説明

懸濁性ハイドロゲルとその製造方法

本発明は、微粒子および高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下HPMC)もしくはメチルセルロース(以下MC)により構成される透明性及び安定性に優れる懸濁性ハイドロゲルとその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子および高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下HPMC)もしくはメチルセルロース(以下MC)により構成される透明性及び安定性に優れる懸濁性ハイドロゲルとその製造方法に関する。より詳しくは、サブミクロンオーダー又はナノオーダーの有効成分の微粒子懸濁溶液に高分子量のHPMCまたはMC粉末を溶解することにより得られる懸濁性ハイドロゲル、又は、有効成分を含む微粒子懸濁溶液を調製し、その懸濁溶液中に高分子量のHPMCまたはMC粉末を混合することにより得られる懸濁性ハイドロゲルと、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物が水溶性もしくは投与可能な溶媒に可溶性の場合、薬物を適当な溶媒に溶解して溶液とし、目的とする部位にもしくはそこに達する経路で投与される。一方、薬物が水や他の投与可能な溶媒に難溶性の場合は、薬物を粉砕して微粒子にしたり、薬物の結晶状態を高エネルギー状態にしたりして、水または投与可能な溶媒に対する溶解性を向上させた上で懸濁溶液などにして投与する方法が用いられている。
薬物の薬効を効率よく発揮するためには、目的とする部位に、目的とする濃度で、目的とする時間、薬物を暴露する必要がある。しかし上記のような溶液や懸濁溶液では、目的とする部位での滞留性が低く、目的とする時間と濃度を得ることが困難と考えられる。そこで、局所滞留性向上や徐放性を目的として、しばしばゲル製剤や軟膏などの剤形が用いられている。特に点眼薬においては、瞬きや涙液により薬物が容易に流出されないように、ゲル製剤や軟膏などの剤形が種々検討されてきている(特許文献1〜6)。
これまで知られているゲル化技術としては、プルロニックの水性医薬組成物を熱によってゲル化させる方法や、カルボキシビニルポリマーの水性医薬組成物をpH変化によりゲル化させる方法、ジェランガムやアルギン酸の水性医薬品組成物をイオン性物質の添加によりゲル化させる方法などがある。
【0003】
微粒子のゲル製剤を調製するにあたっては、まず微粒子懸濁溶液を調製し、これにゲル化剤を加えてゲル化させる方法が簡便であると考えられる。しかしながら、微粒子懸濁溶液にゲル化剤を加えると、微粒子の表面エネルギーのバランスが崩れ、より低いエネルギー状態へ、すなわち凝集する(表面積を減らす)方向へとエネルギーが変化する。また、熱やpH変化、イオン濃度の変化、塩の添加によっても微粒子は凝集し得る。微粒子が凝集すると改善した溶解性は低下することとなってしまう。従って、従来のプルロニック等の熱を利用したゲル化剤や、カルボキシビニルポリマー、ジェランガム等のアニオン性ゲル化剤を用いた場合、微粒子の凝集が問題である。
また、粒子径が100nm以下となると、懸濁溶液の透明性は顕著に向上するが、ゲル化剤の添加により凝集が起こると、その懸濁溶液は白濁することもあった。眼科用途のゲル製剤は、前眼部への滞留性の向上の面から有用であるが、白濁したゲル製剤の場合、長時間の霧視を生じ、その使用が制限される。いずれにしても、微粒子懸濁溶液にゲル化剤を加えて簡便にゲル化させて、透明性及び安定性に優れたゲル製剤を得ることは困難であった。
【特許文献1】特開2003−95924号公報
【特許文献2】特開平6−116137号公報
【特許文献3】特開2005−206598号公報
【特許文献4】特表2001−518510号公報
【特許文献5】特公平6−67853号公報
【特許文献6】特許第2729859号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、微粒子懸濁溶液にゲル化剤を加えても、微粒子の凝集をほとんど起こすことなくゲル化させて、透明性及び安定性に優れたゲル製剤を得るためのゲル化剤、ゲル製剤およびその製造方法の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、透明性の高い微粒子懸濁溶液に高分子量のHPMCまたはMCを添加することで、意外にも透明性の高いゲル製剤として懸濁性ハイドロゲルを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明はサブミクロンまたはナノサイズの微粒子懸濁溶液に高分子量のHPMCまたはMC粉末を溶解もしくは高分子量のHPMCまたはMC溶液を混合することにより得られる懸濁性ハイドロゲルとその製造方法を提供する。さらに、本製造方法によれば、微粒子懸濁溶液において無菌ろ過法による滅菌が可能であり、無菌原薬を必要とせずに無菌のゲル製剤を製造できることが大きな産業上の利点でもある。
【0007】
本発明は下記の各種の態様の発明を提供するものである。
【0008】
[1]微粒子懸濁溶液、および高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはメチルセルロースを含む、透明性及び安定性に優れる懸濁性ハイドロゲル。
【0009】
[2]微粒子懸濁溶液が、微粒子と低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる懸濁溶液である、上記[1]の懸濁性ハイドロゲル。
[3]微粒子懸濁溶液が、水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種の化合物、酸水溶液または塩基水溶液、および医薬用化合物含有水溶液を混和して得られる水性懸濁溶液である、上記[1]の懸濁性ハイドロゲル。
【0010】
[4]酸水溶液または塩基水溶液が酸水溶液であり、医薬用化合物が水溶性レバミピド塩である、上記[3]の懸濁性ハイドロゲル。
【0011】
[5]水性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも一種の化合物が低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースである[3]または[4]の懸濁性ハイドロゲル。
[6]水性懸濁溶液が酸性である上記[3]から[5]のいずれかの懸濁性ハイドロゲル。
【0012】
[7]上記[3]から[6]のいずれかに記載の水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7、微粒子成分の濃度を0.5〜5%(重量/容量)に調整し、適宜濾過滅菌を行う処理を更に加えて調製した、上記[1]から[6]のいずれかの懸濁性ハイドロゲル。
【0013】
[8]用途が点眼用である上記[1]から[7]のいずれかの透明性に優れた懸濁性ハイドロゲル。
【0014】
[9]上記[3]から[6]のいずれかに記載の水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7、微粒子成分の濃度を0.5〜5%(重量/容量)に調整し、得られた微粒子懸濁溶液を高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはメチルセルロースと混合することからなる、懸濁性ハイドロゲルの製造方法。
[10]上記[3]から[6]のいずれかに記載の水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7、微粒子成分の濃度を0.5〜5%(重量/容量)に調整し、適宜ろ過滅菌処理を行い得られた無菌の微粒子懸濁溶液を、適宜ろ過滅菌処理又は高圧蒸気滅菌処理を行った無菌の高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液もしくはメチルセルロース溶液と無菌的に混合することからなる、無菌の懸濁性ハイドロゲルの製造方法。
[11]上記[1]から[8]のいずれかに記載の懸濁性ハイドロゲルを乾燥して得られる、再ゲル化可能なフィルム。
【発明の効果】
【0015】
上記のように調製されたゲルは、振とうした際に流動性を示すゾルになり、ある時間放置した時にゲルに戻る「チクソトロピー性」を示す。このことにより、経口剤、口腔内用剤、点眼剤、注腸剤等の投与時、ゲルが流動化することにより、容易に容器から排出される。投与後は再びゲル化することにより、目的とする部位に長時間滞留することが可能である。
本発明の懸濁性ハイドロゲル製剤の形態は、治療目的に応じて適宜選択できる。例えば、経口剤、口腔内用剤、眼科用剤、注腸剤等が挙げられる。
本発明の最も好ましい形態は、難溶性薬剤の眼科用製剤としての、透明性の高い懸濁性ゲル製剤の提供である。特に、本発明のゲルを透明性の高いレバミピド結晶の水性懸濁液に応用した場合、前眼部にレバミピド微粒子を滞留させる事が出来て、かつ、霧視を防止する事が可能な透明性の高い眼科用ゲル製剤を提供する事が可能になった。この製剤は、ドライアイ治療効果を有するレバミピドの前眼部への滞留性の向上、及び、前眼部の水分の維持という点で、ドライアイ治療製剤として極めて有用と考えることが出来る。
このゲル製剤は、0.2μmのフィルターでろ過滅菌可能な微粒子懸濁溶液とHPMCまたはMC溶液をそれぞれろ過滅菌後混合し、無菌製剤を調製することも可能であり、製造方法が簡略化され無菌原薬を必要としない点も大きな産業上の利点である。
また、本製剤は自然乾燥や凍結乾燥等により乾燥後、水を添加することで元のゲルへと戻すことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の微粒子懸濁溶液における微粒子成分は有機物、無機物いずれでもよく、好ましくは有機物が使用され、より好ましくは医薬用に用いられる化合物である。具体的には、レバミピド(化学名:2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−[2(1H)−キノロン−4−イル]プロピオン酸)およびその塩などが挙げられる。ここで述べるレバミピドの塩は、例えば一般的な塩基である、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トロメタノール(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)、メグルミン、ジエタノールアミン等と共に形成した塩が挙げられ、好ましくは水可溶性塩であり、例えば水酸化ナトリウムとの塩が挙げられる。レバミピドは上記塩の状態でも遊離酸でも使用可能であり、遊離酸の場合には当量以上の上記塩基と共に用いられる。なお、上記の酸の量は、少なくとも上記の塩基を中和するに必要量用いることが望ましい。
【0017】
上記の化合物から微粒子への製造方法は、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ハンマーミル等のようなブレイクダウン法やスプレードライや晶析等のようなビルドアップ法等のいかなるものでもよい。
本発明における微粒子の粒子径は1μm以下が使用可能であるが、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下が使用される。
【0018】
本発明のより好ましい微粒子懸濁溶液は、水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種の化合物、酸水溶液又は塩基水溶液、および医薬用化合物含有水溶液を混和させることにより製造される。ここで微粒子懸濁溶液がレバミピド結晶の水性懸濁溶液の場合は、水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種の化合物、酸水溶液、および水溶性レバミピド塩含有水溶液を混和し、レバミピド結晶を晶析させることにより製造される。さらにpHを5〜7、レバミピドの濃度を0.5〜5%(重量/容量)に調整することによりレバミピド結晶の眼科用水性懸濁溶液を製造することができる。
上記レバミピド結晶を微粒子形態で晶析させるには、(i)水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種類の化合物を含有する酸水溶液と、水溶性レバミピド塩含有水溶液とを混和するか、
(ii)酸水溶液と、水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種類の化合物を含有する水溶性レバミピド塩含有水溶液とを混和するか、あるいは
(iii)水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種類の化合物を含有する酸水溶液と、水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種類の化合物を含有する水溶性レバミピド塩含有水溶液とを混和してもよい。
【0019】
本発明において用いられる水溶性高分子および界面活性剤は、微粒子成分の表面特性を得るために用いられ、高分子量のHPMCと相互作用しうるものであればいかなるものでも良く、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、水溶性キトサン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリオキシエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グリコール、ポリオキシエチレン[196]ポリオキシプロピレン[67]グリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40等が挙げられ、好ましくはHPMCとMCであり、特に好ましくは、低分子量のHPMCである。低分子量のHPMCの粘度グレード(2%(重量/容量)水溶液)は、好ましくは50mm2/s未満、より好ましくは15mm2/s以下、さらに好ましくは6mm2/s以下である。また、複数の水溶性高分子や界面活性剤を混在させることも可能である。
【0020】
本発明に係る酸水溶液の酸は、たとえば一般的な酸である、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸、クエン酸等が使用可能であるが、塩酸が好ましく使用される。また、本発明に係る塩基水溶液の塩基は、例えば前記の一般的な塩基と同じものが例示される。
【0021】
本発明で使用される高分子量HPMCまたはMCは溶液状態で微粒子懸濁溶液に混合しても、粉末状態で微粒子懸濁溶液に直接溶解してもよい。
【0022】
本発明で使用される高分子量のHPMCにおいて、そのメトキシル含量及びヒドロキシプロポキシル含量は、それぞれ10〜40%(重量/重量)及び1〜20%(重量/重量)が好ましく、より好ましくはそれぞれ19〜30%(重量/重量)及び4〜12%(重量/重量)、さらに好ましくはそれぞれ27〜30%(重量/重量)及び4〜12%(重量/重量)が使用される。そのHPMCの粘度グレード(2%(重量/容量)水溶液)は、好ましくは15mm2/s以上、より好ましくは25mm2/s以上、さらに好ましくは50mm2/s以上、特に好ましくは1500mm2/s以上である。
【0023】
本発明で使用される高分子量のMCにおいて、そのメトキシル含量は好ましくは20〜40%(重量/重量)、より好ましくは27〜32%(重量/重量)が望まれる。そのMCの粘度グレード(2%(重量/容量)水溶液)は、好ましくは15mm2/s以上、より好ましくは25mm2/s以上、さらに好ましくは100mm2/s以上、特に好ましくは1500mm2/s以上である。
【0024】
最終的に調製された懸濁性ハイドロゲル中の高分子量のHPMCまたはMCの添加濃度は、好ましくは0.001〜10%(重量/容量)、より好ましくは0.01〜5%(重量/容量)、さらに好ましくは0.05〜3%(重量/容量)である。
【0025】
微粒子成分の濃度と高分子量のHPMCまたはMC濃度の比は、好ましくは50:1〜1:50、より好ましくは20:1〜1:1である。
【0026】
「水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7、微粒子成分の濃度を0.5〜5%に調整し、適宜濾過滅菌を行う処理」において、ここで使用される塩基は、例えば前記の一般的な塩基と同じものが例示される。
撹拌・分散装置としては、ディスパーザーやホモミキサー、ホモジナイザー等など、一般的に医薬製剤の調製に使用される撹拌・分散装置が挙げられるが、液中で凝集している粒子を効率的に分散させることができる撹拌・分散装置が好ましい。ロボミックス(特殊機化工業(株))やクレアミックス等の回転式ホモジナイザーの他、湿式ジェットミルや高圧ホモジナイザー等が好ましい例として挙げられる。特に、スクリーンとローターが各々逆方向に高速で回転することにより、強烈な液−液剪断力を有するWモーション型クレアミックス(エム・テクニック(株))を使用することで、上記のように調製したレバミピド結晶の水性懸濁溶液の透明性が顕著に向上する。なかでもヒドロキシプロピルメチルセルロースを水溶性高分子の添加剤としてレバミピド結晶と混合した水性懸濁溶液では驚くほど透明性の高い懸濁溶液が得られる。
透析装置としては、ペリコン(日本ミリポア(株))やプロスタック(日本ミリポア(株))、ザルトコン(ザルトリウス(株))等一般的に医薬製剤の調製に使用される透析装置が挙げられる。透析を行うに際して、レバミピド結晶の水性懸濁溶液のpHが低いと凝集のため透析膜の通過性が悪く、pHが高いとレバミピドが溶解し含量損出が生じるため、その懸濁溶液のpHは3〜7、好ましくはpH4〜7、より好ましくはpH5〜7で行うことが望ましい。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを水溶性高分子の添加剤としてレバミピド結晶と混合した水性懸濁溶液の場合には、透析装置により脱塩することで、驚くほど高い透明性の懸濁溶液が得られ、そして高温で保存しても性状に変化のない安定な懸濁溶液にすることが可能となった。
【0027】
上記の透析工程と分散・撹拌工程は、それぞれ単独で、あるいは両工程を組み合わせ、透析工程を行った後、分散・撹拌工程を行うことも可能であるし、分散・撹拌工程を行った後、透析工程を行うことも可能である。
透析工程により、懸濁溶液が濃縮されることから、レバミピドの場合、濃縮後に精製水で希釈し、レバミピド濃度が0.1〜10%(重量/容量)、好ましくは0.5〜5%(重量/容量)の任意の濃度のレバミピド結晶の懸濁溶液を調製できる。
【0028】
本発明の「再ゲル化可能なフィルム」において、「再ゲル化」とは、本発明のゲルを乾燥して形成したフィルムに水を加えたとき、該フィルムが乾燥前のゲルと類似の粘性プロファイルを示すゲルに再形成することをいう。ここで用いる乾燥とは特に制限はないが、自然乾燥や熱乾燥等を用いることができる。また、「フィルム」とは、本発明のゲルを上記の乾燥によってゲル中の水分を取り除いて得られる薄膜状の乾燥物をいう。本発明のフィルムは、特にこれに限ったものではないが、透明なフィルムであり、水分を加えたときに、乾燥前のゲルと類似の粘性プロファイルを示すゲルを再形成する特徴を有する。
【実施例】
【0029】
以下に本発明を、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
実施例1
10N塩酸 366mL(432g,3.66mol)と、7.67%(重量/容量)HPMC(グレード:TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))水溶液 7.8Lを混合して、塩酸−HPMC(TC−5EW)溶液を調製した。水酸化ナトリウム 132g(3.3mol)に精製水を加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液 21Lに、レバミピド 600g(1.62mol)を加え、加温溶解し、水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を調製した。
約10℃に冷却した塩酸−HPMC(TC−5EW)溶液は、分散機(クレアミックスシングルモーション、エム・テクニック社)が組み込まれた350mLの容器中をインライン方式で循環させた。クレアミックスシングルモーションのローターを約10000rpmで回転させながら、40〜50℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を350mLの容器中に徐々に注入し、レバミピド結晶を析出させた。晶析終了後のpHは約1.5であった。結晶が析出した溶液に、5N水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを約5.90に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を1L取り、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社)を用いて、ローターを約18,000rpm回転、スクリーンを約16,000rpm回転で20分間、分散を行った後、この溶液を透析装置(ミリポア,ペリコン2)で濃縮脱塩を行った。
濃縮脱塩を行ったサンプルを精製水で希釈し、2%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。
調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に0.1%(重量/容量)、0.4%(重量/容量)、1.0%(重量/容量)HPMC(グレード;60SH4000(2%(重量/容量)水溶液粘度4000mm2/s))水溶液を調製した。
レバミピド水性懸濁溶液とHPMC水溶液をそれぞれ0.2μmフィルター(Φ47mm、ポリエチレンスルホン、PALL社)を用いてろ過滅菌した。ろ過後のレバミピド水性懸濁溶液と3種のHPMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、HPMC(60SH4000)最終含量0.05%(重量/容量)、0.2%(重量/容量)、0.5%(重量/容量)(レバミピド最終含量1%(重量/容量))の粘度の異なる3種のゲルを得た。
【0031】
実施例2
上記実施例1に準じ、水溶性高分子としてHPMC(グレード;TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))を用い、2%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に0.1%(重量/容量)、0.4%(重量/容量)、1.0%(重量/容量)HPMC(グレード;60SH10000(2%(重量/容量)水溶液粘度10000mm2/s))水溶液を調製した。
レバミピド水性懸濁溶液と3種のHPMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、HPMC(60SH10000)最終含量0.05%(重量/容量)、0.2%(重量/容量)、0.5%(重量/容量)(レバミピド最終含量1%)の粘度の異なる3種のゲルを得た。
【0032】
実施例3
上記実施例1に準じ、水溶性高分子としてHPMC(グレード;TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))を用い、2%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に0.1%(重量/容量)、0.4%(重量/容量)、1.0%(重量/容量)HPMC(グレード;60SH50(2%(重量/容量)水溶液粘度50mm2/s))水溶液を調製した。
レバミピド水性懸濁溶液とHPMC水溶液をそれぞれ0.2μmフィルター(Φ47mm、ポリエチレンスルホン、PALL社)を用いてろ過滅菌した。ろ過後のレバミピド水性懸濁溶液と3種のHPMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、HPMC(60SH50)最終含量0.05%(重量/容量)、0.2%(重量/容量)、0.5%(重量/容量)(レバミピド最終含量1%(重量/容量))の粘度の異なる3種のゲルを得た。
【0033】
実施例4
10N塩酸366mL(432g,3.66mol)と、7.67%(重量/容量)HPMC(グレード:TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))水溶液 7.8Lを混和して、塩酸−HPMC(TC−5EW)溶液を調製した。水酸化ナトリウム 132g(3.3mol)に精製水を加えて調製した水酸化ナトリウム水溶液 21Lに、レバミピド 600g(1.62mol)を加えて、加温溶解し、水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を調製した。
約10℃に冷却した塩酸−HPMC(TC−5EW)溶液は、分散機(クレアミックスシングルモーション、エム・テクニック社)が組み込まれた350mLの容器中をインライン方式で循環させた。クレアミックスシングルモーションのローターを約10000rpmで回転させながら、40〜50℃に維持した水酸化ナトリウム−レバミピド溶液を350mLの容器中に徐々に注入し、レバミピド結晶を析出させた。晶析終了後のpHは約1.5であった。結晶が析出した溶液に、5N水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを5.90に調整した。
このようにして得られたレバミピド水性懸濁溶液を1L取り、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社)を用いて、ローターを約18,000rpm回転、スクリーンを約16,000rpm回転で20分間、分散を行った後、この溶液を透析装置(ミリポア,ペリコン2)で濃縮脱塩を行った。
濃縮脱塩を行ったサンプルを精製水で希釈し、4%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。
調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に0.1%(重量/容量)、0.4%(重量/容量)、1.0%(重量/容量) HPMC(グレード;60SH4000(2%(重量/容量)水溶液粘度4000mm2/s))水溶液を調製した。
レバミピド水性懸濁溶液とHPMC水溶液をそれぞれ0.2μmフィルター(Φ47mm、ポリエチレンスルホン、PALL社)を用いてろ過滅菌した。ろ過後のレバミピド水性懸濁溶液と3種のHPMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、HPMC(60SH4000)最終含量0.05%(重量/容量)、0.2%(重量/容量)、0.5%(重量/容量)(レバミピド最終含量2%(重量/容量))の粘度の異なる3種のゲルを得た。
【0034】
実施例5
上記実施例4に準じ、水溶性高分子としてHPMC(グレード;TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))を用い、4%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に0.1%(重量/容量)、0.4%(重量/容量)、1.0%(重量/容量)HPMC(グレード;60SH50(2%(重量/容量)水溶液粘度:50mm2/s))水溶液を調製した。
レバミピド水性懸濁溶液とHPMC水溶液をそれぞれ0.2μmフィルター(Φ47mm、ポリエチレンスルホン、PALL社)を用いてろ過滅菌した。ろ過後のレバミピド水性懸濁溶液と3種のHPMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、HPMC(60SH50)最終含量0.05%(重量/容量)、0.2%(重量/容量)、0.5%(重量/容量)(レバミピド最終含量2%(重量/容量))の粘度の異なる3種のゲルを得た。
【0035】
実施例6
上記実施例1に準じ、水溶性高分子としてHPMC(グレード;TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))を用い、2%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に0.1%(重量/容量)、0.4%(重量/容量)、1.0%(重量/容量)HPMC(グレード;60SH4000(2%(重量/容量)水溶液粘度:4000mm2/s))水溶液を調製し、それぞれにグリセリン4.7%(重量/容量)を溶解した。
レバミピド水性懸濁溶液とHPMC水溶液をそれぞれ0.2μmフィルター(Φ47mm、ポリエチレンスルホン、PALL社)を用いてろ過滅菌した。ろ過後のレバミピド水性懸濁溶液と3種のHPMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、HPMC(60SH4000)最終含量0.05%(重量/容量)、0.2%(重量/容量)、0.5%(重量/容量)(レバミピド最終含量1%(重量/容量))の粘度の異なる3種のゲルを得た。
【0036】
実施例7
上記実施例1に準じ、水溶性高分子としてHPMC(グレード;TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))を用い、2%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に1.0%(重量/容量)MC(グレード;SM400(2%(重量/容量)水溶液粘度:400mm2/s))水溶液を調製した。
レバミピド水性懸濁溶液とMC水溶液をそれぞれ0.2μmフィルター(Φ47mm、ポリエチレンスルホン、PALL社)を用いてろ過滅菌した。ろ過後のレバミピド水性懸濁溶液とのMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、MC最終含量0.5%(重量/容量)(レバミピド最終含量1%(重量/容量))のゲルを得た。
【0037】
実施例8
上記実施例1に準じ、水溶性高分子としてHPMC(グレード;TC−5EW(2%(重量/容量)水溶液粘度:3mm2/s))を用い、2%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を調製した。調製したレバミピド水性懸濁溶液の粒子径を動的光散乱法(ZetasizerNano-ZS、Malvern)で測定したところ、約100nmであった。
上記の懸濁溶液とは別に0.4%(重量/容量)MC(グレード;SM1500(2%(重量/容量)水溶液粘度:1500mm2/s))水溶液を調製した。
レバミピド水性懸濁溶液とMC溶液をそれぞれ0.2μmフィルター(Φ47mm、ポリエチレンスルホン、PALL社)を用いてろ過滅菌した。ろ過後のレバミピド水性懸濁溶液とのMC水溶液それぞれを1:1で混合した。混合後、MC最終含量0.2%(レバミピド最終含量1%)ゲルを得た。
【0038】
実施例9
実施例1で得られた0.2%(重量/容量) HPMC(60SH4000)含有ゲルと0.5%(重量/容量) HPMC(60SH4000)含有ゲルを凍結乾燥することにより、懸濁性ハイドロゲルの凍結乾燥品を得た。
【0039】
実施例10
実施例1で得られた0.2%(重量/容量) HPMC(60SH4000)含有ゲルと0.5%(重量/容量) HPMC(60SH4000)含有ゲルをビニールシート状で自然乾燥することにより、懸濁性ハイドロゲルの乾燥品を得た。この乾燥品は透明性の極めて高いフィルム状であった。
【0040】
比較例1
実施例1で得られた2%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液と精製水を1:1で混合し、1%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液を得た。
【0041】
試験例1
上記実施例9と上記実施例10の乾燥品に水を加えたところ、再びゲル化した。
【0042】
試験例2
上記実施例1で得られた0.2%(重量/容量) HPMC(60SH4000)含有ゲルと0.5%(重量/容量)HPMC(60SH4000)含有ゲル、上記実施例10の自然乾燥フィルム製剤(0.2%(重量/容量) HPMC(60SH4000)含有)、比較例1の1%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液について、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)を用いて、試験液pH6リン酸1水素ナトリウム・クエン酸緩衝液900mL、パドル回転数50rpmで溶出試験を行った。被験物質はゲルの場合、カプセルに充填後、試験容器内に投入した。自然乾燥フィルム製剤及び1%(重量/容量)レバミピド水性懸濁溶液は、そのまま試験容器内に投入した。
得られた溶出挙動は水性懸濁溶液に対してゲル製剤及び自然乾燥後のフィルム製剤は徐放性を示した(図1)。
【0043】
試験例3
上記実施例1で得られた0.2%(重量/容量)HPMC(60SH4000)含有ゲルと0.5%(重量/容量)HPMC(60SH4000)含有ゲルについて、回転粘度計を用い、様々な剪断力をかけ、その粘度の時間的な粘度変化を観察した(図2〜図4)。どちらのゲルも剪断力が強いほど粘度は低下し、剪断力をかける時間につれて粘度の低下が見られた。これはゲルのチクソトロピー性に由来する。
【0044】
試験例4
上記実施例1から5で得られたゲルについて、粘度を回転粘度計にて、回転数100rpmにて測定した結果、ゲルの粘度は添加する高分子量のHPMCのグレードによって、またその濃度によって変動した(表1)。HPMCのこれらのファクターを変化させることにより粘度の調製が可能であることが分かった。微粒子の濃度によってもその粘度は異なった。
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の方法によれば、簡便な方法により透明性及び安定性に優れる懸濁性ハイドロゲルを製造できるので、各種製剤、特に点眼剤の分野においてその効果が期待される。特に、本発明を透明性の高いレバミピド結晶の水性懸濁液に応用した場合、前眼部にレバミピド微粒子を滞留させる事が出来て、かつ、霧視を防止する事が可能な透明性の高い眼科用ゲル製剤を提供する事が可能になった。この製剤は、ドライアイ治療効果を有するレバミピドの前眼部への滞留性の向上、及び、前眼部の水分の維持という点で、ドライアイ治療製剤として有用性が期待される。
また、本発明の方法によれば、ろ過滅菌可能な微粒子懸濁溶液とHPMCまたはMC溶液をそれぞれろ過滅菌後混合し、無菌製剤を調製することも可能であり、無菌原薬を必要としない簡略化されたゲル製剤の製造方法も可能となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ゲル製剤及びフィルム製剤の溶出挙動の比較例との比較。
【図2】ゲル(0.2%HPMC)に剪断応力をかけた時間と粘度の関係(回転粘度計回転数;0.2〜2.5rpm)。
【図3】ゲル(0.5%HPMC)に剪断応力をかけた時間と粘度の関係(回転粘度計回転数;0.2〜1.0rpm)
【図4】それぞれのゲルのチクソトロピー性評価(剪断応力(回転数)と粘度の関係、1320秒時)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子懸濁溶液、および高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはメチルセルロースを含む、懸濁性ハイドロゲル。
【請求項2】
微粒子懸濁溶液が、微粒子と低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる懸濁溶液である、請求項1の懸濁性ハイドロゲル。
【請求項3】
微粒子懸濁溶液が、水溶性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも1種の化合物、酸水溶液または塩基水溶液、および医薬用化合物含有水溶液を混和して得られる水性懸濁溶液である、請求項1の懸濁性ハイドロゲル。
【請求項4】
酸水溶液または塩基水溶液が酸水溶液であり、医薬用化合物が水溶性レバミピド塩である、請求項3の懸濁性ハイドロゲル。
【請求項5】
水性高分子および界面活性剤から選択される少なくとも一種の化合物が低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項3または4の懸濁性ハイドロゲル
【請求項6】
水性懸濁溶液が酸性である請求項3から5のいずれかの懸濁性ハイドロゲル。
【請求項7】
請求項3から6のいずれかに記載の水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7、微粒子成分の濃度を0.5〜5%(重量/容量)に調整し、適宜濾過滅菌を行う処理を更に加えて調製した、請求項1から6のいずれかの懸濁性ハイドロゲル。
【請求項8】
用途が点眼用である請求項1から7のいずれかの懸濁性ハイドロゲル。
【請求項9】
請求項3から6のいずれかに記載の水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7、微粒子成分の濃度を0.5〜5%(重量/容量)に調整し、得られた微粒子懸濁溶液を高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはメチルセルロースと混合することからなる、懸濁性ハイドロゲルの製造方法。
【請求項10】
請求項3から6のいずれかに記載の水性懸濁溶液に、塩基を加えてpH3〜7にし、分散および/または透析を行った後、pHを5〜7、微粒子成分の濃度を0.5〜5%(重量/容量)に調整し、適宜ろ過滅菌処理を行い得られた無菌の微粒子懸濁溶液を、適宜ろ過滅菌処理又は高圧蒸気滅菌処理を行った無菌の高分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液もしくはメチルセルロース溶液と無菌的に混合することからなる、無菌の懸濁性ハイドロゲルの製造方法。
【請求項11】
請求項1から8のいずれかに記載の懸濁性ハイドロゲルを乾燥して得られる、再ゲル化可能なフィルム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−536940(P2009−536940A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508873(P2009−508873)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/JP2007/060087
【国際公開番号】WO2007/132907
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【Fターム(参考)】