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成長ホルモン分泌促進剤
説明

成長ホルモン分泌促進剤

【課題】成長ホルモン分泌状態を改善する効果を有する成長ホルモン分泌促進剤を提供する。
【解決手段】食物繊維及びオリゴ糖等のプレバイオティクス、又は乳酸菌、酪酸菌、納豆菌、有胞子性乳酸菌等のプロバイオティクスを有効成分とする成長ホルモン分泌促進剤。プレバイオティクスは1食あたり1g以上、プロバイオティクスは1食あたり菌原体として10mg(菌数にして約10個)以上とするのが好ましい。食物繊維、オリゴ糖及びプロバイオティクスを組み合せても使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレバイオティクス又はプロバイオティクスを有効成分とする成長ホルモン分泌促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、首都圏在住の成人女性を対象に、大腸運動状態と睡眠健康の関係を明らかににすることを目的として、代表的な消化器運動障害疾患である機能性便秘(functional constipation:FC)および過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)に着目し、疫学調査を実施した。その結果、FC群およびIBS群は便通状態良好群に比べ有意に睡眠健康が悪化しており、便通状態と睡眠健康の間に何らかの関係が存在していることが示唆された。
【0003】
一方、成長ホルモン(growth hormone:GH)は、出生後の動物の成長促進、骨の伸張をもたらす上で、その中心となる最も重要な物質である。成人においても成長ホルモンは分泌され、身体の恒常性を維持するための組織修復機能を担っているのではないかと考えられている。成長ホルモンは睡眠中に分泌が高まることが知られており、特に、入眠直後の徐波睡眠(ノンレム睡眠)が生理的成長ホルモン分泌促進因子として作用するとされている。また、食事や運動が生理的成長ホルモン分泌促進因子となることも知られている(非特許文献1参照)。
しかしながら、成長ホルモン分泌促進に関与する食物の種類や成分については、ほとんど知られていない。マカを含有する機能性食品により血中成長ホルモン量が上昇することが報告されている(特許文献1参照)が、他の食物やその成分と成長ホルモンの分泌状態との関係については、ほとんど知られていない。
【0004】
【特許文献1】特開2004−171号公報
【非特許文献1】本郷利憲、廣重力監修、2000.標準生理学 第5版.医学書院 p.866
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、成長ホルモン分泌状態を改善する効果を有する成長ホルモン分泌促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、食物繊維とオリゴ糖に代表されるプレバイオティクスおよびプロバイオティクスの便通改善効果および腸内環境改善効果に着目して研究を行った結果、これらを摂取して便通を改善することで成長ホルモン分泌状態が改善されることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、プレバイオティクス又はプロバイオティクスを有効成分とする成長ホルモン分泌促進剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、成長ホルモン分泌促進効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
プレバイオティクスとは、結腸内に住み付いている有用菌だけの増殖を促進し、あるいは、その活性を高めることによって宿主(人)の健康に有利に作用する難消化性食品成分をいう。一方、プロバイオティクスは、腸内微生物のバランスを改善することによって宿主動物に有益に働く生菌添加物をいう。これらプレバイオティクス及びプロバイオティクスは、腸内有用菌を増殖させることで腸内環境を改善し、その結果、糞便量が増加する等の作用により消化管運動を活性化する。
【0010】
プレバイオティクスの具体例としては、食物繊維とオリゴ糖が挙げられる。食物繊維は、小腸での消化を免れた後、大腸に到達し、水分を吸収して嵩を増すことで糞便骨格を形成し消化管壁に物理的刺激を与える。また、腸内細菌に利用されることで短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸等)に変換され、消化管壁に化学的刺激を与える。こうした刺激によって、腸管の蠕動運動が促進されることが知られている。
【0011】
本発明に用いられる食物繊維としては、セルロース、ヘミセルロース、水溶性ヘミセルロース、リグニン、アルギン酸Na、低分子化アルギン酸Na、カラギーナン、フコイダン、ラミナラン、カルボキシメチルセルロースNa、ポリデキストロース、寒天、ペクチン、低分子化ペクチン、グアーガム、低分子化グアーガム、アラビアガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガム、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、キチン、キトサン、レジスタントスターチ等が挙げられる。このうち、ポリデキストロース、アラビアガムは水溶性であり、形態が飲料である場合、水溶液の粘度が低く特に好ましい。
【0012】
食物繊維により、成長ホルモン分泌促進効果を得るには、例えば形態が食品である場合、1食あたり1g以上(好ましくは3g以上、特に好ましくは5g以上)が配合される。そして、1日あたりの食物繊維の摂取量が1〜20gとなるようにすることが好ましい。
【0013】
本発明に用いられるオリゴ糖としては、キシリオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクチュロース等が挙げられる。
【0014】
オリゴ糖により、成長ホルモン分泌促進効果を得るには、例えば形態が食品である場合、1食あたり1g以上(好ましくは3g以上、特に好ましくは5g以上)が配合される。そして、1日あたりの食物繊維の摂取量が1〜25gとなるようにすることが好ましい。
【0015】
本発明に用いられるプロバイオティクスとしては、乳酸菌(Lactobacillus acidophilus、 Lactobacillus delbreckii、 Bifidobacterium bifidum、 Bifidobacterium breve、 Bifidobacterium infantis、 Bifidobacterium longum 等)、酪酸菌(Clostridium butyricum)、納豆菌、有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulance)が挙げられる。このうち、酪酸菌および有胞子性乳酸菌は、胞子を形成しているので(耐酸性であるので)、経口で摂取した際、胃酸により死滅することなく効果的に目的臓器である大腸に到達できることから特に好ましい。
【0016】
プロバイオティクスにより、成長ホルモン分泌促進効果を得るには、例えば形態が食品であり有胞子性乳酸菌を利用する場合、1食あたり菌原体として10mg以上(菌数にして約10個以上)、好ましくは20mg以上、特に好ましくは30mg以上配合される。そして、1日あたりの有胞子性乳酸菌の摂取量が10〜100mgとなるようにすることが好ましい。
【0017】
プレバイオティクスおよびプロバイオティクスは、それらの単独使用のみに限定されず、プレバイオティクスおよびプロバイオティクスのそれぞれ1種又は2種以上を組み合せても使用することができる。
【0018】
本発明の成長ホルモン分泌促進剤の形態は、前記プレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスを経口で摂取できる形態であれば特に限定されず、機能性食品、健康食品、スナック食品等の食品、医薬品等とすることができる。食品としては、クッキー、フレーク、ウェハー、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、スナック菓子、調味料、テーブルシュガー、シロップ、飲料等の形態が挙げられる。
【0019】
本発明を食品等の形態にするには、前記食物繊維、オリゴ糖およびプロバイオティクス以外に、デンプン、デキストリン、ブドウ糖、果糖、砂糖、ソルビトール、エリスリトール等の糖類;カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、卵白等のタンパク質類;炭酸カルシウム、乳酸鉄等のミネラル類;ビタミンA、B、B、B12、C、E等のビタミン類;米、大麦、小麦、大豆、とうもろこし、各種野菜、果汁、肉類、食用油、調味料、乳化剤、糊料、賦形剤、酸味料、着色料、香料、水等を適宜単独または組み合せて配合することができる。
【0020】
食物繊維、オリゴ糖およびプロバイオティクスを有効成分とする成長ホルモン分泌促進効果を試験するにあたり、被験者の便通状態(FC)は消化器疾患の診断基準の一つであるローマ基準II(Gut、 45: II43-II47、 1999参照)に従って定義した。また、対照となる便通良好者(対照群)は、毎日便通がありかつ排便に関する愁訴がなく、FCの診断基準に該当しない者である。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
表1に示す処方により飲料を製造した。本飲料を100ml飲用することで、10gの食物繊維を摂取することができる。
【0022】
(表1) 重量%
ポリデキストロース 10
還元麦芽糖水あめ 3
エリスリトール 6
香料 0.2
クエン酸 0.3
水 バランス(全体を100とする量)
【0023】
(実施例2)
表2に示す処方により錠剤を製造した。すなわち、表2の成分を攪拌混合して打錠した後、直径9mm、1個あたり300mgの錠剤を得た。本錠剤を1錠摂取することで、40mgの有胞子性乳酸菌を摂取することができる。
【0024】
(表2) 配合量
有胞子性乳酸菌 40mg
含水結晶ブドウ糖 130mg
結晶性セルロース 60mg
卵殻カルシウム 40mg
ショ糖脂肪酸エステル 30mg
【0025】
(試験例1)
ローマ基準IIでFCと判定された被験者12名を対象に、実施例1で示した飲料を試験食として1日あたり1本、1ヵ月間摂取させた。血中GH濃度は、起床後30分の安静状態をとった後採血し、市販測定キットを用いて測定した。試験食を摂取することにより、血中GH濃度は、摂取前の0.51 ng/ml(12名平均)から摂取終了後の5.92 ng/ml(12名平均)に増加した。
【0026】
(試験例2)
ローマ基準IIでFCと判定された被験者10名を対象に、実施例2で示した錠剤を試験食として1日あたり1錠、1ヵ月間摂取させた。血中GH濃度は、起床後30分の安静状態をとった後採血し、市販測定キットを用い測定した。試験食を摂取することにより、血中GH濃度は、摂取前の1.15 ng/ml(10名平均)から摂取期間終了後の3.24 ng/ml(10名平均)に増加した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレバイオティクス又はプロバイオティクスを有効成分とする成長ホルモン分泌促進剤。
【請求項2】
プレバイオティクスが食物繊維である請求項1記載の成長ホルモン分泌促進剤。
【請求項3】
プレバイオティクスがオリゴ糖である請求項1記載の成長ホルモン分泌促進剤。
【請求項4】
プロバイオティクスが酪酸菌、納豆菌及び有胞子性乳酸菌から選ばれるものである請求項1記載の成長ホルモン分泌促進剤。

【公開番号】特開2007−131541(P2007−131541A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323367(P2005−323367)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】