説明

成膜方法及び半導体装置の製造方法

【課題】ポリイミド膜に対して高い密着性を有するコバルト膜を成膜する方法を提供する。
【解決手段】成膜装置100の処理容器1内で、処理容器1内にCOガスを導入しながら、ポリイミド膜81が形成されたウエハWを110℃以上400℃以下の温度で加熱し、ポリイミド膜81を熱処理する。熱処理によって、ポリイミド膜81中の分子が熱分解し、膜密度が減少するとともに、表面粗度が大きくなる。その後、処理容器1内に成膜原料であるCo(CO)を導入してCVD法によりポリイミド膜81上にコバルト膜83を堆積させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIやMEMSにおいて、Cu配線形成工程におけるCuめっきのシード層や、Cuの拡散を抑制するバリア層として、従来はCuが用いられていたが、凹部への埋め込み性の向上を図るため、抵抗が低く、Cuとの密着性が高いコバルト膜の利用が検討されている。コバルト膜の堆積手法として、段差被覆性が良いCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いたコバルト膜の成膜技術の開発が進められている。例えば、非特許文献1では、成膜原料のコバルト前駆体として、コバルトカルボニル錯体の一種であるCo(CO)を用い、これをチャンバー内に気相供給して基板上で熱分解させることによって、コバルト膜を堆積させる方法が報告されている。
【0003】
ところで、近年、LSIにおける多層配線の層間絶縁膜として、簡素なプロセスで平坦な絶縁層を形成できるとの理由から、ポリイミド樹脂などの有機高分子膜を適用することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−143681号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Journal of The Electrochemical Society,146(7)2720-2724(1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記非特許文献1のように、コバルト前駆体を用いてCVD法によって成膜されたコバルト膜は、下地膜がポリイミド膜である場合、十分な密着性が得られず、剥離を起こしやすいという課題があった。そのため、層間絶縁膜としてポリイミド膜を使用するプロセスにおいて、Cu配線形成のためのCuめっきのシード層として、上記CVD法により形成したコバルト膜を適用すると、ポリイミド膜との間で剥離が生じ、めっきシード層としての機能が低下し、Cu配線の形成が不十分になってしまうことがある。また、層間絶縁膜としてポリイミド膜を使用するプロセスにおいて、Cu拡散バリア層として上記CVD法により形成したコバルト膜を適用すると、ポリイミド樹脂膜との間で剥離が生じ、さらにはCu配線の剥離を引き起こすおそれがある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリイミド膜に対して高い密着性を有するコバルト膜を成膜する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の成膜方法は、基板上に形成されたポリイミド膜を110℃以上400℃以下の範囲内の温度で熱処理し、該ポリイミド膜を改質する工程と、
コバルト前駆体を原料として、改質された前記ポリイミド膜の上にCVD法によってコバルト膜を堆積させる工程と、を備えている。
【0009】
本発明の成膜方法において、前記ポリイミド膜を改質する工程では、ポリイミド樹脂の構成分子を部分的に熱分解させることが好ましい。
【0010】
本発明の成膜方法は、前記ポリイミド膜を改質する工程を還元性ガス雰囲気で行うことが好ましく、COガス雰囲気で行うことがより好ましい。
【0011】
本発明の成膜方法は、前記熱処理温度が、120℃以上340℃以下の範囲内であることが好ましい。
【0012】
本発明の成膜方法は、前記ポリイミド膜を改質する工程と、前記コバルト膜を堆積させる工程とを、同一の処理容器内で行うことが好ましい。
【0013】
本発明の成膜方法は、前記ポリイミド膜を改質する工程の後、前記コバルト膜を堆積させる工程の前に、前記処理容器内から前記ポリイミド膜の熱分解ガスを排出させる工程をさらに備えていることが好ましい。
【0014】
本発明の成膜方法は、前記コバルト膜をシード層として、電解めっき法によってCu膜を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
【0015】
本発明の半導体装置の製造方法は、上記いずれかに記載の成膜方法によって成膜された前記コバルト膜上に、Cu膜を形成する工程を備えている。この場合、前記コバルト膜が、Cu膜を形成するためのシード層及び/又はCuの拡散を抑制するバリア層であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の成膜方法によれば、基板上に形成されたポリイミド膜を熱処理し、ポリイミド膜を改質した後、該ポリイミド膜の上にCVD法によってコバルト膜を堆積させることにより、ポリイミド膜とコバルト膜との密着性が向上し、剥離を生じにくい。
【0017】
また、本発明の成膜方法により成膜されたコバルト膜をめっきシード層/バリア層として利用することにより、ポリイミド膜とコバルト膜との密着性を向上させることができるので、コバルト膜をめっきシード層としてCu配線を形成した後も、これら配線層の剥離が生じにくく、半導体装置の信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の成膜方法に利用可能な成膜装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る成膜方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3A】本発明の一実施の形態の成膜方法の工程説明に供するウエハ表面の要部断面図である。
【図3B】図3Aに続く工程図であり、ポリイミド膜の熱処理に関する説明図である。
【図3C】図3Bに続く工程図であり、コバルト膜を成膜した状態を示す説明図である。
【図3D】コバルト膜上にCu膜を成膜した状態を示す参考説明図である。
【図4】本発明の成膜方法をダマシンプロセスへ適用した工程説明に供するウエハ表面の断面図である。
【図5】図4に続く工程図であり、熱処理後の状態を示すウエハ表面の要部断面図である。
【図6】図5に続く工程図であり、コバルト膜を成膜した状態を示すウエハ表面の要部断面図である。
【図7】図6に続く工程図であり、Cu膜を埋め込んだ状態を示すウエハ表面の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。
<成膜装置の概要>
まず、本発明の成膜方法の実施に適した成膜装置の構成について説明する。図1は、本発明の成膜方法に使用可能な成膜装置100の概略構成例を示している。この成膜装置100は、CVD装置として構成されている。成膜装置100は、主要な構成として、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内に設けられた、基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という)Wを載置するステージ5と、このステージ5に載置されたウエハWを所定の温度に加熱するヒーター7と、処理容器1内にガスを導入するシャワーヘッド11と、コバルト前駆体を保持する原料容器21と、原料容器21内のコバルト前駆体を温度調節する温度調節装置23と、コバルト前駆体を処理容器1内に導入するためのキャリアガスを供給するガス供給部41と、処理容器1内を減圧排気する排気装置53と、を備えている。この成膜装置100は、ウエハW上にコバルト膜を堆積させる成膜処理を行うことができる。
【0020】
<処理容器>
成膜装置100は、気密に構成された略円筒状の処理容器1を有している。処理容器1は、例えばアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムなどの材質で形成されている。処理容器1は、天板1a、側壁1b及び底壁1cを有している。
【0021】
処理容器1の側壁1bには、この処理容器1内に対してウエハWを搬入、搬出するための開口1dが設けられており、さらに、開口1dを開閉するためのゲートバルブ3が設けられている。なお、処理容器1を構成する各部材の接合部分には、該接合部分の気密性を確保するために、シール部材としてのOリング(図示省略)が配備されている。
【0022】
<ステージ>
処理容器1の中にはウエハWを水平に支持する載置台であるステージ5が配備されている。ステージ5は、円筒状の支持部材5aにより支持されている。図示は省略するが、ステージ5には、ウエハWを支持して昇降させるための複数のリフトピンがステージ5の基板載置面に対して突没可能に設けられている。これらのリフトピンは任意の昇降機構により上下に変位し、上昇位置で搬送装置(図示省略)との間でウエハWの受け渡しを行うように構成されている。
【0023】
ステージ5には、ウエハWを加熱する加熱手段としてのヒーター7が埋設されている。ヒーター7は、電力供給部8から給電されることによりウエハWを所定の温度に加熱する抵抗加熱ヒーターである。また、ステージ5には、温度計測手段としての熱電対9aが配備されており、ステージ5の温度をリアルタイムで計測できるようになっている。なお、ウエハWの加熱温度や処理温度は、特に断りのない限り、ステージ5の計測温度を意味する。ウエハWを加熱するための加熱手段としては、抵抗加熱ヒーターに限らず、例えばランプ加熱ヒーターでもよい。
【0024】
<シャワーヘッド>
処理容器1の天板1aには、成膜原料ガス、キャリアガス等のガスを処理容器内に導入するシャワーヘッド11が設けられている。このシャワーヘッド11は、内部にガス拡散空間11aが設けられている。シャワーヘッド11の下面には、多数のガス吐出孔13が形成されている。ガス拡散空間11aはガス吐出孔13に連通している。シャワーヘッド11の中央部には、ガス拡散空間11aに連通するガス供給配管15aが接続されている。
【0025】
<原料容器>
原料容器21は、コバルト前駆体として、固体原料であるジコバルトオクタカルボニル[Co(CO)]を保持している。原料容器21は、例えばジャケット式熱交換器などの温度調節装置23を有している。温度調節装置23は、電力供給部8に接続されており、原料容器21の内部に収容されたCo(CO)を例えば常温(20℃)〜45℃の範囲内の温度に保持することにより気化させる。また、原料容器21内には、内部の温度をリアルタイムで計測するための熱電対9bが配備されている。なお、コバルト前駆体としては、Co(CO)以外に、例えばCVD法においてコバルト前駆体として使用可能なコバルト化合物であれば、特に制限なく使用することができる。
【0026】
原料容器21には、ガス供給配管15aと、ガス供給配管15bとが接続されている。ガス供給配管15aは、上記のとおりシャワーヘッド11のガス拡散空間11aに接続されている。ガス供給配管15aは、例えばジャケット式熱交換器などの温度調節装置25を有している。また、ガス供給配管15aには、熱電対9cが配備されており、管内の温度をリアルタイムで計測できるようになっている。温度調節装置25は、電力供給部8と電気的に接続されており、熱電対9cによる計測温度情報に基づき、ガス供給配管15a内を通過するCo(CO)を気化温度以上かつ分解開始温度(約45℃)未満の所定の温度に調節しながらシャワーヘッド11へ供給する。また、ガス供給配管15aには、バルブ17a及び開度調節バルブ17bが設けられている。
【0027】
<ガス供給源>
ガス供給部41は、一酸化炭素(CO)ガスを供給するCOガス供給源41aと、例えばAr、窒素などの不活性ガスを供給する不活性ガス供給源41bとを備えている。これらの一酸化炭素ガス及び不活性ガスは、原料容器21内で気化させた固体原料のCo(CO)を処理容器1内に運び込むためのキャリアガスとして用いられる。COガスは、気化したCo(CO)の分解を抑制する作用を有しているため、キャリアガスの一部としてCOを用いることが好ましい。Co(CO)は分解されることによりCOを生成するが、原料容器21内にCOを供給してCO濃度を高めておくことによって、原料容器21内でのCo(CO)の分解を抑制することができる。キャリアガスの全部をCOガスにすることも可能であり、その場合は、不活性ガスは使用しなくてもよい。なお、図示は省略するが、ガス供給部41は、COガス供給源41a及び不活性ガス供給源41bのほかに、処理容器1内をクリーニングするためのクリーニングガスの供給源や、処理容器1内をパージするためのパージガスの供給源等を有していてもよい。
【0028】
COガス供給源41aには、ガス供給配管15cが接続されている。ガス供給配管15cには、流量調整のためのMFC(マスフローコントローラ)19aと、その前後に配備されたバルブ17c,17dが設けられている。また、不活性ガス供給源41bには、ガス供給配管15dが接続されている。ガス供給配管15dには、流量調整のためのMFC(マスフローコントローラ)19bと、その前後に配備されたバルブ17e,17fが設けられている。そして、ガス供給配管15c,15dは、途中で合流してガス供給配管15bとなり、原料容器21に接続されている。ガス供給配管15bには、バルブ17gが設けられている。なお、ガス供給配管15bからは、途中でガス供給配管15eが分岐している。このガス供給配管15eは、原料容器21を介さず、ガス供給配管15bから直接ガス供給配管15aに接続するバイパスラインである。ガス供給配管15eは、不活性ガス供給源41bの不活性ガスをパージガスとして処理容器1内に導入する場合などに用いる。ガス供給配管15eには、バルブ17hが設けられている。
【0029】
成膜装置100では、COガス供給源41aからのCOガス及び/又は不活性ガス供給源41bからの不活性ガスを、ガス供給配管15c,15d,15bを介して原料容器21内に供給する。そして、COガス及び/又は不活性ガスをキャリアガスとして、温度調節装置23によって温度調節されて原料容器21内で気化したCo(CO)を、開度調節バルブ17bにより流量制御しながら、ガス供給配管15aを介してシャワーヘッド11のガス拡散空間11aへ供給する。ガス供給配管15a内を通過するCo(CO)は、温度調節装置25によって気化温度以上かつ分解開始温度未満の所定の温度に調節され、シャワーヘッド11へ供給される。そして、ガス吐出孔13から処理容器1内のステージ5上に配置されたウエハWへ向けて、原料であるCo(CO)を放出することができる。このように、成膜装置100では、分解しやすいCo(CO)を厳密に温度制御しながら処理容器1内に導入する構成としている。
【0030】
処理容器1の底壁1cには、排気口1eが形成されている。この排気口1eには排気管51が接続されており、この排気管51には、排気装置53が接続されている。排気装置53は、例えば図示しない圧力調整弁や真空ポンプなどを備えており、排気量を調節しながら処理容器1内の排気を行って処理容器1内を真空引きできるように構成されている。
【0031】
<制御系統>
次に、成膜装置100において、各種のプロセスを行う場合の制御系統について説明する。成膜装置100は、上記電力供給部8の出力制御を行う温度制御部60を備えている。電力供給部8、熱電対9a,9b,9c、及び温度調節装置23,25は、それぞれ温度制御部60と信号の授受が可能に接続されている。温度制御部60は、熱電対9a,9b,9cの計測温度情報を元に、フィードバック制御によって電力供給部8へ制御信号を送り、ヒーター7、温度調節装置23,25への出力を調節する。
【0032】
また、成膜装置100を構成する各エンドデバイス(例えばMFC19a,19b、排気装置53など)や温度制御部60は、統括制御機能を担う制御部70に接続されて制御される構成となっている。制御部70は、CPUを備えたコンピュータであるコントローラ71と、このコントローラ71に接続されたユーザーインターフェース72および記憶部73を備えている。ユーザーインターフェース72は、工程管理者が成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードやタッチパネル、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。記憶部73には、成膜装置100で実行される各種処理をコントローラ71の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウェア)や処理条件データ等が記録されたレシピが保存されている。そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース72からの指示等にて任意の制御プログラムやレシピを記憶部73から呼び出してコントローラ71に実行させることで、コントローラ71の制御下で、成膜装置100の処理容器1内で所望の処理が行われる。
【0033】
なお、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体74に格納された状態のものを記憶部73にインストールすることによって利用できる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体74としては、特に制限はないが、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVDなどを使用できる。また、前記レシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0034】
以上のような構成の成膜装置100では、制御部70の制御に基づき、CVD法によりコバルト膜の成膜処理が行われる。
【0035】
<成膜方法>
次に、成膜装置100を用いて行われる、本発明のコバルト膜の成膜方法のさらに具体的な内容について、好ましい実施の形態を挙げて説明する。ここでは、コバルト前駆体としてCo(CO)を用いる場合を例に挙げる。なお、他の成膜原料を用いる場合も、以下に説明する手順・条件に準じて実施できる。
【0036】
図2は、本発明の一実施の形態に係る成膜方法の手順の一例を示すフローチャートである。図3A〜図3Cは、本実施の形態の成膜方法の主要な工程を説明するためのウエハ表面の部分断面図である。図3Dは、さらにCu膜を成膜した状態を説明するウエハ表面の部分断面図である。
【0037】
この成膜方法は、例えば、成膜装置100の処理容器1内に、ポリイミド膜81が形成されたウエハWを搬入し、ステージ5上に配置する工程(STEP1)と、処理容器1内の圧力を調節する工程(STEP2)と、処理容器1内にCOガスを導入しながら、ポリイミド膜81を熱処理して改質する工程(STEP3)と、COガスの供給を停止し、処理容器1内に残留するガスを排出させる工程(STEP4)と、処理容器1内に成膜原料であるCo(CO)を導入してCVD法によりポリイミド膜81上にコバルト膜83を堆積させる工程(STEP5)と、成膜原料の供給を停止し、処理容器1内を真空引きする工程(STEP6)と、処理容器1内からウエハWを搬出する工程(STEP7)と、を含むことができる。
【0038】
(STEP1)
STEP1では、成膜装置100の処理容器1内に、ポリイミド膜81が形成されたウエハWを搬入する。具体的には、まず、ゲートバルブ3を開放した状態で、開口1dからウエハWを処理容器1内に搬入し、ステージ5の図示しないリフトピンに受け渡す。そして、リフトピンを下降させてウエハWをステージ5に載置する。図3Aでは、ウエハWの任意の下地膜80上に形成された最表面のポリイミド膜81の部分断面を示している。図示は省略するが、ウエハW上には、他に絶縁膜、半導体膜、導体膜等が形成されていてもよい。また、ポリイミド膜81には、開口部(配線溝となるトレンチやビアホールとなる貫通孔などを意味する)や凹凸パターンが形成されていてもよい。ポリイミド膜81は、例えば多層配線構造の層間絶縁膜である。
【0039】
(STEP2)
STEP2では、処理容器1内の圧力及びウエハWの温度を調節する。具体的には、ゲートバルブ3を閉じ、排気装置53を作動させて処理容器1内を所定圧力の真空にする。
【0040】
(STEP3)
STEP3は、ポリイミド膜81を熱処理して改質する工程である。本工程では、ステージ5に配備されたヒーター7に電力供給部8から給電し、ステージ5を介してウエハWの全体を加熱することにより、ウエハWに形成されたポリイミド膜81を加熱する構成としている。ポリイミド膜81を熱処理することによって、図3Bに示したように、ポリイミド膜81中の分子が部分的に分解されてCOやOなどの脱離ガスを生じる。なお、熱処理によって生じるガス中には、ポリイミド樹脂の分解により生じた脱離ガス以外に、ウエハWの表面に吸着していた成分のガスも含まれる。ポリイミド樹脂中の構成元素の脱離は、ポリイミド膜81の膜密度を減少させ、微視的にみてポーラス状の膜に改質させる。また、熱処理によってポリイミド膜81の表面付近の分子が分解する結果、ポリイミド膜81の表面が粗くなり、表面粗度が大きくなる。そのため、後の工程(STEP5)でコバルト膜を堆積させた場合に、アンカー効果によりコバルト膜との密着力を向上させることができる。なお、図3Bでは、ポリイミド膜81の表面が粗化された状態を模式的に破線で示している。
【0041】
熱処理の温度は、ポリイミド膜81を構成するポリイミド樹脂の種類、分子構造等に応じてポリイミド膜81に適度なダメージを与えて改質できる温度に設定できるため、特に限定されるものではない。熱処理温度の一例を挙げると、110℃〜400℃の範囲内が好ましく、120℃〜340℃の範囲内がより好ましく、180℃〜220℃の範囲内が望ましい。熱処理温度が110℃未満では、ポリイミド膜81中の構成分子の分解が進まず、十分な改質効果が得られない。一方、熱処理温度が400℃を越えると、ポリイミド膜81の劣化が進みすぎ、絶縁性能が低下して絶縁膜としての本来的機能が損なわれるおそれがある。熱処理の時間は、十分な改質が行えればよいため、特に限定する意味ではないが、例えば5〜30分間とすることが好ましい。
【0042】
また、本実施の形態では、処理容器1内にCO(一酸化炭素)ガスを導入し、処理容器1内をCOガス雰囲気にしてポリイミド膜81の熱処理を行うことが好ましい。COガスは、バルブ17c,17d及び17hを開放して、COガス供給源41aから、ガス供給配管15c,15e及び15a及びシャワーヘッド11を介して処理容器1内に導入できる。COガス雰囲気で熱処理を行うことによって、ポリイミド膜81中の分子の開裂を促進することができる。すなわち、COガスは還元作用を有するため、ポリイミド膜81を構成するポリイミド樹脂中において、例えば−O−、−CO−、−SO−、−CONH−等の結合に関与している酸素原子の脱離を促進することが可能になり、改質効率を向上させることができる。処理容器1内に導入するCOガスの流量は、処理容器1やウエハWの大きさにより適宜変更できるので特に限定されるものではないが、例えば100〜1000mL/min(sccm)の範囲内が好ましく、400〜600mL/min(sccm)の範囲内がより好ましい。なお、COガスに代えて、還元性ガスとして、例えばHガス等を用いることもできる。また、還元性ガスの導入は必須ではないが、上記のとおりポリイミド膜81の改質効率を向上させることができるので、還元性ガス雰囲気で熱処理を行うことが好ましい。
【0043】
本実施の形態では、成膜装置100の処理容器1内で、ポリイミド膜81の熱処理(STEP3)と、ポリイミド膜81上へのコバルト膜83の成膜処理(STEP5)とを行っている。同一チャンバー内で熱処理と成膜処理を行うことは、装置構成の簡素化と、スループットを向上させる観点から有利である。ただし、STEP3の熱処理は、必ずしも成膜装置100の処理容器1内で行う必要はなく、例えば専用の熱処理装置を使用して行ってもよい。その場合も、COガス等の還元性ガス雰囲気で実施することが好ましい。なお、ポリイミド膜81の熱処理は、例えばランプヒーター等を用いてポリイミド膜81に直接熱線を照射する方法によって行ってもよい。この場合は、ポリイミド膜81の表面から改質が進むため、コバルト膜83との密着性に関与する表層のみを集中して改質できる点で有利である。
【0044】
(STEP4)
次に、STEP4では、COガスの供給を停止し、引き切り状態とするか、或いは処理容器1内にパージガスを導入してパージ処理をする。パージガスとしては、不活性ガス供給源41bの不活性ガス(Nガス、Arガスなど)を用いることができる。パージガスは、不活性ガス供給源41bから、ガス供給配管15d,15e,ガス供給配管15a及びシャワーヘッド11を介して、処理容器1内に導入することができる。STEP4では、バルブ17c及び17dを閉じてCOガスの供給を停止し、バルブ17a,17hを閉じて排気装置53により処理容器1内を引き切り状態とした後、必要によりバルブ17e,17f及び17hを開放して処理容器1内にパージガスとしての不活性ガスを導入する。
【0045】
(STEP5)
STEP5は、成膜工程であり、図3Cに示したように、ポリイミド膜81の表面にCVD法によりコバルト膜83を形成する。この工程では、原料容器21を温度調節装置23によって例えば室温〜45℃に温度制御し、成膜原料のCo(CO)を気化させる。また、バルブ17hを閉じ、バルブ17a,17gを開放した状態で、さらにバルブ17c,17d及び/又はバルブ17e,17fを開放する。そして、マスフローコントローラ19a,19bによって流量を制御しながら、キャリアガスとして、COガス供給源41aからのCOガス及び/又は不活性ガス供給源41bからの不活性ガスをガス供給配管15c,15d及び15bを介して、原料容器21へ導入する。原料容器21からは、気化したCo(CO)をキャリアガスによってガス供給配管15aを介して処理容器1へ向けて供給する。この際、原料容器21、配管15aの温度を、温度調節装置23,25によってCo(CO)の気化温度以上かつ分解開始温度未満の温度に制御する。そして、Co(CO)とキャリアガスの混合ガスは、シャワーヘッド11のガス吐出孔13から処理容器1内の反応空間に供給される。このようにして、処理容器1内の反応空間で、Co(CO)が熱分解され、CVD法によってウエハW表面のポリイミド膜81の上に、コバルト膜83を成膜することができる。
【0046】
<成膜条件>
ここで、STEP5で行われるCVD法によるコバルト膜83の成膜処理における好ましい条件について詳細に説明する。
(成膜ガス)
本実施の形態の成膜方法では、成膜ガスとして、Co(CO)を用いる。Co(CO)の流量は、処理容器1やウエハWの大きさにより適宜変更できるので特に限定されるものではないが、例えば直径300mmのウエハWを処理する場合、コバルト膜83の膜厚のウエハ面内均一性、段差被覆性を良好にするとともに、原料消費コストを削減する観点から、例えば1〜1000mL/min(sccm)の範囲内であることが好ましく、50〜500mL/min(sccm)の範囲内であることがより好ましい。また、Co(CO)と混合状態で処理容器1内に導入されるキャリアガスの流量は、主原料容器21内の加熱温度におけるCo原料(Co(CO))の蒸気圧から求められるCo原料の流量を考慮して、COガス供給源41aからのCOガス及び/又は不活性ガス供給源41bからの不活性ガスの総流量として、例えば300〜5000mL/min(sccm)の範囲内が好ましく、500〜3000mL/minの範囲内がより好ましい。
【0047】
(処理圧力)
コバルト膜83の成膜処理における処理圧力は、例えば1.3Pa〜1333Pa(10mTorr〜10Torr)の範囲内が好ましく、13Pa以上660Pa以下の範囲内がより好ましい。処理圧力が1.3Paより低いと充分な成膜レートが得られない場合があり、1333Paを超えると成膜レートが大きくなりすぎて、コバルト膜83の剥がれ等の不具合が発生する場合がある。
【0048】
(処理温度)
コバルト膜83の成膜処理における処理温度(ウエハWの加熱温度)は、例えば80℃以上300℃以下の範囲内とすることが好ましく、120℃以上250℃以下の範囲内とすることがより好ましい。処理温度が80℃未満では、Co(CO)からCo及びCOへ分解が完全に進まない可能性があり、300℃を超えるとCoが凝集して均一な成膜ができなくなる場合がある。
【0049】
成膜装置100では、上記範囲内のガス流量、処理圧力及び処理温度の条件を組み合わせることによって、所望の成膜レートでコバルト膜83を成膜できる。上記成膜条件は、制御部70の記憶部73にレシピとして保存しておくことができる。そして、コントローラ71がそのレシピを読み出して成膜装置100の温度制御部60や各エンドデバイスへ制御信号を送出することにより、成膜装置100において、所望の条件で成膜処理を行うことができる。
【0050】
(STEP6)
所定の膜厚になるまで、ウエハW表面のポリイミド膜81の上に、コバルト膜83を堆積させた後、STEP6では、原料供給を停止し、処理容器1内を真空引きする。すなわち、バルブ17a,17g,17c,17d,17e,17fを閉じ、COガス供給源41aからのCOガス、不活性ガス供給源41bからの不活性ガスの供給を停止し、排気装置53により処理容器1内を真空引きする。これにより、処理容器1内に残留した未反応の成膜原料のCo(CO)やCOを処理容器1の外へ排出する。
【0051】
(STEP7)
STEP7では、STEP1と逆の手順でコバルト膜83が形成されたウエハWを処理容器1から搬出する。
【0052】
STEP1〜STEP7の工程を経て形成されるコバルト膜83は、例えばCu配線やCuプラグを形成するためのシード層として有用である。例えば、図3Dに示したように、Cu膜85を電気めっき法により成膜する場合に、導電性を有するコバルト膜83はめっきシード層として機能する。また、Cu膜85が成膜された後には、コバルト膜83は、ポリイミド膜81や他の絶縁膜へのCuの拡散を抑制するバリア層としても機能する。そして、本実施の形態の成膜方法によって得られたコバルト膜83は、ポリイミド膜81が改質されているため、コバルト膜83との密着性に非常に優れている。
【0053】
コバルト膜83の膜厚は、めっきシード層としての機能を維持しながらCu拡散バリア機能を発揮させる観点から、例えば2〜10nmの範囲内とすることが好ましく、さらに配線パターンの微細化を図る観点から、5nm以下(例えば2〜5nm)とすることがより好ましい。
【0054】
また、本実施の形態の成膜方法では、ステップカバレッジも良好であり、図示は省略するが、ポリイミド膜81に凹凸がある場合でも均一な膜厚でコバルト膜83を成膜することができる。
【0055】
なお、本実施の形態の成膜方法は、上記STEP1〜STEP7の工程以外に、任意の工程を設けてもよい。
【0056】
[実施例]
次に、本発明の効果を確認した実験データについて説明する。図1の成膜装置100と同様の構成の成膜装置を用い、図2のSTEP1〜STEP7の手順に従い、ポリイミド膜上にコバルト膜を成膜した。実験では、STEP3の熱処理温度を120℃、175℃又は190℃に変えた以外は、下記に示す同一の条件で熱処理及びCVD法による成膜を実施した。なお、熱処理温度及び成膜温度は、いずれもステージの設定温度である。
【0057】
(実験条件)
ポリイミド膜に対する熱処理の条件は、COガスの流量を500mL/min(sccm)、処理時間を30分とした。コバルト膜の成膜は、キャリアガスとしてCOガスを総流量500mL/min(sccm)で原料容器内に供給し、コバルト前駆体であるCo(CO)を流量0.03mL/min(sccm)で処理容器内に導入し、処理圧力1333.3Pa、成膜温度200℃で実施した。コバルト膜の厚さは、100nmとした。
【0058】
上記各温度でポリイミド膜を熱処理後、コバルト膜を成膜した積層体のサンプルについて、ポリイミド膜とコバルト膜との密着力をテープテストにより評価を行い、剥れなかったものを「○」とした。
【0059】
【表1】

【0060】
表1から、本発明方法に従い、ポリイミド膜に熱処理を行った後、コバルト膜を成膜することにより、ポリイミド膜とコバルト膜との密着性が向上することが確認された。
【0061】
以上のように、本実施の形態の成膜方法によれば、ポリイミド膜81を熱処理し、ポリイミド膜81を改質した後、該ポリイミド膜81の上にCVD法によってコバルト膜83を堆積させることにより、ポリイミド膜81とコバルト膜83との密着性を向上させることができる。
【0062】
また、本発明の成膜方法により成膜されたコバルト膜83をめっきシード層/バリア層として利用することにより、ポリイミド膜81とコバルト膜83との密着性を向上させることができるので、コバルト膜83上にCu配線(Cu膜85)を形成した後も、Cu配線の剥離が生じにくく、半導体装置の信頼性を確保できる。
【0063】
[ダマシンプロセスへの適用例]
次に、図4〜図7を参照しながら、上記実施の形態の成膜方法を、ダマシンプロセスに応用した適用例について説明する。図4は、コバルト膜83を成膜する前の積層体を示すウエハWの要部断面図である。下地配線層となる層間絶縁膜101の上には、層間絶縁膜103が形成されている。さらに、層間絶縁膜101にはCuが埋め込まれた下層配線105が形成されている。層間絶縁膜103は、ポリイミド樹脂からなるポリイミド膜である。
【0064】
図4に示すように、層間絶縁膜103には、開口部103a,103bが所定のパターンで形成されている。開口部103aはビアホールであり、開口部103bは配線溝である。開口部103aは下層配線105の上面まで達している。
【0065】
図5は、図4の積層体に対して熱処理を行い、ポリイミド樹脂からなる層間絶縁膜103を改質した状態を示している。改質により、層間絶縁膜103の膜密度が減少し、微視的にポーラス化するとともに、表面が粗化される。図5では、層間絶縁膜103の粗化された表面を破線で示している。
【0066】
次に、図6は、図5の積層体に対して、成膜装置100を用いて上記実施の形態の方法によりコバルト膜83を形成した後の状態を示している。成膜工程では、上記の成膜条件によりCVD法を行うことにより、開口部103a,103bが高アスペクト比である場合でも、層間絶縁膜103に対する密着性に優れたコバルト膜83を、均一な膜厚で、かつ良好なステップカバレッジで成膜できる。このコバルト膜83は、導電性を有しており、次の工程でCuめっきを行う際のめっきシード層として機能する。
【0067】
次に、図7に示すように、コバルト膜83をめっきシード層として用い、電解めっき法によりCuを堆積させて開口部103a及び103bを埋めるCu膜107を形成する。開口部103a内に埋め込まれたCu膜107はCuプラグとなり、開口部103b内に埋め込まれたCu膜107はCu配線となる。以降は、常法に従い、CMP(化学機械研磨)法により平坦化を行って余分なCu膜107を除去することにより、Cuプラグ及びCu配線が形成された多層配線構造体を作製することができる。
【0068】
このようにして形成された多層配線構造体において、熱処理されたポリイミド樹脂の層間絶縁膜103上に堆積されたコバルト膜83は、粗化されたポリイミド樹脂表面のアンカー効果によって、強固な密着性をもって形成されている。従って、Cu膜107を形成後も、コバルト膜83及びCu膜107の剥離を防止することが可能である。また、コバルト膜83は、めっきシード層としての機能に加え、バリア機能を有するため、Cu膜107から層間絶縁膜101,103へのCuの拡散を抑制できる。また、コバルト膜83は、低抵抗な膜であるため、開口部103a,103b内に埋め込まれたCu膜107と下層配線105との電気的なコンタクトを確保できる。従って、信頼性に優れた多層配線構造体を備えた電子部品を製造できる。
【0069】
以上の説明では、成膜方法をデュアルダマシンプロセスへ適用した例を挙げたが、シングルダマシンプロセスにも同様に適用可能である。
【0070】
以上、本発明の実施の形態を述べたが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、被処理体である基板として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、例えば、ガラス基板、LCD基板、セラミック基板等にも本発明を適用することができる。
【0071】
また、本発明の成膜方法は、例えば3次元実装パッケージにおけるTSV(シリコン貫通電極)内を被覆する絶縁膜としてポリイミド膜を使用し、シード層・バリア層としてコバルト膜を使用する場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0072】
1…処理容器、1a…天板、1b…側壁、1c…底壁、3…ゲートバルブ、5…ステージ、7…ヒーター、8…電力供給部、9a,9b,9c…熱電対(TC)、11…シャワーヘッド、11a…ガス拡散空間、13…ガス吐出孔、15a,15b,15c,15d,15e,15f…ガス供給配管、17a,17b,17c,17d,17e,17f,17g,17h,17i…バルブ、19a,19b…マスフローコントローラ(MFC)、21…原料容器、23,25…温度調節装置、41…ガス供給部、41a…COガス供給源、41b…不活性ガス供給源、53…排気装置、70…制御部、100…成膜装置、W…半導体ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成されたポリイミド膜を110℃以上400℃以下の範囲内の温度で熱処理し、該ポリイミド膜を改質する工程と、
コバルト前駆体を原料として、改質された前記ポリイミド膜の上にCVD法によってコバルト膜を堆積させる工程と、
を備えた成膜方法。
【請求項2】
前記ポリイミド膜を改質する工程では、ポリイミド樹脂の構成分子を部分的に熱分解させる請求項1に記載の成膜方法。
【請求項3】
前記ポリイミド膜を改質する工程を還元性ガス雰囲気で行う請求項1又は2に記載の成膜方法。
【請求項4】
前記ポリイミド膜を改質する工程をCOガス雰囲気で行う請求項1又は2に記載の成膜方法。
【請求項5】
前記熱処理温度が、120℃以上340℃以下の範囲内である請求項1から4のいずれか1項に記載の成膜方法。
【請求項6】
前記ポリイミド膜を改質する工程と、前記コバルト膜を堆積させる工程とを、同一の処理容器内で行う請求項1から5のいずれか1項に記載の成膜方法。
【請求項7】
前記ポリイミド膜を改質する工程の後、前記コバルト膜を堆積させる工程の前に、前記処理容器内から前記ポリイミド膜の熱分解ガスを排出させる工程をさらに備えた請求項6に記載の成膜方法。
【請求項8】
前記コバルト膜をシード層として、電解めっき法によってCu膜を形成する工程をさらに備えた請求項1から7のいずれか1項に記載の成膜方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の成膜方法によって成膜された前記コバルト膜上に、Cu膜を形成する工程を備えた半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記コバルト膜が、Cu膜を形成するためのシード層及び/又はCuの拡散を抑制するバリア層である請求項9に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−174845(P2012−174845A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34504(P2011−34504)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】