説明

慢性閉塞性肺疾患(COPD)のための組合せ治療法

本発明は、式IVの第四級アンモニウム化合物から選択される一種またはそれ以上の化合物を含有する第一の薬剤と、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作動薬、フォスフォジエステラーゼ阻害剤(PDE’s)、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニル]エチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、及びその製薬的に許容される塩、並びに非第四級化ムスカリン作動体拮抗薬から選択される一種またはそれ以上の薬剤を含有する第二の薬剤とを投与することにより、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、及び感染性鼻炎を治療する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)(COPD)と称される呼吸障害群、アレルギー性鼻炎、及び感染性鼻炎の治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
「喘息」は炎症(膨張)と気道周囲の筋肉の締まりにより発生する気管支収縮(気道の狭まり)を原因とする慢性肺疾患である。この炎症は、粘液の生成量を増大させ、その結果、咳を長時間に亘り継続させる場合がある。喘息は一般に、反回性の無呼吸症状の発現、喘鳴、咳、及び、増悪と称される胸部圧迫感によって特徴付けられる。増悪の深刻さの程度は、軽いものから生死に関わるもの迄存在し得る。憎悪は、例えば呼吸器感染、埃、カビ、花粉、冷気、運動、ストレス、煙草の煙、及び大気汚染物質等に晒される結果、発症し得る。
【0003】
「COPD」は慢性閉塞性肺疾患を意味し、主として過去及び現在の喫煙に関連している。「COPD」は主として、気腫及び慢性気管支炎に関連した気道閉塞を伴う。気腫は、肺の空気嚢を弱化させ破壊して、不可逆的な肺損傷を引き起こす。慢性気管支炎は炎症疾患であり、気道の粘液を増加させて、気管支内を細菌感染させ、気道を閉塞させる。
【0004】
「アレルギー性鼻炎」は花粉症を含む急性鼻炎、即ち鼻炎を意味する。アレルギー性鼻炎は花粉または埃等のアレルゲンを原因とするもので、鼻、喉、目、及び耳において、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、及び痒みを発症する場合がある。
【0005】
「感染性鼻炎」は病原菌を原因とする急性鼻炎、即ち鼻炎を意味する。感染性鼻炎は、感染性ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、アデノウイルス、コサッキーウイルス、エコウイルス、またはA群β溶連菌を原因とするもので、一般的に風邪と称される上気道感染症により発症する。感染性鼻炎はくしゃみ、鼻づまり、鼻水、及び鼻、目、耳に痒みを発症し得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に本発明は、式I〜Vの第四級アンモニウム化合物から選択される一種またはそれ以上の化合物を含有する第一の薬剤と、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作動薬、フォスフォジエステラーゼ阻害剤(PDE)、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニルエチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、及びその製薬的に許容される塩、並びに非第四級化抗ムスカリン性化合物から選択される一種またはそれ以上の薬剤を含有する第二の薬剤とを投与することにより、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、及び感染性鼻炎を治療する方法に関する。
【0007】
第一の薬剤は、式I
【化1】

(式中、R1、R2及びR3は独立して、H、場合によりフェニルで置換されたC1−C5アルキル、若しくはC2−C6アルケニルであるか、またはR1、R2及びR3二つが第四級アンモニウム窒素と共に環を形成し、
4は、
−H、
−CO−R4-1であり、R4-1
1−C4アルキル、
1−C4アルコキシ、
−NR4-24-3であり、ここでR4-2及びR4-3は、同一かまたは異なり、かつ−HまたはC1−C4アルキルであり、
5及びR6は同一かまたは異なり、かつ
−H、
1−C4アルキル、ここで同C1−C4アルキルは場合により、
−OH、
1−C4アルコキシ、
−COOH、
−CO−O−(C1−C3アルコキシ)の一つまたは二つで置換され、
−F、Cl、Br、
−CF3であり、
-は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸、メタンスルホン酸、CH3−(CH2n1−COOH(n1は、0〜4)、HOOC−(CH2n1−COOH(nは、前に定義したものと同様)、HOOC−CH=CH−COOH、φ−COOHのアニオンからなる群から選択される)の化合物、及びそのエナンチオマー、
【0008】
式II
【化2】

(式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(C1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシル基から選択される基で置換され、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す)の化合物、及びその任意の立体異性体、
【0009】
式III
【化3】

(式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(C1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシル基から選択される基で置換され、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す)の化合物、及びその任意の立体異性体、
【0010】
式IV
【化4】

(式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(C1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシル基から選択される基で置換され、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す)の化合物、及びその任意の立体異性体、並びに
【0011】
式V
【化5】

(式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(C1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシル基から選択される基で置換され、
2は、HまたはOHであり、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す)の化合物、及びその任意の立体異性体を含有する。
【0012】
本発明の実施態様は、以下の一種またはそれ以上を含有してもよい:Xが酒石酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸、メタンスルホン酸、CH3−(CH2n−COOH(nは、0〜4)、HOOC−(CH2n−COOH(nは、1〜4)、HOOC−CH=CH−COOH、及び安息香酸のアニオンからなる群から選択される。Xがヨウ化物、臭化物、及び塩化物からなる群から選択される。
【0013】
好ましい実施形態を説明する際、明確化のため一定の専門用語が使用されるであろう。これら専門用語は、引用される実施形態と、同様の結果を得るために同様の目的で同様の方法を使用して実施形態される技術的等価物の全てとを包含することを意図する。薬剤的に活性な化合物がいずれも開示され、または特許請求される限り、インビボにて生成される全ての活性代謝産物を含み、また化合物がその鏡像体、異性体または互換異性体の形態で存在し得る場合には、それら全ての鏡像体、異性体または互換異性体を含むことが明白に意図される。全ての立体異性体が有用な活性を有する。従って、本発明は各立体異性体を個別に使用することと、立体異性体の混合物を使用することとを含む。
【0014】
一般に本発明は、第一の薬剤と第二の薬剤とを投与することにより喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、及び感染性鼻炎を治療する方法に関する。
【0015】
第一の薬剤は、式I〜Vの第四級アンモニウム化合物のうちの一種またはそれ以上を含有する。
【0016】
式I〜Vの化合物は当業者により製造されることが可能である。式I〜Vの第四級アンモニウム化合物は、第三級アミンから第四級アンモニウム化合物を製造する公知の方法により製造することが可能である。例えば、第四級アンモニウム化合物は、その内容が参照により本願に組み入れられる米国特許第5,096,890号、米国特許第5,973,182号、米国特許第5,382,600号、WO98/29402、欧州特許第0801067A1号、米国特許出願公開第2001/0051727A1号、及び5,382,600号に記載の第三級アミン、並びに他の公知化合物を出発物質として用いて、これら化合物の第三級窒素をアルキル化することによって製造され得る。
【0017】
一般的用語「第四級アンモニウム化合物」は、水酸化アンモニウムまたはアンモニウム塩から、そのNH4-イオンの全ての4個の水素原子を有機基で置換することによって誘導されると想定される任意の化合物に関連している。この特定の化合物は、命名法的理由から(例、ケミカルアブストラクト参照)「アミン」化合物として命名されるが、用語「アンモニウム」を名称に使用することが可能である。例えば、(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミドは、アンモニウム化合物、即ち(3R)−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ジイソプロピルメチルアンモニウムブロミドと命名されてもよい。
【0018】
例として、米国特許第5,096,890号に従った第三級アミンまたはその塩を適切な溶媒中に溶解する。この第三級アミンを有機基質(例、有機ハロゲン化物)と反応させる。基質は、場合によりフェニルで置換されたC1−C6アルキル、好ましくはC1−C3アルキルと、脱離基とを含む。脱離基の種類は重要ではないが、例えばヨウ化物または臭化物などのハロゲン化物が好ましい。従って、典型的な基質はヨウ化メチル、臭化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、臭化ベンジル、またはヨウ化ベンジルを含む。得られた反応生成物は第四級アンモニウム化合物であり、これらは当業者に公知の好適なアンモニウム溶媒中で容易に結晶化する。かように形成された結晶は、第四級アンモニウム塩である。この化合物は、例えば融点測定、核磁気共鳴法(NMR)分析及び質量分析法等の標準的方法によって同定される。
【0019】
本発明の化合物は、カウンターイオンを含む第四級アンモニウム塩として投与されることが好ましい。Xは、製薬的に許容される酸のアニオン(例、カウンターイオン)を表す。例えば、Xは以下のアニオンのうちから選択されてもよい:酒石酸アニオン、塩化物アニオン、臭化物アニオン、ヨウ化物アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン、クエン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、2〜6個の炭素原子を含むカルボン酸アニオン、2〜6個の炭素原子を含むジカルボン酸アニオン、マレイン酸アニオン、フマル酸アニオン、及び安息香酸アニオン。許容される他の第四級アンモニウム塩は、Int. J. Pharm., 33, 201-217(1986)を参照されたい。特に好ましいイオンは塩化物イオン、ヨウ化物イオン及び臭化物イオンであり、中でも臭化物イオン及びヨウ化物イオンが好ましい。
【0020】
置換基R1は、場合によりフェニル若しくはヒドロキシル、またはその両方で1−2置換された直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキルから選択される。従って、R1は、独立して、場合によりフェニル若しくはヒドロキシル、またはその両方で1−2置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、またはイソヘキシルを表す。R1は、メチルまたはエチルを表すことが特に好ましく、メチルを表すことが好ましい。
【0021】
本発明による化合物は、抗ムスカリン剤である。「抗ムスカリン剤」とは、ムスカリン受容体拮抗薬を意味する。公知の抗ムスカリン剤の例は、トルテロジン、ヒドロキシトルテロジン、2−(ジイソプロピルアミノ)エチル−1−フェニルシクロペンタンカルボキシレート、プロピベリン、オキシブチニン、トロスピウム、テミベリン及びイプラトロピウムを含む。ムスカリン受容体活性のアッセイ方法は、例えばN.Watson等によるEur. U. Pharmacol., 285(2), 135-142(1995) に説明されている。
【0022】
プロピベリンは、1−メチル−4−ピペリジルα,α−ジフェニル−α−(n−プロポキシ)アセテートであり、東ドイツ特許第106,643号、及びCAS82−155841(1975)に開示されている。オキシブチニンは、4−(ジエチルアミノ)−2−ブチニルアルファフェニルシクロヘキサングリコレートであり、英国特許第940,540号に開示されている。トロスピウムは、3α−ヒドロキシスピロ[1αH、5αH−ノルトロパン−8,1'−ピロリジニウム]クロライドベンジレートであり、米国特許第3,480,623号に開示されている。テミベリンは、3Sベンゼン酢酸、α−シクロヘキシル−α−ヒドロキシ−、4−(ジエチルアミノ)−1,1−ジメチル−2−ブチニルエステルであり、米国特許第5,036,098号に開示されている。イプラトロピウムは、8−イソプロピルノルアトロピンメトブロミドであり、米国特許第3,505,337号に開示されている。
【0023】
式I〜Vの化合物は、抗コリン特性を有し、非第四級化化合物と比較すると、予想外に消化管内で持続した活性を示す。従って、式I〜Vの化合物は、アセチルコリンを媒介とする疾患の治療に有用である。
【0024】
第二の薬剤は、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作動薬、フォスフォジエステラーゼ阻害剤(PDE)、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニルエチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、及びその製薬的に許容される塩、並びに非第四級化抗ムスカリン性化合物から選択される一種またはそれ以上の薬剤を含有する。
【0025】
アデノシンA2A受容体作動薬
本発明による治療薬の新規な組合せに有用なアデノシンA2A受容体作動薬の類は、アデノシン受容体のA2A亜類型に対して、許容可能な高い親和性を示し、また吸入後には、末梢における効果と比較して、許容可能な高い治療係数を肺効果において示す。アデノシンは免疫反応や炎症反応を含む幅広い生理学的活性を有する。免疫反応及び炎症反応は、受容体により仲介され、少なくとも四種類の形質膜受容体との相互作用に関連している。これらの受容体は、通常、A1、A2A、A2B、及びAsと称される。アデノシン及びその誘導体は、好中球及び好酸球を含む多様な免疫細胞及び炎症細胞と関係した幅広い抗炎症作用を有することが発見されている。
【0026】
アデノシンA2A受容体作動薬の例は、各々が全体として本願に組み入れられる米国特許第5,606,908号、米国特許第5,998,404号、米国特許第5,821,249号、及び米国特許第5,861,423号、並びに各々が全体として本願に組み入れられる国際特許出願WO99/34804号、WO99/67263号、WO97/08146号、WO99/67263号、WO00/51970号、WO02/095273号、及びWO02/096462号に説明されている。
【0027】
アデノシンA2A受容体作動薬の他の説明は、Visser等、“Apparent Involvement of the A2A Subtype Adenosine Receptor in the Anti-inflammatory Interactions of CGS 21680, Cyclopentyladenosine, and IB-MECA with Human Neutrophils,”Biochem.Pharmacol., 60 993-999, 2000、Martin等、“Parmacology of 2-Cyclohexyl-methylidene-hydrazino adenosine(WRC-0470), a Novel, Short-Acting Adenosine A2A Receptor Agonist That Produces Selective Coronary Vasodilation,“Drug Dev. Res.”40 313-324, 1997、Keeling等、“The Discovery and Synthesis of Highly Potent, A2A Receptor Agonists,” Bioorg.Med.Chem.Lett. 10 403-406, 2000、Kull等、“Differences in the Order of Potency for Agonist But Not; Antagonists at Human and Rat Adenosine A2A Receptors,” Biochem. Pharmacol. 57 65-75, 1999、並びにSullivan及びLinden、“Role of A2A Adenosine Receptors in Inflammation,” Drug.に見出すことができる。
【0028】
特定のアデノシンA2A受容体作動薬の例は、N9−[(2R、3R、4S、5R)−2−{2−(アミノメチル)−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−9−イル}−5(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、N−{[9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、N−{[9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2 10ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル]メチル}ベンズアミド、N−t[9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル]メチル}ベンゼンスルホンアミド、(2R、3R、4S、5R)−2−[2−(ベンジルアミノ)メチル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−9−イル]−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、15(2R、3R、4S、5R)−2−[2−(シクロヘキシルアミノ)メチル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−9−イル]−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、(2R、3R、4S、5R)−2−[2−{[(シクロヘキシルメチル)アミノ]メチル}−6−[(2,2−ジフェニルエチル)−アミノ]−9H−プリン−9−イル]−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、(2R、3R、4S、5R)−2−[2−[(シクロペンチルアミノ)メチル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H20プリン−9−イル]−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、N−{[9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル]メチル}−1−プロパンスルホンアミド、(2R、3R、4S、5R)−2−{6−L(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−[(イソプロピルアミノ)メチル]−9H−プリン−9−イル}−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、25(2R、3R、4S、5R)−2−{2−(2−アミノエチル)−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−[(イソプロピルアミノ)メチル]−9H−プリン−9−イル}−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、(2R、3R、4S、5R)−2−{2−[2−(シクロヘキシルアミノ)エチル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−[(イソプロピルアミノ)メチル]−9H−プリン−9−イル}−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、N−(2−{9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2 30ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル}メチル)ベンゼンスルホンアミド、(2R、3R、4S、5R)−2−{6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−[2−(イソプロピルアミノ)エチル]−9H−プリン−9−イル}−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−3,4−フランジオール、N−({9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(メトキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル}メチル)−2−メチル−1−プロパンスルホンアミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−N−[2−(1−ピペリジニル)エチル]−9H−プリン−2−カルボキサミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−N−フェニルエチル−9H−プリン−2−カルボキサミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2 10ジフェニルエチル)アミノ]−N−[2−(4−イソプロピル−1−ピペリジニル)エチル]−9H−プリン−2−カルボキサミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−N−[3−(1−ピロリジニル)プロピル]−9H−プリン−2−カルボキサミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−N−[2−(4−モルホリニル)エチル]−9H−プリン−2−カルボキサミド、159−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−N−(2−ピリジニルメチル)−9H−プリン−2−カルボキサミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−9H−プリン−2−カルボキサミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロ−2−フラニル]−N−[2 20(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−カルボキサミド、N−({9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル}メチル)−2−メチル−1−プロパンスルホンアミド、N−{[9−(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−(フェニルエチルアミノ)−9H−プリン−2−イル]メチル}ベンゼンスルホンアミド、25N−{(9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(1−ナフチルメチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル)メチル}ベンゼンスルホンアミド、2−[シクロペンチル(イソプロピル)アミノ]−N−{(9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イルメチル)エタンスルホンアミド、30(2S、3S、4R、5R)−5−(2−{[(ベンジルスルホニル)アミノ]メチル}−6−[(2,2−ジフェニルエチル)−アミノ]−9H−プリン−9−イル)−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、(2S、3S、4R、5R)−5−(6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−{[(プロピルスルホニル)アミノ]−メチル}−9H−プリン−9−イル)−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、5(2S、3S、4R、5R)−5−(6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−{[(フェニルスルホニル)アミノ]−メチル}−9H−プリン−9−イル)−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、5(2S、3S、4R、5R)−5−(6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−{[(フェニルスルホニル)アミノ]−メチル}−9H−プリン−9−イル)−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、(2S、3S、4R、5R)−5−{2−{[([1,1’−ビフェニル]−4−イルスルホニル)アミノ]メチル}−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−9−イル)−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、(2S、3S、4R、5R)−5−(6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−2−{[(ナフチルスルホニル)アミノ]−メチル}10 9H−プリン−9−イル)−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、N−({9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル}メチル)−N−[(2−ジ−イソプロピルアミノ)エチル]ウレア、N−({9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル}メチル)−N−[2−(1−ピペリジニル)エチル]ウレア、15(2S、3S、4R、5R)−5−{2−{[({[2−(ジ−イソプロピルアミノ)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]−メチル}−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−9−イル}−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、(2S、3S、4R、5R)−5−(6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−{2−{[({[2−(1−ピペリジニル)エチル]−アミノ}カルボニル)アミノ]メチル}−9H−プリン−9−イル}−N−エチル−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フランカルボキサミド、N−({6−{[2,2−ビス(4−クロロフェニル)エチル]アミノ}−9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル)メチル}−N−[2−(2−ジ−イソプロピルアミノ)エチル]ウレア、N−[2−(ジシクロブチルアミノ)エチル]−N−({9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5 25(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−イル}メチル)ウレア、6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9−{(2R、3R、4S、5S)−5−[(エチルアミノ)カルボニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}−N−[2−(1−ピペリジニル)エチル]−9H−プリン−2−カルボキサミド、6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9−{(2R、3R、4S、5S)−5−[(エチルアミノ)カルボニル]−3,4 30ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}−N−[2−(4−イソプロピル−1−ピペリジニル)エチル]−9H−プリン−2−カルボキサミド、6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9−{(2R、3R、4S、5S)−5−[(エチルアミノ)カルボニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}−N−{2−[({[2−(1−ピペリジニル)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}−9H−プリン−2−カルボキサミド、N−{2−[({[2−(ジ−イソプロピルアミノ)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}−6−[(2,2 5ジフェニルエチル)アミノ]−9−{(2R、3R、4S、5S)−5−[(エチルアミノ)カルボニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}−9H−プリン−2−カルボキサミド、9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−N−{2−[({[2−(1−ピペリジニル)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}−9H−プリン−2−カルボキサミド、10 9−[(2R、3R、4S、5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−
N−{2−[({[2−(ジ−イソプロピルアミノ)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]エチル}−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9H−プリン−2−カルボキサミド、6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9−{(2R、3R、4S、5S)−5−[(エチルアミノ)カルボニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}−N−{2−[({[2−(4−イソプロピル−1−ピペリジニル)エチル]アミノ}15カルボニル)−アミノ]エチル}−9H−プリン−2−カルボキサミド、N−(2−{[({2−[シクロペンチル(イソプロピル)アミノ]エチル}アミノ)カルボニル]アミノ}エチル)−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9−{(2R、3R、4S、55)−5−[(エチルアミノ)カルボニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}−9H−プリン−2−カルボキサミド、及びN−(2−{[({2−[シクロヘキシル(イソプロピル)アミノ]エチル}アミノ)カルボニル]アミノ}エチル)−6−[(2,2−ジフェニルエチル)アミノ]−9−{(2R、3R、4S、5S)−5−[(エチルアミノ)カルボニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}−9H−プリン−2−カルボキサミド、並びにその製薬的に許容される塩及び溶媒和物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0029】
D2ドーパミン受容体作動薬
本発明による治療薬の新規な組合せに有用なドーパミンD2受容体作動薬の類は、許容可能な高い親和性をドーパミン受容体のD2亜類型に対して示す化合物を含む。D2亜類型には二種のイソ型が存在し、これらは多くの場合、第三の細胞質ループの長さの相違に基づいて、D2ロング(D2 long)及びD2ショート(D2 short)と称される。D2ドーパミン受容体作動薬は、複数のエフェクター系と結合して、例えばアデニリルシクラーゼの活動を阻害する。この類のドーパミン受容体が活性化することによって気道の求心性神経の活動が抑制され、そのような状況下で求心性神経活動の結果が低減される。即ち、呼吸困難が軽減され、また例えば肺において遠心性神経の活動を仲介する神経伝達物質アセチルコリン及び他の伝達物質の放出を抑制する等の反射事象が軽減される。
【0030】
D2ドーパミン受容体作動薬の例は、各々が全体として本願に組み入れられる国際特許出願WO99/136095号、米国特許第4,622,398号、米国特許第5,235,055号、米国特許第5,382,596号、米国特許第5,633,376号、米国特許第5,674,909号、米国特許第5,733,908号、米国特許第5,747,513号、米国特許第6,080,768号、米国特許第5,750,556号、米国特許第5,814,628号、及び米国特許第5,972,958号、並びに、各々が全体として本願に組み入れられる国際特許出願WO95/33729号、WO96/04910号、WO97/136893号、WO98/08817号、WO98/08843号、WO98/35945号、WO98/35948号、WO98/38155号、WO99/157119号、WO00/16777号、WO02/096422号、欧州特許第409,048号、欧州特許第875,512号、及び欧州特許第899,267号に見出すことができる。
【0031】
D2ドーパミン受容体作動薬の特定の例は、アレンテモール、アポモルヒネ、ビペリデン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、シラドパ、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レボドパ、リスリド、5メチレンジオキシプロピルノルアポルフィン、ナクサゴリド、N−アリルノルアポルフィン、ペルゴリド、プラミペキソール、プロピルノルアポモルヒネ、プロトキロール、キナゴリド、キンピロール、ロピニロール、ロキシンドール、タリペキソール、テルグリド、トリヘキシフェニジル、トリヒドロキシアポルフィン、及びその製薬的に許容される塩を含むが、これらに限定されるものではない。
【0032】
D2ドーパミン受容体作動薬の製薬的に許容される数種の特定の塩の例は、臭化水素酸アレンテモール、塩酸アポモルヒネ、N−メチルアポモルフィニウムブロミド、塩酸ビペリデン、乳酸ビペリデン、メシル酸ブロモクリプチン、二リン酸カベルゴリン、塩酸カルモキシロール、塩酸シラドパ、ドペキサミン二塩酸塩、ドペキサミン二臭化水素酸塩、臭化水素酸フェノルドパム、メシル酸フェノルドパム、塩酸イボパミン、マレイン酸リスリド、塩酸ナクサゴリド、15メシル酸ペルゴリド、プラミペキソール二塩酸塩、塩酸プロトキロール、塩酸キナゴリド、塩酸キンピロール、塩酸ロピニロール、塩酸ロキシンドール、メシル酸ロキシンドール、タリペキソール二塩酸塩、マレイン酸水素テルグリド、マレイン酸水素テルグリド水和物、及び塩酸トリヘキシフェニジルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0033】
PDE阻害剤
PDEは、全身の組織内における多数の機能的経路に関与している。テオフィリン及びカフェイン等の薬物が、数十年の間、非特異的PDE阻害剤として認識されている。GOODMAN&GILMANによるTHE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS, 832-4,(Joel G. Hardman et al. eds., 9th ed. 1996)を参照されたい。比較的最近になって、複数のPDEイソ型の一つまたはそれ以上に特異性を有するPDE阻害剤の類が説明されており、これらは機能的な特異効果を示す。例えば、PDE−III特異的阻害剤は、血管及び気道を膨張させ、血小板の凝集を抑制し、脂肪を活性化し、サイトカインの生産を抑制する。同書で、PDE−IV特異的阻害剤は、気道の平滑筋を弛緩させ、炎症性メディエータの放出を抑制し、CNSを調整し、胃酸を分泌させる。
【0034】
PDE阻害剤またはその製薬的に許容される塩は、PDE−I、PDE−II、PDE−III、PDE−IV、PDE−V、PDE−VI及びPDE−VIIのアイソザイム選択的阻害剤、並びにPDE−III/IV二重阻害剤を含む任意のPDE阻害剤である。本願で交換可能に使用される用語「フォスフォジエステラーゼ阻害剤」及び「PDE阻害剤」は、フォスフォジエステラーゼ酵素の生理学的効果を低下させることにより環状AMP(cAMP)及び環状(cDMP)の分解を遅延させる化合物を意味する。このような阻害剤は、フォスフォジエステラーゼの特定のアイソザイムに対して特異性を有するか、又は実質的に特異性を有さず(即ち、非選択的)、即ちフォスフォジエステラーゼの二つまたはそれ以上のイソ型の大部分に対して有効である。
【0035】
用語「PDE−I阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−Iイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
【0036】
用語「PDE−II阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−IIイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
【0037】
用語「PDE−III阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−IIIイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
【0038】
用語「PDE−IV阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−IVイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
用語「PDE−V阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−Vイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
【0039】
用語「PDE−VI阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−VIイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
【0040】
用語「PDE−VII阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−VIIイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
【0041】
用語「PDE−III/IV阻害剤」とは、フォスフォジエステラーゼのPDE−III及びPDE−IVイソ型の生理的効果を、フォスフォジエステラーゼの他のイソ型に優先して低下させることができる化合物を意味する。
【0042】
PDE阻害剤の例は、各々が全体として本願に組み入れられる米国特許第6,333,354号、及び米国特許第6,331,543号に説明されている。PDE阻害剤の特定の例は、例えばテオフィリン、ジピリダモール、トレンタール(ペントキシフィリン)、Hoechst Marion Roussel社(Bad Soden、ドイツ)、及びイソブチルメチルキサンチン(IBMX)等の非特異的PDE阻害剤;
ビンポセチン、KS−505a、W−7、及びフェノチアジン等のPDE−I阻害剤;EHNAなどのPDE−II阻害剤;RO−20−1724、デンブフィリン、オキサグレラート、ニトラクァゾン、Y−590、DH−6471、SKF−94120、モタピゾン、リキサジノン、インドリダン、オルプリノン、アチゾラム、KS−506−G、DIPAMFYLLINE、BMY−43351、アチゾラム、AROFYLLINE、フィラミナスト、PDB−093、UCB−29646、CDP−840及びそのS−エナンチオマー、CT1731、SKF−107806、ピクラミラスト、RS−17597、RS−25344−000、SB−207499、チベネラスト、SB−210667、SB−211572、SB−211600、SB−212066、SB−212179及びGW−3600、特にモピダモール、アナグレライド、イブジラスト、アムリノン、ピモベンダン、シロスタゾール、LAS−31025−アルミラール社等のPDE−IV阻害剤;プロペントフィリン(HWA−285としても公知のPPF)、L−826,141;クアジノン及びN−(3,5−ジクロロピリジ−4−イル)−3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシベンズアミド;並びに、
【0043】
【化6】

の構造を有するシロミラスト(Ariflo(登録商標)、SB207499)c−4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル−r−1−シクロヘキサンカルボン酸)、SmithKline Beecham Parmaceuticals社(Harlow、英国);
【0044】
D4418;D4396;SCH351591;MESOPRAM、Chiroscience and Schering-Plough社;
【0045】
【化7】

の構造を有するロリプラム[4−(3−シクロペンテニルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−ピロリドン]、CAS[61413−54−5]、Schering社(ベルリン、ドイツ);
【0046】
【化8】

の構造を有するYM976(4−(3−クロロフェニル)−1,7−ジエチルピリド[2,3−d]ピリミジン−2(1H)−オン−山ノ内製薬株式会社(筑波、日本);
【0047】
RP73401(3−シクロペンチルオキシ−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)
−4−メトキシベンズアミド);
【0048】
【化9】

の構造を有するCT−2450、((R)−N−{4−[1−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−(4−ピリジル)エチル]フェニル}N'−エチルウレア)、Celltech Group社(Berkshire、英国);
【0049】
【化10】

の構造を有するCT−3405、Celltech Group社(Berkshire、英国);並びに、Amshler, BYK Gulden Lomberg Chemische Fabrik社(Konstanz、ドイツ)による米国特許第5,712,298号に説明されている化合物、特に
【0050】
【化11】

の構造を有する化合物ロフルミラスト(RP73401)、(ベンズアミド3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−(ジフルオロメトキシ)−(9Cl));並びにベナフェントリン(6−(p−アセトアミドフェニル)−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8,9−ジメトキシ−2−メチル−ベンゾ[c][1,6]ナフチリジン);BAY19−8004、Bayer株式会社;プマフェントリン(Pumafentrin);INS−365;AWD−12−281、Asta Medica(現在、Elbionとして知られる)株式会社;米国特許第6,384,236号に説明されている化合物、Pfizer株式会社;CDC−801及びCDC−998、Celgene社;並びに5CC(カテコールヒドラジン型誘導体)、Chei Je Dang社;トレクィンジン(TREQUINSINE)、ORG−30029、L−686398、SDZ−ISQ−844、ORG−20241、EMD−54622等のPDE−III/IV二重阻害剤;ザルダベリン;トラフェントリン、Byk Gulden Pharmaceuticals社(Konstanz、ドイツ);
【0051】
アムリノン、スルマゾール、アムピゾン(AMPIZONE)、シロスタミド、カルバゼラン、ピロキシモン、イマゾダン、CI−930、シグアドダン、アジベンダン、サテリノン、SKF−95654、SDZ−MKS−492、349−U−85、エモラダン(EMORADAN)、EMD−53998、EMD−57033、NSP−306、NSP−307、レビジノン、NM−702、WIN−62582及びWIN−63291、特にエノキシモン及びミルリノン等のPDE−III阻害剤;ベスナリノン;インドリダン;クアジノン;モタピゾン;SK&F94836;MKS492;CI−930(4,5−ジヒドロ−6−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−フェニル]−5−メチル−3(2H)−ピリダジノン)、タナベ製薬(大阪、日本);並びに、
【0052】
【化12】

の構造を有するATZ−1993;オルプリノン(E−1020:1,2−ジヒドロ−6−メチル−2−オキソ−5−[イミダゾ(1,2−a)ピリジン−6−イル]−3−ピリジンカルボニトリル塩酸塩一水和物);並びにシロスタゾールがあるが、これらに限定されない。
【0053】
PDEIV阻害剤は、各々が全体として本願に組み入れられる国際特許出願WO
02/096423号及び国際特許出願WO02/096463号に説明されている。PEDIV特異的阻害剤には、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−フェニル−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3 20a]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(フラン−2−イル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−ピリジル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−3ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(4−ピリジル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3or]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(3−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ−[4,3a]ピリジン、3−ベンジル−9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−プロピル−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、3,9−ジシクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(1−メチルシクロヘキサ−1−イル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、3−(teff−ブチル)−9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−メチルフェニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、10 9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−メトキシフェニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(チエン−2−イル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、3−(2−シクロフェニル)−9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−ヨードフェニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−トリフルオロメチルフェニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジン、及び20 5,6−ジヒドロ−7−エチル−9−(4−フルオロフェニル)−3−(1−メチルシクロヘキサ−1−イル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−]ピリジンがあるが、これらに限定されない。
【0054】
PDEV阻害剤には、ジピリダモール、MY−5445、RX−RA−69、SCH−51866、KT−734、ベスナリノン、ザプリナスト、SKF−96231、ER−21355、BF/GP−385、NM−702及びシルデナフィル等がある。
【0055】
PDEVI阻害剤には、例えばジピリダモール及びザプリナスト等がある。
【0056】
コルチコステロイド
コルチコステロイドの例には、抗炎症性コルチコステロイドが含まれる。抗炎症性コルチコステロイドの例には、各々が全体として本願に組み入れられる国際特許出願WO92/13872号、英国特許第2088877号、ドイツ特許第2,323,215号、欧州特許第57,401号、及び米国特許第3,929,768号、米国特許第4,472,393号に説明されている。特定の抗炎症性コルチコステロイドの例にはロフレポニド、フルチカゾンプロピオネート、ブデソニド、及びモメタゾンがあるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
ノルエピネフリン再取り込み阻害剤
ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(選択的、非選択的の両方)の例には、タンダミン(CAS42408−80−0、米国特許第3904617号、米国特許第4118394号)、ピランダミン(CAS42408−79−7、米国特許第3995052号)、シクラジンドール(CAS37751−39−6、米国特許第3891644号、米国特許第3957819号、米国特許第3976645号)、フルパロキサン(米国特許第4880801号)、ロルタラミン(CAS70384−91−7、米国特許第4201783号)、タルスプラム(CAS21489−20−3)、タロプラム(CAS7182−51−6)、プリンダミン(prindamine)、ノミフェンシン(米国特許第3577424号)、ビロキサジン(米国特許第3712890号)、トモキセチン(米国特許第4314081号)、デュロキセチン(米国特許第5023269号)、ベンラファキシン(米国特許第4535186号)、ミルナシプラン(米国特許第4478836号)、レボキセチン(米国特許第4229449号)、及びミルナシプランがあるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
非第四級化抗ムスカリン剤
ムスカリン性受容体拮抗薬の例にはトルテロジン、プロピベリン、オキシブチニン、トロスピウム、ダリフェナシン、テミベリン、イプラトロピウムがあるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
第二の薬剤は、国際特許出願WO93/24473号に説明されている4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]プロピルスルホニル]エチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、及びその製薬的に許容される塩を含有することもできる。
【0060】
本発明による組合せ治療法は、ヒトを含む哺乳動物の治療に有用である。遊離塩基、若しくは製薬的に許容される酸を伴う塩の形態を有する本発明による化合物は、適切な投与形態、例えば一般に容認されている薬剤的手段に従って経口、経腸、経皮、非経口、経鼻、または経肺により投与される組成物へと構成されることができる。組合せ治療法の組成物は特に、吸入法または通気法により投与され得る。
【0061】
本発明による薬剤組成物は、当業者に公知であるように、適合可能な担体または賦形剤と関連させて本発明の第一及び第二の薬剤を含有し得る。担体は、例えば水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、微結晶セルロース、澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、コロイド状二酸化ケイ素等、投与に適した有機または無機の任意の不活性材料であり得る。この粗成物は薬剤的活性を有する他の薬物、及び安定剤、湿潤剤、乳化剤、着香剤、緩衝剤、結合剤、錠剤崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、固結防止剤、噴射剤等の従来の添加剤を含有することもできる。担体、例えば不活性成分は、活性薬剤が高い溶解性を有するpHに調整された単なる(無菌)水であってもよい。pHは7または7前後であることが好ましい。代替的に、不活性担体はpHが適切に調整された生理食塩水であることが好ましい。
【0062】
本発明による第一及び第二の薬剤は、任意の適切な方法で投与され得る。本発明の化合物は、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、エリキシル及びその類似品、エアロゾール、無菌溶液、懸濁液若しくは乳濁液等の、固体または液体の形態で製造され得る。化合物は吸入法または通気法により投与されることが有利である。投与形態が吸入法または通気法である場合、化合物はエアロゾールまたは粉末の形態を有することが好ましい。
【0063】
用語「有効量」とは、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、または感染性鼻炎を治療する治療的有効量を指す。用語「治療」及び「治療的」は、予防を含む全種類の治療を包含する。より詳細には、「治療的有効」とは、COPDの予防または阻止に有効であることを意味する。また最初の投与量は、所望の血漿中濃度を素早く達成するために上記の上限を越えて増大されてもよい。また一方で、最初の投与量を最適量よりも少なくして、治療の過程で特定の状態に応じて一日の投与量を徐々に増大させてもよい。
【0064】
説明を目的として、製品アトロベント吸入用エアロゾール(Atrovent Inhalation Aerosol)(Boehringer Ingelheim社)等のエアロゾール溶液吸入に基付いて投与量を明示する。他の吸入形態による投与の投与量の調整は当業者に公知である。
【0065】
一般に第一及び/または第二の薬剤(例、組合せて、または別個で)の治療的有効量は約1μg〜約1000μgであり、例えば約10μg〜約1000μg、または約100μg〜約1000μgである。しかしながら、本発明による特定の化合物の正確な投与量は、第一薬剤と第二薬剤の組合せ、効力、投与形態、及び患者の年齢と体重、並びに治療するべき状況の重篤度に応じて変動すると想定される。一日投与量は、例えば体重1kgにつき約0.01μg〜約10μgの範囲に亘り、一回に、または複数回に分けて、例えば約1μg〜約1,000μgずつ投与され得る。組合せ治療法では、一日に1〜4回投与することができ、例えば一日に1回または2回投与される。
【0066】
吸入のための投与形態はエアロゾールであり得る。エアロゾールの最小供給量は約0.2mlであり、最大供給量は約5mlである。本発明の化合物の濃度は、噴霧供給される総量が約0.2〜5mlの間にあり、かつ所望の化合物の治療的有効量を供給する限りにおいて変動し得る。濃度が高くなると、同一有効量を供給するために投与量を少量にすることは当業者に公知である。
【0067】
吸入のための投与形態はまた、鼻腔内スプレーを介したものであってもよい。エアロゾールの最小供給量は鼻孔毎に約0.02mlであり、最大供給量は鼻孔毎に約0.2mlである。本発明の化合物の濃度は、噴霧供給総量が鼻孔毎に約0.02m〜約0.2mlの間にあり、例えば鼻孔毎に約0.05ml〜約0.08mlであり、かつ所望の化合物の治療的有効量を供給する限りにおいて変動し得る。
【0068】
勿論、式Iの化合物の治療的有効量を供給するエアロゾールまたは鼻腔内スプレーの体積は、エアロゾールまたは鼻腔内スプレー中の化合物の濃度に依存する。例えば、化合物の濃度がより高いと、治療的有効量を供給するために必要な投与量の体積は減少し、化合物の濃度がより低いと、同一の治療的有効量を供給するために必要な投与量の体積は増大する。
【0069】
種々の薬剤の吸入用エアロゾールは当業者に公知であり、それらには喘息を治療するための多数のエアロゾールが含まれる。エアロゾールはネブライザー(噴霧器)と共に製造されてもよい。通常、抗ムスカリン性化合物の治療的有効量を効果的に供給するに十分な量の担体溶液と、化合物とを、ネブライザーに充填する。例えば、ネブライザーと、ネブライザーの作動状態とに応じて、抗ムスカリン性化合物は数百mg充填され、化合物を約1μg〜約1000μg、例えば約10μg〜約1000μg、または約50μg〜約500μg供給することができる。
【0070】
吸入のための投与形態は、粉末であってもよい。種々の薬剤の吸入用粉末は当業者に公知であり、それらには喘息を治療するための多数の粉末が含まれる。投薬形態が粉末である場合、本発明の化合物は純粋形態であっても、不活性担体で希釈されていてもよい。不活性担体を使用する場合、本発明の化合物は、粉末の供給総量が本発明の化合物の「有効量」を供給するように混合される。活性化合物の実際の濃度は変動するであろう。濃度がより低い場合、より多量の粉末を供給する必要があり、濃度がより高い場合はより少量の材料の総量を供給して本発明の活性化合物の有効量を付与する必要がある。
【0071】
製薬的に許容される、とは、薬理学的/毒物学的観点から患者によって許容され、また組成物、調合、安定性、患者による受入、及びバイオアベイラビリティに関連した物理/化学的観点から薬品製造者によって許容可能な性質及び/または物質を意味する。
【0072】
組合せ治療法は、吸入法または通気法により投与されるものとして上記に説明されたが、本発明の化合物は任意の適切な方法で投与することができる。本発明の化合物は、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、エリキシル及びその類似品、エアロゾール、無菌溶液、懸濁液若しくは乳濁液等、固体または液体の形態で製造されることができる。
【0073】
経口投与のための製剤は、固体錠剤及びカプセル製剤に加えて、水溶液または懸濁液の形態を有してもよい。水溶液及び懸濁液は、無菌粉末または顆粒から調製され得る。化合物は水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、及び/または種々の緩衝剤中に溶解され得る。他の補助剤も薬学の当業者に幅広く公知である。
【0074】
第一及び第二の薬剤を含有する薬剤組成物は、当業者に公知の方法、例えば従来からの混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、水簸、乳化、カプセル化、封入、凍結乾燥または噴霧乾燥により個別に、または一緒に製造され得る。
【0075】
本発明に従い使用される薬剤組成物は、生理学的に許容可能な一つまたはそれ以上の担体を用いて、従来の方法により調製され得る。担体は、活性化合物の製剤への加工を容易にする賦形剤、及び補助剤を含む。適切な製剤は選択される投与経路に依存する。本明細書において、用語「担体」または「賦形剤」は、それ自体は治療薬ではなく、担体及び/若しくは希釈剤及び/若しくは補助剤、または患者に治療薬を供給すること、若しくは薬剤組成物に添加されて、その取扱い若しくは保管特性を改良すること、若しくは組成物を経口用カプセル若しくは錠剤等の別個の製品に形成することを容易にするビヒクルとして使用される任意の物質を意味する。賦形剤には、希釈剤、錠剤崩壊剤、結合剤、粘着剤、湿潤剤、重合体、滑沢剤、流動促進剤、不快な味または匂いを覆い隠しまたは中和するために添加される物質、香味料、色素、香料、及び組成物の外観を改善するよう添加される物質を含むが、これらに限定されるものではない。許容可能な賦形剤には、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム及びカリウム塩、炭酸マグネシウム、滑石、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、デキストリン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、澱粉、ゼラチン、アルカン酸のセルロースエステル及びセルロースアルキルエステルのようなセルロース系材料、低融点ワックス、カカオ脂または粉末、ポリビニル−ピロリドン、ポリビニルアルコール、及びポリエチレングリコール等の重合体、並びに他の製薬的に許容される材料がある。薬剤組成物の成分は、投与の利便性を高めるため、カプセルに封入されるか、または錠剤にされ得る。
【0076】
糖衣錠の芯部に適切な皮膜が形成される。そのために、場合によりアラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、カルボポールジェル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに有機溶剤または溶剤混合物を含有し得る濃縮糖溶液を使用することができる。識別のため、または活性化合物の投与量の異なる組合せを特徴付けるために、錠剤若しくは糖衣錠の皮膜に染料または色素を添加してもよい。
【0077】
経口的に使用され得る薬剤組成物には、ゼラチン製押し嵌め型カプセル、ゼラチン及びグリセロール又はソルビトール等の可塑剤から形成される軟性封入カプセル等がある。押し嵌め型カプセルは、ラクトース等の充填剤、澱粉等の結合剤、及び/または、滑石若しくはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、並びに場合により安定剤と混合された活性成分を含有し得る。軟性カプセル内において、活性化合物は、例えば脂肪油、流動パラフィン、液体ポリエチレングリコール、クレモフォア、capmul(登録商標)、中鎖または長鎖のモノ、ジ、トリグリセライド等の適切な液体に溶解または懸濁されていてもよい。これらの製剤中には安定剤も添加され得る。
【0078】
第一及び第二の薬剤は、更に、徐放系を使用して供給されてもよい。様々な徐放材料が開発されており、当業者に公知である。徐放カプセルはその化学的性質に応じて、24時間から数日間の間、化合物を放出する。治療薬の化学的性質と生物学的安定性とに応じて、蛋白質安定化のための更なる戦略が実行され得る。
【0079】
第一及び第二の薬剤はまた、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース中に活性化合物を分散させるか、または当業者に公知の他の方法により提供されるものと思われる放出制御製剤によって供給されてもよい。
【0080】
組合せ治療法において、例えば式I〜Vの化合物、またはこれらの混合物である第一の薬剤と、第二の薬剤とは、同時に投与されるか、または間隔を置いて別個に投与される。同時に投与される場合、第一及び第二の薬剤は一種の薬剤組成物中に組み込まれても、別個の組成物中に組み込まれてもよい。例えば第一薬剤を一組成物中に組み込み、第二薬剤を別の一組成物中に組み込んでもよい。各組成物は通常の賦形剤、希釈剤、または基材と共に調合されて錠剤に圧縮されるかまたはエリキシル若しくは溶液に調剤され、さらに徐放投与形態などに形成され得る。第一及び第二の製剤は、異なる経路を経由して投与されてもよい。例えば、第一製剤を吸入によって投与して、第二製剤を錠剤によって経口的に投与することも可能である。
【0081】
別個に投与される場合、第一及び第二の薬剤の治療的有効量は異なるスケジュールで投与される。二薬剤の投与時間が治療的有効間隔の範囲内にある限り、片方の薬剤の投与前に他方の薬剤を投与することができる。治療的有効間隔とは、(a)第一薬剤及び(b)第二薬剤のいずれか一方の哺乳動物への投与開始時間から、(a)及び(b)の組合せによる処置の有益な効果が限界に達する終了時間までの間の期間である。
【0082】
更に説明しなくとも、当業者は前述の説明により本発明を完全に実施し得るものと想定する。前述の詳細な説明は、理解を明確にすることのみを目的に提供されるものであり、本発明の範囲内における変更は当業者に明らかであり得るため、上述の説明から不必要な限定事項を読み取るべきではない。
【0083】
実施例
更に説明しなくとも、当業者は前述の説明により本発明を完全に実施し得るものと想定する。以下の詳細な実施例では、種々の化合物の製造方法及び/または本発明の様々な手順の実施方法を説明する。これらは単に説明として解釈されるべきであり、先行する開示をいかようにも限定するものではない。当業者は反応物と反応条件及び技術との双方に関する適切な別例を直ちに理解するであろう。
【0084】
温度は全て摂氏で表現される。エーテルは、ジエチルエーテルを指す。生理学的食塩水は、0.9%の5塩化ナトリウム水溶液を指す。溶媒対が使用される場合、使用される溶媒の割合は容積/容積(v/v)である。固体の溶媒中の溶解度が用いられる場合、溶媒に対する固体の割合は重量/容積(wt/v)である。
【0085】
定義
温度は全て摂氏である。
エーテルは、ジエチルエーテルを指す。
【0086】
トルテロイジンは、式
【化13】

の化合物である2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェニルを指し、これはN,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンとしても知られる。
【0087】
ヒドロキシトルテロジンは、式
【化14】

の化合物である2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−(ヒドロキシメチル)フェニルを指す。
【0088】
生理学的食塩水は0.9%の塩化ナトリウム水溶液を指す。
製薬的に許容される、とは、生理学的/毒性学的観点から患者にとって許容可能であり、組成物、調合、安定性、患者による受入、及びバイオアベイラビリティに関連した物理的/化学的観点から薬剤製造者により許容可能である性質及び/または物質を指す。
溶媒対が使用される場合、使用される溶媒の割合は容積/容積(v/v)である。
溶媒中の固体の溶解度が用いられる場合、溶媒に対する固体の割合は重量/容積(wt/v)である。
FEV1は、1秒間の努力呼気肺活量を指す。
FEV1/FVCは、努力呼気肺活量/努力肺活量を指す。
【0089】
実施例1
トルテロジン遊離塩基
酒石酸トルテロジン(2.1g)を水(45mL)及びトルエン(2.5mL)と共に混合した。このスラリーに炭酸ナトリウム(800mg)を加えた。水酸化ナトリウム(2.0N、1.5mL)を加え、混合物をトルエン(3mL)で3回抽出して、有機相を保管した。この有機相に炭酸カリウムを加えると、溶液中に表題の化合物を与えた。
【0090】
実施例2
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
トルテロイジン遊離塩基(実施例1、0.5M、2.5mL)をヨウ化メチル(1ml)と反応させた。この混合物中にアセトニトリル(5mL)を加え、20〜25°で一夜攪拌した。乾燥窒素を吹き付けて溶媒を除去した。アセトン(1mL)とヘキサン(2ml)を加え、この混合物を20〜25°で濾過して表題の化合物を与えた。
【0091】
実施例3
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化15】

アセトン(100mL)中の臭化メチル(100g)及び2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェノール(14g)の密閉混合物を20〜25°で4日間攪拌した。混合物を−10℃に冷却して、沈殿物を濾過して取出し、エーテルで洗浄し乾燥して、表題の化合物を与えた。融点185°。
【0092】
実施例4
(3R)−N−エチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化16】

実施例2の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなくヨウ化エチルを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0093】
実施例5
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニル−N−プロピルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化17】

実施例2の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなくヨウ化プロピルを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0094】
実施例6
(3R)−N−ベンジル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化18】

実施例2の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなくヨウ化ベンジルを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0095】
実施例7
(3R)−N−(tert−ブチル)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化19】

実施例2の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−{(1R)−3−[tert−ブチル(メチル)アミノ]−1−フェニルプロピル}−4−メチルフェニルを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0096】
実施例8
(3R)−3−[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化20】

実施例2の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−(ヒドロキシメチル)フェノールを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0097】
実施例9
(3R)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化21】

実施例3の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]フェノールを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0098】
実施例10
(3S)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化22】

実施例3の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−[(1S)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]フェノールを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0099】
実施例11
(3R)−3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化23】

実施例3の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく4−クロロ−2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]フェノールを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0100】
実施例12
(3R)−3−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化24】

実施例3の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく4−ブロモ−2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]フェノールを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0101】
実施例13
(3R)−3−[2−(アセチルオキシ)−5−メチルフェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化25】

実施例2の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェニルアセテートを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0102】
実施例14
(3R)−3−[2−(イソブチリルオキシ)−5−メチルフェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化26】

実施例2の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェニル−2−メチルプロパノエートを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0103】
実施例15
(3R)−3−(4−フルオロフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化27】

実施例3の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−(4−フルオロフェニル)プロピル]−4−メチルフェノールを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0104】
実施例16
(3R)−3−[2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化28】

実施例3の一般的工程を、特に重要な変更を加えることなく2−[(1R)−3−(ジイソプロピルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−(トリフルオロメチル)フェノールを出発物質として行い、表題の化合物を得た。
【0105】
実施例17
(3R)−3−[2−(イソブチリルオキシ)−5−ヒドロキシメチルフェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化29】

(3R)−3−[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミドを、臭化イソブチリルでアルキル化して表題の化合物を得た。
【0106】
実施例18
(3R)−3−{2−(アセチルオキシ)−5−[(アセチルオキシ)メチル]フェニル}−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化30】

(3R)−3−[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミドを、臭化アセチルでアルキル化して表題の化合物を得た。
【0107】
実施例19
2−{(1R)−3−[ジイソプロピル(メチル)アンモニオ]−1−フェニルプロピル}−4−メチルベンゼノレート
【化31】

(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミドをイオン交換カラムに通して臭化物イオンを除去し、表題の化合物を生成させた。
【0108】
上記の化合物を、例えばメタスルホン酸、塩酸、酢酸、コハク酸の当量と反応させると、表題の化合物の他の塩を生成する。
【0109】
還元的アミノ化
一般的工程A
【化32】

活性炭素上のパラジウム(1.76g、5重量%、Aldrich20,568−0)を窒素下の水素化容器に入れ、次いでラセミ体ラクトール(4g、16.64mmol)及び第二級アミン(42mmol、2.5当量)のMeOH(20mL)溶液を入れた。容器に水素を充填して(50psi)、反応混合物を50℃で一夜激しく攪拌した。不均質反応混合物をセライトで濾過した。得られたメタノール溶液を真空下で濃縮した。
ヘキサンで摩砕した後、R1及びR2と窒素とが環を形成する環状アミンが得られた。
【0110】
一般的工程B
【化33】

ラセミ体ラクトール(2.4g、10mmol)及び第二級アミン(0.97g、1.23mL、10mmol)の1,2−ジクロロエタン(35mL)溶液に、固体のNaHB(OAc)3(3g、14mmol)を窒素下で加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌した。この反応混合物をNaHCO3飽和水溶液でクエンチして、層を分離し、水性層をエーテル(2×30mL)で抽出した。一緒にした有機層をMgSO4上で乾燥した。濾過後、真空下で溶媒を除去すると、粗第三級アミンが油状物として得られた。本工程に従って得られた第三級アミンを精製することなく、第四級化ステップに使用した。
【0111】
第三級アミンの第四級化
一般的工程
第三級アミン(0.3g、1.02当量)の遊離塩基のアセトン(4mL)溶液に、ハロゲン化物等のカウンターアニオン(10当量)を含むアルキル、ベンジル、またはアリルを加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌した。溶液を濃縮して第四級アンモニウム塩の沈殿を開始させた。白色沈殿を濾過して、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して相当する第四級化塩を得た。
【0112】
実施例20
1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]−1−(2−メチルプロパ−2−エニル)ピロリジニウムブロミド
【化34】

6−メチル−4−フェニル−2−クロマノールをピロリジンで還元的アミノ化した後、上述の工程に従ってプロパ−2−エニルブロミドで第四級化することにより表題の化合物を製造した。1HNMR(MeOH−d4):δ1.90, 2.0-2.25, 2.47-2.71, 3.21-3.31, 3.50-3.64, 3.97, 4.38, 5.36, 5.41, 6.70, 6.88, 6.95, 7.18-7.24, 7.25-7.40.
【0113】
実施例21
1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]−1−(3−メチルブタ−2−エニル)ピロリジニウムブロミド
【化35】

6−メチル−4−フェニル−2−クロマノールをピロリジンで還元的アミノ化した後、上述の工程に従って3−メチルブタ−2−エニルブロミドで第四級化することにより表題の化合物を製造した。1HNMR(MeOH−d4):δ1.88, 1.90, 2.0-2.25, 2.40-2.65, 3.18-3.24, 3.38-3.60, 3.97, 4.38, 5.20, 5.41, 6.68, 6.88, 6.95, 7.18-7.24, 7.25-7.40.
【0114】
実施例22
1−アリル−1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ピロリジニウムヨージド
【化36】

6−メチル−4−フェニル−2−クロマノールをピロリジンで還元的アミノ化した後、上述の工程に従ってヨウ化アリルで第四級化することにより表題の化合物を製造した。1HNMR(MeOH−d4):δ2.0-2.25, 2.40-2.70, 3.17-3.29, 3.38-3.61, 3.97, 4.38, 5.26-5.70, 5.80-6.01, 6.68, 6.88, 6.97, 7.18-7.24, 7.25-7.40.
【0115】
実施例23
1−アリル−1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ピロリジニウムクロリド
【化37】

イオン交換反応によって表題の化合物を製造した。アセトニトリル/水混合物(30/70)200mL中で、実施例3のヨウ化化合物(0.6g)とイオン交換樹脂AG−2−X8Bio−Rad(60g)の塩化物形態とを4時間、激しく攪拌した。樹脂を焼成ガラス漏斗上で濾過して、アセトニトリル/水混合物(30/70)(40ml)で洗浄した。アセトニトリルを真空下で除去し、残留した水を凍結乾燥器上で除去して、表題の化合物の微灰白色固体0.35g(72%)を得た。1HNMR(MeOH−d4):δ2.0-2.25, 2.40-2.70, 3.17-3.29, 3.38-3.61, 3.97, 4.38, 5,26-5.70, 5.80-6.01, 6.68, 6.88, 6.97, 7.18-7.24, 7.25-7.40.
【0116】
実施例24a
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジアリル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化38】

【0117】
2−[3−(ジアリルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェニルの製造
上述の工程に従ってラクトールを還元的アミノ化することにより、第三級アミンを製造した。
【0118】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジアリル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージドの製造
第三級アミン(0.5、1.55mmol)のエーテル(3mL)及びアセトン(1mL)混合物溶液に、ヨウ化メチル(2.2g、0.96mL、0.0155mol)を加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌して白色沈殿を得た。この白色沈殿を濾過して取出し、エーテルで磨砕し、濾過し、真空下で乾燥して、表題の化合物を得た。1HNMR(MeOH−d4):δ2.19, 2.48-2.67, 2.98, 3.1-3.28, 3.96, 4.36, 5.61-5.7, 5.86-6.00, 6.68, 6.84, 7.01, 7.18, 7.29, 7.38.
【0119】
実施例24b
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジアリル−N−エチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド
【化39】

2−[3−(ジアリルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェノール(0.5g、1.55mmol)のアセトン(3mL)溶液にヨウ化エチル(2.42g、1.24mL、0.0155mol)を加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌して白色沈殿を得た。この白色沈殿を濾過した後、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥して、表題の化合物を得た。1HNMR(MeOH−d4):δ1.25, 2.19, 2.44-2.65, 3.09-3.22, 3.29-3.36, 3.91, 4.35, 5.6-5.7, 5.85-5.99, 6.8, 6.85, 7.0, 7.19, 7.30, 7.39.
【0120】
実施例25
1−アリル−1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)3−フェニルプロピル]ピペリジニウムクロリド
【化40】

上述の工程に従ってラクトールをピペリジンで還元的アミノ化することにより、1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ピペリジンを製造した。
1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ピペリジン(0.3g、0.97mmol)のアセトニトリル(6mL)及び塩化メチレン(3mL)混合物溶液に、ヨウ化アリル(1.64g、0,88mL、0.098mol)を加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌した。真空下で溶媒を除去し、そして得られた固体をエーテルで磨砕して固体を得た。この固体を、アセトニトリル/水混合物(30/70)200mL中で、イオン交換樹脂AG−2−X8(70g)の塩化物形態と共に4時間、激しく攪拌した。アセトニトリルを真空下で除去し、残留した水を凍結乾燥器上で除去して表題の化合物を得た。1HNMR(MeOH−d4):δ1.64-1.83, 2.19, 2.4-2.59, 3.15-3.33, 4.0, 4.36, 5.56-5.66, 5.76-5.87, 6.68, 6.85, 7.19, 7.28-7.39.
【0121】
実施例26
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N,N−トリアリル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド
【化41】

2−[3−(ジアリルアミノ)−1−フェニルプロピル]−4−メチルフェノール(0.5g、1.55mmol)のアセトン(3mL)溶液に臭化アリル(1.88g、1,34mL、0.0155mol)を加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌して白色沈殿を得た。この白色沈殿を濾過し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥して表題の化合物を得た。1HNMR(MeOH−d4):δ2.18, 2.47-2.67, 3.09-3.26, 3.92, 4.34, 5.64-5.70, 5.9-6.04, 6.68, 6.85, 6.92, 7.20, 7.28-7.37.
【0122】
実施例27
(3S)−3−(2−アミノ−2−オキソ−1,1−ジフェニルエチル)−1−[2−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)エチル]−1−メチルピロリジニウムヨージドの製造
米国特許第5,096,890号に説明されている工程に従って(3S)−3−(2−アミノ−2−オキソ−1,1−ジフェニルエチル)−1−[2−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)エチル]−1−ピロリジン(1)を製造した。トルエン中の遊離塩基である化合物(1)に対してヨウ化メチル(1mL)を加えた。混合物にアセトニトリル(5ml)を加えて、20〜25℃で一夜攪拌した。乾燥窒素を吹き付けて溶媒を除去した。アセトン(1ml)及びヘキサン(2ml)を加えて、混合物を20〜25℃で濾過すると表題の化合物を与えた。この化合物は更に、NMR分析、質量分析、及び融点決定により同定及び特定されている。
【0123】
実施例28
4−(ジエチルメチルアミニウム)−2−ブチニルアルファフェニルシクロヘキサングリコレートヨージドの製造
米国特許第5,973,182号に説明されている工程に従って4−(ジエチルアミノ)−2−ブチニルアルファフェニルシクロヘキサングリコレート(1)を製造した。トルエン中の遊離塩基である化合物(1)に対してヨウ化メチル(1ml)を加えた。この混合物にアセトニトリル(5ml)を加えて、20〜25℃で一夜攪拌した。乾燥窒素を吹き付けて溶媒を除去した。アセトン(1ml)及びヘキサン(2ml)を加え、混合物を20〜25℃で濾過して表題の化合物を得た。この化合物は更に、NMR分析、質量分析、及び融点決定により同定及び特定されている。
【0124】
実施例29
3−メチル−3−キヌクリジニル−1−フェニル−2−イソインドリンカルボキシレートの製造
欧州特許第0801067A1に説明されている工程に従って3−キヌクリジニル−1−フェニル−2−イソインドリンカルボキシレート(1)を製造した。トルエン中の流離塩基である化合物(1)に対してヨウ化メチル(1ml)を加えた。この混合物にアセトニトリル(5ml)を加えて、20〜25℃で一夜攪拌した。乾燥窒素を吹き付けて溶媒を除去した。アセトン(1ml)及びヘキサン(2ml)を加えて、混合物を20〜25℃で濾過して表題の化合物を得た。この化合物は更に、NMR分析、質量分析、及び融点決定により同定及び特定されている。
【0125】
実施例30
(2R)−N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジン−4−イル]−2−[(1R)−3,3−ジフルオロシクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミドヨージドの製造
米国特許出願公開第2001/00517227A1号に説明されている工程に従って(2R)−N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−2−[(1R)−3,3−ジフルオロシクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミド(1)を製造した。トルエン中の遊離塩基である化合物(1)に対してヨウ化メチル(1ml)を加えた。この混合物にアセトニトリル(5ml)を加えて、20〜25℃で一夜攪拌した。乾燥窒素を吹き付けて溶媒を除去した。アセトン(1ml)及びヘキサン(2ml)を加えて、混合物を20〜25℃で濾過して表題の化合物を得た。この化合物は更に、NMR分析、質量分析、及び融点決定により同定及び特定されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の薬剤と第二の薬剤とを投与することを含む哺乳動物のCOPDを治療する方法であって、
第一の薬剤は、式I
【化1】

〔式中、R1、R2、及びR3は独立して、H、場合によりフェニルで置換されたC1−C5アルキル、若しくはC2−C6アルケニルであるか、またはR1、R2及びR3の二つが第四級アンモニウム窒素と共に環を形成し、ここで
4は、
−H、
−CO−R4-1であり、ここでR4-1
1−C4アルキル、
1−C4アルコキシ、
−NR4-24-3であり、ここでR4-2及びR4-3は同一かまたは異なり、かつ−HまたはC1−C4アルキルであり、
5及びR6は同一かまたは異なり、かつ
−H、
1−C4アルキル(このC1−C4アルキルは場合により、
−OH、
1−C4アルコキシ、
−COOH、
−CO−O−(C1−C3アルコキシ)の一つまたは二つで置換される)、
−F、−Cl、Br、
−CF3であり、
-は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸、メタンスルホン酸、CH3−(CH2n1−COOH(n1は、0〜4)、HOOC−(CH2n1−COOH(nは、前に定義したものと同様)、HOOC−CH=CH−COOH、φ−COOHのアニオンからなる群から選択される〕の化合物、及びそのエナンチオマーを含有し、そして
第二の薬剤は、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作用薬、PDE阻害剤、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、または4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニル]エチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンを含有する
上記の方法。
【請求項2】
第一の薬剤と第二の薬剤とを投与することを含む哺乳動物のCOPDを治療する方法であって、
第一の薬剤は式II
【化2】

(式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(C1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシルから選択される基で置換され、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す)の化合物、及びその任意の立体異性体を含有し、そして
第二の薬剤は、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作動薬、PDE阻害剤、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、または4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニル]エチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンを含有する
上記の方法。
【請求項3】
第一の薬剤と第二の薬剤とを投与することを含む哺乳動物のCOPDを治療する方法であって、
第一の薬剤は式III
【化3】

〔式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(
1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシルから選択される基で置換され、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す〕の化合物と、その任意の立体異性体とを含有し、そして
第二の薬剤は、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作動薬、PDE阻害剤、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、または4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニル]エチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンを含有する
上記の方法。
【請求項4】
第一の薬剤と第二の薬剤とを投与することを含む哺乳動物のCOPDを治療する方法であって、
第一の薬剤は式IV
【化4】

〔式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(C1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシルから選択される基で置換され、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す〕の化合物、及びその任意の立体異性体を含有し、そして
第二の薬剤は、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作動薬、PDE阻害剤、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、または4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニル]エチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンを含有する
上記の方法。
【請求項5】
第一の薬剤と第二の薬剤とを投与することを含む哺乳動物のCOPDを治療する方法であって、
第一の薬剤は式V
【化5】

〔式中、R1はC1−C6アルキル、−CH2−(C1−C4アルケニル)、及び−CH2−(C1−C6アルキニル)から選択され、これらは各々、場合によりフェニル、C1−C4アルコキシ、及びヒドロキシルから選択される基で置換され、
2は、HまたはOHから選択され、
Xは、製薬的に許容される酸のアニオンを表す〕の化合物、及びその任意の立体異性体を含有し、そして
第二の薬剤は、アデノシンA2a受容体作動薬、D2ドーパミン受容体作動薬、PDE阻害剤、コルチコステロイド、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、または4−ヒドロキシ−7−[2−[2−[3−[2−フェニルエトキシ]−プロピルスルホニル]エチルアミノ]エチル]−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンを含有する
上記の方法。
【請求項6】
Xは、酒石酸、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸、メタンスルホン酸、CH3−(CH2n−COOH(nは、0〜4)、HOOC−(CH2n−COOH(nは1〜4)、HOOC−CH=CH−COOH、及び安息香酸のアニオンからなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
Xは、ヨウ化物、臭化物、及び塩化物から選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
式I、II、III、IV、またはVの化合物は、薬剤組成物の成分である、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
薬剤組成物は、式I、II、III、IV、またはVの化合物を約1mg〜約1000mg含有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
薬剤組成物は、式I、II、III、IV、またはVの化合物を約200mg〜約800mg含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
薬剤組成物は、式I、II、III、IV、またはVの化合物を約600mg含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
式I、II、III、IV、またはVの化合物は、吸入法または通気法により投与される、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
式I、II、III、IV、またはVの化合物は、
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3R)−N−エチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
(3R)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニル−N−プロピルプロパン−1−アミニウムヨージド、
(3R)−N−ベンジル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
(3R)−N−(tert−ブチル)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3R)−3−[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
(3R)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3S)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3R)−3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3R)−3−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3R)−3−[2−(アセチルオキシ)−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
(3R)−3−[2−(イソブチリルオキシ)−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
(3R)−3−(4−フルオロフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−1−アミニウムブロミド、
(3R)−3−[2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3R)−3−[2−(イソブチリルオキシ)−5−ヒドロキシメチルフェニル]−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3R)−3−{2−(アセチルオキシ)−5−[(アセチルオキシ)メチル]フェニル}−N,N−ジイソプロピル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
2−{(1R)−3−[ジイソプロピル(メチル)アンモニオ]−1−フェニルプロピル}−4−メチルベンゼノレート、
1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]−1−(2−メチルプロパ−2−エニル)ピロリジニウムブロミド、
1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]−1−(3−メチルブタ−2−エニル)ピロリジニウムブロミド、
1−アリル−1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ピロリジニウムヨージド、
1−アリル−1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ピロリジニウムクロリド、
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジアリル−N−メチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジアリル−N−エチル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムヨージド、
1−アリル−1−[3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル]ピペリジニウムクロリド、
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N,N−トリアリル−3−フェニルプロパン−1−アミニウムブロミド、
(3S)−3−(2−アミノ−2−オキソ−1,1−ジフェニルエチル)−1−[2−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)エチル]−1−メチルピロリジニウムヨージド、
4−(ジエチルメチルアミニウム)−2−ブチニルアルファフェニルシクロヘキサングリコレートヨージド、
3−メチル−キヌクリジニル1−フェニル−2−イソインドリンカルボキシレート、及び
(2R)−N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)1−メチルピペリジン−4−イル]−2−[(1R)−3,3−ジフルオロシクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミドヨージド
から選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2006−523674(P2006−523674A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506483(P2006−506483)
【出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001170
【国際公開番号】WO2004/091596
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】