成膜材料供給装置
【課題】3個以上のリングハースに対しても均等に成膜材料を供給することができること。
【解決手段】長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給することを特徴とする。
【解決手段】長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成膜材料供給装置に関するものであり、更に詳しくは、真空蒸着装置において、成膜材料を成膜材料供給室から成膜室のリングハースへ定量的に供給する成膜材料供給装置に関するものである。
【0002】
プラズマテレビに使用されているプラズマディスプレイパネル(PDP)のパネルとなる前面のガラス基板には放電電極が形成されており、その放電電極を保護するために酸化マグネシウム(MgO)の膜が形成されている。近年のプラズマテレビの著しい普及によってパネルの需要が急激に増大しており、それに応じてMgO成膜用の真空蒸着装置にも生産能力の増大が求められている。
【0003】
従来のMgO成膜用の真空蒸着装置におけるMgOの供給装置としては、図21に示すようなものが知られている。 図21を参照し、真空蒸着装置の成膜室120の上部には、電極の形成された基板Gを水平な姿勢で搬入し搬出する搬送手段128が設けられており、ガラス基板Gの下方には、保護膜の材料であるMgOペレットを蒸発させるための2個のリングハ−ス150が電子ビームを発生させるピアスガン151と共に配置されている。また、成膜室120の両側部の上方には成膜材料供給室110が設けられており、成膜材料供給室110にはMgOペレットを成膜室120内へ送り込む第2供給手段が設けられ、成膜材料供給室110とはゲートバルブ113を介して接続されている。成膜室120内にはMgOペレットをリングハース150へ供給する第1供給手段である回転円筒フィーダ141が設けられている。そして成膜室120は真空ポンプ109によって真空排気され、成膜材料供給室110は図示されない真空ポンプによって真空排気される。なお、MgOペレットは粗目状や円柱状(例えば、直径が5〜6mmで高さ3〜5mm)のものとして供給される。
【背景技術】
【0004】
然るに最近のガラス基板の大型化に伴い、成膜室120内にリングハース150を図22に示すように3個並設する必要が生じてきた。これらの上方には図22に示すようにガラス基板Gが搬送手段128により紙面に対して垂直方向に移送されるのであるが、中央のリングハース150に成膜材料MgOペレットを供給するために、左右両端のリングハース150と同様の成膜材料供給装置を設けようとしても図から明らかなように、ガラス基板Gに影響を与えずに成膜材料供給室110および回転円筒フィーダ141を設置することができない
【0005】
他方、特開2003−321768号公報には、円周上に並べられた3個のリングハースが回転して順に電子銃で加熱され、これら上方に円形の基板ホルダに保持された複数の基板が回転されてリングハースからの成膜材料を蒸着させる装置が記載されている。これらリングハースにはリニアフィーダにより成膜材料を供給するようにしている。これにより3個のリングハースには均等に成膜材料を供給することができるとしている。本願発明のように基板が下方に並設されたリングハースの上方を所定方向に移送される装置ではなく、また、リニアフィーダについても何ら制御性については述べられていない。
【0006】
【特許文献1】特開2003−321768号公報
【特許文献2】特開2000−199050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は上述の問題に鑑みてなされ、移送される基板の幅方向に3個以上並設されたリングハースに対して、両端のリングハースを除く中間のリングハースにも成膜材料の供給ができ、しかもすべてのリングハースに均等に成膜材料を供給することができる成膜材料供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題は、長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給することを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置によって解決される。
【0009】
また、以上の課題は、長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給され、両端の前記成膜材料供給室内においては、前記成膜材料を下方へ排出する成膜材料ホッパーと、前記成膜材料ホッパーから排出される前記成膜材料を計量して一定量の前記成膜材料を受ける計量ホッパーと、前記計量ホッパーから排出される一定量の前記成膜材料を受けて下方へ排出する漏斗状ホッパーと、前記成膜室内に設置され、前記漏斗状ホッパーから排出される前記成膜材料を受けて下方の前記リングハースへ所定の供給速度で供給する定量移送機器が設置されていることを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置によって解決される。
【発明の効果】
【0010】
リングハースが移送される基板の幅方向に3個以上並設され、成膜すべき基板がこれら上方を移送される場合にも、それぞれのリングハースに成膜材料を均等に供給することができ、基板に均一な膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の成膜材料供給装置は、図1に示すように従来例の図22に示したものと同様な構成の真空蒸着装置に据え付けられ、両端のリングハースに対する成膜材料供給装置における成膜材料供給室を図2〜図5によって示す。すなわち、図2は成膜材料供給室10を概略的に示す縦断面図であり、図3は成膜材料供給室10の平面図である。また図4は図2における[4]−[4]線方向の断面図であり、図5は図2における[5]−[5]線方向の断面図である。
【0012】
図2を参照して、成膜材料供給室10の内部には成膜材料ホッパー11、成膜材料ホッパー11の第1排出口12の直下には計量ホッパー21、計量ホッパー21の第2排出口22の直下には漏斗状ホッパー31が設けられており、漏斗状ホッパー31の底部の排出管32は成膜室20内へ挿入される。そして、成膜材料供給室10は真空ポンプ9によって真空排気されている。また、図2、図3、 図5を参照して、成膜材料供給室10の天井部1から垂下され、成膜材料ホッパー11内の成膜材料であるMgOペレット内へ突っ込むように12本のパイプ状ヒーター17が設けられている。加えて計量ホッパー21の外壁にはヒーターが巻き付けられている。そのほか、図2〜図4を参照して、天井部1には、成膜材料ホッパー11内へMgOペレットを投入する時に開放される投入蓋4が設けられている。
【0013】
成膜材料ホッパー11の円筒形状の第1排出口12は第1回動軸13によって回動される第1開閉腕14の平板部14pの先端側に固定された円柱形状部15bとその上の同径の円錐形状部15aとからなる挿入栓15が下方から挿入されて閉じられ、挿入栓15が下方へ引き抜かれることによって開かれる。また、計量ホッパー21の第2排出口22は第2回動軸23によって回動される蓋板25が傾斜した状態で下方から当接されることによって閉じられ、蓋板25が下方へ離脱されることにより開かれる。そして、図4を参照し、成膜材料ホッパー11の第1排出口12を開閉させる第1回動軸13はエアシリンダ16によって駆動され、図5を参照し、計量ホッパー21の第2排出口22を開閉させる第2回動軸23はエアシリンダ26によって駆動される。
【0014】
上記の成膜材料ホッパー11は真空蒸着装置を例えば2週間以上連続運転することができる量のMgOペレットを収納することができる。そして、計量ホッパー21は底部の第2排出口22を閉じた状態で、上方の成膜材料ホッパー11の第1排出口12を開いて排出されるMgOペレットを受けるが、受ける量は常に一定量とされる。すなわち、図2を参照して、計量ホッパー21には所定の高さ位置において対向する側壁の一方の側壁に取り付けられた発光素子27aと、他方の側壁に取り付けられた受光素子27bとからなる第1光センサ27が設けられており、成膜材料ホッパー11から受け入れるMgOペレットの量が増大し、そのMgOペレットによって第1光センサ27の発光素子27aから受光素子27bに至る光が遮断されるとその遮断を検出して成膜材料ホッパー11の第1排出口12が閉じられるようになっている。計量ホッパー21に計量されるMgOペレットの量は成膜室20内の後述する回転円筒フィーダ41への供給量に見合う量である。
【0015】
計量ホッパー21の第2排出口22の直下に存在する漏斗状ホッパー31は、計量ホッパー21から排出されるMgOペレットを散逸させることなく受けてそのまま成膜室20内に設置されている回転円筒フィーダ41へ導くためのホッパーであり、底部は開閉されることなく、底部に取り付けられた鉛直方向の排出管32が上述したように成膜室20へ挿入されている。
【0016】
図6は上記の第1光センサ27と、成膜材料ホッパー11の第1排出口12の開閉、および計量ホッパー21の第2排出口22の開閉によるMgOペレットの排出、計量を概略的に示す部分省略斜視図である。すなわち、図6−Aは成膜材料ホッパー11の第1排出口12が閉じられており、成膜材料ホッパー11内にMgOペレットが収容されており、計量用の第1光センサ27が取り付けられている計量ホッパー21の第2排出口22は閉じられている状態、図6−Bは第1回動軸13が第1開閉腕14と挿入栓15を下方へ回動させて成膜材料ホッパー11の第1排出口12を開いてMgOペレットを下方の計量ホッパー21へ排出している状態、図6−Cは計量ホッパー21に収容されたMgOペレットの表面レベルが高くなり、第1光センサ27の発光素子27aから受光素子27bに至る光線が遮断されたことにより、第1回動軸13を逆方向へ回動させて成膜材料ホッパー11の第1排出口12へ挿入栓15を挿入して閉じて、一定量のMgOペレットを収容した後、第2回動軸23が蓋板25を下方へ回動させたことにより、成膜材料ホッパー11内に計量された一定量のMgOペレットが漏斗状ホッパー31を経由して下方の成膜室20における流入ガイド30の上流端部へ排出されている状態を示す。
【0017】
図7は成膜室20の内部に設置されるリングハ−ス50と共に示す回転円筒フィーダ41を示す図であり、図7−Aは部分省略した平面図、図7−Bは部分破断側面図である。図7−Bに示すように、回転円筒フィーダ41は、軸心を傾斜して回転される円筒状容器42の内周面にリボン状スクリュー43を取り付けたものであり、円筒状容器42の回転軸44は軸受45を介してブラケット46に支持されている。円筒状容器42の内容積は計量ホッパー21内のMgOペレット量よりも大とされている。そして、回転軸44はモータ47によって駆動され減速器48によって減速されて回転する。上記の回転軸44は水平面に対して角度55度に傾斜されている。そして、図8に示すように、リボン状スクリュー43が取り付けられている円筒状容器42内のMgOペレットは、回転される円筒状容器42の内壁面の最も低くなる部分に沿って上方へ移送され、円筒状容器42の上端縁の最も低くなる部分から送り出される。
【0018】
なお、図示せずとも、回転軸44の回転数をモニタリングしている第2光センサが回転軸44に近接して設けられている。そして、回転軸44の回転数によって回転円筒フィーダ41からリングハース50へのMgOペレットの供給量が算出されており、供給量が所定の値に達すると、計量ホッパー21の第2排出口22を開けて、MgOペレットが漏斗状ホッパー31を経て回転円筒フィーダ41へ排出される。
【0019】
更には、回転円筒フィーダ41の下流側に近接して、回転円筒フィーダ41の円筒状容器42から送り出されるMgOペレットを受けてリングハース50に供給するための供給シュート49が設けられている。すなわち、供給シュート49の一端側は回転する円筒状容器42の上端縁に囲うよう近接されており、他端側はリングハース50の直上まで延在している。また、成膜材料供給室10と回転円筒フィーダ41とリングハース50とを示す部分省略斜視図であり、本発明の実施の形態の成膜材料供給装置を示す図でもある図9を参照して、漏斗状ホッパー31の底部の排出管32が挿入される成膜室20においては、排出管32の直下に位置してMgOペレットを回転円筒フィーダ41へ導くための流入ガイド30が設けられており、流入ガイド30の下流端は回転する円筒状容器42の上へ僅かの間隙をあけてかぶさるよう設置されている。また回転円筒フィーダ41の下流側には上記の供給シュート49が設置されている。
【0020】
次に、前記と同様の成膜材料供給室10からの成膜材料を中央のリングハース50に供給する手段として用いられる電磁振動フィーダFについて説明する。これは、図10〜図14に示すように樋状のトラフ33の下方に基台34が配設されているが、これと傾斜した一対の板ばね35により結合され、トラフ33はトラフ取付部材36にボルトにより固定されている。この取付部材36の下方には電磁コイル37が上述の基台34に固定されている。電磁コイル37に交流を通電すると図17を参照して固定コア38と可動コア39との間に交番磁気吸収力が発生し、一対の板ばね35が傾斜配設されているためにトラフ33は矢印α方向(図12)に振動し、トラフ33上のMgOは矢印P方向(図12)に搬送される。
【0021】
図15はコイル電流値とMgO搬送量の関係を示すものである。これは10回測定した値の平均値より作成したもので、確度はかなり高いものである。コイル電流値を横軸にして、大きくしていくと、MgO搬送量kg/hrはほぼリニアに増大していることがわかる。これによりコイルに流す電流を、例えば可変抵抗の大きさを変えることにより、簡単にMgO搬送量を調節できることがわかる。これにより、両端部のリングハース50に対しては成膜材料供給装置10から供給されるのであるが、これらの供給量と等しくなるようにコイル電流値を調節すれば3個のリングハース50にMgOを均等に供給することができる。
【0022】
図18はMgOペレット粒径X(mm)対スプラッシュ発生頻度(個/分)の関係を示すもので、電子銃の加速電圧は20kv、蒸着速度3.6nm/s、電子銃のエミッション電流200mAに対するグラフであるが、MgO粒径Xが径0.8〜1.5ではスプラッシュ発生頻度が1.2回であるのに対して、MgO粒径Xが径1〜3、2〜3、及び4〜5では0回である。従って図19で示すようにトラフ33に分級手段として金網(例えば、パンチングメタル)Sを張設し、その孔径を1mmまたは1.5mm以下にしておけばそれ以下の粒径のMgOを除くことができ、スプラッシュの発生を殆ど無くすことができる。
【0023】
図19において、52は金網Sの孔から落ちたMgOを回収するためのガイド筒である。この下方には粒径の小さいMgOを収容するための受け箱53が設けられている。
【0024】
なお、図19の金網Sを張設する代わりに、トラフ33を材料の移送方向jに対し若干上向きにしておけば、公知の振動作用により粒子の小さいMgOは移送される層の下方を徐々に占めるようになり、これらはトラフ33の図において右端部に集まるので、右端に受け箱53を設けるだけでよい。
【0025】
図17では電磁コイル37のシール機構を図示しているが、コイル37を囲むようにケーシング40が基台34にシールリングgを介して取り付けられている。この基台34に図示せずとも貫通孔を設け(勿論シールリングgの内側に)電磁コイル37に流す電流を供給するリード線が挿通されており、また、図示せずとも電磁コイル37を冷却するための冷却パイプが同じ貫通孔を介して挿通される。
【0026】
電磁コイル37は公知のようにして製造されるが、その外部の絶縁材には、例えば絶縁を確かにするためにワニスが含浸される。真空中でこのコイル37に電流を流すと、当然のことながら発熱し高い温度となる。これによってワニスその他の蒸発物によって真空雰囲気が汚染され、成膜室20での膜形成に悪影響を及ぼす。従って、上述したようにコイル37はケーシング40によって真空雰囲気とは絶縁しておくことが望ましい。しかしコイル37の構造によっては、あるいはコイルの発熱温度によっては、密閉するケーシング40を省略して成膜室20に露出させるようにしてもよい。
【0027】
本発明の成膜材料供給装置の実施例は以上のように構成されているが、次にその作用を説明する。
【0028】
図1〜図5を参照して、図2では成膜材料供給室10の成膜材料ホッパー11は底部の円筒形状の第1排出口12へ円錐形状部15a付き挿入栓15が挿入されて第1排出口12は閉じた状態にあり、成膜材料ホッパー11の内部には真空蒸着装置の2週間以上の連続運転が可能である量のMgOペレットが収容されており、成膜材料ホッパー11内のMgOペレットに挿入されているパイプ状ヒーター17によって加熱状態にあり、かつ、成膜材料供給室10は真空ポンプ9で真空排気されており、MgOペレットに含まれている水分は充分に取り除かれているものとする。また、計量ホッパー21は第2排出口22が閉じられ計量された所定量のMgOペレットが収容されているものとする。更には図9を援用し真空排気されている成膜室20においても、回転円筒フィーダ41の円筒状容器42内には一定量のMgOペレットが収容されており、回転円筒フィーダ41およびリングハース50は起動されているものとする。
【0029】
成膜室20において、図7−Bを参照し、傾斜した回転軸44によって回転される回転円筒フィーダ41の円筒状容器42内のMgOペレットは、図8に示すように、リボン状スクリュー43によって内周面を上昇し上端縁の最も低い部分から定量的に送り出され、供給シュート49を経て低い回転速度(例えば1時間に1回転)で回転しているリングハース50上へ均等に供給され、成膜室20において基板にMgO蒸着膜を均等に形成させる。そして、第2光センサによって回転円筒フィーダ41の回転軸44の回転数がモニタリングされており、円筒状容器42からリングハース50への供給量が算出されているので、供給量が所定の値に達すると第2エアシリンダ26が駆動され第2回動軸23が回動されて蓋板25が共に回動されて計量ホッパー21の第2排出口22を開くので、計量ホッパー21からMgOペレットが排出されて漏斗状ホッパー31で受けられ、漏斗状ホッパー31の底部の鉛直な排出管32から成膜室20の流入ガイド30を経由して、回転円筒フィーダ41の円筒状容器42内へ排出される。円筒状容器42の容積は計量ホッパー21内のMgOペレット量よりも大に製作されているので、円筒状容器42から溢れ出すことはない。
【0030】
計量ホッパー21の蓋板25が開けられて所定の時間が経過すると、第2エアシリンダ26が起動されて第2回動軸23が逆方向へ回動されて蓋板25が計量ホッパー21の第2排出口22を閉じる。続いて図6も参照して、第1エアシリンダ16が駆動されて第1回動軸13が第1開閉腕14と共に回動され、成膜材料ホッパー11の第1排出口12を閉じている挿入栓15が第1排出口12から引き抜かれて成膜材料ホッパー11からMgOペレットが自重によって計量ホッパー21へ排出される。時間が経過すると共に計量ホッパー21内に収容されるMgOペレットの表面レベルは高くなるが、収容されたMgOペレットによって第1光センサ27の発光素子27aから受光素子27bに至る光線の遮断が検出されると、上記の第1エアシリンダ16が逆向きに駆動され第1排出口12へ挿入栓15が挿入されて成膜材料ホッパー11の第1排出口12が閉じられる。この時、挿入栓15の円錐形状部15aの円錐面が円筒状の第1排出口12の下端に当接して閉じられるが、第1排出口12の下端と円錐形状部15aの円錐面との間にMgOペレットのサイズより小さい距離をあけて挿入栓15を停止させてもよい。このようにして、計量ホッパー21内に所定量のMgOペレットが収容される。以降は同様な作用が繰り返されて、成膜材料供給装置による基板GへのMgO膜の成膜が長期間に亘って連続的に行われる。
【0031】
上記の挿入栓15のほか、径を若干小さくした円柱形状部(図2の15bに相当)と円錐形状部(図2の15aに相当)とし、その円柱形状部(図2の15bに相当)の外周面と第1排出口12の内面との隙間がMgOペレットのサイズより小であるような挿入栓(図2の15に相当)としてもよい。こうすることにより、MgOペレットは上記の隙間を落下しないので、第1排出口12の下端と挿入栓(図2の15に相当)が固定されている第1開閉腕14の平板部14pとの間にMgOペレットが挟み込まれることはない。そのほか挿入栓15の底面と同径の底面を有する円錐形状の挿入栓、または上記若干小径の挿入栓(図2の15に相当)の底面と同径の底面を有する円錐形状の挿入栓も採用し得る。
【0032】
また、本発明によれば3個並設されたリングハース50のうち中央のリングハース50には電磁振動フィーダFからMgOが供給されている。図1に示すように成膜すべき基板Gが並設方向に直角方向に移送されているのであるが、この両側の成膜材料供給室10のように装置高さを大とすることなく、これらより低い高さで電磁振動フィーダFを配設しているので、装置構造上は何ら問題となることなく、また図15において説明したようにコイル電流値を例えば図15と同様に0.4〜0.7Aまで変化させるとMgO搬送量kg/hrがほぼリニアに変化することが試験的に確認されている。特に図15のグラフは10回測定の平均値から測定したものであり、この確度はかなり高い。このグラフを制御装置の記憶装置に関数としてメモリすれば、この関係を利用して両側の成膜材料供給室10からの供給量と等しくなるようにコイルの電流値を調整して中央のリングハース50にも両側と同じ量で供給することができる。
【0033】
以上、本発明の実施例について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0034】
例えば以上の実施の形態においてはリングハース50を3個並設するようにしたが、更に多数のリングハースを並設するようにしてもよい。また以上の実施の形態では3個のリングハースが適用され、中央のリングハース50に対して電磁振動フィーダFでMgOを供給するようにしたが、3個以上の場合には両端のリングハースを除くリングハースに対して全て電磁振動フィーダFで供給するようにしてもよい。
【0035】
更に、両端のリングハース50に対しても上述の回転円筒フィーダ41代えて電磁振動フィーダFで供給するようにしてもよい。また更に、電磁振動フィーダの最上流端においても、図1における両側の成膜材料供給室10と同じ装置からMgOを供給するようにしてもよい。勿論、これに代えて通常のホッパーからMgOを電磁振動フィーダに供給するよにしてもよい。
【0036】
図20は、本発明の変形例を示すがこの場合には両側の回転円筒フィーダ41は省略され、この代わりに電磁振動フィーダF1、F3、F4が排出口をリングハース50に臨むように配設されている。両端の電磁振動フィーダF1、F4の上流側端部には上方に段差をもって同様な電磁振動フィーダF2、F5の下流側端部が位置するように配設される。勿論、電磁振動フィーダF2、F3、F5の上流側端部にはMgOを収容するためのホッパー、または図1で示すような成膜 材料供給室10を設けるようにしてもよい。この場合には電磁振動フィーダの特性を十分に生かすことができる。成膜装置全体の高さを上述の実施の形態よりはるか低くすることできる。また図20で示すように電磁振動フィーダの段差をもって直角または斜め方向の配設接続などにより限られた真空室空間を有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態による成膜装置の正面断面図。
【図2】同装置における成膜材料供給室の縦断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における成膜材料供給装置の平面図。
【図4】図2における[4]−[4]線方向の矢視図。
【図5】図2における[5]−[5]線方向の矢視図。
【図6】第1光センサと成膜材料ホッパーの第1排出口の開閉及び計量ホッパー第2排出口の開閉によるMgOペレットの移動、計量を概念的に示す断面図。
【図7】成膜室における回転円筒フィーダとリングハースを示す図であり、図7−Aは部分省略平面図、図7−Bは部分破断側面図。
【図8】回転円筒フィーダの作用を示す断面図。
【図9】成膜材料供給室における3個のホッパーと成膜室における回転円筒フィーダとからなる成膜材料供給装置を概念的に示す部分省略斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に適用される電磁振動フィーダの平面図。
【図11】同側面図。
【図12】図10における[12]−[12]線方向の断面図。
【図13】図12における[13]−[13]線方向の断面図。
【図14】同正面図。
【図15】電磁振動フィーダにおけるコイル電流値とMgO搬送量との関係を示すグラフ。
【図16】各段差を設けて3段の電磁振動フィーダを整列させた場合の側面図。
【図17】同電磁振動フィーダのコイルの真空シールを説明する部分側面図。
【図18】搬送されるMgOの粒径とスプラッシュ発生頻度との関係を示すグラフ。
【図19】トラフに金網を張設した場合を示す側面図。
【図20】成膜装置の変形例を示す概略平面図。
【図21】従来例の成膜装置の断面正面図。
【図22】図21においてリングハースを3個並設した場合を示す断面正面図。
【符号の説明】
【0038】
10・・・成膜材料供給室、11・・・成膜材料ホッパー、12・・・第1排出口、13・・・第1回動軸、14・・・第1開閉腕、15・・・挿入栓、16・・・第1エアシリンダ、17・・パイプ状ヒーター、20・・・成膜室、21・・・計量ホッパー、22・・・第2排出口、23・・・第2回動軸、25・・・蓋板、26・・・第2エアシリンダ、27・・・第1光センサ、30・・・流入ガイド、31・・・漏斗状ホッパー、32・・・排出管、33・・・トラフ、34・・・基台、35・・・板ばね、37・・・コイル、41・・・回転円筒フィーダ、42・・・円筒状容器、43・・・リボン状スクリュー、44・・・回転軸、47・・・モータ、48・・・減速器、49・・・供給シュート、50・・・リングハ−ス、F・・・電磁振動フィーダ、S・・・金網
【技術分野】
【0001】
本発明は成膜材料供給装置に関するものであり、更に詳しくは、真空蒸着装置において、成膜材料を成膜材料供給室から成膜室のリングハースへ定量的に供給する成膜材料供給装置に関するものである。
【0002】
プラズマテレビに使用されているプラズマディスプレイパネル(PDP)のパネルとなる前面のガラス基板には放電電極が形成されており、その放電電極を保護するために酸化マグネシウム(MgO)の膜が形成されている。近年のプラズマテレビの著しい普及によってパネルの需要が急激に増大しており、それに応じてMgO成膜用の真空蒸着装置にも生産能力の増大が求められている。
【0003】
従来のMgO成膜用の真空蒸着装置におけるMgOの供給装置としては、図21に示すようなものが知られている。 図21を参照し、真空蒸着装置の成膜室120の上部には、電極の形成された基板Gを水平な姿勢で搬入し搬出する搬送手段128が設けられており、ガラス基板Gの下方には、保護膜の材料であるMgOペレットを蒸発させるための2個のリングハ−ス150が電子ビームを発生させるピアスガン151と共に配置されている。また、成膜室120の両側部の上方には成膜材料供給室110が設けられており、成膜材料供給室110にはMgOペレットを成膜室120内へ送り込む第2供給手段が設けられ、成膜材料供給室110とはゲートバルブ113を介して接続されている。成膜室120内にはMgOペレットをリングハース150へ供給する第1供給手段である回転円筒フィーダ141が設けられている。そして成膜室120は真空ポンプ109によって真空排気され、成膜材料供給室110は図示されない真空ポンプによって真空排気される。なお、MgOペレットは粗目状や円柱状(例えば、直径が5〜6mmで高さ3〜5mm)のものとして供給される。
【背景技術】
【0004】
然るに最近のガラス基板の大型化に伴い、成膜室120内にリングハース150を図22に示すように3個並設する必要が生じてきた。これらの上方には図22に示すようにガラス基板Gが搬送手段128により紙面に対して垂直方向に移送されるのであるが、中央のリングハース150に成膜材料MgOペレットを供給するために、左右両端のリングハース150と同様の成膜材料供給装置を設けようとしても図から明らかなように、ガラス基板Gに影響を与えずに成膜材料供給室110および回転円筒フィーダ141を設置することができない
【0005】
他方、特開2003−321768号公報には、円周上に並べられた3個のリングハースが回転して順に電子銃で加熱され、これら上方に円形の基板ホルダに保持された複数の基板が回転されてリングハースからの成膜材料を蒸着させる装置が記載されている。これらリングハースにはリニアフィーダにより成膜材料を供給するようにしている。これにより3個のリングハースには均等に成膜材料を供給することができるとしている。本願発明のように基板が下方に並設されたリングハースの上方を所定方向に移送される装置ではなく、また、リニアフィーダについても何ら制御性については述べられていない。
【0006】
【特許文献1】特開2003−321768号公報
【特許文献2】特開2000−199050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は上述の問題に鑑みてなされ、移送される基板の幅方向に3個以上並設されたリングハースに対して、両端のリングハースを除く中間のリングハースにも成膜材料の供給ができ、しかもすべてのリングハースに均等に成膜材料を供給することができる成膜材料供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題は、長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給することを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置によって解決される。
【0009】
また、以上の課題は、長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給され、両端の前記成膜材料供給室内においては、前記成膜材料を下方へ排出する成膜材料ホッパーと、前記成膜材料ホッパーから排出される前記成膜材料を計量して一定量の前記成膜材料を受ける計量ホッパーと、前記計量ホッパーから排出される一定量の前記成膜材料を受けて下方へ排出する漏斗状ホッパーと、前記成膜室内に設置され、前記漏斗状ホッパーから排出される前記成膜材料を受けて下方の前記リングハースへ所定の供給速度で供給する定量移送機器が設置されていることを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置によって解決される。
【発明の効果】
【0010】
リングハースが移送される基板の幅方向に3個以上並設され、成膜すべき基板がこれら上方を移送される場合にも、それぞれのリングハースに成膜材料を均等に供給することができ、基板に均一な膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の成膜材料供給装置は、図1に示すように従来例の図22に示したものと同様な構成の真空蒸着装置に据え付けられ、両端のリングハースに対する成膜材料供給装置における成膜材料供給室を図2〜図5によって示す。すなわち、図2は成膜材料供給室10を概略的に示す縦断面図であり、図3は成膜材料供給室10の平面図である。また図4は図2における[4]−[4]線方向の断面図であり、図5は図2における[5]−[5]線方向の断面図である。
【0012】
図2を参照して、成膜材料供給室10の内部には成膜材料ホッパー11、成膜材料ホッパー11の第1排出口12の直下には計量ホッパー21、計量ホッパー21の第2排出口22の直下には漏斗状ホッパー31が設けられており、漏斗状ホッパー31の底部の排出管32は成膜室20内へ挿入される。そして、成膜材料供給室10は真空ポンプ9によって真空排気されている。また、図2、図3、 図5を参照して、成膜材料供給室10の天井部1から垂下され、成膜材料ホッパー11内の成膜材料であるMgOペレット内へ突っ込むように12本のパイプ状ヒーター17が設けられている。加えて計量ホッパー21の外壁にはヒーターが巻き付けられている。そのほか、図2〜図4を参照して、天井部1には、成膜材料ホッパー11内へMgOペレットを投入する時に開放される投入蓋4が設けられている。
【0013】
成膜材料ホッパー11の円筒形状の第1排出口12は第1回動軸13によって回動される第1開閉腕14の平板部14pの先端側に固定された円柱形状部15bとその上の同径の円錐形状部15aとからなる挿入栓15が下方から挿入されて閉じられ、挿入栓15が下方へ引き抜かれることによって開かれる。また、計量ホッパー21の第2排出口22は第2回動軸23によって回動される蓋板25が傾斜した状態で下方から当接されることによって閉じられ、蓋板25が下方へ離脱されることにより開かれる。そして、図4を参照し、成膜材料ホッパー11の第1排出口12を開閉させる第1回動軸13はエアシリンダ16によって駆動され、図5を参照し、計量ホッパー21の第2排出口22を開閉させる第2回動軸23はエアシリンダ26によって駆動される。
【0014】
上記の成膜材料ホッパー11は真空蒸着装置を例えば2週間以上連続運転することができる量のMgOペレットを収納することができる。そして、計量ホッパー21は底部の第2排出口22を閉じた状態で、上方の成膜材料ホッパー11の第1排出口12を開いて排出されるMgOペレットを受けるが、受ける量は常に一定量とされる。すなわち、図2を参照して、計量ホッパー21には所定の高さ位置において対向する側壁の一方の側壁に取り付けられた発光素子27aと、他方の側壁に取り付けられた受光素子27bとからなる第1光センサ27が設けられており、成膜材料ホッパー11から受け入れるMgOペレットの量が増大し、そのMgOペレットによって第1光センサ27の発光素子27aから受光素子27bに至る光が遮断されるとその遮断を検出して成膜材料ホッパー11の第1排出口12が閉じられるようになっている。計量ホッパー21に計量されるMgOペレットの量は成膜室20内の後述する回転円筒フィーダ41への供給量に見合う量である。
【0015】
計量ホッパー21の第2排出口22の直下に存在する漏斗状ホッパー31は、計量ホッパー21から排出されるMgOペレットを散逸させることなく受けてそのまま成膜室20内に設置されている回転円筒フィーダ41へ導くためのホッパーであり、底部は開閉されることなく、底部に取り付けられた鉛直方向の排出管32が上述したように成膜室20へ挿入されている。
【0016】
図6は上記の第1光センサ27と、成膜材料ホッパー11の第1排出口12の開閉、および計量ホッパー21の第2排出口22の開閉によるMgOペレットの排出、計量を概略的に示す部分省略斜視図である。すなわち、図6−Aは成膜材料ホッパー11の第1排出口12が閉じられており、成膜材料ホッパー11内にMgOペレットが収容されており、計量用の第1光センサ27が取り付けられている計量ホッパー21の第2排出口22は閉じられている状態、図6−Bは第1回動軸13が第1開閉腕14と挿入栓15を下方へ回動させて成膜材料ホッパー11の第1排出口12を開いてMgOペレットを下方の計量ホッパー21へ排出している状態、図6−Cは計量ホッパー21に収容されたMgOペレットの表面レベルが高くなり、第1光センサ27の発光素子27aから受光素子27bに至る光線が遮断されたことにより、第1回動軸13を逆方向へ回動させて成膜材料ホッパー11の第1排出口12へ挿入栓15を挿入して閉じて、一定量のMgOペレットを収容した後、第2回動軸23が蓋板25を下方へ回動させたことにより、成膜材料ホッパー11内に計量された一定量のMgOペレットが漏斗状ホッパー31を経由して下方の成膜室20における流入ガイド30の上流端部へ排出されている状態を示す。
【0017】
図7は成膜室20の内部に設置されるリングハ−ス50と共に示す回転円筒フィーダ41を示す図であり、図7−Aは部分省略した平面図、図7−Bは部分破断側面図である。図7−Bに示すように、回転円筒フィーダ41は、軸心を傾斜して回転される円筒状容器42の内周面にリボン状スクリュー43を取り付けたものであり、円筒状容器42の回転軸44は軸受45を介してブラケット46に支持されている。円筒状容器42の内容積は計量ホッパー21内のMgOペレット量よりも大とされている。そして、回転軸44はモータ47によって駆動され減速器48によって減速されて回転する。上記の回転軸44は水平面に対して角度55度に傾斜されている。そして、図8に示すように、リボン状スクリュー43が取り付けられている円筒状容器42内のMgOペレットは、回転される円筒状容器42の内壁面の最も低くなる部分に沿って上方へ移送され、円筒状容器42の上端縁の最も低くなる部分から送り出される。
【0018】
なお、図示せずとも、回転軸44の回転数をモニタリングしている第2光センサが回転軸44に近接して設けられている。そして、回転軸44の回転数によって回転円筒フィーダ41からリングハース50へのMgOペレットの供給量が算出されており、供給量が所定の値に達すると、計量ホッパー21の第2排出口22を開けて、MgOペレットが漏斗状ホッパー31を経て回転円筒フィーダ41へ排出される。
【0019】
更には、回転円筒フィーダ41の下流側に近接して、回転円筒フィーダ41の円筒状容器42から送り出されるMgOペレットを受けてリングハース50に供給するための供給シュート49が設けられている。すなわち、供給シュート49の一端側は回転する円筒状容器42の上端縁に囲うよう近接されており、他端側はリングハース50の直上まで延在している。また、成膜材料供給室10と回転円筒フィーダ41とリングハース50とを示す部分省略斜視図であり、本発明の実施の形態の成膜材料供給装置を示す図でもある図9を参照して、漏斗状ホッパー31の底部の排出管32が挿入される成膜室20においては、排出管32の直下に位置してMgOペレットを回転円筒フィーダ41へ導くための流入ガイド30が設けられており、流入ガイド30の下流端は回転する円筒状容器42の上へ僅かの間隙をあけてかぶさるよう設置されている。また回転円筒フィーダ41の下流側には上記の供給シュート49が設置されている。
【0020】
次に、前記と同様の成膜材料供給室10からの成膜材料を中央のリングハース50に供給する手段として用いられる電磁振動フィーダFについて説明する。これは、図10〜図14に示すように樋状のトラフ33の下方に基台34が配設されているが、これと傾斜した一対の板ばね35により結合され、トラフ33はトラフ取付部材36にボルトにより固定されている。この取付部材36の下方には電磁コイル37が上述の基台34に固定されている。電磁コイル37に交流を通電すると図17を参照して固定コア38と可動コア39との間に交番磁気吸収力が発生し、一対の板ばね35が傾斜配設されているためにトラフ33は矢印α方向(図12)に振動し、トラフ33上のMgOは矢印P方向(図12)に搬送される。
【0021】
図15はコイル電流値とMgO搬送量の関係を示すものである。これは10回測定した値の平均値より作成したもので、確度はかなり高いものである。コイル電流値を横軸にして、大きくしていくと、MgO搬送量kg/hrはほぼリニアに増大していることがわかる。これによりコイルに流す電流を、例えば可変抵抗の大きさを変えることにより、簡単にMgO搬送量を調節できることがわかる。これにより、両端部のリングハース50に対しては成膜材料供給装置10から供給されるのであるが、これらの供給量と等しくなるようにコイル電流値を調節すれば3個のリングハース50にMgOを均等に供給することができる。
【0022】
図18はMgOペレット粒径X(mm)対スプラッシュ発生頻度(個/分)の関係を示すもので、電子銃の加速電圧は20kv、蒸着速度3.6nm/s、電子銃のエミッション電流200mAに対するグラフであるが、MgO粒径Xが径0.8〜1.5ではスプラッシュ発生頻度が1.2回であるのに対して、MgO粒径Xが径1〜3、2〜3、及び4〜5では0回である。従って図19で示すようにトラフ33に分級手段として金網(例えば、パンチングメタル)Sを張設し、その孔径を1mmまたは1.5mm以下にしておけばそれ以下の粒径のMgOを除くことができ、スプラッシュの発生を殆ど無くすことができる。
【0023】
図19において、52は金網Sの孔から落ちたMgOを回収するためのガイド筒である。この下方には粒径の小さいMgOを収容するための受け箱53が設けられている。
【0024】
なお、図19の金網Sを張設する代わりに、トラフ33を材料の移送方向jに対し若干上向きにしておけば、公知の振動作用により粒子の小さいMgOは移送される層の下方を徐々に占めるようになり、これらはトラフ33の図において右端部に集まるので、右端に受け箱53を設けるだけでよい。
【0025】
図17では電磁コイル37のシール機構を図示しているが、コイル37を囲むようにケーシング40が基台34にシールリングgを介して取り付けられている。この基台34に図示せずとも貫通孔を設け(勿論シールリングgの内側に)電磁コイル37に流す電流を供給するリード線が挿通されており、また、図示せずとも電磁コイル37を冷却するための冷却パイプが同じ貫通孔を介して挿通される。
【0026】
電磁コイル37は公知のようにして製造されるが、その外部の絶縁材には、例えば絶縁を確かにするためにワニスが含浸される。真空中でこのコイル37に電流を流すと、当然のことながら発熱し高い温度となる。これによってワニスその他の蒸発物によって真空雰囲気が汚染され、成膜室20での膜形成に悪影響を及ぼす。従って、上述したようにコイル37はケーシング40によって真空雰囲気とは絶縁しておくことが望ましい。しかしコイル37の構造によっては、あるいはコイルの発熱温度によっては、密閉するケーシング40を省略して成膜室20に露出させるようにしてもよい。
【0027】
本発明の成膜材料供給装置の実施例は以上のように構成されているが、次にその作用を説明する。
【0028】
図1〜図5を参照して、図2では成膜材料供給室10の成膜材料ホッパー11は底部の円筒形状の第1排出口12へ円錐形状部15a付き挿入栓15が挿入されて第1排出口12は閉じた状態にあり、成膜材料ホッパー11の内部には真空蒸着装置の2週間以上の連続運転が可能である量のMgOペレットが収容されており、成膜材料ホッパー11内のMgOペレットに挿入されているパイプ状ヒーター17によって加熱状態にあり、かつ、成膜材料供給室10は真空ポンプ9で真空排気されており、MgOペレットに含まれている水分は充分に取り除かれているものとする。また、計量ホッパー21は第2排出口22が閉じられ計量された所定量のMgOペレットが収容されているものとする。更には図9を援用し真空排気されている成膜室20においても、回転円筒フィーダ41の円筒状容器42内には一定量のMgOペレットが収容されており、回転円筒フィーダ41およびリングハース50は起動されているものとする。
【0029】
成膜室20において、図7−Bを参照し、傾斜した回転軸44によって回転される回転円筒フィーダ41の円筒状容器42内のMgOペレットは、図8に示すように、リボン状スクリュー43によって内周面を上昇し上端縁の最も低い部分から定量的に送り出され、供給シュート49を経て低い回転速度(例えば1時間に1回転)で回転しているリングハース50上へ均等に供給され、成膜室20において基板にMgO蒸着膜を均等に形成させる。そして、第2光センサによって回転円筒フィーダ41の回転軸44の回転数がモニタリングされており、円筒状容器42からリングハース50への供給量が算出されているので、供給量が所定の値に達すると第2エアシリンダ26が駆動され第2回動軸23が回動されて蓋板25が共に回動されて計量ホッパー21の第2排出口22を開くので、計量ホッパー21からMgOペレットが排出されて漏斗状ホッパー31で受けられ、漏斗状ホッパー31の底部の鉛直な排出管32から成膜室20の流入ガイド30を経由して、回転円筒フィーダ41の円筒状容器42内へ排出される。円筒状容器42の容積は計量ホッパー21内のMgOペレット量よりも大に製作されているので、円筒状容器42から溢れ出すことはない。
【0030】
計量ホッパー21の蓋板25が開けられて所定の時間が経過すると、第2エアシリンダ26が起動されて第2回動軸23が逆方向へ回動されて蓋板25が計量ホッパー21の第2排出口22を閉じる。続いて図6も参照して、第1エアシリンダ16が駆動されて第1回動軸13が第1開閉腕14と共に回動され、成膜材料ホッパー11の第1排出口12を閉じている挿入栓15が第1排出口12から引き抜かれて成膜材料ホッパー11からMgOペレットが自重によって計量ホッパー21へ排出される。時間が経過すると共に計量ホッパー21内に収容されるMgOペレットの表面レベルは高くなるが、収容されたMgOペレットによって第1光センサ27の発光素子27aから受光素子27bに至る光線の遮断が検出されると、上記の第1エアシリンダ16が逆向きに駆動され第1排出口12へ挿入栓15が挿入されて成膜材料ホッパー11の第1排出口12が閉じられる。この時、挿入栓15の円錐形状部15aの円錐面が円筒状の第1排出口12の下端に当接して閉じられるが、第1排出口12の下端と円錐形状部15aの円錐面との間にMgOペレットのサイズより小さい距離をあけて挿入栓15を停止させてもよい。このようにして、計量ホッパー21内に所定量のMgOペレットが収容される。以降は同様な作用が繰り返されて、成膜材料供給装置による基板GへのMgO膜の成膜が長期間に亘って連続的に行われる。
【0031】
上記の挿入栓15のほか、径を若干小さくした円柱形状部(図2の15bに相当)と円錐形状部(図2の15aに相当)とし、その円柱形状部(図2の15bに相当)の外周面と第1排出口12の内面との隙間がMgOペレットのサイズより小であるような挿入栓(図2の15に相当)としてもよい。こうすることにより、MgOペレットは上記の隙間を落下しないので、第1排出口12の下端と挿入栓(図2の15に相当)が固定されている第1開閉腕14の平板部14pとの間にMgOペレットが挟み込まれることはない。そのほか挿入栓15の底面と同径の底面を有する円錐形状の挿入栓、または上記若干小径の挿入栓(図2の15に相当)の底面と同径の底面を有する円錐形状の挿入栓も採用し得る。
【0032】
また、本発明によれば3個並設されたリングハース50のうち中央のリングハース50には電磁振動フィーダFからMgOが供給されている。図1に示すように成膜すべき基板Gが並設方向に直角方向に移送されているのであるが、この両側の成膜材料供給室10のように装置高さを大とすることなく、これらより低い高さで電磁振動フィーダFを配設しているので、装置構造上は何ら問題となることなく、また図15において説明したようにコイル電流値を例えば図15と同様に0.4〜0.7Aまで変化させるとMgO搬送量kg/hrがほぼリニアに変化することが試験的に確認されている。特に図15のグラフは10回測定の平均値から測定したものであり、この確度はかなり高い。このグラフを制御装置の記憶装置に関数としてメモリすれば、この関係を利用して両側の成膜材料供給室10からの供給量と等しくなるようにコイルの電流値を調整して中央のリングハース50にも両側と同じ量で供給することができる。
【0033】
以上、本発明の実施例について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0034】
例えば以上の実施の形態においてはリングハース50を3個並設するようにしたが、更に多数のリングハースを並設するようにしてもよい。また以上の実施の形態では3個のリングハースが適用され、中央のリングハース50に対して電磁振動フィーダFでMgOを供給するようにしたが、3個以上の場合には両端のリングハースを除くリングハースに対して全て電磁振動フィーダFで供給するようにしてもよい。
【0035】
更に、両端のリングハース50に対しても上述の回転円筒フィーダ41代えて電磁振動フィーダFで供給するようにしてもよい。また更に、電磁振動フィーダの最上流端においても、図1における両側の成膜材料供給室10と同じ装置からMgOを供給するようにしてもよい。勿論、これに代えて通常のホッパーからMgOを電磁振動フィーダに供給するよにしてもよい。
【0036】
図20は、本発明の変形例を示すがこの場合には両側の回転円筒フィーダ41は省略され、この代わりに電磁振動フィーダF1、F3、F4が排出口をリングハース50に臨むように配設されている。両端の電磁振動フィーダF1、F4の上流側端部には上方に段差をもって同様な電磁振動フィーダF2、F5の下流側端部が位置するように配設される。勿論、電磁振動フィーダF2、F3、F5の上流側端部にはMgOを収容するためのホッパー、または図1で示すような成膜 材料供給室10を設けるようにしてもよい。この場合には電磁振動フィーダの特性を十分に生かすことができる。成膜装置全体の高さを上述の実施の形態よりはるか低くすることできる。また図20で示すように電磁振動フィーダの段差をもって直角または斜め方向の配設接続などにより限られた真空室空間を有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態による成膜装置の正面断面図。
【図2】同装置における成膜材料供給室の縦断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における成膜材料供給装置の平面図。
【図4】図2における[4]−[4]線方向の矢視図。
【図5】図2における[5]−[5]線方向の矢視図。
【図6】第1光センサと成膜材料ホッパーの第1排出口の開閉及び計量ホッパー第2排出口の開閉によるMgOペレットの移動、計量を概念的に示す断面図。
【図7】成膜室における回転円筒フィーダとリングハースを示す図であり、図7−Aは部分省略平面図、図7−Bは部分破断側面図。
【図8】回転円筒フィーダの作用を示す断面図。
【図9】成膜材料供給室における3個のホッパーと成膜室における回転円筒フィーダとからなる成膜材料供給装置を概念的に示す部分省略斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に適用される電磁振動フィーダの平面図。
【図11】同側面図。
【図12】図10における[12]−[12]線方向の断面図。
【図13】図12における[13]−[13]線方向の断面図。
【図14】同正面図。
【図15】電磁振動フィーダにおけるコイル電流値とMgO搬送量との関係を示すグラフ。
【図16】各段差を設けて3段の電磁振動フィーダを整列させた場合の側面図。
【図17】同電磁振動フィーダのコイルの真空シールを説明する部分側面図。
【図18】搬送されるMgOの粒径とスプラッシュ発生頻度との関係を示すグラフ。
【図19】トラフに金網を張設した場合を示す側面図。
【図20】成膜装置の変形例を示す概略平面図。
【図21】従来例の成膜装置の断面正面図。
【図22】図21においてリングハースを3個並設した場合を示す断面正面図。
【符号の説明】
【0038】
10・・・成膜材料供給室、11・・・成膜材料ホッパー、12・・・第1排出口、13・・・第1回動軸、14・・・第1開閉腕、15・・・挿入栓、16・・・第1エアシリンダ、17・・パイプ状ヒーター、20・・・成膜室、21・・・計量ホッパー、22・・・第2排出口、23・・・第2回動軸、25・・・蓋板、26・・・第2エアシリンダ、27・・・第1光センサ、30・・・流入ガイド、31・・・漏斗状ホッパー、32・・・排出管、33・・・トラフ、34・・・基台、35・・・板ばね、37・・・コイル、41・・・回転円筒フィーダ、42・・・円筒状容器、43・・・リボン状スクリュー、44・・・回転軸、47・・・モータ、48・・・減速器、49・・・供給シュート、50・・・リングハ−ス、F・・・電磁振動フィーダ、S・・・金網
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給することを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置。
【請求項2】
前記電磁振動フィーダは直線的なトラフとこれを駆動する電磁コイルとから成ることを特徴とする請求項1に記載の成膜材料供給装置。
【請求項3】
前記電磁振動フィーダには分級手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の成膜材料供給装置。
【請求項4】
前記電磁振動フィーダの前記トラフ内には金網が張設されていることを特徴とする請求項3に記載の成膜材料供給装置。
【請求項5】
前記電磁コイルのコイル本体は密閉ケーシングにより前記電磁振動フィーダの基台に対し真空シールされて固定されており、前記基台には前記電磁コイルに電源を供給するための電気リード線が挿通されており、また前記電磁コイル本体を冷却するための冷却コイルの冷却媒体供給管及び排出管が大気側に導出されていることを特徴とする請求項2に記載の成膜材料供給装置。
【請求項6】
前記電磁コイル本体に流される電流の大きさを変えることにより成膜材料の搬送量を調節するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の成膜材料供給装置。
【請求項7】
前記電磁振動フィーダは、各段差を設けて複数台の電磁振動フィーダ部より成ることを特徴とする請求項1に記載の成膜材料供給装置。
【請求項8】
長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記成膜材料供給室内には成膜材料ホッパーと、前記成膜材料ホッパーから排出される一定量の成膜材料を受ける計量ホッパーと、前記計量ホッパーから排出される成膜材料を受けて下方へ排出する漏斗状ホッパーとが設けられ、前記成膜室には前記漏斗状ホッパーから排出される成膜材料を前記リングハースへ所定の供給速度で供給する定量移送手段が設けられて成り、前記成膜室内の移送される基板の幅方向に3個以上並設されるリングハースの少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースへ成膜材料を供給する前記定量移送手段として電磁振動フィーダを用いることを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置。
【請求項1】
長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記リングハースは前記移送される基板の幅方向に3個以上並設されていて、少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースには、前記成膜材料の供給量を調節可能な電磁振動フィーダにより供給することを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置。
【請求項2】
前記電磁振動フィーダは直線的なトラフとこれを駆動する電磁コイルとから成ることを特徴とする請求項1に記載の成膜材料供給装置。
【請求項3】
前記電磁振動フィーダには分級手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の成膜材料供給装置。
【請求項4】
前記電磁振動フィーダの前記トラフ内には金網が張設されていることを特徴とする請求項3に記載の成膜材料供給装置。
【請求項5】
前記電磁コイルのコイル本体は密閉ケーシングにより前記電磁振動フィーダの基台に対し真空シールされて固定されており、前記基台には前記電磁コイルに電源を供給するための電気リード線が挿通されており、また前記電磁コイル本体を冷却するための冷却コイルの冷却媒体供給管及び排出管が大気側に導出されていることを特徴とする請求項2に記載の成膜材料供給装置。
【請求項6】
前記電磁コイル本体に流される電流の大きさを変えることにより成膜材料の搬送量を調節するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の成膜材料供給装置。
【請求項7】
前記電磁振動フィーダは、各段差を設けて複数台の電磁振動フィーダ部より成ることを特徴とする請求項1に記載の成膜材料供給装置。
【請求項8】
長期間の連続運転に耐える多量の成膜材料を収容する成膜材料供給室から供給される成膜材料を成膜室内のリングハース上で蒸発させて上方を移送される基板に膜を形成させる真空蒸着装置において、前記成膜材料供給室内には成膜材料ホッパーと、前記成膜材料ホッパーから排出される一定量の成膜材料を受ける計量ホッパーと、前記計量ホッパーから排出される成膜材料を受けて下方へ排出する漏斗状ホッパーとが設けられ、前記成膜室には前記漏斗状ホッパーから排出される成膜材料を前記リングハースへ所定の供給速度で供給する定量移送手段が設けられて成り、前記成膜室内の移送される基板の幅方向に3個以上並設されるリングハースの少なくとも両端のリングハースを除く中間のリングハースへ成膜材料を供給する前記定量移送手段として電磁振動フィーダを用いることを特徴とする真空蒸着装置の成膜材料供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−113058(P2007−113058A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−304972(P2005−304972)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
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