説明

成形装置および成形方法

【課題】トリミングを行う際の不都合を解消し、生産性を向上した成形装置および成形方法を提供する。
【解決手段】基台22上に設けられた基材治具60と、基材治具60上に保持された基材10に対して被覆された、接着層を有するシート4を基材10に接着する接着手段と、シート4を接着した基材10に対し、基材10を基材治具60から取り外すことなくその状態でシート4のトリミングを行うトリミング手段と、を備えた成形装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを熱成形して基材に接着させるための成形装置および成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート(表皮シート)を成形基材の外表面に接着する装置として、真空プレス積層成形装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ところが、この真空プレス積層成形装置では、以下のような課題があった。
加熱方式がチャンバー内輻射加熱であり、この加熱によりシートの軟化に起因して伸びが発生するため、この延びによる垂れ下がりを抑える必要がある。そこで、上下チャンバー内の真空圧調整を行い、シートの水平維持を図るようにしているが、このシートの正確な伸び量の確認が困難であることから、シート全面の温度分布が不均一となり、確実な成形、および接着を得ることができず、安定した品質が得られない。さらに、基材形状に対する印刷シートの位置ずれが発生する。
【0003】
また、シートの加熱後に基材側となる下側チャンバー内を減圧する場合、減圧速度に従ってシートが基材側に移動して基材に接着するので、シートの基材に対する押付け力が不十分になるおそれがある。そのため、基材の外形に複雑な凹凸形状がある場合には、基材に対するシートの押付け力が不足すると、その凹凸部とシートとの間にエアーが滞留し、品質の低下を招いていた。
さらに、従来の上下チャンバーによる熱成形では、チャンバーの容積が大きいので、減圧時間がかかり、サイクルタイムが長くなり、成形効率が低下する。
【0004】
そこで、このような真空プレス積層成形装置の課題を解消し得るものとして、熱板加熱による熱成形装置が提供されている(特許文献2参照)。
この熱成形装置は、基材を収容可能な空間を有する下枠と、該下枠の枠上縁部に対して加熱面を密接可能とした熱板とを備え、前記下枠と熱板との間にシートを配置させ、そのシートを熱成形して金型賦形または前記基材に接着させる熱板加熱による熱成形装置であって、前記下枠には、前記枠上縁部に前記シートを固定可能で、且つ前記シートの下側の前記空間を減圧する減圧手段が設けられ、前記熱板には、前記加熱面側を吸引する減圧手段と、前記加熱面を加熱する加熱手段と、前記加熱面側を大気開放又は加圧する手段とが設けられ、前記下枠と熱板とを前記シートを挟んで密接させた状態で、前記熱板による吸着・加熱動作を行う吸着・加熱制御手段と、前記シートの下側の前記空間内の減圧動作を行う減圧制御手段と、前記吸着・加熱制御手段による吸着・加熱動作と前記減圧制御手段による減圧動作とを並行させ、これらの動作開始から所定時間後に前記吸着・加熱動作を停止し、前記熱板と前記シートとの間を大気開放する又は加圧する成形動作制御手段と、を有する。
そして、この熱成形装置によれば、基材形状にかかわらず高品質な成形を実現することができ、また基材形状に対する印刷シートの位置合わせを良好に行うことができ、さらに成形にかかるサイクルタイムを短縮して成形の効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3102916号公報
【特許文献2】特許第4491049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、基材に対して被覆され接着されるシートは、通常、基材に比べ充分な大きさを有している。したがって、基材への接着後、シートのトリミングを行って基材から延び出た余分な部位を取り除く必要がある。ところが、前記シートには通常接着層が設けられており、この接着層によってシートは基材に接着されている。
【0007】
したがって、トリミングを行うべく、シートを接着した基材をトリミング装置に移送しようとすると、移送中に基材から延び出た余分な部位のシートの接着層が手や他の治具、装置などに接着してしまうため、ハンドリングが非常に悪く、生産性が大きく損なわれてしまう。すなわち、接着層が手や他の治具、装置などに接着すると、これを剥離するのに時間を要してしまう。また、剥離する際に過大な力がかかることで基材からシートが剥がれてしまったり、シートが破損してしまうおそれもある。
しかしながら、前記特許文献1の真空プレス積層成形装置や前記特許文献2の熱板加熱による熱成形装置にあっては、このようなトリミングを行う際の不都合に対する特段の考慮はなされていない。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、トリミングを行う際の不都合を解消し、生産性を向上した成形装置および成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の成形装置は、基台上に設けられた基材治具と、前記基材治具上に保持された基材に対して被覆された、接着層を有するシートを前記基材に接着する接着手段と、前記シートを接着した前記基材に対し、該基材を前記基材治具から取り外すことなくその状態で前記シートのトリミングを行うトリミング手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
この成形装置によれば、シートを接着した基材に対し、該基材を基材治具から取り外すことなくその状態でシートのトリミングを行うトリミング手段を備えているので、基材を基材治具から取り外して移送する必要がなく、したがって基材から延び出た余分な部位のシートの接着層が手や他の治具、装置などに接着することが防止される。すなわち、基材から延び出た余分な部位のシートは通常基材治具に接着しているため、接着層の露出が抑えられ、したがってこの余分な部位のシートの接着層が手や他の治具、装置などに接着することが抑制される。
【0011】
また、前記成形装置において、前記基材治具は、前記基材の外周部が該基材治具の側周面より外側に延出するよう、その側周面が前記基材の外周面より内側となるように前記基材より小さく形成され、前記トリミング手段は、前記基材治具の側周面より外側に延出した前記基材の外周部の底面に対向して設けられた刃と、前記基材治具と前記刃とを相対的に移動させることで前記基材の外周部の底面と前記刃とを接離可能に移動させる移動手段と、を備えて構成されていることが好ましい。
このようにすれば、シートを接着した基材を保持する基材治具と刃とを移動手段によって相対的に移動させ、シートをカットすることにより、シートのトリミングを容易にかつ確実に行うことができる。
【0012】
また、前記成形装置において、前記刃は前記基台に設けられていることが好ましい。
このようにすれば、基材にシートを接着した後、基材治具を移動させることなくその状態のままで、トリミングを行うことができる。
【0013】
また、前記成形装置において、前記移動手段は、前記基材治具上に保持された前記基材が前記刃から離間する方向に該基材治具を付勢する付勢手段と、前記基材治具上に保持された前記基材を前記刃に当接する方向に押圧する押圧手段と、を備えて構成されていることが好ましい。
このようにすれば、付勢手段に抗して押圧手段で基材を押圧し、基材を刃に当接する方向に移動させることにより、シートのトリミングを容易にかつ確実に行うことができる。
【0014】
また、前記成形装置において、前記押圧手段は、空気圧を用いて構成されていてもよく、また、押さえ治具と、これを押圧するプレス機構とを有して構成されていてもよい。
このようにすれば、基材治具に基材を保持させた状態のままで基材とともに基材治具を押圧し、基材を刃に当接する方向に移動させることができ、したがってシートのトリミングを容易にかつ確実に行うことができる。
【0015】
また、前記成形装置において、前記トリミング手段は、前記基材または前記基材治具の側周面、あるいはこれら側周面間に対向して設けられた刃と、前記刃を前記基材または前記基材治具、あるいはこれらの間に向けて進退させる進退手段と、を備えて構成されているのが好ましい。
このようにすれば、進退手段によって刃を基材または基材治具、あるいはこれらの間に向けて進退させ、シートをカットすることにより、シートのトリミングを容易にかつ確実に行うことができる。
【0016】
本発明の成形方法は、基材治具に基材を保持させる保持工程と、前記基材に接着層を有するシートを被覆し接着する接着工程と、シートを接着した前記基材を前記基材治具から取り外すことなくその状態で前記シートのトリミングを行うトリミング工程と、を備えることを特徴としている。
【0017】
この成形方法によれば、シートを接着した基材に対し、該基材を基材治具から取り外すことなくその状態でシートのトリミングを行うトリミング工程を備えているので、基材を基材治具から取り外して移送する必要がなく、したがって基材から延び出た余分な部位のシートの接着層が手や他の治具、装置などに接着することが抑制される。
【0018】
また、前記成形方法において、前記保持工程では、前記基材の外周部が該基材治具の側周面より外側に延出するよう、前記基材治具の側周面が前記基材の外周面より内側となるように前記基材治具に前記基材を保持させ、前記トリミング工程では、前記基材治具の側周面より外側に延出した前記基材の外周部の底面に対向して設けた刃を、前記基材の外周部の底面に相対的に移動させることにより、該底面上に接着された前記シートをカットすることでトリミングを行うことが好ましい。
このようにすれば、基材治具に保持された基材の外周部の底面に刃を相対的に移動させ、底面上に接着されたシートをカットすることにより、シートのトリミングを容易にかつ確実に行うことができる。
【0019】
また、前記成形方法において、前記トリミング工程では、前記基材または前記基材治具の側周面、あるいはこれら側周面間に対向して設けた刃を、前記基材または前記基材治具、あるいはこれらの間に向けて進退させることにより、前記基材または前記基材治具上、あるいはこれらの間の上に位置する前記シートをカットすることでトリミングを行うことが好ましい。
このようにすれば、刃を基材または基材治具、あるいはこれらの間に向けて進退させることにより、シートのトリミングを容易にかつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の成形装置および成形方法によれば、シートを接着した基材に対し、該基材を基材治具から取り外すことなくその状態でシートのトリミングを行うようにしたので、基材から延び出た余分な部位のシートの接着層が手や他の治具、装置などに接着することを抑制することができる。したがって、従来のように余分な部位のシートの接着層が手や他の治具、装置などに接着することで生産性が大きく損なわれることがないため、生産性を従来に比べ格段に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る成形装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る成形装置の第1実施形態の概略構成を示す側断面図である。
【図3】(a)〜(c)は図2に示した成形装置の動作手順を示す部分断面図である。
【図4】図2に示した成形装置の、図2に続く成形方法の動作手順を示す側断面図である。
【図5】(a)、(b)は本発明に係る成形装置の第2実施形態の、概略構成および動作手順を示す部分断面図である。
【図6】本発明に係る成形装置の第3実施形態を説明するための部分断面図である。
【図7】本発明に係る成形装置の第4実施形態を説明するための部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明に係る成形装置および成形方法を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0023】
図1〜図4は、本発明の成形装置の第1実施形態を示す図であり、これらの図において符号1は成形装置である。この成形装置1は、熱板加熱方式のもので、図1、図2に示すように基材治具60を収容可能とする空間(収容空間R)を有する下枠2と、この下枠2の枠上縁部2aに対して加熱面3aを密接可能とした熱板3とを備えたものである。そして、下枠2と熱板3との間に樹脂製のシート4を配置し、このシート4を熱成形して基材10に接着させる構成となっている。ここで、下枠2と熱板3とは上下に配置されており、熱板3は下枠2に対して上側に配置されている。
【0024】
図2に示すように下枠2は、金属製の部材からなり、平面視で四方が周壁部21で囲われた収容空間Rを形成したもので、底部となる基台22の周壁部21側(外周側)には、収容空間Rに連通する多数の通気孔2b、2b…が形成されている。これら通気孔2b…は、図1に示す真空ポンプ51を備えた真空タンク5に接続され、成形時に真空ポンプ51を駆動させて真空吸引することで収容空間Rを減圧するように構成されている。
図2に示すように下枠2の周壁部21の上端(枠上縁部2a)には、収容空間Rの開口を塞ぐようにしてシート4を固定することが可能になっている。
また、下枠2は、床上をスライド可能な架台6上に設けられており、図1に示すように熱板3の下側の成形位置に対して進退可能となっている。
【0025】
熱板3は、加熱面3aが滑らかな平面を有する平板形状であり、平面視で下枠2よりも大きい形状に形成されている。そして、熱板3は、下側の成形位置に配置されている下枠2に対して近接離反するように(接離可能に)、上下方向に移動可能に設けられ、下方に移動した状態で下枠2の枠上縁部2aに密接して配置される構成となっている。
【0026】
この熱板3は、図2に示すように上面3c側に複数のヒーター31、31…が設けられるとともに、加熱面3aに開口する通気孔3bが複数設けられている。これら通気孔3bは、図1に示すように加熱面3a側を真空吸引する前記真空ポンプ51を備えた真空タンク5と、コンプレッサ71による圧縮空気を貯める加圧タンク7とに接続されている。つまり、真空タンク5を設けることにより、減圧ロスを小さくすることができる。
【0027】
このような構成のもとに、熱成形時には、真空状態に維持された真空タンク5を開放して下枠2側から真空吸引したり、加圧タンク7より圧縮空気を供給して加熱面3aから収容空間R側に向けて加圧することが可能な構成となっている。
なお、真空タンク5を設けずに、真空ポンプ51の駆動によって直接吸引させることで真空度を高めるようにしてもよい。
【0028】
図2に示すように基材治具60は、基台22上に配置された金属等からなるもので、その上部に樹脂等からなる基材10を被着し、保持するようになっている。本実施形態では、図3(a)に示すように基材治具60は基材10に比べ平面視形状が一回り小さく形成されている。したがって、基材10は、その外周部が基材治具60の側周面より外側に延出し、基材治具60の側周面上部を被覆した状態で該基材治具60に保持されている。すなわち、基材治具60は、その側周面が基材10の外周面より内側となるように形成配置されている。
【0029】
また、本実施形態では、基材治具60は基台22に対して昇降可能、すなわち基台22の上面に当接または近接した状態と充分に離間した状態との間を移動可能に構成されている。具体的には、基材治具60の底面側には、付勢手段としてのコイルバネ61が複数設けられている。これらコイルバネ61は、それぞれ、基材治具60の底面外周部に適宜な間隔をおいて形成配置された収容凹部62内に、一端側が収容され、他端が基台22の上面に接して配設されている。このような構成によって基材治具60は、コイルバネ61によって基台22の上面から離間する方向に付勢され、したがって通常時、すなわち非押圧時には、図2、図3(a)に示すように基台22から所定距離浮いた状態となっている。
【0030】
また、本実施形態では、前記コンプレッサ71を備えた加圧タンク7によって収容空間R内に圧縮空気が導入されることにより、基材治具60は基材10を保持し、さらに後述するように基材10にシート4を被覆・接着した状態で、導入された圧縮空気によって押圧され、基台22側に下降するようになっている。本実施形態では、この加圧タンク7による圧縮空気の空気圧を押圧手段とし、前記付勢手段(コイルバネ61)とともに、移動手段を構成している。
【0031】
また、図3(a)に示すように基台22には、本実施形態では基材治具60の外周に対応する位置、すなわち基材治具60の側周面に近接した外側位置に、刃63が配置固定されている。刃63は、上方に向けて配置された環状のもので、基材治具60の平面視形状に対応した形状となっている。したがって、この刃63は、基材治具60の側周面より外側に延出した基材10の外周部の底面10aに、対向して配置されている。なお、基材治具60は通常時(非押圧時)には基台22から所定距離浮いた状態となっているため、刃63の先端は通常時(非押圧時)には基材10の前記底面10aから離間した状態となっている。
【0032】
このような構成のもとに前記移動手段は、基材治具60を刃63に向けて移動させることで、基材10の外周部の底面10aに刃63を相対的に移動させることができるようになっている。本実施形態では、このような移動手段と刃63とにより、トリミング手段が構成されている。
【0033】
なお、刃63の外周側には、刃63の外側面を覆うカバー64が設けられている。カバー64は、その上端面より刃63の先端部のみを突出させるように刃63の外側面側に設けられたもので、シート4が刃63の外側面に接着してしまうのを防止するためのものである。このようなカバー64は、刃63内を除く基台22上の全体に設けられていてもよく、刃63の近傍部のみに設けられていてよい。ただし、このカバー64は、下枠2の通気孔2bを塞がないように配置される。また、基台22上に突出する刃63の長さが充分に短い場合には、このカバー64を省略することもできる。
【0034】
シート4は、印刷層とこれの表面側に設けられた保護フィルムまたはキャリフィルムとを有し、印刷層の裏面側に接着層を有した公知の多層シートである。このシート4は、図2に示すようにその外周部4aが固定手段(図示せず)によって下枠2の枠上縁部2aに水平状態で固定されている。このシート4の基材10側(下面4b側)が接着層となっており、下枠2に固定された状態で、下面4bと基材10との間には隙間が形成されるようになっている。なお、基材10と熱板3(シート4)との間の隙間は、例えば5mm程度あれば成形可能であり、この隙間を小さくすることにより、下枠2の凹部(収容空間R)を最小限にすることができる。
【0035】
そして、成形装置1は、下枠2と熱板3とをシート4を挟んで密接させた状態で、熱板3による吸着・加熱動作とシート4の下側の収容空間R内の減圧動作とを並行させるとともに、これらの動作開始から所定時間後に熱板3による吸着動作を停止し、熱板3とシート4との間を大気開放する又は加圧する成形動作手段(図示せず)を有する構成をなしている。すなわち、成形装置1においては、下枠2、熱板3、さらに真空タンク5からなる減圧手段、加圧タンク7からなる加圧手段等によって、基材治具60に保持された基材10にシート4を接着する、接着手段が構成されている。なお、前記成形動作手段としては、例えば前記動作を行うための制御回路を備えたものをいう。
【0036】
次に、前記成形装置1による成形方法について説明する。
まず、図1に示すように、下枠2の基台22上に配置された基材治具60上に基材10をセットし、該基材10を基材治具60上に被着し保持させる(保持工程)。なお、この状態では、基材治具60はコイルバネ61の作用によって上方に付勢され、基台22上に浮いた状態となっている。
続いて、下枠2の枠上縁部2aにシート4を載置し、下枠2に対して密接させる。すなわち、収容空間Rの開口を塞ぐようにして、下枠2の周壁部21の枠上縁部2aにシート4を固定する。
【0037】
そして、基材10をセットした下枠2を熱板3の下側の成形位置に移動させる。
次いで、図2に示すように熱板3を下方に移動させ、加熱面3aの外周部を、シート4を介して下枠2の枠上縁部2aに密接させる。このとき、シート4は、熱板3の加熱面3aに沿って上面の全面がほぼ接触した状態に配置され、その外周部4aが下枠2と熱板3とによって挟持された状態となる。
【0038】
続いて、熱板3とシート4との間を減圧し、その加熱面3aにシートを吸着させて加熱する。また、この加熱工程と並行して、シート4の下側の収容空間Rを減圧する。
具体的には、ヒーター31によって熱板3を加熱するとともに、前記真空タンク5を開放し、通気孔3bを介してシート4を熱板3の加熱面3a側に移動する方向(図2で矢印P1方向)に真空吸引する。これにより、加熱面3aにシート4を吸着させ、吸着したシート4を加熱する。
【0039】
また、この加熱中に下枠2においては、図4に示すように前記真空タンク5を開放し、通気孔3bを介してシート4が下方に移動する方向(矢印P2方向)に真空吸引する。これにより、シート4の下側の収容空間Rの空気が図2中の矢印E1方向に吸引され、収容空間Rは減圧されて高真空度状態になる。
【0040】
次いで、前記した収容空間Rの減圧動作を維持した状態でシート4の吸着動作を停止し、熱板3とシート4との間を大気開放する又は下枠2側へ向けて加圧する。
具体的には、熱板3に吸着されたシート4が所定温度に加熱され、所定時間経過した後に熱板3側の真空吸引を止めて吸着動作を停止する。これにより、熱板3とシート4との間が大気開放されるので、シート4を挟んで上下の空間に圧力差が生じる。そのため、図4に示すように加熱によって軟化したシート4が熱板3の加熱面3aから離れ、シート4下側の下枠2の基台22側(基材10側)に向かって矢印E2方向へ移動し、基材10の表面に押し付けられてこれを被覆し、接着する(接着工程)。
【0041】
その際、収容空間R内は均一に減圧されていることから、シート4は、図3(b)に示すように基材10の外周部の底面10a、さらに基材治具60の側周面の一部からカバー64の上面にまで接着する。このようにしてシート4が基材10に接着しても、この状態では基材治具60にこれを下降させるだけの圧がかからないので、基材治具60は基台22側に下降することなく、コイルバネ61によって浮いた状態を維持している。
【0042】
なお、熱板3とシート4との間を大気開放する際、図1に示す真空タンク5から加圧タンク7に切り替えることで、熱板3の通気孔3bより圧縮空気を噴出させ、収容空間R内を加圧するようにしてもよい。ただし、その際の加圧力については、基材治具60を付勢している前記コイルバネ61の付勢力よりも充分に小さい圧とし、基材治具60が下降しないようにする。
【0043】
その後、図1に示した加圧タンク7から予め設定された圧の圧縮空気を、熱板3の通気孔3bを介して収容空間R内に導入する。導入する圧縮空気の圧(予め設定された圧)、すなわち空気圧は、先に熱板3とシート4との間を大気開放する又は下枠2側へ向けて加圧した際の圧より充分に大きい圧、つまり基材治具60を付勢するコイルバネ61の付勢力より大きい圧とする。
【0044】
このようにして加圧タンク7から予め設定された圧の圧縮空気を収容空間R内に導入すると、圧縮空気は収容空間Rの開口側全面に位置するシート4を押圧することにより、該シート4を介して基材10とともに基材治具60を押圧する。すると、前記したように圧縮空気の圧(空気圧)はコイルバネ61の付勢力より大きい圧となっているので、図3(c)に示すように基材治具60は基材10を保持した状態のまま下降する。
【0045】
このようにして基材治具60が下降し、基材10も同時に押圧されて下降すると、基台22には基材10の外周部の底面10aに対向して刃63が配置されているため、この刃63が相対的に基材10の前記底面10a側に移動し、該底面10a上に接着しているシート4をカットする。すなわち、基材10に接着したシート4のトリミングがなされる。
【0046】
次いで、前記加圧タンク7からの圧縮空気の導入を停止し、収容空間R内を再度大気圧に戻す。すると、加圧状態(押圧状態)から開放されることで、基材治具60はコイルバネ61の作用によって再度上昇し、基台22から浮いた状態となる。これにより、刃63は基材10の底面10aから離間し、トリミングが終了して成形品が完成する(トリミング工程)。
【0047】
このようにしてトリミング工程が終了したら、熱板3を上方に移動させ、さらに下枠2を図1に示す架台6とともに横移動させて熱板3の下方位置より移動させる。そして、完成した成形品(シート4を被覆・接着した基材10)を基材治具60から取り外し、収容空間R内から取り出すことで、一連の成形動作を完了する。
【0048】
このような成形装置1およびこれを用いた成形方法にあっては、刃63と前記移動手段とを備えたトリミング手段により、シート4を接着した基材10に対し、該基材10を基材治具60から取り外すことなくその状態でシート4のトリミングを行えるようにしたので、基材10を基材治具60から取り外して移送する必要がなく、したがって基材10から延び出た余分な部位のシート4の接着層が手や他の治具、装置などに接着することを確実に防止することができる。すなわち、基材10にシート4を接着した後、該シート4の接着層を露出させることなくトリミングを終了させることができる。
したがって、従来のように基材10からシート4が剥がれたりシート4が破損するのを防止し、生産性を格段に向上することができる。
【0049】
また、シート4を接着した基材10を保持する基材治具60と、刃63とを移動手段、すなわち付勢手段としてコイルバネ61と押圧手段としての空気圧とによって相対的に移動させ、シート4をカットするようにしたので、シート4のトリミングを容易にかつ確実に行うことができる。
【0050】
なお、本実施形態では、付勢手段としてコイルバネ61を用いたが、これに代えてゴム等の弾性体を用いてもよい。
また、本実施形態では、移動手段として付勢手段と押圧手段とを備えた構成としたが、このような移動手段に代えて、基材治具60を昇降可能にする移動手段を用いてもよい。この移動手段としては、例えば基材治具60を昇降可能にする公知のエアーシリンダ機構を用いることができる。ただし、その場合には、エアーシリンダ機構で基材治具60を下降させた際、基材治具60に伴われて基材10も共に下降するよう、基材治具60に基材10を固定する機構、例えば真空吸着などによる固定機構を設けておくのが好ましい。ただし、シート4が基材10に接着した際、その一部が基材治具60の側周面にも接着するため、このシート4を介して基材治具60と基材10とは一体化する。したがって、基材治具60を下降させた際に基材10も共に下降するようになるため、前記の固定機構を省略することもできる。
【0051】
図5(a)、(b)は、本発明の成形装置の第2実施形態を示す図である。
図5に示した成形装置が図1〜図4に示した成形装置1と異なるところは、前記移動手段における押圧手段として、加圧タンク7による空気圧を用いるのに代えて、押さえ治具65とプレス機構としての熱板3とを用いた点にある。
【0052】
すなわち、本実施形態では、熱板3や下枠2とは別に、樹脂や金属等からなる押さえ治具65が配設されている。この押さえ治具65は、基材10の外面をほぼ覆うようにこれに係合する凹部65aを有したもので、図示しない移動機構によって基材治具60上の基材10上に移動させられ、基材10に被着させられるようになっている。また、この押さえ治具65については、移動機構によって自動的に基材10に被着するように構成することなく、人手によって基材10に被着するようにしてもよい。
【0053】
このような押さえ治具65を備えた成形装置による成形方法では、図3(b)に示したように基材10に対してシート4を接着した後、一旦熱板3が上昇させられ、下枠2の収容空間Rが開放される。そして、前記の移動機構により、あるいは人手により、図5(a)に示すように押さえ治具65がシート4を接着した基材10に被着される。
【0054】
次いで、図5(b)に示すように熱板3が、プレス機構として機能するべく再度下降させられ、これによって押さえ治具65が加圧され、下降させられる。すると、押さえ治具65を介して基材10側に加えられる押圧力、すなわち熱板3による加圧力がコイルバネ61の付勢力より大きい圧となるので、基材治具60は基材10を保持した状態のまま下降する。
【0055】
このようにして基材治具60が下降し、基材10も同時に押圧されて下降することにより、先の第1実施形態と同様にして、刃63が相対的に基材10の前記底面10a側に移動し、該底面10a上に接着しているシート4をカットする。すなわち、基材10に接着したシート4のトリミングがなされる。
【0056】
次いで、熱板3を再度上昇させる。すると、押圧状態から開放されることで、基材治具60はコイルバネ61の作用によって再度上昇し、基台22から浮いた状態となる。これにより、刃63は基材10の底面10aから離間し、トリミングが終了して成形品が完成する。
その後、基材10上から押さえ治具65を取り除き、以下、第1実施形態と同様にして完成した成形品(シート4を被覆・接着した基材10)を取り出し、一連の成形動作を完了する。
【0057】
このような成形装置およびこれを用いた成形方法にあっても、刃63と前記押圧手段を有する移動手段とを備えたトリミング手段により、シート4を接着した基材10に対し、該基材10を基材治具60から取り外すことなくその状態でシート4のトリミングを行えるようにしたので、基材10を基材治具60から取り外して移送する必要がなく、したがって基材10から延び出た余分な部位のシート4の接着層が手や他の治具、装置などに接着することを確実に防止することができる。
したがって、従来のように基材10からシート4が剥がれたりシート4が破損するのを防止し、生産性を格段に向上することができる。
【0058】
図6は、本発明の成形装置の第3実施形態を示す図である。
図6に示した成形装置が図1〜図4に示した成形装置1と異なるところは、前記トリミング手段として、刃80と進退手段81とを備えて構成されている。なお、本実施形態では、基材治具60はその平面視した外形が基材10の平面視した外形とほぼ同じであり、したがって基材治具60の側周面と基材10の外周面とは、ほぼ面一になるように構成されている。
【0059】
刃80は、図1〜図5に示した刃63とは異なり、基材10または基材治具60の側周面、あるいはこれら基材10の側周面と基材治具60の側周面との間に対向して水平に配置されている。(図6では、基材10の側周面に対向して配置されている。)
この刃80は、複数の刃が平面視環状に組まれて配置され、それぞれが互いに干渉し合うことなく進退することで、基材10または基材治具60の外周を同時にまたは順次カットし(切り込み)、結果として基材10の外周に位置する余分な部位のシートを除去し、トリミングするようになっている。なお、刃80の周囲には、刃80の側面を覆い、その先端部のみを突出させるとともに、該刃80の進退をガイドするカバー82aが設けられている。また、進退手段81にも、シート4が付着するのを防止するカバー82bが設けられている。
【0060】
進退手段81は、前記刃80を構成する個々の刃にそれぞれ対応して基台22上に配置されたもので、公知のエアーシリンダ機構等からなるものであり、前記の刃80を保持固定し、これを基材10側に向けて進退させるものである。なお、進退手段81に周回機構を設け、刃80とともに進退手段81を基材10(基材治具60)の周囲に周回させるようにしてもよい。その場合には、刃80を複数の刃で構成することなく、単一の刃とすることができる。
【0061】
このようなトリミング手段を備えた成形装置による成形方法では、図3(b)に示したように基材10に対してシート4を接着すると、図6に示すようにシート4の外周部は、基材10の側周面と基材治具60の側周面の一部に接着し、さらに進退手段81やカバー82を覆う。
【0062】
次いで、進退手段81を動作させ、図6中二点鎖線で示すように刃80を前進させる。すると、刃80はシート4を切り込んで基材10の側周面に当接する。これにより、基材10の側周面に接着しているシート4はカットされ、シート4のトリミングがなされる。
その後、進退手段81によって刃80を後退させる。これにより、トリミングが終了して成形品を完成する。
以下、第1実施形態と同様にして完成した成形品を取り出し、一連の成形動作を完了する。
【0063】
このような成形装置およびこれを用いた成形方法にあっては、刃80と前記進退手段81とを備えたトリミング手段により、シート4を接着した基材10に対し、該基材10を基材治具60から取り外すことなくその状態でシート4のトリミングを行えるようにしたので、基材10を基材治具60から取り外して移送する必要がなく、したがって基材10から延び出た余分な部位のシート4の接着層が手や他の治具、装置などに接着することを確実に防止することができる。
したがって、従来のように基材10からシート4が剥がれたりシート4が破損するのを防止し、生産性を格段に向上することができる。
【0064】
なお、刃80については、基材10に対するシート4の望ましい被覆状態に対応して、基材10の側周面、基材治具60の側周面、これら基材10の側周面と基材治具60の側周面との間のいずれかに対向させて、配置することができる。
【0065】
図7は、本発明の成形装置の第4実施形態を示す図である。
図7に示した成形装置が図6に示した成形装置と異なるところは、前記トリミング手段を、基材10にシート4を接着する装置に対して移動可能に設けた点である。
本実施形態において、基材10に対してシート4を接着する装置(図示せず)としては、図2に示した成形装置1において、刃63と基材治具60を付勢するコイルバネ61とを除いた構成のものが用いられる。
【0066】
トリミング手段としては、サイドカット装置85が用いられる。このサイドカット装置85は、図6に示した刃80と進退手段81とを備え、さらに図示しない移動機構を備えたもので、前記のシート4を接着する装置に対して移動可能に設けられている。なお、このサイドカット装置85の刃80も、図6に示した刃80と同様、基材10に対するシート4の望ましい被覆状態に対応して、基材10の側周面、基材治具60の側周面、これら基材10の側周面と基材治具60の側周面との間のいずれかに対向させて、配置することができる。
【0067】
このようなトリミング手段を備えた成形装置による成形方法では、図3(b)に示したように基材10に対してシート4を接着した後、一旦熱板3が上昇させられ、下枠2の収容空間Rが開放される。そして、前記の移動機構により、図7に示すようにサイドカット装置85がシート4を接着した基材10の周囲に配置される。
【0068】
次いで、進退手段81を動作させ、図7中二点鎖線で示すように刃80を前進させる。すると、刃80はシート4を切り込んで例えば基材10の側周面に当接する。これにより、基材10の側周面に接着しているシート4はカットされ、シート4のトリミングがなされる。
次いで、進退手段81によって刃80を後退させる。これにより、トリミングが終了して成形品を完成する。その後、前記の移動機構によってサイドカット装置85を基台22上から初期位置に戻す。
以下、第1実施形態と同様にして完成した成形品を取り出し、一連の成形動作を完了する。
【0069】
このような成形装置およびこれを用いた成形方法にあっても、刃80と前記進退手段81とを備えたトリミング手段(サイドカット装置85)により、シート4を接着した基材10に対し、該基材10を基材治具60から取り外すことなくその状態でシート4のトリミングを行えるようにしたので、基材10を基材治具60から取り外して移送する必要がなく、したがって基材10から延び出た余分な部位のシート4の接着層が手や他の治具、装置などに接着することを確実に防止することができる。
したがって、従来のように基材10からシート4が剥がれたりシート4が破損するのを防止し、生産性を格段に向上することができる。
【0070】
なお、図7に示したサイドカット装置85を用いた成形装置では、前記の移動機構によってサイドカット装置85を基台22上に移動するのに代えて、シート4を接着した基材10を基材治具60に保持したまま、基材治具60ごとサイドカット装置85に移動させ、トリミングを行うようにしてもよい。その際、基材治具60ごとのサイドカット装置85への移動については、移動機構(図示せず)を用いてもよく、人手で行うようにしてもよい。
【0071】
以上、本発明の成形装置および成形方法の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の成形装置としては、図2〜図4に示したトリミング手段、図5に示したトリミング手段、図6に示したトリミング手段、図7に示したトリミング手段のうちの複数を備え、基材10の形態やシート4の性状等に応じてトリミング手段を適宜に選択し、使用できるようにしてもよい。
【0072】
また、前記実施形態では、基材10に対してシート4を接着する機構として、熱板加熱方式のものを用いたが、他に例えば、輻射加熱方式のものを用いてもよい。
また、前記実施形態では、基材治具60と刃63とを相対的に移動させる移動手段として、基材治具60を刃63に対して移動させる構成を採用したが、基材治具60を固定し、刃63を移動させるように構成してもよく、両者を共に移動させるように構成してもよい。
また、前記実施形態では、図1に示したように成形装置の下枠2を図1に示すように熱板3の下側の成形位置に対して進退可能、すなわち前後方向にスライドするスライド式としたが、例えば平面視円周状に回転するロータリー方式としてもよい。
【0073】
また、図5(a)、(b)に示した第2実施形態においては、前記押圧手段として、押さえ治具65とプレス機構としての熱板3とを用いたが、例えば成形装置を図7に示した第4実施形態のように、基材10にシート4を接着する装置に対して、トリミング手段を移動可能に設けるように構成することもできる。その場合には、熱板3をプレス機構として用いることなく、別にプレス装置(図示せず)を用いることができる。
【0074】
すなわち、図5(a)、(b)に示した成形装置の下枠2を、架台6によって例えば図1に示した熱板3とは異なる位置に移動させる。そして、図5(b)に示した熱板3に相当するプレス板を備えたプレス装置により、図5(b)に示したように押さえ治具65を押圧することにより、トリミングを行うことができる。
このように構成した場合には、下枠2を複数備えることで、基材10へのシート4の接着とトリミングとを並行して行うことができ、生産性をより一層高めることができる。
【符号の説明】
【0075】
1…成形装置、2…下枠、3…熱板、4…シート、10…基材、10a…底面、22…基台、60…基材治具、61…コイルバネ(付勢手段)、63…刃、65…押さえ治具、80…刃、81…進退手段、85…サイドカット装置、R 収容空間(空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に設けられた基材治具と、
前記基材治具上に保持された基材に対して被覆された、接着層を有するシートを前記基材に接着する接着手段と、
前記シートを接着した前記基材に対し、該基材を前記基材治具から取り外すことなくその状態で前記シートのトリミングを行うトリミング手段と、を備えたことを特徴とする成形装置。
【請求項2】
前記基材治具は、前記基材の外周部が該基材治具の側周面より外側に延出するよう、その側周面が前記基材の外周面より内側となるように前記基材より小さく形成され、
前記トリミング手段は、前記基材治具の側周面より外側に延出した前記基材の外周部の底面に対向して設けられた刃と、前記基材治具と前記刃とを相対的に移動させることで前記基材の外周部の底面と前記刃とを接離可能に移動させる移動手段と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の成形装置。
【請求項3】
前記刃は前記基台に設けられていることを特徴とする請求項2記載の成形装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記基材治具上に保持された前記基材が前記刃から離間する方向に該基材治具を付勢する付勢手段と、前記基材治具上に保持された前記基材を前記刃に当接する方向に押圧する押圧手段と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の成形装置。
【請求項5】
前記押圧手段は、空気圧を用いてなることを特徴とする請求項4記載の成形装置。
【請求項6】
前記押圧手段は、押さえ治具と、これを押圧するプレス機構とを有して構成されることを特徴とする請求項4記載の成形装置。
【請求項7】
前記トリミング手段は、前記基材または前記基材治具の側周面、あるいはこれら側周面間に対向して設けられた刃と、前記刃を前記基材または前記基材治具、あるいはこれらの間に向けて進退させる進退手段と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の成形装置。
【請求項8】
基材治具に基材を保持させる保持工程と、
前記基材に接着層を有するシートを被覆し接着する接着工程と、
シートを接着した前記基材を前記基材治具から取り外すことなくその状態で前記シートのトリミングを行うトリミング工程と、を備えることを特徴とする成形方法。
【請求項9】
前記保持工程では、前記基材の外周部が該基材治具の側周面より外側に延出するよう、前記基材治具の側周面が前記基材の外周面より内側となるように前記基材治具に前記基材を保持させ、
前記トリミング工程では、前記基材治具の側周面より外側に延出した前記基材の外周部の底面に対向して設けた刃を、前記基材の外周部の底面に相対的に移動させることにより、該底面上に接着された前記シートをカットすることでトリミングを行うことを特徴とする請求項8記載の成形方法。
【請求項10】
前記トリミング工程では、前記基材または前記基材治具の側周面、あるいはこれら側周面間に対向して設けた刃を、前記基材または前記基材治具、あるいはこれらの間に向けて進退させることにより、前記基材または前記基材治具上、あるいはこれらの間の上に位置する前記シートをカットすることでトリミングを行うことを特徴とする請求項8記載の成形方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−78897(P2013−78897A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220292(P2011−220292)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【特許番号】特許第4972219号(P4972219)
【特許公報発行日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 博覧会名:「IGAS 2011」 主催者名:印刷機材団体協議会 開催日 :平成23年9月16日(金)〜9月21日(水)
【出願人】(304050369)株式会社浅野研究所 (44)
【Fターム(参考)】