説明

感音玩具

【課題】低コストで興趣を高めることができる感音玩具を提供する。
【解決手段】略円板状の花托部4aの側周面に放射状に複数の花弁部4bが設けられた花部4を有する植物模型2と、花弁発光体412からの光Lが導光板431の側面から入射して花弁部4bの表面側から出射するよう花弁付け根部分4cに設けられる花弁発光体412、及び花弁部4bに設けられる導光板431と、音センサ31が感知した音に基づいて、所定の発光パターンで発光するよう花弁発光体412を制御する中央制御基板33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感音玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部の音を感知し、この音に応じて所定の動作を行う感音玩具が知られている。このような玩具として、例えば、音センサ(音感知手段)で感知した外部音が可聴帯域以上の場合に、植物を模した人形が踊り出すというフラワーロック(商品名)がよく知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3−146084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような感音玩具において、外部音に反応して動作させるのでなく、例えば玩具本体に設けた発光体を外部音に反応して所定のパターンで発光させ、遊びのバリエーションを増やして興趣を高めたいというニーズがある。
【0004】
しかしながら、この発光を印象深いものにするには発光量を増やさねばならず、そのために多くの発光体やこれらを接続する配線等が必要となり、製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、低コストで興趣を高めることができる感音玩具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
略円板状のセンター部の側周面に放射状に複数の花弁が設けられた花を有する植物型の植物模型と、
外部からの音を感知する音感知手段と、
前記音感知手段が感知した音に基づいて所定の制御を行う制御手段と、
前記植物模型に設けられ、発光体及び導光板を有して前記制御手段の制御により所定の発光を行う発光手段と、
を備える感音玩具であって、
前記発光手段は、前記発光体からの光が前記導光板の側面から入射して前記花弁の表面側から出射するよう、前記発光体が前記花弁の付け根部分に設けられ、前記導光板が前記花弁に設けられて構成され、
前記制御手段は、前記音感知手段が感知した音に基づいて、所定の発光パターンで発光するよう前記発光手段を制御することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の感音玩具であって、
前記発光手段は、前記発光体が前記センター部に設けられて当該センター部の表面側が発光するよう構成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の感音玩具であって、
前記植物模型は、少なくとも1つの葉を有し、
前記発光手段は、前記発光体からの光が前記導光板の側面から入射して前記葉の表面側から出射するよう、前記発光体が前記葉の付け根部分に設けられ、前記導光板が前記葉に設けられて構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感音玩具であって、
前記植物模型に所定の動作を行わせる動作手段と、
前記音感知手段が感知した音に基づいて、前記植物模型を揺動させるよう前記動作手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感音玩具であって、
前記花弁に設けられた前記導光板は、前記花弁の裏面側の面に、前記花弁の付け根側から先端側に向かうにつれて互いの間隔が徐々に狭くなるよう形成され、前記発光体からの入射光を散乱させる多数の反射ドットを有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感音玩具であって、
前記発光手段を制御する制御手段は、前記音感知手段が感知した音の音量に応じて、前記所定の発光パターンが変化するよう前記発光手段を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感音玩具であって、
前記発光体は、互いに発光色の異なる3つの発光ダイオードを含んで構成されることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感音玩具であって、
前記所定の発光パターンは、少なくとも1つの前記発光手段毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、発光手段は、発光体からの光が導光板の側面から入射して花弁の表面側から出射するよう、発光体が花弁の付け根部分に設けられ、導光板が花弁に設けられて構成され、制御手段は、音感知手段が感知した音に基づいて、所定の発光パターンで発光するよう発光手段を制御するので、例えば花弁全体に発光体を設ける必要もなく、導光板を用いることで付け根部分に設けた発光体だけで花弁全体を発光できるとともに、外部の音に反応して所定の発光パターンで発光できる。したがって、低コストに構成できるとともに、遊戯者は印象深い発光を楽しんで興趣を高めることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、発光手段はセンター部の表面側が発光するよう構成されるので、より興趣を高めることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、発光手段は、発光体からの光が導光板の側面から入射して葉の表面側から出射するよう、発光体が葉の付け根部分に設けられ、導光板が葉に設けられて構成されるので、葉も花弁と同様に低コストな構成で発光できる。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、植物模型に所定の動作を行わせる動作手段と、音感知手段が感知した音に基づいて植物模型を揺動させるよう動作手段を制御する制御手段とを備えるので、当該感音玩具は外部の音に反応して上記の発光動作に加え揺動動作をも行う。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、花弁に設けられた導光板は、花弁の裏面側の面に、花弁の付け根側から先端側に向かうにつれて互いの間隔が徐々に狭くなるよう形成され、発光体からの入射光を散乱させる多数の反射ドットを有するので、花弁の表面が付け根側から先端側にかけて緩やかなグラデーション様に発光する。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、発光手段を制御する制御手段は、音感知手段が感知した音の音量に応じて、所定の発光パターンが変化するよう発光手段を制御するので、音量を変化させることにより異なる発光パターンを楽しむことができる。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、発光体は互いに発光色の異なる3つの発光ダイオードを含んで構成されるので、3色の組合せにより多彩な色の発光が可能となる。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、前記所定の発光パターンは、少なくとも1つの発光手段毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであるので、多彩な発光パターンを楽しむことができ、一層興趣を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0023】
本発明に係る感音玩具1は、図1に示すように、花を有する植物を模した植物模型2と、植物模型2を支持する植木鉢形の基台3とから構成されている。
【0024】
まず、植物模型2について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は感音玩具1の正面図であり、図2は植物模型2の分解斜視図である。なお、以下では、特に断らない限り、正面とは感音玩具1の正面を指し、背面とは感音玩具1の背面を指すものとする。
植物模型2は、花部4と、茎部5と、葉部6とを備えている。
【0025】
花部4は、略円板状の花托部4a、及び花托部4aの側周面に放射状に均等間隔で設けられた正面視楕円状の複数の花弁部4bを有する花形に形成され、花部基板41と、花部ケース42と、花部伝播部43と、花托カバー44と、首ケース45と、背面ケース46とから構成されている。なお、本発明におけるセンター部は花托部4aに相当する。
【0026】
花部基板41は、大円板部41aと小円板部41bとが同心に組み合わされた段付きの円板状に形成され、小円板部41b側の表面が正面を向くように大円板部41a側の裏面で茎部5の先端に固定されている。花部基板41の小円板部41bの外径は、花托部4aの外径と略同一に形成されている。
【0027】
また、花部基板41は、発光面を正面へ向けて小円板部41b表面の中央に設けられた花托発光体411と、発光面を外径方向へ向けて小円板部41b表面の外周部近傍に周方向へ均等間隔で設けられた、花弁部4bと同数の花弁発光体412とを実装している。この花部基板41は、茎部5中の図示しない電線を介して後述の中央制御基板33に接続され、当該中央制御基板33からの制御内容に応じて花托発光体411及び花弁発光体412の発光制御を行う。また、花部基板41は、この中央制御基板33を介して基台3内部の電池(図示せず)から給電される。
【0028】
また、花托発光体411及び花弁発光体412は、赤緑青の3色をそれぞれ発光する3つの発光ダイオード411a及び412a(図3参照)を各々含んで構成されている。なお、図3では、花弁発光体412としての3つの発光ダイオード412aが図示垂直方向に併設されているため、当該発光ダイオード412aは1つだけ図示している。
【0029】
花部ケース42は、図1及び図2に示すように、全花弁部4bを各々一回り大きくして連結させた正面形状に形成された、花部伝播部43を収納する板状のケースである。この花部ケース42には、正面側の花弁部4bに相当する各部分に、後述の花部伝播部分43aが嵌合する花弁凹部42aが設けられている。なお、花部ケース42は、特に限定はされないが、不透明のABS樹脂で形成されている。
【0030】
また、花部ケース42は、その正面視中央に、花部基板41の小円板部41bの外径と嵌合する正面視円形の孔部42bが板厚方向に貫通しているとともに、その背面に、後述する背面ケース46の係合孔46aと係合する係合軸42cが、花部基板41の大円板部41aよりも外径側に均等間隔に3つ立設されている。そして、花部ケース42は、孔部42bを花部基板41の小円板部41bに嵌合させ、花部基板41を挟むようにして係合軸42cを背面ケース46の係合孔46aと係合させることにより、花部基板41に固定される。このとき、花部基板41の花弁発光体412が、花弁部4bの付け根の花弁付け根部分4cにおいて花弁凹部42aの周方向略中央にそれぞれ配置されるようになっている。
【0031】
花部伝播部43は、全ての花弁部4bを内周側の結合環で結合させた正面形状に形成され、花弁部4bに相当する各花弁伝播部分43aが花部ケース42の各花弁凹部42aに嵌合されて固定されるようになっている。
【0032】
この花部伝播部43は、図3に示すように、上記正面形状に形成された導光板431に対し、各花弁伝播部分43aの背面側に反射シート432を貼付し、同じく正面側に拡散シート433を貼付して構成される。ここで、図3は、図1におけるA−A部の断面図である。導光板431には、反射ドットとしての多数の切欠き431aが、花弁部4bの裏面側の面の全面に亘って、花弁部4bの付け根側から先端側に向かうにつれて互いの間隔が徐々に狭くなるよう形成されている。また、花部伝播部43は、花部ケース42に固定されたときに、各花弁発光体412が各花弁付け根部分4cにおける導光板431の厚さ方向(図示左右方向)略中央に配置されるような厚さに形成される。
このような構成により、花弁発光体412から出射した光Lは、導光板431の内周側の側面から花弁伝播部分43aに入射して、表面反射を繰り返して導光板431の広い面積に広がる。そのときに、この光Lは、導光板431の切欠き431aに当たると、そこで散乱され、導光板431の正面側つまり花弁部4bの表面側から拡散シート433を通じて外部に出射する。このとき、花弁部4bの付け根側から先端側に向かって切欠き431aの間隔が徐々に狭くなっているので、花弁発光体412からの光Lは花弁部4bの先端側に向かって届きにくくなると同時に切欠き431aによる散乱が強められ、結果として、花弁部4bの表面側から出射する光Lは花弁部4bの付け根側から先端側に向かって緩やかに弱められる。こうして、花部伝播部43は、拡散シート433を貼付した花弁伝播部分43aの表面側が、花弁部4bの付け根側から先端側にかけて緩やかなグラデーション様に発光する。なお、本発明において花弁に設けられる発光手段は、上記の花弁発光体412及び導光板431を含んで構成される。
【0033】
花托カバー44は、花部基板41の小円板部41bと略同一外径に形成された正面視円形の透明なアクリル板である。この花托カバー44は、一方の面が平面状に他方の面が凸球面状に形成され、前記一方の面に拡散シート441が貼付されて、当該一方の面側を小円板部41bの表面に対向させるよう花部基板41に固定される。
【0034】
また、この花托カバー44は、花托発光体411を発光させることにより、拡散シート441を通じて、凸球面状の面つまり花托部4aの表面側が発光するようになっている。
【0035】
首ケース45は、図2に示すように、花部基板41の大円板部41a及び小円板部41bを下方から支持する基板支持部分45aと、茎部5の上端部を覆う円筒状の茎支持部分45bとから構成されている。この首ケース45は、花部基板41と茎部5との接続部に固定されて、当該接続部を補強している。
【0036】
背面ケース46は、花部基板41の大円板部41aを厚さ方向へ収容可能に開口した略お椀状に形成され、開口部の側周面に花部ケース42の係合軸42cと係合する3つの係合孔46aが設けられている。この背面ケース46は、背面側から大円板部41aを収容して、花部ケース42の係合軸42cと係合孔46aとを係合させることにより、花部基板41に固定される。
【0037】
茎部5は、図1及び図2に示すように、鉄芯51と、第1茎カバー52と、第2茎カバー53と、茎ケース54とから構成され、花部4及び葉部6を所定の高さに支持するとともに、後述するモータ32に動かされて植物模型2を揺動させるものである。
【0038】
鉄芯51は、基台3内から花部基板41まで上方に延在する長尺な針金であり、基端側が基台3内のモータ32に固定され、先端側が当該鉄芯51を被覆する第1茎カバー52内で固定されないままになっている。この鉄芯51は、花部4及び葉部6を支持する強度部材であると同時に、被覆される第1茎カバー52及び第2茎カバー53の内部で自由に回転できるようになっている。
【0039】
第1茎カバー52は、ファイバー等の柔軟な材料で形成され、葉部6下端から花部4中心部までの鉄芯51部分を被覆している。この第1茎カバー52は、葉部6側で第2茎カバー53と固定され、花部4側で花部基板41と固定されている。
第2茎カバー53は、第1茎カバー52同様にファイバー等の柔軟な材料で形成され、葉部6下端より下方の所定長さの鉄芯51部分を被覆している。
これら第1茎カバー52及び第2茎カバー53は、図示はしないが、いずれも2重の被覆構造となっており、鉄芯51を内周側で被覆するとともに、後述する基台3内の中央制御基板33(図5参照)と花部基板41及び葉部基板62とを電気的に接続する電線(図示せず)を外周側で被覆している。
【0040】
茎ケース54は、基台3上面から葉部6下端までの鉄芯51及び第2茎カバー53を覆う略円筒状のケースであり、下方側の一端面で基台3上面と当接し上方側の他端面で後述の葉部ケース61及び固定具64の下面と当接して葉部6を支持している。この茎ケース54は、延在方向の中心軸を通る面で第1茎ケース54aと第2茎ケース54bとに2分割されており、これら第1茎ケース54aと第2茎ケース54bとで鉄芯51及び第2茎カバー53を挟むようにして固定される。また、茎ケース54は、第2茎カバー53を内部で固定するとともに、下端面で基台3に対し固定されている。
【0041】
葉部6は、葉を模した2つの葉部分6aが、それぞれの付け根の葉部付け根部分6bで連結された形状に形成されており、葉部ケース61と、葉部基板62と、葉部伝播部63と、固定具64とから構成されている。
【0042】
葉部ケース61は、葉部分6aの形状をなす2枚の板状部材が、各表面を同一方向へ向けつつ当該方向に直行する平面内で互いが直列より幾分か傾くよう各葉部付け根部分6bで連結され形成されている。この葉部ケース61は、表面を正面側へ向けつつ各葉部分6aの先端が均等に上方側を向くよう固定具64により茎部5に固定される。なお、葉部ケース61は、特に限定はされないが、不透明のABS樹脂で形成されている。
【0043】
また、葉部ケース61には、外側面全面に一様厚さの壁が形成されるよう、表面の全面に亘って略一様深さの葉部凹部61aが形成されている。但し、葉部凹部61aにおける2つの葉部分6aの連結部には、葉部基板62が嵌合する正面視六角形状の一段深い凹部が形成され、更にその中央部には、当該葉部基板62に電線(図示せず)を接続するための孔部が葉部ケース61の背面側まで貫通している。
【0044】
葉部基板62は、六角形の板状に形成され、基板表面を正面側へ向けて葉部ケース61の2つの葉部分6aの連結部に設けられた凹部に嵌合される。また、葉部基板62は、発光面を各葉部分6aの先端へ向けた2つの葉部発光体621を基板表面の各葉部付け根部分6bに実装している。この葉部発光体621は、赤緑青の3色をそれぞれ発光する3つの発光ダイオード621a(図4参照)を含んで構成されている。なお、図4では、葉部発光体621としての3つの発光ダイオード621aが図示垂直方向に併設されているため、当該発光ダイオード621aは1つだけ図示している。
【0045】
この葉部基板62は、茎部5中の図示しない電線を介して後述の中央制御基板33に接続され、当該中央制御基板33からの制御内容に応じて葉部発光体621の発光制御を行う。また、葉部基板62は、この中央制御基板33を介して基台3内部の電池(図示せず)から給電される。
【0046】
葉部伝播部63は、図2及び図4に示すように、葉部ケース61の側周面を一回り小さくした正面形状に形成され、葉部ケース61の葉部凹部61aに嵌合されて固定されるようになっている。ここで、図4は、図1におけるB−B部の断面図である。但し、葉部伝播部63は、2つの葉部分6aの連結部において、葉部基板62の六角形状でプレス加工したように、背面側の面には当該形状の凹部が形成され、正面側の面には当該形状を一回り大きくした凸部が形成されて、当該凸部で両葉部分6aが連結されるように形成されている。
【0047】
この葉部伝播部63は、上記正面形状に形成された導光板631に対し、各葉部分6aに対応する各葉部伝播部分63aの背面側に反射シート632を貼付し、同じく正面側に拡散シート633を貼付して構成される。また、葉部伝播部63は、葉部ケース61に固定されたときに各葉部発光体621が各葉部付け根部分6bにおける導光板631の厚さ方向(図4の左右方向)略中央に配置されるような厚さに形成される。
このように構成により、葉部発光体621から出射した光Lが導光板631の葉部付け根部分6b側の側面から葉部伝播部分63aに入射して、表面反射を繰り返して導光板631の広い面積に広がる。そのときに、この光Lは、反射シート632の反射材(図示せず)に当たると、そこで散乱され、導光板631の正面側つまり葉部分6aの表面側から拡散シート633を通じて外部に出射する。こうして、葉部伝播部63は、拡散シート633を貼付した葉部伝播部分63aの表面側全体が発光するようになっている。なお、本発明において葉に設けられる発光手段は、上記の葉部発光体621及び導光板631を含んで構成される。
【0048】
固定具64は、図2に示すように、第1茎カバー52の径よりも若干大きい幅の凹部を有する略コ字状をしており、同一方向を向くコ字の両端面には、葉部ケース61背面の葉部付け根部分6b近傍に立設された2つの係合軸(図示せず)と係合する2つの係合孔64aが設けられている。この固定具64は、背面側からコ字の凹部で第1茎カバー52を挟むようにして、葉部ケース61の係合軸と係合孔64aとを係合させることにより、茎部5に対して固定される。そのとき、固定具64は、下方側の面が茎ケース54の上面と当接して支持される。
【0049】
続いて、基台3について、図2及び図5を参照して説明する。ここで、図5は、感音玩具1の制御構成を示すブロック図である。
基台3は、土を含んだ植木鉢状に形成されて植物模型2を上部に支持するとともに、当該植物模型2の動作制御に使用される部品として、音センサ31と、モータ32と、中央制御基板33と、電池(図示せず)とを内部に備えている。
【0050】
音センサ31は、外部からの可聴帯域の音を感知するセンサであり、中央制御基板33と電気的に接続されて、外部音の有無を当該中央制御基板33へ出力する。また、音センサ31は、図示しない電池に接続され給電される。
【0051】
モータ32は、中央制御基板33と電気的に接続されるとともに、図示しないモータ軸に茎部5の鉄芯51基端が連結され、当該モータ軸を回転させることにより鉄芯51を延在方向に対して回転させる。また、モータ32は、図示しない電池に接続され給電される。
【0052】
このモータ32は、例えばS字に可撓させた鉄芯51を第1茎カバー52、第2茎カバー53及び茎ケース54の内部で回転させることにより、植物模型2を正面向きのまま揺動させることが可能となっている。
【0053】
中央制御基板33は、音センサ31、モータ32、花部基板41、及び葉部基板62と電気的に接続され、音センサ31から入力される信号に応じてモータ32、花部基板41、及び葉部基板62に対し所定の制御を行う。具体的には、中央制御基板33は、音センサ31が感知した音に基づいて、植物模型2を揺動させるようモータ32を制御するとともに、所定の発光パターンで発光するよう花部基板41及び葉部基板62を介して花托発光体411、花弁発光体412、及び葉部発光体621を制御する。この発光パターンは、特に限定はされないが、少なくとも1つの花托発光体411、花弁発光体412、及び葉部発光体621毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものである。
【0054】
また、中央制御基板33は、複数の発光パターンを記憶する記憶手段(図示せず)を備えており、音センサ31が感知した音の音量に応じて発光パターンが変化するよう花托発光体411、花弁発光体412、及び葉部発光体621を制御することが可能になっている。なお、中央制御基板33は、図示しない電池に接続され給電される。
【0055】
以上のように構成された感音玩具1によれば、中央制御基板33が花部基板41を介して花弁付け根部分4cの花弁発光体412を制御することで、花弁部4bに設けた花弁伝播部分43aの正面側が所定の発光パターンで発光する。これにより、例えば花弁部4b全体に発光体を設ける必要もなく、導光板431を用いることで花弁付け根部分4cに設けた花弁発光体412だけで花弁部4b全体を発光できるとともに、外部の音に反応して所定の発光パターンで発光できる。したがって、低コストに構成できるとともに、遊戯者は印象深い発光を楽しんで興趣を高めることができる。
【0056】
また、中央制御基板33が花部基板41を介して花托発光体411を制御することで、花托カバー44の正面側が所定の発光パターンで発光する。したがって、花弁部4bに加え花托部4aも表面側が発光するので、より興趣を高めることができる。
【0057】
また、中央制御基板33が葉部基板62を介して葉部付け根部分6bの葉部発光体621を制御することで、葉部分6aに設けた葉部伝播部分63aの正面側が所定の発光パターンで発光する。これにより、例えば葉部分6a全体に発光体を設ける必要もなく、導光板631を用いることで葉部付け根部分6bに設けた葉部発光体621だけで葉部分6a全体を発光できるとともに、外部の音に反応して所定の発光パターンで発光できる。したがって、葉部分6aも花弁部4bと同様に低コストな構成で発光でき、一層興趣を高めることができる。
【0058】
また、中央制御基板33は、音センサ31が感知した音に基づいて、植物模型2を揺動させるようモータ32を制御するので、感音玩具1は外部の音に反応して上記の発光動作に加え揺動動作をも行う。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0059】
また、花部伝播部43の導光板431には、反射ドットとしての多数の切欠き431aが、花弁部4bの裏面側の面の全面に亘って、花弁部4bの付け根側から先端側に向かうにつれて互いの間隔が徐々に狭くなるよう形成されているので、花弁部4bの表面が付け根側から先端側にかけて緩やかなグラデーション様に発光する。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0060】
また、中央制御基板33は、音センサ31が感知した音の音量に応じて発光パターンが変化するよう花托発光体411、花弁発光体412、及び葉部発光体621を制御するので、音量を変化させることにより異なる発光パターンを楽しむことができる。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0061】
また、花托発光体411、花弁発光体412、及び葉部発光体621は、互いに発光色の異なる3つの発光ダイオード411a、412a、及び621aをそれぞれ含んで構成されるので、いずれの発光体も3色の組合せにより多彩な色の発光が可能となる。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0062】
また、中央制御基板33が制御する発光パターンは、少なくとも1つの花托発光体411、花弁発光体412、及び葉部発光体621毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであるので、多彩な発光パターンを楽しむことができ、一層興趣を高めることができる。
【0063】
なお、上記実施の形態においては、音センサ31は外部の音を感知するものとしたが、感音玩具1自体が音を発生してもよい。この場合、例えば、基台3内部に配置されるスピーカーと、携帯型の音楽プレーヤーに接続可能な端子とを設ければよい。そして、当該音楽プレーヤーで音楽を再生してスピーカーから流すことで、感音玩具1自らが発生する音に応じて当該感音玩具1を発光及び揺動させることができる。
【0064】
なお、導光板431に形成される切欠き431aは、花弁発光体412からの入射光を散乱できる反射ドットであればよく、切欠き状のものに限定されない。また、同様の切欠きを葉部伝播部63の導光板631に形成して、葉部伝播部63をグラデーション様に発光させてもよい。
【0065】
また、中央制御基板33がモータ32、花部基板41、及び葉部基板62を全て制御しなくともよく、モータ32を制御する基板と、花部基板41及び葉部基板62を制御する基板とで別々の制御基板を設けてもよい。
【0066】
また、音センサ31、モータ32、中央制御基板33、花部基板41、及び葉部基板62への給電は、基台3内部の電池からに限定されず、例えば外部のコンセントからとしてもよい。
【0067】
また、上記以外の点についても、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】感音玩具の正面図である。
【図2】植物模型の分解斜視図である。
【図3】図1におけるA−A部の断面図である。
【図4】図1におけるB−B部の断面図である。
【図5】感音玩具の制御構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
1 感音玩具
2 植物模型
4 花部
4a 花托部(センター部)
4b 花弁部
4c 花弁付け根部分
6a 葉部分
6b 葉部付け根部分
31 音センサ(音感知手段)
32 モータ(動作手段)
33 中央制御基板(制御手段)
411 花托発光体
411a、412a、621a 発光ダイオード
412 花弁発光体
431、631 導光板
431a 切欠き
621 葉部発光体
L 光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円板状のセンター部の側周面に放射状に複数の花弁が設けられた花を有する植物型の植物模型と、
外部からの音を感知する音感知手段と、
前記音感知手段が感知した音に基づいて所定の制御を行う制御手段と、
前記植物模型に設けられ、発光体及び導光板を有して前記制御手段の制御により所定の発光を行う発光手段と、
を備える感音玩具であって、
前記発光手段は、前記発光体からの光が前記導光板の側面から入射して前記花弁の表面側から出射するよう、前記発光体が前記花弁の付け根部分に設けられ、前記導光板が前記花弁に設けられて構成され、
前記制御手段は、前記音感知手段が感知した音に基づいて、所定の発光パターンで発光するよう前記発光手段を制御することを特徴とする感音玩具。
【請求項2】
前記発光手段は、前記発光体が前記センター部に設けられて当該センター部の表面側が発光するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の感音玩具。
【請求項3】
前記植物模型は、少なくとも1つの葉を有し、
前記発光手段は、前記発光体からの光が前記導光板の側面から入射して前記葉の表面側から出射するよう、前記発光体が前記葉の付け根部分に設けられ、前記導光板が前記葉に設けられて構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の感音玩具。
【請求項4】
前記植物模型に所定の動作を行わせる動作手段と、
前記音感知手段が感知した音に基づいて、前記植物模型を揺動させるよう前記動作手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感音玩具。
【請求項5】
前記花弁に設けられた前記導光板は、前記花弁の裏面側の面に、前記花弁の付け根側から先端側に向かうにつれて互いの間隔が徐々に狭くなるよう形成され、前記発光体からの入射光を散乱させる多数の反射ドットを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の感音玩具。
【請求項6】
前記発光手段を制御する制御手段は、前記音感知手段が感知した音の音量に応じて、前記所定の発光パターンが変化するよう前記発光手段を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の感音玩具。
【請求項7】
前記発光体は、互いに発光色の異なる3つの発光ダイオードを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の感音玩具。
【請求項8】
前記所定の発光パターンは、少なくとも1つの前記発光手段毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の感音玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−268766(P2009−268766A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122859(P2008−122859)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】