説明

成形されたランプソケット

【課題】ガス抜けを防止したランプソケットを提供する。
【解決手段】成形されたランプソケットは、ランプバルブを受入れるための開口部を有するソケットキャビティを規定するランプ基体12と、ソケットキャビティに配置される第1の接触部分から、ソケットキャビティから間隔をあける第2の接触部分まで延在するリードを含む。成形されたランプソケットはさらに、第2の接触部分を取囲むプラグキャビティを規定しする搭載体42を含む。搭載体42は、ランプ基体12に対してリードのすべてよりも少なくオーバーモールドされ、第2の接触部分は露出する。ランプ基体12は、ガス抜けに対する抵抗の第1のレベルを有する第1のプラスチックから形成され、搭載体42は、ガス抜けの第1のレベルよりも小さい、ガス抜けに対する抵抗の第2のレベルを有する第2のプラスチックから形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、ここに引用により全文が援用される2005年10月26日に出願された「成形されたライトソケット(MOLDED LIGHT SOCKET)」という名称を持つ米国仮特許出願連続番号第60/730,448号の利益を主張する。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
この発明は、ランプバルブのような発光構造を受入れ、搭載するためのプラスチックソケットに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
テールランプ、ターンシグナルランプ、停止ランプ、クリアランスランプ、またはサイドマーカランプのような乗物のランプのためのバルブ搭載構造には少なくとも2つのタイプがある。第1のバルブ搭載構造の第1のタイプでは、ランプバルブは、ランプ本体の後壁に形成されるバルブ挿入穴を介してランプ本体の中に挿入される。ソケットは後壁の後に配置され、ランプバルブを受入れる。バルブ搭載構造の第2のタイプでは、ランプ本体の後壁に形成される開口部に後カバーが嵌め合わされ、後カバーの内側表面の上にランプバルブおよびソケットが搭載される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
成形されたランプソケット。成形されたランプソケットは、ランプバルブを受入れるための開口部を有するソケットキャビティを規定するランプ基体を含む。成形されたランプソケットはさらに、ソケットキャビティに配置される第1の接触部分から、ソケットキャビティから間隔がある第2の接触部分まで延在するリードを含む。成形されたランプソケットはさらに、第2の接触部分を取囲むプラグキャビティを規定しする搭載体を含む。搭載体は、ランプ基体に対してリードのすべてよりも少なくオーバーモールドされ、第2の接触部分は露出する。ランプ基体は、ガス抜けに対する抵抗の第1のレベルを有する第1のプラスチックから形成され、搭載体は、ガス抜けの第1のレベルよりも小さい、ガス抜けに対する抵抗の第2のレベルを有する第2のプラスチックから形成される。
【0005】
この発明の利点は、以下の詳細な説明および添付の図面と関連して考慮するとより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1のプラスチックから形成される第1の構造の第1の斜視図である。
【図2】第1の構造の第2の斜視図である。
【図3】第1の構造の第1および第2の近接斜視図である。
【図4】第1の構造の第3の近接斜視図である。
【図5】第1の構造の第4の近接斜視図である。
【図6】第1の構造の第5の近接斜視図である。
【図7】電気的に導通する材料から形成されるリードの第1の斜視図である。
【図8】リードの第2の斜視図である。
【図9】リードの第3の斜視図である。
【図10】リードの第4の斜視図である。
【図11】この発明の例示的な実施例に従った、成形されるライトソケットの第1の斜視図である。
【図12】成形されるライトソケットの第2の斜視図である。
【図13】成形されるライトソケットの第3の斜視図である。
【図14】成形されるライトソケットの第4の斜視図である。
【図15】成形されるライトソケットの第5の斜視図である。
【図16】成形されるライトソケットの第6の斜視図である。
【図17】成形されるライトソケットの第1の近接斜視図である。
【図18】成形されるライトソケットの第2の近接斜視図である。
【図19】この発明の第2の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
好ましい実施例の詳細な説明
この発明の複数の異なる実施例がこの出願の図面に示される。同様の特徴がこの発明のさまざまな実施例において示される。同様の特徴は共通の参照符号で番号が付され、アルファベット表示により区別される。さらに、任意の特定の図面における特徴がすべての実施例よりも少ない実施例に示される場合であっても、一貫性を向上させるようその特徴は同じアルファベット表示を共有する。図面またはこの明細書で違う態様で示されない限り、同様の特徴は、同様に構成され、同様に動作し、および/または同じ機能を有する。さらに、一実施例の特定の特徴は、図面またはこの明細書で違う態様で示されない限り、別の実施例における対応する特徴を置き換え得る。
【0008】
図1〜図6および図11〜図18に最もよく示されるように、成形されたランプソケット10はランプ基体12を含む。ランプ基体12は、ランプバルブの付近にあるよう動作可能である第1のプラスチックから形成される。特に、ランプ基体12はガス抜けに対する抵抗の第1のレベルを有する第1のプラスチックから形成される。ガス抜けとは、プラスチックが熱に晒されるとプラスチックの成分が気化するという現象である。成形されたランプソケットでは、ガス抜けはランプバルブによって生じる熱により起こり得る。これが起こると、成分がランプバルブのレンズの上に付着し得、バルブが曇ったように見えることとなる。第1のプラスチックは、スタニールのようなナイロン4,6であり得る。ランプ基体12はランプバルブによって生じる熱に耐え得る。ランプ基体12はランプバルブを受入れるための開口部15を有するソケットキャビティ14を含む。ランプバルブはT5ランプバルブまたは任意の他のバルブ構成であり得る。
【0009】
ランプ基体12はさらに、第1および第2のアパーチャ24、26を含む。第1および第2のアパーチャ24、26はソケットキャビティ14と連通する。第1および第2のアパーチャ24、26の目的は以下に記載される。
【0010】
図7〜図18に最もよく示されるように、成形されたランプソケット10はさらに複数のリード36を含む。リード36は電気的に導通する材料から形成される。リード36は、ランプバルブの導通部分を係合する第1の接触部分41を規定する受け口端部38を含む。リード36はさらに、成形されたランプソケット10から突出し、第2の接触部分59を規定する終末端部40を含む。
【0011】
ここで付加的に図1〜図6を参照すると、第1のリード36をランプ基体12と係合させるよう、第1のリード36の終末端部40は第1のアパーチャ24を介してソケットキャビティ14に挿入され得る。第2のリード36をランプ基体12と係合させるよう、第2のリード36の終末端部40は第2のアパーチャ26を介してソケットキャビティ14に挿入され得る。ソケットキャビティ14は、リード36がランプ基体12に相対的に固定されるように第1および第2のリード36の受け口端部38を受入れる第1および第2の受入れ部分を形成し得る。
【0012】
リード36の各々はリード本体37を含む。受け口端部38はリード本体37の一端にあり、終末端部40はリード本体40の他端にある。この発明の例示的な実施例において、リード本体37ならびに接触アーム39およびシールドアーム43は互いに対して一体的に形成される。受け口端部38は、捩れた経路に沿ってリード本体37から第1の接触部分41へ片持ちの状態で延在する接触アーム39を含む。受け口端部38はさらに、接触アーム39と開口部15との間で、リード本体37から片持ち状態で延在するシールドアーム43を含む。接触アーム39は、開口部15から離れる方向におけるリード本体37についての湾曲に対する抵抗の第1のレベルを規定し、シールドアーム43は開口部15から離れる方向におけるリード本体37についての湾曲に対する抵抗の第2のレベルを規定する。湾曲に対する抵抗の第2のレベルは湾曲に対する抵抗の第1のレベルよりも大きく、これによりランプバルブがソケットキャビティ14に受入れられる際に接触アーム39が湾曲する可能性を低減する。
【0013】
シールドアーム43は、開口部15に対して実質的に平行なリード本体37から延在する第1の部分45を含む。シールドアーム43はさらに、開口部15に対して実質的に垂直な第1の部分45から延在する第2の部分47を含む。第1の部分は、開口部15に垂直な幅49と、開口部15に平行な厚み51とを規定する。厚み51は幅49よりも小さい。第2の部分47は開口部15に平行な幅53と、開口部15に平行な厚み55とを規定する。厚み55は幅53よりも小さい。このシールドアーム43の構造により、リード
本体37についての湾曲に対する抵抗の第2のレベルが向上する。
【0014】
ランプバルブが挿入されると、接触アーム39に到達する前にバルブはシールドアーム43と係合または遭遇することになる。シールドアーム43は、バルブがソケットキャビティ14と適切に整列していないのに挿入が試みられる場合にバルブが接触アーム39を傷付けるのを防ぐ。バルブが適切に整列されての挿入の間、バルブはシールドアーム43の丸い端部57の上に載り、適切な場所に嵌め込まれる。全受け口端部38は挿入の間若干シフトするかもしれない。バルブは、2つのリードの受け口端部38とソケットキャビティ14の中へと延在する第1および第2の突出部16、18との間に保持される。第1および第2の突出部16、18はランプ基体12と一体的に形成され、ロッキングタブ20、22を規定する。タブ20、22はランプバルブを係合するよう両方のリード36のシールドアーム43と協働する。ランプバルブはランプ基体12に対して取外し可能にロックされる。ロッキングタブ20、22は、ランプバルブの凹みのような部分に適合するよう形決めされ得る。この発明の代替的な実施例では、ランプ基体12は、ランプバルブの突出部のような部分を受入れるようソケットキャビティ14と連通する凹みを規定し得る。
【0015】
したがって、バルブはリード36とプラスチックのランプ基体12との間に捉えられる。この構成により、リード36が相対的により太くなることが可能になる。いくつかのランプソケットでは、バルブは、挿入の間にバルブを収納するよう両者とも曲がらなければならない2つの金属部分の間に促される。2つの金属部分の各々は、2つの金属片を変形した結果起こり得る望ましくない応力にバルブが晒されないよう相対的により薄くなければならない。さらに、リードが相対的により太ければ、シールドアーム43は相対的に太くなる。
【0016】
ランプ基体12は、第1の端部28と第2の端部30との間を長手方向軸13に沿って延在する。環状リッジ32はランプ基体12の円筒形本体部分34から半径方向において外方向に延在する。環状リッジ32の目的を以下に記載する。この発明の代替的な実施例では、本体部分は、正方形、長方形、またはいくつかの他の形のような非円筒形に形決めされ得る。
【0017】
成形されたランプソケット10はさらに搭載体42を含む。搭載体42は第1のプラスチックとは異なる第2のプラスチックから形成される。この発明の例示的な実施例において、第2のプラスチックは第1のプラスチックほどランプバルブからのエネルギ放出に耐え得ない。特に、搭載体42は、ランプ基体12が有するガス抜けに対する抵抗の第1のレベルよりも低い、ガス抜けに対する抵抗の第2のレベルを有する第2のプラスチックから形成される。第2のプラスチックはナイロン6,6であり得る。
【0018】
搭載体42は、組立てられたリード36およびランプ基体12の上に成形される。言い換えれば、搭載体42は、本来の場所に配置されるランプ基体12およびリード36とともに形成される。搭載体42は環状リッジ32および第2の端部30の上に成形される。成形の後、ランプ基体12と搭載体42とは互いに固定される。さらに、成形の後、第1および第2のアパーチャ24、26の間を延在するリード36の部分と終末端部40とは、搭載体42によって取囲まれる。
【0019】
搭載体42はゴムのガスケットまたはo−リングのようなシールを支持するシール搭載部分44を含み得る。搭載体42はさらに、終末端部40と雌接続との間で係合がガイドされるのを促進する壁46を含み得る。壁46はリード36の第2の接触部分59を取囲むプラグキャビティ61を規定する。プラグキャビティは軸63上に中心を置く。搭載体42は、成形されたランプソケット10と乗物の上のような搭載構造との間で動きがガイ
ドされるのを促進する突出部48、50をさらに含む。
【0020】
成形されたランプソケット10を形成するための例示的な方法では、ランプ基体12は鋳型で第1のプラスチックから形成される。第1および第2のリード36は、それぞれ第1および第2のアパーチャ24、26を介してソケットキャビティ14に挿入される。リード36の受け口端部38は、搭載体42の形成に先立ってリード36の位置を実質的に固定するようソケットキャビティ14と協働し得る。リード36がランプ基体12に組立てられた後、第2の構造が環状リッジ32および第1の構造の第2の端部30の上に成形され、第1および第2のアパーチャ24、26ならびに受け口端部38と終末端部40との間のリード36の部分を取囲む。
【0021】
図1〜図18に示されるこの発明の第1の例示的な実施例において、ランプ本体12の軸13と搭載体42の軸63とは互いに交差する。より具体的には、軸13、63は互いに垂直である。この発明の代替的な実施例では、軸13、63は互いに90°より小さくかまたは大きく交差し得る。図19に示されるこの発明の第2の例示的な実施例では、ランプ本体12aの軸13aと搭載体42aの軸63aとは互いに整列する。この発明の代替的な実施例では、軸13a、63aは互いに平行であり得る。
【0022】
上記の教示に鑑みると、この発明の多くの修正例および変形例が可能である。したがって、特許請求の範囲内で、具体的に記載したのとは別の態様でこの発明は実施されてもよいということは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプバルブを受入れるための開口部を有するソケットキャビティを規定するランプ基体と、
前記ソケットキャビティに配置される第1の接触部分から、前記ソケットキャビティから間隔がある第2の接触部分まで延在するリードと、
前記第2の接触部分を取囲むプラグキャビティを規定し、前記ランプ基体に対して前記リードのすべてよりも少なくオーバーモールドされる搭載体とを含み、前記ランプ基体はガス抜けに対する抵抗の第1のレベルを有する第1のプラスチックから形成され、前記搭載体は、ガス抜けの前記第1のレベルよりも小さい、ガス抜けに対する抵抗の第2のレベルを有する第2のプラスチックから形成される、成形されたランプソケット。
【請求項2】
前記リードはさらに、
リード本体と、
前記リード本体から捩れた経路に沿って前記第1の接続部分に片持ち状態で延在する接触アームと、
前記リード本体から、前記接触アームと前記開口部との間を片持ち状態で延在するシールドアームとを含み、前記接触アームは前記開口部から離れる方向における前記リード本体についての湾曲に対する抵抗の第1のレベルを規定し、前記シールドアームは湾曲に対する抵抗の前記第1のレベルよりも大きい、前記開口部から離れる方向における前記リード本体についての湾曲に対する抵抗の第2のレベルを規定し、これによりランプバルブが前記ソケットキャビティに受入れられる際に前記接触アームが湾曲する可能性を低減する、請求項1に記載の成形されたランプソケット。
【請求項3】
前記シールドアームはさらに、
前記開口部に対して実質的に平行な前記リード本体から延在する第1の部分と、
前記開口部に対して実質的に垂直な前記第1の部分から延在する第2の部分とを含む、請求項2に記載の成形されたランプソケット。
【請求項4】
前記第1の部分は前記開口部に対して垂直である幅と、前記開口部に対して平行である厚みとを規定し、前記厚みは前記幅よりも小さく、
前記第2の部分は前記開口部に対して平行である幅と、前記開口部に対して平行である厚みとを規定し、前記厚みは前記幅よりも小さい、請求項2に記載の成形されたランプソケット。
【請求項5】
前記リード本体ならびに前記接触アームおよび前記シールドアームは互いに対して一体的に形成される、請求項2に記載の成形されたランプソケット。
【請求項6】
前記ランプ基体は、前記ソケットキャビティの中に受入れられるランプバルブを取外し可能に保持する際に前記シールドアームと協働するよう、前記ソケットキャビティにわたって前記第1の接触部分に対向する一体的に形成されるロッキングタブをさらに含む、請求項2に記載の成形されたランプソケット。
【請求項7】
前記ソケットキャビティは第1の軸の上に実質的に中心があるとさらに規定され、前記プラグキャビティは第1の軸の上に実質的に中心があるとさらに規定され、前記第1および第2の軸は互いに対して交差および整列するかのうちの一方であるとさらに規定される、請求項1に記載の成形されたランプソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−101956(P2013−101956A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−7245(P2013−7245)
【出願日】平成25年1月18日(2013.1.18)
【分割の表示】特願2008−537922(P2008−537922)の分割
【原出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】