説明

成膜装置および成膜方法

【課題】銅めっき工程の電極に用いるCu堆積膜による貫通孔開口の閉塞状態を適切に制御できる成膜装置を提供する。
【解決手段】成膜装置100は、貫通孔が形成された基板34Bおよび銅放出源35Bを格納する真空チャンバ30と、真空チャンバ30内を所定の真空度に減圧する真空ポンプ36と、基板34Bに印加する電力を発生する電源80と、基板34Bおよび銅放出源35B間の距離の設定に用いる駆動機構と、を備える。銅放出源35Bから放出された銅材料を基板34Bの一方の主面に堆積させ、主面における貫通孔の開口を銅材料からなる堆積膜によって閉塞させるとき、堆積膜による開口の閉塞状態が、上記距離および上記電力に基づいて調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成膜装置および成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの微細化や高速化に伴い、半導体デバイス用の配線材料として、アルミに比べて抵抗率が低い銅(Cu)が注目されている。また、半導体基板を貫通する貫通電極の形成は、チップ間における最短距離での接続を可能にするので、高機能、高速動作のLSIシステムの実現において注目されている。
【0003】
以上の背景のもと、真空成膜と銅めっき工程とを組合せることによって、かかる銅からなる貫通電極(以下、「Cu貫通電極」と略す場合がある)をシリコン基板に形成する手法がすでに提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
図8には、従来のCu貫通電極形成工程の代表例が模式的に示されている。
【0005】
まず、図8(a)に示すように、シリコン基板110に非貫通孔111(有底孔)を設け、この非貫通孔111の内壁およびシリコン基板110の表面に、適宜の真空成膜法(例えば、スパッタリング法)を用いてバリア膜112(例えば、チタン膜またはタンタル膜など)を形成する。このようなバリア膜112は、シリコンと銅とがシリサイド化合物を作ることを防止する目的で形成される。なお、通常は、このバリア膜112を形成する前に、非貫通孔111の内壁およびシリコン基板110の表面に、バリア膜112とシリコン基板110との間の絶縁を目的としたSiO等の酸化膜を形成するが、ここでは図示を省略している。
【0006】
次いで、図8(b)に示すように、非貫通孔111内のバリア膜112の露出部全体を覆うよう、銅めっき工程(後工程)の下地電極の役割を果たす銅材料のシード膜113を、適宜の真空成膜法(例えば、スパッタリング法)を用いて形成する。
【0007】
その後、図8(c)に示すように、銅めっき工程において、Cu(銅)材料114を成長させることにより、Cu材料114を非貫通孔111内に埋め込む。
【0008】
そして、図8(d)に示すように、シリコン基板110の両面を研磨することにより、Cu貫通電極115を備えるシリコン基板110を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−328180号公報
【特許文献2】特開2007−5402号公報
【特許文献3】特開2010−103406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記の従来例では、以下の問題がある。
【0011】
第1に、アスペクト比が所定値(例えば、7〜10程度)を超える細長い非貫通孔内にCu貫通電極を形成することが困難である。例えば、非貫通孔の奥深くの側壁では、シード膜が薄くなる傾向があり、ここでのシード膜の被覆性が悪くなる場合がある。すると、銅めっき工程において、Cu材料の成長に支障が生じ、ボイドが発生する。
【0012】
第2に、非貫通孔の開口付近のシード膜が、非貫通孔の内部のシード膜よりも厚膜化し、この開口付近のシード膜において低抵抗化の傾向がある。すると、銅めっき時の電流密度が、Cu材料のめっき成長速度を支配するので、非貫通孔の開口付近のCu材料のめっき成長速度が、非貫通孔内部のそれを上回る場合がある。この場合、銅めっき工程において、非貫通孔の開口がCu材料により塞がれ、ボイドが発生する。特に、Cu材料のめっき成長の高速化を図るべく、上記の電流密度を上げるときに、この問題が顕在化する。
【0013】
第3に、Cu貫通電極を非貫通孔に埋め込む際の銅めっき工程の添加剤の組成比が崩れる場合、上記と同様のボイドが発生する。
【0014】
つまり、従来例は、非貫通孔全体への均一なシード膜形成が困難であるとともに、Cu貫通電極の非貫通孔埋め込みに用いる銅めっき工程のめっき浴の管理(例えば、添加剤の配合管理など)が複雑であるという問題を内包している。
【0015】
そこで、本件発明者等は、上記の非貫通孔(有底孔)に代えて、シリコン基板に貫通孔(無底孔)を形成し、貫通孔の開口を銅からなる堆積膜(以下、「Cu堆積膜」と略す場合がある)により塞ぐことが可能な真空成膜技術の開発に取り組んでいる。そして、このようなCu堆積膜を銅めっき工程の電極(シード膜)として機能させる場合、上記の問題を解消できると考えている(詳細は後述する)。
【0016】
なお、上記特許文献2では、シリコン基板の貫通孔にスパッタ法などを用いて銅金属膜を形成しているが、特許文献2の銅金属膜は、シード膜としての機能を有しないので、上記真空成膜技術の開発において何等参酌するに値しない。
【0017】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、銅めっき工程の電極に用いるCu堆積膜による貫通孔開口の閉塞状態を適切に制御できる成膜装置および成膜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明のある形態(aspect)は、貫通孔が形成された基板および銅放出源を格納する真空チャンバと、前記真空チャンバ内を所定の真空度に減圧する真空ポンプと、前記基板に印加する電力を発生する電源と、前記基板および前記銅放出源間の距離の設定に用いる駆動機構と、を備え、前記銅放出源から放出された銅材料を前記基板の一方の主面に堆積させ、前記主面における前記貫通孔の開口を前記銅材料からなる堆積膜によって閉塞させるとき、前記堆積膜による前記開口の閉塞状態が、前記距離および前記電力に基づいて調整される、成膜装置を提供する。
【0019】
かかる構成により、本発明のある形態の成膜装置では、銅めっき工程の電極に用いるCu堆積膜による貫通孔開口の閉塞状態を適切に制御できる。
【0020】
また、本発明のある形態の成膜装置は、前記開口が閉塞する前記堆積膜の膜厚を、前記距離を長くすること、または、前記電力を上げること、によって薄くしてもよい。つまり、本発明のある形態では、「前記開口が閉塞する前記堆積膜の膜厚」という考え方を案出し、このような考え方に基づいて成膜プロセスの好適な成膜条件を見出したことに特徴がある。
【0021】
かかる構成により、Cu堆積膜の膜応力による基板の反りを抑えることができ、かつ、Cu堆積膜の研磨時間を短縮できる。
【0022】
また、本発明のある形態の成膜装置は、前記開口が閉塞する前記堆積膜の堆積に必要な成膜時間を、前記距離を短くすること、または、前記電力を上げること、によって短縮してもよい。つまり、本発明のある形態では、「前記開口が閉塞する前記堆積膜の堆積に必要な成膜時間」という考え方を案出し、このような考え方に基づいて成膜プロセスの好適な成膜条件を見出したことに特徴がある。
【0023】
かかる構成により、Cu堆積膜の形成の効率化を図ることができる。
【0024】
また、本発明のある形態は、貫通孔が形成された基板および銅放出源を真空チャンバに格納する工程と、前記真空チャンバ内を所定の真空度に減圧する工程と、前記銅放出源から放出された銅材料を前記基板の一方の主面に堆積させ、前記主面における前記貫通孔の開口を前記銅材料からなる堆積膜によって閉塞させる閉塞工程と、を備え、前記堆積膜による前記開口の閉塞状態を、前記基板および前記銅放出源間の距離および前記基板に印加する電力に基づいて調整する、成膜方法を提供する。
【0025】
かかる方法により、本発明のある形態の成膜方法では、銅めっき工程の電極に用いるCu堆積膜による貫通孔開口の閉塞状態を適切に制御できる。
【0026】
また、本発明のある形態の成膜方法は、前記開口が閉塞する前記堆積膜の膜厚を、前記距離を長くすること、または、前記電力を上げること、によって薄くしてもよい。つまり、本発明のある形態では、「前記開口が閉塞する前記堆積膜の膜厚」という考え方を案出し、し、このような考え方に基づいて成膜プロセスの好適な成膜条件を見出したことに特徴がある。
【0027】
かかる方法により、Cu堆積膜の膜応力による基板の反りを抑えることができ、かつ、Cu堆積膜の研磨時間を短縮できる。
【0028】
また、本発明のある形態の成膜方法は、前記開口が閉塞する前記堆積膜の堆積に必要な成膜時間を、前記距離を短くすること、または、前記電力を上げること、によって短縮してもよい。つまり、本発明のある形態では、「前記開口が閉塞する前記堆積膜の堆積に必要な成膜時間」という考え方を案出し、このような考え方に基づいて成膜プロセスの好適な成膜条件を見出したことに特徴がある。
【0029】
かかる方法により、Cu堆積膜の形成の効率化を図ることができる。
【0030】
また、本発明のある形態の成膜方法は、前記閉塞工程の後、前記主面に堆積した堆積膜をシード膜に用い、前記シード膜に電流を流すことにより、前記貫通孔に貫通電極を形成するための銅めっき工程を更に備えてもよい。
【0031】
また、本発明のある形態の成膜方法では、前記銅めっき工程において、前記貫通電極は、前記シード膜から前記基板の他方の主面に向かって、銅が成長することにより形成されてもよい。
【0032】
かかる方法により、銅めっき工程において、Cu貫通電極を備える基板を得ることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、銅めっき工程の電極に用いるCu堆積膜による貫通孔開口の閉塞状態を適切に制御できる成膜装置および成膜方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の実施形態によるCu貫通電極形成の工程の一例を示した図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態によるスパッタリング装置の構成の一例を示した図である。
【図3】図3は、Cu堆積膜によるシリコン基板の貫通孔開口の閉塞性の説明に用いる図である。
【図4】図4は、本実施形態のスパッタリング装置の成膜条件とCu堆積膜の特性との関連を示した図である。
【図5】図5は、本実施形態のスパッタリング装置の成膜条件とCu堆積膜の特性との関連を示した図である。
【図6】図6は、本実施形態のスパッタリング装置の成膜条件とCu堆積膜の特性との関連を示した図である。
【図7】図7は、シリコン基板の貫通孔にCu貫通電極を形成した様子を示した断面写真である。
【図8】図8は、従来のCu貫通電極形成工程の代表例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態による成膜装置および成膜方法の具体例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。
【0036】
また、以下の具体的な説明は、上記成膜装置および成膜方法の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、上記成膜装置の構成を特定した用語と同じ用語或いは相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記成膜装置の構成要素の一例である。
【0037】
従って、上記成膜装置および成膜方法の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されない。
【0038】
(実施形態)
<本実施形態の成膜技術の概要>
まず、本発明の実施形態によるCu貫通電極形成の概要について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は、本発明の実施形態によるCu貫通電極形成の工程の一例を示した図である。
【0040】
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板34Bに複数の貫通孔34Cを設け、この貫通孔34Cの内壁およびシリコン基板34Bの主面に、適宜の真空成膜法(例えば、スパッタリング法)を用いてバリア膜122(例えば、チタン膜またはタンタル膜など)を形成する。
【0041】
次いで、図1(a)に示すように、銅材料の堆積膜34D(Cu堆積膜34D)をシリコン基板34Bの一方の主面に堆積させ、この主面における貫通孔34Cの開口をCu堆積膜34Dによって閉塞させる。なお、このCu堆積膜34Dは、銅めっき工程の電極(シード膜)の役割を果たし、後程、詳述するように、スパッタリング法を用いて形成される。
【0042】
その後、銅めっき工程において、貫通孔34Cの開口のCu堆積膜34Dからシリコン基板34Bの他方の主面に向かって、Cu(銅)材料124を成長させることにより、図1(b)に示すように、Cu材料124を貫通孔34C内に埋め込む。
【0043】
最後に、図1(c)に示すように、シリコン基板34Bの両面に研磨することにより、Cu貫通電極125を備えるシリコン基板34Bを得る。
【0044】
このようなCu堆積膜34Dを銅めっき工程の電極として用い、貫通孔34Cに銅めっきによるCu貫通電極125を形成する技術(以下、「本成膜技術」と略す)は、Cu貫通電極125形成時の貫通孔34C内のボイド発生低減の点で、従来例よりも優れていると考えられる。つまり、Cu材料124は、貫通孔34Cの開口を塞いだCu堆積膜34Dから細長い貫通孔34Cが伸びる方向に成長するので、Cu材料124の成長によるボイドの発生を抑制できる。なお、このようなボイド発生の抑制効果は、後述の銅めっき工程の実験結果で裏付けられている。
【0045】
また、本成膜技術は、貫通孔34Cの開口近傍や奥深い側壁に、シード膜を均一に形成する必要がなく、銅めっき工程のめっき浴の管理も簡素化できる点で、従来例よりも優れていると考えられる。
【0046】
更に、本成膜技術は、Cu材料のめっき成長速度を支配する電流密度を適切かつ充分に上げることができるので(つまり、従来例の如く、開口閉塞によるボイド発生の問題が生じないので)、Cu貫通電極125のめっき成長高効率化の点で、従来例よりも優れていると考えられる。
【0047】
<本実施形態の成膜装置の構成>
次に、本実施形態の成膜装置の一例であるスパッタリング装置100の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0048】
図2は、本発明の実施形態によるスパッタリング装置の構成の一例を示した図である。
【0049】
なお、ここでは、便宜上、図2に示す如く、プラズマ輸送の方向をZ方向にとり、このZ方向に直交し、かつ棒磁石24A、24B(後述)の磁化方向をY方向にとり、これらのZ方向およびY方向の両方に直交する方向をX方向にとって、本スパッタリング装置100の構成を述べる。
【0050】
本実施形態のスパッタリング装置100は、図2に示す如く、YZ平面において略十字形をなしており、放電プラズマ輸送の方向(Z方向)から見て順番に、放電プラズマを高密度に生成するプラズマガン40と、Z方向の軸を中心とした円筒状の非磁性(例えばステンレス製やガラス製)のシートプラズマ変形室20と、Y方向の軸を中心とした円筒状の非磁性(例えばステンレス製)の真空成膜室30と、を備える。また、スパッタリング装置100は、図2に示す如く、プラズマガン40に放電発生用の電力を供給できるプラズマガン電源50を備える。
【0051】
なお、上述の各部40、20、30は、放電プラズマを輸送する通路を介して互いに気密状態を保って連通されている。
【0052】
まず、スパッタリング装置100のプラズマガン40およびプラズマガン電源50の構成について説明する。
【0053】
スパッタリング装置100のプラズマガン40は、図2に示すように、カソードユニット41と、一対の中間電極G、Gと、を備える。
【0054】
カソードユニット41は、耐熱ガラス製の円筒状のガラス管41Aと、円板状の蓋部材41Bとを備えており、カソードユニット41の内部は、放電空間として機能している。このガラス管41Aは、適宜の固定手段(ボルトなど;図示せず)により、中間電極Gおよび蓋部材41Bとの間で気密に配されている。このため、中間電極Gの通孔(図示せず)を介して、放電空間で生成されたプラズマをカソードユニット41から外部に引き出すことができる。
【0055】
また、蓋部材41Bには、放電誘発用の熱電子を放出可能な六ホウ化ランタン(LaB)からなるカソードKが配置されているとともに、放電により電離される放電ガスとしてのアルゴン(Ar)ガスをこの放電空間に導くことができる放電ガス供給手段(図示せず)が設けられている。
【0056】
スパッタリング装置100のプラズマガン電源50は、図2に示すように、プラズマガン40に電力を供給できる電力発生部70と、各中間電極G、Gのそれぞれに対応して配され、中間電極G、Gを流れる電流を制限する抵抗素子R、Rと、を備える。
中間電極Gは、プラズマガン40の放電空間においてカソードKとの間で補助放電(グロー放電)を適切に維持できるよう、抵抗素子Rを介して電力発生部70と接続されている。また、中間電極Gは、プラズマガン40の放電空間においてカソードKとの間で補助放電(グロー放電)を適切に維持できるよう、抵抗素子Rを介して電力発生部70と接続されている。
【0057】
このグロー放電においては、プラズマガン40の放電空間への荷電粒子(ここではArと電子)の供給が、ArのカソードKへの衝突時に起こる二次電子放出および電子によるアルゴン電離によりなされ、これにより、プラズマガン40の放電空間には、荷電粒子の集合体としての放電プラズマが形成される。その後、プラズマガン40では、カソードKの加熱で起こる熱電子放出に基づいた主放電(アーク放電)に遷移する。このように、プラズマガン40は、プラズマガン電源50に基づく低電圧かつ大電流のアーク放電により、カソードKとアノードAとの間に高密度の放電を可能にする、圧力勾配型ガンである。
【0058】
なお、ここでは、詳細な図示を省略するが、この電力発生部70の内部では、電源切り替えスイッチを用いて、カソードKとトランスとの間の接続がなされた状態と、カソードKと、定電流電源との間の接続がなされた状態と、を取り得る。
【0059】
プラズマガン40のグロー放電時には、前者の状態が取られる。この場合、トランスの一次側の端子間には、商用周波数の200Vの一次電圧が印加される。すると、トランスの二次側の端子間に所定の二次電圧が誘起され、この二次電圧が整流回路により整流された後、プラズマガン40に印加される。
【0060】
一方、プラズマガン40のアーク放電時には、後者の状態が取られる。これにより、プラズマガン40は、プラズマガン電源50(定電流電源)により定電流制御され、アノードAからカソードKに向かって流れる放電電流IDが一定となる。なお、この放電電流IDは、プラズマガン電源50を用いて調整できる。
【0061】
以上のようにして、Z方向の輸送中心に対して略等密度分布してなる円柱状のアーク放電プラズマ(以下、「円柱プラズマ22」という)が、プラズマガン40のZ方向の他端とシートプラズマ変形室20のZ方向の一端との間に介在する通路(図示せず)を介してシートプラズマ変形室20へ引き出される。
【0062】
次に、スパッタリング装置100のシートプラズマ変形室20の構成およびその周辺構成について述べる。
【0063】
シートプラズマ変形室20は、Z方向の軸を中心とした円柱状の減圧可能な輸送空間21を有する。
【0064】
シートプラズマ変形室20の側面周囲には、このシートプラズマ変形室20を取り囲み、円柱プラズマ22のZ方向の推進力を発揮する円形状の第1の電磁コイル23(空心コイル)が配設されている。なお、第1の電磁コイル23の巻線には、カソードK側をS極、アノードA側をN極とする向きの電流が通電されている。
【0065】
また、この第1の電磁コイル23のZ方向の前方側(アノードAに近い側)には、X方向に延びる一対の角形の棒磁石24A、24B(永久磁石;磁界発生手段の対)が、シートプラズマ変形室20(輸送空間21)を挟むように、Y方向に所定の間隔を隔てて配設されている。また、これらの棒磁石24A、24BのN極同士が対向している。
【0066】
第1の電磁コイル23により輸送空間21に形成されるコイル磁界と、棒磁石24A、24Bにより輸送空間21に形成される磁石磁界との相互作用に基づいて、円柱プラズマ22は、その輸送方向(Z方向)の輸送中心を含むXZ平面(以下、「主面S」という)に沿って拡がる、均一なシート状のプラズマ(以下、「シートプラズマ27」という)に変形される。
【0067】
このようにして、シートプラズマ27は、図2に示す如く、シートプラズマ変形室20のZ方向の他端と真空成膜室30の側壁との間に介在する、シートプラズマ27の通過用のスリット状のボトルネック部28を介して真空成膜室30へ引き出される。
なお、ボトルネック部28の間隔(Y方向寸法)および厚み(Z方向寸法)並びに幅(X方向寸法)は、シートプラズマ27を適切に通過するように設計されている。
【0068】
次に、スパッタリング装置100の真空成膜室30の構成について述べる。
【0069】
真空成膜室30は、例えば、シートプラズマ27中のArの衝突エネルギによりターゲット35Bの材料をスパッタリング粒子として叩き出すスパッタリングプロセス用の真空チャンバに相当する。
【0070】
真空成膜室30は、Y方向の軸を中心とした円柱状の減圧可能な成膜空間31を有し、この成膜空間31は、バルブ37により開閉可能な排気口から真空ポンプ36(例えば、ターボポンプ)により真空引きされている。これにより、当該成膜空間31はスパッタリングプロセス可能なレベルの真空度にまで速やかに減圧される。
【0071】
ここで、成膜空間31には、その機能上、上下方向(Y方向)において、ボトルネック部28の間隔に対応する水平面(XZ平面)に沿った中央空間を境にして、板状のターゲット35Bを格納するターゲット空間と、板状の基板34Bを格納する基板空間と、がある。
【0072】
つまり、ターゲット35Bは、ターゲットホルダ35Aに装着された状態において、中央空間の上方に位置するターゲット空間内に格納され、適宜のアクチュエータ(図示しない駆動機構)によりターゲット空間内を上下(Y方向)に移動可能に構成されている。これにより、ターゲット35Bとシートプラズマ27との間の距離L1を、所望の間隔に調整できる。
【0073】
一方、基板34Bは、基板ホルダ34A(例えば、静電チャック)に装着された状態において、中央空間の下方に位置する基板空間内に格納され、適宜のアクチュエータ(図示しない駆動機構)により基板空間内を上下(Y方向)に移動可能に構成されている。これにより、基板34Bとシートプラズマ27との間の距離L2を、所望の間隔に調整できる。
【0074】
なお、上述の中央空間は、真空成膜室30においてシートプラズマ27の主成分を輸送させる空間である。
【0075】
このようにして、ターゲット35Bおよび基板34Bは互いに、シートプラズマ27の厚み方向(Y方向)に一定の好適な間隔L(以下、「T/S距離L」と略す)を隔てるようにして、このシートプラズマ27を挟み、成膜空間31内に対置されている。
【0076】
ところで、本実施形態では、上記の図1のとおり、半導体デバイス用のCu貫通電極を備えるシリコン基板を得ることを意図している。よって、本実施形態では、銅放出源としてのCuターゲット35B、および、多数の貫通孔が形成されたシリコン基板34Bを真空成膜室30に格納して減圧した後、真空度が1.0Pa〜2.0Pa程度に維持された真空成膜装置30内に、シートプラズマ27が輸送される。その後、シートプラズマ27中のArによりスパッタリングされたCuターゲット35Bの銅(Cu)材料からなる堆積膜(Cu堆積膜)がシリコン基板34Bの一方の主面に形成される。
【0077】
このとき、本実施形態は、シリコン基板34Bの主面における貫通孔の開口を、適宜の成膜条件に基づいてCu堆積膜により閉塞させることに特徴があるが、このような特徴の詳細については、後程、説明する。
【0078】
図2に示すように、Cuターゲット35Bは、スパッタリングプロセス中には、直流のバイアス電源52により一定のバイアス電圧(マイナス電圧)が印加されている。本例では、Cuターゲット35Bへのバイアス電圧として、−1000Vが印加されている。これにより、シートプラズマ27中のArがターゲット35Bに向かって引き付けられる。すると、ArとCuターゲット35Bとの間の衝突エネルギによりCuターゲット35Bから放出されるCu粒子が、Cuターゲット35Bからシリコン基板34Bに向かって叩き出され、これにより、シリコン基板34B上に、上記のCu堆積膜が形成される。
【0079】
また、図2に示すように、基板ホルダ34A(シリコン基板34B)は、スパッタリングプロセス中には、RF電源80により所定のパワーのRF電力が印加されている。本例では、RF電力はマイナス電圧側にバイアスされており、RF電力のパワーは、RF電源80を用いて調整できる。すると、Cuターゲット35Bから放出されるCu粒子の一部が、シートプラズマ27中を通過するとき、シートプラズマ27のエネルギにより正電荷に帯電するようにイオン化されるので、このようなCu粒子のシリコン基板34Bの貫通孔開口への進入が、RF電力の大小に基づいて所望の方向に調整できると考えられる。
【0080】
次に、ボトルネック部28から見て、Z方向に対向する位置の真空成膜室30の周辺構成を説明する。
【0081】
当該位置の真空成膜室30の側壁にはアノードAが配置され、この側壁とアノードAとの間には、プラズマ通過用の通路29が設けられている。
【0082】
アノードAは、カソードKとの間で基準電位が与えられ、カソードKおよびアノードAの間のアーク放電によるシートプラズマ27中の荷電粒子(特に電子)を回収する役割を担っている。
【0083】
また、アノードAの裏面(カソードKに対する対向面の反対側の面)には、アノードA側をS極、大気側をN極とした永久磁石38が配置されている。このため、この永久磁石38のN極から出てS極に入るXZ平面に沿った磁力線により、アノードAに向かうシートプラズマ27の幅方向(X方向)の拡散を抑えるようにシートプラズマ27が幅方向に収束され、シートプラズマ27の荷電粒子が、アノードAに適切に回収される。
また、円形状の第2および第3の電磁コイル32、33(空心コイル)は、互いに対をなして、真空成膜室30の側壁を臨むようにして成膜空間31を挟み、異極同士(ここでは、第2の電磁コイル32はN極、第3の電磁コイル33はS極)を向かい合わせて配置されている。
【0084】
第2の電磁コイル32は、棒磁石24A、24Bと真空成膜室30との間のZ方向の適所に配置され、第3の電磁コイル33は、真空成膜室30の側壁とアノードAとの間のZ方向の適所に配置されている。
【0085】
第2および第3の電磁コイル32、33の対により作られるコイル磁界(例えば10G〜300G程度)によれば、シートプラズマ27は、その幅方向(X方向)の拡散を適切に抑えるように整形される。
【0086】
以上のとおり、本実施形態のスパッタリング装置100は、スパッタリングプロセスの様々な成膜条件を個別に調整できるという特徴がある。例えば、本例では、シートプラズマ27の放電電流IDと、Cuターゲット35Bに印加するバイアス電圧と、シリコン基板34Bに印加するRF電力と、T/S距離Lと、をそれぞれ、個別に独立的に調整できる。よって、かかるスパッタリング装置100の特徴を有効に活用し、本スパッタリング装置100を用いて、シリコン基板34B上にCu堆積膜を好適に形成できる成膜条件の検討が、以下の如く行われている。
【0087】
<Cu堆積膜形成の検討実験>
シリコン基板34Bの主面における、Cu堆積膜による貫通孔開口の閉塞は、シリコン基板34Bに印加するRF電力、および、T/S距離Lに基づいて適切に制御できることが、以下の検討実験により見出された。
【0088】
なお、本検討実験は、シートプラズマ27の放電電流IDと、Cuターゲット35Bに印加するバイアス電圧と、スパッタリングプロセス中の真空度と、をそれぞれ、100A、−1000V、1.6Paに固定して行われている。
【0089】
また、RF電力やT/S距離LのCu堆積膜への影響は、シリコン基板34BおよびCuターゲット35Bの大小に応じて変動するので、本検討実験には、標準的な300mm直径のシリコン基板34B、および、標準的な450mm直径のCuターゲット35Bが用いられている。また、本検討実験では、T/S距離Lの変更において、ターゲット35Bとシートプラズマ27との間の距離L1を40mmに固定し、シリコン基板34Bとシートプラズマ27との間の距離L2のみを変更している。つまり、L=100mmのとき、L1=40mm,L2=60mmであり、L=200mmのとき、L1=40mm,L2=160mmであり、L=300mmのとき、L1=40mm,L2=260mmである。
【0090】
そして、図3に示すように、本検討実験では、シリコン基板34B上に堆積したCu堆積膜34Dが、シリコン基板34Bの一方の主面における貫通孔34Cの開口を閉塞させる位置を閉塞地点35Eとし、閉塞地点35Eに対応するCu堆積膜34Dの膜厚(つまり、貫通孔34Cの開口の閉塞が起こったCu堆積膜34Dの膜厚)を閉塞膜厚B1とし、Cu堆積膜34Dの表面に対応する膜厚を表面膜厚B2としている。このように、本実施形態は、「閉塞地点35E」および「閉塞膜厚B1」という考え方を案出し、このような考え方に基づいてスパッタリングプロセスの好適な成膜条件を見出したことに特徴がある。
【0091】
図4,図5,図6は、本実施形態のスパッタリング装置の成膜条件とCu堆積膜の特性との関連を示した図である。
【0092】
図4では、横軸に、シリコン基板34Bに印加するRF電力(W)をとり、縦軸にCu堆積膜の成膜速度(Å/sec)をとって、両者の関連を表すプロファイルが、T/S距離Lをパラメータにして示されている。なお、ここでのCu堆積膜の成膜速度は、所定の成膜経過時間での図3の表面膜厚B2から見積もった値が用いられている。
【0093】
図4に示すように、T/S距離Lが300mm,200mm,100mmの順に短くなるにつれて、Cu堆積膜の成膜速度が上がることがわかる。
【0094】
一方、Cu堆積膜の成膜速度は、400W以降のRF電力の増加につれて、僅かに低下する傾向が見られる。この現象は、CuとArのエネルギによりCu堆積膜のエッチングが起こることによるものと考えられる。
【0095】
図5では、横軸に、シリコン基板34Bに印加するRF電力(W)をとり、縦軸に閉塞膜厚B1(μm)をとって、両者の関連を表すプロファイルが、T/S距離Lをパラメータにして示されている。
【0096】
図5に示すように、閉塞膜厚B1は、T/S距離Lを、100mm,200mm,300mmの順に、長くすることによって薄膜化できることがわかる。また、閉塞膜厚B1は、約200Wから約700Wまでの範囲では、RF電力を上げることによって薄膜化できることもわかる。そして、かかるCu堆積膜34Dの薄膜化により、Cu堆積膜の膜応力によるシリコン基板34Bの反りを抑えることができ、かつ、Cu堆積膜の研磨時間を短縮できる。
【0097】
なお、図5では、貫通孔34Cの開口直径が約2.0μmのときの閉塞膜厚B1が示されている。しかし、仮に貫通孔34Cの開口直径が変化しても、閉塞膜厚B1と貫通孔34Cの開口直径との割合は一定であると考えられるので、本検討結果(図5のプロファイルの傾向)は、貫通孔34Cの開口直径の大小に対して普遍的に適用できると判断している。
【0098】
具体的には、T/S距離Lが100mm,RF電力が660Wの条件において、貫通孔34Cの開口直径が約2.0μmのときの閉塞膜厚B1が約2.6μmであったのに対し、貫通孔34Cの開口直径が約5.0μmのときの閉塞膜厚B1が約6.1μmであった。
【0099】
すると、貫通孔34Cの開口直径が約2.0μmのときの、閉塞膜厚B1と貫通孔34Cの開口直径との間の割合(2.6μm/2.0μm=1.3)は、貫通孔34Cの開口直径が約5.0μmのときの、上記割合(6.1μm/5.0μm=1.2)とほぼ等しい。よって、貫通孔34Cの開口直径が変化した場合でも、図5の縦軸の閉塞膜厚B1が、上記割合に応じて、図5の横軸のRF電力の全範囲においてシフトするに過ぎないと考えられる。つまり、貫通孔34Cの開口直径が約2.0μmの場合でも、貫通孔34Cの開口直径が約5.0μmの場合でも、図5のプロファイルは、ほぼ同じ傾向を示すものと考えられる。
【0100】
図6では、横軸に、シリコン基板34Bに印加するRF電力(W)をとり、縦軸にCu堆積膜の成膜時間(sec)をとって、両者の関連を表すプロファイルが、T/S距離Lをパラメータにして示されている。なお、ここでのCu堆積膜の成膜時間は、図5の閉塞膜厚B1を、図4の成膜速度で割った値が用いられている。つまり、本成膜時間は、貫通孔34Cの開口が閉塞するCu堆積膜34Dを堆積させるのに必要な時間に相当する。
【0101】
図6に示すように、Cu堆積膜34Dの成膜時間は、T/S距離Lを、300mm,200mm,100mmの順に短くすることによって短縮できることがわかる。また、Cu堆積膜34Dの成膜時間は、約200Wから約700Wまでの範囲では、RF電力を上げることによって短縮できることもわかる。
【0102】
以上の説明から容易に理解できるとおり、本実施形態のスパッタリング装置100およびスパッタリング方法は、Cu堆積膜34Dの閉塞膜厚B1およびCu堆積膜34Dの成膜時間について、前後の工程に合わせて最適な成膜条件を選択できるという効果を奏する。
【0103】
<銅めっき工程におけるCu貫通電極形成の適否の検討実験>
上記のスパッタリング装置100を用いて、Cu堆積膜をシリコン基板の一方の主面に堆積させ、この主面における貫通孔の開口をCu堆積膜により閉塞させた。そして、かかるシリコン基板のCu堆積膜を銅めっき工程の電極(シード膜)に用い、このシード膜に電流を流すことにより、シリコン基板の貫通孔にCu貫通電極を形成するための銅めっきを施した。
【0104】
その結果、図7に示すように、ボイドが存在しないCu貫通電極を貫通孔に埋め込み可能なことが裏付けられた。なお、銅めっきは、通常の硫酸銅めっき工程の条件下(例えば、硫酸銅五水和物:200g/L、硫酸:70g/L)で行い、電流密度を10mA/cmに設定した。
【0105】
<変形例>
本実施形態の成膜装置として、スパッタリング装置100を例にして述べたが、本成膜技術の適用範囲は、スパッタリング技術には限定されない。PVD(物理気相成長)を用いる真空成膜法であれば、他の成膜法、例えば、真空蒸着法であっても、本成膜技術を適用できると考えられる。このようにして、本実施形態では、CVD(化学気相成長)法に比べて安価なPVD法を用いて、Cu貫通電極を備えるシリコン基板を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明によれば、銅めっき工程の電極に用いるCu堆積膜による貫通孔開口の閉塞状態を適切に制御できる成膜装置および成膜方法が得られる。よって、本発明は、例えば、銅めっき工程の電極を形成するスパッタリング法等のPVD装置に利用できる。
【符号の説明】
【0107】
20 シートプラズマ変形室
21 輸送空間
22 円柱プラズマ
23 第1の電磁コイル
24A、24B 棒磁石
36 真空ポンプ
37 バルブ
27 シートプラズマ
28 ボトルネック部
29 通路
30 真空成膜室
31 成膜空間
32 第2の電磁コイル
33 第3の電磁コイル
34A 基板ホルダ
34B 基板(シリコン基板)
35A ターゲットホルダ
35B ターゲット(Cuターゲット)
38 永久磁石
40 プラズマガン
41 カソードユニット
41A ガラス管
41B 蓋部材
50 プラズマガン電源
52 バイアス電源
70 電力発生部
80 RF電源
100 スパッタリング装置
A アノード
、G 中間電極
K カソード
、R 抵抗素子
S 主面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が形成された基板および銅放出源を格納する真空チャンバと、
前記真空チャンバ内を所定の真空度に減圧する真空ポンプと、
前記基板に印加する電力を発生する電源と、
前記基板および前記銅放出源間の距離の設定に用いる駆動機構と、
を備え、
前記銅放出源から放出された銅材料を前記基板の一方の主面に堆積させ、前記主面における前記貫通孔の開口を前記銅材料からなる堆積膜によって閉塞させるとき、
前記堆積膜による前記開口の閉塞状態が、前記距離および前記電力に基づいて調整される、成膜装置。
【請求項2】
前記開口が閉塞する前記堆積膜の膜厚は、前記距離を長くすること、または、前記電力を上げること、によって薄くなる、請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記開口が閉塞する前記堆積膜の堆積に必要な成膜時間は、前記距離を短くすること、または、前記電力を上げること、によって短縮する、請求項1に記載の成膜装置。
【請求項4】
貫通孔が形成された基板および銅放出源を真空チャンバに格納する工程と、
前記真空チャンバ内を所定の真空度に減圧する工程と、
前記銅放出源から放出された銅材料を前記基板の一方の主面に堆積させ、前記主面における前記貫通孔の開口を前記銅材料からなる堆積膜によって閉塞させる閉塞工程と、を備え、
前記堆積膜による前記開口の閉塞状態を、前記基板および前記銅放出源間の距離および前記基板に印加する電力に基づいて調整する、成膜方法。
【請求項5】
前記開口が閉塞する前記堆積膜の膜厚は、前記距離を長くすること、または、前記電力を上げること、によって薄くなる、請求項4に記載の成膜方法。
【請求項6】
前記開口が閉塞する前記堆積膜の堆積に必要な成膜時間は、前記距離を短くすること、または、前記電力を上げること、によって短縮する、請求項4に記載の成膜方法。
【請求項7】
前記閉塞工程の後、前記主面に堆積した堆積膜をシード膜に用い、前記シード膜に電流を流すことにより、前記貫通孔に貫通電極を形成するための銅めっき工程を更に備える、請求項4に記載の成膜方法。
【請求項8】
前記銅めっき工程において、前記貫通電極は、前記シード膜から前記基板の他方の主面に向かって、銅が成長することにより形成される、請求項7に記載の成膜方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−30679(P2013−30679A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167061(P2011−167061)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】