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感熱印刷用組成物と印刷方法
説明

感熱印刷用組成物と印刷方法

【課題】感熱シートを用いて、鮮明で耐久性のある印刷が可能な印刷方法と感熱印刷ラベルを提供する。
【解決手段】発色層16を備えた感熱シート12と、感熱シート12表面に所定範囲に形成された保護層18とを備える。発色層16は、レーザ光の照射等により熱を加えると発色する。保護層18は、光若しくは熱を透過し、又は熱により気化若しくは除去される。保護層18の少なくとも一層の色が、発色層16の発色後の色とコントラストがあり、感熱シート12の発色していない部分の経時的変色を隠す程度の濃さの、白色又は淡い色である。または、保護層18の少なくとも一層の色は、透明で、保護層18の厚さが、感熱シート12の耐久性を保持可能な厚さである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品やその包装用箱に貼着されて所定の表示を行うラベル等の印刷用組成物と印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やその包装用箱に貼着され、所定の表示を行う印刷ラベルであって、特に個々の商品を個別に管理するラベル等においては、個々の商品毎に管理用の感熱ラベルを印刷して商品に貼付していた。この感熱ラベルは、サーマルヘッドを有したプリンタを用いて感熱紙に印字するもので、印刷が容易であり比較的小型のプリンタで印刷可能であることから、個々の商品毎に異なる管理情報を印字して貼付する商品管理に広く用いられている。
【0003】
また、感熱紙への印刷方法として、サーマルヘッドが接触する方式に代えて、特許文献1,2に開示されているように、レーザ光により感熱紙に熱を加えて印刷する方式のプリンタも提案されている。
【特許文献1】特開平7−304194号公報
【特許文献2】特開平8−67015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の感熱紙を用いた感熱ラベルは、経時的に感熱紙の色が黄変し、文字が読みにくくなる物であり、長期的な商品管理には適さないものであった。また、サーマルヘッドを備えたプリンタは、感熱紙にヘッドが接触して印刷するためクリーニング等のメンテナンスが頻繁に必要となり、プリンタの管理が面倒なものであった。
【0005】
一方、レーザ光を用いた感熱紙への印字は、サーマルプリンタのようなメンテナンスは不要となるが、感熱紙の黄変という問題は残る。さらに、レーザ光の出力調節に際して、弱いと鮮明に印字できず、強いと文字周辺も発色して、にじんだ文字になると言う欠点があり、実用的ではなかった。
【0006】
一方、耐久性とプリンタのメンテナンス性に鑑みて、図3に示すように、ラベル1の表面を黒インキ2で全面に印刷し、文字3の黒インキ2をレーザ光で昇華させて飛ばし、文字を書き込むものもある。しかしながら、この場合レーザ光を照射した部分のみが白くなるネガ画像となり、見にくいものであった。しかも、レーザ光の強度調節が難しく、強すぎると下地の紙が焦げたり茶色くなり、文字のコントラストがなくなって見にくくなり、強度が弱いと、黒インキが十分に除去できず、やはり文字が読みづらいものであった。また、文字部分の黒を残すようにして周囲にレーザ光を照射し、ポジ画像を形成することも可能であるが、レーザ光の照射面積が広すぎで、作成に時間がかかり、しかも上記と同様にレーザ光の強度調節が難しいという問題があった。
【0007】
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、感熱シートを用いて、鮮明で耐久性のある印刷が可能な感熱印刷用組成物と印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の感熱印刷組成物は、発色層を備えた感熱シートと、この感熱シート表面に所定範囲に形成された保護層とを備え、前記発色層は、サーマルヘッドやレーザ光を用いて熱を加えることにより発色する発色層であり、前記保護層は、光若しくは熱を透過し又は熱により気化若しくは除去される保護層である感熱印刷用組成物である。
【0009】
前記発色層は、レーザ光の照射による熱で発色する発色層であり、前記保護層は、レーザ光の照射による熱で気化若しくは除去される保護層である。または、前記保護層は、加えられる熱を比較的透過しやすい材質又は厚さの保護層である。
【0010】
また、前記保護層の少なくとも一層の色は、前記発色層の発色後の色とコントラストがあり、前記感熱シートの発色していない部分の経時的変色を隠す程度の濃さの、白色又は淡い色である。
【0011】
前記保護層の少なくとも一層の色は、透明で、前記保護層の厚さが、前記感熱シートの耐久性を保持可能な厚さである。
【0012】
前記感熱印刷用組成物は、感熱ラベルであり、前記保護層は印刷により形成された薄い層である印刷層である。
【0013】
また本発明の印刷方法は、レーザ光を照射することにより発色する発色層を備えた感熱シートを設け、この感熱シート表面に所定範囲の印刷層を形成し、この印刷層にレーザ光を照射して前記印刷層のレーザ光照射部分を除去するとともに前記感熱シートの所定部分を発色させ、前記感熱シートに文字又は図形を表す印刷方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の感熱印刷用組成物と印刷方法は、感熱シートを用いて、鮮明で耐久性のある文字や図形の形成が可能であり、印刷装置のメンテナンスも容易であり、高速で個別的な印刷を行うことができる。そして、この印刷組成物であるラベル等により、医薬品等の商品を個別に正確に長期間管理することができ、商品の在庫や流通管理等に広く利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施形態の感熱印刷用組成物である感熱印刷ラベル10は、紙や合成紙、合成樹脂シート、その他シート状に形成されたラベル本体である感熱シート12が設けられている。感熱シート12は、特に、医薬品に用いる場合は、耐アルコール性に優れたものを用いるとよい。
【0016】
感熱シート12は、紙や樹脂シート等の基材14と、基材14の表面にコーティングされた発色層16、及び発色層16の表面全面に白色インキが印刷された白色保護層18から成る。発色層16は、バインダ中に顕色剤とロイコ塗料が分散したものを塗布して成る層で、熱によりバインダ中の発色層16の塗料が発色する。白色保護層18は、酸化チタン等を含む白色インキを、所定の厚さに薄く一面に印刷したものである。白色保護層18は、感熱シート12の経時的変色を隠す程度の厚さであれば良い。
【0017】
この実施形態の感熱印刷ラベル10の印刷方法は、感熱シート12を所定の位置にセットし、感熱シート12の表面の白色保護層18に対して半導体レーザやCOレーザ等のレーザ装置20から出射された赤外光のレーザ光22を照射する。レーザ光22は、図示しない制御装置により制御されたミラー24により走査され、所定のプログラムされた文字や図形の形状に、白色保護層18上に照射される。これにより、白色保護層18は、レーザ光22の熱エネルギーにより昇華し、部分的に除去されて開口部26を形成する。同時に、感熱シート12表面にレーザ光22のエネルギーが与えられ、レーザ光22の照射部分の感熱シート12の発色層16が発色する。この発色部28は、レーザ光22のスポット径とほぼ等しい幅で形成され、ミラー24により走査され、プログラムにより設定された位置にレーザ光22が照射されて、所定の幅や大きさで開口部26及び発色部28が形成される。これにより、発色部28による文字や図形の印刷部30が形成される。
【0018】
この実施形態の感熱印刷ラベル10によれば、感熱シート12をレーザ光22により発色させているので、鮮明で耐久性のある印刷が高速で可能であり、プリンタのメンテナンスも容易である。また、細かな図形や複雑な図形も容易に印刷可能であり、多くの情報を記載することができる。さらに、白色保護層18により、感熱シート12の黄変がなく、文字等の印刷部30が経時的に読みにくくなることがなく、医薬品等の商品を個別に正確に長期間管理することができる。また、白色保護層18により、レーザ光22の出力により基材14が焦げたりすることが防止され、コントラストの高い印刷が可能となる。
【0019】
なお、この発明の感熱印刷ラベルは、上記実施形態に限定されるものではなく、白色保護層は、白色以外の薄い色の保護層に代えても良い。例えば、薄いクリーム色やピンク、水色等、レーザ光により昇華可能な程度の厚さで、感熱シートの発色部とのコントラストが得られれば、適宜の色を選択可能である。
【0020】
また前記保護層は、透明ニス等の透明インキを印刷又は塗布して、前記感熱シートの耐アルコール性等の耐薬品性、耐摩耗性、その他の耐性を保持可能な厚さとしても良い。さらに、これらの保護層を複数積層したものでも良い。これにより、耐光性や耐薬品性、耐摩耗性等の種々の耐性を有するラベルとすることができる。
【0021】
また前記保護層は、例えば印刷、スプレーによる塗布、ラミネート等で適宜形成させることができる。このうち保護層が印刷によって得られる印刷層である場合は、発色層の発色した部分と発色させていない部分とのコントラストが、より低いレーザ光の出力で鮮明に得られるで、より好ましい。
【0022】
さらに、この発明はレーザ光により印字する他、発色層を備えた感熱シートと、この感熱シート表面に形成された白色又は薄い色の全面の保護層を形成し、この保護層の所定部分にサーマルヘッドにより熱を加えて発色させても良い。この場合も、白色又は薄い色の保護層により、感熱シートの経時的な変色が防止され、長期間の商品管理に利用可能な感熱印刷ラベルを形成することができる。
【実施例1】
【0023】
次に、この発明の感熱印刷ラベルの実施例について説明する。まず、感熱印刷用組成物として貼付用のラベル((株)リコー製 130LH−SW、ならびにリンテック(株)製LD7350およびLD5530)を用い、表1に示したように、各ラベルの所定部分に白印刷を1または2回および/または紫外線硬化性ニスを印刷して保護層を形成した。
【0024】
【表1】

【0025】
実施例1で得られた各ラベルについて、以下の試験をおこなった。
【0026】
試験例1 耐光性試験
光安定性試験装置(ナガノ科学機械 形式LTL−200)を用いて、温湿度25℃60%RH 照度5000lxの条件にて保存し、経時的外観変化を目視観察し5段階(××:著しい変化、×:かなりの変化、△:変化あり、○:わずかに変化あり、◎:変化なし)で評価した。
【0027】
その結果を、表2に記載した。
【表2】

【0028】
試験例2 耐擦性試験
サザーランドラポテスター(東洋精機)にて試験サンプルと被摩擦紙(日本大昭和板紙:ウルトラH バージンパルプ紙)に4ポンドの荷重をかけて40往復させた後、目視観察し表面の擦れ状態を目視観察し5段階(××、×、△、○、◎)で評価した。なお、原紙については、××に相当する結果になることは、評価するまでもなく明らかである。
【0029】
その結果を、表3に記載する。
【表3】

【0030】
試験例3 スクラッチ試験
試料を親指の爪で5往復擦った時の表面状態を目視観察し5段階(××、×、△,○、◎)で評価した。
【0031】
その結果を、表4に記載した。
【表4】

【実施例2】
【0032】
感熱印刷用組成物としてラベル(リンテック(株)製 LD7350)を用い、ラベルの所定部分に白印刷、または白印刷および紫外線硬化性ニスを形成させた後、以下の印刷機器を用いて、文字を印刷した。
【0033】
・印刷機器
ラベル貼り機 RCP−51 岩田レーベル製
レーザーマーカーMLG−9311 COレーザ キーエンス製
スキャンスピード:最大6000mm/s
出力:1−100W
・レーザーマーカー条件
スキャンスピード:1500mm/s
出力:7.5W
この印刷の結果、いずれも鮮明に文字が印刷された。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の一実施形態の感熱印刷ラベルの印刷方法を示す概略面である。
【図2】この実施形態の感熱印刷ラベルを示す平面図である。
【図3】従来のラベルを示す平面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 感熱印刷ラベル
12 感熱シート
14 基材
16 発色層
18 白色保護層
20 レーザ装置
22 レーザ光
24 ミラー
26 開口部
28 発色部
30 印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発色層を備えた感熱シートと、この感熱シート表面に所定範囲に形成された保護層とを備え、前記発色層は、熱を加えることにより発色する発色層であり、前記保護層は、光若しくは熱を透過し又は熱により気化若しくは除去される保護層であることを特徴とする感熱印刷用組成物。
【請求項2】
前記発色層は、レーザ光の照射による熱で発色する発色層であり、前記保護層は、レーザ光の照射により気化若しくは除去される保護層であることを特徴とする請求項1記載の感熱印刷用組成物。
【請求項3】
前記保護層は、加えられる熱を比較的透過しやすい保護層であることを特徴とする請求項1記載の感熱印刷用組成物。
【請求項4】
前記保護層の少なくとも一層の色は、前記発色層の発色後の色とコントラストがあり、前記感熱シートの発色していない部分の経時的変色を隠す程度の濃さの、白色又は淡い色であることを特徴とする請求1乃至3のいずれか記載の感熱印刷用組成物。
【請求項5】
前記保護層の少なくとも一層の色は、透明で、前記保護層の厚さが、前記感熱シートの耐久性を保持可能な厚さであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の感熱印刷用組成物。
【請求項6】
前記感熱印刷用組成物は、感熱ラベルであり、前記保護層は印刷層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の感熱印刷用組成物。
【請求項7】
レーザ光を照射することにより発色する発色層を備えた感熱シートを設け、この感熱シート表面に所定範囲の印刷層を形成し、この印刷層にレーザ光を照射して前記印刷層のレーザ光照射部分を除去するとともに前記感熱シートの所定部分を発色させ、前記感熱シートに文字又は図形を表すことを特徴とする印刷方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−125733(P2007−125733A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318420(P2005−318420)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【出願人】(391019500)朝日印刷株式会社 (70)
【Fターム(参考)】