説明

感熱性樹脂のための押出配合物パッケージおよび前記パッケージを含むポリマー組成物

【発明の詳細な説明】
本発明は、比較的感熱性であるポリビニリデン共重合体の溶融押出に関する。特に、ポリ塩化ビニリデン共重合体は2つのルート:(1)最初の共重合体の吸熱脱塩酸で塩化水素(HCl)およびポリクロルアセチレン成分を形成、ならびに(2)ポリクロルアセチレン成分の発熱脱塩酸でより多くHClおよび非−黒鉛炭素を形成、により分解して炭質材料(すなわち、種々の暗い強烈な色の種)を形成する。それは、特に、60〜99重量パーセントの量で塩化ビニリデン単位を含む共重合体に関する。
本発明は、比較的不感熱性であるポリ塩化ビニル共重合体の溶融押出には関しない。特に、ポリ塩化ビニル共重合体は2つのルート:(1)最初のポリマーの吸熱脱ハロゲン化水素で塩化水素およびポリアセチレン成分を形成、ならびに(2)ポリアセチレン成分の吸熱脱水素でH2および黒鉛炭素を形成、により分解して炭質材料を形成する。
塩化ビニリデン共重合体は、従来技術で公知である。かようなポリマーはまた熱的に不安定であることが公知であり、かようなポリマーを所望の加工温度にさらすと、増加したレベルの炭質材料汚染の如き所望でない物理的特性を生じる傾向があり、塩化水素を放出し、およびよくない押出適性、例えば変色を有することを意味する。
従来、回収される形から直接に塩化ビニリデン共重合体を押出すことが実施されてきた。船積および取扱の便利のために、塩化ビニリデン共重合体を最終押出の前にペレットに成形することが望ましい。ペレットに対する要求が増加したとき、パウダー樹脂が付される無数の加工条件に耐え得るペレットに対する要求が増加した。
感熱性ポリマー組成物のペレットは製品を二次加工するために有益な形であるが、感熱性ポリマー組成物のかようなペレットは押出すことが特に困難である。ペレット成形は、製品へのポリマー組成物の通常の押出工程の前に、熱可塑性組成物を熱にさらすことを必要とする。この付加的な熱ヒストリー(history)は、ペレットの形のポリマー組成物を熱不安定により敏感にすることが信じられている。その結果として、パウダーの形の感熱性ポリマー組成物の熱安定性を改良する添加剤は、必ずしも、ペレットの形の感熱性ポリマー組成物の熱安定性を改良しない。
一定時間満足すべき押出性であるにもかかわらず、塩化ビニリデン共重合体ペレットを長時間にわたってある押出装置で押出す試みは、また、押出物中の所望でないレベルの炭質材料汚染、増加した変色、またはより高い塩化水素のために満足すべきものではなかったことが、わかった。
塩化ビニリデン共重合体を含むポリマー組成物の押出適性を改良する努力において、かような組成物は、パウダーかもしくはペレットの形で、主に塩化ビニリデン共重合体および安定剤、可塑剤等の如き適当な量の改良剤から二次加工される。塩化ビニリデンン共重合体とともにまったく改質剤を用いないとき、塩化ビニリデン共重合体への高い摩擦および粘性力は、例えば、塩化ビニリデン共重合体の熱分解点に加工温度が非常に近いために、炭質材料汚染、変色、または塩化水素放出をしてしまう熱分解に付される塩化ビニリデン共重合体を生成する。さらに、分解共重合体は、押出物のガス透過性に有害な効果を有する、押出物中の所望でないレベルの炭質材料汚染を起す。
しかし、製品中の炭質材料汚染、変色、または塩化水素放出なしに、塩化ビニリデン共重合体を工業的に押出し加工するために、比較的大量の安定剤および可塑剤が樹脂中に不可避的にまぜられねばならない。より大量の可塑剤は溶融粘度を減少させ、よって熱安定性を改良する加工温度を低下させ;より大量の安定剤はポリマー組成物の熱安定性を改良する。しかし、比較的大量の安定剤および可塑剤は、大気圧ガスに対する押出物の透過性を増加させる。
後述の本発明は、もし所望の高加工温度に付されるならば、塩化ビニリデン共重合体単独より、低いレベルの炭質材料汚染しか起さず、少い塩化水素しか放出せず、または良い押出適性、例えば色を有する、ポリマー組成物の製品を与える。さらに、ポリマー組成物が所望の温度で加工されるとき、押出物は、また、塩化ビニリデン共重合体単独から成形された押出物より、低いレベルの炭質材料汚染、少ない変色、または少ない塩化水素放出しか起さない。
第一の態様において、本発明は、発熱反応により非−黒鉛炭素に炭化させるタイプの感熱性樹脂の押出適性を改良するための添加剤であって、 弱酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属を、添加剤の総重量を基準として0.1〜95重量パーセント、並びに(a)超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンからなる群より選ばれるポリエチレン、(b)可塑剤、及び(c)(i)上記ポリエチレンとは異なる低分子量酸化ポリオレフィン及び(ii)ポリオレフィンワックスもしくはオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の表面滑剤を残余含む添加剤である。
さらに、本発明は、以下の態様をも包含する。すなわち、 本発明の第二の態様は、塩化ビニリデン共重合体の押出適性を改良するための添加剤との混合物に混合された塩化ビニリデン共重合体を含むポリマー組成物であって、(A)この塩化ビニリデン共重合体がポリマー組成物の全重量に基づいて59.8〜99.7重量パーセントの量存在し、この共重合体は、モノマー混合物の全重量に基づいて60〜99重量パーセントの量の塩化ビニリデン、及びモノマー混合物の全重量に基づいて40〜1重量パーセントの量のこの塩化ビニリデンと共重合性である少なくとも1種のエチレン系不飽和コモノマーを含むモノマー混合物から形成され、(B)この添加剤が、ポリマー組成物の全重量に基づいて40.2〜0.3重量パーセントの量存在し、この添加剤は、ポリマー組成物の全重量に基づいて、0.05〜5重量パーセントの弱酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を含み、この添加剤の残余が、(a)超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンからなる群より選ばれるポリエチレン、(b)可塑剤、及び(c)(i)上記ポリエチレンとは異なる低分子量酸化ポリオレフィン及び(ii)ポリオレフィンワックスもしくはオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の表面滑剤を含むものであるポリマー組成物である。
本発明の第三の態様は、添加剤との混合物に混合された塩化ビニリデン共重合体を含むポリマー組成物であって、(A)この塩化ビニリデン共重合体がポリマー組成物の全重量に基づいて94.6〜98重量パーセントの量存在し、この共重合体は、モノマー混合物の全重量に基づいて60〜99重量パーセントの量の塩化ビニリデン、及びモノマー混合物の全重量に基づいて40〜1重量パーセントの量のこの塩化ビニリデンと共重合性である少なくとも1種のエチレン系不飽和コモノマーを含むモノマー混合物から形成され、(B)この添加剤が、ポリマー組成物の全重量に基づいて2〜6.4重量パーセントの量存在し、この添加剤は、ポリマー組成物の全重量に基づいて、0.4〜2重量パーセントの弱酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を含み、この添加剤の残余が、ポリマー組成物の全重量に基づいて、(a)0.5〜2重量パーセントの超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンからなる群より選ばれるポリエチレン、(b)0.4〜1.2重量パーセントの可塑剤、及び(c)(i)0.2〜0.3重量パーセントの上記ポリエチレンとは異なる低分子量酸化ポリオレフィン及び(ii)0.5〜0.9重量パーセントのポリオレフィンワックスもしくはオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の表面滑剤を含むものであるポリマー組成物である。
本発明の第四の態様は、押出適性が改良されたポリマー組成物の製造方法であって、下記の工程、(A)(1)ポリマー組成物の全重量に基づいて59.8〜99.7重量パーセントの塩化ビニリデン共重合体、この共重合体は、モノマー混合物の全重量に基づいて60〜99重量パーセントの量の塩化ビニリデン、及びモノマー混合物の全重量に基づいて40〜1重量パーセントの量のこの塩化ビニリデンと共重合性である少なくとも1種のエチレン系不飽和コモノマーを含むモノマー混合物から形成される、及び(2)ポリマー組成物の全重量に基づいて40.2〜0.3重量パーセント添加剤、この添加剤は、ポリマー組成物の全重量に基づいて、0.05〜5重量パーセントの弱酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を含み、この添加剤の残余が、(a)超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンからなる群より選ばれるポリエチレン、(b)可塑剤、及び(c)(i)上記ポリエチレンとは異なる低分子量酸化ポリオレフィン及び(ii)ポリオレフィンワックスもしくはオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の表面滑剤を含むものである、を提供すること、(B)前記塩化ビニリデン共重合体と添加剤とを混合してポリマー組成物を形成することを含む方法である。
本発明の第五の態様は、押出適性が改良されたポリマー組成物の製造方法であって、下記の工程、(A)(1)ポリマー組成物の全重量に基づいて94.6〜98重量パーセントの塩化ビニリデン共重合体、この共重合体は、モノマー混合物の全重量に基づいて60〜99重量パーセントの量の塩化ビニリデン、及びモノマー混合物の全重量に基づいて40〜1重量パーセントの量のこの塩化ビニリデンと共重合性である少なくとも1種のエチレン系不飽和コモノマーを含むモノマー混合物から形成される、及び(2)ポリマー組成物の全重量に基づいて2〜6.4重量パーセント添加剤、この添加剤は、ポリマー組成物の全重量に基づいて、0.4〜2重量パーセントの弱酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を含み、この添加剤の残余が、ポリマー組成物の全重量に基づいて、(a)0.5〜2重量パーセントの超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンからなる群より選ばれるポリエチレン、(b)0.4〜1.2重量パーセントの可塑剤、及び(c)(i)0.2〜0.3重量パーセントの上記ポリエチレンとは異なる低分子量酸化ポリオレフィン及び(ii)0.5〜0.9重量パーセントのポリオレフィンワックスもしくはオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の表面滑剤を含むものである、を提供すること、(B)前記塩化ビニリデン共重合体と添加剤とを混合してポリマー組成物を形成することを含む方法である。
本発明の第六の態様は、二次加工品の製造方法であって、下記の工程(A)(1)ポリマー組成物の全重量に基づいて59.8〜99.7重量パーセントの塩化ビニリデン共重合体、この共重合体は、モノマー混合物の全重量に基づいて60〜99重量パーセントの量の塩化ビニリデン、及びモノマー混合物の全重量に基づいて40〜1重量パーセントの量のこの塩化ビニリデンと共重合性である少なくとも1種のエチレン系不飽和コモノマーを含むモノマー混合物から形成される、及び(2)ポリマー組成物の全重量に基づいて40.2〜0.3重量パーセント添加剤、この添加剤は、ポリマー組成物の全重量に基づいて、0.05〜5重量パーセントの弱酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を含み、この添加剤の残余が、(a)超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンからなる群より選ばれるポリエチレン、(b)可塑剤、及び(c)(i)上記ポリエチレンとは異なる低分子量酸化ポリオレフィン及び(ii)ポリオレフィンワックスもしくはオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の表面滑剤を含むものである、を含むポリマー組成物を提供すること、(B)この組成物を、流し込み成形、吹き込み成形、押し出し成形、射出成形、ブロー成形、同時押し出し、積層、もしくはカレンダリングからなる群より選ばれる方法を用いて製品に二次加工すること、を含む方法である。
本明細書で用いられるとき、語“酸”は、プロトン供与体であることができる物質として定義される。“弱酸”は測定できる解離定数を有する酸であり、従って全体的には水中で解離せず、典型的に1/10規定液で2〜7の範囲のpHを有する。従って、水はそれ自体ここで定義されるとき弱酸である。典型的に、本発明で用いられる塩は、1/10規定液で4〜11の範囲のpHを有する。
弱酸の塩は、無機および有機酸の塩を含む。無機酸の塩は、水性媒体中で、酸の溶解性無機塩(例えば、テトラナトリウムピロホスフェート);酸の部分的に溶解性無機塩(例えば、酸化マグネシウム、および水酸化マグネシウム);ならびに酸の比較的不溶解性無機塩(例えば、ヒドロキシ燐酸カルシウム、普通燐酸三石灰として参照される)として、通常定義されるものを含む。当業者は、塩の実際の溶解度は多くの変数、例えば、水に対する塩の比、およびpHに依存することを、認識する。
有機酸の典型的な塩は、メチルトリナトリウムピロホスフェート、ジイソアミルジカリウムピロホスフェート等を含む。適当な結果が、また、t−ブチルテトラカリウムトリポリホスフェート等の如きトリポリホスフェート;トリエチルトリカリウムテトラポリホスフェート等の如きテトラポリホスフェート;を含む有機金属ポリホスフェートで得られる。
酸の最も好ましい塩は、Kyowa Chemical Co.から商業的に手に入るKisumaTM5Bの如き水酸化マグネシウムである。
本発明の目的のために適当な酸の塩は、従来技術で公知の方法により製造される。説明のみによって、水酸化マグネシウム、テトラナトリウムピロホスフェート、および燐酸三石灰を製造するための技術が、The Merck Index、10版、(1983)に示されている。
この酸の塩は、添加剤の総重量を基準として、好ましくは8.3〜55.6重量パーセント存在する。
適当には酸の粒状塩は、安定化される塩化ビニリデン共重合体の平均粒径未満であるかまたは等しい平均粒径を有する。当業者は、酸の塩の効果は一般に用いられる塩の表面積に関係があることを認識する。本発明の目的のために、酸の塩は有利には平均粒径1〜50ミクロンを有する。1人の当業者は、過度の実験なしに、特定の成分の最適粒径を決定することができる。
本発明により意図されたポリエチレン(第1のポリオレフィン)は、ポリマー組成物の“摩擦係数”を下げるように選ばれる。“摩擦係数”は、ポリマーとは別の固体材料に関する固体ポリマーの摩擦の係数の測度である。明らかに、ポリエチレンの摩擦係数が下がれば下がるほど、ポリエチレンを含むポリマー組成物の摩擦係数が下がる。
摩擦を測定する1つの方法は、既知の横断面のサンプルを回転ロールに衝突させることによってである。半径方向衝突力に対する接線力の比は、摩擦係数(COF)として定義される。“スクリューシミュレーター”と呼ばれる装置が、押出機供給部分で普通に見られる条件でCOFの測定をするのに用いられる。その装置および方法は、次の論文:C.I.Chung et al.,Polym.Eng.Sci.,17(1),9(1977)に詳細に記述してある。
粘度は流れ抵抗である。粘度は、より高分子量ポリマーがより高い粘度を有する、分子量を含む多くの変数の関数である。
ポリマー組成物の摩擦係数はポリエチレンのないポリマー組成物の摩擦係数より少なくとも20パーセント低くあるべきであり、ポリマー組成物の粘度は塩化ビニリデン共重合体の200パーセント〜5パーセントの範囲内にあるべきである。
典型的なポリエチレンは、超−低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを含む。
ポリエチレンは、また、少量の1種以上の種類の置換コモノマーと共重合されてもよい。本発明の目的のために、“少量のコモノマー”は、コポリマーがエチレンホモポリマーの摩擦係数特性からそれを重要に変化させる量より少ない少なくとも1種のコモノマーを含んでよいことを、意味する。典型的なコモノマーは、酸素を含んでよいハロゲンおよびコモノマーを含む。ハロゲン化ポリエチレンにおいて、α−モノオレフィンポリマー主鎖に結合されたハロゲンは、全もしくは部分的なハロゲン化有機部分を供給する。好ましいハロゲン化ポリエチレンは、上記のパラメーターの範囲内のそれらの塩素化ポリエチレンを含む。
好ましいポリエチレンは、重合度少なくとも715,70℃〜175℃の範囲の融点、および0.85〜1.1の範囲の密度を有する。715より上の重合度を有するために、ポリエチレンは相当する平均分子量少なくとも10,000を有する。かようなポリエチレンは、それらが押出されるとき共重合体の固体相中の摩擦係数を減少させるので、好ましい。高密度ポリエチレンは、それらの比較的低い摩擦係数のために、最も好ましい。
ポリエチレンを製造するための技術は、従来技術で公知である。Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、16巻、3版(1980)は一般的製造方法を示す。
このポリエチレンは、添加剤の総重量を基準として、好ましくは0.9〜99.5重量パーセント、より好ましくは10.2〜57.1重量パーセント存在する。
“可塑剤”により、理論により境界であることは意図されない(not intended to be bound by theory)が、普通に可塑剤として参照されるクラスの成分が意味され;可塑剤は一般に塩化ビニリデン共重合体と相溶性である液体添加剤であり、共重合体のガラス転移温度を低下させる。
典型的な可塑剤は、エポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油の如きエポキシ化物質;ならびにジブチルセバケートおよびジ−2−エチルヘキシルセバケートの如きセバケートの如き非−エポキシ化物質を含む。非−エポキシ化物質は、押出物中の低い炭質材料のために、好ましい。
この可塑剤は、添加剤の総重量を基準として、好ましくは90.9重量パーセント以下、より好ましくは7.1〜42.9重量パーセント存在する。
“押出物”により、加工方法、例えば、流し込成形、吹込成形、押出、成形、射出成形、ブロー成形、同時押出、積層、もしくはカレンダリングの際高温に付されるとき、部分的にもしくは全体的に溶融し始めるどんな組成物でも意味される。
エポキシ化油を製造するための技術は、従来技術で公知である。Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、9巻、3版、(1980)は、一般的製造方法を示す。ジエステルを製造するための技術は従来技術で公知であり;Morrison and Boyd、3版、(1973)は、典型的なエステルの形成反応を示す。
押出助剤は、塩化ビニリデン共重合体の押出性能を改良する内部および表面滑剤を含む。“表面滑剤”により、ハロゲン−含有ポリマーを含む組成物中の表面滑剤として今まで提案され用いられてきたどんなクラスの化合物でも意味される。
組成物は、表面滑剤として参照されるそのメカニズムに加えて、機能を果してよい。理論により境界であることは意図されないが、滑剤は、それらが溶融ポリマーと少なくとも部分的に不相溶性であることが信じられているので、“表面”として分類される。滑剤は従って溶融ポリマーの表面に移動し、ポリマー、およびポリマー組成物を加工するのに用いられる押出機、ロール機もしくは他の装置の加熱金属表面間にフィルムを形成する。このフィルムは、重要に、ポリマーがこれらの金属表面に付着し崩壊する傾向を減少させる。同様に、表面滑剤は液体ポリマーおよび固体ポリマー間の摩擦力を減少させることが、信じられている。
本発明で表面滑剤として利用される低分子量酸化ポリオレフィン(第2のポリオレフィン)は、蒸気相浸透圧法により測定されるように、数平均分子量5,000未満を有する低分子量ポリマーである。好ましくは数平均分子量は1,000〜4,000、および最も好ましくは1,500〜2,500である。ポリオレフィンは、好ましくは酸価10〜35、より好ましくは13〜17に酸化された。これらの酸化ポリオレフィンは、好ましくはASTM E−28により測定されるように軟化点85℃〜145℃、より好ましくは95〜140、および最も好ましくは98〜115を有する。一般に、かような酸化ポリオレフィンは、140℃でのBrook field粘度120〜300センチポイズ(cps)、および好ましくは170〜250cpsを有する。
酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、もしくはそれらの混合物を含む典型的な酸化ポリオレフィンが、用いられる。酸化ポリエチレンおよび酸化ポリプロピレンが公知である。酸化ポリエチレンが好ましい。
酸化ポリエチレンおよび酸化ポリプロピレンは遊離もしくはエステル化カルボン酸残基を含み、エチレンホモポリマーもしくはコポリマーを酸素もしくは有機過酸化物もしくはヒドロペルオキシドと反応させることにより製造され得る。酸化ポリオレフィンを製造するための技術は従来技術で公知;Encyclopedia of Polymer Science and Technology、6巻、(1967)である。
この酸化ポリオレフィンは、好ましくは0.1〜80重量パーセント、より好ましくは3.2〜14.3重量パーセント存在する。
“ポリオレフィンワックスおよび油”により、一般に一般式CnH2n+2を有する、炭化水素もしくは炭化水素の混合物が意味される。典型的ポリオレフィンワックスおよび油は、パラフィンワックス、非酸化ポリエチレンワックス、ならびにパラフィン油の如き液体および固体炭化水素を含む。パラフィンおよびポリエチレンワックスが好ましい。
パラフィンワックスは、ここで、50〜300cps@140℃の範囲のBrookfield粘度;40℃〜80℃の範囲の融点;および0.85〜0.95の範囲の密度を有するとして定義される。典型的パラフィンワックスは、HoechstTMXL−165FR、HoechstTMXL−165SB、およびHoechstTMXL−165の如きHoechst AGから商業的に手に入るワックスを含む。
ポリエチレンワックスは、ここで、130〜450cps@140℃の範囲のBrookfield粘度;80℃〜100℃の範囲の融点;および0.85〜0.95の範囲の密度を有するとして定義される。典型的ポリエチレンワックスは、AlliedTM617Aおよび6Aの如きAllied Chemical Co.から商業的に手に入るワックスを含む。
ポリオレフィンワックスおよび油を製造するための技術は従来技術で公知である。Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、24巻、3版、(1980)が、ポリオレフィンワックスおよび油の一般的製造方法を示している。
好ましくは、酸化ポリオレフィンおよびポリオレフィンワックスは、それらが所望の加工温度にさらされた後ポリマー組成物中の炭質材料汚染を減少させる相乗作用を示すので、組合せて用いられる。
このポリオレフィンワックスは、好ましくは0.2〜90.9重量パーセント、より好ましくは8.3〜37.5重量パーセント存在する。
別の実施例において、本発明は、添加剤とブレンドされて改良された押出適性を有するポリマーもしくはプラスチック組成物を形成する塩化ビニリデン共重合体を含むポリマー組成物である。“ポリマーもしくはプラスチック組成物”により、共重合体および添加剤ならびに他の添加剤の組合せが意味される。本発明の目的のために、改良された押出適性は、もし所望の高い加工温度に付されるならば、塩化ビニリデン共重合体および添加剤が低いレベルの炭質材料汚染しか起さず、より少ない塩化水素しか放出せず、または良好な押出適性例えば色を有することを、意味する。さらに、ポリマー組成物が所望の温度で、パウダーもしくはペレットの形で加工されるとき、押出物は、また、低いレベルの炭質材料汚染、少ない変色、または少ない塩化水素放出を有する。
添加剤は、ポリマーポリブレンド組成物中に、最少量重パーセント0.3、好ましくは0.9、最も好ましくは2.0;最大重量パーセント40.2、好ましくは21.9、および最も好ましくは6.4の範囲の量で存在し;前記重量パーセントはポリマーポリブレンド組成物の全重量に基づく。
塩化ビニリデン共重合体は、ポリマー組成物中に、最大重量パーセント99.7、好ましくは99.1、および最も好ましくは98;最少重量パーセント59.8、好ましくは78.1、および最も好ましくは93.6の範囲の量で存在し、前記重量パーセントはポリマー組成物の全重量に基づく。
本発明で用いられるのに適した塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデンモノマーおよび塩化ビニリデンモノマーと共重合性の所定量の1種以上のエチレン系不飽和コモノマーのモノマー混合物から形成されるそれらの塩化ビニリデン共重合体である。
モノマー相を製造するときに、かような相は、本質的に重合されるすべてのモノマーを含む混合物を含む。効果的な量の重合される塩化ビニリデンモノマーは、一般に、60〜99重量パーセントの範囲内にあり、前記重量パーセントは共重合体の全重量に基づく。モノマー混合物は、一般に、エチレン系不飽和コモノマーまたは塩化ビニリデンモノマーと共重合性のコモノマーを、塩化ビニリデン共重合体の全重量に基づいて、40〜1重量パーセントの量で含む。好ましい範囲は、当業者にとって公知であるように、それと共重合されるエチレン系不飽和コモノマーに依存する。
エチレン系不飽和コモノマーの量は、共重合体の半結晶特性を破壊するのに十分な量より下に維持される。“半結晶特性”により、共重合体が5パーセント〜95パーセントの結晶度を有することが意味される。結晶度値は測定技術に依存し、ここで用いられるとき結晶度は普通用いられる密度方法により定義される。参照、例えば、Polyvinylidene Chloride、5巻、Gordon and Breach Science Publishers,New York、1977の6章のR.Wesslingによる議論。
塩化ビニリデンモノマーと共重合性の適性なエチレン系不飽和モノマーは、塩化ビニル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルを含む。アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートは、一般にアルキル基当り1〜8個の炭素原子を有するように選ばれる。好ましくは、アルキルアクリレートおよびアルキルメタアクリレートは、アルキル基当り1〜4個の炭素原子を有するように選ばれる。アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートは、最も好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、およびメチルメタクリレートからなる群から選ばれる。
用いられるエチレン系不飽和コモノマーが塩化ビニルであるとき、塩基ビニルは好ましくは共重合体の30〜5重量パーセントの量で存在し、塩化ビニリデンの量は共重合体の70〜95重量パーセントであり、最も好ましくは、塩化ビニルは共重合体の25〜10重量パーセントの量で存在し、塩化ビニリデンの量は共重合体の75〜90重量パーセントである。
用いられるエチレン系不飽和コモノマーがアルキルアクリレートであるとき、アルキルアクリレートは好ましくは共重合体の15〜2重量パーセントの量で存在し;塩化ビニリデンの量は共重合体の85〜98重量パーセントであり;最も好ましくは、アルキルアクリレートは共重合体の10〜3重量パーセントの量で存在し;塩化ビニリデンの量は共重合体の90〜97重量パーセントである。
本発明で用いられるのに適した塩化ビニリデン共重合体の形成方法は、従来技術で公知である。塩化ビニリデン共重合体は、一般に乳化もしくは懸濁重合方法で形成される。典型的なかような方法が米国特許第2,558,728号;第3,007,903号;第3,642,743号;および第3,879,359号であり;その方法がPolyvinylidene Chloride,Gordon and Breach Science Publishers,New York、1977、Chapter3にR.A.Wesslingにより記述されている。典型的に、モノマー物質は、水性相中で乳化もしくは懸濁される。水性相は、重合開始剤、および水性相中のモノマー物質を乳化もしくは懸濁させることができる界面活性剤を含む。モノマー物質の重合は、たいてい加熱およびかく拌しながら実施される。
重合が完結した後、塩化ビニリデン共重合体の生成懸濁もしくは乳化スラリーは、水性相の大部分を有する。生成スラリーは真空ストリップされる。その後、スラリーは冷却され取出され(unloaded)および脱水され、樹脂が集められさらに乾燥される。
添加剤の成分は別々に添加され塩化ビニリデン共重合体とブレンドされてよく;または同時に、塩化ビニリデン共重合体と、物理的に塩化ビニリデン共重合体を別に製造された添加剤とブレンドすることによる如く、ブレンドされてよい。ポリマー組成物を配合するとき、添加剤の成分は一般に共重合体と種々の量でブレンドされ、前記量はポリマー組成物の全重量の重量パーセントに基づく。
弱酸の塩は、ポリマー組成物の改良された色安定性を提供するのに効果的な量で添加されてよい。理論により境界であることは意図されないが、弱酸の塩は、ポリマー組成物中の遊離HClの量を効果的に減少させるためのHCl掃去剤として働くことが、信じられている。一般に、弱酸の塩は0.05〜5重量パーセントの量で、好ましくは0.1〜3重量パーセントの量で;および最も好ましくは0.4〜2重量パーセントの量で添加され;前記重量パーセントはポリマー組成物の重量に基づく。
ポリエチレンは適当には塩化ビニリデン共重合体と、0.1〜40重量パーセントの量で、好ましくは0.3〜15重量パーセントの量で;より好ましくは0.4〜5重量パーセントの量で、および最も好ましくは0.5〜2重量パーセントでブレンドされ、前記重量パーセントはポリマー組成物の全重量に基づく。
可塑剤は、塩化ビニリデン共重合体に、3重量パーセントまで、好ましくは0.1〜2重量パーセント、および最も好ましくは0.4〜1.2重量パーセントの量でまぜられる。
酸化ポリオレフィンは選択的に塩化ビニリデン共重合体中にまぜられて、0.05〜1重量パーセントの範囲の、好ましくは0.1〜0.4重量パーセントの範囲の、最も好ましくは0.2〜0.3重量パーセントの範囲のポリマー組成物を形成し、前記重量パーセントはポリマー組成物の全重量に基づく。
ポリオレフィンワックスおよび油は選択的に塩化ビニリデン共重合体中にまぜられて、0.1〜2重量パーセントの範囲の、好ましくは0.3〜1.5重量パーセントの範囲の、最も好ましくは0.5〜0.9重量パーセントの範囲のポリマー組成物を形成し、前記重量パーセントはポリマー組成物の全重量に基づく。
ポリマー組成物は、当業者にとって公知の付加的な添加剤を含んでよい。配合物中にまぜられてよい典型的な添加剤は、ヒンダードフェノール誘導体の如き光安定剤;二酸化チタンの如き顔料等である。これらの添加剤の各々は公知であり、各々のいくつかのタイプが商業的に手に入る。
出願者らは、本発明の添加剤が塩化ビニリデン共重合体の押出適性を改良することを発見した。もし所望の高い加工温度に付されたならば、添加ビニリデン共重合体および添加剤は低いレベルの炭質材料汚染しか起さず、より少ない塩化水素しか放出せず、または良好な色を有する。さらに、ポリマー組成物が所望の温度で加工されるとき、押出物は、また、低いレベルの炭質材料汚染、低い変色、またはより少ない塩化水素放出しか有さない。
塩化ビニリデン共重合体および添加剤のブレンドは、通常の溶融ブレンドおよび乾燥ブレンド技術を用いることにより達成され得る。ポリマー組成物へのかようなブレンドは、どんな重要な程度の熱加工にでもポリマー組成物をさらす前に起すべきである。従って、ポリマー組成物がペレットの形に押出されるとき、塩化ビニリデン共重合体および添加剤をペレット成形の前にブレンドすることが最も好ましい。
感熱性ポリマーのための通常の加工装置を用いるとき、3つの条件が満たされるべきである。相互関係のある2つの条件は、加工時間および加工温度である。ポリマーを溶融加工するとき、加工温度が高くなると加工時間はポリマー崩壊の如き望ましくない結果を避けるために減少させねばならないことが、一般に認識されている。溶融加工は、塩化ビニリデン共重合体の分解が重要になるより下の温度で達成されねばならない。第3の条件は、十分な混合が目視で均質なブレンドを提供するための溶融加工の際実施されねばならない、すなわち、適当な混合時間内で固体が見えてはならない。
典型的な溶融加工装置は、感熱性ポリマーで用いられるために建造される、加熱2本ロール配合機、Brabenderミキサー、Banburyミキサー、1軸押出機、2軸押出機等を含む。参照、例えば、Polyvinylidene Chloride、5巻、Gordon and Breach Science Publishers,New York、1977の11章、R.Wesslingによる議論。所望の結果が、押出機、1軸もしくは2軸スクリューがポリマー組成物の成分を溶融加工するために用いられるとき、得られる。
乾燥ブレンドするとき、成分は目視で一様な混合物を形成すべきである。適当な乾燥ブレンド装置は、Hobartミキサー、Welexミキサー、Henschel High Intensityミキサー等を含む。
本発明の好ましい実施例において、ポリマー組成物はペレット化されてよい。ポリマー組成物をペレットに成形する方法は、当業者にとって公知である。ポリマー組成物をペレットに成形できるどんな方法でも、本発明での使用に適当である。本適用の目的のために、語“ペレット(pellet)”もしくは“ペレット(pellets)”は、最少横断面寸法少なくとも1/32インチ、好ましくは少なくとも1/16インチ、および最も好ましくは少なくとも1/8インチを有する粒子に言及し;前記ペレットは、適当には、最大横断面寸法少なくとも1/2インチ、有利には少なくとも3/8インチ、および好ましくは少なくとも1/4インチを有する。ポリマー組成物をペレットに成形する典型的な方法は、ポリマー組成物をストライドダイを通して押出して押出ストランドを形成すること、および押出ストランドをペレットに切ることを含む。
パウダーもしくはペレットの形にあるポリマー組成物は、どんな適当な最終製品、例えば種々のフィルムもしくは他の製品にでも二次加工されてよい。従来技術で公知であるように、フィルムおよび製品は、通常の同時押出;例えばフィードブロック(feedblock)同時押出、多マニホールドダイ同時押出、またはその2つの組合せ;射出成形;押出成形;流し込成形;吹込成形;ブロー成形;カレンダリング;および積層技術で二次加工される。
それらから成形される製品は、ブローン(blown)および流し込み、単および多層、フィルム;硬質および軟質容器;硬質および発泡シート;管(tubes);管(pipes);ロッド;繊維;および種々の形材を含む。積層技術は多層シートを製造するのに特に適している。従来技術で公知であるように、特定の積層技術は、溶融;すなわち、自立の単層が熱および圧力の適用により一緒に接着される;液状貼合せ(wet combining)、すなわち、よって2個以上の層が液状で適用されるタイコート接着剤を用いて積層される、液体ドゥリブンオフ(driven off)、ならびに次の圧力積層による1つの連続方法における;または熱再活性化、すなわち下塗されたフィルムを別のフィルムと加熱により貼合せること、および下塗接着剤をそれが次の圧力積層後に接着をよく受入れ始めるように再活性化することによる貼合せを含む。
典型的な製品は、食品、飲料、医薬、および他の生鮮食品の保存のために用いられる硬質容器を含む。かような容器は、良好な機械的特性、ならびに、例えば、酸素、二酸化炭素、水蒸気、臭気ボディーもしくはフレーバーボディー、炭化水素もしくは農業用薬品に対する低いガス透過性を有するべきである。ポリオレフィン、スチレンポリマー等の如きたいていの有機ポリマーは、それ自体では、大気圧ガスおよび蒸気の透過に十分な耐性を有さない。その結果、パッケージ材料で用いられる多層シート構造は、塩化ビニリデン共重合体のバリヤー層の両側で一般にバリヤー層および異なる材料層間の接着を推進させるために用いられる接着剤層で積層された有機ポリマースキン層を有する。
本発明を、さらに詳細に下記の実施例により説明する。例は説明のみの目的のためであり、本発明の請求の範囲を限定するとして解釈してはならない。すべての部および百分率は、特記なき限り重量による。
例例1−12 表Iに示す種々の量の成分を含む種々のポリマー組成物を、製造する。




サンプル製造 ポリマー組成物を、表Iの種々の量の成分をブレンドすることにより形成する。
ポリマー組成物を、一般的に均質な混合物に、成分を乾燥ブレンドすることにより形成する。成分を、201bバッチでHobartミキサー中に投入し、約一時間混合する。
パウダー混合物を、Leistritz Model No.LSM−30.34、34mm 2軸配合押出機で押出す。押出機は、次の設定温度:(a)ゾーン1温度=175℃;(b)ゾーン2温度=175℃;(c)ゾーン3温度=175℃;(d)ゾーン4温度=175℃;(e)ゾーン5温度=175℃;および(f)ダイ温度=175℃を有する。押出機から、ブレンド物をストライドダイに通し、水浴中に押出す。ストランドを次にペレットに切る。しかし、当業者にとって、パウダー混合物を種々の製品に同様の押出加工により二次加工し得ることが公知である。
ペレットの色試験 ペレットを、それらの色を測定するために目視で点検する。分析するサンプルを、独立に押出物テープの色を評価する各々個々の7連の群により試験する。色を、1がクリーム白色を表し、10がやや暗い茶色を表す、変色の連続範囲にわたって1〜10のスケールで定性的に評価する。複合材料形材を編集する。
結果を表IIに示してある。
押出物テープ色 ペレットを21/1の長さ直径比を有する2 1/2″押出機中に投入し、20分間連続方式で押出す。押出機は、次の設定温度:(a)第1ゾーン温度=174℃;(b)第2ゾーン温度=168℃;(c)第3ゾーン温度=163℃;および(d)ダイ温度=165℃を有する。
ポリマー組成物が分解するとき、それは変色し、すなわち茶色がかり始める。押出物テープを、それらの色を測定するために目視で点検する。色を、1がクリーム色を表し、5がやや暗い茶色を表す、変色の連続範囲にわたって1〜5のスケールで定性的に評価する。
結果を表IIに示してある。
炭質材料汚染試験 ペレットを、長さ直径比21:1を有する2 1/2″押出機中に投入し、20分間連続方法で押出す。押出機は、次の設定温度:(a)第1ゾーン温度=174℃;(b)第2ゾーン温度168℃;(c)第3ゾーン温度=163℃;および(d)ダイ温度175℃を有する。
ペレットの押出機、ペレットの炭質材料への分解を、押出機スクリェーヒール(heel)の谷底および押出物テープを目視で点検することにより測定する。押出機スクリューヒールの谷底を評価するとき、ペレットを、4時間連続方法で押出す。炭質材料形成の程度を、1が表面上に一般にまったく炭質材料が見られないことを表し、5が一般に完全に表面をカバーする炭質材料の層を表す、炭質材料付着の連続範囲にわたって1〜5のスケールで定性的に評価する。
押出物テープ中の炭質材料汚染を、4時間の押出し実験の際、各々30分ごとに1分間にわたって炭質材料の斑点を数えることにより測定する。炭質材料汚染の程度を、1が20炭質材料斑点カウント/分未満を表し、5が100炭質材料斑点カウント/分を越えることを表す、炭質材料付着の連続範囲にわたって1〜5のスケールで評価する。
溶融接着試験サンプル製造 ポリマー組成物を、種々の量の表Iの成分をブレンドすることにより形成する。
ポリマー組成物を、一般に均質な混合物に、成分を乾燥ブレンドすることにより形成する。成分を101bパッチでHobartミキサー中に投入し、約1時間混合する。
溶融接着試験は、反対方向に回転する、約3インチ直径および6インチ長さの2本蒸気加熱ロールからなる2本ロール機試験を用いることを含む。異なる速度で回転している2本ロール間に、調節可能ギャップがある。異なる速度で回転するロールは、試験される材料にせん断効果を起す。
塩化ビニリデン共重合体のための一般的サンプル試験手順は、下記である:1)蒸気圧力を、所望のロール温度、一般に340゜〜350F゜を達成するように調節する。
2)200グラムのサンプルを重量測定する。
3)ロールをスタートさせ、ギャップをゼロにするために閉める。
4)サンプルをロールに注いだとき、時間のモニタリングを開始する。
5)材料が溶融したときロール間のギャップをゆっくり開け、ロールに付着させる。
6)材料が十分に溶融、すなわちまったく存在する固体が見られなくなったとき、工程4)の開始から経過した時間を記録する。
7)直径1/2インチの材料の小ロールがロール間にあるように、ロール間のギャップを調節する。
ロール接着はローラ表面に対する材料の主要なマスの相対的接着であり、いかに容易に材料がローラから捨てられ(scraped)得るかにより測定する。
ロールに対する組成物の接着に関するデータを、試験により得る。接着等級付けを、0〜5のスケールの等級付けにより特徴づける。
0−主要なマスがロールからシートにどんな材料も残さずに上がる。
1−ポリマーはロールから上がるが、斑点だらけの薄いコーチングを残す。
2−ポリマーはシートでロールから上がらない。ロールから材料をこすり取ることが必要であるが、ロールをすっかりきれいにすることが可能である。
3−材料はロールからまったく上がらない。パス(path)をこすり取る。薄い柔らかい層がロールおよび溶融体間の境界に残る。
4−材料をロールの端までこすり取らねばならない。まったく重い層がロールおよび溶融体上に残る。
5−ロールじゅうをこすり取ることが非常に困難である。境界および溶融体に材料の堅い層がある。




*=未測定されない。
1 SA=表Iから選ばれる酸の塩。%によるSAの量はポリマー組成物の全重量に基づく。
2 PE=表Iから選ばれるポリエチレン。%によるPEの量はポリマー組成物の全重量に基づく。
3 PL=表Iから選ばれる可塑剤。%によるPLの量はポリマー組成物の全重量に基づく。
4 EA=表Iに示される一等および二等の表面滑剤から選ばれる少なくとも1種の押出助剤。%によるEAの量はポリマー組成物の全重量に基づく。
5 PVdC=表Iから選ばれるポリ塩化ビニリデン共重合体。PVdCの量はポリマー組成物の全重量の残りを組成する。
6 色=目視の点検による。
7 炭質材料汚染=(a)押出機スクリュー、および(b)押出物の目視点検による。スクリュー上の炭質材料汚染を、1が表面上の一般にまったく見えない炭質材料を表し、5が表面を一般に完全にカバーする炭質材料の層を表す、炭質材料付着の連続範囲にわたって1〜5のスケールで評価する。押出物テープ中の炭質材料汚染を、1が20炭質材料斑点カウント/分未満を表し、5が100炭質材料斑点カウント/分を越えることを表す、炭質材料付着の連続範囲にわたって1〜5のスケールで評価する。
8 溶融接着=2本ロール機試験手順による溶融接着。
上記表から見られ得るように、本発明の組成物は、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を有する。
例13および14 各々例1および4を、次の:1重量パーセントのAlliedTM629A酸化ポリエチレンを0.3重量パーセントのAlliedTM629A酸化ポリエチレンと置換えること以外は、繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
例15−16 各々例1および4を、次の:0.1重量パーセントのAlliedTM617Aポリエチレンワックスを0.7重量パーセントのAlliedTM617Aポリエチレンワックスと置換えること以外は、繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
例17−18 例1および4を、次の:0.3重量パーセントのkisumaTM5Bを0.65重量パーセントのkisumaTM5Bと置換えること以外は、繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
例19−20 例1および4を、次の:2重量パーセントのkisumaTM5Bを0.65重量パーセントのkisumaTM5Bと置換えること以外は繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
例21−22 各々例7および10を、次の:1重量パーセントのAlliedTM629A酸化ポリエチレンを0.3重量パーセントのAlliedTM629A酸化ポリエチレンと置換えること以外は、繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
例23−24 各々例7および10を、次の:0.1重量パーセントのAlliedTM617Aポリエチレンワックスを0.7重量パーセントのAlliedTM617Aポリエチレンワックスと置換えること以外は、繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
例25−26 例7および10を、次の:0.3重量パーセントのkisumaTM5Bを0.65重量パーセントのkisumaTM5Bと置換えること以外は、繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
例27−28 例7および10を、次の:2重量パーセントのkisumaTM5Bを0.65重量パーセントのkisumaTM5Bと置換えること以外は、繰返す。
押出物テープは、良好な色特性、および低い炭質材料汚染を示した。
本発明をかなり詳細にそれらのいくつかの好ましい実施例を参照して記述してきたが、バリエーションおよび修正を、上記のようにおよび添付の請求の範囲で定義のように本発明の真意および範囲内で実施し得ることを、理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】発熱反応により非−黒鉛炭素に炭化させるタイプの感熱性樹脂の押出適性を改良するための添加剤であって、弱酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を、添加剤の総重量を基準として0.1〜95重量パーセント、並びに(a)超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンからなる群より選ばれるポリエチレン、(b)可塑剤、及び(c)(i)上記ポリエチレンとは異なる低分子量酸化ポリオレフィン及び(ii)ポリオレフィンワックスもしくはオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の表面滑剤を残余含む添加剤。

【特許番号】第2801323号
【登録日】平成10年(1998)7月10日
【発行日】平成10年(1998)9月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平1−503347
【出願日】平成1年(1989)3月4日
【公表番号】特表平3−504023
【公表日】平成3年(1991)9月5日
【国際出願番号】PCT/US89/00887
【国際公開番号】WO89/08680
【国際公開日】平成1年(1989)9月21日
【審査請求日】平成8年(1996)3月4日
【出願人】(999999999)ザ ダウ ケミカル カンパニー
【参考文献】
【文献】特開 昭63−63738(JP,A)