説明

感知器

【課題】一時的に感知器回線を挿通可能とする貫通穴を設けた構造を利用して感知器と連携する機能を簡単且つ容易に持たせて多機能化を可能とする。
【解決手段】煙感知器10の感知器本体12は、本体中央に上下に貫通する貫通穴14を備える。感知器本体12の外面には発光開口16a及び受光開口18aが設けられ、透明カバー20の外側に位置する開放検煙空間に設定された検煙点Pに対して発光素子16から発せられた光に対する散乱光を受光素子18で受光して火災を判断する。感知器本体12の貫通穴14には例えば煙濃度や障害などの感知器状態を表示する状態表示ユニット64が着脱自在に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災により発生する煙や熱を検出して火災を感知する感知器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災による煙を検出して火災を検知する火災感知器としては例えば散乱光式の煙感知器が知られている。散乱光の式煙感知器は、感知器内に外部からの煙を流入する煙チャンバーを備え、この煙チャンバー内を検煙空間として、発光素子からの光による煙の散乱光を受光素子で受光して火災を検知するようにしている。また、チャンバー内の検煙空間へ外気(煙)を導入可能としつつ、外乱光の入射を抑制するラビリンス構造も設けられている。
【0003】
また感知器の天井等に対する設置は感知器ベースを使用する方法と感知器ベースを使用せずに直接取り付ける方法がある。感知器ベースを使用する方法は、天井に開けた取付穴の位置に感知器ベースを固定して天井裏面に引き回している感知器回線を接続し、感知器ベースの嵌合金具に対し感知器本体に設けた嵌合端子を嵌め入れて回すことで、機械的且つ電気的に接続する。
【0004】
直接取り付ける方法は、感知器本体の裏面側からリード線を外部に引き出し、感知器ベースを使用せず、天井に開けた取付穴から感知器回線を引き出し、ここに感知器本体のリード線を、例えば圧着端子を使用して接続し、接続の済んだリード線と感知回線を取付穴から天井裏面に押し込んだ状態で、天井面に感知器本体を、ビスなどを使用して直接固定する。
【0005】
ここで、例えば構造を薄型化した感知器の場合には、設置状態でもその利点や意匠性を損なわないよう、感知器ベースを使用しない後者の設置方法を採用することが考えられる。また、例えば感知器本体の回路からリードを引き出したうえで、回路収納部をエポキシ樹脂などで防水封止する防水型の感知器においても、同様に後者の方法で取り付けることが考えられる。
【0006】
図21はこのような従来の感知器ベースを使用しない場合の取付作業例を示している。まず図21(A)に示すように、取り付ける感知器300を準備する。感知器300は裏面側から2本のリード線302a,302bが引き出されている。
【0007】
天井304には通線孔306が形成されており、通線孔306を通して天井裏面側に引き回している感知器回線308a,308b,310a,310bを取り出す。ここで感知器回線308a,308aは上流側(受信機側)からの信号線であり、感知器回線310a,310bは下流側(終端側)への信号線である。
【0008】
続いて図21(B)に示すように、感知器300のリード線302aと感知器回線308a,310aの先端の被覆を剥いて芯線を露出した状態でより合わせ、そこに絶縁チューブ付きの圧着端子312aを嵌め入れて圧着工具により押し潰して接続する。同様に、リード線302bと感知器回線308b,310bの先端の被覆を剥いて芯線を露出した状態でより合わせ、そこに絶縁チューブ付きの圧着端子312bを嵌め入れて圧着工具により押し潰して接続する。受信機から引き出された感知器回線の上流側から下流側へと、順次このような接続を行うことで、感知器回線に複数の感知器を接続することができる。なお、最下流に終端抵抗或いは終端器を接続することで、感知器回線の断線監視が可能になる。
【0009】
リード線と感知回線の接続作業が済んだならば、図21(C)に示すように、接続の済んだリード線302a,302bと感知器回線308a,308b,310a,310bを通線孔306から天井裏面側に押し込み、通線孔306の下(感知器側)に感知器300を位置合せした状態でビス314を使用して取付け固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6-109631号公報
【特許文献2】特開平7-12724号公報
【特許文献3】特開2001−325674号公報
【特許文献4】特許第4347296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような従来の、天井面に直接取付ける構造の感知器にあっては、天井面に感知器を取付ける作業の際に、図21(B)に示したように、作業者は例えば感知器300を片手で持ちながら、まず圧着端子312aにリード線302aと感知器回線308a,310aの3本の芯線を通し、工具で押し潰して接続するという煩雑な作業が必要であり、取付け作業に手間と時間がかかるという問題があり、しかも天井304に近い高所での作業となることから安全上の問題も懸念される。
【0012】
この問題を解決するため本願発明者にあっては、感知器本体に、一時的に感知器回線を挿通可能とする貫通穴を設け、感知器を監視エリアの設置面に取り付ける際に、設置面裏に布設している感知器回線を天井通線孔から引き出し、更に、感知器本体に設けた貫通穴に感知器から引き出したリード線及び設置面の挿通孔から引き出している感知器回線を挿通した状態で、感知器をビスなどにより設置面の設置位置に取付固定した後に、貫通穴に挿通させて監視エリア側に引き出している感知器リード線と感知器回線の被覆をそれぞれ剥いて芯線を例えば圧着端子に挿入して圧着接続し、その後、貫通穴から設置面裏側に戻し入れることで接続作業ができるようにし、煙感知器の取付け作業が簡単且つ容易に、しかも高所作業であっても安全に行うことができるようにした感知器を提案している。
【0013】
しかしながら、感知器に設けた貫通穴は天井などの設置面に対する取り付けが完了した後は必要がないことから、例えば貫通穴の開口部分にカバーを装着して天井面が見えないように塞いでおり、利用価値が低いという問題がある。
【0014】
本発明は、一時的に感知器回線を挿通可能とする貫通穴を設けた構造を利用して感知器と連携する機能を簡単且つ容易に持たせて多機能化を可能とする感知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、感知器に於いて、
本体中央に、上下に貫通する貫通穴を備えた円盤状の感知器本体と、
感知器本体に設けられ、火災に伴う物理的現象を検出するセンサ部と、
センサ部から出力された検出信号に基づき火災判断処理を実行し、火災を判断した場合に外部に火災信号を出力する信号処理部と、
感知器本体の貫通穴に着脱自在に設けられると共に信号処理部に信号線接続され、信号処理部からの信号に基づき感知器処理以外の所定の処理を実行する連携ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明の感知器は、更に、
感知器本体から外部に引き出され、天井裏面に布設された感知回線の信号線に接続されるリード線と、
感知器本体に天井面に取付け固定するビスを挿通するビス取付穴と、
を設ける。
【0017】
ここで、連携ユニットとしては、信号処理部による火災判断処理の結果を表示する表示ユニットを設ける。信号処理部は更に感知器の障害判断処理を実行し、表示ユニットは、更に、信号処理部による障害判断処理の結果を表示する。
【0018】
また連携ユニットとして、信号処理部により火災を判断した場合に駆動される照明ユニットを設ける。
【0019】
また連携ユニットとして、信号処理部により火災を判断した場合に警報音を監視エリアに出力する音響変換ユニットを設ける。音響変換ユニットは、スピーカ又はブザーを備える。
【0020】
また連携ユニットとして、信号処理部と外部機器との間で所定の信号を無線により送受信する通信ユニットを設ける。通信ユニットは信号処理部により火災を判断した場合に外部機器に対し火災を示すイベント信号を無線送信する。
【0021】
センサ部は、
感知器本体の外面に設けた発光開口及び受光開口と、
感知器本体の外面に装着されて少なくとも発光開口及び受光開口を覆う透明カバーと、
透明カバーの外側に位置する開放状の検煙空間に設定された検煙点に対して、発光開口を介して光を発する感知器本体に内蔵された発光素子と、
発光素子から発光開口を介して検煙点に対して発せられた光に対する散乱光を、受光開口を介して受光して受光量に応じた煙濃度検出信号を出力する感知器本体に内蔵された受光素子と、
を備え、
信号処理部は、煙濃度検出信号に基づいて火災判断処理を実行する。
【0022】
発光開口及び受光開口を天井取付け状態で下側に位置する感知器本体の外面に設け、透明カバーは発光開口、受光開口及び前記貫通穴開口を覆うように感知器本体に装着する。
【0023】
この場合の連携ユニットとしては、貫通穴の開口部から監視エリア内の雰囲気を吸引して天井裏面側に排出するファンユニットを設ける。ファンユニットは、信号処理部により煙濃度検出信号が火災判断の閾値より低い所定の閾値を超えたことを判断した場合に駆動されて監視エリアの雰囲気を吸引する。
【0024】
またセンサ部は、感知器本体の外面に温度検出素子を設け、信号処理部は、温度検出素子から出力された温度検出信号に基づいて火災判断処理を実行する。
【0025】
感知器本体は、更に、天井面に固定された感知器ベースに対し機械的且つ電気的に着脱自在に接続する嵌合端子を設けても良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明の感知器は、感知器の取付け作業が簡単且つ容易にするために感知器本体に設けた一時的に感知器回線を挿通可能とする貫通穴を利用して連携ユニットを配置することで、感知器本体側に設けた信号処理部による火災判断処理や障害判断処理といった感知器処理以外の処理機能を追加的に設けることができ、設置作業の際に一時的に感知器回線を挿通可能とする貫通穴を有効に活用して感知器の多機能化を簡単且つ容易に実現することができる。
【0027】
感知器の貫通穴の装着する連携ユニットは、表示ユニット、照明ユニット、音響変換ユニット、通信ユニット、ファンユニット(煙感知器のみ)などであり、これらの連携ユニットを必要に応じて感知器貫通穴に装着することで、感知器状態の把握、火災時の照明、火災時の発生現場での音響警報、火災時の外部機器への無線通報、雰囲気吸引による煙感知の性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】貫通穴に状態表示ユニットを設けた本発明による煙感知器の実施形態を断面と下側から見た平面で示した説明図
【図2】図1の煙感知器に設けた状態表示ユニットによる火災表示と障害表示を示した説明図
【図3】図1の実施形態における煙感知器を下側を上にして示した斜視図
【図4】図1の煙感知器に設けた感知器回路を状態表示ユニットと共に示したブロック図
【図5】図1の煙感知器を天井穴に取り付ける作業を順番に示した説明図
【図6】煙感知器の天井取付穴に対する取り付け作業の様子を示した説明図
【図7】煙感知器を天井取付穴に取付固定した状態を示した説明図
【図8】煙感知器の貫通穴に対する状態表示ユニットの取付構造の他の例を示した説明図
【図9】貫通穴に照明ユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図
【図10】図9の煙感知器に設けた感知器回路を照明ユニットと共に示したブロック図
【図11】貫通穴にスピーカユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図
【図12】図11の煙感知器に設けた感知器回路をスピーカユニットと共に示したブロック図
【図13】貫通穴にファンユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図
【図14】図13の煙感知器に設けた感知器回路をファンユニットと共に示したブロック図
【図15】貫通穴に無線通信ユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図
【図16】図15の煙感知器に設けた感知器回路を無線通信ユニットと共に示したブロック図
【図17】貫通穴を矩形穴とした本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図
【図18】感知器ベースに着脱する嵌合端子を設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した断面図
【図19】貫通穴に状態表示ユニットを設けた本発明による熱感知器の実施形態を断面と下側から見た平面で示した説明図
【図20】図19の熱感知器に設けた感知器回路を状態表示ユニットと共に示したブロック図
【図21】従来の煙感知器の天井取付穴に対する取り付け作業を順番に示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は本発明による煙感知器の実施形態を示した説明図であり、本実施形態にあっては、貫通穴に状態表示ユニットを設けたことを特徴とし、図1(A)に断面図を、図1(B)に下側から見た平面図を示している。
【0030】
図1において、本実施形態の煙感知器10は、概略的には、感知器本体12、発光素子16、受光素子18、透明カバー20、裏蓋24及び回路基板26で構成されている。
【0031】
感知器本体12は上部に開口した円筒ドーナツ形状であり、感知器本体12の中央には上下に貫通して一時的に感知器回線を挿通可能とする円筒形の貫通穴14が形成され、下側外面をフラットな検出面12aとしている。
【0032】
煙感知器10に設けられた貫通穴14は、煙感知器10を天井取付穴に取り付け固定する作業の際の配線接続作業に利用することで、煙感知器の取付作業を簡単且つ容易で、しかも安全なものとすることができる。
【0033】
感知器本体12内には発光素子16を配置した収納穴と受光素子18を配置した収納穴が斜め下向きに対向して形成され、発光素子16及び受光素子18の光軸が検出面12aの下側となる外部空間に設定された検煙点Pで交差するように配置され、これによってセンサ部として外部空間に検煙空間をもつ散乱光式煙検出構造を実現している。
【0034】
感知器本体12の検出面12aには発光素子16と受光素子18の収納穴に対応して発光開口16aと受光開口18aが形成され、発光開口16aを介して発光素子16からの光を検煙点Pを中心とした検煙空間に出射し、検煙空間に存在する煙粒子により散乱された散乱光を受光開口18aを介して受光素子18に入射して受光散乱光量に応じた受光信号を出力するようにしている。このように散乱光式煙検出機構の検煙点Pを感知器本体12の外部に設定することにより、従来の散乱光式煙感知器にように内部に検煙空間を形成する必要がなくなる。
【0035】
感知器本体12の発光開口16aと受光開口18aを設けた検出面12aには薄い透明カバー20が配置され、発光開口16aと受光開口18aを閉鎖して、内部に粉塵が入らないようにしている。また透明カバー20は感知器本体12に対し着脱自在に設けられており、外周部内側にボス21を突出し、感知器本体12の外周面に形成したボス穴に嵌合して抜け止めしている。
【0036】
なお、透明カバー20のボス21に対応して感知器本体12側にボス穴を設けた場合には、透明カバー20を装着する際に位置決めを必要とするが、透明カバー20側にボス穴に代えて環状溝を形成することで、位置合せを不要にすることができる。
【0037】
また、本実施形態にあっては、検出面12a全体を覆うように透明カバー20を設けているが、発光開口16aと受光開口18aの部分だけに透明カバーを嵌め入れるようにしても良い。
【0038】
感知器本体12の内部には裏面側に開口した回路収納部22が形成されて回路基板26が組み込まれ、回路基板26に散乱光式の煙検出に基づいて火災を判断するための感知器回路を実装している。回路基板26からはリード線28が外部に引き出され、また回路収納部26の裏面には裏蓋24が装着されている。
【0039】
感知器本体12の検出面外周の2箇所には図1(B)に示すように陥凹部32が形成され、そこにビス取付穴34を設け、ビス取付穴34を使用して天井取付穴に直接煙感知器10を取り付け固定できるようにしている。
【0040】
煙感知器10に設けた貫通穴14の中には連携ユニットして状態表示ユニット64を着脱自在に設けている。状態表示ユニット64は貫通穴14の形状に合わせた円筒体であり、貫通穴14の上部側に位置決めのためのリブ68を形成しており、透明カバー20を外した状態で貫通穴14に下側から状態表示ユニット64を挿入してリブ65で位置決めし、この状態で透明カバー20を下側から装着して貫通穴14の中に状態表示ユニット64を収納保持している。
【0041】
感知器本体12に収納した回路基板22からは裏蓋24を介して表示用信号線65が引き出されており、先端に設けたコネクタ65aを状態表示ユニット64の裏面に差し込んで信号線接続している。
【0042】
状態表示ユニット64は図1(B)に示すように、下側に液晶ディスプレイなどを用いた表示面66を備えており、感知器本体12の回路基板26に実装した信号処理部から感知器状態を示す信号を受け、通常状態では、図示のように煙濃度として「00.00%/m」を表示すると共に状態表示として「正常」を表示している。
【0043】
また煙濃度が火災判断の閾値を超えて火災と判断した場合には、図2(B)に示すように、状態表示ユニット64には煙濃度として例えば「18.00%/m」を表示すると共に状態表示として「火災」を表示する。
【0044】
更に発光素子16や受光素子18などの障害発生を判断した場合には、図2(C)に示すように、煙濃度として例えば「― ―.― ―%/m」を表示すると共に状態表示として「障害」を表示している。
【0045】
このように状態表示ユニット64は煙感知器10における火災判断や障害判断の結果を表示しており、煙感知器10を見ることでその時の感知器状態を表示内容から簡単に把握でき、また火災が感知されてない通常時にあっても感知器の動作状態を容易に知ることができる。
【0046】
なお、図1の実施形態にあっては、感知器状態のみを表示するようにしているが、更に時刻、温度、湿度などの他の情報を表示するようにしても良い。
【0047】
図3は図1に示した煙感知器の斜視図であり、状態表示ユニットを取り外し、裏返して検出面側を上にした状態で示している。図3に示すように、煙感知器10におけるドーナツ形状の感知器本体12の検出面12aの中央には貫通穴14が開口し、貫通穴14を挟んだ対向する位置に発光開口16aと受光開口18aを形成している。また感知器本体12の外周の2箇所にはビス取付穴34を設けた陥凹部32が形成されている。
【0048】
また感知器本体12の検出面12aには透明カバー20が着脱自在に装着され、発光開口16aと受光開口18aを閉鎖している。更に、感知器本体12の検出面12a側外周部には発報表示灯36が設けられ、透明カバー20の通し穴を介して突出している。なお、発報表示灯36は検出面12aに埋め込んだフラット構造とし、その外側に透明カバー20を装着するようにしても良い。
【0049】
図4は図1の煙感知器に内蔵された感知器回路を状態表示ユニットと共に示したブロック図である。図4において、煙感知器10の感知器回路は1チップCPUとして知られたマイクロプロセッサ(MPU)を用いた信号処理部38を備え、信号処理部38に対しては記憶部40、発光制御部42、増幅回路44及び発報回路46を設け、更に、信号処理部38にはプログラムの実行により実現される機能として火災判断部47を設けている。
【0050】
発光制御部42は赤外LEDを用いた発光素子16を所定周期で間欠的に発光駆動する。増幅回路44はフォトダイオードなどの受光素子18で受光した検煙点Pを中心とした検煙領域に存在する煙による散乱光の受光信号を増幅し、信号処理部38に入力する。
【0051】
火災判断部47は例えば1秒周期で発光制御部42から発光パルス信号を出力させて発光素子16を発光駆動させる。この場合、発光素子16の発光駆動は発光制御部42から例えば3kHzの発光パルスを例えば5つ連続出力して行われる。
【0052】
火災判断部47による発光制御部42からの発光駆動パルス信号の出力に同期して、増幅回路44から受光素子18で受光された散乱光の受光信号、即ち煙濃度検出信号を増幅した信号がAD変換により煙濃度検出データとして読み込まれ、煙濃度検出データが予め定めた火災判断の閾値を超えた場合に火災と判断し、発報回路46に火災検出信号を出力する。
【0053】
発報回路46は信号処理部38から火災検出信号を受けると、内蔵しているスイッチング素子をオンし、端子L,Cより引き出しているリード線28を介して感知器回線に発報電流を流すことで、受信機側に発報信号を送信する。なお、火災判断部47による火災判断は、煙濃度検出データの閾値比較以外に、単位時間当たりの煙濃度の増加割合から火災を判断するなど適宜の火災判断を用いることができる。
【0054】
火災判断部47は更に感知器障害の判断機能も有する。火災判断部47は、所定の測定時間間隔で増幅部44から出力される煙濃度検出信号をA/D変換により読み込んで記憶部40のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔毎に、記憶部40のバッファ領域に保持している検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回った時に出力停止状態である等として障害を判定する。
【0055】
状態表示ユニット64はドライバ63と液晶ディスプレイ67を備え、ドライバ63を煙感知器10に設けたインタフェース回路62を介して信号処理部38に接続し、信号伝送と電源供給を行っている。状態表示ユニット64に対応して信号処理部38には状態表示処理部48の機能が設けられる。
【0056】
状態表示処理部48は、火災判断処理部47で読み込んだ煙濃度とその時の火災判断結果をインタフェース回路62を介して状態表示ユニット64のドライバ63に送り、通常時は図1(B)に示したように煙濃度と感知器状態として「正常」を表示し、火災を判断した場合筈2(A)に示したように煙濃度と感知器状態として「火災」を表示し、更に障害を判断した場合は図2(B)に示したように、感知器状態として「障害」を表示する。
【0057】
図5は本発明による煙感知器の天井穴に対する取付作業を順番に示した説明図であり、図6に煙感知器の天井取付穴に取り付ける作業の途中の様子を示し、更に図7に煙感知器の天井取付穴に対する取付作業が完了した後の状態を示している。
【0058】
図5を参照して取付作業の手順を説明すると次のようになる。まず図5(A)に示すように、警戒区域の天井50の所定位置には通線孔52が予め形成されている。煙感知器10を通線孔52の下側に取り付ける際には、貫通穴14から状態表示ユニット64を取り外した状態で、天井50の裏面側に引き回している感知器回線56a,56bと感知器回線58a,58bを通線孔52から下側に引き出しておく。
【0059】
ここで感知器回線56a,56bは受信機もしくは受信機側に位置する隣接する煙感知器からの感知器回線であり、一方、感知器回線58a,58bはフィルタ側に位置する次の煙感知器に対する感知器回線である。なお煙感知器10を感知器回線の終端に接続する場合には、受信機側からの感知器回線56a,56bのみ通線孔52から引き出される。
【0060】
次に図5(B)に示すように、通線孔52から引き出した感知器回線56a,56b及び感知器回線58a,58b、更に煙感知器10の裏面側に引き出しているリード線28を、煙感知器10の貫通穴14の中に通した状態で、ビス54により煙感知器10を通線孔52の下側にねじ込み固定する。
【0061】
この図5(B)の詳細は図6に示している。図6にあっては、通線孔52から引き出された感知器回線56a,56b及び感知器回線58a,58bを煙感知器10の貫通穴14に通しており、また煙感知器10の裏面側に取り出しているリード線28も同様に貫通穴14の中に通している。なおリード線28、感知器回線56a,56b及び感知器回線58a,58bについては、図示のように、先端の被覆を剥いて予め芯線を露出させておくことが望ましい。
【0062】
煙感知器10の貫通穴14に、リード線28及び感知器回線56a,感知器回線56b、58a,58bを通した後で、煙感知器10を通線孔52の下側に位置合せして押し当てた状態とし、この状態で陥凹部32に形成しているビス取付穴34を介してビス54により煙感知器10を天井50に直接取付固定する。
【0063】
続いて図5(C)に示すように、煙感知器10の貫通穴14を通して下側に引き出しているリード線28a,28bと感知器回線56a,56b及び感知器回線58a,58bとの接続作業を行う。この接続作業は、絶縁チューブ付の圧着端子60aに一方のリード線28a、感知器回線56a,感知器回線58aの芯線をそれぞれ挿入した状態で工具を使用して潰すことで接続する。また他方のリード線28b、感知器回線56b及び感知器回線58bについても、同様に別の絶縁チューブ付の圧着端子60bに差し込んで工具により潰すことで接続する。
【0064】
このような3本の信号線をまとめて圧着端子で接続する作業は、天井50に対し既に煙感知器10を接続固定した後に行われ、図21(B)の従来の煙感知器の信号線接続作業のように煙感知器200を手で支えながら3本の信号線をそれぞれ圧着端子で接続固定するような煩雑な作業を行う必要がなく、煙感知器10を保持したり支えたりすることなく、貫通穴14から引き出されている3本の信号線を1つにまとめて圧着端子で接続する作業を容易に行うことができる。
【0065】
特に信号線の接続作業は天井50に近い場所で行う高所作業となるが、煙感知器10の取付固定は既に済んでいることから、配線をまとめて接続する作業だけを行えばよく、作業が容易で、且つ高所作業であっても安全に行うことができる。
【0066】
続いて図5(D)に示すように、圧着端子60a,60bを使用して接続したリード線28a,28b、感知器回線56a,56b及び感知器回線58a,58bを貫通穴14から通線孔52を介して天井50の裏面側に押し込むことで、取付作業を完了する。
【0067】
この図5(D)の取付完了状態は、図7にその詳細を示している。このように通線孔52に対する取付作業と配線接続作業が完了したならば、取付作業に先立って煙感知器10から取り外している透明カバー20を図4(D)に示すように下側に嵌込み装着することで、取付作業が完了する。
【0068】
取付けが完了したら、図7に示すように貫通穴14から取り出している表示用信号線65のコネクタ65aを状態表示ユニット64に挿入接続して図1(A)に示すように貫通穴14に収納し、透明カバー20を嵌め入れて保持する。
【0069】
図8は煙感知器の貫通穴に対する状態表示ユニットの取付構造の他の例を示した説明図である。図8にあっては、煙感知器10の貫通穴14の内側2箇所に下側に開口して横に設けた逆L字型の嵌合溝71を形成し、この嵌合溝71に対応して円筒体形状を持つ状態表示ユニット64の外周の2箇所にボス70を突出している。
【0070】
煙感知器10の貫通穴14に対する状態表示ユニット64の取付けは、嵌合溝71にボス70を位置合せした状態で上方に押し込んで左回りに回すことにより、ボス70を嵌合溝71の逆L字型の端部に位置させることで抜け止め固定する。なお煙感知器10の貫通穴14に対する状態表示ユニット64の着脱自在な取付構造としては、これ以外に適宜の着脱自在な取付構造を適用することができる。
【0071】
また感知器本体12と状態表示ユニット64の信号線接続は、表示用信号線65のコネクタ65を使用して行っているが、図8に示す貫通穴14の内周面と接点部材を配置すると共に、これに対向した状態表示ユニット64の外周面に接点部材を設け、嵌合溝71にボス70を位置合せした状態で上方に押し込んで左回りに回した際に接点部材同士を接触させることで信号線接続を行うようにしても良い。
【0072】
図9は貫通穴に照明ユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図であり、図9(A)に断面を示し、図9(B)に下側から見た平面を示している。
【0073】
図9(A)において、煙感知器10は図1の実施形態と同じであるが、感知器本体12の貫通穴14の中に照明ユニット72を設け、感知器本体12から引き出した照明用信号線75をコネクタ75aにより接続している。照明ユニット72はユニット本体72aの下側に設けた照明カバー72bの内部に、例えば光源として白色LED74を複数配置している。
【0074】
ユニット本体72aは下側が大径で上側が小径とした段付構造であり、この段付構造に合わせて貫通穴14の天井面側に小径部に対応した穴が形成されており、透明カバー20を外して貫通穴14に下側から照明ユニット72を停止する位置まで嵌め込み、この状態で透明カバー20を装着することで、貫通穴14の中に照明ユニット72を収納保持することができる。
【0075】
また照明ユニット72は、図9(B)の平面図に示すように、照明カバー72bの中に例えば5つの白色LED74を配置しており、これによって低消費電力で十分な照明光量を確保できるようにしている。照明ユニット72は感知器本体12側で火災を判断した場合に点灯駆動される。
【0076】
図10は図9の煙感知器に内蔵された感知器回路を照明ユニットと共に示したブロック図である。図10において、煙感知器10の感知器回路は信号処理部38、記憶部40、発光制御部42、増幅回路44及び発報回路46を備え、更に、信号処理部38にはプログラムの実行により実現される機能として火災判断部47を設けており、この点は図4の実施形態と同じである。
【0077】
照明ユニット72はドライバ78と複数の白色LED74を備え、ドライバ78を煙感知器10に設けたインタフェース回路77を介して信号処理部38に接続している。照明ユニット72に対応して信号処理部38には照明制御部76の機能が設けられる。またインタフェース回路77は照明ユニット72に電源を供給している。
【0078】
照明制御部76は、火災判断処理部47で煙濃度検出データに基づき火災を判断した場合、インタフェース回路77を介して照明ユニット72のドライバ78に駆動信号を送り、白色LED74を発光駆動して火災と判断した警戒エリアの一部又は全体を照明し、例えば夜間などには火災発生現場の状況確認を容易にし、また火災発生場所からの避難行動を迅速且つ安全に行うことを可能とする。
【0079】
なお貫通穴14に照明ユニット72を設けた場合、照明ユニット72の点灯による光が検煙点Pを中心とした外部の検煙空間に照射され、もし煙が存在する場合には、その散乱光が受光素子18に入射して受光されることになるが、発光素子16から出力される光の波長は例えば450mnといった特定波長であることから、白色LED74の照射による受光量に対する影響は少ない。
【0080】
また発光素子16の発光と受光素子18の受光は例えば1分周期などの間欠的に同期して行われており、これによっても白色LED74を点灯した際の影響は十分に低減できる。逆に白色LED74による光量を受けて煙が存在するときの受光量が増加することから、煙感知器としての感度を高めることも期待できる。
【0081】
また図9の実施形態にあっては、光源として白色LED74を使用しているが、本実施形態はこれに限定されず、適宜の光源を使用してもよい。
【0082】
図11は貫通穴14に音響変換ユニットとして機能するスピーカユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図であり、図11(A)に断面を示し、図11(B)に下側から見た平面を示している。
【0083】
図11(A)の煙感知器10は図1の実施形態と同じであるが、貫通穴14の中に本実施形態にあってはスピーカユニット80を設けている。スピーカユニット80は内部にスピーカ82を収納しており、感知器本体12から引き出したスピーカ用信号線85のコネクタ85aを接続している。貫通穴14に対するスピーカユニット80の収納保持は、貫通穴14の上部開口側に位置決め用のリブ68を設け、このリブ68に当たるようにスピーカユニット80を挿入した状態で透明カバー20を装着することで収納保持できる。
【0084】
図12は図11の煙感知器に内蔵された感知器回路をスピーカユニットと共に示したブロック図である。図12において、煙感知器10の感知器回路は信号処理部38、記憶部40、発光制御部42、増幅回路44及び発報回路46を備え、更に、信号処理部38にはプログラムの実行により実現される機能として火災判断部47を設けており、この点は図4の実施形態と同じである。
【0085】
スピーカユニット80は音声合成部90、警報音データ記憶部92、音声増幅部94及びスピーカ82で構成され、音声合成部90を煙感知器10に設けたインタフェース回路88を介して信号処理部38に接続している。インタフェース回路88はスピーカユニット80に電源を供給している。スピーカユニット80に対応して信号処理部38には警報音処理部86の機能が設けられる。
【0086】
警報音処理部86は、火災判断処理部47で煙濃度検出データに基づき火災を判断した場合と、インタフェース回路88を介してスピーカユニット80の音声合成部90に警報指示信号を送り、警報音データ記憶部92に予め記憶されている警報音データを読み出してアナログ警報音信号を生成し、音声増幅部94で増幅した後にスピーカ82に供給され、監視エリアに火災警報音を出力させる。
【0087】
スピーカ82から出力される警報音としては「ピーピーピー」といったスイープ警報音や、これに火災発生を示す音声メッセージを組み合わせた適宜の火災警報音を出力することができる。
【0088】
このように火災を判断した煙感知器10に設けたスピーカユニット80から火災警報音を出力させるようししたことで、感知器が受信機と同様な火災警報機能をもつことができ、火災発生現場での迅速な初期消火や避難行動を可能とする。
【0089】
なお、スピーカユニット80からは火災判断時のみならず、障害発生を判断した場合にも障害警報音を出力するようにしても良い。またスピーカに代えてブザーを設けても良い。
【0090】
図13は貫通穴にファンユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図であり、図13(A)に断面を示し、図13(B)に下側から見た平面を示している。
【0091】
図13(A)において、煙感知器10は図1の実施形態と同じであるが、貫通穴14の中に、本実施形態にあってはファンユニット96を設けている。ファンユニット96は貫通穴上部のリブ68で位置決めされ、例えば下側を貫通穴14に対する止め輪97の装着で固定している。
【0092】
ファンユニット96の内部には図13(B)に示すように、ファンモータにより回転されるファン98が収納されており、ファンユニット96に相対した透明カバー20には吸込口20cが開口されている。またファンユニット962の裏面側には感知器本体12から引き出したファン用信号線95に設けたコネクタ95aを挿入接続している。
【0093】
ファンユニット96は煙感知器10の下部検出面の外側に存在する検煙点Pを含む検煙空間に対し、矢印で示すように天井裏面側に向けて強制的に吸い込む空気の流れを作り出しており、火災による煙を吸引することで火災の早期検出を可能とする。
【0094】
図14は図13の煙感知器に内蔵された感知器回路をファンユニットと共に示したブロック図である。図14において、煙感知器10の感知器回路は信号処理部38、記憶部40、発光制御部42、増幅回路44及び発報回路46を備え、更に、信号処理部38にはプログラムの実行により実現される機能として火災判断部47を設けており、この点は図4の実施形態と同じである。
【0095】
ファンユニット96はドライバ104、モータ106及びファン98で構成され、ドライバ104を煙感知器10に設けたインタフェース回路102を介して信号処理部38に接続し、ファンユニット96に対応して信号処理部38にはファン制御部100の機能が設けられる。またインタフェース回路102はファンユニット96に電源を供給している。
【0096】
ファン制御部100は、信号処理部38で読み込んでいる煙濃度検出データが、火災を判断する閾値より低い所定の閾値(例えばプリアラーム閾値)を越えた場合に、インタフェース回路88を介してファン駆動信号をファンユニット96のドライバ104に送り、モータ106によりファン98を回転し、図13(A)に示した検煙点Pを通って天井側に吸い込む空気の流れを作りだし、火災時には継続的に煙を通過させることで早期に火災と断定する判断を可能とする。
【0097】
またタバコの煙のような一過性の煙の場合には周辺の新鮮空気も巻き込み吸引されるので煙濃度が小さくなり、火災断定をさせないことで非火災報を防止することができる。更に、煙濃度が所定の閾値を超えた場合にファンユニット96を駆動することで、排煙ファンとして利用することもできる。
【0098】
なお、ファンユニット92の駆動は煙濃度が所定の閾値を超えた場合のみならず、常時駆動するようにしても良い。この場合、ファン98の回転速度は、検煙点Pを通って天井側に吸い込む空気の流れを作ることができれば良いことから、消費電力を低減するために低速回転とする。また発光素子18が例えば1分間隔で間欠的に発光駆動されていることから、通常は低速回転とし、発光駆動に合わせて(発光時点を含む前後の所定時間)ファン速度を間欠的に増加させて吸気量を増やすようにしても良い。勿論、消費電力に問題がなければ、ファン回転速度を充分な吸入量が得られる回転速度としても良い。
【0099】
図15は貫通穴に無線通信ユニットを設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図であり、図15(A)に断面を示し、図15(B)に下側から見た平面を示している。
【0100】
図15(A)において、煙感知器10は図1の実施形態と同じであり、貫通穴14の中に本実施形態にあっては無線通信ユニット108を設けている。無線通信ユニット108は貫通穴14の上部に形成したリブ68に大径段部を当接することで位置決めされ、下側は透明カバー20の装着で位置決め保持されている。無線中継ユニット108の下側にはアンテナ110が取り出されている。
【0101】
アンテナ110は図15(B)の平面図に示すように、発光開口16aと受光開口18aを結ぶ散乱光式煙検出機構の光軸に対し、90°異なる位置に設けられており、アンテナ102により検煙空間が妨げられることはない。
【0102】
図16は図15の煙感知器に内蔵された感知器回路を無線通信ユニットと共に示したブロック図である。図16において、煙感知器10の感知器回路は信号処理部38、記憶部40、発光制御部42、増幅回路44及び発報回路46を備え、更に、信号処理部38にはプログラムの実行により実現される機能として火災判断部47を設けており、この点は図4の実施形態と同じである。
【0103】
無線通信ユニット108は送信部118、受信部120及びアンテナ110で構成され、送信部118及び受信部120を煙感知器10に設けたインタフェース回路116を介して信号処理部38に接続し、無線通信ユニット108に対応して信号処理部38には送受信処理部114の機能が設けられる。またインタフェース回路116は無線通信ユニット108に電源を供給している。
【0104】
送信部118及び受信部120としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。もちろん無線通信部130としては、日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0105】
送受信処理部114は、火災判断部47で火災を判断した場合、火災を示すイベント信号を生成し、インタフェース回路116を介して送信部118に送ってアンテナから適宜の外部機器に無線送信する。
【0106】
イベント信号の送信先となる外部機器は、煙感知器10を感知器回線に接続した受信機以外に設置された例えば階別に設置された無線式の警報表示盤やバックアップ用の無線式の火災受信機や中継器などの適宜の機器となる。
【0107】
また外部機器から適宜のイベント信号、例えば試験を示すイベント信号などを受信して煙感知器10の試験動作を行い、その結果を応答することもできる。この場合、外部機器は無線式の試験装置であり、試験装置からの試験を示すイベント信号は無線通信ユニット108の受信部120で受信し、インタフェース回路116を介して信号処理部38に送り、送受信処理部114が煙感知器10の試験動作を行い、試験結果を示すイベント信号を外部機器に送信することになる。
【0108】
なお、無線通信ユニット108として送信部118とアンテナ110を設け、火災を示すイベント信号を外部機器に送信するだけの構成としても良い。また無線通信ユニット108として受信部120とアンテナ110を設け、外部機器からのイベント信号を受信して処理するだけの構成としても良い。
【0109】
図17は貫通穴を矩形穴とした本発明による煙感知器の他の実施形態を示した説明図であり、図17(A)に断面を示し、図17(B)に下側から見た平面を示している。
【0110】
図17において、煙感知器10の基本的な構造は図1の実施形態と同じであるが、感知器本体12の中央に上下に貫通して設けた貫通穴として、本実施形態にあっては平面から見て矩形となる矩形貫通穴122を形成したことを特徴とする。この矩形貫通穴122を設けたことで、矩形貫通穴122に収納する各種の連携ユニットは矩形形状を持つことになる。
【0111】
なお図17にあっては矩形形状を持つ矩形貫通穴122を形成した場合を例に取っているが、矩形以外の適宜の多角形の貫通穴としてもよいし、あるいは星形などの特殊の形状を持った貫通穴としてもよい。
【0112】
図18は感知器ベースに着脱する嵌合端子を設けた本発明による煙感知器の他の実施形態を示した断面図であり、連携ユニットとして状態表示ユニットを設けている。図18において、煙感知器10は感知器本体12とその下側に嵌込み固定したチャンバーベース11で構成される。
【0113】
チャンバーベース11は中央に上下に貫通した貫通穴14aを形成すると共に、検出面11aの下側の外部空間に、検煙点Pを設定するように発光素子16と受光素子18を斜め下向きとなるようにそれぞれの収納穴に配置し、検出面11aに発光開口16aと受光開口18aを設けている。
【0114】
感知器本体12は下向きに開口した回路収納部22を有し、回路収納部22の上部の隔壁を端子台125としており、また中央にはチャンバーベース11の貫通穴14aに連接して上下に開口した貫通穴14bを形成している。感知器本体12の端子台124には嵌合金具126,128が固定され、接続金具130,132を介して、回路収納部22に収納している回路基板26に接続している。
【0115】
嵌合端子118,120は、天井取付穴の下側に固定される感知器ベースに設けた一対の嵌合金具に合わせて回し込むことで、電気的且つ機械的に煙感知器10を接続する。
【0116】
図18の実施形態は天井取付穴に設けた感知器ベースに着脱自在に設けられていることから、中央に設けた貫通穴14a,14bを使用した図5及び図6に示した取付け時の配線接続作業を容易にするものではないが、貫通穴14a,14bを状態表示ユニット64を着脱自在に設け、感知器本体12側の回路基板26から引き出した表示用信号線65のコネクタ65aを接続している。
【0117】
状態表示ユニット64は図1、図2及び図4に示したと同じであり、感知器本体12の回路基板26に実装した信号処理部から感知器状態を示す信号を受け、通常状態では、図示のように煙濃度して「00.00%/m」を表示すると共に状態表示として「正常」を表示しし、火災と判断した場合には、図2(B)に示したように、状態表示ユニット64には煙濃度して例えば「18.00%/m」を表示すると共に状態表示として「火災」を表示し、更に発光素子16や受光素子18などの障害発生を判断した場合には、図2(C)に示したように、煙濃度して例えば「― ―.― ―%/m」を表示すると共に状態表示として「障害」を表示する。
【0118】
なお、図18の煙感知器10に対しては状態表示ユニット64以外に、図9〜図16に示した照明ユニット72、スピーカユニット82、ファンユニット96または無線通信ユニット108を設けることもできる。
【0119】
図19は貫通穴に状態表示ユニットを設けた本発明による熱感知器の実施形態を示した説明図であり、図19(A)に断面図を、図19(B)に下側から見た平面図を示している。
【0120】
図19において、本実施形態の熱感知器200は、概略的には、感知器本体212、温度検出素子216、保護カバー218、カバー220、裏蓋224及び回路基板226で構成されている。
【0121】
感知器本体212は上部に開口した円筒ドーナツ形状であり、感知器本体212の中央には上下に貫通して一時的に感知器回線を挿通可能とする円筒形の貫通穴214が形成されている。貫通穴214は、図4に示したと同様に、熱感知器200を天井取付穴に取り付け固定する作業の際の配線接続作業に利用することで、熱感知器200の取付作業を簡単且つ容易で、しかも安全なものとすることができる。
【0122】
感知器本体212の下面右側には、下方に向けてセンサ部としての温度検出素子216が突出され、その周囲を覆って熱気流を通過可能な枠構造をもつ保護カバー218が配置されている。温度検出素子216はサーミスタ、半導体素子などであり、火災による熱気流を受けた場合に、温度に応じた抵抗変化や電圧変化を発生する。
【0123】
感知器本体212の内部には裏面側に開口した回路収納部222が形成されて回路基板226が組み込まれ、回路基板226に温度検出素子216の抵抗変化や電圧変化などから温度検出信号を生成して火災を判断する感知器回路を実装している。回路基板226からはリード線228が外部に引き出され、また回路収納部226の裏面には裏蓋224が装着されている。
【0124】
感知器本体212の検出面外周の2箇所には図19(B)に示すように陥凹部232が形成され、そこにビス取付穴234を設け、ビス取付穴234を使用して天井取付穴に直接熱感知器200を取り付け固定できるようにしている。
【0125】
感知器本体212の貫通穴214には、下側から状態表示ユニット64を挿入してリブ268で位置決めし、例えば図8に示した構造により貫通穴214に対し着脱自在に状態表示ユニット64を収納保持しており、感知器本体212から引き出した表示用信号線65のコネクタ65aを挿入接続している。
【0126】
状態表示ユニット64は図19(B)に示すように、下側に液晶ディスプレイなどを用いた表示面66を備えており、通常状態では、図示のように検出温度として例えば「24℃」を表示すると共に状態表示として「正常」を表示している。
【0127】
また検出温度が火災判断の閾値を超えて火災と判断した場合には、状態表示ユニット64には検出温度として例えば「85℃」を表示すると共に状態表示として「火災」を表示する。更に温度検出素子216などの障害発生を判断した場合には、検出して例えば「― ―.― ―℃」を表示すると共に状態表示として「障害」を表示する。
【0128】
このように状態表示ユニット64は熱感知器200における火災判断や障害判断の結果を表示しており、熱感知器200を見ることでその時の感知器状態を表示内容から簡単に把握でき、また火災が感知されてない通常時にあっても感知器の動作状態を容易に知ることができる。
【0129】
図20は図19の熱感知器に内蔵された感知器回路を状態表示ユニットと共に示したブロック図である。図20において、熱感知器200の感知器回路は1チップCPUとして知られたマイクロプロセッサ(MPU)を用いた信号処理部238を備え、信号処理部238に対しては記憶部240、温度検出回路242及び発報回路246を設け、更に、信号処理部238にはプログラムの実行により実現される機能として火災判断部247を設けている。
【0130】
温度検出回路242は温度検出素子216の温度に対応した抵抗変化や電圧変化などから温度検出信号を生成して信号処理部238に入力する。火災判断部247は温度検出信号をAD変換して温度検出データとして読み込み、温度検出データが例えば予め定めた火災判断の閾値を超えたとき、発報回路246に火災検出信号を出力する。
【0131】
発報回路246は信号処理部238から火災検出信号を受けると、内蔵しているスイッチング素子をオンし、端子L,Cより引き出しているリード線228を介して感知器回線に発報電流を流すことで、受信機側に発報信号を送信する。ここで、火災判断部247による火災判断は、温度検出データの閾値比較以外に、単位時間当たりの検出温度の増加割合から火災を判断するなど適宜の火災判断を用いることができる。
【0132】
火災判断部247は更に感知器障害の判断機能も有する。火災判断部247は、所定の測定時間間隔で温度検出回路242から出力される温度検出信号をA/D変換により読み込んで記憶部240のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔毎に、記憶部420のバッファ領域に保持している温度検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回った時に出力停止状態である等として障害を判定する。
【0133】
状態表示ユニット64はドライバ63と液晶ディスプレイ67を備え、ドライバ63を熱感知器200に設けたインタフェース回路250を介して信号処理部238に接続している。状態表示ユニット64に対応して信号処理部238には状態表示処理部428の機能が設けられる。またインタフェース回路250は状態表示ユニット64に電源を供給している。
【0134】
状態表示処理部248は、火災判断処理部47で読み込んだ温度検出データとその時の火災判断結果をインタフェース回路250を介して状態表示ユニット64のドライバ63に送り、通常時は図19(B)に示したように検出温度と感知器状態として「正常」を表示し、火災を判断した場合は検出温度として例えば「85℃」を表示すると共に感知器状態として「火災」を表示し、更に障害を判断した場合は検出温度として「− −℃」を表示すると共に感知器状態として「障害」を表示する。
【0135】
ここで図19の熱感知器200に対しては状態表示ユニット64以外に、図9〜図12及び図15〜図16に示した照明ユニット72、スピーカユニット82または無線通信ユニット108を設けることもできる。
【0136】
なお、上記の実施形態は感知器処理と連携する連携ユニットとして状態表示ユニット、照明ユニット、スピーカユニット、ファンユニット(煙感知器のみ)及び無線通信ユニットを例にとるものであったが、本発明はこれに限定されず、感知器処理と連携する適宜の機能をもつ連携ユニットを貫通穴に設けることができる。
【0137】
また上記の実施形態にあっては、各機種の連携ユニットに対する電源供給は感知器本体側から行うようにしているが、連携ユニット側に電池を内蔵して電源を供給するようにしても良い。
【0138】
また上記の実施形態の煙感知器10にあっては、図1(B)に示したように、発光開口16aと受光開口18aを検出面12a上で中心を通る対向位置に配置しているが、対向位置とせずに所定角度オフセットした配置とするようにしても良い。
【0139】
また、図19に示した熱感知器にあっては、温度検出素子116を感知器本体112の下面から下方に突出しているが、これ以外に、火災による熱気流を受ける位置であれば、適宜の位置に温度検出素子117を設けることができる。
【0140】
また、本発明の他の実施形態として、図1に示した煙感知器10に、図19の熱感知器200に設けている温度検出素子216とその保護カバー218を、散乱光式の検煙空間を妨げることのない位置に設けることで、煙と熱を感知して火災を判断する複合型の感知器としても良い。
【0141】
また、上記の実施形態は、火災判断時に感知器回線に発報電流を流して受信機に火災検出信号を送るオンオフ型の感知器を例にとっているが、これ以外に受信機からの伝送路に接続され受信機からのアドレスを指定したポーリングに対し煙濃度や温度のアナログデータを送って受信機側で火災を判断させるアナログ感知器、受信機からの一括AD変換コマンドで煙濃度や温度を検出し、火災を判断した場合に受信機に割込信号を送出し、受信機からの検索処理を受けて火災信号を応答するアドレッサブル型の感知器など適宜の感知器に適用できる。
【0142】
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0143】
10:煙感知器
11:チャンバーベース
12,212:感知器本体
14,214:貫通穴
16:発光素子
16a:発光開口
18:受光素子
18a:受光開口
20:透明カバー
22,222:回路収納部
24,224:裏蓋
26,226:回路基板
28,228:リード線
32,232:陥凹部
34,234:ビス取付穴
36,236:発報表示灯
38,238:信号処理部
40,240:記憶部
42:発光制御部
44:増幅回路
46:発報回路
47:火災判断部
48:状態表示処理部
50:天井
52:通線孔
54:ビス
56a,56b,58a,58b:感知器回線
60a,60b:圧着端子
62,77,88,102,116,250:インタフェース回路
63,78,104:ドライバ
64:状態表示ユニット
65:表示用信号線
65a,75a,85a,
66:表示面
67:液晶ディスプレイ
68:リブ
70:ボス
71:嵌合溝
72:照明ユニット
74:白色LED
75:照明用信号線
76:照明制御部
80:スピーカユニット
82:スピーカ
84:音響穴
85:スピーカ用信号線
86:警報音処理部
90:音声合成部
92:警報音データ記憶部
94:音声増幅部
95:ファン用信号線
96:ファンユニット
98:ファン
100:ファン制御部
106:モータ
110:アンテナ
112:通信用信号線
114:送受信処理部
118:送信部
120:受信部
122:矩形貫通穴
124,125:嵌合端子
216:温度検出素子
218:保護カバー
242:温度検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体中央に、上下に貫通する貫通穴を備えた円盤状の感知器本体と、
前記感知器本体に設けられ、火災に伴う物理的現象を検出するセンサ部と、
前記センサ部から出力さけた検出信号に基づき火災判断処理を実行し、火災を判断した場合に外部に火災信号を出力する信号処理部と、
前記感知器本体の貫通穴に着脱自在に設けられると共に前記信号処理部に信号線接続され、前記信号処理部からの信号に基づき前記感知器処理以外の所定の処理を実行する連携ユニットと、
を備えたことを特徴とする感知器。
【請求項2】
請求項1記載の感知に於いて、更に、
前記感知器本体から外部に引き出され、天井裏面に布設された感知回線の信号線に接続されるリード線と、
前記感知器本体に天井面に取付け固定するビスを挿通するビス取付穴と、
を設けたことを特徴とする感知器。
【請求項3】
請求項1記載の感知器に於いて、前記連携ユニットとして、前記信号処理部による火災判断処理の結果を表示する表示ユニットを設けたことを特徴とする感知器。
【請求項4】
請求項3記載の感知器に於いて、
前記信号処理部は更に感知器の障害判断処理を実行し、
前記表示ユニットは、前記信号処理部による障害判断処理の結果を表示することを特徴とする感知器。
【請求項5】
請求項1記載の感知器に於いて、前記連携ユニットとして、前記信号処理部により火災を判断した場合に駆動される照明ユニットを設けたことを特徴とする感知器。
【請求項6】
請求項1記載の感知器に於いて、前記連携ユニットとして、前記信号処理部により火災を判断した場合に警報音を監視エリアに出力する音響変換ユニットを設けたことを特徴とする感知器。
【請求項7】
請求項6記載の感知器に於いて、前記感知器本体の貫通穴に設けた音響変換ユニットは、スピーカ又はブザーを備えたことを特徴とする感知器。
【請求項8】
請求項1記載の感知器に於いて、前記連携ユニットとして、前記信号処理部と外部機器との間で所定の信号を無線により送受信する通信ユニットを設けたことを特徴とする感知器。
【請求項9】
請求項8記載の感知器に於いて、前記通信ユニットは前記信号処理部により火災を判断した場合に外部機器に対し火災を示すイベント信号を無線送信することを特徴とする感知器。
【請求項10】
請求項1記載の感知器に於いて、
前記センサ部は、
前記感知器本体の外面に設けた発光開口及び受光開口と、
前記感知器本体の前記外面に装着されて少なくとも前記発光開口及び前記受光開口を覆う透明カバーと、
前記透明カバーの外側に位置する開放状の検煙空間に設定された検煙点に対して、前記発光開口を介して光を発する前記感知器本体に内蔵された発光素子と、
前記発光素子から前記発光開口を介して前記検煙点に対して発せられた光に対する散乱光を、前記受光開口を介して受光して受光量に応じた煙濃度検出信号を出力する前記感知器本体に内蔵された受光素子と、
を備え、
前記信号処理部は、前記煙濃度検出信号に基づいて火災判断処理を実行することを特徴とする感知器。
【請求項11】
請求項10記載の感知器に於いて、
前記発光開口及び前記受光開口を天井取付け状態で下側に位置する前記感知器本体の外面に設け、
前記透明カバーは前記発光開口、前記受光開口及び前記貫通穴開口を覆うように感知器本体に装着したことを特徴とする感知器。
【請求項12】
請求項10記載の煙感知器に於いて、前記連携ユニットとして、前記貫通穴の開口部から監視エリア内の雰囲気を吸引して天井裏面側に排出するファンユニットを設けたことを特徴とする感知器。
【請求項13】
請求項12記載の感知器に於いて、前記ファンユニットは、前記信号処理部により煙濃度検出信号が火災判断の閾値より低い所定の閾値を超えたことを判断した場合に駆動されて監視エリアの雰囲気を吸引することを特徴とする感知器。
【請求項14】
請求項1記載の感知器に於いて、
前記センサ部は、前記感知器本体の外面に温度検出素子を設け、
前記信号処理部は、前記温度検出素子から出力された温度検出信号に基づいて火災判断処理を実行することを特徴とする感知器。
【請求項15】
請求項1記載の感知に於いて、前記感知器本体は、更に、天井面に固定された感知器ベースに対し機械的且つ電気的に着脱自在に接続する嵌合端子を設けたことを特徴とする感知器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−37426(P2013−37426A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170936(P2011−170936)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】