説明

懸濁粒子を有する泡状クレンザー、その製造方法およびそのためのディスペンサー

【課題】一つの形態として、懸濁粒子を含有する新規な泡体を提供し、他の態様として、泡体ディスペンサーとの関連で使用される発泡部材を提供する。
【解決手段】焼結ポリエチレン、焼結青銅、焼結ステンレス鋼、多微小孔性材料および多層ステンレス鋼ガーゼからなる群から選択されたエア噴射部材と;該エア噴射部材の一側に設けられた混合チャンバーであって、該エア噴射部材がこの混合チャンバーの一部を画成し、該混合チャンバーが液体入口を有するものと;エア噴射部材の他方の側に設けられたエアチャンバーであって、該エア噴射部材がこのエアチャンバーの一部を画成し、該エアチャンバーは空気入口を有するものと;混合チャンバーの液体入口の下流側に設けられた混合チャンバー出口と;を具備してなる発泡部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸濁粒子を有する泡状クレンザー、その製造技術およびその製造のためのディスペンサーに係わり、特に気泡として分配されるクレンザーに関する。
【背景技術】
【0002】
石鹸等を小出しするための液体ディスペンサーは周知である。液体石鹸との関連で使用される液体ディスペンサーには種々のものがある。それらの幾つかは石鹸又はその他の液体を泡の形で小出しするようになっている。泡の形で小出しすることにより多くの利点が得られる。特に、泡は対応する液体よりの拡散し易い。泡は液体よりも表面張力が大きいので飛び散り難く、流去しにくい。更に、泡は同じ洗浄力を得るのに要する液体の量を、無気泡液と比較して少なくて済む。これは泡の表面積が非常に大きいことによるものである。従って、使用される石鹸の量が減少するため、特定数の手を洗うためのコストが軽減されることになる。同様に、使用される製品の量が減少するため、泡を使用することにより、環境上の利益が得られる。
【0003】
同様に、懸濁粒子を伴う石鹸についても、多くの利点がある。これは著しく汚れた皮膚に関して特に当て嵌まるものである。更にこれは、より優しいクレンザー(洗剤)を、剥離スクラブ(scrubs)として使用する場合にも当て嵌まる。石鹸又はクレンザー中の粒子は、研磨成分として提供され、それにより石鹸又はクレンザーの洗浄能力が向上することになる。上述のような泡の利点と、研磨剤入り石鹸の利点とが組合されるところの、懸濁粒子を有する泡を提供するディスペンサーは今まで、存在しなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、懸濁粒子を有する泡石鹸を提供することは有益なことであろう。更に、懸濁粒子を有する泡石鹸を小出しする泡体ディスペンサーを提供することは有益なことであろう。更に、泡を提供するための別異のディスペンサーを提供することは有益なことであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの形態は、懸濁粒子を含有する泡石鹸を提供するものである。
【0006】
本発明の他の形態は、泡体ディスペンサーとの関連で使用される発泡部材を提供することである。この発泡部材は、エア噴射部材と、混合チャンバーと、エアチャンバーとを具備している。この混合チャンバーは前記エア噴射部材の一側に設けられ、エア噴射部材は前記混合チャンバーの一部を画成している。この混合チャンバーは液体入口を有する。このエアチャンバーは前記エア噴射部材の他方の側に設けられ、エア噴射部材は前記エアチャンバーの一部を画成している。このエアチャンバーは空気入口を有する。混合チャンバーは出口を有し、この出口は混合チャンバーから前記液体入口の下流に延出している。
【0007】
本発明の他の形態は、新規な泡体ディスペンサーを提供するものである。この泡体ディスペンサーは液体との関連で使用される。この泡体ディスペンサーは、液体容器と、発泡部材と、ポンプとを具備している。この発泡部材は、エア噴射部材と、混合チャンバーと、発泡部材エアチャンバーとを具備している。この混合チャンバーは前記エア噴射部材の一側に設けられ、エア噴射部材は前記混合チャンバーの一部を画成している。この混合チャンバーは液体容器と連通する液体入口を有する。前記発泡部材エアチャンバーは、エア噴射部材の他方の側に設けられ、エア噴射部材は前記エアチャンバーの一部を画成している。このエアチャンバーは空気入口を有する。混合チャンバーは出口を有し、この出口は混合チャンバーから前記液体入口の下流に延出している。前記ポンプは前記液体入口および空気入口と操作自在に接続され、前記発泡部材エアチャンバーに空気を送り込み、液体を前記混合チャンバーへ送り込むようになっている。
【0008】
本発明の更なる他の形態は、泡を形成する方法を提供するものである。この方法は、加圧空気をエア噴射部材の一側に供給する工程と;加圧下で液体を、エア噴射部材の他側の混合チャンバーに供給する工程と;エア噴射部材を介してエアを混合チャンバー内に押し込む工程と;前記エアと液体とを混合し、泡を形成する工程とを具備してなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第1の実施例を示す断面図。
【図2】図1の懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーのパック(puck)装填システムを示す拡大平面図。
【図3】図1の泡体ディスペンサーの容器部分を示す断面図。
【図4】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第2の実施例を示すものであって、2つの液体供給部と、エアピストンと、液体ピストンとを有するものを示す断面図。
【図5】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第3の実施例を示すものであって、2つの液体供給部と、各液体供給部のためのピストンと、エアピストンとを有するものを示す断面図。
【図6】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第4の実施例を示すものであって、液体容器内に攪拌装置を有するものを示す断面図。
【図7】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第5の実施例を示すものであって、液体容器内にトップスキマーを有するものを示す断面図。
【図8】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第6の実施例を示すものであって、液体ダイアフラムポンプと、エアダイアフラムポンプとを有するものを示す断面図。
【図9】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第7の実施例を示すものであって、単一剛性液体容器を有するものを示す断面図。
【図10】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第8の実施例を示すものであって、オーガー機構を備えた直立液体容器を有するものを示す断面図。
【図11】本発明に従って構築された懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第9の実施例を示すものであって、2つの直立液体容器を有するものを示す断面図。
【図12】懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第2の別の発泡部材を示す断面図であって、混合チャンバーが段付き環を有する。
【図13】懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第3の別の発泡部材の一部を示す斜視図であって、混合チャンバーが、多孔質材料を介在させた交差流構成を使用している。
【図14】懸濁粒子を有する泡を小出しするためのディスペンサーの第4の別の発泡部材の一部を示す斜視図であって、混合チャンバーが、複数の小孔を有する中実材料を介在させた交差流構成を使用している。
【図15】折り畳み可能なチャンバーを用いて以外は、第7の実施例と同様の第10の実施例を示す斜視図であって、左側から見た図。
【図16】図15と同様の第10の実施例を示す斜視図であって、右側から見た図。
【図17】気泡のサイズのスケールを示す一連の写真図。
【図18】気泡のプライド(pride)についてのスケールを示す写真図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の更なる特徴は以下に記述する詳細な説明から明らかになるであろう。すなわち、本発明を実施例に基づき添付図面を参照して説明する。
【0011】
本発明は懸濁粒子を有する泡体を小分けするためのディスペンサーに関するものである。現在まで、従来の非エアゾールディスペンサーは泡状の粒子を提供することができなかった。従来のディスペンサーの場合、泡体は空気と液体とを混合し、ついで、その混合物を多孔質物質を通して押し出すものであった。もし、粒子がこの液体中に導入された場合、この多孔質物質は篩のように作用し、粒子が液体から除去されることになる。その結果得られた泡体は粒子を含まないことになる。
【0012】
このような従来の泡体ディスペンサーの制約を克服するため、本発明のディスペンサーでは、泡体の製造においてエア噴射プロセスが用いられる。つまり、空気が複数の小さな孔又はエア噴射部材を介して液体中に導入され、泡体を生じさせるものである。当業者に明らかなように、このエア噴射プロセスを用いることにより種々の液体を“泡化”することができる。このように、ここに記載した本発明を用いることにより懸濁粒子を有する泡体を製造することができる。
【0013】
一般に、懸濁粒子を有する液体の制約の1つは、時間がたつにつれて、粒子が容器の上部に浮遊するか、あるいは沈降することである。一般に、重質クレンザー(洗剤)は粘度改質剤(増粘剤)を添加し、粒子の懸濁を助けることによりこの制約を克服している。通常は、このような粘度の増加は効果的な発泡挙動を妨害するものとなる。一般に、100センチポアズより大きい粘度の液体は非常に乏しい泡体となる。しかし、高い非ニュートン挙動を示す液体を製造することができる。これは粒子を均等に分配された懸濁物に維持するのに十分な低いせん断速度では高い粘度を示し、反対に、高いせん断速度に曝されたときは非常に低い粘度を有するものである。したがって、これらのタイプの液体は泡化させることができる。その結果、泡化可能な懸濁粒子を有する重質クレンザーはコストが非常に高いものとなる。したがって、泡体を製造するためのディスペンサーは非ニュートン挙動を有する液体を用いて使用することができるものでなければならない。その液体は、液体の底に沈降した、又は液体の上部に浮遊した再混合(re−mixed)粒子を含む液体;又は異なる液体の混合物である。以下に、以下に記載した異なる実施例では、そのそれぞれがこれらの挑戦の1つが取り扱われている。
【実施例1】
【0014】
図1を参照すると、懸濁粒子を有する泡体を小分けするためのディスペンサーの第1の実施例が10として示されている。このディスペンサー10は、折り畳み可能な液体容器12と、ポンプ機構14と、発泡部材15とを備えている。この実施例は粒子を含む液体であって、粒子が時間がたつにつれて沈降するものとの関連で使用するためのものである。
【0015】
ポンプ機構14は、液体ピストン20およびエアピストン22を伴った駆動バー18を有する。液体ピストン20は液体チャンバー24内にて移動し、エアピストン22はエアチャンバー26内にて移動するようになっている。液体チャンバー24およびエアチャンバー26は液体管路28およびエア管路30によりそれぞれ発泡部材に接続されている。これらチャンバー24,26の内部容積はそれぞれ、各ピストン20,22の動きに応答して変化するようになっている。液体チャンバー24およびエアチャンバー26の相対的サイズは、得られる泡体について所望のエア/石鹸比が得られるよう調整される。これについては、以下に詳述する。
【0016】
発泡部材15は、多孔質マンドレル34と、混合チャンバー32とを備えている。多孔質マンドレル34の内部はエアチャンバー35を画成している。多孔質マンドレルは発泡部材15の中央にあり、ほぼ試験管状の形状となっている。混合チャンバー32は多孔質マンドレル34の周りに形成された環状混合チャンバーである。この混合チャンバー32は多孔質マンドレル34の外形にほぼ対応していて、概略的に、長尺の環状チューブとなっている。この多孔質マンドレル34は開口端部を有し、これがエア管路30と連通している。混合チャンバーは出口ノズル又は出口36を有する。
【0017】
エアチャンバー26は空気入口38を有する。液体チャンバー24は液体チャンバー出口40を有する。逆止弁42が、空気入口38、液体入口40、液体管路28およびエア管路30にそれぞれ配置されている。好ましくは、逆止弁42は、液体チャンバー24およびエアチャンバー26にそれぞれ隣接させて配置されることが好ましい。
【0018】
図1,2,3を参照すると、容器12は、パック装填システム44を介して液体入口40と連通している。このパック装填システム44は、図2に最も明瞭に示すように、駆動輪46と、スキミング装填輪48と、その間に配置された遊び歯車50とを有する。この遊び歯車50は、駆動輪46の中心軸61およびスキミング装填輪48の中心軸62とそれぞれ歯合している。駆動輪46は上向きに延出する複数のポスト52を備えている。駆動ホイールシャフト54はポスト52と逐次的に係合するようになっている。スキミング装填輪48には複数の孔56が形成されている。スキミング装填輪48は、容器12のスロート58内に回転自在に配置されている。キャップ60はスキミング装填輪48を所定位置に保持している。スキミング装填輪48は中心軸62を有し、これがキャップ60を通って延出し、遊び歯車50と係合している。フィードインサート64は管路66を有し、これが上方に向けて容器12内に延出している。フィードインサート64には更に孔68が設けられていて、これがスキミング装填輪48内の孔56と逐次的に整合するようになっている。管路66は同様に、孔56と逐次的に整合し、整合時において液体チャンバー入口40と整合するようになっている。パック装填システム44は、粒子が沈降している液体と共に使用されるようになっている。したがって、液体は、粒子を低濃度で有する部分45と、粒子を高濃度で有する部分47とに分かれる。パック(puck)49(図3に示す)は粒子の高濃度の液体の所定量である。
【0019】
使用において、ヒトにより駆動バー18を内方に移動させる。これにより液体ピストン20およびエアピストン22が、液体チャンバー24およびエアチャンバー26の内部容積をそれぞれ減少させる。同じく、これによりパック装填システムを活性化させる。当業者に自明のように、この駆動バー18は単に前方に押すことにより移動させることができるが、これを動作センサー又は他のタイプのセンサーに応答して自動的に移動させるようにしてもよい。液体ピストン20およびエアピストン22の動きにより生じた圧力増加により、液体管路28およびエア管路30内の逆止弁42がそれぞれ開放されることになる。空気は発泡部材15のエアチャンバー35に押し込まれ、液体は混合チャンバー32内に押し込まれる。エアチャンバー35内の空気は多孔質マンドレル34を介して押し込まれ、液体中に気泡を生じさせ、その結果、泡体が生じる。容器12内の液体は粒子を含み、これが沈降する傾向を示す。上述のように、駆動バー18を動かすことにより、更にパック装填システムが活性化される。つまり、駆動輪46がポスト54と係合し、それを前方に移動させる。これにより駆動輪46が回転され、それによりスキミング装填輪48が回転することになる。スキミング装填輪48内の孔56がフィードインサート64内の孔68と整合したとき、パックが装填される。この特定の孔が前進して管路66と整合すると、この特定のパックが降下し、液体入口40内の弁42が開放されると、このパックは液体チャンバー24内に吸引される。駆動バー18が解放されると、それがその静止位置に戻され、液体チャンバー24およびエアチャンバー26を真空にさせる。従って、液体管路28およびエア管路30内の弁42を閉塞させ、更に、液体入口40および空気入口38内の弁42を開放させる。ついで、液体およびパックが液体チャンバー24内に流れ、空気がエアチャンバー26内に流れることになる。ついで、平衡に到達したとき、これらの弁が閉塞される。このとき、ディスペンサーは泡体の次のショットの小出し準備が完了したことになる。
【実施例2】
【0020】
懸濁粒子を有する泡体を小出しするためのディスペンサーの第2の実施例が概略的に図4に70で示されている。この実施例において、第1および第2の剛性液体容器72および74がそれぞれ存在する。第1の液体容器72は剛性容器であり、通気口102を備えている。同様に、第2の液体容器74は剛性容器であり、通気口112を備えている。この第2の実施例において、これら容器は剛性容器であるが、その他、折り畳み可能な容器も使用可能であることは当業者にとって自明であろう。この実施例の殆どは、第1の実施例10に関して記載したのと同様である。従って、異なる特徴についてのみ特に説明することにする。この実施例では、第1の液体容器72からの液体が第2の液体容器74からの液体と組み合わされるようになっている。典型的には、これら液体の一方が高濃度の粒子を有し、他方の液体は一般に粒子を含まない。泡体ディスペンサー70は上述のものと同様のポンプ機構76を有している。すなわち、これには駆動バー18、液体ピストン20およびエアピストン22が備えられている。第1の液体容器72は入口78を有し、これが液体チャンバー24と連通している。逆止弁80が入口78に配置されている。第2の液体容器74は、入口82を介して液体管路28と連通している。逆止弁84が入口82に配置されている。ベンチュリー管86が、入口82の前に接近させて液体管路28内に形成されている。このベンチュリー管86は第1の液体容器72からの液体と、第2の液体容器74からの液体との混合を助けるものである。具体的には、ベンチュリー管86は流れを制限するものであり、これによりその右側に真空を生じさせ、第2の液体容器74からの液体をシステム内に吸引させ、空隙を充満させることになる。粒子を高濃度で有する液体は第1の液体容器72又は第2の液体容器74のどちらにでも配置させることができるが、第2の液体容器74に配置させることが好ましい。ディスペンサー70のその他の部分については、ディスペンサー10に関して記載したのと同様である。
【0021】
使用において、ディスペンサー70の第2の実施例は第1の実施例のものと全く同様である。これらの2つの実施例の間で異なる主な点は、第2の実施例の場合は、液体管路28と連通する第1および第2の液体容器72および74が設けられているということである。発泡を開始させるため、駆動バー18を内方に移動させ、それにより液体ピストン20およびエアピストン22をチャンバー24および26のそれぞれに移動させる。ピストン20および22の動きにより生じた圧力増加により、液体管路28およびエア管路30内の逆止弁42がそれぞれ開放されることになる。このとき、ベンチュリー管86が液体容器72および74からの液体の混合を助ける。第1および第2の液体容器からの液体が混合したとき、その結果得られた混合物は、好ましい実施例では、約100センチポアズの粘度を有する。その結果得られた混合物は、使用された特定の粒子によっては、浮遊又は沈降する傾向を示すから、物理的に不安定である。上述のように、好ましくは、第2の液体容器74は高濃度の懸濁した粒子を有している。空気は発泡部材15のエアチャンバー35に押し込まれ、液体は混合チャンバー32内に押し込まれる。エアチャンバー35内の空気は多孔質マンドレル34を介して押し込まれ、液体中に気泡を生じさせ、泡体が得られる。駆動バー18が解放されると、それがその静止位置に戻され、液体チャンバー24およびエアチャンバー26を真空にさせる。従って、液体管路28およびエア管路30内の弁42を閉塞させ、更に、液体入口78,82内の弁80,84並びにエア入口38内の弁42を開放させる。ついで、液体が液体チャンバー24および液体管路28内に流れ、空気がエアチャンバー26内に流れることになる。ついで、平衡に到達したとき、これらの弁が閉塞される。このとき、ディスペンサーは泡体の次のショットの小出し準備が完了したことになる。
【実施例3】
【0022】
懸濁粒子を有する泡体を小出しするためのディスペンサーの第3の実施例が概略的に図5に90で示されている。この実施例において、第1および第2の折り畳み自在な容器100および110がそれぞれ存在する。この第3の実施例は上述の実施例と同様であるが、第2の液体容器110のための別のピストンが設けられている。具体的には、ポンプ機構92は、第1の液体ピストン94と、第2の液体ピストン96と、エアピストン98とを有し、これら全てが駆動バー18により駆動されるようになっている。第1の液体容器100は、入口106を介して第1の液体チャンバー104と連通している。この入口106には逆止弁108が配置されている。第2の液体容器110は、入口116を介して第2の液体チャンバー114と連通している。この入口116には逆止弁118が配置されている。
【0023】
一般に、第2の液体容器110には高濃度の粒子を有する液体が収容され、第1の液体容器100の液体は一般に粒子を含まない。高濃度の粒子を有する液体と、粒子を含まない液体とが管路120で一緒にされる。管路120は逆止弁122を介して第1の液体チャンバー104および第2の液体チャンバー114と連通している。
【0024】
前記実施例同様に、発泡部材15が設けられている。エア管路30は多孔質マンドレル34を介して混合チャンバー32と連通している。同じく、液体は混合チャンバー32と連通している。この実施例において、多孔質マンドレル34および混合チャンバー32は垂直に配向している。この実施例において、混合チャンバーには長尺の出口ノズル124が備えられている。
【0025】
使用において、ディスペンサー90の第3の実施例は第2の実施例のものと全く同様である。これらの2つの実施例の間で異なる主な点は、第3の実施例の場合は、液体容器100および110のそれぞれについて別々のピストンが設けられているということである。発泡を開始させるため、駆動バー18を内方に移動させ、それによりピストン94,96および98をチャンバー104,114および26内にそれぞれ移動させる。液体ピストン94,96およびエアピストン98の動きにより生じた圧力増加により、液体管路120およびエア管路30内の逆止弁122、42がそれぞれ開放されることになる。空気は発泡部材15のエアチャンバー35に押し込まれ、液体は混合チャンバー32内に押し込まれる。エアチャンバー35内の空気は多孔質マンドレル34を介して押し込まれ、液体中に気泡を生じさせ、泡体が得られる。駆動バー18が解放されると、それがその静止位置に戻され、液体チャンバー104,114およびエアチャンバー26を真空にさせる。従って、液体管路120およびエア管路30内の弁122、42を閉塞させ、更に、液体入口106,116内の弁108,118並びにエア入口38内の弁42を開放させる。ついで、液体が液体チャンバー104,114および液体管路120内に流れ、空気がエアチャンバー26内に流れることになる。ついで、平衡に到達したとき、これらの弁が閉塞される。このとき、ディスペンサーは泡体の次のショットの小出し準備が完了したことになる。
【実施例4】
【0026】
懸濁粒子を有する泡体を小出しするためのディスペンサーの第4の実施例が概略的に図6に130で示されている。この第4の実施例においては、攪拌機構132が備えられている。この第4の実施例は、第1の実施例および第3の実施例のものと多少同様の特徴を有する。具体的には、第4の実施例は、液体ピストン20と、エアピストン22を有し、これらは駆動バー18と操作自在に接続されている。液体チャンバー24は液体管路28を介して発泡部材15の混合チャンバー32と連通している。エアチャンバー26は液体管路30を経由し多孔質マンドレル34を介して混合チャンバー32と連通している。第3の実施例と同様に、混合チャンバー32および多孔質マンドレル34は垂直に配向され、混合チャンバー32には長尺の出口ノズル124が備えられている。
【0027】
攪拌機構132は、モータ134と、攪拌装置136とを備えている。この攪拌装置136は液体容器138の内部に延出している。この液体容器138は剛性容器であり、通気口139を備えている。この攪拌装置の好ましいものはピン歯車であるが、その他の種々の攪拌装置も使用可能であることは当業者にとって自明であろう。好ましくは、モータ134は電気モータからなり、バッテリー140により駆動されるものである。
【0028】
使用において、第4の実施例130は上述の実施例のものと同様に機能するものである。異なる主な点は、駆動バー18が前方に移動したとき、この攪拌機構が活性化されることである。具体的には、活性化されると、ピン歯車が回転し、底に沈降していた、又は表面に浮遊していた粒子が混合され、従って、液体が液体チャンバー24内に吸引されると、液体と粒子との混合物が液体チャンバー24内に吸引されることになる。
【実施例5】
【0029】
懸濁粒子を有する泡体を小出しするためのディスペンサーの第5の実施例が概略的に図7に150で示されている。この第5の実施例は図1に示すものと似ているが、しかし、ここではスキミング機構152が設けられている。この実施例は、時間の経過と共に液体156の表面に浮遊する粒子154を有する液体との関連で使用するのに適したものとなっている。このスキマー機構は液体表面から浮遊粒子をスキミング(すくい取る)するようにしたものである。具体的には、この第5の実施例では、駆動バー18に操作自在に接続された液体ピストン20と、エアピストン22とを有する。液体チャンバー24は液体管路28を介して発泡部材15の混合チャンバー32と連通している。同様に、エアチャンバー26は液体管路30を経由し多孔質マンドレル34を介して混合チャンバー32と連通している。第1の実施例と同様に、混合チャンバー32並びに多孔質マンドレル34は水平に配向されている。出口ノズル又は混合チャンバー出口36にはエラストマー製弁158が配置されている。
【0030】
スキミング機構152は、オーガーホイール162に接続されたスクープ式オーガー(scooped auger)160を備えている。キャップ164には容器168内に上向きに延出したオーガースリーブ166が備えられている。このスリーブ166の頂部は、容器168内部の液体156に対して開口している。従って、スクープ式オーガー160が回転すると、表面に浮遊していた粒子154がすくい上げられる。このオーガー160は粒子154を容器の上部に移動させる。同時に、液体156がスリーブ166内に流れる。このスリーブには出口170が設けられていて、これが液体チャンバー入口40と連通している。オーガーホイール162は、駆動輪シャフト172、駆動車輪174および遊び歯車176を介して駆動バー18と操作自在に接続されている。これらは、図2に示す駆動車輪46およびスキミング装填輪48と同様にして接続されている。
【0031】
使用において、第5の実施例150は上述の第1の実施例のものと同様に機能する。駆動バーが前方に移動すると、スキミング機構152が活性化される。具体的には、オーガー160が回転する。オーガー160が回転すると、表面に浮遊していた粒子154がすくい上げられ、粒子154をスリーブ166および出口170に向けて下方に搬送する。従って、液体入口40内の弁42が開口すると、液体と粒子との混合物が液体チャンバー24内に導入される。
【実施例6】
【0032】
懸濁粒子を有する泡体を小出しするためのディスペンサーの第6の実施例が概略的に図8に180で示されている。この第6の実施例は図1に示すものと似ているが、しかし、ここではダイアフラム型ピストンが使用されている。この実施例は、単一均質液との関連で使用するのに適したものとなっている。しかし、この実施例にスキマー、攪拌器又はパック装填システムを含むよう容易に改良し得ることは当業者にとって自明であろう。
この第6の実施例180には、液体ダイアフラムピストン182、液体チャンバー184、エアダイアフラムピストン186、およびエアチャンバー188が含まれている。液体ダイアフラムピストン182およびエアダイアフラムピストン186は操作自在に駆動バー18に接続されている。上記実施例と同様に、液体管路28が液体チャンバー184と連通し、エア管路30がエアチャンバー188と連通している。液体チャンバー184は入口192を有し、これを介して折り畳み可能な液体容器194と連通している。エアチャンバー188は空気導入口196を有する。逆止弁42は、液体チャンバー入口192、液体管路28、空気導入口196および空気管路30にそれぞれ配置されている。空気管路30は多孔質マンドレル34を介して混合チャンバー32と連通している。液体管路28は発泡部材の混合チャンバー32と連通している。混合チャンバー出口ノズル36は混合チャンバー32から延出している。
【0033】
使用において、第6の実施例180は上述の第1の実施例のものと同様に機能するものであるが、この場合、ピストンポンプではなく、ダイアフラムポンプを使用している。更に、これには単一の液体容器入力(input)が備えられている。
【実施例7】
【0034】
懸濁粒子を有する泡体を小出しするためのディスペンサーの第7の実施例が概略的に図9に200で示されている。この第7の実施例は先の実施例の特徴の多くを組合わせたものである。具体的には、この第7の実施例では、頂部に通気孔204を有する剛性容器202が使用されている。前述のように、液体は発泡可能な液体で、その中に懸濁粒子を有していても有していていなくともよい。ディスペンサーの残りの部分は図6に記載したものと同様である。具体的には、第7の実施例は、液体ピストン20と、エアピストン22を有し、これらは駆動バー18と操作自在に接続されている。液体チャンバー24は液体管路28を介して発泡部材15の混合チャンバー32と連通している。同じく、エアチャンバー26は液体管路30を経由し多孔質マンドレル34を介して混合チャンバー32と連通している。混合チャンバー32および多孔質マンドレル34は垂直に配向され、混合チャンバー32には長尺の出口ノズル124が備えられている。
【0035】
使用において、第7の実施例200は前記実施例のものと同様に機能するものであるが、第6の実施例と同様に、単一の液体容器入力(input)が備えられている。
懸濁粒子を有する泡体を小出しするためのディスペンサーの第8の実施例が概略的に図10に201で示されている。この第8の実施例は図7に示したものと似ているが、液体容器168が直立に配置されている。この実施例は、時間の経過と共に液体156の底に沈降する粒子154を有する液体との関連で使用するのに適したものとなっている。オーガー機構は上述のスキマー機構と基本的に同一であり、底に沈降した粒子を動かすようにしている。具体的には、この第8の実施例では、駆動バー18に操作自在に接続された液体ピストン20と、エアピストン22とを有する。液体チャンバー24は液体管路28を介して発泡部材15の混合チャンバー32と連通している。同様に、エアチャンバー26は液体管路30を経由し多孔質マンドレル34を介して混合チャンバー32と連通している。第1の実施例と同様に、混合チャンバー32並びに多孔質マンドレル34は水平に配向されている。出口ノズル又は混合チャンバー出口36にはエラストマー製弁158が配置されている。
【0036】
オーガー又はスキミング機構152は、オーガーホイール162に接続されたスクープ式オーガー(scooped auger)160を備えている。キャップ164には容器168内に上向きに延出したオーガースリーブ203が備えられている。この実施例において、オーガースリーブ203は容器168の底部近傍に延出している。従って、スクープ式オーガー160が回転すると、底に沈降していた粒子154がすくい上げられる。このオーガー160は粒子154を容器の上部に移動させる。同時に、液体156がスリーブ203内に流れる。このスリーブには出口170が設けられていて、これが液体チャンバー入口40と連通している。オーガーホイール162は、駆動輪シャフト172、駆動車輪174および遊び歯車176を介して駆動バー18と操作自在に接続されている。これらは、駆動車輪46およびスキミング装填輪48と同様にして接続されている。
【実施例8】
【0037】
使用において、第8の実施例201は第5の実施例150のものと同様に操作されるが、オーガーが粒子を容器168の底から容器の頂部に移動させるようにしている。
【実施例9】
【0038】
図11は、第9の実施例205を示しており、これは基本的に図5の第3の実施例と同一である。具体的には、ポンプ機構92は、第1の液体ピストン94と、第2の液体ピストン96と、エアピストン98とを有し、これら全てが駆動バー18により駆動されるようになっている。第1の液体容器100は、入口106を介して第1の液体チャンバー104と連通している。この入口106には逆止弁108が配置されている。第2の液体容器110は、入口116を介して第2の液体チャンバー114と連通している。この入口116には逆止弁118が配置されている。
【0039】
一般に、第2の液体容器110には高濃度の粒子を有する液体が収容され、第1の液体容器100の液体は一般に粒子を含まない。高濃度の粒子を有する液体と、粒子を含まない液体とが管路120で一緒にされる。管路120は逆止弁122を介して第1の液体チャンバー104および第2の液体チャンバー114と連通している。
【0040】
前記実施例同様に、発泡部材15が設けられている。エア管路30は多孔質マンドレル34を介して混合チャンバー32と連通している。同じく、液体は混合チャンバー32と連通している。この実施例において、多孔質マンドレル34および混合チャンバー32は垂直に配向している。この実施例において、混合チャンバーには長尺の出口ノズル124が備えられている。
【0041】
当業者にとって明らかなように、直立容器を用いた実施例は単なる例示に過ぎず、逆さにした容器を用いた実施例も直立容器と共に使用することができる。更に、直立容器は特に、アンダー・ザ・カウンター(under the counter)石鹸ディスペンサーとして有用であることが当業者にとって明らかであろう。
【0042】
図12は発泡部材209の第2の実施例を示している。この発泡部材209は、混合チャンバー210と、多孔質マンドレル34とを備えている。混合チャンバー210はほぼ環状をなし、上流側幅広環状部212と、下流側幅狭環状部214とを有する。円滑な遷移部216が上流側幅広環状部212と、下流側幅狭環状部214との間に設けられている。当業者に明らかなように、この発泡部材209は水平に配向させても、あるいは垂直配向させてもよい。
【0043】
発泡部材の第3および第4の実施例が図13および14に大略的に夫々、220および222として示されている。当業者に明らかなように、先の実施例で示した発泡部材はその好ましい形状のものである。前述の発泡部材15は、多孔質マンドレル34の周りに配置されたほぼ環状長尺チャンバーからなる混合チャンバー32を備えている。その他、発泡部材は段付き環状混合チャンバーを備えたものでもよい。これらの実施例において、多孔質マンドレル34はエア噴射部材として作用している。一般に、その目的は、液体中に気泡化される空気量を最大にすることである。これを達成するため、界面又はエア噴射部材は空気と、液体との間に設けられ、それを介して液体が通過するようにする。多孔質材料は、空気が透過可能な複数の微細な孔を提供するものである。その他、メッシュ又はグリッドを設けて空気を通過させるようにしてもよい。上述のように、好ましい実施例では、多孔質マンドレル34と、環状混合チャンバー32とが備えられている。これは、空気を透過させる妥当な表面積との関連で空間を有効に利用させるものである。しかし、当業者に明らかなように、同じように作用するその他の形状のものも多数存在し得る。
【0044】
2つの異なる発泡部材の例が図13および14に示されている。発泡部材220はほぼ四角形の長尺ボックスからなり、エア噴射プレート224が内部に設けられている。このエア噴射プレート224は、発泡部材220をエアチャンバー226と、混合チャンバー228とに分割している。空気入口230はポンプ機構からの空気を発泡部材220のエアチャンバー部に向けさせるものである。同様に、液体入口232はポンプ機構からの液体を混合チャンバー228内に向けさせるものである。この混合チャンバー228には出口234が備えられている。液体は通常、石鹸又は石鹸/粒子混合物である。前述の実施例と同様に、空気は発泡部材内に押し込まれ、更にエア噴射プレート又はマンドレルを透過して液体中に気泡を生じさせる。図13に示すエア噴射プレート224は多孔質材料から作られている。その他、エア噴射プレートを、図14に236で示すような複数の孔を有する中実材料から作ることもできる。図14に示す発泡部材222のその他の特徴は図13に示すものと同一である。当業者にとって明らかなように、エア噴射部材として利用できる材料はその他にも多く存在する。幾つかの例を挙げると、焼結ポリエチレン、焼結青銅、焼結ステンレス鋼、多微小孔性材料PTFEポリテトラフルオロエチレン(例えば、GORTEX(登録商標)、多微小孔性ウレタン(例えば、Porelle(登録商標))、多微小孔性セラミック、不織布ポリエステル、アクリルマット又は多層ステンレス鋼ガーゼなどである。
【0045】
当業者に明らかなように、図1−14は本発明を模式的に表したものである。具体的には、これら図に示す容器は一定の縮尺通りのものではない。更に、これら容器のサイズについては種々変化させることができる。懸濁粒子を有する泡体を小出しするための本発明に係わるディスペンサーの第10の実施例が概略的に図15および16に250で示されている。これらの図は、折り畳み可能な容器252、ポンプ機構254および発泡部材256の相対的サイズの1つの構成を示している。この実施例は図9に示す第7の実施例200と似ているが、折り畳み可能な容器の点で異なっている。このディスペンサーには更に、無許可の人々がこの機構にアクセスすることができないようにするため、保護カバー(図示しない)を設けてもよい。これら実施例の全てにおいて、バネ258などの付勢手段を設けて駆動バー18を静止位置又は完全な延出位置に駆動させるようにしてもよい。この構成は、剛性容器、2つ組容器、垂直発泡部材、あるいは上述の種々の変形例に容易に適応させることができよう。
【0046】
当業者に明らかなように、発泡部材の寸法に関して多くのパラメータを変化させることができる。例えば、上述のように、マンドレルの材料および長さ、環状混合チャンバーの幅、混合チャンバー出口の長さなどを変更、変化させることができる。これらの寸法を決定するため、泡体を評価する方法が開発された。
【0047】
更に当業者に明らかなように、ここで用いられている弁の用語は非常に広い定義のものである。周知のように、最も広い意味において、弁は、空気、蒸気又は液体の通過を制御することができるパイプ又は孔に設けられた装置であるということができる。従って、弁はここに示した機械的装置あるいは液体の流れを制御する一連のせきであってもよい。具体的には、ここで使用した弁、すなわち、逆止弁42,80,84,108,118,122並びにエラストマー製弁158をせきで置換えてもよい。
【0048】
本発明者らは、発泡部材の特定の寸法を設計するのに役立つ、泡体評価方法を開発した。この泡体は、気泡サイズ、盛上り(プライド;pride)、気泡持久力、被覆性(伸び)、リンス(rinse)について評価される。気泡サイズは基準として図17に示すスケールを用いて判定した。2つの気泡サイズの間に該当する気泡間を区別するため小数点を使用した。プライドは、気泡の硬さ、特に気泡がその形状を保持する能力、すなわち、だれ下がったり、広がったりしない能力を記述するのに使用した。このプライドを判定するため、気泡のショットの写真を気泡の水準で撮った。この写真画像に分度器を重ね、内部角度を測定した。70の角度は非常に膨れ上がったものであり;10度に近いものは引き込みがちなものである。この例が図18に示されている。気泡持久力は両手で互いにこすりながら、気泡が継続する時間を測定することにより判定した。被覆性(伸び)は、最初に気泡の3ショットを皿に向けて排出し、気泡を伴った皿を計量し、使用者の両手が十分に覆われるまで、この気泡を皿から取り除き、このときに使用された気泡の量を判定することにより被覆性を判定した。濯ぎ除かれる泡体の能力も重要な特徴の1つである。泡体が濯ぎ落とされる能力を判定するため、蛇口に漏斗を取り付け、一定流量を確保し、使用者の手を泡体で覆い、その後、手を水で濯ぎ、その濯いだ水を大きな測定カップ又はボールで捉え、その水の重量を測定するというテストを行った。
【0049】
当業者に明らかなように、これらの特徴は泡体の商品性、従って、泡体ディスペンサーの商品性を判断するのに役立つ。具体的に述べると、泡体被覆性は、もし、泡体が使用者の手を十分に覆うことができれば、各使用者が使用する石鹸の量を少なくすることができ、1回当りの使用コストが少なくなるから重要である。同様に、濯ぎ落ち性が良ければ良いほど、使用される水の量が少なくなり、手を洗うための全体的コストが低減される。
【0050】
等級システムを提供するため、マークを各特性について割り当てた。具体的には、気泡サイズについては、図17に示したスケールから10の中からマークを判定した。持久力に関しては、20秒の時間は10の内の10に値するものとし、それにより各2秒間が1点に値するものとした。従って、10秒は10の内の5となる。プライドは0−90度の角度で測定した。70度の角度は10とし、10度は1とした。従って、40度は4/7となり、10の内の5.7に値する。被覆性はグラムで測定した。従って、より少なければ、より良好となる。ゼロのスコアを3.6gに割り当て、10のスコアを0.6gに割り当てた。10の内からのスコアは、式:x=(y−3.6)/−0.2で計算した。これは線等式:y=mx+b(ここで、xは点を表し、yはグラムでの結果を表している)からくるものである。濯ぎ性はグラムで測定した。従って、水のグラム数がより少なければ、より良好となる。濯ぎ性についての値を見出す等式は:x=(y−375)/−25である。
【0051】
多数の泡体サンプルをテストし、計量された10の内の5つのスコアが与えられ、それを平均して最終のパーセントスコアとした。各基準には、最終優先等級に対しどの程度の振れがあるかについての重みが与えられた。気泡サイズ、期間、剛性についての重みは25%、被覆性についての重みは15%、リンスについての重みは10%が与えられた。当業者に明らかなように、100のスコアは必ずしも最も好ましい泡体とはいえない。なぜならば、それは剛性が大きすぎ、気泡がムースのように余りにも小さいからである。しかし、この実験では、目標が100に近いものを得ることであり、多少なりとも好ましくないある特性がある場合は、設計をそのものから変更することができる。1つの仮定は、理想的な泡体は、このスケールでは85に近いものである。
【0052】
この方法を用いた実験から得られた結果を下記表に示す。
【表1】

【0053】
強調されている部分の結果は、変数の好ましい状態を示している。段付き環状物を使用することにより、我々は原価効率を高めることができた。22mmのマンドレルの使用も詰まりの可能性を減少させた。混合チャンバーを垂直に配置することにより段付き環状物を更によく稼動させるのに役立った。55mmの出口ノズルは最良の泡体を製造するのに役立った。泡体の特徴は、そのせん断を大きくすることにより改善される。長尺出口ノズルは背圧を生じさせる者であり、これはその他、エラストマー製弁を使用することによっても達成されるものと推定される。空気比が45:1のものはプライドおよび気泡サイズの良好な組み合わせを有する泡体を製造させた。これは重質タイプの石鹸に用いられる。当業者に明らかなように、空気/石鹸比は8:1ないし80:1の間で変化させることができる。好ましい空気/石鹸比は、希望する泡体の品質および石鹸中の界面活性剤の含量に依存する。
【0054】
一つの実施例として、多孔質マンドレル34を焼結ポリマーから構築した。この焼結ポリマーは典型的には、10ないし300ミクロンの気孔サイズを有する。好ましくは、気孔サイズは実用的な限り、できるだけ小さくする。これは表面張力並びに液体とマンドレル材料との相対的密度の関数である。マンドレルの長さは9ないし47mmの範囲に亘る。マンドレルの直径は5ないし20mmの範囲に亘るものである。一つの実施例として、マンドレルは直径が12.65mm、長さが22mm、気孔サイズが100ミクロンのものが用いられる。
【0055】
マンドレルと、発泡部材の外壁との間の隙間又は環状混合チャンバーの幅は、0.06ないし3.5mmの範囲に亘る。一般に、環状体の幅が小さければ小さいほど、泡体の品質が良くなる。しかし、この設計上の制約は詰まりの危険性とバランスさせなければならず、一般に、環状体の幅が小さければ小さいほど、詰まりの危険性が高くなる。7重量%粒子/石鹸比のものを使用する場合、環状混合チャンバーの最小幅は粒子サイズの1.5倍であることが実験的に明らかにされた。一般的に、もし、環状混合チャンバーの幅が粒子サイズの1.5倍より小さいときは、粒子の詰まりが生じることになる。更に、もし、粒子の濃度を増大させた場合、環状混合チャンバーの幅を増大させない限り、粒子の詰まりが生じるであろう。7重量%粒子/石鹸比のものを使用する場合、一般に、環状体の幅を増大すると、泡体の品質が低下するが、環状体の幅が粒子サイズの8倍であるとき、最良の結果が得られることが実験的に明らかにされた。更に、段付き環状体が良好な品質の泡体を製造させることが明らかにされた。図12に示されているものと同様の段付き環状体の実施例において、環状混合チャンバーの幅はマンドレルの最初の10mmに沿って3.2mmであり、その後の最後の12mmについての幅は0.7mmとなる。この手法を用いて、段付き環状混合チャンバーが22mmのマンドレルを使用した場合、46.5mmのマンドレルを一定幅の環状混合チャンバーと共に使用した場合に比較して、良好な品質の泡体が製造されることが判定された。好ましくは、環状混合チャンバーの幅は、その異なる区域において一定となっている。つまり、混合チャンバーの形状は、特にマンドレルの端部の周りで、マンドレルの形状に順応するものとする。
【0056】
更に、長い出口ノズルを使用することにより、最良の泡体が製造されることが実験的に判明した。特に実験を行った結果、55mmの長さの出口ノズルで直径が5mmのものから、最良の性能が達成された。その他、エラストマー製弁を、かなりの背圧を生じさせるのに使用することができる。更に、発泡部材を水平ではなく、垂直に配向させることにより、最良の結果が得られることが分かった。しかし、これは従来のディスペンサーの構成(footprint)内で適応させることは困難であるかも知れない。
【0057】
当業者にとって明らかなように、種々の石鹸および石鹸と粒子との種々の組み合わせを本発明と共に使用することができる。一般に、発泡性液体は本発明のディスペンサーを用いて発泡させることができる。粒子については、広範な種類の粒子を使用することができる。その例の幾つかを列挙すると、それには軽石、コーンミール、粉砕されたクルミ殻、粉砕されたフルーツストーン、木粉、マイクロカプセル、マイクロビーズ(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、乾燥豆(エンドウ)が含まれる。一般に、マイクロビーズは浮遊し、他の列挙したタイプの粒子は沈降する。これらは、著しく汚れた皮膚又は剥離に対し使用される石鹸に研磨剤として使用されるタイプの粒子である。その他、他の種類の粒子を他の目的で使用してもよい。例えば、この粒子はマイクロカプセルであってもよく、これは破壊された時、香料を放出する。あるいは、不安定な活性成分を有するマイクロカプセルであってもよい。すなわち、このマイクロカプセルは破壊されたとき、発熱反応を生じさせるもので、その泡体は加熱された泡体となる。粒子が浮遊するか、沈降するか、又は懸濁状態に留まるかは、液体の流動学的特性に依存する。降伏値を有する非ニュートン液/ゲル(例えば、キャソン(Casson)およびビンガム(Bingham)流体)は懸濁性であり、それは粘度又は密度に依存しない。一般に、泡体中の粒子の百分率は泡体の品質に影響を及ぼさない。泡体中の粒子の百分率は大きく変えることができ、それは、特定の使用目的に依存する。一般に、粒子の百分率は1%ないし20%(重量)の範囲で変化させることができ、これは、特定のマーケットの要望、泡体の特性および粒子のタイプおよびサイズに依存するものである。粒子のサイズは変化させることができ、所望する“フィーリング(感じ)”が得られるよう適当なサイズが選択される。一般に、粒子のサイズはその表面粗さおよびその硬さに関係している。シリカ、炭酸カルシウムなどの硬い鉱物粒子は一般に90ないし130ミクロンの範囲が好ましい。コーンミールなどの有機質粒子は、柔らかいため、一般に200ないし700ミクロンの大きい粒度であることが好ましい。一般に粒子は90ないし700ミクロンの範囲とすることができる。一般に、液体の粘度は25℃で、2ないし100センチポアズの範囲とすることができる。この場合、液体は粒子を含むものでも、含まないものでもよい。
【0058】
懸濁粒子を有する泡体を小分けするための前記ディスペンサーを考えるとき、そこには潜在的に入力のために使用される4つの異なるタイプの液体がある。具体的には、粒子が浮遊する傾向にある液体と、粒子が沈降する傾向にある液体と、粒子が全体的に懸濁している液体と、2種類の液体であって、小分けされる前に、ほぼ同時に液体管路に放出されるものとである。更に、液体管路に放出される前に、液体容器内で液体が攪拌される例がある。
【0059】
1種類の液体入力がある場合の他の例において、この液体は以下の成分を含むものであってよい。すなわち、水、界面活性剤(非イオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤及び/又はカチオン界面活性剤)、有意の降伏値を有する非ニュートン増粘剤(アクリル及び/又はアクリル酸エステル系ポリマーおよびコポリマー、天然ゴム、熱分解法シリカ、クレー、ベントナイト、ベントナイト誘導体およびこれらの組合わせ)、少なくとも1種の保存剤(バクテリア、酵母、カビの生育を妨げ得るもの)、溶媒(テルペン、炭化水素系溶媒、エステル、エーテル、アルコール、グリコールなど)である。更に、この液体には、ある種の皮膚軟化剤/湿潤剤(ポリオール、ポリエチレングリコール誘導体、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂肪酸、グリセリド、トリグリセリドなど)、pH調整剤(酸又はアルカリ)を含むものであってもよい。更に化粧用添加剤、例えば香料および着色染料などを含むものであってもよい。これらの液体は軽石、コーンミール、粉砕されたクルミ殻、粉砕されたフルーツストーン、木粉、マイクロカプセル、マイクロビーズ(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、乾燥豆(エンドウ)との関連で使用することができる。この液体および粒子入力の特徴に応じて適当なディスペンサーが選択される。前記2液システムも、その2種類の液体間に分配される同様の成分を有していてもよい。
【0060】
2種の液体を使用する他例において、第1の液体は、懸濁粒子を有する高粘度の液体であり、第2の液体は、第1の液体と混合するとき、25℃で2ないし100センチポアズの粘度を有する液体を提供するものである。この高粘度の液体は、水をベースとして有するものでよい。これには更に、洗剤、例えば界面活性剤、皮膚軟化剤、保湿剤、溶媒、化粧用成分又はそれらの組合わせ、並びに適当な増粘剤、例えばカルボマー(carbomers)、天然又は合成ゴム又はそれらの組合わせを含んでいてもよい。低粘度希釈剤は、水、付加的洗剤、界面活性剤、電解質、他の望ましい成分(高粘度洗剤の減少させるもの)又はこれらの組合わせを含むことができる。高粘度液中の粒子の百分率は、第2の液体と混合したとき、その得られる泡体中の粒子の百分率が1%ないし20%(重量)の範囲となるよう選択される。
【0061】
この2つの液体部分の割合は、特定の処方の要求を満たすよう変化させることができるが、典型的には、20:80ないし80:20の範囲で選択される。各液体部分は洗剤、コンデショナー、皮膚軟化剤、芳香剤、着色剤など所望の最終泡体を形成するものを含むことができる。これら2つの液体部分の好ましい割合は、取扱いの容易性からして、50:50である。
【0062】
これら2つの液体のための成分は、これらを組合わせたとき、その粘度が25℃で2ないし100センチポアズの粘度を有する液体を与えるよう選択される。これら2つの液体を混合したときの粘度の変更は、希釈により、pHの変更により、又は電解質の含量を変更することにより達成することができる。一般に、希釈は殆どの増粘剤について有効である。
【0063】
その他、希釈液と混合することにより懸濁液のpHを変化させることにより、発泡可能な混合物のための適当な粘度を得ることができる。このアプローチは増粘剤の選ばれた(特定の)タイプで作用する。これらの増粘剤は液体の粘度を高くするため所定のpH又はpHの範囲を有することが必要である。もし、液体のpHがその範囲から外れる場合は、その増粘剤は最早、増粘剤として機能しなくなる。従って、そのような増粘剤は懸濁粒子を有する高粘度液に使用することができ、低粘度液には酸を使用することができる。従って、混合時において、pHが低くなり、それによりその混合物は増粘剤のための効果的範囲から外れ、従って、泡体を作るための許容し得る粘度が得られる。カルボマーはこのような増粘剤の1例であり、これは適当な生理学的に許容し得る酸(例えば、クエン酸)との関連で使用することができる。一般に、アクリル酸系増粘剤(例えば、カルボマー)および電解質(塩化ナトリウム)溶液が好ましいシステムである。双方の成分がいったん混合されると、この電解質が増粘剤のゼータ電位を減少させ、その三次元ネットワークを不可逆的に破壊し、従って、その粘度が降下する。当業者にとって明らかなように、粘度降下が許容時間帯内に達成されるシステムが選択されるべきである。
【0064】
同様に、第1の液体と、第2の液体との混合物の望ましい粘度は電解質の含量を変更することにより得ることができる。例えば、メチルセルロースを、少量の電解質を含む溶液としたものは、増粘性を示すが、電解質含量が多く含む混合溶液は粘度を低下させ、又はなくしてしまう。塩化ナトリウム溶液を第2の液体に用いて、電解質含量を増大させてもよい。他のカルシウム塩および金属を第2の液体に用いて、電解質含量を増大させてもよい。
【0065】
正しい混合物を得るために使用されるもくろみ又は方法の種類は、工業用洗剤組成物並びにどの増粘剤が使用されるかに全面的に依存するものであり、次に、発泡させるために必要な粘度に希釈させるための最善のアプローチが決定される。
【0066】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの変形が可能である。具体的には、液体容器は剛性のものであっても、折り畳み可能なものであってもよい。ディスペンサーは、石鹸、石鹸/粒子混合物、石鹸と高濃度の粒子を別々の容器に収容したものなどに対して適用することができる。粒子を含む液体は、その粒子を懸濁させたものでもよい。その他、ディスペンサーは、沈降する粒子又は浮遊する粒子を用いて操作し得るよう設計してもよい。
【0067】
ここに使用した“有する”、“含む”の用語は排他的なものではなく、他のものをも包含するとして理解されるべきである。特に、特許請求の範囲を含む本明細書で使用されている“有する”、“含む”の用語、並びにそれに類する用語は、特定の特徴、工程又は部材が含まれるということを意味するものである。従って、これらの用語は他の特徴、工程又は部材の存在を除外すると言う意味で解釈されてはならない。
【0068】
本発明に関する上述の記載は単なる例示に過ぎないことを理解されたい。本発明について多くの変更は、当業者にとって自明であり、そのような自明の変化も、明示が有る無しに関係なく、ここに記載した本発明の範囲に包含されるものである。
【符号の説明】
【0069】
10 ディスペンサー
12 液体容器
14 ポンプ機構
15 発泡部材
20 液体ピストン
22 エアピストン
24 液体チャンバー
26 エアチャンバー
28 液体管路
30 エア管路
32 混合チャンバー
34 多孔質マンドレル
35 エアチャンバー
36 出口
38 空気入口
40 液体入口
42 逆止弁
44 パック装填システム
46 駆動輪
48 スキミング装填輪
50 遊び歯車
52 ポスト
54 駆動ホイールシャフト
56 孔
58 スロート
60 キャップ
62 中心軸
70 泡体ディスペンサー
72 第1の液体容器
74 第2の液体容器
80 逆止弁
82 入口
86 ベンチュリー管
92 ポンプ機構
94 第1の液体ピストン
96 第2の液体ピストン
98 エアピストン
100 第1の液体容器
104 第1の液体チャンバー
110 第2の液体容器
114 第2の液体チャンバー
116 入口
118 逆止弁
120 管路
122 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡体ディスペンサーとの関連で使用される発泡部材であって:
焼結ポリエチレン、焼結青銅、焼結ステンレス鋼、多微小孔性材料および多層ステンレス鋼ガーゼからなる群から選択されたエア噴射部材と;
該エア噴射部材の1側に設けられた混合チャンバーであって、該エア噴射部材がこの混合チャンバーの一部を画成し、該混合チャンバーが液体入口を有するものと;
エア噴射部材の他方の側に設けられたエアチャンバーであって、該エア噴射部材がこのエアチャンバーの一部を画成し、該エアチャンバーは空気入口を有するものと;
混合チャンバーの液体入口の下流側に設けられた混合チャンバー出口と;
を具備してなる発泡部材。
【請求項2】
前記多微小孔性材料がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、多微小孔ウレタン、多微小孔セラミック、不織布ポリエステル、アクリルマットからなる群から選択されたものである請求項1記載の発泡部材。
【請求項3】
前記エア噴射部材がほぼ試験管の形状のものである請求項1又は2記載の発泡部材。
【請求項4】
前記混合チャンバーがほぼ長尺環状のチューブである請求項1、2又は3記載の発泡部材。
【請求項5】
前記混合チャンバー出口がノズルである請求項1ないし4のいずれかに記載の発泡部材。
【請求項6】
前記ノズルが長尺ノズルである請求項5記載の発泡部材。
【請求項7】
前記ノズルが弁を内部に有する請求項5又は6記載の発泡部材。
【請求項8】
前記弁がエラストマー性の弁である請求項7記載の発泡部材。
【請求項9】
前記発泡部材が垂直に配向されている請求項1ないし8のいずれかに記載の発泡部材。
【請求項10】
前記発泡部材が水平に配向されている請求項1ないし8のいずれかに記載の発泡部材。
【請求項11】
液体が泡体ディスペンサーとの関連で使用され、この液体が所定の平均粒径を有する複数の粒子を含み、前記環状チューブが内径、外径及び幅を有し、前記幅が前記外径及び内径の差分であり、前記環状チューブの前記幅が該複数の粒子の平均粒径の1.5から8倍である請求項4ないし10のいずれかに記載の発泡部材。
【請求項12】
前記環状チューブの幅が該複数の粒子の平均粒径の1.5倍である請求項11記載の発泡部材。
【請求項13】
前記環状チューブの幅が0.06から3.5mmである請求項11記載の発泡部材。
【請求項14】
前記エア噴射部材の長さが9から47mmである請求項11ないし13のいずれかに記載の発泡部材。
【請求項15】
前記エア噴射部材の直径が5から20mmである請求項11ないし14のいずれかに記載の発泡部材。
【請求項16】
前記エア噴射部材がほぼ平面状の部材である請求項1記載の発泡部材。
【請求項17】
液体との関連で使用される泡体ディスペンサーであって:
液体容器と;
発泡部材であって、この発泡部材が:
焼結ポリエチレン、焼結青銅、焼結ステンレス鋼、多微小孔性材料および多層ステンレス鋼ガーゼからなる群から選択されたエア噴射部材と;
該エア噴射部材の一つの側に設けられた混合チャンバーであって、該エア噴射部材がこの混合チャンバーの一部を画成し、該混合チャンバーが前記液体容器と連通する液体入口を有するものと;
エア噴射部材の他側に設けられた発泡部材エアチャンバーであって、該エア噴射部材が前記エアチャンバーの一部を画成し、該エアチャンバーが空気入口を有するものと;
混合チャンバーの液体入口の下流側に設けられた混合チャンバー出口と;
を具備してなるものと;
前記液体入口および空気入口と操作自在に接続され、空気を前記発泡部材エアチャンバーに送り込み、液体を前記混合チャンバーに送り込むようにされたポンプと;
を具備してなる泡体ディスペンサー。
【請求項18】
前記多微小孔性材料が、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、多微小孔ウレタン、多微小孔セラミック、不織布ポリエステル、アクリルマットからなる群から選択されたものである請求項17記載の泡体ディスペンサー。
【請求項19】
ポンプが:
前記液体容器と連通する入口並びに前記発泡部材の混合チャンバーと連通する出口を有する液体チャンバーであって、作動手段に応答して変化する内部容積を有するものと;
空気入口および出口を有し、該出口が前記発泡成分エアチャンバーと連通するエアチャンバーであって、作動手段に応答して変化する内部容積を有するものと;
を具備してなる請求項17又は18記載の泡体ディスペンサー。
【請求項20】
前記液体チャンバーおよびエアチャンバーが、ピストン型ポンプの部分を構成する請求項19記載の泡体ディスペンサー。
【請求項21】
前記液体チャンバーおよびエアチャンバーが、ダイアフラム型ポンプの部分を構成する請求項19記載の泡体ディスペンサー。
【請求項22】
前記液体が、沈降し易く液体容器の底に沈殿物を形成する粒子を含むと共に、パック装填システムを更に具備し、それにより沈殿物の所定量を前記液体チャンバー内で前記液体に添加するようにした請求項18ないし21のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項23】
前記液体容器が、内部空間、開口部、該開口部に隣接するスロート、並びにパック孔および液体孔を有するキャップを有し、液体チューブが上向きに該液体容器内に延出し、該キャップが前記スロート内に配置され;パック装填システムが、回転自在なスキム(skim)と、装填ホィールとを有し、該スキムおよび装填ホィールが複数の離間する孔を有し、これらの孔がほぼ同一半径の部位に設けられ、該スキムおよび装填ホィールが前記液体容器のスロート部に位置し、それにより該スキムおよび装填ホィール中の孔が、前記キャップ中のパック孔および液体孔と選択的に整合し、該スキムおよび装填ホィールの回転により、複数の孔の1つをパック孔との整合から液体孔との整合に移動させるようにした請求項22記載の泡体ディスペンサー。
【請求項24】
前記液体容器が第1の液体容器であり、更に第2の液体容器を具備し、これら第1および第2の液体容器が混合チャンバー液体入口と連通している請求項18ないし21のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項25】
前記第1の液体容器が液体チャンバーと連通し、更に、該液体チャンバーと前記混合チャンバー液体入口との間に延出する液体管路を有し、前記第2の液体容器が前記液体容器と連通している請求項24記載の泡体ディスペンサー。
【請求項26】
前記液体容器と、その下流側であって前記第2の液体容器が液体管路に接続された位置との間の前記液体管路にベンチュリ管を更に具備してなる請求項25記載の泡体ディスペンサー。
【請求項27】
ポンプが:
前記第1の液体容器と連通する入口並びに前記発泡部材の混合チャンバーと連通する出口を有する第1の液体チャンバーであって、作動手段に応答して変化する内部容積を有するものと;
前記第2の液体容器と連通する入口並びに前記発泡部材の混合チャンバーと連通する出口を有する第2の液体チャンバーであって、作動手段に応答して変化する内部容積を有するものと;
空気入口および出口を有し、該出口が前記発泡成分エアチャンバーと連通するエアチャンバーであって、作動手段に応答して変化する内部容積を有するものと;
を具備してなる請求項17又は18記載の泡体ディスペンサー。
【請求項28】
前記第1の液体容器が発泡自在な液体石鹸を収容し、前記第2の液体容器が粒子を高濃度で含む液体を収容している請求項27記載の泡体ディスペンサー。
【請求項29】
前記粒子が、軽石、コーンミール、粉砕されたクルミ殻、粉砕されたフルーツストーン、木粉、マイクロビーズ、マイクロカプセル、乾燥豆、およびこれらの組合わせからなる群から選択されるものである請求項28記載の泡体ディスペンサー。
【請求項30】
前記液体容器内に操作自在に収容された攪拌機構を更に有し、該攪拌機構が作動手段と操作自在に接続されていて、該作動手段に応答して該液体容器内で液体が混合されるようになっている請求項18ないし21のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項31】
前記攪拌機構が、電源に接続されたモータと、該モータに操作自在に接続され前記液体容器内に延出した攪拌装置とを有する請求項30記載の泡体ディスペンサー。
【請求項32】
前記電源が一対のバッテリーからなる請求項31記載の泡体ディスペンサー。
【請求項33】
前記液体が液体上部に浮遊しがちな粒子を含み、前記液体容器が逆さにした容器であって、液体出口を有し、更に、作動手段に操作自在に接続されたスキミング機構を有し、それにより該作動手段に応答して、前記粒体が液体の頂部から掬い取られ、前記液体出口へ移動するようになっている請求項18ないし21のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項34】
前記スキミング機構が、前記液体出口から上方に前記液体容器の前記頂部に向けて延出するオーガーと、前記液体容器内に上向きに延出し該オーガーの周りに、かつ、前記液体出口から上向きに位置するスリーブとを有する請求項33記載の泡体ディスペンサー。
【請求項35】
前記液体が、その底に沈降し易い粒子を含むと共に、前記液体容器が直立した液体容器であって出口を有し、更に、作動手段に操作自在に接続されたオーガー機構を有し、それにより前記作動手段に応答して前記粒子が前記液体の底からすくい上げられ、液体出口へ移動するようにした請求項18ないし21のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項36】
前記オーガー機構が、前記液体容器の底部近傍の前記液体出口から下方に延出するオーガーと、前記液体容器内に下向きに延出すると共に前記オーガーの周りに位置し、前記液体出口から下向きに位置するスリーブとを有する請求項35記載の泡体ディスペンサー。
【請求項37】
前記液体容器が折り畳み自在な容器である請求項17ないし36のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項38】
前記液体容器が剛性容器である請求項17ないし36のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項39】
前記液体容器が逆さにされ、そこで該容器がその底部に液体出口を有する請求項17ないし32のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項40】
前記液体容器が直立し、そこで該容器がその上部に液体出口を有する請求項17ないし32のいずれかに記載の泡体ディスペンサー。
【請求項41】
焼結ポリエチレン、焼結青銅、焼結ステンレス鋼、多微小孔性材料および多層ステンレス鋼ガーゼからなる群から選択されたエア噴射部材の一側に加圧空気を供給する工程と;
加圧下で液体を、エア噴射部材の他側の混合チャンバーに供給する工程と;
エア噴射部材を介してエアを混合チャンバー内に押し込む工程と;
前記エアと液体とを混合し、泡を形成する工程と;
を具備してなる泡を形成する方法。
【請求項42】
前記多微小孔性材料がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、多微小孔ウレタン、多微小孔セラミック、不織布ポリエステル、アクリルマットからなる群から選択されたものである請求項41記載の泡を形成する方法。
【請求項43】
前記エア噴射部材がほぼ試験管の形状のものである請求項41又は42記載の泡を形成する方法。
【請求項44】
前記液体が複数の粒子を含む請求項41ないし43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
高濃度の粒子を含む液体と、粒子を殆ど含まない液体とを、該液体を加圧下で混合チャンバーに供給する上流側にて混合する工程を更に具備してなる請求項41ないし44のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−139512(P2012−139512A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−31395(P2012−31395)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【分割の表示】特願2007−511803(P2007−511803)の分割
【原出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(504420180)デブ アイピー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】