説明

慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤

下記式(I)(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子または低級アルキルを表し、mおよびnは同一または異なって1〜4の整数を表す)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
副鼻腔は上顎洞、篩骨洞、前頭洞および蝶形骨洞からなる鼻腔の周りの骨の空洞部であり、それぞれ鼻腔とつながっている。副鼻腔炎はこれら空洞部のひとつまたはそれ以上の空洞部のいずれかにおけるウイルス性、細菌性もしくは真菌性の感染等による非アレルギー性またはアレルギー反応によるアレルギー性の炎症であり、それらのうち慢性または再発性のものを慢性副鼻腔炎という(メルク・インデックス、第17版、第7節、86章等)。
炎症が慢性化すると副鼻腔の粘膜が厚くなり(粘膜肥厚)、鼻腔への出口が狭まり、洞内で分泌される粘液が副鼻腔に蓄積する。また、肥厚した粘膜の一部が塊となって鼻茸(ポリープ)を形成し鼻腔を塞ぐようになる。慢性副鼻腔炎でみられる症状は、鼻漏(前鼻漏)、鼻汁、鼻閉塞(鼻閉)、嗅裂の閉鎖等である。また、慢性副鼻腔炎患者は鼻の症状のほかに頭痛、顔面痛、疲労、集中力低下、睡眠障害、味覚障害、嗅覚障害等の症状を訴えることがある。さらに、副鼻腔炎患者では鼻腔や副鼻腔の炎症が中耳にまで波及して中耳炎を起こしたり、喉へ下がる鼻汁(後鼻漏)のために慢性咽喉頭炎、慢性気管支炎等を起こしたりすることもある。
【0003】
アレルギー性の慢性副鼻腔炎には、例えばアスピリン喘息に伴うアレルギー性の慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎に伴うアレルギー性の慢性副鼻腔炎等がある。
また、近年、慢性副鼻腔炎の病態は多様化し、アレルギー反応の有無に関わらず粘膜での好酸球浸潤が著明であり、マクロライド療法に抵抗性を有する難治性の副鼻腔炎の存在が認識されている。例えば、好酸球性副鼻腔炎に伴う慢性副鼻腔炎、気管支喘息に伴う慢性副鼻腔炎等が知られている(耳鼻咽喉科展望、2001年、第44巻、p.195−201;耳鼻咽喉科展望、2002年、第45巻、p.239−241)。
【0004】
慢性副鼻腔炎の治療として、薬物投与による治療、副鼻腔の洗浄、鼻汁の吸引、ネブライザー治療等の保存的治療が行われるが、数回の外来治療で完全に治すことは難しく、概して治療期間は長くなる。さらに、これら保存的治療を2〜6か月行っても症状が改善せず、症状や粘膜の炎症が高度の場合は手術が必要になる。薬物投与による治療としては、14員環系マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン等)等を少量で長期間使用する方法等が知られている(日医大誌、1999年、第66巻、p.406)。
【0005】
一方、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩は、例えば抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗喘息作用等を有する化合物として知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、非特許文献1参照)。
中でも、(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸(以下、化合物1という)は、ヒスタミン拮抗作用(非特許文献2、非特許文献3参照)、化学伝達物質の遊離抑制作用(非特許文献4参照)、炎症性サイトカイン遊離抑制作用(非特許文献5参照)、タキキニン遊離抑制作用(非特許文献6参照)等を有することが知られており、抗アレルギー剤として臨床で用いられている。さらに、化合物1はアレルギー性鼻炎の鼻閉症状に対して高い改善作用を示すことが第III相試験で明らかとなっている(非特許文献7参照)。また、モルモットを用いた基礎実験においても、化合物1は実験的アレルギー性鼻炎モデルでの鼻閉反応に対して抑制作用を有することが知られている(非特許文献8参照)。
【特許文献1】特公平5−86925号公報
【特許文献2】米国特許第1282365号明細書
【特許文献3】特開昭56−150082号公報
【特許文献4】特開昭58−126883号公報
【特許文献5】特開昭59−227879号公報
【特許文献6】特開昭60−28972号公報
【非特許文献1】「ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)」、1978年,第21巻,p.633−639
【非特許文献2】「薬理と臨床」,1995年,第5巻,p.1817−1824
【非特許文献3】「薬理と臨床」,1995年,第5巻,p.1825−1835
【非特許文献4】「インターナショナル・アーカイブス・オブ・アレルギー・アンド・イムノロジー(Int.Arch.Allergy Immunol.)」,1996年,第110巻,p.57−63
【非特許文献5】「アクタ・オフタルモロジカ・スカンジナビア(Acta Ophthamol.Scand.)」,1999年,第228巻,p.33−37
【非特許文献6】「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Jpn.J.Pharmacol.),2001年,第117巻,p.967−973
【非特許文献7】「耳鼻」,1996年,第42巻,p.633−658
【非特許文献8】「アレルギーの臨床」,2003年,第23巻,p.63−75
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の(1)〜(21)に関する。
(1)式(I)
【0008】
【化1】

(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子または低級アルキルを表し、mおよびnは同一または異なって1〜4の整数を表す)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体(以下、化合物(I)という)またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
(2)式(IA)
【0009】
【化2】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
(3)慢性副鼻腔炎がアレルギー性の慢性副鼻腔炎である上記(1)または(2)記載の慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
(4)慢性副鼻腔炎が非アレルギー性の慢性副鼻腔炎である上記(1)または(2)記載の慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
(5)式(I)
【0010】
【化3】

(式中、R、R、R、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(6)式(IA)
【0011】
【化4】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(7)慢性副鼻腔炎がアレルギー性の慢性副鼻腔炎である上記(5)または(6)記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(8)慢性副鼻腔炎が非アレルギー性の慢性副鼻腔炎である上記(5)または(6)記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【0012】
(9)症状が鼻腔内壁の腫隆である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(10)症状が鼻漏である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(11)症状が後鼻漏である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(12)症状が頭痛である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【0013】
(13)症状が顔面痛である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(14)症状が鼻粘膜の膨張である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(15)症状が鼻閉塞である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(16)症状が単純X線写真上に陰影として確認される炎症である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(17)症状が鼻の粘膜肥厚またはポリープである上記(5)〜(8)のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
(18)式(I)
【0014】
【化5】

(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子または低級アルキルを表し、mおよびnは同一または異なって1〜4の整数を表す)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする慢性副鼻腔炎の予防および/または治療方法。
(19)式(IA)
【0015】
【化6】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする慢性副鼻腔炎の予防および/または治療方法。
(20)慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤の製造のための式(I)
【0016】
【化7】

(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子または低級アルキルを表し、mおよびnは同一または異なって1〜4の整数を表す)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(21)慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤の製造のための式(IA)
【0017】
【化8】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤等が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
式(I)の各基の定義における低級アルキルとしては、例えば直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキルがあげられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等があげられる。
化合物(I)または化合物1の薬理学的に許容される塩としては、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。
【0020】
化合物(I)または化合物1の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩があげられる。中でも1塩酸塩がより好ましい。
【0021】
化合物(I)または化合物1の製造法は特に限定されないが、化合物(I)または化合物1は例えば特公平5−86925号公報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
上記製造法における目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。
【0022】
化合物(I)または化合物1の塩を取得したいとき、化合物(I)または化合物1が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、化合物(I)または化合物1を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて塩を形成させればよい。
また、化合物(I)、化合物1およびそれらの薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明の慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤に用いることができる。
【0023】
本発明で予防および/または治療される慢性副鼻腔炎としては、例えばウイルス性、細菌性または真菌性の感染等による非アレルギー性の慢性副鼻腔炎、アスピリン喘息に伴うアレルギー性の慢性副鼻腔炎、通年性アレルギー性鼻炎を合併した慢性副鼻腔炎等のアレルギー性鼻炎に伴うアレルギー性の慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎に伴う慢性副鼻腔炎、気管支喘息に伴う慢性副鼻腔炎等の難治性の副鼻腔炎等があげられる。また、本発明の慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤は、慢性副鼻腔炎の各種症状(例えば鼻の粘膜肥厚、ポリープ、鼻漏、鼻汁、鼻閉塞、嗅裂の閉鎖、後鼻漏等の鼻の症状、頭痛、顔面痛、疲労、集中力低下、睡眠障害、味覚障害、嗅覚障害等の症状、中耳炎、慢性咽喉頭炎、慢性気管支炎等の二次的に生じる症状等)を予防、改善または治療することができる。
【0024】
化合物(I)、化合物1またはそれらの薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物および人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物1またはその薬理学的に許容される塩を単独でまたは任意の他の有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
【0025】
混合する他の有効成分としては、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン等が例示される。
投与経路は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば皮下、静脈内、鼻腔内等の非経口をあげることができる。
投与形態としては、錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、注射剤等があげられる。
【0026】
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、蔗糖、ソルビット、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリー・フレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を使用して製造できる。
また、錠剤、散剤、顆粒剤等は、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニット等の賦形剤、澱粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。
【0027】
皮下または静脈内投与(持続投与も含む)のための注射剤は、例えば溶液、懸濁液、乳濁液、用時溶剤に溶解または懸濁して用いられる固形の注射剤等として調製される。溶液、懸濁液および乳濁液は、化合物(I)もしくは化合物1またはその薬理学的に許容される塩を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて調製することができる。溶剤としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、緩衝液(リン酸緩衝液等)、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール等のアルコール類等、それらの組み合わせ等が用いられる。さらにこれらの注射剤は、安定化剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作に付すことによって製造することができる。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品等を製造し、投与前に無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解または懸濁して使用することもできる。
【0028】
鼻腔内投与のための外用剤としては、例えば外用液剤等があげられ、これらは溶液、懸濁液、乳濁液、用時溶剤に溶解または懸濁して用いられる固形剤等として調製される。溶液、懸濁液および乳濁液は、化合物1またはその薬理学的に許容される塩を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて調製することができる。溶剤として、例えば生理食塩水、緩衝液(リン酸緩衝液等)、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等、それらの組み合わせ等が用いられる。さらにこれらの外用液剤は、安定化剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)、懸濁化剤(ポリソルベート80(登録商標)、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールのような粘性を与える高分子等)、乳化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。
【0029】
化合物(I)もしくは化合物1またはそれらの薬理学的に許容される塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常経口の場合、成人一人当り0.01mg〜1g、好ましくは0.05〜50mgを1日1回ないし数回投与する。静脈内投与等の非経口投与の場合、成人一人当り0.001〜100mg、好ましくは0.01〜10mgを1日1回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
【0030】
次に、化合物(I)の慢性副鼻腔炎に対する効果について試験例により具体的に説明する。
試験例1:慢性副鼻腔炎に対する化合物1の1塩酸塩(塩酸オロパタジン)の効果1
慢性副鼻腔炎と診断された患者(女性、51歳)に塩酸オロパタジン[アレロック(登録商標)5mg錠;協和醗酵工業株式会社]のみを1回1錠、1日2回(朝食後、就寝前)、経口で毎日服用させた(10mg/1日)。塩酸オロパタジンの投与前と投与から2ヶ月後にそれぞれコンピューター断層撮影(CT)を施行し、症状の変化を観察した。なお、塩酸オロパタジンの投与前、該患者の右鼻腔にはポリープが充満しており、該患者には頭痛、右鼻閉塞、膿性の鼻漏、粘膜肥厚による右嗅裂の閉鎖等の症状が見られた。また、2ヶ月以上のクラリシッド(登録商標)(一般名:クラリスロマイシン)およびノイチーム(登録商標)(一般名:塩化リゾチーム)の服用では、これらの症状の改善は見られていなかった。
【0031】
CT画像から、右鼻腔に充満していたポリープおよびsofttissue density massは塩酸オロパタジンの2ヶ月間の投与によりほぼ消失していることが確認された。また、右篩骨洞、右蝶形骨洞、右前頭洞等に充満していたsofttissue density areaもほぼ消失しており、airlationが良好であった。また内側壁の鼻腔側への膨隆、粘膜肥厚による右嗅裂の閉鎖等も軽減していた。
【0032】
また、鼻漏および頭痛の自覚症状も塩酸オロパタジンの2ヶ月間の投与により消失した。
以上の結果から分かるように、塩酸オロパタジンは、慢性副鼻腔炎患者における自覚症状(鼻漏、頭痛等)およびCT画像で認められた所見(ポリープ、鼻閉塞、内側壁の鼻腔側への膨隆、粘膜肥厚による右嗅裂の閉鎖等)を改善した。つまり、塩酸オロパタジンは、慢性副鼻腔炎に対して臨床効果を有することが分かった。
【0033】
試験例2:通年性アレルギー性鼻炎を合併している慢性副鼻腔炎患者に対する塩酸オロパタジンの効果
通年性アレルギー性鼻炎を合併している慢性副鼻腔炎患者(24名、平均年齢33.8歳、罹病期間61.5±59.7日)に塩酸オロパタジン[アレロック(登録商標)5mg錠;協和醗酵工業株式会社]を1回1錠、1日2回(朝食後、就寝前)、経口で毎日服用させた(10mg/1日)。この際、ムコダイン(登録商標)(一般名:カルボシステイン)、ダーゼン(登録商標)(一般名:セラペプターゼ)、ポララミン(登録商標)(一般名:d−マレイン酸クロルフェニラミン)、クラリシッド(登録商標)(一般名:クラリスロマイシン)等を併用することは可とし、その旨を調査票に記入した。なお、これらの薬剤は治療のために本試験以前より服用していたものである。投与8週目における各患者の1)くしゃみ、2)鼻漏、3)鼻閉塞、4)日常生活への支障、5)粘膜の腫脹、6)頭痛・頭重および7)後鼻漏について、それぞれ改善度を調べた。それぞれの症状の程度の判定は「2002年度版鼻アレルギー診断ガイドライン(改訂第4版)」を参照して行い、改善度の評価は、それぞれの症状毎に、投与前に該当する症状を有する患者に対して消失、著明改善、改善および不変の4段階評価で行った。改善率は、改善以上(消失、著明改善および改善)の評価を有効と判定し、投与前に該当する症状を有する患者の数(症例数)に対する有効数の割合(%)として算出した。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
表1の結果から分かるように、塩酸オロパタジンは、通年性アレルギー性鼻炎を合併する慢性副鼻腔炎患者にみられるくしゃみ、鼻漏、鼻閉塞、日常生活への支障、粘膜の腫脹、頭痛・頭重および後鼻漏の症状を改善した。つまり、塩酸オロパタジンは、通年性アレルギー性鼻炎を合併している慢性副鼻腔炎に対して臨床効果を有することが分かった。
試験例1および2の結果から、化合物1またはその薬理学的に許容される塩は、通年性アレルギー性鼻炎を合併する慢性副鼻腔炎のようなアレルギー性の慢性副鼻腔炎、非アレルギー性の慢性副鼻腔炎等の慢性副鼻腔炎における症状の改善および/または治療に有効であることが分かった。
【0036】
試験例3:慢性副鼻腔炎に対する塩酸オロパタジンの効果2
慢性副鼻腔炎と診断された患者(31歳)に塩酸オロパタジン[アレロック(登録商標)5mg錠;協和醗酵工業株式会社]を下記の処方スケジュールで服用させた(計21日間)。
<処方スケジュール>
1.最初の7日間(併用投与)
下記の処方で3剤を併用して服用させた。また、頓用としてSG顆粒を処方した。
塩酸オロパタジン5mg錠:1回1錠、1日2回、経口で7日間(10mg/1日)
ガチフロ(登録商標)(一般名:ガチフロキサシン)200mg錠:1回1錠、1日2回、経口で4日間(400mg/1日)
および
ムコダイン(登録商標)(一般名:カルボシステイン)500mg錠:1回1錠、1日3回、経口で7日間(1500mg/1日)
2.次の14日間(塩酸オロパタジン単独投与)
さらに、下記の処方で塩酸オロパタジンのみを服用させた。
塩酸オロパタジン5mg錠:1回1錠、1日2回、経口で14日間(10mg/1日)
【0037】
上記薬剤の投与前と投与から21日後にそれぞれ単純X線撮影を施行し、症状の変化を観察した。
上記薬剤の投与前、該患者には膿性鼻汁、鼻閉塞感、両頬部痛(顔面痛)、頭痛等の自覚症状が見られ、単純X線写真において、篩骨洞および左右上顎洞に副鼻腔炎の炎症を示す陰影が認められた。
【0038】
最初の7日間の併用投与により、膿性鼻汁、鼻閉塞感等の鼻症状が改善し、両頬部痛(顔面痛)および頭痛の消失が認められた。さらに、次の14日間の塩酸オロパタジン単独投与により膿性鼻汁、鼻閉塞感等の鼻症状が消失し、鼻粘膜の腫脹等もみられず、鼻の状態は正常であることが認められた。また、単純X線写真で認められた篩骨洞および左右上顎洞における副鼻腔炎の炎症を示す陰影は、計21日間の塩酸オロパタジン投与により完全に消失していることが確認された。
【0039】
以上の結果から分かるように、塩酸オロパタジンは、慢性副鼻腔炎患者における自覚症状(膿性鼻汁、鼻閉感、両頬部痛、頭痛)および単純X線写真で認められた所見(副鼻腔炎の炎症)を改善した。つまり、塩酸オロパタジンは、非アレルギー性の慢性副鼻腔炎に対して臨床効果を有することが分かった。
【0040】
試験例4:慢性副鼻腔炎に対する塩酸オロパタジンの効果3
慢性副鼻腔炎と診断された患者(54歳)に塩酸オロパタジン[アレロック(登録商標)5mg錠;協和醗酵工業株式会社]を下記の処方スケジュールで服用させた(計35日間)。
<処方スケジュール>
1.最初の7日間(併用投与)
下記の処方で3剤を併用して服用させた。
塩酸オロパタジン5mg錠:1回1錠、1日2回、経口で7日間(10mg/1日)
ガチフロ(登録商標)(一般名:ガチフロキサシン)200mg錠:1回1錠、1日2回、経口で4日間(400mg/1日)
および
ムコダイン(登録商標)(一般名:カルボシステイン)500mg錠:1回1錠、1日3回、経口で7日間(1500mg/1日)
2.次の14日間(併用投与)
さらに、下記の処方で2剤を併用して服用させた。
塩酸オロパタジン5mg錠:1回1錠、1日2回、経口で14日間(10mg/1日)
および
ムコダイン(登録商標)500mg錠:1回1錠、1日3回、経口で14日間(1500mg/1日)
3.次の14日間(塩酸オロパタジン単独投与)
さらに、下記の処方で塩酸オロパタジンのみを服用させた。
塩酸オロパタジン5mg錠:1回1錠、1日2回、経口で14日間(10mg/1日)
【0041】
上記薬剤の投与前と投与から35日後にそれぞれ単純X線撮影を施行し、症状の変化を観察した。
上記薬剤の投与前、該患者には膿性鼻汁、後鼻漏、倦怠感、左頬部痛(顔面痛)等の自覚症状が見られ、単純X線写真において、篩骨洞および左右上顎洞に副鼻腔炎の炎症を示す陰影が認められた。
【0042】
最初の7日間の併用投与により、後鼻漏は改善しなかったが、膿性鼻汁は減少してほぼ消失し、左頬部痛(顔面痛)および倦怠感の消失が認められた。さらに、次の14日間の併用投与により、膿性鼻汁、後鼻漏等の鼻症状が消失し、鼻粘膜の腫脹等も認められず鼻の状態は正常であることが認められた。さらに、塩酸オロパタジン単独投与により自覚症状全てが消失した。また、単純X線写真で認められた篩骨洞および左右上顎洞における副鼻腔炎の炎症を示す陰影は、計35日間の塩酸オロパタジン投与により完全に消失していることが確認された。
【0043】
以上の結果から分かるように、塩酸オロパタジンは、慢性副鼻腔炎患者における自覚症状(膿性鼻汁、後鼻漏、倦怠感、左頬部痛)および単純X線写真で認められた所見(副鼻腔炎の炎症)を改善した。つまり、塩酸オロパタジンは、非アレルギー性の慢性副鼻腔炎に対して臨床効果を有することが分かった。
【0044】
試験例5:アレルギー性鼻炎を合併している慢性副鼻腔炎患者に対する塩酸オロパタジンの効果
アレルギー性鼻炎を合併している慢性副鼻腔炎患者(18歳)に塩酸オロパタジン[アレロック(登録商標)5mg錠;協和醗酵工業株式会社]のみを1回1錠、1日2回、経口で2ヶ月間(10mg/1日)服用させた。
【0045】
なお、患者は、5年半前頃から重篤なくしゃみ、鼻閉塞および後鼻漏を発症しており、断続的な薬物療法により自覚症状が軽快すると治療を中断していたが、上記塩酸オロパタジン投与による治療を開始する前には、これらの症状における改善がみられなくなっていた。また、投与開始前の患者は、鼻汁好酸球検査(鼻汁中の好酸球数が群在する状態と、弱拡で目に付く程度の中間)およびスクラッチテスト(ハウスダスト、カンジダ、スギおよびカモガヤ)において陽性であり、該患者の慢性副鼻腔炎はアレルギー性鼻炎を合併していることが確認された。
【0046】
塩酸オロパタジンの投与前と、投与から2週間後および1ヶ月後における患者のくしゃみ、鼻汁、鼻閉塞、後鼻漏等の自覚症状および下甲介粘膜の腫脹、水性分泌物、下甲介粘膜の色調等の所見(他覚症状)について症状の推移を調べた。なお、各症状の程度の判定は、「2002年度版鼻アレルギー診断ガイドライン(改訂第4版)」を参照し、表3および表4に基づいて行った。その結果を表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
その結果、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、後鼻漏等の自覚症状および下甲介粘膜の腫脹、水性分泌物、下甲介粘膜の色調等の所見(他覚症状)は、時間の経過とともに改善され、2週間後または1ヶ月後にはこれらの症状は消失した。
また、塩酸オロパタジンの投与前と投与から1ヶ月後および2ヶ月後にそれぞれコンピューター断層撮影(CT)を、塩酸オロパタジンの投与前と投与から2ヶ月後にそれぞれ単純X線撮影(Waters法)をそれぞれ施行し、症状の変化を観察した。
【0051】
単純X線写真から、投与前、上顎洞にみられた慢性副鼻腔炎の炎症を示す陰影は2ヶ月間の塩酸オロパタジンの単独投与により消失していることが確認された。
CT画像から、篩骨洞および上顎洞における粘膜の腫脹は、1ヶ月間の塩酸オロパタジンの単独投与により大幅に軽減され、2ヶ月間の塩酸オロパタジンの単独投与によりほぼ消失していることが確認された。
【0052】
以上の結果から分かるように、塩酸オロパタジンは、アレルギー性鼻炎を合併している慢性副鼻腔炎患者における自覚症状(くしゃみ、鼻汁、鼻閉、後鼻漏等)、他覚症状(下甲介粘膜の腫脹、水性分泌物、下甲介粘膜の色調等)、ならびにCT画像および単純X線写真で認められる所見(慢性副鼻腔炎の炎症、篩骨洞および上顎洞における粘膜の腫脹等)を改善した。つまり、塩酸オロパタジンは、アレルギー性鼻炎を合併している慢性副鼻腔炎に対して臨床効果を有することが分かった。
【0053】
以上の試験例1〜5の結果から、塩酸オロパタジンを投与することにより、アレルギー性、非アレルギー性等に関わらず、慢性副鼻腔炎を改善および/または治療することが可能であることが分かった。
以下に、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0054】
錠剤:常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
処方
化合物1の1塩酸塩 5mg
乳糖 61mg
馬鈴薯澱粉 30mg
ポリビニルアルコール 3mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
100mg
【実施例2】
【0055】
散剤:常法により、次の組成からなる散剤を調製する。
処方
化合物1 10mg
乳糖 190mg
200mg
【実施例3】
【0056】
注射剤:常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
処方
化合物1 2mg
精製ダイズ油 200mg
精製卵黄レシチン 24mg
注射用グリセリン 50mg
注射用蒸留水 1.72mL
2.00mL
【実施例4】
【0057】
シロップ剤:常法により、次の組成からなるシロップ剤を調製する。
処方
化合物1 300mg
精製白糖 40 g
パラオキシ安息香酸メチル 40mg
パラオキシ安息香酸エチル 10mg
ストロベリー・フレーバー 1mL
蒸留水 適量
100.00mL

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化9】

(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子または低級アルキルを表し、mおよびnは同一または異なって1〜4の整数を表す)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
【請求項2】
式(IA)
【化10】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
【請求項3】
慢性副鼻腔炎がアレルギー性の慢性副鼻腔炎である請求項[1]または[2]記載の慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
【請求項4】
慢性副鼻腔炎が非アレルギー性の慢性副鼻腔炎である請求項[1]または[2]記載の慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤。
【請求項5】
式(I)
【化11】

(式中、R、R、R、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項6】
式(IA)
【化12】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項7】
慢性副鼻腔炎がアレルギー性の慢性副鼻腔炎である請求項[5]または[6]記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項8】
慢性副鼻腔炎が非アレルギー性の慢性副鼻腔炎である請求項[5]または[6]記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項9】
症状が鼻腔内壁の腫隆である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項10】
症状が鼻漏である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項11】
症状が後鼻漏である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項12】
症状が頭痛である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項13】
症状が顔面痛である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項14】
症状が鼻粘膜の膨張である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項15】
症状が鼻閉塞である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項16】
症状が単純X線写真上に陰影として確認される炎症である請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項17】
症状が鼻の粘膜肥厚またはポリープである請求項[5]〜[8]のいずれかに記載の慢性副鼻腔炎における症状の改善剤。
【請求項18】
式(I)
【化13】

(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子または低級アルキルを表し、mおよびnは同一または異なって1〜4の整数を表す)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする慢性副鼻腔炎の予防および/または治療方法。
【請求項19】
式(IA)
【化14】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする慢性副鼻腔炎の予防および/または治療方法。
【請求項20】
慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤の製造のための式(I)
【化15】

(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子または低級アルキルを表し、mおよびnは同一または異なって1〜4の整数を表す)で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項21】
慢性副鼻腔炎の予防および/または治療剤の製造のための式(IA)
【化16】

で表される(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理学的に許容される塩の使用。

【国際公開番号】WO2005/102313
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【発行日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−512589(P2006−512589)
【国際出願番号】PCT/JP2005/007625
【国際出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】