成膜装置
【課題】有機ELなどの成膜をおこなう成膜室に設置された防着板の取付け、取外し作業の時間を短縮し、かつ交換時の安全性を確保した成膜装置を提供する。
【解決手段】基板上に材料を成膜するための成膜室と、成膜する材料を前記基板に供給する成膜材料供給源と、少なくともその一部が、前記成膜室の筐体と前記成膜材料供給源の間に設けられ、該成膜材料供給源から供給される成膜材料が該筐体に付着するのを防止する防着板1と、を備えた成膜装置において、前記防着板は、少なくとも上下方向で複数部材に分割されており、かつ、上方の防着板を下方に移動させる防着板搬送機構を備える。また、前記防着板搬送機構は、前記筐体に係合する枠と、該枠に沿って移動する第一の搬送ブロックと、前記成膜室の開口部と直交する方向に敷説されたレールと、前記レールに沿って移動する第二の搬送ブロックとを備える。
【解決手段】基板上に材料を成膜するための成膜室と、成膜する材料を前記基板に供給する成膜材料供給源と、少なくともその一部が、前記成膜室の筐体と前記成膜材料供給源の間に設けられ、該成膜材料供給源から供給される成膜材料が該筐体に付着するのを防止する防着板1と、を備えた成膜装置において、前記防着板は、少なくとも上下方向で複数部材に分割されており、かつ、上方の防着板を下方に移動させる防着板搬送機構を備える。また、前記防着板搬送機構は、前記筐体に係合する枠と、該枠に沿って移動する第一の搬送ブロックと、前記成膜室の開口部と直交する方向に敷説されたレールと、前記レールに沿って移動する第二の搬送ブロックとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL膜などの成膜を行う成膜装置に係り、特に、成膜対象の基板以外の部分に成膜されることを防止するための防着板を備えた成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electro Luminescence)膜を成膜する手法としては、有機EL材料を昇華させて蒸気とし、シャドーマスクを介して、所定位置に有機EL薄膜を形成する真空蒸着法が一般的に用いられている。この真空蒸着の際、有機EL蒸気は、蒸着源(坩堝)から等方的に広がるため、目的の基板以外に、真空チャンバーの内壁にも付着する。内壁に付着した有機EL材料が何らかの原因で剥離すると、基板上への成膜に欠陥が発生する可能性もある。従い、真空チャンバーの内壁には、防着板と呼ばれる遮蔽物を設け、この防着板を清掃することでそのような欠陥などの発生を防いでいる。
【0003】
例えば、特許文献1には、防着板を、蒸着源の三方を取り囲むようにして配置した蒸着装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、開口部を有する防着板を真空容器内を分割するように配置し、蒸発源からの蒸発粒子をその開口部を通過して、基板に到達するようにした真空蒸着装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−218557号公報
【特許文献2】特開平5−70931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有機ELパネルは、液晶パネルと同様に大型化が進んでおり、近い将来には、第6世代(1500mm×1850mm)のパネルの量産化が期待されている。
【0007】
このような、大型パネルに対応して成膜装置も大型することになる。それに伴い、防着板も大きく、重くなる。特に、基板を立てて蒸着する縦型成膜装置の場合、基板の大型化に伴い、蒸着槽(真空槽)の高さが高くなるため、防着板は、高い位置に設ける必要が出てくる。したがって、高所に設けられた防着板交換を迅速、かつ安全に行えるよう配慮する必要がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、有機ELなどの成膜をおこなう成膜室に設置された防着板の取付け、取外し作業の時間を短縮し、かつ交換時の安全性を確保した成膜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の防着板搬送機構を備えた成膜装置の構成は、基板上に材料を成膜するための成膜室と、成膜する材料を前記基板に供給する成膜材料供給源と、少なくともその一部が、前記成膜室の筐体と前記成膜材料供給源の間に設けられ、該成膜材料供給源から供給される成膜材料が該筐体に付着するのを防止する防着板と、を備えた成膜装置において、前記防着板は、少なくとも上下方向で複数部材に分割されており、かつ、上方の防着板を下方に移動させる防着板搬送機構を備えたものである。
【0010】
前記基板は、その表面に膜が形成できるものであればどのようなものであっても良い。例えば、ガラス基板、半導体基板、可撓性のフィルム状材料などが代表的なものである。成膜材料供給源とは、成膜材料を蒸発させる蒸発源、スパッタリングするためのスパッタターゲットなどが代表的なものであるが、成膜材料を供給できるものであればどのようなものであっても良い。成膜室の筐体は、外部と成膜室を隔離する機能を備えることが好ましい。成膜材料供給源が蒸発源である場合は、真空チャンバーが筐体に相当する。真空チャンバーでなくとも、外部からの塵埃が基板に影響を与えないようにする機能があれば、どのようなものであっても良い。防着板は、筐体の内部表面の少なくとも一部を覆うようなものであればどのようなものであっても良い。付着した成膜物質を定期的に除去することにも耐えられるように金属板で構成することが一般的であり、錆などに強い、ステンレス板を加工して用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、有機ELなどの成膜をおこなう成膜室に設置された防着板の取付け、取外し作業の時間を短縮し、かつ交換時の安全性を確保した成膜装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の斜視図である。
【図2】有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の断面図である。
【図3A】本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板とそれに関わる蒸着室の構造を示す斜視図である(その一)。
【図3B】本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板とそれに関わる蒸着室の構造を示す斜視図である(その二)。
【図4】防着板運搬機構の横基体、縦基体部分の断面図である。
【図5】防着板を配列した様子を示す正面図である。
【図6】防着板をはめ込みフレームにはめ込むときの様子を示す図である。
【図7A】本発明の第二の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構を示す斜視図である。
【図7B】図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のC方向から見た正面図である。
【図7C】図7Cは、図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のD断面図である。
【図8】本発明の第三の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構の構造を示す斜視図である。
【図9】本発明の第三の実施形態に係る防着板を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図9を用いて説明する。
【0014】
〔実施形態1〕
以下、本発明に係る第一の実施形態を、図1ないし図7Cを用いて説明する。
【0015】
先ず、図1および図2を用いて本発明に係る有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室について説明する。
【0016】
図1は、有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の斜視図である。
【0017】
図2は、有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の断面図である。
【0018】
有機ELパネルを製造するときには、真空蒸着法により発光層を蒸着する工程が必要であり、図1に示されるように蒸着室100内を真空に近い雰囲気にし、材料を加熱蒸発させて、基板上に蒸着させる。
【0019】
図1では、蒸着室100内の一部を透視し、中の防着板1と基板200を図示している。図2は、図1の蒸着室におけるA−A断面図である。
【0020】
前工程での処理を終えた基板200は、搬送ロボット150のアーム152の先にあるハンド154に載せられて、蒸着室100内に搬送される。そして、基板ホールダ160に載せられた後、基板ホールダ160を回転させて、直立させて、シャドウマスク204と位置あわせ(アライメント)をおこなった後に、基板200とシャドウマスク204をバネや電磁石などの手段により両者を密着固定させて保持する。シャドウマスク204は、開口を有し、基板上の必要な部分(画素となる部分)に材料を蒸着させるためにマスクする部材である。
【0021】
蒸着室100は、真空蒸着をおこなうために、真空ポンプ130により真空になるよう、真空バルブを介して、内部の空気を排気して減圧する。
【0022】
そして、発光層を形成するための有機材料122が、蒸発源120のノズル124から噴射され、開口部220を通過してパネル上に蒸着される。
【0023】
このとき、基板200とシャドウマスク204の蒸発源120に向かう方向には、蒸着室100の全面に渡って、防着板1が設置されており、蒸着室100の内壁等に有機材料が付着するのを防止する。
【0024】
次に、図3Aないし図6を用いて本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板の詳細について説明する。
【0025】
図3Aおよび図3Bは、本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板とそれに関わる蒸着室の構造を示す斜視図である。
【0026】
図4は、成膜装置の防着板運搬機構の横基体、縦基体部分の断面図である。
【0027】
図5は、防着板を配列した様子を示す正面図である。
【0028】
図6は、防着板をはめ込みフレームにはめ込むときの様子を示す図である。
【0029】
図1の蒸着室100を、B方向から見ると、図3Aに示されるようになる。本実施形態での防着板1は、基板200の前に縦方向に並べられるが、それより少し後方の面に左右の縦枠170と上下の横枠172が組み合わされて、長方形の形状をなしている。
【0030】
防着板1を蒸着源120の方向から見ると、図5に示されるようになる。防着板1は、寸法の違うタイプIとタイプIIがあり、タイプIが開口部220の上と下に、それぞれ2×3枚、タイプIIが左右に、それぞれ3×1枚配されている。
【0031】
防着板1には、2個所の長方形形状の穴20があけられており、後方に配置される防着板サポート180の凸部182にはめ込んで支えるようになっている。防着板サポート180は、図5に示されるように、左右に配置され、それぞれの防着板サポート180は、防着板1の配置にあわせて、計36個所の凸部182を有している。
【0032】
防着板1は、材質としては、ステンレス鋼(SUS、Stainless steel)製であり、蒸着物が付着しやすいように、表面にサンドブラスト加工がなされている。例えば、図5に示されているように、タイプIの防着板の寸法は、350mm×700mm程度であり、タイプIIの防着板の寸法は、460mm×380mm程度である。防着板1の一枚の重量は、5kg〜8kgである。
【0033】
本実施形態の防着板1は、タイプI、タイプIIとも、図6に示されるように、防着板はめ込みフレーム230にはめ込んで、複数枚の取り付けと取り外しを同時におこなえるようにする。例えば、開口部の上部にある2×3の構成の防着板(タイプIが6枚)を一つのセット、開口部の下部にある2×3(タイプIが6枚)の構成の防着板を一つのセット、開口部の左にある3×1の構成の防着板の構成(タイプIIが3枚)を一つのセット、開口部の右にある3×1の防着板の構成(タイプIIが3枚)を一つのセットになるように、四つの防着板はめ込みフレームを用いる。以下、これらを区別する必要があるときには、図6(b)に示されるように、上部を防着板はめ込みフレーム230t、下部を防着板はめ込みフレーム230b、左の部分を防着板はめ込みフレーム230l、右の部分を防着板はめ込みフレーム230rと表すことにする。
【0034】
ここで、作業者wは、通常、図3Aに示されている台240の上に配置されるステップ242の上に乗って、取り付け、取外しの作業をおこなうが、開口部220の上端の高さが、地上から3m、一番上の防着板1までの高さが、地上から3.7mにも達し、防着板1の重量が重いこともあり、特に、開口部220の上部にある防着板1の取付け、取外し作業には、困難を伴う。
【0035】
そこで、本実施形態では、図3Aに示されるように、防着板1の取付け、取外し作業時に、防着板1を運搬するための防着板運搬機構10を設けることにした。
【0036】
防着板運搬機構10は、上側の横基体3t、縦基体3v、下側の横基体3bがコの字型に組み合わされた構造になっている。そして、上側の横基体3tの先には、ブロック2txが取付けられていて、下側の横基体3bの先には、ブロック2bxが取付けられていて、上下の横枠172に設けられたガイドレール8t、8bに沿って、X軸方向に移動可能になっている。
【0037】
また、図4に示されるように、縦基体3vの開口部220と対向する面にも、ガイドレール8zが設けられており、ブロック2zがZ軸方向(上下方向)に移動可能になっている。上側の横基体3tと縦基体3vの接合部の上部には、定滑車12が取り付けられており、縦基体3vの開口部220と対向する面の反対側の下側には、リール5が取り付けられていて、リール5には、ハンドル14が取り付けられている。そして、ブロック2zには、ワイヤ16が取付けられている。そして、そのワイヤ16は、横部材3tの穴17を抜けて、定滑車12、リール5の順に敷設されて、作業者は、ハンドル14を回すことにより、ブロック2zをZ軸方向に移動させることができる。
【0038】
ブロック2zには、ベース4が固定されており、ブロック2zとL字型形状を形成し、ベース4の他の一端は、開口部220の方向に突き出されている。ベース4の上面には、2本のガイドレール8yが設けられており、ブロック2yと係合して、Y軸方向に移動できるようになっている。
【0039】
ブロック2yの開口部220の方向の一端には、左右のL字型形状の縦部材6aと、それをつなぐ横部材6bで一体に形成されたアーム6が取付けられている。そして、左右のL字型形状の先端は、上に折り曲げられたフック7を有している。
【0040】
このような防着板運搬機構10により、防着板1を取り外すときには、以下のように動作させる。ここでは、開口部220の上部にある2×3の構成の防着板はめ込みフレーム230tにはめ込まれた6枚の防着板1を取り外すときについて説明する。
(1)初期状態(防着板運搬機構10を使用しないとき)には、ブロック2tx、2bxは、縦枠170に近い位置にある。ブロック2zは、下におろされている。ブロック2yは、開口部220と遠い方向にある。
(2)ブロック2tx、2bxを、ガイドレール8t、8bに沿って滑らすように押すことで、開口部220の中心に持って行く。
(3)ハンドル14を操作し、ブロック2zを上昇させて、アーム6の先端が開口部220に通せる位置まで持って行く。
(4)ブロック2yを、ガイドレール8yに沿って滑らすように押すことで、開口部220の方向に移動させて、アーム6の先端のフック7を開口部220に差込む。
(5)さらに、ハンドル14を操作し、ブロック2zを上昇させて、アーム6の先端のフック7を、防着板はめ込みフレーム230tの下辺に引っ掛ける。
(6)ブロック2yを、ガイドレール8yに沿って滑らすように押すことで、開口部220から遠ざかる方向に移動させる。
(7)ハンドル14を逆方向に操作し、ブロック2zを下降させて、防着板はめ込みフレーム230tを安全に扱える位置まで降ろす。
【0041】
図3Bは、(7)に到るときの状態を示している。
【0042】
なお、防着板1を取付けるときには、防着板はめ込みフレーム230tにはめ込んだ防着板1を地面に近い位置から運搬を開始して、(7)から順に、ブロックの移動を逆にすればよい。
【0043】
本実施形態の成膜装置の防着板運搬機構によれば、特に高い位置にある防着板1に対しても安全かつ迅速にX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれのブロックを動かすことにより、安全で迅速に運搬することができる。
【0044】
〔実施形態2〕
以下、本発明の第二の実施形態を、図7Aないし図7Cを用いて説明する。
【0045】
図7Aは、本発明の第二の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構を示す斜視図である。
【0046】
図7Bは、図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のC方向から見た正面図である。
【0047】
図7Cは、図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のD断面図である。
【0048】
本実施形態は、第一の実施形態の防着板運搬機構の構造を変えたものである。
【0049】
この防着板運搬機構30の形態は、縦基体33vの下方向から3分の1から、上方向まで、広くなっており、この広くなった面に2本の溝35が掘られている。
【0050】
ブロック32zの一面は、二つの凸部34を有しており、縦基体33vの2本の溝35を移動させることにより、ブロック32zをZ軸方向に移動させることができる。
【0051】
また、ブロック32zの他の一面は、二つの凸部36を有しており、ブロック32yの溝38と係合され、ブロック32yは、ブロック32zに対して、Y軸方向に移動できるようになっている。
【0052】
また、ブロック32yの開口部220に近い一端には、アーム6が取付けられ、その左右の先端は、フック7を有しており、これにより防着板はめ込みフレーム230の下辺に引っ掛けって、移動させることは、図3Aに示した防着板運搬機構10と同様である。
【0053】
〔実施形態3〕
以下、本発明に係る第三の実施形態を、図8および図9を用いて説明する。
【0054】
第一の実施形態と第三の実施形態では、防着板1をまとめて取り外したり、取り付けたりするために、防着板はめ込みフレーム230に防着板1をはめ込んで扱ってきた。
【0055】
本実施形態では、防着板の取り外しや取り付けを一枚単位でおこなう成膜装置の防着板運搬機構に関するものである。
【0056】
図8は、本発明の第三の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板の構造を示す斜視図である。
【0057】
図9は、本発明の第三の実施形態に係る防着板を説明する図である。
【0058】
本発明の第三の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構40は、第一の実施形態の防着板運搬機構10とほぼ同様の構造であるが、ブロック2yに取付けられるアーム6′の構造が異なっている。
【0059】
アーム6′は、ブロック2yの側面に取付けられており、形状は、1本のL字型形状であり、その先に、フック7′が取付けられている。アーム6′は、第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構10のアーム6に比べて、1本のL字型形状からなることが異なっている。フック7′は、第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構10のフック7に比べて、形状がやや小さいものになっている。
【0060】
本実施形態の防着板1′は、図9に示されように、穴20の中間に引掛け金具21が設けられている。
【0061】
そして、本実施形態の成膜装置の防着板運搬機構40では、各々の防着板1′を運搬するときには、アーム6′の先端のフック7′を、防着板1′の引掛け金具21の穴に差し込み、取り付けと取り外しをおこなう。
【0062】
なお、本実施形態の成膜装置の防着板運搬機構の構造としては、図3Aに説明したもののアームを変形されたもので説明したが、図7Aに示したもののアームを変形させてもよい。
【0063】
本実施形態では、取り付けと取り外しをおこなうときに、防着板1′一枚一枚づつおこなわなければならないという面があるが、防着板はめ込みフレームのような構造物を要せず、はめ込むための手間も軽減されるという利点がある。
【0064】
また、防着板1′一枚づつ取り付けと取り外しをおこなうために作業場の安全性が向上するという利点もある。
【符号の説明】
【0065】
1…防着板、20…穴、21…引掛け金具、
100…蒸着室、、120…蒸発源、122…有機材料、124…ノズル、130…真空ポンプ、150…搬送ロボット、152…アーム、154…ハンド、160…基板ホールダ、170…縦枠、172…横枠、180、184…防着板サポート、182…凸部、
200…基板、204…シャドウマスク、220…開口部、230…防着板はめ込みフレーム、230t…防着板はめ込みフレーム(上部)、230b…防着板はめ込みフレーム(下部)、230l…防着板はめ込みフレーム(左)、230r…防着板はめ込みフレーム(右)、240…台、242…ステップ、
10,20,30,40…防着板運搬機構、
3t…縦基体、3v…横基体、
2tx,2bx,2y,2z…ブロック、8t,8b,8y,8z…ガイドレール、
6…アーム、7…フック、
5…リール、12…定滑車、14…ハンドル、16…ワイヤ、17…穴、
32y,32z…ブロック、33v…縦基体、34,36…凸部、35,38…溝。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL膜などの成膜を行う成膜装置に係り、特に、成膜対象の基板以外の部分に成膜されることを防止するための防着板を備えた成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electro Luminescence)膜を成膜する手法としては、有機EL材料を昇華させて蒸気とし、シャドーマスクを介して、所定位置に有機EL薄膜を形成する真空蒸着法が一般的に用いられている。この真空蒸着の際、有機EL蒸気は、蒸着源(坩堝)から等方的に広がるため、目的の基板以外に、真空チャンバーの内壁にも付着する。内壁に付着した有機EL材料が何らかの原因で剥離すると、基板上への成膜に欠陥が発生する可能性もある。従い、真空チャンバーの内壁には、防着板と呼ばれる遮蔽物を設け、この防着板を清掃することでそのような欠陥などの発生を防いでいる。
【0003】
例えば、特許文献1には、防着板を、蒸着源の三方を取り囲むようにして配置した蒸着装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、開口部を有する防着板を真空容器内を分割するように配置し、蒸発源からの蒸発粒子をその開口部を通過して、基板に到達するようにした真空蒸着装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−218557号公報
【特許文献2】特開平5−70931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有機ELパネルは、液晶パネルと同様に大型化が進んでおり、近い将来には、第6世代(1500mm×1850mm)のパネルの量産化が期待されている。
【0007】
このような、大型パネルに対応して成膜装置も大型することになる。それに伴い、防着板も大きく、重くなる。特に、基板を立てて蒸着する縦型成膜装置の場合、基板の大型化に伴い、蒸着槽(真空槽)の高さが高くなるため、防着板は、高い位置に設ける必要が出てくる。したがって、高所に設けられた防着板交換を迅速、かつ安全に行えるよう配慮する必要がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、有機ELなどの成膜をおこなう成膜室に設置された防着板の取付け、取外し作業の時間を短縮し、かつ交換時の安全性を確保した成膜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の防着板搬送機構を備えた成膜装置の構成は、基板上に材料を成膜するための成膜室と、成膜する材料を前記基板に供給する成膜材料供給源と、少なくともその一部が、前記成膜室の筐体と前記成膜材料供給源の間に設けられ、該成膜材料供給源から供給される成膜材料が該筐体に付着するのを防止する防着板と、を備えた成膜装置において、前記防着板は、少なくとも上下方向で複数部材に分割されており、かつ、上方の防着板を下方に移動させる防着板搬送機構を備えたものである。
【0010】
前記基板は、その表面に膜が形成できるものであればどのようなものであっても良い。例えば、ガラス基板、半導体基板、可撓性のフィルム状材料などが代表的なものである。成膜材料供給源とは、成膜材料を蒸発させる蒸発源、スパッタリングするためのスパッタターゲットなどが代表的なものであるが、成膜材料を供給できるものであればどのようなものであっても良い。成膜室の筐体は、外部と成膜室を隔離する機能を備えることが好ましい。成膜材料供給源が蒸発源である場合は、真空チャンバーが筐体に相当する。真空チャンバーでなくとも、外部からの塵埃が基板に影響を与えないようにする機能があれば、どのようなものであっても良い。防着板は、筐体の内部表面の少なくとも一部を覆うようなものであればどのようなものであっても良い。付着した成膜物質を定期的に除去することにも耐えられるように金属板で構成することが一般的であり、錆などに強い、ステンレス板を加工して用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、有機ELなどの成膜をおこなう成膜室に設置された防着板の取付け、取外し作業の時間を短縮し、かつ交換時の安全性を確保した成膜装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の斜視図である。
【図2】有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の断面図である。
【図3A】本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板とそれに関わる蒸着室の構造を示す斜視図である(その一)。
【図3B】本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板とそれに関わる蒸着室の構造を示す斜視図である(その二)。
【図4】防着板運搬機構の横基体、縦基体部分の断面図である。
【図5】防着板を配列した様子を示す正面図である。
【図6】防着板をはめ込みフレームにはめ込むときの様子を示す図である。
【図7A】本発明の第二の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構を示す斜視図である。
【図7B】図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のC方向から見た正面図である。
【図7C】図7Cは、図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のD断面図である。
【図8】本発明の第三の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構の構造を示す斜視図である。
【図9】本発明の第三の実施形態に係る防着板を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図9を用いて説明する。
【0014】
〔実施形態1〕
以下、本発明に係る第一の実施形態を、図1ないし図7Cを用いて説明する。
【0015】
先ず、図1および図2を用いて本発明に係る有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室について説明する。
【0016】
図1は、有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の斜視図である。
【0017】
図2は、有機ELパネルの蒸着に用いられる蒸着室の断面図である。
【0018】
有機ELパネルを製造するときには、真空蒸着法により発光層を蒸着する工程が必要であり、図1に示されるように蒸着室100内を真空に近い雰囲気にし、材料を加熱蒸発させて、基板上に蒸着させる。
【0019】
図1では、蒸着室100内の一部を透視し、中の防着板1と基板200を図示している。図2は、図1の蒸着室におけるA−A断面図である。
【0020】
前工程での処理を終えた基板200は、搬送ロボット150のアーム152の先にあるハンド154に載せられて、蒸着室100内に搬送される。そして、基板ホールダ160に載せられた後、基板ホールダ160を回転させて、直立させて、シャドウマスク204と位置あわせ(アライメント)をおこなった後に、基板200とシャドウマスク204をバネや電磁石などの手段により両者を密着固定させて保持する。シャドウマスク204は、開口を有し、基板上の必要な部分(画素となる部分)に材料を蒸着させるためにマスクする部材である。
【0021】
蒸着室100は、真空蒸着をおこなうために、真空ポンプ130により真空になるよう、真空バルブを介して、内部の空気を排気して減圧する。
【0022】
そして、発光層を形成するための有機材料122が、蒸発源120のノズル124から噴射され、開口部220を通過してパネル上に蒸着される。
【0023】
このとき、基板200とシャドウマスク204の蒸発源120に向かう方向には、蒸着室100の全面に渡って、防着板1が設置されており、蒸着室100の内壁等に有機材料が付着するのを防止する。
【0024】
次に、図3Aないし図6を用いて本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板の詳細について説明する。
【0025】
図3Aおよび図3Bは、本発明の第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板とそれに関わる蒸着室の構造を示す斜視図である。
【0026】
図4は、成膜装置の防着板運搬機構の横基体、縦基体部分の断面図である。
【0027】
図5は、防着板を配列した様子を示す正面図である。
【0028】
図6は、防着板をはめ込みフレームにはめ込むときの様子を示す図である。
【0029】
図1の蒸着室100を、B方向から見ると、図3Aに示されるようになる。本実施形態での防着板1は、基板200の前に縦方向に並べられるが、それより少し後方の面に左右の縦枠170と上下の横枠172が組み合わされて、長方形の形状をなしている。
【0030】
防着板1を蒸着源120の方向から見ると、図5に示されるようになる。防着板1は、寸法の違うタイプIとタイプIIがあり、タイプIが開口部220の上と下に、それぞれ2×3枚、タイプIIが左右に、それぞれ3×1枚配されている。
【0031】
防着板1には、2個所の長方形形状の穴20があけられており、後方に配置される防着板サポート180の凸部182にはめ込んで支えるようになっている。防着板サポート180は、図5に示されるように、左右に配置され、それぞれの防着板サポート180は、防着板1の配置にあわせて、計36個所の凸部182を有している。
【0032】
防着板1は、材質としては、ステンレス鋼(SUS、Stainless steel)製であり、蒸着物が付着しやすいように、表面にサンドブラスト加工がなされている。例えば、図5に示されているように、タイプIの防着板の寸法は、350mm×700mm程度であり、タイプIIの防着板の寸法は、460mm×380mm程度である。防着板1の一枚の重量は、5kg〜8kgである。
【0033】
本実施形態の防着板1は、タイプI、タイプIIとも、図6に示されるように、防着板はめ込みフレーム230にはめ込んで、複数枚の取り付けと取り外しを同時におこなえるようにする。例えば、開口部の上部にある2×3の構成の防着板(タイプIが6枚)を一つのセット、開口部の下部にある2×3(タイプIが6枚)の構成の防着板を一つのセット、開口部の左にある3×1の構成の防着板の構成(タイプIIが3枚)を一つのセット、開口部の右にある3×1の防着板の構成(タイプIIが3枚)を一つのセットになるように、四つの防着板はめ込みフレームを用いる。以下、これらを区別する必要があるときには、図6(b)に示されるように、上部を防着板はめ込みフレーム230t、下部を防着板はめ込みフレーム230b、左の部分を防着板はめ込みフレーム230l、右の部分を防着板はめ込みフレーム230rと表すことにする。
【0034】
ここで、作業者wは、通常、図3Aに示されている台240の上に配置されるステップ242の上に乗って、取り付け、取外しの作業をおこなうが、開口部220の上端の高さが、地上から3m、一番上の防着板1までの高さが、地上から3.7mにも達し、防着板1の重量が重いこともあり、特に、開口部220の上部にある防着板1の取付け、取外し作業には、困難を伴う。
【0035】
そこで、本実施形態では、図3Aに示されるように、防着板1の取付け、取外し作業時に、防着板1を運搬するための防着板運搬機構10を設けることにした。
【0036】
防着板運搬機構10は、上側の横基体3t、縦基体3v、下側の横基体3bがコの字型に組み合わされた構造になっている。そして、上側の横基体3tの先には、ブロック2txが取付けられていて、下側の横基体3bの先には、ブロック2bxが取付けられていて、上下の横枠172に設けられたガイドレール8t、8bに沿って、X軸方向に移動可能になっている。
【0037】
また、図4に示されるように、縦基体3vの開口部220と対向する面にも、ガイドレール8zが設けられており、ブロック2zがZ軸方向(上下方向)に移動可能になっている。上側の横基体3tと縦基体3vの接合部の上部には、定滑車12が取り付けられており、縦基体3vの開口部220と対向する面の反対側の下側には、リール5が取り付けられていて、リール5には、ハンドル14が取り付けられている。そして、ブロック2zには、ワイヤ16が取付けられている。そして、そのワイヤ16は、横部材3tの穴17を抜けて、定滑車12、リール5の順に敷設されて、作業者は、ハンドル14を回すことにより、ブロック2zをZ軸方向に移動させることができる。
【0038】
ブロック2zには、ベース4が固定されており、ブロック2zとL字型形状を形成し、ベース4の他の一端は、開口部220の方向に突き出されている。ベース4の上面には、2本のガイドレール8yが設けられており、ブロック2yと係合して、Y軸方向に移動できるようになっている。
【0039】
ブロック2yの開口部220の方向の一端には、左右のL字型形状の縦部材6aと、それをつなぐ横部材6bで一体に形成されたアーム6が取付けられている。そして、左右のL字型形状の先端は、上に折り曲げられたフック7を有している。
【0040】
このような防着板運搬機構10により、防着板1を取り外すときには、以下のように動作させる。ここでは、開口部220の上部にある2×3の構成の防着板はめ込みフレーム230tにはめ込まれた6枚の防着板1を取り外すときについて説明する。
(1)初期状態(防着板運搬機構10を使用しないとき)には、ブロック2tx、2bxは、縦枠170に近い位置にある。ブロック2zは、下におろされている。ブロック2yは、開口部220と遠い方向にある。
(2)ブロック2tx、2bxを、ガイドレール8t、8bに沿って滑らすように押すことで、開口部220の中心に持って行く。
(3)ハンドル14を操作し、ブロック2zを上昇させて、アーム6の先端が開口部220に通せる位置まで持って行く。
(4)ブロック2yを、ガイドレール8yに沿って滑らすように押すことで、開口部220の方向に移動させて、アーム6の先端のフック7を開口部220に差込む。
(5)さらに、ハンドル14を操作し、ブロック2zを上昇させて、アーム6の先端のフック7を、防着板はめ込みフレーム230tの下辺に引っ掛ける。
(6)ブロック2yを、ガイドレール8yに沿って滑らすように押すことで、開口部220から遠ざかる方向に移動させる。
(7)ハンドル14を逆方向に操作し、ブロック2zを下降させて、防着板はめ込みフレーム230tを安全に扱える位置まで降ろす。
【0041】
図3Bは、(7)に到るときの状態を示している。
【0042】
なお、防着板1を取付けるときには、防着板はめ込みフレーム230tにはめ込んだ防着板1を地面に近い位置から運搬を開始して、(7)から順に、ブロックの移動を逆にすればよい。
【0043】
本実施形態の成膜装置の防着板運搬機構によれば、特に高い位置にある防着板1に対しても安全かつ迅速にX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれのブロックを動かすことにより、安全で迅速に運搬することができる。
【0044】
〔実施形態2〕
以下、本発明の第二の実施形態を、図7Aないし図7Cを用いて説明する。
【0045】
図7Aは、本発明の第二の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構を示す斜視図である。
【0046】
図7Bは、図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のC方向から見た正面図である。
【0047】
図7Cは、図7Aに示した成膜装置の防着板運搬機構のD断面図である。
【0048】
本実施形態は、第一の実施形態の防着板運搬機構の構造を変えたものである。
【0049】
この防着板運搬機構30の形態は、縦基体33vの下方向から3分の1から、上方向まで、広くなっており、この広くなった面に2本の溝35が掘られている。
【0050】
ブロック32zの一面は、二つの凸部34を有しており、縦基体33vの2本の溝35を移動させることにより、ブロック32zをZ軸方向に移動させることができる。
【0051】
また、ブロック32zの他の一面は、二つの凸部36を有しており、ブロック32yの溝38と係合され、ブロック32yは、ブロック32zに対して、Y軸方向に移動できるようになっている。
【0052】
また、ブロック32yの開口部220に近い一端には、アーム6が取付けられ、その左右の先端は、フック7を有しており、これにより防着板はめ込みフレーム230の下辺に引っ掛けって、移動させることは、図3Aに示した防着板運搬機構10と同様である。
【0053】
〔実施形態3〕
以下、本発明に係る第三の実施形態を、図8および図9を用いて説明する。
【0054】
第一の実施形態と第三の実施形態では、防着板1をまとめて取り外したり、取り付けたりするために、防着板はめ込みフレーム230に防着板1をはめ込んで扱ってきた。
【0055】
本実施形態では、防着板の取り外しや取り付けを一枚単位でおこなう成膜装置の防着板運搬機構に関するものである。
【0056】
図8は、本発明の第三の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構と防着板の構造を示す斜視図である。
【0057】
図9は、本発明の第三の実施形態に係る防着板を説明する図である。
【0058】
本発明の第三の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構40は、第一の実施形態の防着板運搬機構10とほぼ同様の構造であるが、ブロック2yに取付けられるアーム6′の構造が異なっている。
【0059】
アーム6′は、ブロック2yの側面に取付けられており、形状は、1本のL字型形状であり、その先に、フック7′が取付けられている。アーム6′は、第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構10のアーム6に比べて、1本のL字型形状からなることが異なっている。フック7′は、第一の実施形態に係る成膜装置の防着板運搬機構10のフック7に比べて、形状がやや小さいものになっている。
【0060】
本実施形態の防着板1′は、図9に示されように、穴20の中間に引掛け金具21が設けられている。
【0061】
そして、本実施形態の成膜装置の防着板運搬機構40では、各々の防着板1′を運搬するときには、アーム6′の先端のフック7′を、防着板1′の引掛け金具21の穴に差し込み、取り付けと取り外しをおこなう。
【0062】
なお、本実施形態の成膜装置の防着板運搬機構の構造としては、図3Aに説明したもののアームを変形されたもので説明したが、図7Aに示したもののアームを変形させてもよい。
【0063】
本実施形態では、取り付けと取り外しをおこなうときに、防着板1′一枚一枚づつおこなわなければならないという面があるが、防着板はめ込みフレームのような構造物を要せず、はめ込むための手間も軽減されるという利点がある。
【0064】
また、防着板1′一枚づつ取り付けと取り外しをおこなうために作業場の安全性が向上するという利点もある。
【符号の説明】
【0065】
1…防着板、20…穴、21…引掛け金具、
100…蒸着室、、120…蒸発源、122…有機材料、124…ノズル、130…真空ポンプ、150…搬送ロボット、152…アーム、154…ハンド、160…基板ホールダ、170…縦枠、172…横枠、180、184…防着板サポート、182…凸部、
200…基板、204…シャドウマスク、220…開口部、230…防着板はめ込みフレーム、230t…防着板はめ込みフレーム(上部)、230b…防着板はめ込みフレーム(下部)、230l…防着板はめ込みフレーム(左)、230r…防着板はめ込みフレーム(右)、240…台、242…ステップ、
10,20,30,40…防着板運搬機構、
3t…縦基体、3v…横基体、
2tx,2bx,2y,2z…ブロック、8t,8b,8y,8z…ガイドレール、
6…アーム、7…フック、
5…リール、12…定滑車、14…ハンドル、16…ワイヤ、17…穴、
32y,32z…ブロック、33v…縦基体、34,36…凸部、35,38…溝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に材料を成膜するための成膜室と、成膜する材料を前記基板に供給する成膜材料供給源と、少なくともその一部が、前記成膜室の筐体と前記成膜材料供給源の間に設けられ、該成膜材料供給源から供給される成膜材料が該筐体に付着するのを防止する防着板と、を備えた成膜装置において、
前記防着板は、少なくとも上下方向で複数部材に分割されており、
かつ、上方の防着板を下方に移動させる防着板搬送機構を備えたことを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板搬送機構は、前記筐体に係合する枠と、該枠に沿って移動する第一の搬送ブロックと、を備えたことを特徴とする成膜装置。
【請求項3】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板搬送機構は、前記成膜室の開口部と直交する方向に敷説されたレールと、前記レールに沿って移動する第二の搬送ブロックと、を備えたことを特徴とする成膜装置。
【請求項4】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板は、複数の防着板をはめ込む防着板はめ込みフレームにはめ込まれ、前記防着板搬送機構は、前記防着板はめこみフレームにはめ込まれた前記防着板を移動させることを特徴とする成膜装置。
【請求項5】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板搬送機構は、前記防着板の一部と係合する手段を備え、前記防着板の一部と係合させて、一枚ずつ移動させることを特徴とする成膜装置。
【請求項1】
基板上に材料を成膜するための成膜室と、成膜する材料を前記基板に供給する成膜材料供給源と、少なくともその一部が、前記成膜室の筐体と前記成膜材料供給源の間に設けられ、該成膜材料供給源から供給される成膜材料が該筐体に付着するのを防止する防着板と、を備えた成膜装置において、
前記防着板は、少なくとも上下方向で複数部材に分割されており、
かつ、上方の防着板を下方に移動させる防着板搬送機構を備えたことを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板搬送機構は、前記筐体に係合する枠と、該枠に沿って移動する第一の搬送ブロックと、を備えたことを特徴とする成膜装置。
【請求項3】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板搬送機構は、前記成膜室の開口部と直交する方向に敷説されたレールと、前記レールに沿って移動する第二の搬送ブロックと、を備えたことを特徴とする成膜装置。
【請求項4】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板は、複数の防着板をはめ込む防着板はめ込みフレームにはめ込まれ、前記防着板搬送機構は、前記防着板はめこみフレームにはめ込まれた前記防着板を移動させることを特徴とする成膜装置。
【請求項5】
請求項1記載の成膜装置において、
前記防着板搬送機構は、前記防着板の一部と係合する手段を備え、前記防着板の一部と係合させて、一枚ずつ移動させることを特徴とする成膜装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−64168(P2013−64168A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202152(P2011−202152)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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