説明

感熱転写シート、感熱転写記録材料、及びそれらを用いた画像形成方法

【課題】銀塩写真のような鮮明で美しい画質を、ドライ・コンディションで実現することができ、しかも保存安定性に優れ、とりわけシアンの最高濃度が高く良好な画像を形成することができる感熱転写シート、感熱転写記録材料、およびそれらを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】支持体上に少なくとも、イエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、およびシアン熱転写層を有する感熱転写シートであって、該シアン熱転写層に、2種のシアン色素化合物を、該両者のモル比率が5対95〜20対80となるよう含有させた感熱転写シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱転写シート、感熱転写記録材料、及びそれらを用いた画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作成できるプロセスとして注目されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。更に近年のプリント高速化の流れを受け、一枚頭出しプリント時間が短いという利点を有しつつある。
【0003】
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
【0004】
この方式で発色性向上の観点から、種々の色素を使用することが提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。しかしながら、これら色素のインクシート中での安定性は不十分であることがわかってきた。さらに採算性向上の観点から、近年、プリンタ処理速度を早めることが要求されている。そのために、より高速のプリンタを用いることが試みられているが、それに伴って十分な最高濃度を得ることが困難になってきている。
【特許文献1】特開平7−232482号公報
【特許文献2】特開平5−221161号公報
【特許文献3】特開平4−357088号公報
【特許文献4】特開昭62−55194号公報
【非特許文献1】「情報記録(ハードコピー)とその材料の新展開」,(株)東レリサーチセンター発行,1993年,p.241−285
【非特許文献2】「プリンタ材料の開発」,(株)シーエムシー発行,1995年,p.180
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、銀塩写真のような鮮明で美しい画質を、ドライ・コンディションで実現することができ、しかも保存安定性に優れ、とりわけシアンの最高濃度が高く良好な画像を形成することができる感熱転写シート、感熱転写記録材料、およびそれらを用いた画像形成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に少なくとも、イエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、およびシアン熱転写層を有する感熱転写シートであって、該シアン熱転写層に、下記一般式(C1)で表されるシアン色素化合物と、下記一般式(C2)表されるシアン色素化合物とを、前記両者のモル比率が5対95〜20対80となるよう含有させたことを特徴とする感熱転写シート。
【化1】

(一般式(C1)中、R111およびR113は各々独立に水素原子または置換基を表す。R112およびR114は各々独立に置換基を表す。n18は、0〜4の整数を表し、n19は、0〜2の整数を表す。ここで、n18が2〜4の整数を表すとき又はn19が2を表すとき、複数のR114又は複数のR112は各々同じでも異なっていてもよい。)
【化2】

(一般式(C2)において、D14〜D21は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基、またはアミノ基を表す。D22およびD23は各々独立に水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。D22とD23とが互いに結合して環を形成していてもよく、D19とD22または/およびD20とD23とが互いに結合して環を形成していてもよい。)
(2)前記支持体上に、それぞれ少なくとも1層の、前記イエロー熱転写層と、前記マゼンタ熱転写層と、前記シアン熱転写層とが、その順序で面順次に配置されていることを特徴とする(1)記載の熱転写シート。
(3)(1)または(2)に記載の熱転写シートと、その前記少なくとも3種の熱転写層の色素を順次に転写して熱転写記録する熱転写受像シートとを組み合わせた熱転写記録材料。
(4)前記熱転写記録の際、プリンタのサーマルヘッド温度の最高到達温度Tmが180℃以上450℃以下の条件で、前記熱転写シートの熱転写層中の色素が前記熱転写受像シート側へと移行転写される(3)に記載の熱転写記録材料。
(5)前記熱転写記録の際、画像形成のライン速度が0.50m秒/line以上1.30m秒/line以下の条件で、前記熱転写シートの熱転写層中の色素が前記熱転写受像シート側へと移行転写される(3)または(4)に記載の熱転写記録材料。
(6)前記熱転写受像シートが支持体上に少なくとも1層の染料受容層を有し、かつ前記受容層と支持体の間に中空ポリマー粒子と親水性ポリマーを含有する少なくとも1層の断熱層を有することを特徴とする(3)〜(5)のいずれか1項に記載の熱転写記録材料。
(7)(3)〜(6)のいずれか1項に記載の熱転写記録材料において、その熱転写シートの熱転写層と感熱転写受像シートの受容層とが接するよう該両シートを重ね合わせ、サーマルヘッドを介して画像信号に応じた熱エネルギーを前記両シートに付与して、前記感熱転写受像シートに画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
(8)前記サーマルヘッドを介して前記両シートに熱エネルギーを付与して、画像形成された前記感熱転写受像シートに保護層を配設形成することを特徴とする(7)に記載の画像形成方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の感熱転写シート、感熱転写記録材料、およびそれらを用いた画像形成方法によれば、銀塩写真のような鮮明で美しい画質をドライ・コンディションで実現することができ、しかも感熱転写シートないし加熱転写記録材料を高温・高湿の環境で長期間保管しても、高い保存安定性を示して、とりわけシアンの最高濃度が高く、良好な画像を形成することができるという優れた作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感熱転写シートのシアン熱転写層は、前記一般式(C1)で表されるシアン色素化合物から選ばれる少なくとも1種及び下記一般式(C2)で表されるシアン色素化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する。
【0009】
一般式(C1)で表される染料について説明する。
一般式(C1)中、R111およびR113は各々独立に水素原子または置換基を表す。R112およびR114は各々独立に置換基を表す。n18は、0〜4の整数を表し、n19は、0〜2の整数を表す。ここで、n18が2〜4の整数を表すとき又はn19が2を表すとき、複数のR114又は複数のR112は各々同じでも異なっていてもよい。R111〜R114における置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホルミルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換基を有していてもよく、後述の一般式(Y1)における環A、R、Rの基が置換してもよい置換基が挙げられる。
【0010】
111、R113の例としては水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基が挙げられる。より好ましくは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール基である。
【0011】
112、R114の例としては、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基である。より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基である。さらに好ましくは、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基である。特に好ましくは置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキル基あるいは該置換基を有さない(n18及びn19が0である。)である。
【0012】
【化3】

【0013】
前記一般式(C1)で表される色素のうち、市販されていないものに関しては、米国特許第4,757,046号、同第3,770,370号、独国特許第2316755号、特開2004−51873号、特開平7−137455号、特開昭61−31292号の各公報もしくは明細書、ならびに、J.Chem.Soc.Perkin transfer I,2047(1977)、Champan著,「Merocyanine Dye−Doner Element Used in thermal Dye Transfer」に記載の方法に準じて合成することができる。
【0014】
次に前記一般式(C2)で表される染料について詳細に説明する。
一般式(C2)において、D14〜D21は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基、またはアミノ基を表す。D22およびD23は各々独立に水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。D22とD23が互いに結合して環を形成していてもよく、D19とD22または/およびD20とD23が互いに結合して環を形成していてもよい。
14〜D21の各置換基はさらに置換基を有していてもよく、後述の一般式(Y1)における環A、R、Rの基が置換してもよい置換基が挙げられる。
14は、アシルアミノ基、ウレイド基、またはアルコキシカルボニル基が好ましく、アシルアミノ基またはウレイド基がより好ましく、アシルアミノ基がさらに好ましく、特に好ましくは下記一般式(IV)で表される基である。
【0015】
一般式(IV)
−NH−C(=O)−D24
【0016】
式中、D24は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10、例えばフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、ナフチル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニルなど)またはヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜10で、酸素原子、窒素原子または硫黄原子のいずれかを環構成原子として含む5〜8員環のヘテロ環基で、例えばピリジル、フリル、テトラヒドロフリルなど)を表し、好ましくはヘテロ環基、アルキル基であり、さらに好ましくはピリジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基またはメチル基である。
【0017】
15、D16、D18〜D21は、好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)である。より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基である。
17は、好ましくは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基である。より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子である。
22、D23は、好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基である。これらのアルキル基は更に他の置換基により置換されていても良い。アルキル基が置換されている場合、好ましい置換基は、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、スルフィニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基であり、より好ましくはカルバモイル基である。D22、D23は、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基である。
【0018】
【化4】

【0019】
本発明の感熱転写シートにおいては、上記一般式(C1)または上記一般式(C2)で表されるシアン色素化合物以外のシアン染料を併用してもよい。
【0020】
本発明の感熱転写シートは、支持体上に拡散転写染料を含む熱転写層(以下、「色素層」または「染料層」ということがある。)を設けたものである。好ましくは、感熱転写シートには3原色の各色剤層イエロー、マゼンタ、シアンが感熱転写シートの長軸方向に面順次に形成(感熱転写受像シートの記録面の面積に対応して順次形成)されており、シアンの後に保護層転写部が配置されていることが好ましい。各々の色素は熱転写層(色素層)中にそれぞれ10〜90質量%含有されることが好ましく、20〜80質量%含有されることがより好ましい。
本発明において、「支持体上に各層を面順次に配置する」とは、感熱転写シートの支持体上の長手方向に異なる色相の熱転写染料層および/または機能層が特定の順番に配置されていることをいい、必要により前記各層が塗り分けて塗設されていることをさす。ただし、必要に応じてイエロー、マゼンタ、シアン以外にブラックなどの熱転写染料層や熱転写性保護層以外の機能層を加えることもできる。
【0021】
色素層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また熱転写層の塗布量は、0.1〜1.0g/m(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、更に好ましくは0.15〜0.60g/mである。熱転写層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.0μmである。
【0022】
支持体は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチック、あるいはこれらと前記紙とを複合した基材フィルム等が挙げられる。支持体の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜変更することができるが、好ましくは3〜100μmである。
【0023】
本発明の感熱転写シートのイエロー熱転写層に含有させるイエロー染料として、下記一般式(Y1)もしくは(Y2)で表される染料を少なくとも1種用いることが好ましい。ただし、本発明に用いられるイエロー染料は、これらの染料に限定されるものではない。
【0024】
【化5】

【0025】
一般式(Y1)中、環Aは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、RおよびRは各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0026】
およびRの各基はさらに置換基を有していてもよい。環A、RおよびRの各基が置換していてもよい置換基は、ハロゲン原子、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル基、アリールスルフィニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基が挙げられる。
【0027】
一般式(Y1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Aが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Aが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Aがメチル基が置換したベンゼン環であり、Rが無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが置換基を有する炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。Rのアルキル基について、更に置換基を持つ場合、好ましい置換基は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、アルコキシ部分が炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、アリール部分が炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基である。
【0028】
以下に、本発明の一般式(Y1)で表されるイエロー色素の具体例を示すが、本発明で用いることができる一般式(Y1)で表されるイエロー色素は以下の具体例によって限定されるものではない。
【0029】
【化6】

【0030】
次に一般式(Y2)で表される色素について説明する。
【0031】
【化7】

【0032】
一般式(Y2)中、Bは置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、Rは置換もしくは無置換のアルキル基を表し、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0033】
およびRの各基はさらに置換基を有していてもよい。B、RおよびRの各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、RおよびRの各基が置換してもよい置換基が挙げられる。
におけるアリール基は置換基を有してもよいフェニル基が好ましい。
【0034】
一般式(Y2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Bが置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換のピラゾリル基、置換もしくは無置換のチアジアゾリル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の置換基の組み合わせは、Bが置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換の1,3,4−チアジアゾリル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の置換基の組み合わせは、Bが4−ニトロフェニル基、炭素数1〜6のチオアルキル基が置換した1,3,4−チアジアゾリル基であり、Rが無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。Rのフェニル基の好ましい置換基としては、2−クロロ基、4−クロロ基、2,4,6−トリクロロ基、4−カルボキシメチル基、4−カルボキシエチル基である。
【0035】
以下に本発明に用いられる一般式(Y2)で表される色素の具体例を示す。本発明はこれにより限定されるものではない。
【0036】
【化8】

【0037】
これらの色素は、特開平1−225592号公報に記載の方法もしくはこれに準じた方法で容易に合成できる。
【0038】
本発明の感熱転写シートのマゼンタ熱転写層に含有させるマゼンタ染料として、下記一般式(M1)もしくは(M2)で表される染料を少なくとも1種用いることが好ましい。ただし、本発明に用いられるマゼンタ染料は、これらの染料に限定されるものではない。
【0039】
【化9】

【0040】
一般式(M1)中、Bは置換もしくは無置換のフェニレン基、または2価の置換もしくは無置換のピリジン環基を表し、R、R、RおよびRは各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0041】
、R、RおよびRの各基はさらに置換基を有していてもよい。B、R、R、RおよびRの各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、RおよびRの各基が置換してもよい置換基が挙げられる。
におけるフェニレン基は、置換基を有してもよい1,4−フェニレン基が好ましく、Bは2価のピリジン環基より置換基を有してもよいフェニレン基が好ましい。
一般式(M1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Bが無置換のフェニレン基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Bが無置換のフェニレン基であり、Rが置換もしくは無置換のフェニル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Bが無置換のフェニレン基であり、Rが2−クロロフェニル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。Rのアルキル基が更に置換基を持つ場合、シアノ基が好ましい。
【0042】
【化10】

【0043】
以下に一般式(M2)で表される化合物について詳しく説明する。
【0044】
【化11】

【0045】
一般式(M2)中、環Dは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R、R10およびR11は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Rはさらに水素原子を表すことが好ましい。
【0046】
、R10およびR11の各基はさらに置換基を有していてもよい。環D、R、R10およびR11の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、RおよびRの各基が置換してもよい置換基が挙げられる。
一般式(M2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Dが炭素数2〜8のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アシル基であり、R10は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R11は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Dが炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アシル基であり、R10は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、R11は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Dが炭素数2〜4のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アシル基であり、R10は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R11は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
【0047】
【化12】

【0048】
感熱転写シートの染料層に用いるバインダー樹脂は、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。バインダーとして好ましくはセルロース系樹脂およびポリビニルアセタール系樹脂であり、より好ましくはポリビニルアセタール系樹脂である。中でもポリビニルアセトアセタール樹脂を用いることで、十分な転写性が得られる。
【0049】
次に、本発明の感熱転写シートで使用される好ましい熱転写可能な保護層シートについて説明する。保護層転写シートを構成する基材シートとしては、従来の熱転写シートに使用される基材シートを用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、コンデンサ紙、グラシン紙、パラフィン紙等の薄紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等の各種プラスチックの延伸あるいは未延伸フィルム又はシートが使用でき、又これらの材料の表面に易接着処理等を施したもの、又これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性が適正になるように、材料に応じて適宜選択することが出来るが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
【0050】
保護層は少なくとも基材シート上に、アクリル樹脂を主成分とする層、ポリエステル樹脂を主成分とする層をこの順に設けた、少なくとも2層構成の積層体である構成とした。アクリル樹脂としては、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマーの中から選ばれた少なくとも1つ以上のモノマーからなる重合体で、アクリル系モノマー以外にスチレン、アクリロニトリル等を共重合させても良い。好ましいモノマーとしては、メチルメタクリレートで、仕込み質量比で50質量%以上含有していることが好ましい。
【0051】
アクリル樹脂は、分子量が20,000以上100,000以下であることが好ましい。分子量が低すぎると、合成時にオリゴマーが出て、安定した性能が得られず、高すぎると、保護層転写時に箔切れが悪くなる。
【0052】
ポリエステル樹脂としては、従来公知の飽和ポリエステル樹脂が使用できる。上記ポリエステル樹脂を使用する場合は、ガラス転移温度は50〜120℃が好ましく、又、分子量は2,000〜40,000の範囲が好ましく、更に4,000〜20,000の範囲が保護層転写時に箔切れ性が良くなり、より好ましい。
【0053】
保護層転写シートで、保護層のポリエステル樹脂を主成分とする層及び/又は接着層に、紫外線吸収剤を含有することができ、その紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように、系の異なるものを組み合わせて使用したり、非反応性紫外線吸収剤は紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
【0054】
保護層転写シートは、保護層が熱転写時に基材シートから剥離しにくい場合には、基材シートと保護層との間に離型層を形成することができる。言い換えれば、基材シートに離型層を設けて、基材シートを離型処理することができる。離型層は、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、及びこれらの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂、あるいはセルロース誘導体樹脂が好ましく、基材シートとの密着性、保護層との離型性において優れている。
【0055】
離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは基材シート側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が基材シート側に残存し、離型層と熱転写性保護層との界面が熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性等の点で優れているために、好ましく行われる。離型層の形成方法は、従来公知の塗工方法で形成でき、その厚みは乾燥状態で0.5〜5μm程度で十分である。又、転写後に艶消しの保護層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、あるいは離型層の保護層側の表面をマット処理することにより、表面マット状にすることもできる。なお、基材シートと保護層と剥離性が良好であれば、上記の離型層を設けることなく、保護層が熱転写により、基材シートから直接剥離することができる。
【0056】
保護層転写シートの少なくとも2層構成の積層体である保護層の最表面に、接着層を、保護層の被転写体への接着性を良好にする為に設けることが好ましい。この接着層は、従来公知の粘着剤や、感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
【0057】
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
【0058】
接着層は、上記のような樹脂と、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤や、また亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の添加剤を加えることができる。また、添加剤として、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等も適宜、必要に応じて使用することができる。上記のような接着層を構成する樹脂と、必要に応じて、上記のような添加剤を加えた塗工液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは乾燥状態で0.5〜10μm程度の厚みで接着層を形成する。
【0059】
本発明の熱転写可能な保護シートは、波長330から370nmのいずれかの範囲に吸収極大を有し、かつ、極大吸収波長における吸収濃度が0.8以上であることが好ましい。
なお、ここでの吸収波長および吸収濃度は保護シートにおけるものであることが好ましい。
【0060】
次に感熱転写受像シート(受像シート)に関して詳細に説明する。
本発明の感熱転写シートを組み合わせて用いられる感熱転写受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(受容層)を有し、支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層(多孔質層)を有する。また、受容層と断熱層との間に、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの下地層が形成されていてもよい。
受容層および断熱層は同時重層塗布により形成されることが好ましい。また、下地層を含む場合は、受容層、下地層および断熱層を同時重層塗布により形成することができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
【0061】
本発明において用いられる感熱転写シートの受容層には、熱可塑性樹脂を含有させることが好ましい。好ましい熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル・ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー・ポリ酢酸ビニル・エチレン酢酸ビニル共重合体・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体・ポリアクリルエステル・ポリスチレン・ポリスチレンアクリル等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール・ポリビニルブチラール・ポリビニルアセタール等のアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、特開平4−296595号公報や特開2002−264543号公報に記載セルロース系樹脂やセルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、CAB321−0.1、いずれも商品名、イーストマンケミカル社製)等のセルロース系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、尿素樹脂・メラミン樹脂・ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、相溶する範囲内で任意にブレンドして用いることもできる。特開昭57−169370号、同57−207250号、同60−25793号の各公報等にも受容層を形成した樹脂が開示されている。
【0062】
上記ポリマー中でもポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトンまたはこれらの混合物を含有することがさらに好ましく、ポリエステル、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体またはこれらの混合物が特に好ましい。ポリエステルおよびポリ塩化ビニルについて、さらに詳しく説明する。以上のポリマーは、単独またはこれらの混合物として用いることができる。
【0063】
受容層に用いられるポリエステル系ポリマーについて、さらに詳しく説明する。ポリエステルはジカルボン酸成分(その誘導体含む)とジオール成分(その誘導体を含む)との重縮合により得られるものである。ポリエステルポリマーは、芳香環および/または脂環を含有する。脂環式ポリエステルの技術については、特開平5−238167号公報に記載の技術が染料取り込み能と像の安定性の点で有効である。
【0064】
上記のジカルボン酸成分およびジオール成分を少なくとも使用して、分子量(質量平均分子量(Mw))が通常約11000以上、好ましくは約15000以上、より好ましくは約17000以上となるように重縮合したポリエステル系ポリマーを使用する。分子量があまり低いものを使用すると、形成される受容層の弾性率が低くなり、また耐熱性も足りなくなるので、感熱転写シートと受像シートとの離型性を確保することが難しくなる場合がある。分子量は、弾性率を上げる観点から大きいほど望ましく、受容層形成時に塗工液溶媒に溶かすことができなくなったり、受容層を塗布乾燥後に基材シートとの接着性に悪影響が出たりする等の弊害が生じない限り、特に限定されないが、好ましくは約25000以下、高くても約30000程度である。なお、エステル系ポリマーの合成法としては、従来公知の方法を使用すればよい。
【0065】
飽和ポリエステルとしては、例えばバイロン200、バイロン290、バイロン600等(いずれも商品名、東洋紡(株)製)、KA−1038C(商品名、荒川化学工業(株)製)、TP220、TP235(いずれも商品名、日本合成化学(株)製)等が用いられる。
【0066】
受容層に用いられる塩化ビニル系ポリマー、特に塩化ビニルを用いた共重合体について、さらに詳しく説明する。
塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル成分含有率85〜97質量%で重合度200〜800のものが好ましい。塩化ビニルと共重合するモノマーには特に限定はなく、塩化ビニルと共重合できればよく、酢酸ビニルが特に好ましい。したがって、受容層に用いる塩化ビニル系ポリマーとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が優れているが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は必ずしも塩化ビニル成分と酢酸ビニル成分のみの共重合体である場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであってもよい。このような塩化ビニルと酢酸ビニルを主単量体とする共重合体を構成する他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体;アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体;マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。共重合体中にしめる塩化ビニルおよび酢酸ビニルの成分比は任意の比率でよいが、塩化ビニル成分が共重合体中で50質量%以上であるのが好ましい。また、先に挙げた塩化ビニルや酢酸ビニル以外の成分は10質量%以下であるのが好ましい。
【0067】
このような塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、SOLBIN C、SOLBIN CL、SOLBIN CH、SOLBIN CN、SOLBIN C5、SOLBIN M、SOLBIN MF、SOLBIN A、SOLBIN AL(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)、エスレックA、エスレックC、エスレックM(いずれも商品名、積水化学工業(株)製)、デンカビニル1000GKT、デンカビニル1000L、デンカビニル1000CK、デンカビニル1000A、デンカビニル1000LK2、デンカビニル1000AS、デンカビニル1000GS、デンカビニル1000LT3、デンカビニル1000D、デンカビニル1000W(いずれも商品名、電気化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0068】
以上に挙げたポリマーは、有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)を適宜用いて溶解させることで、支持体上に塗布することができる。
【0069】
上記以外にもポリマーラテックスを好ましく用いることができる。以下、ポリマーラテックスについて説明する。
本発明で用いる感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な塩化ビニルをモノマー単位として含む疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものが好ましい。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年);杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年);室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年);三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒子サイズは、好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度である。
分散粒子の粒子サイズ分布に関しては特に制限は無く、広い粒子サイズ分布を持つものでも単分散の粒子サイズ分布を持つものでもよい。
【0070】
ポリマーラテックスは、通常の均一構造のポリマーラテックスであっても、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。このとき、コアとシェルでガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明で用いるポリマーラテックスのガラス転移温度は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、10℃〜70℃がさらに好ましく、15℃〜60℃が特に好ましい。
【0071】
受容層に用いられるポリマーラテックスとしては、ポリ塩化ビニル類、塩化ビニルをモノマー単位として含む共重合体、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル共重合体ポリマーを好ましく用いることができる。この場合、塩化ビニルモノマーの比率は50%〜95%が好ましい。これらポリマーは、直鎖のポリマーでも、枝分かれしたポリマーでも、また架橋されたポリマーであってもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーであってもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーであってもよい。コポリマーの場合は、ランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの数平均分子量は通常5000〜1000000、好ましくは10000〜500000である。分子量が小さすぎるものはラテックスを含有する層の力学強度が不十分であることがあり、大きすぎるものは成膜性が悪いことがある。また、架橋性のポリマーラテックスも好ましく使用される。
【0072】
本発明で使用できるポリマーラテックスは市販もされており、以下のようなポリマーが利用できる。例としては、日本ゼオン(株)製G351、G576、日信化学工業(株)製ビニブラン240、270、277、375、386、609、550、601、602、630、660、671、683、680、680S、681N、685R、277、380、381、410、430、432、860、863、865、867、900、900GT、938、950などが挙げられる(いずれも商品名)。
【0073】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよい。
受容層においては、塩化ビニルをモノマー単位として含む共重合体ラテックスは層中の全固形分に占める比率で50%以上であることが好ましい。
【0074】
本発明では、受容層を水系の塗工液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗工液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗工液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
【0075】
さらに、本発明に用いられる上記のポリマーラテックスは、上記のポリマーラテックスとともにいかなるポリマーを併用してもよい。併用することのできるポリマーとしては、透明または半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマーおよびコポリマー、合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマールおよびポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類が挙げられる。バインダーは、水または有機溶媒、またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0076】
本発明に用いられるバインダーは、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜90℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜85℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜70℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
【0077】
感熱転写受像シートの受像面に充分な剥離性能がない場合には、画像形成時にサーマルヘッドによる熱によって感熱転写シートと感熱転写受像シート(受像シート)が融着し、剥離時に大きな剥離音が発生したり、また、染料層が層ごと転写されたり、受容層が基材から剥離するいわゆる異状転写の問題が発生する。上記のような剥離性の問題を解決する方法としては、各種離型剤を受容層中に内添する方法、若しくは、受容層の上に別途離型層を設ける方法が知られている。本発明では、画像印画時の感熱転写シートと受像シートとの離型性をより確実に確保するために、離型剤を受容層に使用することが好ましい。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー(テフロン(登録商標))等の固形ワックス類;シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができ、フッ素系界面活性剤等に代表されるフッ素系化合物、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルおよび/またはその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
【0078】
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、および変性シリコーンオイルやその硬化物が使用できる。
【0079】
変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルに分類できる。反応性シリコーンオイルには、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、ヒドロキシ変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性がある。
【0080】
反応性シリコーンオイルとしては、硬化させて使用することもでき、反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等に分類できる。このなかで反応硬化型のシリコーンオイルが特に好ましく、反応硬化型シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好ましい。また、触媒硬化型あるいは光硬化型シリコーンオイルとしては、KS−705F−PS、KS−705F−PS−1、KS−770−PL−3〔触媒硬化型シリコーンオイル:いずれも商品名、信越化学工業(株)製〕、KS−720、KS−774−PL−3〔光硬化型シリコーンオイル:いずれも商品名、信越化学工業(株)製〕等が挙げられる。これら硬化型シリコーンオイルの添加量は受像層を構成する樹脂の0.5〜30質量%が好ましい。離型剤は、ポリエステル樹脂100質量部に対して通常2〜4質量%、好ましくは2〜3質量%程度使用する。その量が少なすぎると、離型性を確実に確保することができず、また多すぎると保護層が受像シートに転写しなくなってしまう。
【0081】
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。
【0082】
硬化変性シリコーンオイルは、受容層に添加しなくても、受容層の上に形成される離型層に添加してもよい。この場合は、受容層として、上述した様な熱可塑性樹脂を一種類以上使用して形成してもよく、またシリコーンを添加した受容層を使用してもよい。この離型層は、硬化型変性シリコーンを含有してなるが、使用するシリコーンの種類や使用方法は、受容層に使用する場合と同様である。また、触媒や遅延剤を使用する場合も、受容層中に添加するのと同様である。離型層は、シリコーンのみにより形成してもよいし、バインダー樹脂として、相溶性のよい樹脂と混合して使用してもよい。この離型層の厚みは、0.001〜1g/m2程度である。
【0083】
フッ素系界面活性剤としては、Fluorad FC−430、FC−431(いずれも商品名、3M社製)が挙げられる。
【0084】
断熱層は、サーマルヘッド等を用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。断熱層は1層でも2層以上でも良い。断熱層は、受容層より支持体側に設けられる。
【0085】
本発明に用いられる感熱転写受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーと親水性ポリマーを含有することが好ましい。中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、[1]ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の分散媒が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、[2]ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、[3]上記の[2]をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
【0086】
これらの中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが更に好ましく、0.2〜0.8μmが特に好ましい。サイズが小さすぎると、中空率が下がる傾向があり望まれる断熱性が得られなくなり、サイズが大きすぎると、断熱層の膜厚に対して中空ポリマーの粒子径が大きすぎて平滑な面が得られにくくなり、粗大粒子に起因する塗布故障が発生しやすくなるためである。
中空ポリマーの中空率は、20〜70%程度のものが好ましく、20〜50%のものがより好ましい。これは、中空率が20%未満になると十分な断熱性が得られなくなり、中空率が過剰に高くなると、粒子サイズが好ましい範囲では不完全な中空粒子の比率が増えて、十分な膜強度が得られなくなるからである。
【0087】
中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。中空ポリマーは必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
【0088】
このような中空ポリマーは市販されており、前記[1]の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[2]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[3]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。これらの中で、前記[1]の系列の中空ポリマーがより好ましく使用できる。
【0089】
中空ポリマーを含む断熱層中にはバインダー樹脂として水分散型樹脂または水溶解型樹脂をバインダーとして含有することが好ましい。本発明で使用されるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セルロース誘導体、カゼイン、デンプン、ゼラチンなどの公知の樹脂を用いることができる。本発明においてはゼラチンを用いることが特に好ましい。またこれらの樹脂は単独又は混合して用いることができる。
【0090】
断熱層における中空ポリマーの固形分含有量は、バインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき5〜2000質量部の間であることが好ましく、5〜1000質量部の間であることがより好ましく、5〜400質量部の間であることが更に好ましい。また、中空ポリマーの固形分の塗工液に対して占める質量比は、1〜70質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。中空ポリマーの比率が少なすぎると十分な断熱性をえることができず、中空ポリマーの比率が多すぎると中空ポリマー同士の結着力が低下し、十分な膜強度が得られず、耐擦過性が悪化する。
【0091】
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
【0092】
断熱層は親水性ポリマー(以後、水溶性ポリマーまたは水溶性高分子とも称す)を含有する。本発明に用いることのできる水溶性ポリマーは、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが本発明で使用できる水溶性ポリマーに該当する。
ここで、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解すればよく、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上、特に好ましくは1g以上である。
【0093】
天然高分子および半合成高分子について詳しく説明する。植物系多糖類としては、アラビアガム、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナンなど、微生物系多糖類としては、キサンタンガム(Kelco製Keltrol Tなど)、デキストリン(National Starch & Chemical Co.製Nadex360など)など、動物系天然高分子としては、ゼラチン(Croda製Crodyne B419など)、カゼインなどが挙げられる(いずれも商品名)。セルロース系としては、エチルセルロース(I.C.I.製Cellofas WLDなど)、カルボキシメチルセルロース(ダイセル製CMCなど)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル製HECなど)、ヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon製Klucelなど)、メチルセルロース(Henkel製Viscontranなど)、ニトロセルロース(Hercules製Isopropyl Wetなど)、カチオン化セルロース(Croda製Crodacel QMなど)などが挙げられる(いずれも商品名)。なかでもゼラチンが好ましく、ゼラチンは例えば分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができる。
【0094】
合成高分子について詳しく説明する。ポリアクリル酸などのアクリル系ポリマー、ポリビニルアルコールなどのビニル系ポリマー、その他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルホン酸又はその共重合体、水溶性ポリエステルなどであるが、本発明に用いることのできる水溶性合成高分子のうちポリビニルアルコール類が好ましい。
【0095】
以下に、ポリビニルアルコールについては、完全けん化物、部分けん化物、変性ポリビニルアルコール等、各種ポリビニルアルコールを用いることができる。これらポリビニルアルコールについては、長野浩一ら共著,「ポバール」(高分子刊行会発行)に記載のものが用いられる。
【0096】
ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献、長野浩一ら共著,「ポバール」,高分子刊行会発行,144〜154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40質量%であることが好ましい。
【0097】
本発明においては、水溶性ポリマーがポリビニルアルコール類、ゼラチンが好ましく、ゼラチンが最も好ましい。断熱層における水溶性ポリマーの添加量は、当該断熱層全体の1〜75質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。断熱層にゼラチンを使用する場合、ゼラチンの塗工液に占める量は0.5〜14質量%が好ましく、1〜6質量%が特に好ましい。また、断熱層における前記中空ポリマーの塗布量は1〜100g/mが好ましく、5〜20g/mがより好ましい。
【0098】
また、断熱層に含まれる水溶性ポリマーは、クッション性や膜強度を調整する為硬膜剤により架橋されていてもよい。硬膜により架橋する場合は、硬膜剤として、特開平1−214845号公報17頁のH−1、4、6、8、14、米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76)、特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。断熱層中の水溶性ポリマーは、硬膜剤の種類によっても異なるが0.1〜20質量%架橋されていることが好ましく、1〜10質量%架橋されていることがより好ましい。
【0099】
本発明においては、前記受容層にも断熱層において使用される水溶性ポリマーを使用することも好ましい形態であり、これらの水溶性ポリマーの好ましいポリマーは、断熱層と同じである。
【0100】
受容層と断熱層との間あるいは、支持体と断熱層には、中間層が形成されていてもよく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。また平滑性向上の目的をこれらの層に付与することもできる。これらの層については、例えば特許第3585599号公報、特許第2925244号公報などに記載されたものと同様の構成とすることができる。支持体と断熱層の間に設けられる場合は、下引き層と称することもある。
【0101】
支持体は特に限定されず、感熱転写受像シートにおいて通常用いられる支持体を用いることができ、耐水性支持体が特に好ましく用いられる。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙、合成紙を用いることができる。
【0102】
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
【0103】
感熱転写受像シートには、必要に応じて筆記層・帯電調整層を設けることができる。筆記背負う・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
【0104】
以下、本発明の感熱転写受像シートの好ましい実施態様としての製造方法について説明する。感熱転写受像シートは、少なくとも1層の下引き層、断熱層および受容層を支持体上に同時重層塗布することで形成することができる。支持体上に単層の塗布を行う場合、バーコーターによる塗布、スライド塗布などの方法が好ましく用いられる。また、複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、スライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。上記同時重層塗布を多層構成の受像シートの製造に用いることにより、生産性を大幅に向上させると同時に画像欠陥を大幅に減少させることができる。
【0105】
多層構成を構成する1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m〜500g/mの範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
【0106】
本発明の画像形成方法では、感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成することができる。具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、3〜12秒がより好ましく、さらに好ましくは、3〜8秒である。
【0107】
上記プリント時間を満たすために、プリント時のライン速度は1.30m秒/line以下であることが好ましく、更に好ましくは0.75m秒/line以下である。また、高速化条件における転写効率向上の観点から、プリント時のサーマルヘッド最高到達温度は、180℃以上450℃以下が好ましく、更に好ましくは200℃以上450℃以下である。更には250℃以上450℃以下が好ましい。
【0108】
本発明の画像形成システムは、上記の感熱転写受像シートの受容層と上記の感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせ、画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより熱転写画像を形成するものである。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、5〜12秒がより好ましい。
【実施例】
【0109】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
【0110】
(感熱転写シートの作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、東レ(株)製)を基材(支持体)として用いた。そのフィルム裏面側に背面層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物をそれぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m)した。イエロー、マゼンタ、シアン組成物の作製にあたっては、攪拌タンクを用いて、メチルエチルケトン/トルエン中にエスレックスKS−5(商品名、積水化学工業(株)製)を溶かし、次に各染料を添加して溶かした。
評価にあたっては、使用するプリンタに合わせて、各色相の感熱転写シートおよび後述の転写性保護層積層体を塗布したシートを接合加工して用いた。
【0111】
(実施例1)
イエロー染料層
染料化合物(Y1−7) 5.7質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5質量部
(エスレックKS−5、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ染料層
染料化合物(M1−2) 2.6質量部
染料化合物(M2−1) 3.1質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5質量部
(エスレックKS−5、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン染料層
染料化合物AないしB(表1参照) 5.7質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5質量部
(エスレックKS−5、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
【0112】
(保護層シートの作製)
染料層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層,保護層および接着層を塗布し、転写性保護層積層体のシートを作製した。乾膜時の塗布量は離型層0.1g/m、保護層1g/m、接着層0.7g/mとした。なお保護層の塗布は離型層を塗布乾燥後に、接着層の塗布は保護層を塗布乾燥後に、各々の上に行った。
離型層
ジアセチルセルロース 5.0質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学)
メチルエチルケトン 95.0質量部
保護層
アクリル樹脂 19.6質量部
(ダイヤナールBR−80、商品名、三菱レーヨン(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 80質量部
紫外線吸収剤 0.4質量部
(チヌビン900、商品名、チバガイギー社製)
接着層
アクリル樹脂 30質量部
(バイロン220、商品名、東洋紡(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 70質量部
【0113】
上記で作製した(感熱転写シート)インクシートを以下の感熱転写受像シートと組合せ、以下の出力を行い、性能を評価した。
【0114】
(感熱転写受像シートの作製)
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の下引き層、断熱層、受容層下層、受容層上層の順に支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は下引き層:6.7g/m、断熱層:8.6g/m、受容層下層:2.6g/m、受容層上層:2.7g/mとなるように塗布を行った。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 22.5質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 2.0質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 0.5質量部
下記エステル系ワックスEW−1 2.0質量部
下記界面活性剤F−1 0.04質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 24.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 1.5質量部
下記界面活性剤F−1 0.04質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス(固形分として) 580質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 280質量部
下引き層
ポリビニルアルコール 16.8質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス(固形分として) 150質量部
(SN−307、商品名、日本エイアンド エル(株)製)
下記界面活性剤F−1 0.1質量部
【0115】
【化13】

【0116】
(画像形成)
上記で作製した熱転写シートを40℃80%の環境下で28日間保管し、その後2日間室温で保管した後、上記で作製した受像シートを用いて熱転写型プリンタASK−2000、商品名、富士フイルム(株)製により152mm×102mmサイズ画像の出力を20℃50%環境において行った。なお、上記プリンタASK−2000のライン速度は0.73m秒/ライン、TPHの最高到達温度は410℃であった。
画像として黒ベタをそれぞれ連続5枚出力し、それぞれの画像の四隅及び中央の5点光学濃度を測定した。これらの測定結果を平均しその値を表に示した。光学濃度の測定にはいずれもXrite社製Xrite310(商品名)で反射濃度測定を行い、各サンプルにおけるシアン(C)濃度の測定値を用いた。
【0117】
【表1】

上記表に示したように、本発明の感熱転写シートは、温度40℃・湿度80%という極めて高温・多湿の条件下で長期間保管しても、とりわけ高いシアン濃度の良好な画像転写が可能であった、この結果より、実用上不可避的な長期間の保管や、高温・多湿になる流通環境下であっても、その後に色素昇華型の感熱画像記録方式において良好な画像品質を維持しうることが分かる。
(実施例2)
ライン速度が1.1m秒/ライン、TPHの最高到達温度が280℃の熱転写型プリンタCW−01、商品名、シチズン(株)社製により、それ以外は実施例1と同様の方法でテストを行ったところ実施例1と同様の良好な結果が得られた。
これらの結果から、本発明の構成の熱転写材料は比較例に比べ最大濃度が高く、染料の転写性に優れていることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に少なくとも、イエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、およびシアン熱転写層を有する感熱転写シートであって、該シアン熱転写層に、下記一般式(C1)で表されるシアン色素化合物と、下記一般式(C2)表されるシアン色素化合物とを、前記両者のモル比率が5対95〜20対80となるよう含有させたことを特徴とする感熱転写シート。
【化1】

(一般式(C1)中、R111およびR113は各々独立に水素原子または置換基を表す。R112およびR114は各々独立に置換基を表す。n18は、0〜4の整数を表し、n19は、0〜2の整数を表す。ここで、n18が2〜4の整数を表すとき又はn19が2を表すとき、複数のR114又は複数のR112は各々同じでも異なっていてもよい。)
【化2】

(一般式(C2)において、D14〜D21は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基、またはアミノ基を表す。D22およびD23は各々独立に水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。D22とD23とが互いに結合して環を形成していてもよく、D19とD22または/およびD20とD23とが互いに結合して環を形成していてもよい。)
【請求項2】
前記支持体上に、それぞれ少なくとも1層の、前記イエロー熱転写層と、前記マゼンタ熱転写層と、前記シアン熱転写層とが、その順序で面順次に配置されていることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
【請求項3】
請求項1または2に記載の熱転写シートと、その前記少なくとも3種の熱転写層の色素を順次に移行転写して熱転写記録する熱転写受像シートとを組み合わせた熱転写記録材料。
【請求項4】
前記熱転写記録の際、プリンタのサーマルヘッド温度の最高到達温度Tmが180℃以上450℃以下となる条件で、前記熱転写シートの熱転写層中の色素が前記熱転写受像シート側へと移行転写される請求項3に記載の熱転写記録材料。
【請求項5】
前記熱転写記録の際、画像形成のライン速度が0.50m秒/line以上1.30m秒/line以下の条件で、前記熱転写シートの熱転写層中の色素が前記熱転写受像シート側へと移行転写される請求項3または4に記載の熱転写記録材料。
【請求項6】
前記熱転写受像シートが支持体上に少なくとも1層の染料受容層を有し、かつ前記受容層と支持体との間に中空ポリマー粒子と親水性ポリマーとを含有する少なくとも1層の断熱層を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱転写記録材料。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の熱転写記録材料において、その熱転写シートの熱転写層と感熱転写受像シートの受容層とが接するよう該両シートを重ね合わせ、サーマルヘッドを介して画像信号に応じた熱エネルギーを前記両シートに付与して、前記感熱転写受像シートに画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記サーマルヘッドを介して前記両シートに熱エネルギーを付与して、画像形成された前記感熱転写受像シートに保護層を配設形成することを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。

【公開番号】特開2008−273198(P2008−273198A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93182(P2008−93182)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】