説明

戸や窓の試験装置

【課題】戸や窓の試験装置を提供する。
【解決手段】前記戸や窓の試験装置は、動力ユニットが設けられてある基盤と、前記基盤に設けられ、前記動力ユニットと動力接続し、動力ユニットの駆動によって直線的に往復運動できる移動ベースと、前記移動ベースと戸や窓の被試験物との間に連結され、移動ベースを往復運動させて前記戸や窓の試験物を滑らせるように駆動する場合、戸や窓の試験物が滑る過程中の必要な牽引力又は推力の値を測定可能な力計測ユニットと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸や窓の試験装置に関し、特に、戸、窓及び各種の網戸(折り畳み式及びロール式網戸を含む)の牽引力、推力又は騒音の値を試験するための試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、数多くの市販製品の品質向上を図るために、大勢の業者は品質管理の根拠又は後日の製品改良の参考として、試験ボード又は装置を利用して、製品自体の性能を試験し、あるいは使用中の様々な数値を取得する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、戸、窓又は各種の網戸等の製品に用いられる試験装置は、かなりめずらしい。主に、特定な荷重での戸や窓のロールの使用寿命、又は一定回数使用に耐えられることを前提にした最大荷重を測定する戸や窓のロールの試験装置しか見えない。しかしながら、従来の試験装置で如何なる試験方式を採用しても、戸、窓又は各種の網戸の使用に必要な牽引力、推力又は発生する騒音の値等各種の特性の数値を得られないため、このような製品の業者が、誰でも牽引力、推力又は騒音に対する改善に力を入れない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、主に、人体の腕による実作業をまねることで、作業中に、戸、窓又は各種の網戸の作動に必要な推力又は牽引力の値を試験する戸や窓の試験装置を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、主に、人体の腕による実作業をまねることで、更に、作業中前記戸、窓又は各種の網戸の作動に発生した騒音の値を試験する戸や窓の試験装置を提供することにある。
【0006】
本発明の戸や窓の試験装置によると、本発明は、少なくとも、動力ユニット及び複数の第1の固定部品が設けられてある基盤と、前記基盤に設けられ、前記動力ユニットと動力接続し、前記動力ユニットの駆動によって直線的に往復運動できる移動ベースと、前記移動ベースと戸や窓の被試験物との間に連結され、移動ベースを往復運動させて前記戸や窓の被試験物を滑らせるように駆動する場合、戸や窓の被試験物が滑る過程中の必要な牽引力又は推力の値を測定可能な力計測ユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施例の立体図である。
【図2】被試験物が固設されてある本発明の模式図である。
【図3】本発明の監視・制御モジュールの構造のブロック模式図である。
【図4】本発明の第2の実施例の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で挙げた本発明の好適な実施例と添付図面が相まって詳細な説明を行って、本発明の前記または他の目的、特徴、メリットをより分かりやすくする。
【0009】
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施例において、前記戸や窓の試験装置は、この被試験物9をその上に固設するための基盤1と、往復運動できるように、前記基盤1に設けられている移動ベース2と、前記移動ベース2と前記被試験物9の可動枠92とを連結させて往復運動させる場合、前記被試験物9の牽引力又は推力の値を測定できるように、前記移動ベース2に設けられている力計測ユニット3と、を備える。
【0010】
なお、前記基盤1は、前記被試験物9のフレーム91をその上に寄り掛けさせる(図2に示すように)固定枠11と、前記被試験物9を前記固定枠11に当接させるように、前記固定枠11に装設され、その設置(装設)に合わせて、前記被試験物9を、試験過程中に揺れや滑りの恐れもなしに、前記固定枠11に固定可能な複数の第1の固定部品12と、を含み、前記第1の固定部品12は、挟み込み、嵌合又は係合等の固定方式で、前記被試験物9のフレーム91の固定効果を達成可能である。
【0011】
本実施例において、前記第1の固定部品12は、ベース121と、回動部材122とを含み、前記固定枠11に固設される前記ベース121の上に、回転軸124が設けられてあり、前記回動部材122が有する穿孔125は、前記回転軸124で貫かれて設置されることにより、回動部材122が回転軸124で回動できる。また、前記回動部材122に設けられている係止部材126は、前記回動部材122が前記被試験物9のフレーム91の位置に回動される場合、前記被試験物9を前記固定枠11に押し上げて固定する。
【0012】
なお、前記基盤1に、前記被試験物9のフレーム91の下方の横材に対向するように、複数組の第2の固定部品13を更に設置してよい。前記第2の固定部品13は、止めブロック131と、少なくとも1つのサポートブロック132と、締め付け部材133と、を含み、前記止めブロック131及び前記サポートブロック132は、前記被試験物9のフレーム91の両側に別々に設けられ、前記締め付け部材133は、前記サポートブロック132に対して軸方向において移動することができ、例えば、図に示すボルト部材のように、回転によって軸方向において移動し、前記フレーム91の下方の横材を止めブロック131に締め付けることによって、前記フレーム91の下方の横材の引締め強度を向上させる(図2に示すように)ことができる。
【0013】
また、図1に示すように前記基盤1は、ネジ15が設けられ且つ前記固定枠11に固設されるプラットフォーム14を更に含み、前記ネジ15の一端が駆動モータ16等のような動力ユニットと動力接続することで、前記ネジ15を正逆回転させるように駆動する。前記移動ベース2は、前記ネジ15の正逆回転の場合、前記移動ベース2を往復運動させるように駆動できるように、前記ネジ15と噛合う歯部(未図示)を有する。
【0014】
また、前記力計測ユニット3は、前記移動ベース2と前記被試験物9の可動枠92との間に設けられ、前記移動ベース2に結合される一端と、前記被試験物9の可動枠92に接続される他端という2つの応力端を有する。従って、前記移動ベース2が往復運動して、前記被試験物9の可動枠92を連動させる場合、前記力計測ユニット3は、前記被試験物9が作動する場合の牽引力又は推力の値を測定できる。なお、前記被試験物9の可動枠92は、取り付け具31を更に含み、前記取り付け具31と前記力計測ユニット3の応力端との連結(図2に示すように)によって、前記力計測ユニット3と前記可動枠92との結合強度を効果的に増加でき、測定の過程中、前記力計測ユニット3の応力端と前記可動枠92の緩みや離れによる測定中断又は不正確の悩みを回避できる。
【0015】
なお、本発明において、前記被試験物9の可動枠92が前記フレーム91内で移動する場合の発生した騒音の値を測定可能な騒音計測ユニット4を更に増設してよい。
【0016】
また、本発明の第1の実施例の使用態様である図2を参照する。本使用態様において、被試験物9としては、折り畳み式網戸を選択し、前記第1の固定部品12及び第2の固定部品13を利用することで、被試験物9を前記固定枠11に固定し、そして、前記取り付け具31を利用して前記力計測ユニット3の応力端と前記可動枠92とを一体に接続する。そのため、前記移動ベース2が往復運動し、前記可動枠92を連動させて同期に滑らせる場合、必要な牽引力又は推力を、前記力計測ユニット3によって計測して取得できると同時に、前記可動枠92が移動する場合の発生した騒音についても、その騒音値を、前記基盤1に設けられている騒音計測ユニット4を利用して得られる。
【0017】
図3に示すように、本発明の戸や窓の試験装置は、前記駆動モータ16、力計測ユニット3及び騒音計測ユニット4と電気的に接続することで、前記駆動モータ16の回転を制御し、前記被試験物9が移動する場合の必要な牽引力及び発生した騒音等の測定データを記録する監視・制御モジュール5を更に備える。本実施例において、前記監視・制御モジュール5は、モータ位置決めユニット51と、信号変換ユニット52と、処理ユニット53と、インタフェースユニット54と、を含み、前記モータ位置決めユニット51は、前記駆動モータ16に電気的接続され、前記駆動モータ16の回転方向、回転速度、予定回転数及び位置決め等の機能を正確に制御し、前記信号変換ユニット52は、前記力計測ユニット3及び前記騒音計測ユニット4に電気的接続され、前記力計測ユニット3及び前記騒音計測ユニット4の測定した信号を受信して変換し、更に、前記処理ユニット53に伝送することに用いられ、前記処理ユニット53は、前記モータ位置決めユニット51及び前記信号変換ユニット52に電気的接続され、前記モータ位置決めユニット51のフィードバックした信号を処理し、前記力計測ユニット3及び前記騒音計測ユニット4の測定し得たデータを記録することに用いられ、前記インタフェースユニット54は、前記処理ユニット53に電気的接続され、利用者が作業して前記モータ位置決めユニット51の必要なパラメーターを設定することの他、測定データ又は警告等のメッセージ及び機能を表示することに用いられる。また、前記インタフェースユニット54は、利用者が前記各種のデータを出力した後、また、コンピュータプログラムを運用して分析し、前記被試験物9が移動する過程中の発生した牽引力、推力、騒音の値など等の各種の特性パラメーターを更に理解でき、後日の改良設計及び性能と品質の向上に役立つ携帯型記憶装置55を含む。
【0018】
本発明の第2の実施例である図4を参照する。第2の実施例は、ネジ15の代わりに、クランクアーム25及び連結棒26を設けることで、第1の実施例と異なり、駆動モータ16等のような前記動力ユニットは、前記クランクアーム25と動力接続し、前記クランクアーム25が、前記駆動モータ16の連動によって回転して作動し、前記連結棒26の両端のそれぞれが、前記クランクアーム25及び移動ベース2に連結される。従って、前記連結棒26が前記クランクアーム25に駆動されて作動する場合、前記連結棒26が、前記移動ベース2を往復滑らせるように推し進めることができると同時に、前記力計測ユニット3が、前記被試験物9の可動枠92を引く過程中、牽引力、推力及び騒音の値を計測することもできる。なお、本実施例において、監視・制御モジュールも含まれるが、この監視・制御モジュールの内容及びその作業モードが第1の実施例における監視・制御モジュールと同じであるため、詳しく説明しないことにする。
【0019】
以上を纏めていえば、本発明の戸や窓の試験装置は、前記被試験物9の最大耐用回数を試験したり計算したりすることで、その使用寿命を推断することができる以外、本発明は、前記被試験物9の性能向上設計の参考根拠として、前記被試験物9が作動する場合の牽引力、推力、騒音等の各種の特性パラメーターを更に測定することも可能であり、それは、製品の品質向上には非常に有益であり、本発明には、製品性能及び品質設計効果を向上させる可能な効き目がある。
【0020】
本発明では好適な実施例を前述の通り開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と領域から逸脱しない限り、多様の変動や修正を加えることができる。従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0021】
1…基盤、 2…移動ベース、 3…力計測ユニット、 4…騒音計測ユニット、
5…監視・制御モジュール、 9…被試験物、 11…固定枠、 12…第1の固定部品、 13…第2の固定部品、 14…プラットフォーム、 15…ネジ、 16…駆動モータ、 25…クランクアーム、 26…連結棒、 31…取り付け具、 51…モータ位置決めユニット、 52…信号変換ユニット、 53…処理ユニット、 54…インタフェースユニット、 55…携帯型記憶装置、 91…フレーム、 92…可動枠、 121…ベース、 122…回動部材、 124…回転軸、 125…穿孔、 126…係止部材、 131…止めブロック、 132…サポートブロック、 133…締め付け部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力ユニット及び複数の第1の固定部品が設けられてある基盤と、
前記基盤に設けられ、前記動力ユニットと動力接続し、前記動力ユニットの駆動によって直線的に往復運動する移動ベースと、
前記移動ベースと戸や窓の被試験物との間に連結される力計測ユニットと、
を備える戸や窓の試験装置。
【請求項2】
前記基盤は、前記戸や窓の被試験物をその上に設けるための固定枠と、一端が前記動力ユニットと動力接続するネジが設けられ且つ横向きに前記固定枠に設けられるプラットフォームと、を更に含み、前記移動ベースに、前記ネジと噛合う歯部が設けられてある請求項1に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項3】
前記力計測ユニット及び前記動力ユニットに電気的接続される監視・制御モジュールを更に備える請求項1又は請求項2に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項4】
騒音計測ユニット及び前記動力ユニットに電気的接続される監視・制御モジュールと、騒音計測ユニットと、を更に備える請求項1又は請求項2に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項5】
前記力計測ユニットは、前記移動ベースに結合される一端と、取り付け具を利用して前記戸や窓の試験物と接続する他端という少なくとも2つの応力端を有する請求項1に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項6】
前記第1の固定部品のそれぞれは、ベースと、回動部材とを含み、前記固定枠に固設される前記ベースに、回転軸が設けられて、前記回動部材が有する穿孔は、前記回転軸で貫かれ設置されて、また、前記回動部材には、係止部材が設けられてあり、前記回動部材が前記戸や窓の被試験物の位置に回動される場合、前記係止部材を利用して前記戸や窓の被試験物を前記固定枠に押し上げて固定することが可能である請求項2に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項7】
複数組の第2の固定部品を更に備え、前記第2の固定部品のそれぞれは、止めブロックと、少なくとも1つのサポートブロックと、締め付け部材と、を含み、前記止めブロック及び少なくとも1つのサポートブロックは、前記戸や窓の被試験物の両側に別々に設けられてあり、前記締め付け部材は、前記サポートブロックに対して軸方向において移動することができる請求項1に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項8】
前記基盤は、クランクアームと、連結棒と、を更に含み、前記動力ユニットは、前記クランクアームと動力接続し、前記連結棒が前記クランクアームに駆動されて作動する場合、前記連結棒が、前記移動ベースを往復滑らせるように推し進めることができる、前記連結棒の両端のそれぞれが、前記クランクアーム及び前記移動ベースに接続される請求項1に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項9】
前記監視・制御モジュールは、モータ位置決めユニットと、信号変換ユニットと、処理ユニットと、インタフェースユニットと、を有し、前記モータ位置決めユニットは前記動力ユニットに電気的接続され、前記信号変換ユニットは前記力計測ユニット及び前記騒音計測ユニットに電気的接続され、前記処理ユニットは前記モータ位置決めユニット及び前記信号変換ユニットに電気的接続され、前記インタフェースユニットは前記処理ユニットに電気的接続される請求項4に記載の戸や窓の試験装置。
【請求項10】
前記インタフェースユニットは、携帯型記憶装置を更に含む請求項9に記載の戸や窓の試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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