタレートが含まれる。これらの中でも特に、水分を広げる傾向を有するポリエチレンテレフタレートが好ましい。体積的に安定なポリエチレンテレフタレートは、型抜き及び回路基板作製にとって非常に重要である。
【0017】
挟み込み用の乾燥剤充填第2層に用いられるポリエチレン以外の層及びポリマーとしては、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、PVB及びエチレンビニルアセテートが挙げられる。乾燥層に充填し得る酸化カルシウム以外の乾燥材料としては、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミナ及びモレキュラーシーブスが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の検討は概念を説明するために行われたものである。
工程
1枚はブルータイプと呼ばれ、もう1枚はオレンジタイプと呼ばれる2枚のサーモクロミックPVBフィルムをそれぞれ2つに切断した。各タイプのフィルム片を真空乾燥器内に保持してドライフィルムとし、各タイプの他のフィルム片を高い相対湿度に曝してウエットフィルムとした。オレンジフィルム及びブルーフィルムの両方のドライフィルムを5つに切断した。オレンジフィルム及びブルーフィルムの両方のウエットフィルムを4つに切断した。
【0019】
オレンジフィルム及びブルーフィルムの両方のドライフィルム
A.切片Aを相対湿度の高い環境下に曝し、24時間ごとに湿度の検査を行った。
B.切片Bを真空乾燥機内に保持し、24時間ごとに湿度の検査を行った。
C.切片Cを24時間と記された乾燥ポーチ内に載置し、24時間ごとに湿度の検査を行った。
D.切片Dを48時間と記された乾燥ポーチ内に載置し、ポーチを密閉してから48時間後に湿度の検査を行った。ポーチを再び密閉し、開始から48時間の後24時間ごとにフィルムに対して湿度の検査を行った。
E.切片Eを72時間と記された乾燥ポーチ内に載置し、ポーチを密閉してから72時間後に湿度の検査を行った。ポーチを再び密閉し、開始から72時間の後24時間ごとにフィルムに対して湿度の検査を行った。
【0020】
オレンジフィルム及びブルーフィルムの両方のウエットフィルム
F.切片Fを相対湿度の高い環境下に曝し、24時間ごとに湿度の検査を行った。
G.切片Gを24時間と記された乾燥ポーチ内に載置し、24時間ごとに湿度の検査を行った。
H.切片Hを48時間と記された乾燥ポーチ内に載置し、ポーチを密閉してから48時間後に湿度の検査を行った。ポーチを再び密閉し、開始から48時間の後24時間ごとにフィルムに対して湿度の検査を行った。
I.切片Iを72時間と記された乾燥ポーチ内に載置し、ポーチを密閉してから72時間後に湿度の検査を行った。ポーチを再び密閉し、開始から72時間の後24時間ごとにフィルムに対して湿度の検査を行った。
【0021】
PVBフィルム内の低湿度を測定するために、Karl Fischer滴定装置を用いた。Karl Fischer装置内のフィルム試料を加熱し、フィルム内の水分、すなわち水分を乾燥窒素ガス流により溶液内に移動させる。溶液としては、メタノール、イミダゾール、二酸化硫黄、ヨウ素イオンが挙げられる。静電式Karl Fischer滴定において、アノードで電解的にヨウ素が発生する。次いで、酸化/還元反応が生じる。次式に示されたように、二酸化硫黄がヨウ素及び試料内の水と反応する。
+SO+HO→2HI+SO (1)
【0022】
ヨウ素を電気的に生成するのに必要な量と試料中の水分量との間の直接的な関係を許容する1対1のモル比でヨウ素が水と反応する。
【0023】
乾燥剤含有ポーチは6層から構成される。アルミニウム箔層を含む最初からの4層は、ポーチの水分量を保持するよう設計されている。残りの層は、乾燥材料として酸化カルシウムを含有する剥離性乾燥剤フィルムを伴うセパレータ層である。酸化カルシウムは、式(2)に示されるように、バッグ内の大気中の水分と反応し、相対湿度を低減する。
CaO+HO→Ca(OH) (2)
【0024】
方法
全てのKarl Fischer滴定に基づく水分測定は、気化器VA−06とともに三菱水分計CA−06を用いて行われた。乾燥器は140℃に設定され、各試料測定の前に、2分間のパージ、2分間の加熱及び2分間の冷却を行った。フィルム試験の前後に水分計を校正するために、乾燥器温度150℃で3000μLのキャピラリー管を用い、誤差5%内とした。小さい試料は各フィルム片から切断した。試料の重量は0.2〜0.25gであった。
【0025】
ローラーを備え、約160℃に設定された熱シーラーによって、乾燥ポーチを密閉した。次いで、フィルムを測定するためにポーチを切り開き、約5分開放して放置した。
【0026】
結果及び考察
ポーチの分析においては、同色フィルムの対照を比較することが最良である。ブルーフィルムの全てのデータは表1に、オレンジフィルムの全データは表2に示した。
【0027】
表1は、Karl Fischer滴定データを用いたブルーフィルムにおける水分パーセンテージである。試料が保存される室内相対湿度(RH)及び室外RHは、水分測定される日に測定されたものである。
【0028】
【表1】

【0029】
表2は、Karl Fischer滴定データを用いたオレンジフィルムにおける水分パーセンテージである。試料が保存される室内相対湿度(RH)及び室外RHは、水分測定される日に測定されたものである。
【0030】
【表2】

【0031】
ウエットブルーフィルムは、水分量1.8%から開始し、開放大気中で約2.0%に上昇した。24時間乾燥剤ポーチ内に配置されたブルーフィルムの水分量は約0.3%減少した。これは、試験のためにポーチが開放され、再び密閉された際でさえも減少し続けた。48時間ポーチにおけるウエットブルーフィルムは、ポーチの開放がポーチを壊すことなくフィルムからの水分の除去能に影響を及ぼすことを示唆する24時間ポーチにおける1.31%と比較すると、水分量が1.01%まで低減した。72時間ポーチにおけるウエットブルーフィルムは、フィルムの水分量を0.41%まで低減することにより96時間後に最高となるが、全てのポーチは、表1に示されるように、96時間後に水分量を0.8%未満にまで低減した。
【0032】
ドライブルーフィルムは水分量0.33%から開始し、真空乾燥器が実験中にフィルムを0.12%までさらに乾燥した。表1に示されているように、ブルーフィルムの水分量がぶれる。これは、相対湿度の変動及び乾燥剤の低減能に起因している。
【0033】
これに対し、ウエットブルーよりも低い水分量で開始したポーチにおけるウエットオレンジフィルムは、ブルーよりもさらに乾燥させた。ウエットオレンジフィルムは、水分量1.37%から開始し、96時間後、72時間ポーチのフィルムを一日当たり約0.30%の乾燥速度で0.21%まで乾燥させた。ポーチの乾燥能は、表2に示されるように、ほぼ直線関係を示している。ブルーフィルムほど劇的ではないが、ポーチの開放がフィルムの乾燥能に影響を与えることは明かである。
【0034】
ドライオレンジフィルムもポーチによりさらに乾燥した。0.19%で開始したドライオレンジフィルムは、真空乾燥器内で0.14%まで、3つのポーチ全てにおいて平均0.18%まで乾燥した。これらの値もブルーフィルムと同様に変化した。
【0035】
他の実験においては、吸水フィルムは、低密度ポリエチレン(LDPE)層、CaO充填高密度ポリエチレン(HDPE)層及びLDPE層から構成される。この材料と可塑剤としてトリ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノエート)27重量%を含有するPVB層とにより挟み込みロールを調製した。乾燥剤充填フィルムの余分なラップは挟み込みロールの外表面に巻き付けた。このロールは、通常の店舗環境において包装及び保護されずに室内で保管された。保管中の多くの場合、ロールは巻き付けられておらず、PVB層の試料は、表3に示されたロール内の位置から離間され、水分量を分析した。次いで、フィルムは、挟み込み形状に再び巻き付けられ、さらに保存された。乾燥挟み込み体はPVB層を互いに貼着し続け、これにより、ロールをブロックし続けた。水分試験の結果を表3に示した。乾燥挟み込み層は、挟み込みロールが開放店舗環境において包装されずに保管された場合でさえ、水分を除去し、PVBの水分量についての貯蔵安定性を延ばすことができる。
【0036】
表3は、乾燥層及び可塑化PVB層の交互層を備えた挟み込みロールに対するKarl Fischer滴定により測定されたPVBフィルム内の水分の重量%である。
【0037】
【表3】

【0038】
サーモクロミックPVBのロールに対して同様な実験を行った。これらの実施においては、サーモクロミックPVBにおける水分量は、乾燥挟み込み層を保存することにより低減される。乾燥CaO充填挟み込み層の市販例は、ノースカロライナ州のAlcan Packaging of Marshall社から市販されたDM−8977及びDZ−3458である。乾燥挟み込み体の好適な厚さは0.001インチ〜0.01インチである。一実施形態においては、任意の支持前のLDPE−CaO充填HDPE−LDPEの3層の厚さは0.0025インチである。これらのAlcan社の共成形酸化カルシウム充填ポリエチレン3層を、ゴム製ニップロールと、深さ0.012インチ〜0.013インチのメス型エンボスパターンを有するスチール製エンボスルールとの間の通路によりエンボスした。エンボスは95℃のエンボスロール温度、リニアインチ当たり150ポンドのニップ圧力、1分当たり3フィートのラインスピードで行った。
【0039】
一実施形態においては、感湿サーモクロミックPVB及び乾燥挟み込み体によりロールを形成した後、金属箔が裏張りされたバッグ内に挟み込みロールを配置し、バッグを密閉することにより、PVB内への水分侵入の付加的保護が提供される。また、他の実施形態においては、外フィルムと共にロールを巻き付けることによりロールが保護される。外フィルムは、水分がロールの残りに達することを献身的に防ぐ乾燥挟み込み体の約1〜20の外ラップである。ロールの一部が除去され、PVBが積層に用いられる場合でさえ、低水分量が維持され、再包装によりロールの残りの貯蔵安定性が延ばされ、その後、残った乾燥挟み込み体とともに保存される。PVBにおけるサーモクロミック性能は、乾燥挟み込み体による水分の除去によって向上された。キセノンアークライト曝露室内において改善された耐久性によって予測された寿命も向上された。乾燥挟み込み体はサーモクロミックPVB層が互いに貼着するのを維持し、これにより、ロールをブロックし続けた。
【0040】
積層安全ガラスシートを作製する2枚のガラス間における中間層としてPVBが用いられた場合、PVBは粗く織られた外表面を有することが好ましい。この表面は、ガラスシートにフィルムを貼着する加熱ピンチローラーを通してスタックが押圧され、後のオートクレーブ工程において端部の密閉が行われる際に、ガラス/PVB/ガラス3層スタックから空気を排出できるように十分粗く織られるべきである。PVB上の織られた外表面は、表面メルトフラクチャーにより或いは片面又は両面のPVB層をエンボスすることにより形成される。織られた外表面を有するPVBが平滑面を有する乾燥層で挟み込まれると、PVBの表面織物は挟み込みロール上に載置されつつ消失されることが見出された。しかしながら、乾燥層が織られた場合にも、PVB表面織物上において最小のマイナスの影響を有するPVB用の挟み込み層として用いられることも見出された。一実施形態においては、ゴム製ニップロールとスチール製エンボスロールとの間で乾燥層を分離的にエンボスすることにより適切な織物が乾燥層上に供給される。好適な条件は、95℃のエンボスロール温度、リニアインチ当たり150ポンドのニップ圧力及び1分当たり3フィートのラインスピードである。
【0041】
一実施形態においては、乾燥層は、LDPEの共成形層、CaO充填HDPE層及びLDPE層から構成される。この3層は、単一フィルムの外観を有している。一例においては、この乾燥剤充填フィルムと可塑剤としてトリ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノエート)27重量%を含有したPVBフィルムとにより挟み込み体を調製した。数週間後に乾燥層と可塑化PVB層との交互層を備えたロールをほどくと、乾燥層にシワが寄って虫に食われた材木のような外観の層となることが見出された。乾燥層のシワはPVB層に転写され、PVBをガラス片への積層に用いるのが困難となる。シワは、このPVB中間層を有する2枚のガラスの積層体に光学的歪み、空隙領域及び/又は気泡を生じさせる。しかしながら、これと同様な乾燥層が不織繊維又はメッシュのような透過性支持体に貼り付けられ、乾燥層と可塑化PVB層とからなる交互層のロールを形成するためにPVBで挟み込むと、シワの問題が除去又は著しく低減される。このようなロールが1ヶ月保管され、ほどかれる場合にも、PVB層には本質的なシワ及び座屈が生じることがなく、中間層としてPVB層を2枚のガラスシートで積層するのにPVB層が用いられる。これらの積層体には、光学的歪み、空隙領域及び気泡は生じなかった。
【0042】
不織布の一例としては、Atlanta Nisseki CLAF社の商品名CLAF(登録商標)として市販されているポリエチレン不織布が挙げられる。不織布の一層又は1以上の層は、乾燥挟み込み層用の支持体として用いられる。不織布は、シワの最小化のための乾燥挟み込み体用支持体を提供するだけでなく、乾燥フィルムを挟み込むPVBから織物の損失を最小化する乾燥挟み込み体上の表面織物を提供する。不織布は、フィルムが互いに貼着することを防ぐことにも有用である。
【0043】
要約すると、本発明の一実施形態は、PVB層と乾燥剤含有フィルム層を備えたフィルム構成である。
【0044】
本発明の他の態様は、感湿フィルム又はシート及び乾燥剤充填吸水フィルム又はシートの交互層のスタック又はロールである。
【0045】
本発明の他の態様は、吸湿乾燥剤を含む第1重合材料及び第2重合材料の交互層のスタック又はロールである。
【0046】
本発明の他の態様は、乾燥剤を含む第1重合材料及び第2重合材料の交互層のスタック又はロールである。
【0047】
他の態様は、水分量低減を発揮するPVBフィルムを提供する乾燥剤含有フィルムと協同する外層内に包装又は巻き付けられた前記構成である。
【0048】
他の態様においては、PVBの層又はシートを備え、乾燥剤含有フィルムの層がロール状に巻き付けられる。
【0049】
他の態様においては、乾燥剤含有フィルムは、PVBをロール状に巻き付ける前に織り込まれ、挟み込まれるPVB上に織物を保存するのに有用である。
【0050】
他の態様においては、乾燥剤含有フィルムは、PVBフィルムをロール状に巻き付ける前に不織メッシュにより支持され、保存中にフィルム内におけるしわ形成を最小化する。
【0051】
さらなる態様においては、フィルム構成の層は、ロール状に巻き付けられた際に、乾燥剤含有フィルムの1以上のラップがロールの外表上に残るように配置される。
【0052】
本発明のさらなる態様においては、PVBフィルムを供給する工程と、隣接層間にPVBフィルムを配置する工程と、乾燥剤含有フィルムを巻き付ける工程とを備え、水分を低減するPVBフィルム又は構成を供給する方法を提供する。
【0053】
本発明のさらなる態様は、Bykerらの公報に記載されたいずれかの構成を備え、隣接フィルム間に配置され又は乾燥剤含有フィルムに巻き付けられたサーモクロミック製品である。
【0054】
本発明の特別な態様においては、乾燥剤含有フィルムは、Mericalの公報に記載されたいずれかの材料である重合体及び乾燥剤を含有するフィルムである。
【0055】
本発明のさらに特別な態様においては、乾燥剤含有フィルムは、ポリエチレン及び酸化カルシウム粒子を含む。
【0056】
本発明のさらに特別な態様においては、乾燥剤含有フィルムは、片面又は両面が透湿性低密度ポリエチレンで覆われ、酸化カルシウム粒子を分散させたポリエチレンフィルムである。
【0057】
本発明は詳細に及び具体的な実施形態を参照して記載されているが、請求項の意図及び趣旨を逸脱することのない範囲での様々な変更及び改良が可能であることは明かである。
【0058】
本発明は詳細に及び具体的な実施形態を参照して記載されているが、請求項の意図及び趣旨を逸脱することのない範囲での様々な変更及び改良が可能であることは明かである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感湿フィルム又はシートと、
乾燥剤を含有する吸水フィルム又はシートとを備えたことを特徴とするフィルム又はシートの交互層のスタック又はロール。
【請求項2】
前記感湿フィルム又はシートは、第1重合フィルムであり、前記吸水フィルム又はシートは、乾燥剤を含む第2重合材料を含有することを特徴とする請求項1に記載のスタック又はロール。
【請求項3】
前記吸水フィルム又はシートは、第1重合フィルムが貼着するのを防ぐことを特徴とする請求項2に記載のスタック又はロール。
【請求項4】
前記吸水フィルム又はシートは、前記第1重合フィルムを挟み込むことを特徴とする請求項2に記載のスタック又はロール。
【請求項5】
前記吸水フィルム又はシートは、織られた表面を有し、又は、織られた表面を有する支持体に貼り付けられることを特徴とする請求項2に記載のスタック又はロール。
【請求項6】
前記吸水フィルム又はシートは、織られた表面を供給するためにエンボスされることを特徴とする請求項5に記載のスタック又はロール。
【請求項7】
前記吸水フィルム又はシートは、1以上の透過性支持層に貼り付けられることを特徴とする請求項5に記載のスタック又はロール。
【請求項8】
前記吸水フィルム又はシートは、1以上のメッシュ又は繊維の層に貼り付けられることを特徴とする請求項5に記載のスタック又はロール。
【請求項9】
前記吸水フィルム又はシートは、1以上の不織布の層に貼り付けられることを特徴とする請求項5に記載のスタック又はロール。
【請求項10】
前記吸水フィルム又はシートは、1以上のポリエチレン不織布の層に貼り付けられることを特徴とする請求項9に記載のスタック又はロール。
【請求項11】
前記第1重合層はPVBであることを特徴とする請求項2に記載のスタック又はロール。
【請求項12】
前記第1重合層はサーモクロミックPVBであることを特徴とする請求項11に記載のスタック又はロール。
【請求項13】
前記スタック又はロールは、PVBフィルムにおける水分を低減させるために、前記吸水フィルム又はシートと協働する外フィルム内に包装され又は包まれることを特徴とする請求項11に記載のスタック又はロール。
【請求項14】
PVBの層又はシートと、ロール状に巻き付けられる乾燥剤含有フィルムとを備えることを特徴とする請求項1に記載のスタック又はロール。
【請求項15】
前記乾燥剤含有フィルムは、前記ロールの外表面上に残っていることを特徴とする請求項14に記載のスタック又はロール。
【請求項16】
前記乾燥剤含有フィルムはポリエチレン及び酸化カルシウム粒子を含有することを特徴とする請求項11に記載のスタック又はロール。
【請求項17】
前記乾燥剤含有フィルムは、片面又は両面を透湿性低密度ポリエチレンで上塗りされ、酸化カルシウム粒子が分散されたポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項16に記載のスタック又はロール。
【請求項18】
PVBフィルムを供給する工程と、
隣接層間にPVBフィルムを配置する又は乾燥剤含有フィルムを巻き付ける工程とを備えた水分量低減PVBフィルム又は構成を提供する方法。

【公表番号】特表2012−530008(P2012−530008A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516232(P2012−516232)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/038784
【国際公開番号】WO2010/148064
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(501154633)プレオティント エル エル シー (3)
【Fターム(参考)】