戸建住宅
【課題】 床下の地面を掘り下げ、ここに基礎スラブを容易に、しかも、施工期間を短くして、安価に設けることのできる広い床下空間を有する戸建住宅を提供することである。
【解決手段】 地面が堀下げられた部分に、略水平な中央部31と、中央部31の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32と、周縁部32から外側方向に略水平に延長した延長部33とを一体に連結した基礎スラブ3を設け、この基礎スラブ3の延長部33の上に基礎9を設け、この基礎9の上に建物Uを建てる。
【解決手段】 地面が堀下げられた部分に、略水平な中央部31と、中央部31の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32と、周縁部32から外側方向に略水平に延長した延長部33とを一体に連結した基礎スラブ3を設け、この基礎スラブ3の延長部33の上に基礎9を設け、この基礎9の上に建物Uを建てる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の戸建住宅に関する。
特に、ユニット建物に好適な戸建住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
地価が高価になった今日では、十分に広い敷地を確保し難い。特に、建ぺい率や容積率の規制が厳しい場所では、希望通りの広い戸建住宅を建築しようとしても十分な広さの用地の確保が困難である。その結果、狭い建物しか建てられないことが多い。
そこで、この狭い建物を少しでも広く使用するために、床下を活用することが多くなっている。
【0003】
例えば、多くの住宅では、床下に収納装置を設けている。しかし、この収納装置は床面から地面との間に設けるために、収納装置を高くすることができず、大きな収納品や大量の収納品を収納し難い。そこで、特許文献1に記載されているように、地面を掘り下げ、この掘り下げた部分に大きな収納装置を設けることが知られている。
また、特許文献2に記載されているように、地面を掘り下げて、ここに半地下の設備室を設け、この設備室に設備を設けることが知られている。
【0004】
また、特許文献3には、半地下室を設け、1階の床の一部分を半地下室側に段状に低くして、1階の部屋に床下拡張室を設けることが記載されている。
更に、地面を掘り下げて、ここに掘り炬燵を設けることがあるし、地面を掘り下げた部分に浴槽を据え付けて、洗い場から浴槽の上縁までの高さを低くし、老人、子供、傷病者等の運動能力の低い人の入浴を安全にすることも行われている。
【0005】
一方、建物の一種であるユニット建物は、運搬可能な一定の大きさの箱形の、且つ、内部、外部の仕上げられた建物ユニットを、予め、工場で製造し、この建物ユニットを施工現場に運搬し、施工現場で組み立てて建物となすものであって、現場施工期間が短く、且つ、寸法精度のよい標準化された建物となる特徴があるから、多く建てられている。
このユニット建物に使用される建物ユニットとしては、種々知られている。
【0006】
例えば、特許文献4に記載あるように、平面視矩形状の四隅に立設した4本の柱と、この4本の柱の上端部を矩形状の辺に沿って連結した天井梁と、この4本の柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とからなる骨格を有する直方体状の建物ユニットが知られている。
かかるユニット建物においても、同様な問題があり、前記のようにして、床下に広い床下空間を設けて、この床下空間を利用することが多い。
【0007】
更に、ユニット建物では、特許文献5や特許文献6に記載あるように、床下空間を広くし、この床下空間をユニット建物の特徴を活かした種々な用途に利用することも知られている。
即ち、特許文献5には、建物ユニットを半分だけ地面より下方に据え付けて床下空間とし、この床下空間を利用することが記載されている。
また、この特許文献6には、標準寸法の建物ユニットと、この建物ユニットより低い小形建物ユニットと標準の建物ユニットとを組み立てたユニット建物であって、地面を掘り下げ、ここに小形建物ユニットを据え付けて半地下空間とし、この半地下空間を種々な用途に利用することが記載されている。例えば、この半地下空間を半地下室にしたり、半地下空間と、この半地下空間の上の標準の建物ユニットの空間とを連続した空間とし、この連続した空間の略中央に床を設けて2階建ての駐車空間にすること等が記載されている。
【0008】
このように、床下の地面を掘り下げ、この広くなった床下空間を種々な用途に使用することが行われているが、このように地面を掘り下げ、ここに広い床下空間を設けるためには、この掘り下げた部分に基礎スラブ等を設ける必要がある。
この基礎スラブ等を設けるには、上記特許文献の図面に記載あるように、掘り下げた部分の底面に基礎スラブを設け、周囲に略垂直な側壁を設けて、周囲の地面が崩れないようにしている。
この際、略垂直な側壁と基礎スラブとを別々に設けることが多い。例えば、基礎スラブを設けた後に、この基礎スラブの周囲に内部に鉄骨を組み立てた縦型枠を設けて、この縦型枠の中にコンクリートを打込んで側壁を設けている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−305491号公報
【特許文献2】特開平7−305522号公報
【特許文献3】特開平8−35340号公報
【特許文献4】特公昭61−42061号公報
【特許文献5】特開平7−305363号公報
【特許文献6】特開平5−340000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような基礎スラブと略垂直な側壁を設けるためには、基礎スラブと側壁のどちから一方を設けた後に、他方を設けるというように2度の工事を施工することが必要で、施工期間が長くなるし、作業量が多くなる。また、側壁を設けるためには、縦型枠を仮設する必要があるし、垂直の側壁に土圧がかかり、崩れる心配があるために、この側壁を頑丈にしたり、山止めを設ける必要があり、高価になるという問題がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、床下の地面を掘り下げ、ここに基礎スラブを容易に、しかも、施工期間を短くして、安価に設けることのできる広い床下空間を有する戸建住宅を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているものである。
【0014】
一般に、床梁に断面係数の大きな大引き梁を使用すれば、広い床下空間を設けても、この床下空間の上方やその他の場所の床梁が撓まない。
建物ユニットでは、通常、撓まない機械的強度を有する床梁を使用しているが、建物ユニットが大きく、床梁が長い場合には、床梁の中央部分を支持することが多い。
更に詳細に説明すると、建物ユニットを工場で製造し、これをトッラクに積んで運搬するために、ユニット建物の大きさに限界がある。通常、平面視矩形状の短辺方向の長さをトラックで運ぶことのできる幅、例えば、略2.5mとし、長辺方向の長さを建物のモジュール寸法の倍数、例えば、略3.6m、略4.5m、略5.4m等としている。
【0015】
そして、施工現場では、予め、設けられている略平行な平行布基礎の上に跨がった状態に据え付け、柱や床梁を平行布基礎に固定して使用する。
この際、平行布基礎の数を少なくしたり、平行布基礎の間に広い床下空間を設けることができるように、通常、平面視矩形状の短辺方向の床梁を平行布基礎の上方にし、長辺方向の床梁を平行布基礎の間に存在するように据え付ける。
【0016】
すると、長辺方向の床梁は、平行布基礎の間にあって、浮いた状態になっている。そこで、長辺方向の床梁が長い場合には、安全のために、平行布基礎の間に基礎や束を設けて長辺方向の床梁を支持することが多い。
また、短辺方向の床梁は、床梁が平行布基礎の上に直接当接している場合には、この短辺方向の床梁が平行布基礎に固定されていて床梁が撓むことがないが、柱が下方に突出していて、短辺方向の床梁と平行布基礎との間に隙間がある場合には、安全のために、短辺方向の床梁は平行布基礎との間にスペーサー等を挟んで支持することがある。
【0017】
このようにして床梁を撓まないように支持しているが、大きな床下空間を設ける場合には、上記のようにして床梁を支持することができない場合がある。
具体的には、床下空間が建物ユニットの平面視矩形状の大きさより小さいときには、1個の建物ユニットの下方に床下空間を設けて、請求項4に記載されている発明のように、平行布基礎や、この平行布基礎を連結する連結布基礎や、支持金具や、束等で床梁を支持させて、床梁の撓みを防ぐことができるが、床下空間を建物ユニットの平面視矩形状の大きさより大きい場合には、床下空間の上方に存在する床梁が必ずあり、この床梁を上記のようにして支持し難い。即ち、この床下空間の上方に存在する床梁を、床下空間の基礎スラブから床梁までの長い束を設けて、床梁を支持してもよいが、束が長くなり支持し難いし、床下空間の中に束があると、この束が邪魔になり、床下空間が使用し難い。
従って、かかる場合には、請求項5に記載されている発明のように、床梁を補強して撓まないようにすることが好ましい。
【0018】
最近では、請求3項に記載されている発明のように、平行布基礎の替わりに柱の位置に独立の基礎金具を設け、この基礎金具に建物ユニットの柱を載置し固定し、床下の内部が見えて不都合な場所等には、この基礎金具の間はプレキャストインクリート板等の遮蔽板で覆うことが行われている。
この独立の基礎金具とは、建物を支えることのできる機械的強度の大きい金属製の支柱体であって、通常、棒状体や、筒状体や、この棒状体や筒状体が倒れ難くするために斜め下方向に支持棒を設けたものやその他特殊な形状の構造体等がある。
【0019】
通常、建物ユニットは、柱が床梁より突出しているものが多く、この建物ユニットを上記のように、基礎の上に跨がった状態に据え付けるので、基礎としては、柱のみを支持すればよい。従って、この独立の基礎金具は建物ユニットの基礎に適した基礎である。
かかる基礎金具を使用した基礎の上に据え付けた建物ユニットにおいても、床梁が撓む心配があるときに、請求項4記載の発明のように、基礎金具の間に束や支持金具を設けて、この支持金具で床梁を支持したり、請求項5記載のように床梁を補強すればよい。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されているものである。
この請求項3に記載の発明においては、柱が基礎金具に固定されていることだけが要件となっている。これは、建物ユニットには床梁がない場合があるからである。しかし、建物ユニットに床梁がある場合には、この床梁を束や支持金具や補強材を設けて床梁を撓まないようにするとよいし、かかる束や支持金具や補強材を設けなくてもよい。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、前記平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されているものである。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の発明に係り、前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されているものである。
【0023】
この請求項5に記載されている発明では、床梁が補強されているが、この床梁を補強する補強構造としては種々ある。
例えば、床梁に板状体の補強板を縦方向にして沿わせ、この補強板と床梁とを強固に固定してもよい。
また、建物ユニットが並んで据え付けられていて、隣接する建物ユニットの床梁が対峙する場合には、この両方の床梁を高力ボルトで強固に固定して撓まないようにしてもよいし、この両方の床梁の間に平板体やT字形の板体等の補強材を設けて補強して撓まないようにしてもよい。
【0024】
また、柱を基礎に剛接合して、柱が傾かないようにして、床梁が撓まないように補強することも効果的である。
また、床梁が断面コ字形の鋼製長尺体である場合には、この断面コ字形の中にスティフナーを設けて剛性を高めて撓まないようにしてもよい。
(作用)
【0025】
請求項1に記載の発明では、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられているので、床下空間を設ける予定の地面を周辺から斜め下方に皿状に掘り下げればよく、掘り下げ易いし、この掘り下げた部分に、中央部から周縁部を経て側縁部に到る部分に鉄筋を組み、ここにコンクリートを打ち込むというように、一度の工事で基礎スラブを設けることができ、従来の基礎スラブを設け、側壁を設けるというように2度の工事を行うに比べて、施工期間が短くなるし、頑丈な側壁や土止めや、これ等を設けるために縦型枠を設けなくともよく、極めて作業し易く、施工コストが安価になる。
【0026】
また、この請求項1に記載の発明では、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているので、建物の荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が略アーチ形をし、外圧に強い形状をしていて、土圧にによって基礎スラブが変形し難いし壊れ難い。従って、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブを安価に設けることができる。
このようにして地面を掘り下げた部分に設ける床下空間を広くして種々な用途に使用することができる。例えば、収納場所として使用すると、大量の収納品や大きな収納品を収納することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明では、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられているので、請求項1に記載の発明と同様に、床下空間を設ける予定の地面を周辺から斜め下方に皿状に掘り下げればよく、掘り下げ易いし、この掘り下げた部分に、中央部から周縁部を経て側縁部に到る部分に鉄筋を組み、ここにコンクリートを打ち込むというように、一度の工事で基礎スラブを設けることができ、従来の基礎スラブを設け、側壁を設けるというように2度の工事を行うに比べて、施工期間が短くなるし、頑丈な側壁や土止めや、これ等を設けるために縦型枠を設けなくともよく、極めて作業し易く、施工コストが安価になる。
【0028】
また、この請求項2に記載の発明では、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているので、建物の荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が略アーチ形をし、外圧に強い形状をしていて、土圧にによって基礎スラブが変形し難いし壊れ難い。従って、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブを安価に設けることができる。
【0029】
このようにして地面を掘り下げた部分に設ける床下空間を広くして種々な用途に使用することができる。例えば、収納場所として使用すると、大量の収納品や大きな収納品を収納することができる。
更に、基礎を設ける前に、地面を掘り下げて布基礎の間に基礎スラブを設けるだけで、その他は、従来と同様に、建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを据え付けるだけでよく、極めて簡単に広い床下空間を有するユニット建物を設けることができる。
【0030】
請求項3に記載の発明では、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されているので、この建物は、建物ユニトと基礎金具とが一体になった状態に、据え付けられている。従って、風圧や地震等に対する抵抗力が大きい。
しかも、基礎スラブやベタ基礎の上に基礎金具を設けるだけで基礎を設けることができ、従来のコンクリート基礎のように型枠を組み立てたりコンクリートを打ち込んで養生する必要がなく速く施工できる。
【0031】
請求項4記載の発明では、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、前記平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されているので、床梁が長くても撓まない。
【0032】
請求項5に記載の発明では、請求項2〜4のいずれかに記載の発明に係り、前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されているので、この補強した床梁が撓まない。
【0033】
特に、床下空間が建物ユニットの平面視矩形状より広い場合には、床下空間の上方に設ける床梁が必ず存在し、この床下空間の上方にある床梁は、平行布基礎、平行布基礎を連結する連結基礎、支持金具、束等で支持し難いが、かかる場合に、この請求項4項に記載されている発明のようにして床梁を補強して、床梁を撓まなくすることができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているから、施工期間が短くなるし、頑丈な壁や土止めや縦型枠等を設けなくともよく、極めて作業し易く、建物の荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が外圧に強い略アーチ形をしていて、土圧による圧力によって基礎スラブが変形し難いし壊れ難く、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブや広い床下空間を安価に設けることができる。
【0035】
請求項2に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているから、施工期間が短くなるし、極めて作業し易く、建物ユニットの荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が外圧に強い略アーチ形をしていて、土圧による圧力によって基礎スラブが変形し難いし壊れ難く、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブや広い床下空間を安価に設けることができる。
【0036】
更に、基礎を設ける前に、地面を掘り下げて布基礎の間に基礎スラブを設けるだけで、その他は、従来と同様に、建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを据え付けるだけでよく、極めて簡単に広い床下空間を有する建物にすることができ、ユニット建物に適した構造をしている。
【0037】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されているから、この建物は、建物ユニトと基礎金具とが一体になった状態に、据え付けられ、風圧や地震等に対する抵抗力が大きく安心である。
しかも、基礎スラブやベタ基礎の上に基礎金具を設けるだけでよく、速く基礎を設けることができる。
【0038】
請求項4記載の発明は、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、前記平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されているから、床梁が長くても床梁が撓まず安心である。
【0039】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の発明に係り、前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されているから、この補強した床梁が撓まず安心である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例で説明する。
【実施例1】
【0041】
図1〜図8は、本発明をユニット建物に適用した一実施例を示すものであって、図1はユニット建物を示す斜視図、図2は基礎を示す平面図、図3は基礎スラブを示す斜視図、図4は基礎に建物ユニットを据え付けたときの柱や床梁と基礎との関係を示す平面図、図5は図1や図4に示されるA−A線における断面図、図6は建物ユニットを示す一部切欠斜視図、図7は補強材を示す斜視図、図8は床梁を補強材で補強している状態を示すもので、(a)は相対する床梁を示す断面図、(b)は床梁の間に補強材を挿入している状態を示す断面図、(c)は補強された床梁を示す断面図である。
【0042】
図1〜図8において、Uはユニット建物であり、このユニット建物Uは、図1に示すように、基礎9の上に7個の建物ユニット1を据え付けて1階を構成し、この建物ユニット1の上に7個の建物ユニット1を据え付けて2階を構成し、この建物ユニットの上に屋根パネル2を取り付けたものである。
【0043】
なお、1階では、基礎スラブ3とベタ基礎39の上に設けられた基礎9の上に、図4に示すように、4個の建物ユニット1と3個の建物ユニットとがそれぞれ、平面視矩形状の長辺同士を対峙させて据え付けられ、この4個の建物ユニット1の列と3個の建物ユニット1の列とが短辺同士を対峙させて並んだ状態に据え付けられていて、この4個の建物ユニット1の下方の地面が掘り下げられ、ここに基礎スラブ3が設けられている。すると、この床スラブ3と建物ユニット1との間に、図5に示すように、床下空間Kが形成される。
【0044】
この基礎9の上に1階の建物ユニト1が据え付けられた状態を更に詳細に説明する。
基礎9は、図2に示すように、3条の鉄筋コンクリート製の略平行な平行布基礎91と、この平行布基礎91を連結する鉄筋コンクリート製の連結布基礎92とからなる。
【0045】
基礎スラブ3は、図3に示すように、略水平な中央部31と、この中央部31の側縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32と、この周縁部32から外側方向に略水平に延長された側縁部33とが一体になった鉄筋コンクリート製のスラブであり、この基礎スラブの大きさは、建物ユニット1の4個を合計した大きさと略同じであり、中央部31の表面から周縁部33の表面までの高さは略1.05mである。従って、床下空間Kの高さは、基礎9の高さ等を加えた高さ(略1.4m)となっている。
ベタ基礎39は基礎スラブ3の周縁部33を敷地全体に略水平に延長したものである。
【0046】
建物ユニット1は、短辺が略2.5m、長辺が略5.4mの平面視矩形状の直方体状であって、図6に示すように、平面視矩形状の四隅に立設した4本の鋼製の四角筒状の柱11と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した鋼製の断面コ字形長尺体の床梁12と、この柱11の上端部を矩形状の辺に沿って連結した鋼製の断面コ字形長尺体の天井梁13とからなる骨格を有する。
【0047】
そして、この建物ユニット1は、この骨格の相対する長辺の床梁12に鋼製の四角筒状の床小梁14を差し渡し、この床小梁14の上に木製の床根太15を取り付け、この床根太15の上にパーチクルボード製の床面材16を取り付けて床を構成し、骨格の長辺の天井梁13に木製の天井野縁17を差し渡し、この天井野縁17の下面に石膏ボードの天井面材18を取り付けて天井を構成したものである。
【0048】
なお、外壁を設ける場所には、床梁12と天井梁13に鋼製の断面コ字形長尺体の間柱19を差し渡し、この間柱19の屋外側に図示しない外壁パネルを、また、間柱19の屋内側には図示しない内壁パネルをそれぞれ取り付け、この外壁パネルと内壁パネルの間に図示しないガラスウールの断熱材を取り付けて外壁を構成する。
【0049】
そして、床下空間Kを設ける場所の地面が、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になった状態に、掘り下げられ、ここに基礎スラブ3が設けられ、その他の敷地全体にベタ基礎39が設けられ、基礎スラブ3の相対する側縁部33の上に平行布基礎91が設けられ、別の相対する側縁部33の上に連結布基礎92が設けられている。また、ベタ基礎39の上にも平行布基礎91や別の連結布基礎92が設けられている。
【0050】
そして、建物ユニット1が、平行布基礎91の上に跨がった状態に、据え付けられ、この平行布基礎91の上に据え付けられた建物ユニット1の柱12が平行布基礎9に固定されいる。
そして、基礎スラブ3の側縁部33の上に設けられている平行布基礎91や連結布基礎92と床梁12との間には、図5に示すように、所々にスペーサー8が挿入されたり、床梁12の下方に図示しない支持金具や束が設けられて床梁12が支持されている。
【0051】
また、この建物ユニット1が4個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1の対峙する3組の床梁12、即ち、床下空間Kの上方に存在する床梁12(図4の点線が付加されている床梁12)は、補強材4で補強されている。
この補強構造を説明する。
補強材4は、図7に示すように、脚41とフランジ42とが略T字形に連結された鋼製の断面T字形長尺体であり、この補強材4の脚41の両側には、スペーサー43が溶接され、このフランジ42とスペーサー43を貫通する通孔44が複数個設けられている。
【0052】
床梁12は、前述のように、フランジ121とウエッブ122とがコ字形に連結された鋼製の断面コ字形長尺体であり、この床梁12のウエッブ122には、2個宛上下に対になった複数組の通孔123が設けられている。
そして、建物ユニット1を隣接させて据え付けると、図8(a)に示すように、床梁12のウエッブ122が対峙する。この対峙している床梁12のウエッブ122の間に、図8(b)に示すように、2個の補強材4をそれぞれ上下から挿入すると、補強材4の脚41に設けられている通孔411と両側の床梁12の通孔123とが連通するようになっている。
【0053】
そして、ボルト5を、対峙する一方の床梁12の通孔123から補強材4の通孔44、座金52、他方の床梁12の通孔123を貫通させ、貫通したボルト5の先端からナット51を螺入し、巻き締めると、図8(c)に示すように、対峙する2個の床梁12と補強材4とが一体になって、この床梁12が補強される。
屋根パネル2は従来と略同じであるので、説明を省略する。
【0054】
次に、このユニット建物Uの施工方法および作用について説明する。
まず、床下空間Kを設ける予定の地面を、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になる状態に、掘り下げ、この掘り下げた場所と、その他の敷地全体とに、図示しない鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込んで、中央部31と周縁部32と側縁部33とからなる基礎スラブ3と、ベタ基礎39とを設け、この基礎スラブ3の相対する側縁部33の上やベタ基礎39の上に平行布基礎91を、また、基礎スラブ3の別の相対する側縁部33やベタ基礎39に連結布基礎92を設ける。
更に、建物ユニット1の長辺の床梁12の略中央に位置する場所に図示しない支持金具や束を設ける。
【0055】
一方、工場で建物ユニット1や屋根パネル2等を製造し、この建物ユニット1や屋根パネル2を施工現場に運搬する。
施工現場では、7個の建物ユニット1を平行布基礎91の上に、跨がった状態にして、据え付ける。すると、建物ユニット1の長辺の床梁12の略中央が支持金具や束の上に載置され、この床梁12が支持金具や束で支持される。また、連結布基礎92と建物ユニット1の長辺の床梁12との間に、図5に示すように、スペーサー8を挿入して、床梁12を支持する。
【0056】
また、この建物ユニット1が4個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1の対峙する3組の床梁12、即ち、床下空間Kの上方に存在する床梁12を補強材4で補強する。
このようにして、1階を構成し、この1階の建物ユニット1の上に7個の建物ユニット1を据え付けて2階を構成し、この建物ユニットの上に屋根パネル2を取り付け、その他し種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uが完成する。
【0057】
このようにして完成したユニット建物Uでは、床下空間Kが地面が掘り下げられているだけ広くなっていて、ここを種々な用途に利用することができる。
また、この広い床下空間Kを設けるには、床下空間Kを設ける予定の地面を周辺から斜め下方に皿状に掘り下げればよく、掘り下げ易いし、この掘り下げた部分に、中央部31から周縁部32を経て側縁部33に到る部分に鉄筋を組み立て、ここにコンクリートを打ち込んで基礎スラブ3を設けるというように、一度の工事で基礎スラブを設けることができ、施工期間が短くなるし、頑丈な側壁や土止めや、この側壁や土止めを設けるための型枠を設けなくともよく、極めて作業し易い。
【0058】
また、この基礎スラブ3の側縁部33の上に基礎9を設け、この基礎9の上に建物ユニット1を据え付けて、この建物ユニット1の床と基礎スラブ3との間に床下空間Kを形成するので、基礎スラブ3全体がユニット建物Uの荷重によって押さえられていて、土圧によって基礎スラブ3の浮き上がらないし、この基礎スラブ3は中央部31と周縁部32の断面が略アーチ形をし、外圧に強い形状をしている。従って、基礎スラブ3が変形し難いし壊れ難く、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブを安価に設けることができる。
【0059】
また、平行布基礎91の上に据え付けられた建物ユニット1の柱12が平行布基礎91に固定され、床梁12が、平行布基礎91や連結布基礎92や束や支持金具で支持されているので、この支持されている床梁12は撓まない。
また、平行布基礎91に跨がった状態に据え付けられた建物ユニット1における床下空間Kの上方に存在する床梁12は、補強材4で補強されているので、基礎等や束等で支持できない床梁12であっても、撓まない。
【実施例2】
【0060】
図9〜図11は、本発明の他の実施例を示すものであって、図9はユニット建物を示す斜視図、図10は建物ユニットと床下空間の配置を示す平面図、図11は図9や図10に示されるB−B線における断面図である。
【0061】
この図9〜図11に示す実施例2を図1〜図8に示す実施例1と比較すると、連結布基礎がなく支持金具6aが設けられていること、この支持金具6aによって建物ユニット1aの長辺の床梁12aが支持されていること、基礎スラブ3aの大きさ等が異なる。従って、この異なるる部分を中心にして説明する。
【0062】
基礎スラブ3aは、略水平な中央部31aと、この中央部31aの側縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32aと、この周縁部32aから外側方向に略水平に延長された側縁部33aとが一体になった鉄筋コンクリート製のスラブであることは実施例1と略同じであるが、水平方向の大きさは、図10に示すように、建物ユニット1aの2個を合計した大きさと略同じであり、中央部31aの表面から周縁部33aの表面までの高さは略0.65mとなっいる。従って、床下空間Kaの高さは、基礎9aの高さを加えた高さ(略1.0m)となっていることが異なる。
【0063】
また、周囲が傾斜し、中央部分が略水平の状態に、土地が掘り下げられ、ここに基礎スラブ3aが設けられ、基礎スラブ3aの相対する側縁部33aの上に平行布基礎91aが設けられていることは実施例1と略同じであるが、建物ユニット1aの長辺の床梁12aの略中央の位置に、図11に示すように、支持金具6aが設けられている。なお、連結布基礎が設けられてなくて、床下が見えて見苦しい場所には、プレキャストコンクリート板等の図示しない遮蔽板が設けられている。
【0064】
また、この建物ユニット1aが3個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1aの対峙する1組の床梁12a、即ち、床下空間Kaの上方に存在する床梁12aと、支持金具6aで支持されている床梁12a(図10の点線が付加されている床梁12a)のウエッブには、板状の補強材4aが取り付けられて、床梁12aが補強されている。
【0065】
次に、このユニット建物Uaの施工方法および作用について説明する。
まず、床下空間Kaを設ける予定の地面を、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になる状態に、掘り下げ、この掘り下げた場所と、その他の敷地全体とに、図示しない鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込んで、中央部31aと周縁部32aと側縁部33aとからなる基礎スラブ3aとベタ基礎39aを設け、この基礎スラブ3aの相対する側縁部33aやベタ基礎39aの上に平行布基礎91aや支持金具6aを設ける。
【0066】
一方、工場で建物ユニット1aや屋根パネル2a等を製造し、この建物ユニット1aや屋根パネル2aを施工現場に運搬する。
施工現場では、7個の建物ユニット1aを、平行布基礎91aに跨がった状態に、据え付ける。すると、建物ユニット1aの長辺の床梁12aが支持金具6aの上に載置され、この支持金具6aで床梁12aが支持される。
また、この建物ユニット1aが4個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1aの対峙する1組の床梁12a、即ち、床下空間Kaの上方に存在する床梁12aを補強材4aで補強する。
【0067】
このようにして、1階を構成し、この1階の建物ユニット1aの上に7個の建物ユニット1aを据え付けて2階を構成し、この建物ユニット1aの上に屋根パネル2aを取り付け、その他し種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uaが完成する。
このようにして完成したユニット建物Uaでは、建物ユニット1aの長辺の床梁12aが支持金具6aで支持されたり、長辺の床梁12aが補強材4aで補強されているので、この床梁12aが撓まない。
その他の作用は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【実施例3】
【0068】
図12〜図18は、本発明の別の実施例を示すものであって、図12はユニット建物を示す斜視図、図13は基礎スラブに基礎金具を取り付けた状態を示す斜視図、図14は出隅部分に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線における断面図、図15は2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はD−D線における断面図、図16は2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はE−E線における断面図、図17は4個の建物ユニットが角を突き合って据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に使用される基礎金具を示す平面図、図18は図12のF−F線における断面図である。
【0069】
この図12〜図18に示す実施例3を図1〜図8に示す実施例1と比較すると、ユニット建物Ubが12個の建物ユニット1bで構成されていること、平行布基礎に替えて基礎金具7bが設けられていること、建物ユニット1bの床梁12bが機械的強度が大きく、長辺の床梁12bが支持金具や束や補強材で補強されていないこと、基礎スラブ3bの大きさ等が異なり、その他は実施例1と略同じであるので、この異なる部分を中心にして説明する。
なお、この実施例3では長辺の床梁12bが支持金具や束や補強材で撓まないようにしているが、実施例1や実施例2に示すように、長辺の床梁12b等を支持金具や束で支持してもよいし、補強材で補強して撓まないようにしてもよい。
【0070】
Ubはユニット建物であり、このユニット建物Ubは、図12や図13に示すように、基礎スラブ3bとベタ基礎39bの上に取り付けられた基礎金具7bの上に6個の建物ユニット1bが据え付けられて1階が構成され、この6個の建物ユニット1bの上に6個の建物ユニット1bが据え付けられて2階が構成され、この建物ユニット1bの上に屋根パネル2bが取り付けられたものである。
建物ユニット1bや屋根パネル2bは実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【0071】
基礎金具7bは鋼製の金具であって、図13に示すように、出隅部分に使用される基礎金具7b−1と、2個の建物ユニット1bが隣接して据え付けられる場所に使用される基礎金具7b−2と、2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所であって、基礎スラブ3bの側縁部33bの上に使用される基礎金具7b−3と、4個の建物ユニットが角を突き合って据え付けられる場所であって、側縁部33bの上に使用される基礎金具7b−4の4種類ある。
【0072】
基礎金具7b−1は、図14に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bからなる本体71bが平面視L字形に組み立てられたものであって、中央部分の上端には四角筒状の短尺体の連結金具72bが取り付けられ、中央部分と本体71bの先端部の3箇所にはボルト固定プレート73bが取り付けられている。
【0073】
そして、連結金具72bには、4個の取付金具721bが取り付けられ、この取付金具721bには、通孔722bが設けられているし、固定プレート73bには通孔731bが設けられているし、両側の固定プレート73bの通孔731bの上方に存在する斜め材711bには通孔715bが設けられている。
なお、斜め材711bと縦材712bと底材713bで囲まれている三角形状の隙間には遮蔽板714bが設けられて、床下が見えなくなっている。
【0074】
基礎金具7b−2は、図15に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bとからなる本体71bが平面視T字形に組み立てられたものであって、中央部分の上端部には四角板状の連結金具72bが取り付けられ、連結金具72bの略中央部分からT字形の脚方向に仕切り板74bが取り付けられ、この仕切り板74bの両側には4個ずつ合計8個の通孔722bが設けられ、中央部の下端部と本体71bの先端部の3箇所の合計の4箇所に、ボルト固定プレート73bが取り付けられている。
【0075】
なお、斜め材711bと縦材712bと底材713bで囲まれている三角形状の隙間には遮蔽板714bが設けられて、床下が見えなくなっている。
そして、連結金具72bには、仕切り板74bを挟んで両側に4個ずつ通孔722b、合計8個の通孔722bが設けられているし、固定プレート73bには通孔731bが設けられているし、両側の固定プレート73bの通孔731bの上方に存在する斜め材711bには通孔715bが設けられている。
【0076】
基礎金具7b−3は、基礎金具7b−2のT字形の脚部分が存在しないものである。即ち、図16に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bとからなる本体71bが平面視直線状に組み立てられたものであって、中央部分の上端部には四角板状の連結金具72bが取り付けられ、この連結金具72bの略中央部分に仕切り板74bが取り付けられ、この仕切り板74bの両側には4個ずつ合計8個の通孔722bが設けられ、中央部の下端部と本体71bの先端部の2箇所の合計の3箇所に、ボルト固定プレート73bが取り付けられている。
なお、斜め材711bと縦材712bと底材713bで囲まれている三角形状の隙間には遮蔽板714bが設けられて、床下が見えなくなっている。
【0077】
基礎金具7b−4は、図17に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bからなる本体71bが平面視T字形に組み立てられたものであって、中央部分の上端部には四角板状の連結金具72bが取り付けられ、連結金具72bの略中央部分からT字形の中心線に沿って2枚の仕切り板74bが取り付けられ、この連結金具72bの仕切り板で区切られた4箇所には、それぞれ4個ずつ合計16個の通孔722bが設けられ、中央部の下端部と本体71bの先端部の3箇所の合計の4箇所に、ボルト固定プレート73bが取り付けられている。
【0078】
この基礎金具7bの使用方法を、出隅部分に使用される基礎金具7bを例に挙げて説明すると、図18に示すように、建物ユニット1bの柱11bの下端には被取付金具115bが設けられていて、後述の基礎スラブ3bの周縁部33bやベタ基礎39bに設けられているアンカーボルト38bを固定プレート73bの通孔731bに通しながら、基礎金具7bを据え付け、ナットをアンカーボルト38bに螺入して、基礎金具7bを固定する。
【0079】
次に、建物ユニット1bの柱11bの下端に設けられている被取付金具115bの4個のネジ孔にネジ棒78bを螺入し、このネジ棒78bを基礎金具7bの連結金具72bの通孔に挿入しながら、建物ユニット1bの4個の柱11bがそれぞれ4個の基礎金具7bの上に載置される状態にして、据え付け、ネジ棒78bにナット79bを螺入すると、建物ユニット1bが基礎金具7bに固定される。
【0080】
基礎スラブ3bは、略水平な中央部31bと、この中央部31bの側縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32bと、この周縁部32bから外側方向に略水平に延長された側縁部33bとが一体になった鉄筋コンクリート製のスラブであることは実施例1と略同じであるが、水平方向の大きさは、図12に示すように、建物ユニット1aの3個を合計した大きさと略同じであることが異なる。
ベタ基礎93bは、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【0081】
この基礎スラブ3bとベタ基礎93bとは、周囲が傾斜し、中央部分が略水平の状態に、土地を掘り下げ、この掘り下げた場所と、土地が掘り下げられてない敷地全体とに鉄筋を組み、基礎金具7bや支持金具6bを設ける場所にはアンカーボルト38bを取り付け、ここにコンクリートを流し込んで形成されたものである。そして、この基礎スラブ3bとベタ基礎には、図13に示すように、基礎スラブ3bとベタ基礎93bに設けられているアンカーボルト39bに基礎金具7bや支持金具6bが取り付けられている。
【0082】
次に、このユニット建物Uaの施工方法および作用について説明する。
まず、床下空間Kaを設ける予定の地面を、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になる状態に、掘り下げ、この掘り下げた場所と、掘り下げてない場所の敷地全体とに、図示しない鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込んで、基礎スラブ3bとベタ基礎39bを設け、この基礎スラブ3bとベタ基礎93bに基礎金具7bを取り付ける。
【0083】
一方、工場で建物ユニット1bや屋根パネル2b等を製造し、この建物ユニット1bや屋根パネル2bを施工現場に運搬する。
施工現場では、建物ユニット1bの柱11bの下端部に設けられている被取付金具115bにネジ棒78bを螺入し、このネジ棒78bを基礎金具7bの連結金具72bの通孔に挿入しながら、建物ユニット1bの4個の柱11bがそれぞれ4個の基礎金具7bの上に載置される状態にして、据え付け、ネジ棒78bにナット79bを螺入して、建物ユニット1bを基礎金具7bに固定するというようにして、6個の建物ユニット1bを、基礎金具7bに跨がった状態に、据え付ける。
【0084】
このようにして、1階を構成し、この1階の建物ユニット1bの上に6個の建物ユニット1bを据え付けて2階を構成し、この建物ユニット1bの上に屋根パネル2bを取り付けたり、床下が見えて醜い場所にはプレキャストコンクリート製等の遮蔽板で塞いだり、その他し種々な仕上げを行うと、ユニット建物Ubが完成する。
このようにして完成したユニット建物Ubは、基礎金具7bが基礎スラブ3bやベタ基礎39bに固定され、この基礎金具7bに建物ユニット1bの柱11bが固定されていて、全体が略一体になっているので、風圧や地震等に対して抵抗力が大きい。
また、基礎スラブ3bやベタ基礎39bの上に基礎金具7bを据え付けるだけで基礎を設けることができ、従来の鉄筋コンクリート製の基礎のように、型枠を組み立て、この中に鉄筋を設けたり、コンクリート流し込んで養生する必要がなく速く施工できる。
更に、基礎金具7bは小さく、場所を取らず、基礎スラブ3bとベタ基礎39bとも略フラットになっているので、床下での収納や物の移動が容易である。
その他の作用は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上、この発明の実施例を詳述したが、具体的な構成は、この実施例に限られるものでなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
例えば、この実施例では、鉄骨系のユニット建物の住宅について説明したが、その他のユニット建物の戸建住宅であってもよいし、木造の戸建住宅でもよいし、他の建築方法で建てられた戸建住宅であってもよい。
【0086】
また、基礎スラブ以外の敷地全体にベタ基礎を設けているが、このベタ基礎はなくてもよい。
更に、床下空間の上方にある床梁や支持金具で支持されている床梁だけを補強したが、その他の床梁を補強してもよい。
更に、この補強方法は、断面T字形長尺体の金具や板状の金具を使用したが、その他の形状の金具で補強してもよいし、その他の方法で補強してもよい。
更に、特殊な形状の支持金具や基礎金具を使用したが、この支持金具や基礎金具は別の形状であってもよい。
更に、実施例2では、支持金具で床梁を支持したが、この支持金具の替わりに束を設け、この束で支持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1のユニット建物を示す斜視図である。
【図2】実施例1の基礎を示す平面図である。
【図3】実施例1の基礎スラブを示す斜視図である。
【図4】実施例1の基礎に建物ユニットを据え付けたときの柱や床梁と基礎との関係を示す平面図である。
【図5】図1や図4に示されるA−A線における断面図である。
【図6】実施例1の建物ユニットを示す一部切欠斜視図である。
【図7】実施例1の補強材を示す斜視図である。
【図8】実施例1の床梁を補強材で補強している状態を示すもので、(a)は相対する床梁を示す断面図、(b)は床梁の間に補強材を挿入している状態を示す断面図、(c)は補強された床梁を示す断面図であるユニット建物を示す斜視図である。
【図9】実施例2のユニット建物を示す斜視図である。
【図10】実施例2の建物ユニットと床下空間の配置を示す平面図である。
【図11】図9のB−B線における断面図である。
【図12】実施例3のユニット建物を示す斜視図である。
【図13】実施例3の基礎スラブに基礎金具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図14】実施例3の出隅部分に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線における断面図である。
【図15】実施例3の2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はD−D線における断面図である。
【図16】実施例3の2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はE−E線における断面図である。
【図17】実施例3の4個の建物ユニットが角を突き合って据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に据え付けられる基礎金具を示す平面図である。
【図18】図12のF−F線における断面図である。
【符号の説明】
【0088】
U、Ua、Ub 建物(ユニット建物)
K、Ka、Kb 床下空間
1、1a、1b 建物ユニット
11、11b 柱
12、12a、12b 床梁
3、3a、3b 基礎スラブ
31、31a、31b 中央部
32、32a、32b 周縁部
33、33a、33b 側縁部
4、4a 補強材
6a 支持金具
7b 基礎金具
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の戸建住宅に関する。
特に、ユニット建物に好適な戸建住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
地価が高価になった今日では、十分に広い敷地を確保し難い。特に、建ぺい率や容積率の規制が厳しい場所では、希望通りの広い戸建住宅を建築しようとしても十分な広さの用地の確保が困難である。その結果、狭い建物しか建てられないことが多い。
そこで、この狭い建物を少しでも広く使用するために、床下を活用することが多くなっている。
【0003】
例えば、多くの住宅では、床下に収納装置を設けている。しかし、この収納装置は床面から地面との間に設けるために、収納装置を高くすることができず、大きな収納品や大量の収納品を収納し難い。そこで、特許文献1に記載されているように、地面を掘り下げ、この掘り下げた部分に大きな収納装置を設けることが知られている。
また、特許文献2に記載されているように、地面を掘り下げて、ここに半地下の設備室を設け、この設備室に設備を設けることが知られている。
【0004】
また、特許文献3には、半地下室を設け、1階の床の一部分を半地下室側に段状に低くして、1階の部屋に床下拡張室を設けることが記載されている。
更に、地面を掘り下げて、ここに掘り炬燵を設けることがあるし、地面を掘り下げた部分に浴槽を据え付けて、洗い場から浴槽の上縁までの高さを低くし、老人、子供、傷病者等の運動能力の低い人の入浴を安全にすることも行われている。
【0005】
一方、建物の一種であるユニット建物は、運搬可能な一定の大きさの箱形の、且つ、内部、外部の仕上げられた建物ユニットを、予め、工場で製造し、この建物ユニットを施工現場に運搬し、施工現場で組み立てて建物となすものであって、現場施工期間が短く、且つ、寸法精度のよい標準化された建物となる特徴があるから、多く建てられている。
このユニット建物に使用される建物ユニットとしては、種々知られている。
【0006】
例えば、特許文献4に記載あるように、平面視矩形状の四隅に立設した4本の柱と、この4本の柱の上端部を矩形状の辺に沿って連結した天井梁と、この4本の柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とからなる骨格を有する直方体状の建物ユニットが知られている。
かかるユニット建物においても、同様な問題があり、前記のようにして、床下に広い床下空間を設けて、この床下空間を利用することが多い。
【0007】
更に、ユニット建物では、特許文献5や特許文献6に記載あるように、床下空間を広くし、この床下空間をユニット建物の特徴を活かした種々な用途に利用することも知られている。
即ち、特許文献5には、建物ユニットを半分だけ地面より下方に据え付けて床下空間とし、この床下空間を利用することが記載されている。
また、この特許文献6には、標準寸法の建物ユニットと、この建物ユニットより低い小形建物ユニットと標準の建物ユニットとを組み立てたユニット建物であって、地面を掘り下げ、ここに小形建物ユニットを据え付けて半地下空間とし、この半地下空間を種々な用途に利用することが記載されている。例えば、この半地下空間を半地下室にしたり、半地下空間と、この半地下空間の上の標準の建物ユニットの空間とを連続した空間とし、この連続した空間の略中央に床を設けて2階建ての駐車空間にすること等が記載されている。
【0008】
このように、床下の地面を掘り下げ、この広くなった床下空間を種々な用途に使用することが行われているが、このように地面を掘り下げ、ここに広い床下空間を設けるためには、この掘り下げた部分に基礎スラブ等を設ける必要がある。
この基礎スラブ等を設けるには、上記特許文献の図面に記載あるように、掘り下げた部分の底面に基礎スラブを設け、周囲に略垂直な側壁を設けて、周囲の地面が崩れないようにしている。
この際、略垂直な側壁と基礎スラブとを別々に設けることが多い。例えば、基礎スラブを設けた後に、この基礎スラブの周囲に内部に鉄骨を組み立てた縦型枠を設けて、この縦型枠の中にコンクリートを打込んで側壁を設けている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−305491号公報
【特許文献2】特開平7−305522号公報
【特許文献3】特開平8−35340号公報
【特許文献4】特公昭61−42061号公報
【特許文献5】特開平7−305363号公報
【特許文献6】特開平5−340000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような基礎スラブと略垂直な側壁を設けるためには、基礎スラブと側壁のどちから一方を設けた後に、他方を設けるというように2度の工事を施工することが必要で、施工期間が長くなるし、作業量が多くなる。また、側壁を設けるためには、縦型枠を仮設する必要があるし、垂直の側壁に土圧がかかり、崩れる心配があるために、この側壁を頑丈にしたり、山止めを設ける必要があり、高価になるという問題がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、床下の地面を掘り下げ、ここに基礎スラブを容易に、しかも、施工期間を短くして、安価に設けることのできる広い床下空間を有する戸建住宅を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているものである。
【0014】
一般に、床梁に断面係数の大きな大引き梁を使用すれば、広い床下空間を設けても、この床下空間の上方やその他の場所の床梁が撓まない。
建物ユニットでは、通常、撓まない機械的強度を有する床梁を使用しているが、建物ユニットが大きく、床梁が長い場合には、床梁の中央部分を支持することが多い。
更に詳細に説明すると、建物ユニットを工場で製造し、これをトッラクに積んで運搬するために、ユニット建物の大きさに限界がある。通常、平面視矩形状の短辺方向の長さをトラックで運ぶことのできる幅、例えば、略2.5mとし、長辺方向の長さを建物のモジュール寸法の倍数、例えば、略3.6m、略4.5m、略5.4m等としている。
【0015】
そして、施工現場では、予め、設けられている略平行な平行布基礎の上に跨がった状態に据え付け、柱や床梁を平行布基礎に固定して使用する。
この際、平行布基礎の数を少なくしたり、平行布基礎の間に広い床下空間を設けることができるように、通常、平面視矩形状の短辺方向の床梁を平行布基礎の上方にし、長辺方向の床梁を平行布基礎の間に存在するように据え付ける。
【0016】
すると、長辺方向の床梁は、平行布基礎の間にあって、浮いた状態になっている。そこで、長辺方向の床梁が長い場合には、安全のために、平行布基礎の間に基礎や束を設けて長辺方向の床梁を支持することが多い。
また、短辺方向の床梁は、床梁が平行布基礎の上に直接当接している場合には、この短辺方向の床梁が平行布基礎に固定されていて床梁が撓むことがないが、柱が下方に突出していて、短辺方向の床梁と平行布基礎との間に隙間がある場合には、安全のために、短辺方向の床梁は平行布基礎との間にスペーサー等を挟んで支持することがある。
【0017】
このようにして床梁を撓まないように支持しているが、大きな床下空間を設ける場合には、上記のようにして床梁を支持することができない場合がある。
具体的には、床下空間が建物ユニットの平面視矩形状の大きさより小さいときには、1個の建物ユニットの下方に床下空間を設けて、請求項4に記載されている発明のように、平行布基礎や、この平行布基礎を連結する連結布基礎や、支持金具や、束等で床梁を支持させて、床梁の撓みを防ぐことができるが、床下空間を建物ユニットの平面視矩形状の大きさより大きい場合には、床下空間の上方に存在する床梁が必ずあり、この床梁を上記のようにして支持し難い。即ち、この床下空間の上方に存在する床梁を、床下空間の基礎スラブから床梁までの長い束を設けて、床梁を支持してもよいが、束が長くなり支持し難いし、床下空間の中に束があると、この束が邪魔になり、床下空間が使用し難い。
従って、かかる場合には、請求項5に記載されている発明のように、床梁を補強して撓まないようにすることが好ましい。
【0018】
最近では、請求3項に記載されている発明のように、平行布基礎の替わりに柱の位置に独立の基礎金具を設け、この基礎金具に建物ユニットの柱を載置し固定し、床下の内部が見えて不都合な場所等には、この基礎金具の間はプレキャストインクリート板等の遮蔽板で覆うことが行われている。
この独立の基礎金具とは、建物を支えることのできる機械的強度の大きい金属製の支柱体であって、通常、棒状体や、筒状体や、この棒状体や筒状体が倒れ難くするために斜め下方向に支持棒を設けたものやその他特殊な形状の構造体等がある。
【0019】
通常、建物ユニットは、柱が床梁より突出しているものが多く、この建物ユニットを上記のように、基礎の上に跨がった状態に据え付けるので、基礎としては、柱のみを支持すればよい。従って、この独立の基礎金具は建物ユニットの基礎に適した基礎である。
かかる基礎金具を使用した基礎の上に据え付けた建物ユニットにおいても、床梁が撓む心配があるときに、請求項4記載の発明のように、基礎金具の間に束や支持金具を設けて、この支持金具で床梁を支持したり、請求項5記載のように床梁を補強すればよい。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されているものである。
この請求項3に記載の発明においては、柱が基礎金具に固定されていることだけが要件となっている。これは、建物ユニットには床梁がない場合があるからである。しかし、建物ユニットに床梁がある場合には、この床梁を束や支持金具や補強材を設けて床梁を撓まないようにするとよいし、かかる束や支持金具や補強材を設けなくてもよい。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、前記平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されているものである。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の発明に係り、前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されているものである。
【0023】
この請求項5に記載されている発明では、床梁が補強されているが、この床梁を補強する補強構造としては種々ある。
例えば、床梁に板状体の補強板を縦方向にして沿わせ、この補強板と床梁とを強固に固定してもよい。
また、建物ユニットが並んで据え付けられていて、隣接する建物ユニットの床梁が対峙する場合には、この両方の床梁を高力ボルトで強固に固定して撓まないようにしてもよいし、この両方の床梁の間に平板体やT字形の板体等の補強材を設けて補強して撓まないようにしてもよい。
【0024】
また、柱を基礎に剛接合して、柱が傾かないようにして、床梁が撓まないように補強することも効果的である。
また、床梁が断面コ字形の鋼製長尺体である場合には、この断面コ字形の中にスティフナーを設けて剛性を高めて撓まないようにしてもよい。
(作用)
【0025】
請求項1に記載の発明では、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられているので、床下空間を設ける予定の地面を周辺から斜め下方に皿状に掘り下げればよく、掘り下げ易いし、この掘り下げた部分に、中央部から周縁部を経て側縁部に到る部分に鉄筋を組み、ここにコンクリートを打ち込むというように、一度の工事で基礎スラブを設けることができ、従来の基礎スラブを設け、側壁を設けるというように2度の工事を行うに比べて、施工期間が短くなるし、頑丈な側壁や土止めや、これ等を設けるために縦型枠を設けなくともよく、極めて作業し易く、施工コストが安価になる。
【0026】
また、この請求項1に記載の発明では、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているので、建物の荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が略アーチ形をし、外圧に強い形状をしていて、土圧にによって基礎スラブが変形し難いし壊れ難い。従って、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブを安価に設けることができる。
このようにして地面を掘り下げた部分に設ける床下空間を広くして種々な用途に使用することができる。例えば、収納場所として使用すると、大量の収納品や大きな収納品を収納することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明では、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられているので、請求項1に記載の発明と同様に、床下空間を設ける予定の地面を周辺から斜め下方に皿状に掘り下げればよく、掘り下げ易いし、この掘り下げた部分に、中央部から周縁部を経て側縁部に到る部分に鉄筋を組み、ここにコンクリートを打ち込むというように、一度の工事で基礎スラブを設けることができ、従来の基礎スラブを設け、側壁を設けるというように2度の工事を行うに比べて、施工期間が短くなるし、頑丈な側壁や土止めや、これ等を設けるために縦型枠を設けなくともよく、極めて作業し易く、施工コストが安価になる。
【0028】
また、この請求項2に記載の発明では、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているので、建物の荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が略アーチ形をし、外圧に強い形状をしていて、土圧にによって基礎スラブが変形し難いし壊れ難い。従って、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブを安価に設けることができる。
【0029】
このようにして地面を掘り下げた部分に設ける床下空間を広くして種々な用途に使用することができる。例えば、収納場所として使用すると、大量の収納品や大きな収納品を収納することができる。
更に、基礎を設ける前に、地面を掘り下げて布基礎の間に基礎スラブを設けるだけで、その他は、従来と同様に、建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを据え付けるだけでよく、極めて簡単に広い床下空間を有するユニット建物を設けることができる。
【0030】
請求項3に記載の発明では、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されているので、この建物は、建物ユニトと基礎金具とが一体になった状態に、据え付けられている。従って、風圧や地震等に対する抵抗力が大きい。
しかも、基礎スラブやベタ基礎の上に基礎金具を設けるだけで基礎を設けることができ、従来のコンクリート基礎のように型枠を組み立てたりコンクリートを打ち込んで養生する必要がなく速く施工できる。
【0031】
請求項4記載の発明では、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、前記平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されているので、床梁が長くても撓まない。
【0032】
請求項5に記載の発明では、請求項2〜4のいずれかに記載の発明に係り、前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されているので、この補強した床梁が撓まない。
【0033】
特に、床下空間が建物ユニットの平面視矩形状より広い場合には、床下空間の上方に設ける床梁が必ず存在し、この床下空間の上方にある床梁は、平行布基礎、平行布基礎を連結する連結基礎、支持金具、束等で支持し難いが、かかる場合に、この請求項4項に記載されている発明のようにして床梁を補強して、床梁を撓まなくすることができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているから、施工期間が短くなるし、頑丈な壁や土止めや縦型枠等を設けなくともよく、極めて作業し易く、建物の荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が外圧に強い略アーチ形をしていて、土圧による圧力によって基礎スラブが変形し難いし壊れ難く、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブや広い床下空間を安価に設けることができる。
【0035】
請求項2に記載の発明は、地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されているから、施工期間が短くなるし、極めて作業し易く、建物ユニットの荷重によって基礎スラブ全体が押さえられていて、土圧によって基礎スラブの浮き上がらないし、この基礎スラブは周縁部と水平部の断面が外圧に強い略アーチ形をしていて、土圧による圧力によって基礎スラブが変形し難いし壊れ難く、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブや広い床下空間を安価に設けることができる。
【0036】
更に、基礎を設ける前に、地面を掘り下げて布基礎の間に基礎スラブを設けるだけで、その他は、従来と同様に、建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを据え付けるだけでよく、極めて簡単に広い床下空間を有する建物にすることができ、ユニット建物に適した構造をしている。
【0037】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されているから、この建物は、建物ユニトと基礎金具とが一体になった状態に、据え付けられ、風圧や地震等に対する抵抗力が大きく安心である。
しかも、基礎スラブやベタ基礎の上に基礎金具を設けるだけでよく、速く基礎を設けることができる。
【0038】
請求項4記載の発明は、請求項2記載に記載の発明に係り、前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、前記平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されているから、床梁が長くても床梁が撓まず安心である。
【0039】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の発明に係り、前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されているから、この補強した床梁が撓まず安心である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例で説明する。
【実施例1】
【0041】
図1〜図8は、本発明をユニット建物に適用した一実施例を示すものであって、図1はユニット建物を示す斜視図、図2は基礎を示す平面図、図3は基礎スラブを示す斜視図、図4は基礎に建物ユニットを据え付けたときの柱や床梁と基礎との関係を示す平面図、図5は図1や図4に示されるA−A線における断面図、図6は建物ユニットを示す一部切欠斜視図、図7は補強材を示す斜視図、図8は床梁を補強材で補強している状態を示すもので、(a)は相対する床梁を示す断面図、(b)は床梁の間に補強材を挿入している状態を示す断面図、(c)は補強された床梁を示す断面図である。
【0042】
図1〜図8において、Uはユニット建物であり、このユニット建物Uは、図1に示すように、基礎9の上に7個の建物ユニット1を据え付けて1階を構成し、この建物ユニット1の上に7個の建物ユニット1を据え付けて2階を構成し、この建物ユニットの上に屋根パネル2を取り付けたものである。
【0043】
なお、1階では、基礎スラブ3とベタ基礎39の上に設けられた基礎9の上に、図4に示すように、4個の建物ユニット1と3個の建物ユニットとがそれぞれ、平面視矩形状の長辺同士を対峙させて据え付けられ、この4個の建物ユニット1の列と3個の建物ユニット1の列とが短辺同士を対峙させて並んだ状態に据え付けられていて、この4個の建物ユニット1の下方の地面が掘り下げられ、ここに基礎スラブ3が設けられている。すると、この床スラブ3と建物ユニット1との間に、図5に示すように、床下空間Kが形成される。
【0044】
この基礎9の上に1階の建物ユニト1が据え付けられた状態を更に詳細に説明する。
基礎9は、図2に示すように、3条の鉄筋コンクリート製の略平行な平行布基礎91と、この平行布基礎91を連結する鉄筋コンクリート製の連結布基礎92とからなる。
【0045】
基礎スラブ3は、図3に示すように、略水平な中央部31と、この中央部31の側縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32と、この周縁部32から外側方向に略水平に延長された側縁部33とが一体になった鉄筋コンクリート製のスラブであり、この基礎スラブの大きさは、建物ユニット1の4個を合計した大きさと略同じであり、中央部31の表面から周縁部33の表面までの高さは略1.05mである。従って、床下空間Kの高さは、基礎9の高さ等を加えた高さ(略1.4m)となっている。
ベタ基礎39は基礎スラブ3の周縁部33を敷地全体に略水平に延長したものである。
【0046】
建物ユニット1は、短辺が略2.5m、長辺が略5.4mの平面視矩形状の直方体状であって、図6に示すように、平面視矩形状の四隅に立設した4本の鋼製の四角筒状の柱11と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した鋼製の断面コ字形長尺体の床梁12と、この柱11の上端部を矩形状の辺に沿って連結した鋼製の断面コ字形長尺体の天井梁13とからなる骨格を有する。
【0047】
そして、この建物ユニット1は、この骨格の相対する長辺の床梁12に鋼製の四角筒状の床小梁14を差し渡し、この床小梁14の上に木製の床根太15を取り付け、この床根太15の上にパーチクルボード製の床面材16を取り付けて床を構成し、骨格の長辺の天井梁13に木製の天井野縁17を差し渡し、この天井野縁17の下面に石膏ボードの天井面材18を取り付けて天井を構成したものである。
【0048】
なお、外壁を設ける場所には、床梁12と天井梁13に鋼製の断面コ字形長尺体の間柱19を差し渡し、この間柱19の屋外側に図示しない外壁パネルを、また、間柱19の屋内側には図示しない内壁パネルをそれぞれ取り付け、この外壁パネルと内壁パネルの間に図示しないガラスウールの断熱材を取り付けて外壁を構成する。
【0049】
そして、床下空間Kを設ける場所の地面が、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になった状態に、掘り下げられ、ここに基礎スラブ3が設けられ、その他の敷地全体にベタ基礎39が設けられ、基礎スラブ3の相対する側縁部33の上に平行布基礎91が設けられ、別の相対する側縁部33の上に連結布基礎92が設けられている。また、ベタ基礎39の上にも平行布基礎91や別の連結布基礎92が設けられている。
【0050】
そして、建物ユニット1が、平行布基礎91の上に跨がった状態に、据え付けられ、この平行布基礎91の上に据え付けられた建物ユニット1の柱12が平行布基礎9に固定されいる。
そして、基礎スラブ3の側縁部33の上に設けられている平行布基礎91や連結布基礎92と床梁12との間には、図5に示すように、所々にスペーサー8が挿入されたり、床梁12の下方に図示しない支持金具や束が設けられて床梁12が支持されている。
【0051】
また、この建物ユニット1が4個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1の対峙する3組の床梁12、即ち、床下空間Kの上方に存在する床梁12(図4の点線が付加されている床梁12)は、補強材4で補強されている。
この補強構造を説明する。
補強材4は、図7に示すように、脚41とフランジ42とが略T字形に連結された鋼製の断面T字形長尺体であり、この補強材4の脚41の両側には、スペーサー43が溶接され、このフランジ42とスペーサー43を貫通する通孔44が複数個設けられている。
【0052】
床梁12は、前述のように、フランジ121とウエッブ122とがコ字形に連結された鋼製の断面コ字形長尺体であり、この床梁12のウエッブ122には、2個宛上下に対になった複数組の通孔123が設けられている。
そして、建物ユニット1を隣接させて据え付けると、図8(a)に示すように、床梁12のウエッブ122が対峙する。この対峙している床梁12のウエッブ122の間に、図8(b)に示すように、2個の補強材4をそれぞれ上下から挿入すると、補強材4の脚41に設けられている通孔411と両側の床梁12の通孔123とが連通するようになっている。
【0053】
そして、ボルト5を、対峙する一方の床梁12の通孔123から補強材4の通孔44、座金52、他方の床梁12の通孔123を貫通させ、貫通したボルト5の先端からナット51を螺入し、巻き締めると、図8(c)に示すように、対峙する2個の床梁12と補強材4とが一体になって、この床梁12が補強される。
屋根パネル2は従来と略同じであるので、説明を省略する。
【0054】
次に、このユニット建物Uの施工方法および作用について説明する。
まず、床下空間Kを設ける予定の地面を、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になる状態に、掘り下げ、この掘り下げた場所と、その他の敷地全体とに、図示しない鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込んで、中央部31と周縁部32と側縁部33とからなる基礎スラブ3と、ベタ基礎39とを設け、この基礎スラブ3の相対する側縁部33の上やベタ基礎39の上に平行布基礎91を、また、基礎スラブ3の別の相対する側縁部33やベタ基礎39に連結布基礎92を設ける。
更に、建物ユニット1の長辺の床梁12の略中央に位置する場所に図示しない支持金具や束を設ける。
【0055】
一方、工場で建物ユニット1や屋根パネル2等を製造し、この建物ユニット1や屋根パネル2を施工現場に運搬する。
施工現場では、7個の建物ユニット1を平行布基礎91の上に、跨がった状態にして、据え付ける。すると、建物ユニット1の長辺の床梁12の略中央が支持金具や束の上に載置され、この床梁12が支持金具や束で支持される。また、連結布基礎92と建物ユニット1の長辺の床梁12との間に、図5に示すように、スペーサー8を挿入して、床梁12を支持する。
【0056】
また、この建物ユニット1が4個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1の対峙する3組の床梁12、即ち、床下空間Kの上方に存在する床梁12を補強材4で補強する。
このようにして、1階を構成し、この1階の建物ユニット1の上に7個の建物ユニット1を据え付けて2階を構成し、この建物ユニットの上に屋根パネル2を取り付け、その他し種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uが完成する。
【0057】
このようにして完成したユニット建物Uでは、床下空間Kが地面が掘り下げられているだけ広くなっていて、ここを種々な用途に利用することができる。
また、この広い床下空間Kを設けるには、床下空間Kを設ける予定の地面を周辺から斜め下方に皿状に掘り下げればよく、掘り下げ易いし、この掘り下げた部分に、中央部31から周縁部32を経て側縁部33に到る部分に鉄筋を組み立て、ここにコンクリートを打ち込んで基礎スラブ3を設けるというように、一度の工事で基礎スラブを設けることができ、施工期間が短くなるし、頑丈な側壁や土止めや、この側壁や土止めを設けるための型枠を設けなくともよく、極めて作業し易い。
【0058】
また、この基礎スラブ3の側縁部33の上に基礎9を設け、この基礎9の上に建物ユニット1を据え付けて、この建物ユニット1の床と基礎スラブ3との間に床下空間Kを形成するので、基礎スラブ3全体がユニット建物Uの荷重によって押さえられていて、土圧によって基礎スラブ3の浮き上がらないし、この基礎スラブ3は中央部31と周縁部32の断面が略アーチ形をし、外圧に強い形状をしている。従って、基礎スラブ3が変形し難いし壊れ難く、従来の側壁のように頑丈にする必要がなく、基礎スラブを安価に設けることができる。
【0059】
また、平行布基礎91の上に据え付けられた建物ユニット1の柱12が平行布基礎91に固定され、床梁12が、平行布基礎91や連結布基礎92や束や支持金具で支持されているので、この支持されている床梁12は撓まない。
また、平行布基礎91に跨がった状態に据え付けられた建物ユニット1における床下空間Kの上方に存在する床梁12は、補強材4で補強されているので、基礎等や束等で支持できない床梁12であっても、撓まない。
【実施例2】
【0060】
図9〜図11は、本発明の他の実施例を示すものであって、図9はユニット建物を示す斜視図、図10は建物ユニットと床下空間の配置を示す平面図、図11は図9や図10に示されるB−B線における断面図である。
【0061】
この図9〜図11に示す実施例2を図1〜図8に示す実施例1と比較すると、連結布基礎がなく支持金具6aが設けられていること、この支持金具6aによって建物ユニット1aの長辺の床梁12aが支持されていること、基礎スラブ3aの大きさ等が異なる。従って、この異なるる部分を中心にして説明する。
【0062】
基礎スラブ3aは、略水平な中央部31aと、この中央部31aの側縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32aと、この周縁部32aから外側方向に略水平に延長された側縁部33aとが一体になった鉄筋コンクリート製のスラブであることは実施例1と略同じであるが、水平方向の大きさは、図10に示すように、建物ユニット1aの2個を合計した大きさと略同じであり、中央部31aの表面から周縁部33aの表面までの高さは略0.65mとなっいる。従って、床下空間Kaの高さは、基礎9aの高さを加えた高さ(略1.0m)となっていることが異なる。
【0063】
また、周囲が傾斜し、中央部分が略水平の状態に、土地が掘り下げられ、ここに基礎スラブ3aが設けられ、基礎スラブ3aの相対する側縁部33aの上に平行布基礎91aが設けられていることは実施例1と略同じであるが、建物ユニット1aの長辺の床梁12aの略中央の位置に、図11に示すように、支持金具6aが設けられている。なお、連結布基礎が設けられてなくて、床下が見えて見苦しい場所には、プレキャストコンクリート板等の図示しない遮蔽板が設けられている。
【0064】
また、この建物ユニット1aが3個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1aの対峙する1組の床梁12a、即ち、床下空間Kaの上方に存在する床梁12aと、支持金具6aで支持されている床梁12a(図10の点線が付加されている床梁12a)のウエッブには、板状の補強材4aが取り付けられて、床梁12aが補強されている。
【0065】
次に、このユニット建物Uaの施工方法および作用について説明する。
まず、床下空間Kaを設ける予定の地面を、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になる状態に、掘り下げ、この掘り下げた場所と、その他の敷地全体とに、図示しない鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込んで、中央部31aと周縁部32aと側縁部33aとからなる基礎スラブ3aとベタ基礎39aを設け、この基礎スラブ3aの相対する側縁部33aやベタ基礎39aの上に平行布基礎91aや支持金具6aを設ける。
【0066】
一方、工場で建物ユニット1aや屋根パネル2a等を製造し、この建物ユニット1aや屋根パネル2aを施工現場に運搬する。
施工現場では、7個の建物ユニット1aを、平行布基礎91aに跨がった状態に、据え付ける。すると、建物ユニット1aの長辺の床梁12aが支持金具6aの上に載置され、この支持金具6aで床梁12aが支持される。
また、この建物ユニット1aが4個並んで据え付けられている隣接する建物ユニット1aの対峙する1組の床梁12a、即ち、床下空間Kaの上方に存在する床梁12aを補強材4aで補強する。
【0067】
このようにして、1階を構成し、この1階の建物ユニット1aの上に7個の建物ユニット1aを据え付けて2階を構成し、この建物ユニット1aの上に屋根パネル2aを取り付け、その他し種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uaが完成する。
このようにして完成したユニット建物Uaでは、建物ユニット1aの長辺の床梁12aが支持金具6aで支持されたり、長辺の床梁12aが補強材4aで補強されているので、この床梁12aが撓まない。
その他の作用は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【実施例3】
【0068】
図12〜図18は、本発明の別の実施例を示すものであって、図12はユニット建物を示す斜視図、図13は基礎スラブに基礎金具を取り付けた状態を示す斜視図、図14は出隅部分に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線における断面図、図15は2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はD−D線における断面図、図16は2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はE−E線における断面図、図17は4個の建物ユニットが角を突き合って据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に使用される基礎金具を示す平面図、図18は図12のF−F線における断面図である。
【0069】
この図12〜図18に示す実施例3を図1〜図8に示す実施例1と比較すると、ユニット建物Ubが12個の建物ユニット1bで構成されていること、平行布基礎に替えて基礎金具7bが設けられていること、建物ユニット1bの床梁12bが機械的強度が大きく、長辺の床梁12bが支持金具や束や補強材で補強されていないこと、基礎スラブ3bの大きさ等が異なり、その他は実施例1と略同じであるので、この異なる部分を中心にして説明する。
なお、この実施例3では長辺の床梁12bが支持金具や束や補強材で撓まないようにしているが、実施例1や実施例2に示すように、長辺の床梁12b等を支持金具や束で支持してもよいし、補強材で補強して撓まないようにしてもよい。
【0070】
Ubはユニット建物であり、このユニット建物Ubは、図12や図13に示すように、基礎スラブ3bとベタ基礎39bの上に取り付けられた基礎金具7bの上に6個の建物ユニット1bが据え付けられて1階が構成され、この6個の建物ユニット1bの上に6個の建物ユニット1bが据え付けられて2階が構成され、この建物ユニット1bの上に屋根パネル2bが取り付けられたものである。
建物ユニット1bや屋根パネル2bは実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【0071】
基礎金具7bは鋼製の金具であって、図13に示すように、出隅部分に使用される基礎金具7b−1と、2個の建物ユニット1bが隣接して据え付けられる場所に使用される基礎金具7b−2と、2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所であって、基礎スラブ3bの側縁部33bの上に使用される基礎金具7b−3と、4個の建物ユニットが角を突き合って据え付けられる場所であって、側縁部33bの上に使用される基礎金具7b−4の4種類ある。
【0072】
基礎金具7b−1は、図14に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bからなる本体71bが平面視L字形に組み立てられたものであって、中央部分の上端には四角筒状の短尺体の連結金具72bが取り付けられ、中央部分と本体71bの先端部の3箇所にはボルト固定プレート73bが取り付けられている。
【0073】
そして、連結金具72bには、4個の取付金具721bが取り付けられ、この取付金具721bには、通孔722bが設けられているし、固定プレート73bには通孔731bが設けられているし、両側の固定プレート73bの通孔731bの上方に存在する斜め材711bには通孔715bが設けられている。
なお、斜め材711bと縦材712bと底材713bで囲まれている三角形状の隙間には遮蔽板714bが設けられて、床下が見えなくなっている。
【0074】
基礎金具7b−2は、図15に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bとからなる本体71bが平面視T字形に組み立てられたものであって、中央部分の上端部には四角板状の連結金具72bが取り付けられ、連結金具72bの略中央部分からT字形の脚方向に仕切り板74bが取り付けられ、この仕切り板74bの両側には4個ずつ合計8個の通孔722bが設けられ、中央部の下端部と本体71bの先端部の3箇所の合計の4箇所に、ボルト固定プレート73bが取り付けられている。
【0075】
なお、斜め材711bと縦材712bと底材713bで囲まれている三角形状の隙間には遮蔽板714bが設けられて、床下が見えなくなっている。
そして、連結金具72bには、仕切り板74bを挟んで両側に4個ずつ通孔722b、合計8個の通孔722bが設けられているし、固定プレート73bには通孔731bが設けられているし、両側の固定プレート73bの通孔731bの上方に存在する斜め材711bには通孔715bが設けられている。
【0076】
基礎金具7b−3は、基礎金具7b−2のT字形の脚部分が存在しないものである。即ち、図16に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bとからなる本体71bが平面視直線状に組み立てられたものであって、中央部分の上端部には四角板状の連結金具72bが取り付けられ、この連結金具72bの略中央部分に仕切り板74bが取り付けられ、この仕切り板74bの両側には4個ずつ合計8個の通孔722bが設けられ、中央部の下端部と本体71bの先端部の2箇所の合計の3箇所に、ボルト固定プレート73bが取り付けられている。
なお、斜め材711bと縦材712bと底材713bで囲まれている三角形状の隙間には遮蔽板714bが設けられて、床下が見えなくなっている。
【0077】
基礎金具7b−4は、図17に示すように、断面コ字形に形成された斜め材711bと縦材712bと底材713bからなる本体71bが平面視T字形に組み立てられたものであって、中央部分の上端部には四角板状の連結金具72bが取り付けられ、連結金具72bの略中央部分からT字形の中心線に沿って2枚の仕切り板74bが取り付けられ、この連結金具72bの仕切り板で区切られた4箇所には、それぞれ4個ずつ合計16個の通孔722bが設けられ、中央部の下端部と本体71bの先端部の3箇所の合計の4箇所に、ボルト固定プレート73bが取り付けられている。
【0078】
この基礎金具7bの使用方法を、出隅部分に使用される基礎金具7bを例に挙げて説明すると、図18に示すように、建物ユニット1bの柱11bの下端には被取付金具115bが設けられていて、後述の基礎スラブ3bの周縁部33bやベタ基礎39bに設けられているアンカーボルト38bを固定プレート73bの通孔731bに通しながら、基礎金具7bを据え付け、ナットをアンカーボルト38bに螺入して、基礎金具7bを固定する。
【0079】
次に、建物ユニット1bの柱11bの下端に設けられている被取付金具115bの4個のネジ孔にネジ棒78bを螺入し、このネジ棒78bを基礎金具7bの連結金具72bの通孔に挿入しながら、建物ユニット1bの4個の柱11bがそれぞれ4個の基礎金具7bの上に載置される状態にして、据え付け、ネジ棒78bにナット79bを螺入すると、建物ユニット1bが基礎金具7bに固定される。
【0080】
基礎スラブ3bは、略水平な中央部31bと、この中央部31bの側縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部32bと、この周縁部32bから外側方向に略水平に延長された側縁部33bとが一体になった鉄筋コンクリート製のスラブであることは実施例1と略同じであるが、水平方向の大きさは、図12に示すように、建物ユニット1aの3個を合計した大きさと略同じであることが異なる。
ベタ基礎93bは、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【0081】
この基礎スラブ3bとベタ基礎93bとは、周囲が傾斜し、中央部分が略水平の状態に、土地を掘り下げ、この掘り下げた場所と、土地が掘り下げられてない敷地全体とに鉄筋を組み、基礎金具7bや支持金具6bを設ける場所にはアンカーボルト38bを取り付け、ここにコンクリートを流し込んで形成されたものである。そして、この基礎スラブ3bとベタ基礎には、図13に示すように、基礎スラブ3bとベタ基礎93bに設けられているアンカーボルト39bに基礎金具7bや支持金具6bが取り付けられている。
【0082】
次に、このユニット建物Uaの施工方法および作用について説明する。
まず、床下空間Kaを設ける予定の地面を、周囲が傾斜し、中央部分が略水平になる状態に、掘り下げ、この掘り下げた場所と、掘り下げてない場所の敷地全体とに、図示しない鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込んで、基礎スラブ3bとベタ基礎39bを設け、この基礎スラブ3bとベタ基礎93bに基礎金具7bを取り付ける。
【0083】
一方、工場で建物ユニット1bや屋根パネル2b等を製造し、この建物ユニット1bや屋根パネル2bを施工現場に運搬する。
施工現場では、建物ユニット1bの柱11bの下端部に設けられている被取付金具115bにネジ棒78bを螺入し、このネジ棒78bを基礎金具7bの連結金具72bの通孔に挿入しながら、建物ユニット1bの4個の柱11bがそれぞれ4個の基礎金具7bの上に載置される状態にして、据え付け、ネジ棒78bにナット79bを螺入して、建物ユニット1bを基礎金具7bに固定するというようにして、6個の建物ユニット1bを、基礎金具7bに跨がった状態に、据え付ける。
【0084】
このようにして、1階を構成し、この1階の建物ユニット1bの上に6個の建物ユニット1bを据え付けて2階を構成し、この建物ユニット1bの上に屋根パネル2bを取り付けたり、床下が見えて醜い場所にはプレキャストコンクリート製等の遮蔽板で塞いだり、その他し種々な仕上げを行うと、ユニット建物Ubが完成する。
このようにして完成したユニット建物Ubは、基礎金具7bが基礎スラブ3bやベタ基礎39bに固定され、この基礎金具7bに建物ユニット1bの柱11bが固定されていて、全体が略一体になっているので、風圧や地震等に対して抵抗力が大きい。
また、基礎スラブ3bやベタ基礎39bの上に基礎金具7bを据え付けるだけで基礎を設けることができ、従来の鉄筋コンクリート製の基礎のように、型枠を組み立て、この中に鉄筋を設けたり、コンクリート流し込んで養生する必要がなく速く施工できる。
更に、基礎金具7bは小さく、場所を取らず、基礎スラブ3bとベタ基礎39bとも略フラットになっているので、床下での収納や物の移動が容易である。
その他の作用は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上、この発明の実施例を詳述したが、具体的な構成は、この実施例に限られるものでなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
例えば、この実施例では、鉄骨系のユニット建物の住宅について説明したが、その他のユニット建物の戸建住宅であってもよいし、木造の戸建住宅でもよいし、他の建築方法で建てられた戸建住宅であってもよい。
【0086】
また、基礎スラブ以外の敷地全体にベタ基礎を設けているが、このベタ基礎はなくてもよい。
更に、床下空間の上方にある床梁や支持金具で支持されている床梁だけを補強したが、その他の床梁を補強してもよい。
更に、この補強方法は、断面T字形長尺体の金具や板状の金具を使用したが、その他の形状の金具で補強してもよいし、その他の方法で補強してもよい。
更に、特殊な形状の支持金具や基礎金具を使用したが、この支持金具や基礎金具は別の形状であってもよい。
更に、実施例2では、支持金具で床梁を支持したが、この支持金具の替わりに束を設け、この束で支持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1のユニット建物を示す斜視図である。
【図2】実施例1の基礎を示す平面図である。
【図3】実施例1の基礎スラブを示す斜視図である。
【図4】実施例1の基礎に建物ユニットを据え付けたときの柱や床梁と基礎との関係を示す平面図である。
【図5】図1や図4に示されるA−A線における断面図である。
【図6】実施例1の建物ユニットを示す一部切欠斜視図である。
【図7】実施例1の補強材を示す斜視図である。
【図8】実施例1の床梁を補強材で補強している状態を示すもので、(a)は相対する床梁を示す断面図、(b)は床梁の間に補強材を挿入している状態を示す断面図、(c)は補強された床梁を示す断面図であるユニット建物を示す斜視図である。
【図9】実施例2のユニット建物を示す斜視図である。
【図10】実施例2の建物ユニットと床下空間の配置を示す平面図である。
【図11】図9のB−B線における断面図である。
【図12】実施例3のユニット建物を示す斜視図である。
【図13】実施例3の基礎スラブに基礎金具を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図14】実施例3の出隅部分に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線における断面図である。
【図15】実施例3の2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はD−D線における断面図である。
【図16】実施例3の2個の建物ユニットが隣接して据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に使用される基礎金具を示すものであって、(a)は平面図、(b)はE−E線における断面図である。
【図17】実施例3の4個の建物ユニットが角を突き合って据え付けられる場所であって、基礎スラブの側縁部の上に据え付けられる基礎金具を示す平面図である。
【図18】図12のF−F線における断面図である。
【符号の説明】
【0088】
U、Ua、Ub 建物(ユニット建物)
K、Ka、Kb 床下空間
1、1a、1b 建物ユニット
11、11b 柱
12、12a、12b 床梁
3、3a、3b 基礎スラブ
31、31a、31b 中央部
32、32a、32b 周縁部
33、33a、33b 側縁部
4、4a 補強材
6a 支持金具
7b 基礎金具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されていることを特徴とする戸建住宅。
【請求項2】
地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されていることを特徴とする戸建住宅。
【請求項3】
前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されていることを特徴とする請求項2に記載の戸建住宅。
【請求項4】
前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されていることを特徴とする請求項2に記載の戸建住宅。
【請求項5】
前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の戸建住宅。
【請求項1】
地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの側縁部の上に基礎が設けられ、この基礎の上に建物が建てられて、この建物の床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されていることを特徴とする戸建住宅。
【請求項2】
地面が掘り下げられた部分に、略水平な中央部と、中央部の周縁から外側斜め上方向に傾斜した周縁部と、周縁部から外側方向に略水平に延長された側縁部とが一体に連結された基礎スラブが設けられ、この基礎スラブの相対する側縁部の上に略平行な平行布基礎または独立の基礎金具が設けられ、この平行布基礎または基礎金具の上に建物ユニットが跨がった状態に据え付けられて、この建物ユニットの床と基礎スラブとの間に床下空間が形成されていることを特徴とする戸建住宅。
【請求項3】
前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱を備え、前記独立の基礎金具が建物ユニットの柱の位置に設けられ、建物ユニットの柱が基礎金具の上に載置されて固定されていることを特徴とする請求項2に記載の戸建住宅。
【請求項4】
前記建物ユニットが平面視矩形状の四隅に立設した柱と、この柱の下端部を矩形状の辺に沿って連結した床梁とを備え、建物ユニットの柱が平行布基礎の上に載置されて固定され、床梁が、平行布基礎、平行布基礎を連結する連結布基礎、支持金具、束のいずれかに支持されていることを特徴とする請求項2に記載の戸建住宅。
【請求項5】
前記建物ユニットの平行布基礎または基礎金具の間に存在する床梁が補強されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の戸建住宅。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−57282(P2006−57282A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238554(P2004−238554)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]