説明

成型された微細構造物品及びその製造方法

本明細書には、鋳込みにより製造できる微細構造物品を開示する。微細構造物品は、モノマー組成物の開環メタセシス重合(ROMP)により形成される架橋不飽和ポリマーを含んでもよく、このモノマー組成物は、少なくとも1つの反応性二重結合を有する環式モノマーを含有する。微細構造物品は、約2mm未満、又は約500μm未満の寸法を有する少なくとも1つの微細構造フィーチャを含む点で構造物品であり得る。微細構造物品は、複数のそのような微細構造フィーチャを含んでもよい。本明細書には、微細構造物品の製造方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互対照)
本願は、本願と同一日に出願の、同一出願人による同時係属中の「Polymeric Molds and Articles Made Therefrom」と題されたRule et al.による米国特許出願第61/074,428号に関連する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、成型された微細構造物品、より詳細には、環状オレフィンポリマーから形成される成型微細構造物品に関する。
【背景技術】
【0003】
微細構造物品は、一般に、1つ以上の微細構造フィーチャ、即ち数ミリメートル未満の寸法を有する少なくとも1つのフィーチャを備える物品を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的な微細構造物品はポリマーからなり、研磨物品、摩擦制御物品、及び光学物品を含む。微細構造物品は様々な製造方法を用いて形成することができるが、製造方法に関わらず、微細構造フィーチャは物品が所望通りに機能できるようにポリマーによって十分に充填される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書には、鋳込みにより製造することができる微細構造物品を開示する。微細構造物品はモノマー組成物の開環メタセシス重合(ROMP)により形成される架橋不飽和ポリマーを含んでもよく、そのモノマー組成物は、少なくとも1つの反応性二重結合を有する環式モノマーを含有する。
【0006】
微細構造物品の製造方法も開示し、本方法は、微細構造鋳型を提供することと、少なくとも1つの反応性二重結合を有する環式モノマーと、メタセシス触媒系と、を含有するモノマー組成物を提供することと、微細構造鋳型の表面をモノマー組成物と接触させることと、モノマー組成物を重合して架橋不飽和ポリマーを含む成型微細構造物品を形成することと、を含む。
【0007】
微細構造物品は、約2mm未満又は約500μm未満の寸法を有する少なくとも1つの微細構造フィーチャを含む点で、構造化されたものであり得る。微細構造物品は、複数のそのような微細構造フィーチャを含んでもよい。製造可能な微細構造物品の例としては、光ガイド、輝度上昇フィルム、再帰反射フィルム、及びマイクロ流体デバイスが挙げられる。製造可能な微細構造物品の他の例としては、複数の研磨複合体を有する研磨物品が挙げられ、研磨複合体のそれぞれはバインダー中に分散された複数の砥粒を含む。製造可能な微細構造物品の更なる他の例としては、複数のステムを有する摩擦制御物品が挙げられ、各ステムは、乾燥時、少なくとも約0.6の静摩擦係数を提供する。
【0008】
本発明のこれらの態様及び他の態様について、以下の「発明を実施するための形態」に記載する。上記の概要は、いかなる場合にも特許請求される発明の主題を限定するものとして解釈されるべきではなく、発明の主題は本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本明細書に開示する微細構造物品を製造するための典型的なプロセスの流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示する微細構造物品は、鋳型の製造方法と共に多数の利点を提供する。微細構造物品は、良好な物理的強度及び強靱性を有することができ、それにより微細構造鋳型からきれいに除去されることができる。微細構造物品の形成に使用される微細構造鋳型の表面複製は、他の種類の化学的構造を含む複製と比較して効率的な場合があり、それにより物品硬化の待ち時間による時間損失が低減する。したがって、微細構造物品及び物品の製造方法は、連続的な鋳込み及び硬化のような急速製造プロセスを可能にすることができる。微細構造物品の形成に使用されるモノマー組成物は一般に低い粘度を有し、それによりモノマー組成物は様々な鋳型設計における微細構造を全部又はほぼ全部充填することができる。モノマー組成物は、例えば熱可塑性ポリマーからなる粘性組成物と比較して、製造プロセス中に比較的容易に脱気することができる。モノマー組成物は硬化による収縮を殆ど又は全く示さない可能性がある。ROMP用いて微細パターン化物品又は微細構造物品を形成することにより、例えば電子機器用途での使用に適した成型物品のナノ加工が可能となり得る。
【0011】
一般に、本明細書に開示する微細構造物品は、オレフィンメタセシス触媒により開始されるシクロアルケンの開環メタセシス重合により調製された1種以上のポリマーを含む。例えばJ.I.Kroschwitz,ed.,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Vol.9,John Wiley & Sons,Inc.,U.S.A.,1987,p.634のK.J.Ivin,「Metathesis Polymerization」を参照されたい。シクロアルケンモノマーのメタセシス重合は、一般に、不飽和直鎖主鎖を有する架橋ポリマーを与える。ポリマーの反復主鎖単位の不飽和の程度は、モノマーの不飽和の程度と同一である。例えば、適切な触媒の存在下でノルボルネン反応物により、得られるポリマーは、
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、aは、ポリマー鎖内の反復モノマー単位の数である)で表すことができる。他の例では、ジシクロペンタジエン等のジエンを用いて適切な触媒の存在下で、得られるポリマーは、
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、b+cは、重合したモノマーのモル数であり、c/(b+c)は、両方の反応部位において開環するモノマー単位のモル比率である)で表すことができる。上記の反応に示すように、ジエン、トリエン等のメタセシス重合は、架橋ポリマーを生じることができる。メタセシス重合に使用し得る代表的なシクロアルケンモノマー、触媒、手順等は、例えばIvin、米国特許第4,400,340号(Klosiewicz)、米国特許第4,751,337号(Espy et al.)、米国特許第5,849,851号(Grubbs et al.)、米国特許第6,800,170 B2号(Kendall et al.)及び米国特許第2007/0037940 A1号(Lazzari et al.)に記載されている。
【0016】
本明細書に開示する微細構造物品は、それぞれ、少なくとも1つの反応性二重結合を有する環式モノマーの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含む。本明細書で使用されるとき、二重結合は、上記の参考文献に記載されているような典型的な反応条件下でROMPを受け得る場合に反応性であると考えられる。本明細書で使用されるとき、環式モノマーは少なくとも1つの環式基を有するモノマーを指し、二環式及び三環式を含んでもよい。環式モノマーの混合物を使用してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示する微細構造物品は、それぞれ、ノルボルニレン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、テトラシクロ[6,2,13,6,02,7]ドデカ−4,9−ジエン、並びに脂肪族基、芳香族基、エステル、アミド、エーテル、及びシランを含む置換基を有するそれらの誘導体からなる群より選択される環式モノマーの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含む。例えば、微細構造物品は、本質的にジシクロペンタジエンからなる環式モノマーの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示する微細構造物品は、それぞれ、少なくとも2種の異なる環式モノマーの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含んでもよく、少なくとも2種の異なる環式モノマーのそれぞれは、ノルボルニレン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、テトラシクロ[6,2,13,6,02,7]ドデカ−4,9−ジエン、並びに脂肪族基、芳香族基、エステル、アミド、エーテル、及びシランを含む置換基を有するそれらの誘導体からなる群より選択される。例えば、微細構造物品は、ジシクロペンタジエンとノルボルニレン、ジシクロペンタジエンとアルキルノルボルニレン、又はジシクロペンタジエンとエチリデンノルボルネンの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含んでもよい。
【0019】
有用なアルキルノルボルニレンは、式
【0020】
【化3】

【0021】
(式中、Rは、1〜12個の炭素原子、例えば6個の炭素原子を含むアルキル基である)により表すことができる。典型的な微細構造物品は、約10:90〜約50:50の重量比のジシクロペンタジエンとヘキシルノルボルネンとの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含み得る。別の典型的な微細構造物品は、約30:70〜約70:30の重量比のジシクロペンタジエンとシクロオクテンとの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含み得る。
【0022】
環式モノマーの更なる例には、以下の多環式ジエンが挙げられる。
【0023】
【化4】

【0024】
(式中、Xは、0〜20個の炭素原子を有する2価脂肪族基又は芳香族基であり、Xは、0〜20個の炭素原子を有する多価脂肪族基又は芳香族基であり、場合による基Yは、エステル、アミド、エーテル、及びシランからなる群より選択される2価官能基であり、zは2以上である)
ジエン、トリエン等のメタセシス重合により、ジシクロペンタジエンに関して上述したような架橋ポリマーが生じ得る。架橋が起こる程度は、異なるモノマーの相対的な量と、それらのモノマー内の反応性基の変換とに依存し、その反応性基の変換は、時間、温度、触媒選択、及びモノマー純度を含む反応条件の影響を受ける。一般に、少なくともいくつかの架橋は、微細構造物品の正確な寸法を維持することが望ましい。架橋の存在は、微細構造物品がトルエン等の数種の溶媒に溶解しないが、それらの溶媒中で膨潤し得る場合に示される。また、架橋ポリマーは熱硬化性であり、熱可塑性ではなく、加熱後に流動するようにされ得ない。一般に、微細構造物品は架橋の量が増加するにつれ剛性となり、それ故、所望される架橋の量は、物品の所望の剛性に依存し得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示する微細構造物品は、それぞれ、架橋剤(少なくとも2つの反応性二重結合を含む多環式モノマー)と一官能性モノマーとの開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含んでもよい。例えば、不飽和ポリマーはジシクロペンタジエン及び一官能性モノマーを含有してもよい。一官能性モノマーは、シクロオクテン、シクロペンタジエン、アルキルノルボルネン、及びそれらの誘導体からなる群より選択されてもよい。モノマー組成物はまた、モノマー組成物の総重量に対して約0.1〜約75重量%の架橋剤を含有してもよい。架橋剤としてジシクロペンタジエンを使用する場合、有用な量は、モノマー組成物の総重量に対して約10〜約75重量%のジシクロペンタジエンである。架橋剤として、上記に示した多環式ジエンを使用する場合、有用な量は、モノマー組成物の総重量に対して約0.1〜約10重量%である。
【0026】
微細構造物品の作製に少なくとも2種の異なる環式モノマーを使用する実施形態では、モノマーの相対的な量は、特定のモノマーと、物品の所望の特性とに応じて変動し得る。不飽和ポリマーは、両方ともポリマーの総重量に対して約0〜約100重量%の多官能性多環式モノマーと約0〜約100重量%の一官能性環式モノマーとを含有してもよい。いくつかの実施形態において、多官能性多環式モノマーと一官能性環式モノマーとのモル比は、約1:3〜約1:7を含む。
【0027】
所定の微細構造物品の所望される物理的特性を用いて、物品の不飽和ポリマーの形成に使用する特定のモノマーを選択し得る。2種以上のモノマーを使用する場合、その物理的特性は使用するモノマーの相対的な量にも影響され得る。考慮する必要があり得る物理的特性は、Tg及びヤング率を含む。例えば剛性の微細構造物品を所望する場合、特定のモノマーと、2種以上のモノマーが使用される場合はそれらの相対的な量とが、不飽和ポリマーが約25℃を越えるTgと約100MPaを越えるヤング率とを有するように選択され得る。
【0028】
微細構造物品の製造のためにコモノマーの相対的な量を選択する際、不飽和ポリマーのガラス転移温度に対する各モノマーの寄与により、適切な比を選択することができる。剛性の微細構造物品を所望する場合、不飽和ポリマーは約25℃を越えるTgと約100MPaを越えるヤング率とを有し得る。剛性の物品の作製に使用し得るモノマーは、本明細書に記載した任意のもの、特にノルボルニレン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、及びトリシクロペンタジエンを含み、ジシクロペンタジエンが特に好ましい。任意の量の架橋が存在してもよい。
【0029】
可撓性物品を所望する場合、不飽和ポリマーは約25℃未満のTgと約100MPa未満のヤング率とを有し得る。可撓性物品の作製に使用し得るモノマーは、架橋剤と一官能性環式モノマーとの組み合わせを含んでもよい。可撓性物品の作製に使用し得るモノマーは、本明細書に記載した任意のもの、特にジシクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロペンテン、及びRが1〜12個の炭素原子を含む、上述したもののようなアルキルノルボルニレンを含む。モノマー組成物は、モノマー組成物の総重量に対して約0.1〜約75重量%の架橋剤を含有してもよく、好ましい量は、約1〜約50重量%、又は約20〜約50重量%を含む。典型的な可撓性微細構造物品は、約30:70〜約70:30、好ましくは約50:50の重量比のジシクロペンタジエンとシクロオクテンとを含む。別の典型的な可撓性微細構造物品は、約10:90〜50:50、好ましくは約20:80〜約40:60の重量比のジシクロペンタジエンとヘキシルノルボルニレンとを含む。
【0030】
微細構造物品は、モノマー組成物から調製される。上述したモノマー以外に、モノマー組成物はメタセシス触媒、例えば、上記の参考文献に記載されている触媒を含有する。グラブス触媒及びグラブス−ホベイダ触媒の型を含む、ルテニウム、オスミウム、及びレニウム触媒等の遷移金属カルベン触媒を使用することができる。例えば米国特許第5,849,851号(Grubbs et al.)を参照されたい。
【0031】
いくつかの実施形態において、モノマー組成物は、式
【0032】
【化5】

【0033】
(式中、
Mは、Os及びRuからなる群より選択され、
R及びRは、水素及び置換基からなる群より独立して選択され、前記置換基はC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルコキシカルボニル、アリール、C〜C20カルボキシレート、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルケニルオキシ、C〜C20アルキニルオキシ及びアリールオキシからなる群より選択され、前記置換基は、場合により、C〜Cアルキル、ハロゲン、C〜Cアルコキシ及びフェニルからなる群より選択される部分で置換されてもよく、前記フェニルは、場合により、ハロゲン、C〜Cアルキル及びC〜Cアルコキシからなる群より選択される部分で置換されてもよく、
X及びXは、任意のアニオン性リガンドから独立して選択され、
L及びLは、式PRの任意のホスフィンから独立して選択され、Rはネオフィル、第2級アルキル及びシクロアルキルからなる群より選択され、R及びRはアリール、ネオフィル、C〜C10第1級アルキル、第2級アルキル及びシクロアルキルからなる群より独立して選択される)の化合物を含むメタセシス触媒系を含有する。
【0034】
メタセシス触媒系はまた遷移金属触媒及び有機アルミニウム活性剤を含んでもよい。遷移金属触媒は、それらのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、及び酸化物を含むタングステン又はモリブデンを含んでもよい。特に好ましい触媒の1つは、WClである。有機アルミニウム活性剤は、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハロゲン化物、又はアルキルアルミニウムジハロゲン化物を含んでもよい。有機スズ及び有機鉛化合物、例えば、テトラアルキルスズ及びアルキルスズヒドリドも活性剤として使用することができる。1つの特に好ましい触媒系は、WCl/(CAlClを含む。
【0035】
特定の触媒系の選択及び使用される量は、使用される特定のモノマー及び望ましい反応条件、望ましい硬化速度等に依存し得る。詳細には、上述したオスミウム及びルテニウム触媒を、不飽和ポリマーの総重量に対して約0.001〜約0.3重量%の量で含有することが望ましいことがある。シクロオクテンを含有するモノマー組成物の場合、オスミウム及びルテニウム触媒が使用され得る。微細構造物品が無色の光学物品を含む場合、触媒の量を、モノマー組成物の総重量に対して約0.03重量%未満の量に制限することが望ましいことがある。ジシクロペンタジエン及びアルキルノルボルニレンを含有するモノマー組成物の場合、タングステンを含むメタセシス触媒系が有用である。
【0036】
モノマー組成物は、更なる成分を含有してもよい。例えば、メタセシス触媒系がWCl/(CAlClを含む場合、Ivinに記載されているように、水、アルコール、酸素、又は任意の酸素含有化合物を加えて、触媒系の活性を増大させてもよい。他の添加剤には、キレート化剤、ルイス塩基、可塑剤、無機充填剤、及び酸化防止剤、好ましくはフェノール性抗酸化剤を挙げることができる。
【0037】
微細構造物品の寸法安定性を最大にするために、配合物中に溶媒が含まれないことが望ましい。触媒系のいくつかの成分の初期溶解を補助するために溶媒を使用する場合、混合物の重合前に、溶媒を真空下で除去することが望ましい。
【0038】
モノマー組成物が環境湿度と酸素に敏感である場合、反応溶液を不活性条件下で維持することが望ましい。混合後、重合が急速で空気への暴露が最小である限り、モノマー組成物を空気で満たされた鋳型内に注入してもよい。好ましくは、モノマー組成物を導入するのに先だって鋳型を窒素等の不活性ガスでパージしてもよい。重合は室温で起こることができ、又は重合を加速するのに熱を使用してもよい。
【0039】
本明細書に開示する微細構造物品の形成に使用し得る鋳型は、一般に成形、構成等が行われて微細構造物品の負の鋳型となる。有用な鋳型はポリマー、セラミック、金属等の任意の所望の材料を含み得る。いくつかの実施形態において、例えばフィルム様の微細構造物品を所望する場合、鋳型は十分な重合が起こる前に、場合による側壁を有する構造表面を提供してモノマー組成物を収容する必要があるのみであり得る。モノマー組成物は、被覆、流し込み等により、任意の凹部を完全に及び/又は部分的に充填し得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、鋳型は射出鋳型又は圧縮鋳型を含んでもよい。この場合、鋳型は、互いに一致する2つの半分を含んでもよい。射出鋳型において、モノマー組成物は、射出ポートを介して鋳型の空洞内に射出され、一般に空気、窒素等を逃すためのいくつかの出力ポート(output port)が存在する。空洞の充填は、出力ポートを介して取り付けられたバキュームにより促進され得る。圧縮鋳型においては、一般に、ランナー及びスプルーの系が提供されて鋳型の空洞の充填の完了を促進し、また成型物品の鋳型からの離型を可能にする。
【0041】
鋳型の少なくとも1つの表面の三次元トポグラフィーは、形状、寸法及び表面全体における分布の点で変動し得る、1つ以上のフィーチャを含んでもよい。フィーチャは、凹所、空洞、レリーフ構造、ミクロレンズ、溝、チャネル等として表現されてもよく、また矩形、六角形、立方形、半球形、円錐形、角錐形、又はこれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、鋳型の表面の三次元トポグラフィーは、約2mm未満、又は約500μm未満の寸法を有する少なくとも1つの微細構造フィーチャを含む。いくつかの実施形態において、鋳型の表面の三次元トポグラフィーは複数の微細構造フィーチャを含み、各フィーチャは、約2mm未満又は約500μm未満の寸法を有する。鋳型は、微細構造フィーチャのアレイを含んでもよい。特定の形状及び表面構造は、成型物品に関して下記に説明される。
【0042】
望ましいフィーチャは、穿孔、機械加工、レーザー穿孔、レーザーアブレーション、ミクロ接触プリンティング、リソグラフィ、鍛造、ウォータージェット加工、鋳込み、エッチング、鋳型打ち抜き(die punching)、ダイヤモンド旋削、彫刻、ローレット切り等の任意の好適な手段により、鋳型の表面に付与することができる。望ましいフィーチャはまた、多光子硬化と称されるプロセスにより、鋳型の表面に付与することができる。例えば、国際公開第2007/137102 A1号(Marttila et al.)を参照されたい。
【0043】
鋳型は、可撓性又は剛性であってもよい。鋳型の作製に使用できる有用な材料には、金属、スチール、セラミック、ポリマー材料(熱硬化性及び熱可塑性ポリマー材料を含む)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。鋳型を形成する材料は、十分な完全性及び耐久性を有して特定のモノマー組成物の使用に耐え、またそこに適用され又は重合反応で生成され得るいかなる熱にも耐える必要がある。鋳型を形成する材料は、上述した構造化に従順である必要もある。鋳型は、製造が安価であり、耐用年数が長く、一貫して許容可能な品質を有する材料を製造し、プロセスパラメータの変動を可能とするものあることが望ましい。
【0044】
図1は、本明細書に開示する微細構造物品を製造するための例示的なプロセスの流れ図10を示す。微細構造表面を有する鋳型12を提供する。モノマー組成物14を提供し、そのモノマー組成物は、上述したように、少なくとも1つの反応性二重結合を有する環式モノマーを含み得る。鋳型の表面をモノマー組成物と少なくとも部分的に接触させる。図1に示すように、鋳型は、モノマー組成物で充填されるキャビティを提供する。次に、ROMPが起こるようにモノマー組成物を重合する。得られたポリマー16は、微細構造物品を形成する。微細構造物品18を鋳型から分離する。
【0045】
いくつかの実施形態において、微細構造物品は光学物品を含む。形成され得る光学物品には、光、電磁波、又は音波等の波動を案内するよう設計された光ガイド又は導波管が挙げられる。光ガイドは、典型的には1つ以上の層を含み、光ガイドの表面は1つ以上の光抽出フィーチャを含む。例えば同一出願人による米国特許出願第11/998,831号、「Improved Light Guide」、Kinder et al.に記載されている光ガイドを参照されたい。また成形され得る光学物品には、反射及び屈折を介して光の向きを変えるよう設計された、プリズムフィルムと称されることがある輝度上昇フィルムが挙げられる。例えば、米国特許第5,828,488号(Ouderkirk et al.)及び同第5,919,551号(Cobb,Jr.et al.)を参照されたい。光ガイド及び輝度上昇フィルムの両方は、一般に、層の表面上に複数の微細構造フィーチャを有するポリマー層を含む。形成され得る他の種類の物品としては、例えばキューブコーナーシートを含むもの等の再帰反射フィルムが挙げられる。例えば、米国特許第5,691,846号(Benson,Jr.et al.)を参照されたい。再帰反射フィルムは、一般に、入射光が再帰反射されるように層の表面上に多数の相互接続したキューブコーナー要素を有するポリマー層を含む。形成され得る他の種類の物品には、ケイ素、ガラス又は石英上に形成され、そこを通って液体及び/又は気体が流れ得るマイクロチャネル(直径1mm未満)を有するマイクロ流体デバイスが挙げられる。
【0046】
いくつかの実施形態において、微細構造物品は構造研磨物品を含む。構造研磨物品の1例には、それぞれがバインダー中に分散された複数の砥粒を含む、複数の研磨複合体が挙げられる。研磨複合体は、構造研磨物品の主表面上に、例えば角錐、角柱、又は曲線形として成形されることができる。使用し得る砥粒の例には、酸化アルミニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。使用し得るバインダーの例には、ウレタン、エポキシ、及び(メタ)アクリレート等の硬化性樹脂が挙げられる。構造研磨物品の1例は、米国特許第5,152,917号(Pieper et al.)に開示されている。
【0047】
いくつかの実施形態において、微細構造物品は、摩擦制御物品を含む。摩擦制御物品は、高い摩擦特性と、良好な把持性能とを提供する。有用な摩擦制御物品は、様々な形状の可撓性直立ステムのアレイを有する軟性の微細構造表面を含む。そのようなものとして、摩擦制御物品は、例えばスチレン、イソプレン、及び/又はブタジエンのいくつかの組み合わせからなるブロックポリマー等のエストラマー材料を含んでもよい。有用な摩擦制御物品は複数のステムを含んでもよく、各ステムは、乾燥時、少なくとも約0.6の静摩擦係数を提供する。摩擦制御物品の例は、米国特許第6,610,382 B1号(Kobe et al.)及び同第6,904,615 B2号(Kobe et al.)に開示されている。
【0048】
いくつかの実施形態において、例えば構造研磨物品に関しては、モノマー組成物に裏材が適用されてもよく、それにより裏材に構造物品が接着され又は取り付けられる。裏材に適した材料には、ポリマーフィルム、紙、布、金属フィルム、繊維、不織布基材、並びにそれらの混合物及び派生物が挙げられる。
【実施例】
【0049】
実施例1.摩擦制御物品
幅1.9cm(0.75”)のステムのアレイを有する幅2.54cm(1”)のGREPTILEバッティングテープ(3M Co.製)片を長さ4.06cm(1.6”)に切断し、ガラスプレートに接着した。5.5cm×3.04cm(2.2”×1.2”)の矩形開口部を有する厚さ0.31cm(1/8”)のシリコーンシートを、スペーサとしてGREPTILEテープ上に配置した。次に、1つの角部に穴を穿孔したガラスプレートをスペーサ上に配置した。このアセンブリをバインダークリップで締め付けて閉鎖鋳型を与え、その鋳型は頂部のガラスプレート内の穴を通して充填することができた。
【0050】
HFPOは、末端基F(CF(CF)CFO))CF(CF)−を指し、ここでdは、平均で4〜20である。HFPO−CONHCHCHOCOCH=CH(HFPO−AEA)は、米国特許出願公開第2006/0216500号(Klun et al.)の調製(Preparation)31Aに記載されているように調製した。HFPO−AEA(40.00g、0.029mol)とシクロペンタジエン(2.73g、0.041mol、ジシクロペンタジエンから新たに調製)との混合物を、室温で30分間混合した。次に、混合物を55℃まで4時間加熱した。次に、この混合物を真空下に配置して過剰なシクロペンタジエンを除去した。生成物(HFPO−NB)を黄色液体(収量40.17g、97%)として得た。
【0051】
HFPO−NB(60mg)を加熱によりジシクロペンタジエン(40g、Acros)に溶解した。冷却後、混合物は透明から霞んだ状態に変化した。次に、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)クロリド(160mg、凍結乾燥した)を、Flack−Tek DAC 150 FVスピードミキサーにより60秒間混合した。Aldrich Co.からルテニウム触媒を第1世代グラブス触媒として購入した。この溶液の一部をGREPTILEをテンプレートとした鋳型に移動した。サンプルを40℃で一晩硬化させた。次に、得られたポリマーを除去し、GREPTILEテープを剥離して負のパターンを残した。次に、この鋳型をLPS Dry Film PTFE潤滑剤で処理した。
【0052】
1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(イミダゾリジニリデン)(ジクロロフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(10mg)及びキシレン(0.10mL)を用いて触媒ストック溶液を調製した。ルテニウム触媒をAldrich Co.から第2世代グラブス触媒として購入した。ジシクロペンタジエン(3g、Alfa Aesar)、シクロオクテン(3g、Acros)及びIRGANOX 1010(0.060g、Ciba)を用いて、別個の溶液を調製した。触媒溶液(0.042mL)の一部をモノマー溶液に移し、短時間混合した。次に、溶液を逆GREPTILEパターン鋳型に移動し、真空下で30秒間配置した。(真空ステップを有さない類似試験は、微細フィーチャの充填が乏しかった)真空ジャーをNで充填(backfill)し、サンプルを残留させて1時間硬化させた。次に、これを100℃で更に1時間後硬化させた。得られエラストマーを鋳型から剥離して、GREPTILE様フィルムを与えた。
【0053】
摩擦制御物品としての材料の性能は、米国特許第6,610,382号(Kobe et al.)を模範として、動的剪断強度試験により評価した。ROMP誘導によるステムウェブのサンプルを3.8cm×1.9cm(1.5”×0.75”)に切断し、2.54cm×10.16cm×0.15cm(1”×4”×1/16”)のスチールクーポンに接着した。このスチールクーポンを剥離試験機の移動プラットホームに接着した。1.27cm×1.9cm(0.5”×0.75”)の他のステムウェブ片を同一のスチールクーポンにテーピングした。これを第1のステムウェブサンプルの頂部上に下向きに配置し、したがって2つのサンプルのステムは互いに係合していた。次に、このクーポンを剥離試験機のロードセルに取り付けた。クーポンの重量は、32gであった。2つのクーポンの頂部上にクロスバーを、2つのステムウェブが互いに完全に離脱できないように小さい間隙と共に固定した。プラットホームを30.4cm/分(12in/分)で2秒間移動し、その時間中、2つのステムウェブサンプルは、それらが互いに通過して移動する際に係合していた。平均剪断力を記録し、5回の試験の中央値は14.6kPa(34oz/in)であった。同一のROMP配合物から形成した平坦な基材を用いて、対照サンプルに関する試験を行った。微細パターン化されていない表面によるによる動的剪断強さの中央値は、2.6kPa(6.1oz/in)であった。
【0054】
実施例2.研磨材物品
各側部に、公称500マイクロメートルの基部を有する正方形角錐微細構造を有するニッケル工具を、マスターパターンとして使用した。
【0055】
ROMPプロセスを用いて、微細パターンの逆を有する鋳型を生成した。10.1cm×3.81cm(4”×1.5”)の矩形開口部を有する厚さ0.31cm(1/8”)のシリコーンシートを、バインダークリップによりニッケルマスター上に締め付けた。次に、これにシリコーン潤滑剤を離型剤として噴霧した。触媒ストック溶液を、PPh(5mg)及び第2世代グラブス触媒(25mg)を用いてキシレン(0.5g)中で調製した。別個にて、IRGANOX 1010(0.20g、Ciba)のジシクロペンタジエン(20g、Aldrich、4% ENBを有する)溶液を調製した。この溶液15gを、0.2マイクロメートル注射器フィルターで濾過した。0.075mLの触媒溶液をジシクロペンタジエン溶液に加え、これを短時間混合した後、マスターパターン上に注いだ。これをRTでゲル化させた後、100℃で1時間後硬化させた。次に、マスターからポリ(ジシクロペンタジエン)鋳型を除去した。これにPTFE乾燥フィルム潤滑剤を離型剤として噴霧した。
【0056】
2.54cm×3.81cm(1”×1.5”)の矩形開口部を有する0.15cm(1/16”)のシリコーンフィルムを、ポリ(ジシクロペンタジエン)鋳型上に締め付けた。キシレン(0.20g)中のPPh(8mg)及び第2世代グラブス触媒(8mg)からなる触媒ストック溶液を調製した。濾過したIrganox 1010(0.05g)のジシクロペンタジエン(5g)溶液を調製し、そこに0.050mLの触媒ストック溶液を加えた。これを短時間混合し、カボシル(cabosil)M5(0.05g)及び酸化アルミニウム粉末(4.95g)を加えた。これを再度、短時間混合した。これをポリ(ジシクロペンタジエン)鋳型表面上に注ぎ、真空下で30秒間脱気した。サンプルの頂部上に2.54cm×5.08cm(1”×2”)のガラス片を配置し、RTで5分間硬化させた。次に、これを100℃で20分間後硬化させた。
【0057】
このパターン化ROMP複合体の研磨材としての性能を測定するために、面積2.54cm×2.54cm(1”×1”)のスチールシートをスプレー式塗料の510マイクロメートル(20ミル)層で被覆した。微細パターン化ROMP複合体を用いて手で塗布領域を500回擦った後、塗料被膜は、厚さ330マイクロメートル(13ミル)と測定された。研磨材で更に500回擦った後、厚さは280マイクロメートル(11ミル)であった。
【0058】
実施例3.プリズムフィルム
微細パターン化されたプリズム(基部にて幅50マイクロメートル)を有する輝度上昇フィルムのサンプルをマスターパターンとして使用した。この11.4cm×8.9cm(4.5”×3.5”)のBEFフィルム片をガラスプレートに接着して、フィルムを平坦に保った。
【0059】
キシレン(0.20g)中のPPh(2.5mg)及び第2世代グラブス触媒(10mg)を用いて触媒ストック溶液を調製した。この溶液の0.015mL部を、濾過した1% IRGANOX 1010(Ciba)のジシクロペンタジエン(Aldrich、4% ENB)溶液4gに加えた。この溶液の一部を、BEFフィルムマスター上に注いだ。サンプルを真空ジャー内で30秒間脱気した。次に、追加の触媒溶液を加え、その後、254マイクロメートル(10ミル)スペーサとして2つのカバーガラスを取り付けた7.6cm×10.1cm(3”×4”)のガラス片で覆った。サンプルを100℃で15分間硬化させた。得られた厚さ254マイクロメートル(10ミル)のフィルムを鋳型から除去した。
【0060】
Retro−Meter 2機器を使用して、4.0°の入射角、0.2°の観測角でサンプルの再帰反射性を試験した。測定した再帰反射係数は、微細複製プリズムが入射角を含む面と直交して整合された際に、最大に到達した。この観察された最大値は、350cd/lx/mであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー組成物の開環メタセシス重合により形成される架橋不飽和ポリマーを含む成型微細構造物品であって、前記モノマー組成物が少なくとも1つの反応性二重結合を有する環式モノマーを含有する、成型微細構造物品。
【請求項2】
前記環式モノマーが、ノルボルニレン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、テトラシクロ[6,2,13,6,02,7]ドデカ−4,9−ジエン、及びそれらの誘導体からなる群より選択される、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項3】
前記環式モノマーが少なくとも2種の異なるモノマーを含み、前記少なくとも2種の異なるモノマーのそれぞれが、ノルボルニレン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、7−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、テトラシクロ[6,2,13,6,02,7]ドデカ−4,9−ジエン、及びそれらの誘導体からなる群より選択される、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項4】
前記環式モノマーが本質的にジシクロペンタジエンからなる、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項5】
前記環式モノマーが、ジシクロペンタジエン及びノルボルニレンを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項6】
前記環式モノマーが、ジシクロペンタジエン及びアルキルノルボルニレンを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項7】
前記環式モノマーが、ジシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネンを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項8】
前記環式モノマーが、約30:70〜約70:30の重量比のジシクロペンタジエンとシクロオクテンとを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項9】
前記環式モノマーが、約10:90〜約50:50の重量比のジシクロペンタジエンとヘキシルノルボルネンとを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項10】
前記環式モノマーが、架橋剤及び一官能性モノマーを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項11】
前記架橋剤が、ジシクロペンタジエンを含む、請求項10に記載の成型微細構造物品。
【請求項12】
前記一官能性モノマーが、シクロオクテン、シクロペンタジエン、アルキルノルボルネン、及びそれらの誘導体からなる群より選択される、請求項10に記載の成型微細構造物品。
【請求項13】
前記モノマー組成物が、モノマー組成物の総重量に対して約0.1〜約75重量%の架橋剤を含有する、請求項10に記載の成型微細構造物品。
【請求項14】
約2mm未満の寸法を有する少なくとも1つの微細構造フィーチャを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項15】
約500μm未満の寸法を有する少なくとも1つの微細構造フィーチャを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項16】
複数の微細構造フィーチャを含み、各フィーチャが約2mm未満の寸法を有する、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項17】
複数の微細構造フィーチャを含み、各フィーチャが約500μm未満の寸法を有する、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項18】
微細構造フィーチャのアレイを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項19】
光ガイド、輝度上昇フィルム、再帰反射フィルム、又はマイクロ流体デバイスを含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項20】
複数の研磨複合体を含み、前記研磨複合体のそれぞれが、バインダー中に分散された複数の砥粒を含む、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項21】
複数のステムを含み、各ステムが、乾燥しているとき、少なくとも約0.6の静摩擦係数を提供する、請求項1に記載の成型微細構造物品。
【請求項22】
成型微細構造物品の製造方法であって、
微細構造鋳型を提供することと、
少なくとも1つの反応性二重結合を有する環式モノマーと、
メタセシス触媒系と、
を含有するモノマー組成物を提供することと、
前記微細構造鋳型の表面を前記モノマー組成物と接触させることと、
前記モノマー組成物を重合して架橋不飽和ポリマーを含む成型微細構造物品を形成することと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記成型微細構造物品を前記微細構造鋳型から分離することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記メタセシス触媒系が、遷移金属触媒及び有機アルミニウム活性剤を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記メタセシス触媒系が、式
【化1】

(式中、
Mは、Os及びRuからなる群より選択され、
R及びRは、水素及び置換基からなる群より独立して選択され、前記置換基はC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルコキシカルボニル、アリール、C〜C20カルボキシレート、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルケニルオキシ、C−C20アルキニルオキシ及びアリールオキシからなる群より選択され、前記置換基は、任意により、C〜Cアルキル、ハロゲン、C〜Cアルコキシ及びフェニルからなる群より選択される部分で置換されてもよく、前記フェニルは、任意により、ハロゲン、C〜Cアルキル、及びC〜Cアルコキシからなる群より選択される部分で置換されてもよく、
X及びXは、任意のアニオン性リガンドから独立して選択され、
L及びLは、式PRの任意のホスフィンから独立して選択され、Rはネオフィル、第2級アルキル及びシクロアルキルからなる群より選択され、R及びRはアリール、ネオフィル、C〜C10第1級アルキル、第2級アルキル及びシクロアルキルからなる群より独立して選択される)
の化合物を含む、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−524935(P2011−524935A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514640(P2011−514640)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/040002
【国際公開番号】WO2009/154849
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】