説明

所在情報表示具、所在情報表示プログラム及び電子計算機

【課題】気軽に所在を知らせることができる、所在情報表示具、所在情報表示プログラム及び電子計算機を提供する。
【解決手段】所在情報表示具1は、所在に関する情報である所在情報を表示する所在情報表示部2と、所在情報表示部2で表示された所在情報を指し示す指示針3を備える。所在情報表示部2は、略円形に配置されると共に所在情報をそれぞれ表示する複数の所在欄2Aを有する。指示針3は、略円形に配置された複数の所在欄2Aで構成された円の略中心に、留めピン3Aで一端を留められており、これにより、指示針3は、円の略中心を軸に回転する。所在情報表示具1は、電話番号が記入される電話番号記入欄4と、電話番号記入欄4に記入される電話番号の所有者の氏名が記入される氏名記入欄5と、入院患者の担当医の名前が記入される担当医名記入欄6と、入院患者の名前が記入される患者名記入欄7を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は所在情報表示具、所在情報表示プログラム及び電子計算機に関する。詳しくは、例えば入院していて病室を離れている時に訪問者に自分の所在を知らせるための、所在情報表示具、所在情報表示プログラム及び電子計算機に係るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば入院した場合、患者は、用事があって一時的に病室を不在にすることがあるが、この不在の間に、医師、看護師、見舞客、家族などが来ないかどうか気になっていた。
【0003】
また、患者は、自分の一時的所在を示すことができれば、心が落ち着き、さらに来訪者も患者の所在を知ることで安心できる。
また、緊急時に、示された所在に看護師が行くこともできる。
【0004】
そこで従来は、例えばメモ書きに所在(行き先)を書き、このメモ書きを病室のベッドにあるテーブルの上などに置いていた。
【0005】
例えば特許文献1には、図3に示すような陶磁製メモ書きが記載されている。即ち、陶磁製メモ書き101は、卓上載置型のメモ書きであり、上面には筆記面102が形成されており、筆記面102は水性ペン120にて書き込みが可能で、かつ水性ペン120のインクを拭き取ることにより消去可能な釉薬面にて形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3110516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のメモ書きでは、患者は、病室を離れるごとに所在をメモ書きに書き込まなければならず、面倒であった。特に、急いでいる時は、書き込む時間もなく、書きそびれてしまう恐れもあった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、気軽に所在を知らせることができる、所在情報表示具、所在情報表示プログラム、及び、このような所在情報表示プログラムがインストールされた電子計算機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の所在情報表示具は、所在に関する情報である所在情報を表示する所在情報表示部と、該所在情報表示部で表示された所在情報を指し示す指示部とを備える。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明の電子計算機にインストールされる所在情報表示プログラムは、電子計算機に、所在に関する情報である所在情報を記録する機能と、記録された所在情報を表示すると共に、表示された所在情報を指し示す表示を行なう機能とを付与する。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、本発明の電子計算機は、所在に関する情報である所在情報を記録する所在情報記録手段と、該所在情報記録手段に記録された所在情報を表示すると共に、表示された所在情報を指し示す表示を行なう所在情報指示表示手段とを備える。
【0012】
ここで、所在に関する情報である所在情報を表示し、表示された所在情報を指し示すので、患者などの使用者は、わざわざ所在(行き先)を書き込む必要がない。
【0013】
また、本発明の所在情報表示具において、所在情報表示部は、略円形に配置されると共に所在情報をそれぞれ表示する複数の所在欄を有し、指示部は、円の略中心を軸に回転するものとすることができる。
【0014】
この場合、複数の所在欄によって一目で全体の所在(行き先)にはどのような所在(行き先)があるのかが判り、最適な行き先を自己判断することができる。
また、指示部は、略円形に配置された複数の所在欄の円の略中心を軸に回転するので、使用者は、指示部を指で回転させるだけで所在を示すことができる。
【0015】
また、本発明の所在情報表示具は、電話番号が記入される電話番号記入欄と、電話番号記入欄に記入される電話番号の所有者の氏名が記入される氏名記入欄とを備えるものとすることができる。
【0016】
この場合、使用者は、電話番号記入欄に記入された電話番号と、氏名記入欄に記入された氏名とを見て、いざという時にすぐに電話をかけることができる。
また、看護師などが、緊急時に使用者以外に連絡を取りたいときにも役立つ。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る所在情報表示具は、気軽に所在を知らせることができる。
本発明に係る所在情報表示プログラムは、気軽に所在を知らせることができる。
本発明に係る電子計算機は、気軽に所在を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の所在情報表示具の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示した本発明の所在情報表示具の指示針を動かした例を示す概略図である。
【図3】従来の陶磁製メモ書きを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の所在情報表示具の一例を示す概略図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の所在情報表示具1は、所在に関する情報である所在情報を表示する所在情報表示部2を備える。
また、所在情報表示部2は、略円形に配置されると共に所在情報をそれぞれ表示する複数の所在欄2Aを有する。
【0021】
図1に示す例は、病院の病室において、入院患者が自分の所在を知らせるために本発明の所在情報表示具を使用する例であるから、所在欄2Aには、検査診察室を意味する「検査」「診察」、リハビリ室を意味する「リハビリ」、手術室を意味する「手術」などの文字が表示されている。
【0022】
また、会社において、社員が自分の所在を知らせるために本発明の所在情報表示具を使用する場合は、所在欄には、例えば、会議室を意味する「会議」、営業活動で外出していることを意味する「営業」という文字が表示されることになる。
【0023】
また、本発明の所在情報表示具1は、所在情報表示部2で表示された所在情報を指し示す指示針(指示部の一例である。)3を備える。ここで、指示針3は、略円形に配置された複数の所在欄2Aで構成された円の略中心に、留めピン3Aで一端を留められており、これにより、指示針3は、円の略中心を軸に回転する。
【0024】
また、所在情報表示部2の所在欄2Aは、本発明の所在情報表示具1の板状の本体1Aに印刷表示されており、また、本体1Aは厚紙で構成されているので、指示針3を留めピン3Aで簡単に留めることができる。
【0025】
図1に示す例では、指示針3は、「検査」「診察」を指し示しており、入院患者が病室を離れて検査診察室に居ることを示している。
【0026】
また、本発明の所在情報表示具1は、電話番号が記入される電話番号記入欄4と、電話番号記入欄4に記入される電話番号の所有者の氏名が記入される氏名記入欄5を備える。
【0027】
また、本発明の所在情報表示具1は、入院患者の担当医の名前が記入される担当医名記入欄6と、入院患者の名前が記入される患者名記入欄7を備える。
【0028】
図2は、図1に示した本発明の所在情報表示具の指示針を動かした例を示す概略図である。
指示針3は、複数の所在欄2Aで構成された円の略中心を軸に回転するので、入院患者は、病室を離れる前に、次の所在(行き先)である食堂売店を表示した所在欄2Aの位置まで指示針3を指で回転させておき、本発明の所在情報表示具1を、自分のベッドの足元にあるテーブル上に置いておく。
【0029】
その他の所在を示したい場合は、同様に指示針3を、該当する所在欄2Aの位置まで指などで回転させればよい。
【0030】
また、本発明の所在情報表示具は、さらにカレンダーやメモ用紙を備えるものとすることができる。
本発明の所在情報表示具が、カレンダーを備えていれば、例えば入院の初日から退院までの見通し予測や、入院中の検査、手術、見舞客等の日付に印をつけることができて、予定を立てたり大切な期日を忘れないようにしたりできる。
また、本発明の所在情報表示具が、メモ用紙を備えていれば、例えば医師や看護師からの話や、自分が思い立ったことなどをすぐにメモに記載できる。
【0031】
ここで、本発明の所在情報表示具が、所在に関する情報である所在情報を表示する所在情報表示部と、所在情報表示部で表示された所在情報を指し示す指示部とを備えるのであれば、必ずしも所在情報表示部は、略円形に配置されると共に所在情報をそれぞれ表示する複数の所在欄を有していなくてもよい。
【0032】
しかし、所在情報表示部が、略円形に配置されると共に所在情報をそれぞれ表示する複数の所在欄を有していれば、一目で全体の所在(行き先)にはどのような所在(行き先)があるのかが判り、最適な行き先を自己判断することができるので好ましい。
【0033】
また、本発明の所在情報表示具が、所在に関する情報である所在情報を表示する所在情報表示部と、所在情報表示部で表示された所在情報を指し示す指示部とを備えるのであれば、必ずしも指示部は、複数の所在欄で構成された円の略中心を軸に回転しなくてもよい。
【0034】
しかし、指示部が、複数の所在欄で構成された円の略中心を軸に回転すれば、使用者は、指示部を指で回転させるだけで所在を示すことができるので、好ましい。
【0035】
また、例えば指示部を備えず、所在情報を表示する複数のカードから該当する所在情報を表示するカードを選んで、卓上カレンダーのように表出させることも考えられるが、このようなカード式の場合、いちいちカードをめくる手間があり、また、このカードで良かったかどうかという不安感が残って再びカードをめくり直す必要が生じてしまう。
【0036】
これに対して、本発明の所在情報表示具のように、表示された所在情報を、指示部で指し示す方式であれば、めくる手間もなく、すでに所在情報が表示されているので上述のような不安感も残らない。
【0037】
また、本発明の所在情報表示具が、所在に関する情報である所在情報を表示する所在情報表示部と、所在情報表示部で表示された所在情報を指し示す指示部とを備えるのであれば、必ずしも本発明の所在情報表示具は、電話番号記入欄、氏名記入欄、担当医名記入欄、及び患者名記入欄を備えていなくてもよい。
【0038】
しかし、本発明の所在情報表示具が、電話番号記入欄と氏名記入欄を備えていれば、使用者は、電話番号記入欄に記入された電話番号と、氏名記入欄に記入された氏名とを見て、いざという時にすぐに電話をかけることができるので、好ましい。
【0039】
また、本発明の所在情報表示具が文房具の態様の場合を例に挙げて説明したが、所在情報を表示すると共に、表示された所在情報を指し示す表示を行なうことができるのであれば、液晶画面を備えた板状の電子表示装置(電子計算機の一例である。)の態様も可能である。
【0040】
また、電子表示装置のような電子計算機に、所在情報を表示すると共に、表示された所在情報を指し示す表示を行なう機能を付与する所在情報表示プログラムの態様も可能である。
【0041】
以上のように、本発明の所在情報表示具は、所在に関する情報である所在情報を表示し、表示された所在情報を指し示すので、患者などの使用者は、わざわざ所在(行き先)を書き込む必要がなく、よって、気軽に所在を知らせることができる。
【0042】
また、本発明の所在情報表示プログラムも、所在情報を表示すると共に、表示された所在情報を指し示す表示を行なう機能を電子計算機に付与するので、このような所在情報表示プログラムや、このような所在情報表示プログラムがインストールされた本発明の電子計算機によって、患者などの使用者は、わざわざ所在(行き先)を書き込む(入力する)必要がなく、よって、気軽に所在を知らせることができる。
【0043】
また、本発明によって、不在時の自分の所在を知らせることができるので、自分自身が安心でき、また、病室や職場などで、他者に所在を伝えておく必要もない。
また、一方、不在時に訪ねてきた者も、行き先によって、どれだけの時間待っておけばよいのかを推測でき、安心である。
【符号の説明】
【0044】
1 所在情報表示具
1A 本体
2 所在情報表示部
2A 所在欄
3 指示針
3A 留めピン
4 電話番号記入欄
5 氏名記入欄
6 担当医記入欄
7 患者名記入欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所在に関する情報である所在情報を表示する所在情報表示部と、
該所在情報表示部で表示された所在情報を指し示す指示部とを備える
所在情報表示具。
【請求項2】
前記所在情報表示部は、略円形に配置されると共に所在情報をそれぞれ表示する複数の所在欄を有し、
前記指示部は、前記円の略中心を軸に回転する
請求項1に記載の所在情報表示具。
【請求項3】
電話番号が記入される電話番号記入欄と、
該電話番号記入欄に記入される電話番号の所有者の氏名が記入される氏名記入欄とを備える
請求項1または請求項2に記載の所在情報表示具。
【請求項4】
電子計算機に、
所在に関する情報である所在情報を記録する機能と、
記録された所在情報を表示すると共に、表示された所在情報を指し示す表示を行なう機能とを付与する
前記電子計算機にインストールされる所在情報表示プログラム。
【請求項5】
所在に関する情報である所在情報を記録する所在情報記録手段と、
該所在情報記録手段に記録された所在情報を表示すると共に、表示された所在情報を指し示す表示を行なう所在情報指示表示手段とを備える
電子計算機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−255886(P2012−255886A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128422(P2011−128422)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(508134924)
【Fターム(参考)】