説明

懸賞管理装置及び方法

【課題】多数の懸賞をまとめて管理する際に、それぞれの懸賞を適切に区別し管理するとともに、同一人による多数の懸賞応募を適切に防ぐことのできる懸賞管理装置及び方法を提供すること。
【解決手段】懸賞管理装置(1)は、懸賞応募権識別符号の生成要求を受け付けると、応募想定数分の8桁のユニークな疑似乱数のそれぞれに同一の6桁のキャンペーンコードを追加することで、14桁の並替前識別符号を応募想定数分生成すると、生成した並替前識別符号を2桁の並替パターンが規定する並び替え法則に基づいて並び替え、応募想定数分の並替後識別符号を生成する。その後、並替後識別符号の所定の桁に並替パターンを追加し、懸賞応募権識別符号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸賞に応募するための懸賞応募権を識別する懸賞応募権識別符号に基づいて、複数種類の懸賞を管理する懸賞管理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、事業者が自らが販売する商品に対する懸賞の応募をホームページなどの公衆の目に触れる場所へ掲載することで、自らの事業の活性化を図ることが一般的に行われている。
【0003】
ところで、ホームページのような仮想上で行われる懸賞は、その応募が容易であり、同一人により多数の懸賞応募がなされてしまうことがある。そこで、同一人による多数の懸賞応募を軽減する試みとして、例えば、特許文献1には、バナー広告にリンクしたホームページにアクセスした者のみがその懸賞に応募できるようにする方法が開示されている。これにより、懸賞による事業活性化とホームページへのアクセスによる事業活性化との両者を同時に実現するとともに、同一人による多数の懸賞応募を防止している。
また、近年では、複数の桁数からなる文字列(懸賞応募権識別符号)の入力を懸賞に応募するための条件とすることで、同一人による多数の懸賞応募を防止する試みも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−245321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の懸賞は、事業者がそれぞれ独自に管理しているため、それぞれの事業者には同様の負担が生じていた。これは、近年知られている複数の懸賞情報をまとめた懸賞サイトでも同様であり、懸賞サイトでは複数の懸賞情報をまとめているものの、それぞれの懸賞の管理(応募及び抽選)は、事業者がそれぞれ独自に行っている。
【0006】
この点、懸賞の管理を事業者が独自に行うのは、事業者にとって負担であり、ノウハウを備える者がまとめて管理できれば、それぞれの事業者の負担を軽減することができる。また、懸賞に応募するユーザにとってみても、懸賞によって応募方式が異なるより、統一した方式により懸賞に応募できる方が利便性が高いため、多数の懸賞をまとめて管理可能な仕組みが求められていた。
【0007】
しかしながら、多数の懸賞をまとめて管理した場合、それぞれの懸賞を適切に区別し管理することが求められるとともに、同一人による多数の懸賞応募を適切に防ぐことが求められる。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、多数の懸賞をまとめて管理する際に、それぞれの懸賞を適切に区別し管理するとともに、同一人による多数の懸賞応募を適切に防ぐことのできる懸賞管理装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 懸賞に応募するための懸賞応募権を識別する懸賞応募権識別符号に基づいて、複数種類の懸賞を管理する懸賞管理装置であって、懸賞を識別する第1桁数の文字列からなる懸賞識別符号及び当該懸賞の応募想定数の指定を伴った懸賞応募権識別符号の生成要求を受け付ける生成要求受付手段と、前記生成要求に基づいて、第2桁数の文字列からなる疑似乱数を前記指定をされた応募想定数分発生する疑似乱数発生手段と、前記懸賞識別符号及び前記疑似乱数を統合することで、前記指定をされた応募想定数分の並替前識別符号を生成する並替前識別符号生成手段と、文字列に含まれる文字の順序を並び替える法則を識別する第3桁数の文字列からなる並替パターンを複数記憶する並替パターン管理データベースから、1の並替パターンを抽出する並替パターン抽出手段と、前記並替パターンに基づいて、前記並替前識別符号に含まれる文字の順序を並び替える並替手段と、前記並替手段により並び替えられた文字列に前記並替パターンを識別する第3桁数の文字列を加えることにより、第4桁数の文字列からなる前記懸賞応募権識別符号を前記指定をされた応募想定数分生成する配布用識別符号生成手段と、を備える懸賞管理装置。
【0010】
(1)の懸賞管理装置によれば、疑似乱数に懸賞を識別する懸賞識別符号を含めて懸賞応募権識別符号を生成する。これにより、多数の懸賞をまとめて管理した場合であっても、懸賞識別符号に基づいてそれぞれの懸賞を適切に管理することができる。
ここで、疑似乱数に懸賞識別符号を単に加えた場合には、共通の懸賞に対応する複数の懸賞応募権識別符号の一部が全く同一の文字列になってしまい、ユーザによる他の懸賞応募権識別符号の予測が容易になり、同一人により多数の懸賞応募が行われてしまうおそれがある。そこで、(1)の懸賞管理装置では、発生させた疑似乱数に懸賞識別符号を含めて並替前識別符号を生成するだけでなく、生成した並替前識別符号を並替パターンに基づいて並び替えるとともに、並替パターンを識別する文字列を加えることで、懸賞応募権識別符号を生成する。
これにより、多数の懸賞をまとめて管理するために、懸賞識別符号を用いて懸賞応募権識別符号を生成した場合であっても、生成した懸賞応募権識別符号の文字列の並びの予測を困難にすることができる。また、懸賞応募権識別符号に疑似乱数を含めるため、懸賞応募権識別符号の文字列の並びをランダム(連番としない)にすることができるとともに、並替前識別符号を同一の並替パターンで並び替えるために、同一の文字列からなる懸賞応募権識別符号が複数生成されてしまうことを回避(衝突回避)することができる。
【0011】
(2) 前記文字列は数字である、(1)に記載の懸賞管理装置。
【0012】
(2)の懸賞管理装置によれば、ユーザは、懸賞応募権識別符号をテンキーのみを用いて入力することができる。
【0013】
(3) 前記配布用識別符号生成手段は、前記並替手段により並び替えられた文字列の所定の桁に前記並替パターンを識別する第3桁数の文字列を加えることで、前記懸賞応募権識別符号を生成する、(1)又は(2)に記載の懸賞管理装置。
【0014】
(3)の懸賞管理装置によれば、並替パターンを識別する文字列を加える桁数を任意に変更することができるため、第三者に並替パターンが判明してしまうことを防止でき、生成した懸賞応募権識別符号の文字列をの並びの予測を困難にすることができる。
【0015】
(4) 前記配布用識別符号生成手段が生成した前記懸賞応募権識別符号を記憶する懸賞応募権コード管理データベースと、前記懸賞応募権識別符号を伴う懸賞の応募を受け付けると、前記懸賞応募権コード管理データベースを参照して、当該応募の正当性を評価する認証手段と、を備える(1)から(3)の何れかに記載の懸賞管理装置。
【0016】
(4)の懸賞管理装置によれば、懸賞応募権識別符号の入力を懸賞応募の条件としたため、同一人による多数の懸賞応募を防ぐことができる。
【0017】
(5) 前記認証手段により正当性が認証された応募に対応する前記懸賞応募権識別符号を前記第1桁数の文字列からなる懸賞識別符号及び前記第2桁数からなる疑似乱数に復元する並替復元手段、を備える(4)に記載の懸賞管理装置。
【0018】
(5)の懸賞管理装置によれば、並び替えた懸賞応募権識別符号から、個々の懸賞を識別するための懸賞識別符号を復元することができ、それぞれの懸賞を適切に区別しつつ、多数の懸賞をまとめて管理することができる。
【0019】
(6) 懸賞に応募するための懸賞応募権を識別する懸賞応募権識別符号に基づいて、複数種類の懸賞を管理する懸賞管理装置が行う方法であって、懸賞を識別する第1桁数の文字列からなる懸賞識別符号及び当該懸賞の応募想定数の指定を伴った懸賞応募権識別符号の生成要求を受け付けるステップと、前記生成要求に基づいて、第2桁数の文字列からなる疑似乱数を前記指定をされた応募想定数分発生するステップと、前記懸賞識別符号及び前記疑似乱数を統合することで、前記指定をされた応募想定数分の並替前識別符号を生成するステップと、文字列に含まれる文字の順序を並び替える法則を識別する第3桁数の文字列からなる並替パターンを複数記憶する並替パターン管理データベースから、1の並替パターンを抽出するステップと、前記並替パターンに基づいて、前記並替前識別符号に含まれる文字の順序を並び替えるステップと、並び替えられた文字列に前記並替パターンを識別する第3桁数の文字列を加えることにより、第4桁数の文字列からなる前記懸賞応募権識別符号を前記指定をされた応募想定数分生成するステップと、を含む方法。
【0020】
(6)の方法によれば、(1)の懸賞管理装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、多数の懸賞をまとめて管理する際に、それぞれの懸賞を適切に区別し管理するとともに、同一人による多数の懸賞応募を適切に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の懸賞管理装置を示す図である。
【図2】キャンペーンコード管理データベースを示す図である。
【図3】並替パターン管理データベースを示す図である。
【図4】懸賞応募権コード管理データベースを示す図である。
【図5】懸賞応募権生成処理の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】懸賞応募権生成処理の動作のイメージを示す図である。
【図7】懸賞受け付け処理の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】懸賞受け付け処理の動作のイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
[懸賞管理装置1の構成]
初めに、図1を参照して、本発明の懸賞管理装置1の構成について説明する。懸賞管理装置1は、懸賞応募権生成部2と、懸賞管理部3と、記憶部4と、を含んで構成される。
【0025】
<懸賞応募権生成部2>
懸賞応募権生成部2は、懸賞に応募するための権利である懸賞応募権を生成する。ここで、懸賞応募権は、所定桁(例えば、16桁)の文字列からなる懸賞応募権識別符号により識別され、ユーザは、この懸賞応募権識別符号を伴って懸賞に応募することで、適切な懸賞応募を行うことができる。
懸賞応募権生成部2は、懸賞応募権を識別する懸賞応募権識別符号を生成するため、生成要求受付手段21と、疑似乱数発生手段22と、並替前識別符号生成手段23と、並替パターン抽出手段24と、並替手段25と、配布用識別符号生成手段26と、を含む。
なお、本実施形態では、懸賞応募権識別符号を構成する文字列にテンキーのみで入力可能な数字を用いることとしているが、数字に限られるものではなく、アルファベットなどの文字列を用いることとしてもよい。
【0026】
生成要求受付手段21は、懸賞管理装置1の管理者から、懸賞の種別を識別する6桁(第1桁数)の数字からなるキャンペーンコード(懸賞識別符号)及び当該懸賞の応募想定数の指定を伴った懸賞応募権識別符号の生成要求を受け付ける。
【0027】
疑似乱数発生手段22は、生成要求受付手段21が受け付けた生成要求に基づいて、8桁(第2桁数)の数字からなる疑似乱数を重複することなく応募想定数分生成する。なお、疑似乱数発生手段22は、従来周知の方法により疑似乱数を生成することができる。
【0028】
並替前識別符号生成手段23は、6桁のキャンペーンコードと8桁の疑似乱数とを統合することで14桁の数字から構成される並替前識別符号を応募想定数分生成する。ここで、キャンペーンコードと疑似乱数との統合は、キャンペーンコードの後ろに疑似乱数を追加すること、又は疑似乱数の後ろにキャンペーンコードを追加することにより行うことができる。すなわち、並替前識別符号は、「キャンペーンコード(6桁)、疑似乱数(8桁)」又は「疑似乱数(8桁)、キャンペーンコード(6桁)」により表される。
なお、キャンペーンコードは、応募想定数分の疑似乱数に対して1つ設定される。すなわち、応募想定数分の並替前識別符号に含まれるキャンペーンコードは全て同じである。
【0029】
並替パターン抽出手段24は、後述する並替パターン管理データベース42から1の並替パターンを抽出する。ここで、並替パターンとは、文字列に含まれる文字の順序を並び替える法則を識別する2桁(第4桁数)の数字であり、「00」〜「99」までの100通り設けられている。並替パターン抽出手段24は、100通りの並替パターンから任意の方法で(例えば、2桁の疑似乱数に基づき)1の並替パターンを抽出する。
【0030】
並替手段25は、並替パターン抽出手段24が抽出した1の並替パターンが規定する並び替え法則に基づいて、応募想定数分生成された14桁の並替前識別符号に含まれる数字の順序を並び替える。すなわち、応募想定数分の並替前識別符号は、同一の並び替え法則に基づいて並び替えられる。
【0031】
配布用識別符号生成手段26は、並替手段25により並び替えられた14桁の数字に並替パターンを識別する2桁の数字を加えることにより、16桁の数字からなる懸賞応募権識別符号を応募想定数分生成する。
このとき、配布用識別符号生成手段26は、並び替えられた14桁の数字の所定の桁に並替パターンを識別する数字を加えることとしてもよい。並替パターンを加える所定の桁は、任意に設定することができ、例えば、並替パターンごとに異なる桁とすることができる。また、2桁の数字からなる並替パターンをまとめて所定の桁に加えることとしてもよく、1の桁の数字と10の桁の数字と区分けし、それぞれを個別に設定された所定の桁にに加えることとしてもよい。
配布用識別符号生成手段26は、生成した懸賞応募権識別符号を後述の懸賞応募権コード管理データベース43に記憶する。
【0032】
以上のように懸賞応募権生成部2では、16桁の数字からなる懸賞応募権識別符号を応募想定数分生成する。懸賞応募権生成部2により生成された懸賞応募権識別符号は、代理店などを介して所定の方法でユーザへ配布される。
【0033】
<懸賞管理部3>
懸賞管理部3は、ユーザから懸賞応募権識別符号を伴う懸賞の応募を受け付けるとともに、受け付けた懸賞応募に基づいて懸賞の管理(抽選)を行う。
懸賞管理部3は、懸賞応募受付手段31と、認証手段32と、並替復元手段33と、懸賞処理手段34と、を含む。
【0034】
懸賞応募受付手段31は、ユーザ(ユーザ端末)から16桁の数字(懸賞応募権識別符号)を伴う懸賞の応募を受け付ける。ここで、懸賞応募受付手段31は、例えば、所定の入力欄を有する懸賞応募用ホームページを介して、16桁の数字を伴う懸賞の応募を受け付けることができる。
【0035】
認証手段32は、懸賞応募受付手段31が受け付けた16桁の数字が、懸賞応募権生成部2で生成された懸賞応募権識別符号と一致するか否かを認証する。具体的には、認証手段32は、懸賞応募受付手段31が受け付けた16桁の数字が、懸賞応募権コード管理データベース43に記憶された懸賞応募権識別符号と一致するか否かを認証する。その結果、一致する場合には、ユーザ(ユーザ端末9)から受け付けた懸賞の応募を正当な応募と評価し、一致しない場合には、ユーザ(ユーザ端末9)から受け付けた懸賞の応募を不当な応募と評価する。
認証手段32は、正当な応募と評価すると、この懸賞応募に含まれる懸賞応募権識別符号の懸賞応募権の有効性を消し込む。具体的には、後述する懸賞応募権コード管理データベース43の有効フラグを更新する。これにより、同じ懸賞応募権識別符号に基づく懸賞の応募を防止することができる。
また、認証手段32は、不当な応募と評価すると、この懸賞応募を無効とする。
【0036】
並替復元手段33は、認証手段32により正当と評価された懸賞応募に含まれていた16桁の懸賞応募権識別符号を6桁のキャンペーンコードと8桁の疑似乱数と2桁の並替パターンと、に復元する。
具体的には、並替復元手段33は、懸賞応募権識別符号から2桁の並替パターンを抽出し、14桁の並替後の識別符号と2桁の並替パターンとを抽出する。その後、2桁の並替パターンの規定する並び替えの法則に基づいて、並替後の識別符号を並替前識別符号に復元し、復元した並替前識別符号から6桁のキャンペーンコードと8桁の疑似乱数とを抽出する。
【0037】
懸賞処理手段34は、認証手段32により正当と評価された懸賞応募について所定の懸賞抽選を行い、懸賞の当否を判定する。所定の懸賞抽選は、任意の方法で行うことができ、また、所定の懸賞抽選を行うタイミングも任意に設定することができる。
【0038】
以上のように懸賞管理部3では、16桁の数字からなる懸賞応募権識別符号を伴って懸賞の応募を受け付け、正当な懸賞応募についてのみ懸賞抽選を行う。その結果、懸賞に当選したユーザには、代理店などを介して所定の方法で懸賞品が提供される。
【0039】
<記憶部4>
記憶部4は、多数の懸賞をまとめて管理するために各種データを記憶し、キャンペーンコード管理データベース41と、並替パターン管理データベース42と、懸賞応募権コード管理データベース53と、を含む。
【0040】
キャンペーンコード管理データベース41は、図2に示すようにキャンペーンコードに対応付けて懸賞を行うキャンペーン名及び懸賞の応募想定数などを記憶する。キャンペーンコード管理データベース41は、キャンペーンを行う事業者からの依頼を受けた懸賞管理装置1の管理者により適宜更新される。
【0041】
並替パターン管理データベース42は、図3に示すように並替パターンに対応付けて並び替えの法則などを記憶する。なお、並替パターン管理データベース42は、並替パターンに対応付けて、懸賞応募権識別符号内における並替パターンの桁数を記憶することとしてもよい。
【0042】
懸賞応募権コード管理データベース43は、図4に示すように、懸賞応募権識別符号に対応付けて、懸賞応募権の有効性を判別する有効フラグ、懸賞応募権識別符号を伴う懸賞の応募者、懸賞の応募日時及び懸賞の応募期限などを記憶する。懸賞応募権コード管理データベース43は、配布用識別符号生成手段26が生成した懸賞応募権識別符号を記憶するととともに、認証手段32により正当な懸賞応募と評価された懸賞応募権識別符号に対応する各種情報を更新する。
【0043】
[懸賞管理装置1のハードウェア構成]
以上説明した懸賞管理装置1のハードウェアは、1又は複数の一般的なコンピュータによって構成することができる。一般的なコンピュータは、例えば、制御部として、中央処理装置(CPU)を備える他、記憶部として、メモリ(RAM、ROM)、ハードディスク(HDD)及び光ディスク(CD、DVDなど)を、ネットワーク通信装置として、各種有線及び無線LAN装置を、表示装置として、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの各種ディスプレイを、入力装置として、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボールなど)を適宜備え、これらは、バスラインにより接続されている。このような一般的なコンピュータにおいて、CPUは、懸賞管理装置1を統括的に制御し、各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0044】
[懸賞管理装置1の動作]
続いて、図5〜図8を参照して、本発明の懸賞管理装置1の動作について説明する。図5は、懸賞応募権生成処理の流れを示すフローチャートであり、図6は、懸賞応募権生成処理の動作のイメージを示す図であり、図7は、懸賞受け付け処理を示すフローチャートであり、図8は、懸賞受け付け処理の動作のイメージを示す図である。
【0045】
<懸賞応募権生成処理>
初めに、図5及び図6を参照して、懸賞応募権生成処理について説明する。
【0046】
S1:生成要求受付手段21は、懸賞管理装置1の管理者から、懸賞の種別を識別するキャンペーンコード及び当該懸賞の応募想定数の指定を伴った懸賞応募権識別符号の生成要求を受け付ける。
このとき生成要求受付手段21は、図6に示すように、生成要求に対応する6桁の数字からなるキャンペーンコードをキャンペーンコード管理データベース41から取得する。
【0047】
S2:続いて、疑似乱数発生手段22は、疑似乱数を発生し、並替パターン抽出手段24は、並替パターンを抽出する。
このとき、疑似乱数発生手段22は、図6に示すように、8桁の数字からなるユニークな疑似乱数をS1で受け付けた応募想定数分発生する。また、並替パターン抽出手段24は、並替パターン管理データベース42から2桁の数字からなる1つの並替パターンを抽出する。
【0048】
S3:続いて、並替前識別符号生成手段23は、キャンペーンコードと疑似乱数とから並替前識別符号を生成する。
例えば、並替前識別符号生成手段23は、図6に示すように、応募想定数分の疑似乱数の前に同一のキャンペーンコードを付加することで、14桁の数字からなる並替前識別符号を応募想定数分だけ生成する。その結果、「キャンペーンコード(6桁)、疑似乱数(8桁)」で表される並替前識別符号が応募想定数分生成される。
【0049】
S4:続いて、並替手段25は、S2で抽出した並替パターンが規定する並び替え法則に基づいて、S3で生成した並替前識別符号を並び替える。
その結果、図6に示すように、14桁の数字からなる並替後識別符号が応募想定数分生成される。
【0050】
S5:続いて、配布用識別符号生成手段26は、S4で生成した並替後識別符号に並替パターンを追加し、懸賞応募権識別符号を生成する。
例えば、図6に示すように、配布用識別符号生成手段26は、14桁の数字からなる並替後識別符号に2桁の数字からなる並替パターンを加えることで、16桁の数字からなる懸賞応募権識別符号を生成する。このとき、配布用識別符号生成手段26は、並替後識別符号の所定の桁に並替パターンを識別する数字を加える。なお、並替パターンを加える所定の桁は、任意に設定することができ、例えば、並替パターンごとに異なる桁とすることとしてもよく、並替パターンに関わらず同じ桁に加えることとしてもよい。
配布用識別符号生成手段26は、生成した懸賞応募権識別符号を懸賞応募権コード管理データベース43に記憶する。
【0051】
S6:続いて、懸賞管理装置1は、S5で生成した懸賞応募権識別符号を配布する。
このとき、図6に示すように、懸賞応募権識別符号をキャンペーンごとにユーザに配布する。なお、懸賞応募権識別符号の配布は、代理店などを介して所定の方法で行うことができる。
【0052】
<懸賞受け付け処理>
続いて、図7及び図8を参照して、懸賞受け付け処理について説明する。
【0053】
S11:初めに、懸賞応募受付手段31は、16桁の数字を伴う懸賞の応募を受け付ける。
例えば、懸賞応募受付手段31は、図8に示すように、ユーザから16桁の数字を伴う懸賞の応募を受け付ける。このとき、懸賞応募受付手段31は、例えば、所定の入力欄を有する懸賞応募用ホームページを介して懸賞の応募を受け付ける。
【0054】
S12:続いて、認証手段32は、S11で受け付けた懸賞応募権識別符号の認証を行う。
例えば、認証手段32は、図8に示すように、S11で受け付けた16桁の数字が懸賞応募権コード管理データベース43に記憶された懸賞応募権識別符号と一致するか否かを認証する。このとき、受け付けた16桁の数字が懸賞応募権コード管理データベース43に記憶された懸賞応募権識別符号と一致しない場合には、認証手段32は、懸賞の応募を不当なものと評価し、処理を終了する。一方、受け付けた16桁の数字が懸賞応募権コード管理データベース43に記憶された懸賞応募権識別符号と一致する場合には、認証手段32は、懸賞の応募を正当なものと評価し、この懸賞応募に含まれる懸賞応募権識別符号の懸賞応募権の有効性を消し込む。
【0055】
S13:続いて、並替復元手段33は、S11で受け付けた懸賞応募権識別符号の復元を行う。
具体的には、並替復元手段33は、図8に示すように、懸賞応募権識別符号から並替パターンを抽出し、14桁の数字からなる並替後識別符号と2桁の数字からなる並替パターンとを抽出する。ここで、並替パターンの抽出は、並替パターンごとに設定された追加桁に基づいて行うことができる。その後、並替パターンの規定する並び替えの法則に基づいて、並替後識別符号をキャンペーンコードと疑似乱数とに復元することで、16桁の数字からなる懸賞応募権識別符号を6桁の数字からなるキャンペーンコードと8桁の数字からなる疑似乱数と2桁の数字からなる並替パターンとに復元する。
【0056】
S14:続いて、懸賞処理手段34は、所定の懸賞抽選を行い、懸賞の当否を判定する。その結果、懸賞に当選したユーザには、代理店などを介して所定の方法で懸賞品が提供される。
【0057】
[懸賞管理装置1の効果]
以上のような懸賞管理装置1によれば、疑似乱数に懸賞を識別するキャンペーンコードを含めて懸賞応募権識別符号を生成する。これにより、多数の懸賞を纏めて管理した場合であっても、キャンペーンコードに基づいてそれぞれの懸賞を適切に管理することができる。
このとき、懸賞管理装置1では、疑似乱数にキャンペーンコードを単に付加するのではなく、疑似乱数とキャンペーンコードとを並替パターンに基づいて並び替えて懸賞応募権識別符号を生成する。これにより、生成された懸賞応募権識別符号の一部が全く同一の文字列(キャンペーンコード)となってしまうことを防止できる。その結果、ユーザによる他の懸賞応募権識別符合の予測を困難にすることができ、同一人による多数の懸賞応募を防止できる。
よって、多数の懸賞をまとめて管理するために、キャンペーンコードを用いて懸賞応募権識別符号を生成した場合であっても、生成した懸賞応募権識別符号の文字列をの並びの予測を困難にすることができる。また、懸賞応募権識別符号に疑似乱数を含めるため、懸賞応募権識別符号の文字列の並びをランダム(連番としない)にすることができるとともに、疑似乱数とキャンペーンコードとからなる並替前識別符号を同一の並替パターンで並び替えるために、同一の文字列からなる懸賞応募権識別符号が複数生成されてしまうことを回避(衝突回避)することができる。
また、懸賞管理装置1では、並替パターンを識別する数字を加える桁数を任意に変更することができるため、第三者に並替パターンが判明してしまうことを防止でき、生成した懸賞応募権識別符号の並びの予測を困難にすることができる。
【0058】
そして、懸賞管理装置1では、懸賞応募の条件に懸賞応募権識別符号の入力を条件としたため、同一人による多数の懸賞応募を防ぐことができる。このとき、懸賞管理装置1は、懸賞応募権識別符号を数字で生成するため、ユーザは、テンキーのみを用いて入力することができ、利便性を高めることができる。
また、懸賞管理装置1では、ユーザから懸賞応募権識別符号の入力を伴う懸賞応募を受け付けると、受け付けた懸賞応募権識別符号をキャンペーンコードと疑似乱数と並替パターンとに復元する。その結果、管理者は、受け付けた懸賞応募の属するキャンペーン種別を把握することができ、それぞれの懸賞を適切に区別しつつ、多数の懸賞をまとめて管理することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0060】
1 懸賞管理装置
2 懸賞応募権生成部
21 生成要求受付手段
22 疑似乱数発生手段
23 並替前識別符号生成手段
24 並替パターン抽出手段
25 並替手段
26 配布用識別符号生成手段
3 懸賞管理部
31 懸賞応募受付手段
32 認証手段
33 並替復元手段
34 懸賞処理手段
4 記憶部
41 キャンペーンコード管理データベース
42 並替パターン管理データベース
43 懸賞応募権コード管理データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸賞に応募するための懸賞応募権を識別する懸賞応募権識別符号に基づいて、複数種類の懸賞を管理する懸賞管理装置であって、
懸賞を識別する第1桁数の文字列からなる懸賞識別符号及び当該懸賞の応募想定数の指定を伴った懸賞応募権識別符号の生成要求を受け付ける生成要求受付手段と、
前記生成要求に基づいて、第2桁数の文字列からなる疑似乱数を前記指定をされた応募想定数分発生する疑似乱数発生手段と、
前記懸賞識別符号及び前記疑似乱数を統合することで、前記指定をされた応募想定数分の並替前識別符号を生成する並替前識別符号生成手段と、
文字列に含まれる文字の順序を並び替える法則を識別する第3桁数の文字列からなる並替パターンを複数記憶する並替パターン管理データベースから、1の並替パターンを抽出する並替パターン抽出手段と、
前記並替パターンに基づいて、前記並替前識別符号に含まれる文字の順序を並び替える並替手段と、
前記並替手段により並び替えられた文字列に前記並替パターンを識別する第3桁数の文字列を加えることにより、第4桁数の文字列からなる前記懸賞応募権識別符号を前記指定をされた応募想定数分生成する配布用識別符号生成手段と、
を備える懸賞管理装置。
【請求項2】
前記文字列は数字である、請求項1に記載の懸賞管理装置。
【請求項3】
前記配布用識別符号生成手段は、前記並替手段により並び替えられた文字列の所定の桁に前記並替パターンを識別する第3桁数の文字列を加えることで、前記懸賞応募権識別符号を生成する、請求項1又は2に記載の懸賞管理装置。
【請求項4】
前記配布用識別符号生成手段が生成した前記懸賞応募権識別符号を記憶する懸賞応募権コード管理データベースと、
前記懸賞応募権識別符号を伴う懸賞の応募を受け付けると、前記懸賞応募権コード管理データベースを参照して、当該応募の正当性を評価する認証手段と、
を備える請求項1から3の何れかに記載の懸賞管理装置。
【請求項5】
前記認証手段により正当性が認証された応募に対応する前記懸賞応募権識別符号を前記第1桁数の文字列からなる懸賞識別符号及び前記第2桁数からなる疑似乱数に復元する並替復元手段、を備える請求項4に記載の懸賞管理装置。
【請求項6】
懸賞に応募するための懸賞応募権を識別する懸賞応募権識別符号に基づいて、複数種類の懸賞を管理する懸賞管理装置が行う方法であって、
懸賞を識別する第1桁数の文字列からなる懸賞識別符号及び当該懸賞の応募想定数の指定を伴った懸賞応募権識別符号の生成要求を受け付けるステップと、
前記生成要求に基づいて、第2桁数の文字列からなる疑似乱数を前記指定をされた応募想定数分発生するステップと、
前記懸賞識別符号及び前記疑似乱数を統合することで、前記指定をされた応募想定数分の並替前識別符号を生成するステップと、
文字列に含まれる文字の順序を並び替える法則を識別する第3桁数の文字列からなる並替パターンを複数記憶する並替パターン管理データベースから、1の並替パターンを抽出するステップと、
前記並替パターンに基づいて、前記並替前識別符号に含まれる文字の順序を並び替えるステップと、
並び替えられた文字列に前記並替パターンを識別する第3桁数の文字列を加えることにより、第4桁数の文字列からなる前記懸賞応募権識別符号を前記指定をされた応募想定数分生成するステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−141659(P2012−141659A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292033(P2010−292033)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)